JPH01198461A - 表面被覆方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は表面被覆方法及び装置に係わり、とくに帯状金
属溶射材を用いるアーク溶射技術についての開発研究の
成果を提供し、ようとするものである。

金属、セラミ・ツクスあるいはプラスチック等を溶射材
とする溶射技術は各種構造体の防錆・防食、耐摩耗性・
潤滑性付与、美観性付与、耐熱性付与等の幅広い用途に
利用され、今後とも益々用途拡大が予想される。

（従来の技術） 溶射法としてはガス溶線式溶射法、アーク溶融式溶射法
、プラズマ溶融式溶射法あるいは線爆溶融式溶射法など
があり０、それぞれの目的に応じて利用されている。

とりわけ、金属質材料の溶射に際しては、溶射材が導電
性を有することを利用して、溶射材自体を線材状の電極
に加工し、電極対の間にアーク放電させることによって
溶射材の効果的な溶解をはかる、アーク溶融式溶射法が
、広（使用されている。　　　　　　′ しかし、−船釣なアーク溶融式溶射法は、アーク部の後
方から、噴射用のガスを高圧、高速で噴出させるので、
その冷却作用のため溶融負荷が著しく大となる（すなわ
ち、高電圧大電流を要する）こと、溶射金属の酸化や気
化が大となる問題点があった。

このような問題点を解決するためには、特開昭５１−１
６７４７２号公報、特公昭５９−５１８５９号公報に開
示された減圧溶融金属溶射方法が有用である。

（発明が解決しようとする問題点） しかし上記した減圧溶融金属溶射方法は、電極として線
材状に加工した溶射材を用いるものであり、それ故、広
い面積を効率良く、均一に溶射し難い欠点があった。

そこで、このような減圧溶融金属溶射法における、欠点
を有利に克服し、広い面積を効率良（、均一に溶射しう
る表面被覆方法及び装置を提供することが本発明の目的
である。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、楕円形環状の噴射気流により発生する減圧域
にて交差する２本の帯状金属体をアーク溶融させた液相
化金属体を、噴射気流にて発生するプロアー現象を利用
して圧縮噴射気流中に吸引後、微粉体に粉砕し、急速飛
行させて基材面に溶着付着させることを特徴とする溶射
式表面被覆方法（第１発明）、及びこの方法に特に好適
に使用できる装置として先端のすぼまった楕円錘台形の
開口部を有するガンヘッド部と、該開口部内に該ガンヘ
ッド部と間隙を設けて配置した、先端のすぼまった楕円
錘台形の筒状の内面テーパ構造体と、該内面テーバ構遺
体の内側から、その先端近傍に２つの帯状溶射材を供給
する手段と、該２つの帯状溶射材に通電する手段と、上
記ガンヘッド部と内面テーパ構遺体の間隙に高圧気体を
供給する手段を設けてなる溶射式表面被覆装置を提供す
る。

（作　用） 第１図は本発明に従う溶射要領を示す模式図であり、こ
れについて作用を説明すると、まず第１の特徴は溶射筒
２および前板８よりなる溶射ガン外構の中に、エアー送
り構造体４を設置し、エアー（Ａ）をエアー供給管３を
介して、溶射筒接合口５からエアー送り構造体４の内部
に高圧で送り込み、エアー送り構造体４のあらかじめ検
討、決定された内面テーパ構造部６により形成さ°れる
エアー通路挟小部７を通過中に十分に高速気流化させて
前板８とエアー送り構造体４とによって形成されるエア
ー噴出し口９からジェット気流ＪＡとして噴出させる構
造とすることである。このエアー噴出し口の噴き出し角
度すなわちエアー通路挟小部７のテーパ角度は、後述す
る帯状金属溶射材ｌ。

