JPH0119554B2 - - Google Patents

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JPH0119554B2
JPH0119554B2 JP57008994A JP899482A JPH0119554B2 JP H0119554 B2 JPH0119554 B2 JP H0119554B2 JP 57008994 A JP57008994 A JP 57008994A JP 899482 A JP899482 A JP 899482A JP H0119554 B2 JPH0119554 B2 JP H0119554B2
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nuclear fuel
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uranium
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Kyozumi Hayashi
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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Publication of JPH0119554B2 publication Critical patent/JPH0119554B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、核燃料棒の外套を形成する金属製被
覆管の中に、略球形状の被覆燃料粒子とウランの
安定な酸化物粉末とが均一に混合・充填された燃
料に関し、特に前記被覆燃料粒子は、その中心に
位置する直径約0.7〜1.3mmの略球形状のプルトニ
ウムの安定な酸化物またはプルトニウムとウラン
の安定な混合酸化物の核燃料粒子の外表面を、物
性値あるいは寸法が各々異なる三つの炭素層で被
覆したものであつて、該被覆燃料粒子とウランの
安定な酸化物粉末との均一な混合燃料充填層を含
む被覆管両端を密封した核燃料棒に関するもので
ある。 従来の核燃料棒は第1図に示すように、多数箇
の円柱状をなす核燃料物質の焼結ペレツト
(pellet)を被覆管の中に3〜4m積層装填
し、両管端部を上記端栓及び下部端栓で密封
した構造のものが、発電用原子炉に採用されてい
る。この場合、最下ペレツトと下部端栓との間に
断熱ペレツトが挿入され、最上ペレツトと上部
端栓との間には金属製抑え板(デイスク)に点
溶接されたコイル・スプリングが設けられてい
ることが多い。このように金属製被覆管の内部に
装填される円柱状焼結ペレツトは、第2図Aに示
すように、焼結したままの形状は砂時計(アワ・
グラス)形をしているのでペレツトと被覆管内面
との間隙(ギヤツプ)を均一にするため、ペレツ
トの円筒側面を外周研磨しなければならない。こ
の研磨工程は、後述のペレツトと被覆管の相互作
用(以下、PCIという)を低減させる観点からも
重要であつて省略できないものである。この外周
研磨(センタレス・グラインダー)は、特に、毒
性の強いプルトニウムなどを用いてウランとの混
合酸化物の円柱状ペレツトを製造する際、核燃料
物質使用量の約1〜2%の研磨屑を生じて回収施
設等の清浄保持の点から厄介な問題である。これ
は、使用済核燃料の再処理によつて得られる人工
的元素のプルトニウムが、アルフア(α)線を出
し人体に取込まれると黒髄等に沈着して致命的に
有害なためである。 また、このような円柱状ペレツトを用いた核燃
料棒は、原子炉の頻繁な出力変動運転に遭遇した
場合に燃料の使用寿命の点で問題となる。センタ
レス・グラインダーをかけた第2図Bのような直
円柱状ペレツトは、原子炉内で使用されると、
ペレツトの半径方向の大きな温度勾配のために、
ペレツト端部円周部に亀裂(クラツク)が2〜20
箇所生じ、このクラツクを境界としてペレツト片
(フラグメント)ができる。このフラグメントが
生じることによつて、冷温初期状態では直円柱状
であつたペレツトは、そのペレツトの中心温度が
外周部よりも高いことによる効果と、ペレツト両
端面部の酸化物燃料物質の密度が高さ中央部より
も僅かに大きいことが関与して、第3図に示すよ
うに、ペレツトのフラグメントは、その中心
軸から外側に反り返えるように変形する。このこ
とは、原子炉で使用中の円柱状ペレツトが包絡
面としては、やはり、アワ・グラス形状になるこ
とを意味する。このため、第4図に示すように、
ペレツトのフラグメントが被覆管の内面と強
く接触して、燃料ペレツトのクラツク開口部
に面する被覆管の内面には、ペレツトと被覆管
の相互作用のPCIが生じて、局所的に応力が大き
く作用する。この応力集中部には核燃料物質の燃
焼に伴つて生じた核分裂生成物(以下FPという)
のうちのヨウ素(I2)、セシウム(Cs)等による
腐食環境のもとで微細なヘア・クラツク15が発
生する。このヘア・クラツク15は、原子炉の運
転中に被覆管厚み方向に伸展して、遂には燃料の
設計寿命に達することなく被覆管が破損してし
まう可能性が高いのである。 本発明の目的は、このような従来技術の欠点を
解消し、長期間にわたる原子炉出力の負荷追従運
転にも燃料の健全性を維持でき、しかも、極めて
毒性の強いプルトニウム燃料等の燃料加工施設の
設備を合理化でき、燃料の遠隔自動製造と検査に
も適し、安全且つ安価に製造できる構造の核燃料
棒を提供することにある。 要約すると、本発明は、略球形状のプルトニウ
ムの安定な酸化物またはプルトニウムとウランの
安定な混合酸化物の核燃料粒子の外表面を特定の
効果をもつ三つの炭素層で覆つた被覆燃料粒子
を、安定なウラン酸化物粉末と均一に混合して、
金属製被覆管内に充填し、両管端を密封した核燃
料棒である。 以下、図面に基づき本発明について詳述する。
第5図は本発明に用いる被覆燃料粒子の構造を示
す説明図である。同図において被覆燃料粒子10
は、その中心に直径約0.7〜1.3mm程度の略球形状
の核燃料粒子11が位置する。この核燃料粒子
1は、プルトニウムの安定な酸化物またはプルト
ニウムとウランの安定な混合酸化物(PuO2また
はPuO2+UO2)でできている。なお、この種の
略球形状の被覆燃料粒子を製造する技術は、後述
のとおり、高温ガス冷却炉用燃料において公知の
ことであるから、この被覆燃料粒子の製造法につ
いて述べることは省略する。 第5図に示すように、核燃料粒子11の外表面
は、内側から順次形成された低密度熱分解炭素層
12、高密度等方質熱分解炭素層13及び低密度
熱分解炭素層14の三層で被覆されている。第一
層(最内層)の低密度熱分解炭素層12は、膜厚
約30〜60μm(ミクロン)、嵩密度1.0〜1.2g/cm3
程度のものであつて、この層は核燃料粒子11
原子炉出力変動に伴う熱変化による膨脹と収縮の
体積変化を吸収する機能と共に、FPの貯蔵用空
間部(プレナム)、あるいはFPを捕獲するゲツタ
ー材の役割を有している。つぎの第二層の高密度
等方質熱分解炭素層13は、膜