１′が形成するアークＡＣ発生点１０の位置との関係で
決められるもので、本発明の根幹をなす重要な項目であ
る。

すなわち、エアー噴出し口９から噴出したジェット気流
（ＪＡ）がアーク発生点１０のある範囲で前方側（噴出
し口９より遠方側）に収束するような噴出し角度とする
ことにより、アーク発生点１０はシェアド気流ＪＡによ
り形成される負の圧（減圧）雰囲気下におかれることに
なる。この現象を利用するのが本発明の基本的な特徴な
のである。

すなわち、アーク発生点ｘ６が負圧雰囲気となることで ■　アーク溶融状態部のエアーによる冷却効果を防げる
。

■　アーク発生へのエアー（酸素等）の障害現象を低減
できる。

■　溶融した金属粒子の酸化（酸素との親和）現象を低
減化できる。　　　゛ これらの特徴が高電力を必要としない省力化および付着
金属粒子（Ｎ）の酸化現象の抑制などの改善を生むので
ある。

この圧力の減圧現象は大きければ大きいほど本発明の目
的とするところを達成するのに好都合であり、具体的に
は供給エアー圧（量）が太き（、エアー通路挟小部７、
エアー噴出し口９は狭くというような構造として、ジェ
ット気流の速度をできるだけ大きくし、アーク発生点１
０の負圧化度を増すようにするのが望ましいが、その一
方、ジェット気流ＪＡについては溶融金属粒子を被溶射
体まで輸送する媒体としての働きもあり、量、速度の適
正範囲があるので負圧化および輸送両面から最適の条件
が決められるものである。

帯状の金属溶射材１．１′は接点１３、電気配線ケーブ
ル１１を介してアーク発生電源１２と結ばれ、アーク溶
融のための電力を供給される。

接点１３は具体的には銅その他の良導性材料から製作さ
れたローラであり、帯状の金属溶射材１゜ビの送り機構
を兼ねた通電ローラ或いは給電ローラと呼ばれるもので
ある。

また帯状の金属溶射材１，１′の送り機構は原則的には
搬送ローラ１５によってなされるものである。

前板８に形成される金属溶射材１，１′送り出し口１４
およびエアー噴出し口９の形状はエアー噴き出しによる
負圧雰囲気領域が帯状の金属溶射材１．１′の周囲に均
一に形成され得るように両者同様の形状とすることが必
要なので楕円状にする。

すなわち、楕円状とすることにより高圧気体の噴射流の
収束と、拡散が滑らかとなり、帯状の金属溶射材ｌ、１
′の幅方向に均一に溶融金属液滴が分布し、かつ厚み方
向への拡散が効果的に防止できるのである。

但し、溶射パターンの形状や広さに応じて最適の長短径
比を選択するのは、いうまでもない。これに対し、従来
の帯状溶射材料のアーク溶射装置はと言えば、第２図に
示すような構成をしている。

すなわち、送りローラ１５．１５’により搬送される帯
状溶射材料１．１′は配線１１、接点１３を介してアー
ク電源１２より給電されて、アーク発生点１０でアーク
溶融され、ここで、接点１３は銅などの良導性材料から
なる通電ローラである点なども含めてこのアーク溶融機
構は第１図の場合と変わるところはないが、エアー供給
方法が全く異なるのである。つまり、従来の装置では、
帯状の金属溶射材１．１′の搬送方向背後に、エアー噴
出し機構１６を備えて、アーク発生点１０に向けてエア
ー（Ａ）噴き出しを行い、１０にてアーク溶融された金
属粒子を被溶射材まで輸送する。この従来装置のエアー
噴き出し機構では、 ■　エアー気流をまともに帯状金属溶射材料のアーク発
生点にぶつけるため、アーク溶融部が気流により冷却さ
れる形となり、この分アーク溶融に要する電力量が増大
することになる。断面積が大きく、必要電力量の大きな
帯状溶射材料では顕著な現象となる。

■　アーク発生部への酸素等の絶縁性物質の噴出による
アーク発生の阻害（障害）現象が生じ、特に帯状溶射材
料の場合に、アーク溶融に必要な電力量が増大する。

■　大電力で溶融された金属粒子に酸素（エアー）を噴
出衝突させるため、酸素との親和性の高い金属（例えば
アルミなど）では酸化された粒子が付着し、溶射層を形
成する現象が顕著となる。

のような不利を伴い、問題とされていたので、その解決
のため本発明がなされるに至ったのである。

（実施例） 以下、本発明の実施例について説明する。

叉施■上 第３図、第４図に図示するような溶射装置を製作した。

第３図は本発明の装置を真上からみた透視図であり、第
４図は同一装置を正面斜め前面より見た外観図である。

本装置の構造動作を以下に説明する。

この装置は溶射装置の内のいわゆる溶射ガン部にあたる
ものであり、その構造はベークライト板その他の材料か
らなる外構部２１と真ちゅうその他の材料からなるヘッ
ド部１７とからなっている。外構部２１の内部では帯状
の金属溶射材１．１′が外構部２１の後面に形成された
帯状金属溶射材料の導入口２２．２２’を通り、絶縁性
プラスチック例えばフッ素樹脂、硬質塩ビ、アクリル樹
脂、ポリアミド樹脂あるいは絶縁性無機材料よりなる搬
送ローラ１５．１５’及び帯状の金属溶射材１．１′へ
のアーク電流を供給する銅などの良導性金属材料よりな
る給電ローラ２０．２０’を経て、外構部２１の前面の
リーダー（送り出し口）　２４．２４’からヘッド部１
７へ搬送される。この間、帯状の金属溶射材１゜１′は
、搬送ローラ１５．１５’および給電ローラ２０゜２０
′と連係する駆動モーター２３（第４図）の与えるトル
クにより、搬送ローラ１５．１５’給電ローラ２０、２
０’を介して任意の搬送速度を与えられるのである。

ここで、搬送ローラ１５．１５’　と給電ローラ２０゜
２０′は適正なギア比をもつギアにより連絡されており
、駆動モーター２３からの回転力を相方のマツチング良
くかつ確実に帯状の金属溶射材ｌ、１′に伝える機構と
なっている。

帯状の金属溶射材ｌ、１′への給電機構は電源よりの配
線ケーブル１１を受電用端子１８．１８’で受けたのち
、通電治具１９．１９’を介して、給電ローラ２０．２
０’へ供給する機構となっている。

一方、ヘッド部１７へ送り出されてきた帯状の金属溶射
材１．１′はテーバ構造部６の内面を、リーダー２４．
２４’により定められた一定の角度（約２２°）をもっ
て前進し、ヘッド通過直後にアーク放電により溶融する
。ここで、ヘッド部にはエアーコンプレッサーからの送
気Ａをヘッド内に導入するために、送気管３との接続口
５が設けられてあり、また導入されたエアーは前に詳し
く述べたように高速ジェット気流化して帯状の金属溶射
材ｌ、ビのアーク発生点ｌＯの直近前方側に収束するよ
うにヘッドの構造にテーパ構造部６．エアー通過挟小部
７、ならびにエアー噴出し口９を設けである。

エアー噴出し口９でのエアー噴出し角度は帯状金属溶射
材の前進角度的２２°とほば一致がわずかに大きい角度
（０，５°〜２°の範囲）とすることができるようにし
てあり、本発明の目的達成が得られる構造となっている
。

但し、帯状の金属溶射材１．ビの前進角度ならびにエア
ー噴出し角度は図示装置の数値に限定されるものではな
く、装置、溶射材料の種類、搬送条件、被溶射材との関
係その他で多様化されて当然なので、特許請求の範囲を
制限するものではない。

次に、この装置を用いた溶射を行った実例について説明
する。幅１５ｍｍ、厚み０．５ｍｎ＋の亜鉛帯状材を金
属溶射材１．１′として用い、搬送速度５ｍ／分、電圧
１６Ｖ、電流２００　Ａ、エアー圧６　ｋｇ　ｆ　７ｃ
ｍ”の条件で溶射を行った。この際、エアー送気管には
耐圧ホース（内径１３＋ａｍ）を用い、被溶射材として
は５Ｏ３−Ｓｕ、　（ホワイトメタル）の状態にあらか
じめプラスト処理された軟鋼板１．２００　Ｘ　２．４
００　Ｘ３．２　ｔ　ＩＩＩｍ　　を用いた。亜鉛溶射
材料は市販の亜鉛帯状材（亜鉛純度９９．９９５％以上
）である。

この実施例において、使用した帯状の金属溶射材の付着
効率（実際に付着した亜鉛量／消費された亜鉛量）は６
５％、時間当りの溶射量は１６ｋｇであった。また、エ
アー噴出し口でのエアー噴出し速度は２００〜２４０＋
ａ／秒で、負圧部での圧力はおよそｌＸｌ０−’気圧で
あった。

このようにして、滑らかで良好な亜鉛溶射層が比較的低
い電力量で、高付着効率をもって、得られた。

実Ｊｌ［Ｌ影 実施例１と同じ溶射装置を用い、幅１５ｍｍ、厚み０．
５ｍｍのアルミニウム帯状金属材を溶射材料として用い
、搬送速度８ＩｌＩ１分、電圧２０Ｖ１．電流２８０Ａ
、エアー圧６ｋｇｆ／ｃｍ”の条件で溶射を行った。

用いたアルミニウム溶射材は市販のアルミニウム帯状材
（アルミニウム純度９９．９％以上）で、被溶射材は実
施例１と同じである。

本実施例では、アルミニウム溶射材料の付着効率は６１
％、時間当りの溶射量は９．７ｋｇで、エアー噴出し速
度は１９０〜２４０ｍ／秒、負圧部圧力はおよそｌＸｌ
０−’気圧であった。

このようにして良好なアルミニウム溶射層を低い電力量
でかつ高付着効率をもって得られた。

実態■主 実施例１と同じ溶射装置を用い、幅２０ｍｍ、厚み０．
５１１ＩＩＩ＋ノステンレス帯状金属材（ＳＯＳ　３０
４）を溶射材として用い、搬送速度５ｍ／分、電圧２３
Ｖ、電流２５ＯＡ、エアー圧６ｋｇｆ／ｃｍ”の条件で
溶射を行なった。用いたステンレス溶射材は市販のステ
ンレス鋼帯のスリッター材である。また、被溶射材は実
施例１と同じである。

本実施例ではステンレス溶射材料の付着効率は６８％、
時間当りの溶射量は２３ｋｇで、エアー噴出し速度は２
００〜２２０ｍ／秒、負圧部圧力はおよそ３×１０−４
気圧であった。

このようにして良好なテスンレス溶射層を高付着効率か
つ低電力量で得られた。

上較拠 第５図に示す溶射装置を本発明溶射方法との比較の目的
で製作した。

この比較用の装置の構造は第２図につきさきにのべた通
常のアーク溶射装置と同様に、エアーの噴出し口２４を
アーク発生点の後方に設置したものとし、その他の部分
については変更を加えていない。以下に第５図に示す比
較用装置を用いた場合の溶射実施例について、その結果
をまとめて示す。

■　亜鉛帯状溶射材料（幅１５ｍｍ、厚み０．５ｍｍ）
−本発明実施例１の比較− 溶射条件（＊送速度、電圧、電流、エアー圧）は同一と
した。

その結果、亜鉛溶射材料の付着効率は５４％と効率は１
０％以上低下した。また、得られた溶射皮膜自身は本発
明実施例１の皮膜よりも不完全溶融粒（いわゆるプツ）
の多い性状であった。

■　アルミニウム帯状溶射材料（幅１５ｍｍ、厚み０．
５ｍｍ）−本発明実施例２の比較−溶射条件（ｗＬ送速
度、電圧、電流、エアー圧）は同一とした。

その結果、アルミニウム溶射材料の付着効率は５２％と
１０％近く低下した。また、溶射皮膜自身は本発明実施
例２よりも多少、不完全溶融粒（プッ）の多い性状であ
った。

■　ステンレス帯状溶射材料（幅２０ｍｍ、厚み０．５
ｍｍ）−本発明実施例３の比較− 溶射条件（ｌＪＩｉ送速度、電圧、電流、エアー圧）は
同一とした。

その結果、ステンレス溶射材料お付着効率は５５％と１
０％以上低下するとともに、溶射皮膜も不完全溶融粒（
ブッ）の多い性状を呈した。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明によれば帯状金属溶射法にお
ける従来の問題点を解決でき、高作業性、高経済性、高
品質性の溶射技術を提供できるものであるので、現在、
溶射技術が適用されている産業分野についてはさらにそ
の適用領域、適用頻度を増すことを可能とする。と同時
に、従来上として処理コストの面から適用されるに至っ
ていなかった産業分野についてもコストパフォーマンス
の面でメリットを出させるに十分な作業性、経済性の向
上を与えることができ、適用領域の拡大につながると期
待できるものである。このような意味で、本発明の意義
はきわめて大きなものがある。

とりわけ、アルミニウム、亜鉛、又は亜鉛−アルミニウ
ム合金といった金属が利用される防錆・″　防食溶射は
現在の溶射技術の適用の中核をなすものであるが、本発
明はこの種の低融点金属の溶射に関して最もメリットの
出る新技術であり、広く防錆・防食溶射を普及させるに
おいてきわめて有用な技術であると言える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例装置の基本構造・動作を示す平面
透視図である。 第２図は従来例装置の基本構造・動作を示す平面透視図
である。 第３図は本発明実施例装置の全容を示す平面透視図であ
る。 第４図は本発明実施例装置の外観を示す斜め前面よりみ
た外観図である。 第５図は比較例として用いた装置の全容を示す平面透視
図である。 １・・・帯状金属溶射材料　　２・′・・溶射筒３・・
・エアー供給管　　　　４・・・エアー送り構造体計・
・溶射筒接合口　　　　６・・・、内面テーパ構造体７
・・・エアー通路挟小部　　８・・・前板９・・・エア
ー噴出し口　　　１０・・・アーク発生点１１・・・電
気配線ケーブル　　１２・・・電源１３・・・接点 １４・・・帯状溶射材料送出し口 １５・・・搬送ローラ　　　　　１６・・・エアー噴出
し機構１７・・・溶射ガンヘッド部　　１８・・・受電
用端子１９・・・通電治具　　　　　　２０・・・給電
ローラ２１・・・溶射ガン外構部　　　２２・・・帯状
溶射材料導入口第１図 第３図 第４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、楕円形環状の噴射気流により発生する減圧域にて交
   差する２本の帯状金属体をアーク溶融させた液相化金属
   体を、噴射気流にて発生するプロアー現象を利用して圧
   縮噴射気流中に吸引後、微粉体に粉砕し、急速飛行させ
   て基材面に溶着付着させることを特徴とする溶射式表面
   被覆方法。 ２、先端のすぼまった楕円錘台形の開口部を有するガン
   ヘッド部と、 該開口部内に該ガンヘッド部と間隙を設けて配置した、
   先端のすぼまった同心楕円錘台形の筒状の内面テーパ構
   造体と、 該内面テーパ構造体の内側から、その先端近傍に２つの
   帯状溶射材を供給する手段と、該２つの帯状溶射材に通
   電する手段と、 上記ガンヘッド部と内面テーパ構造体の間隙に高圧気体
   を供給する手段を設けてなる溶射式表面被覆装置。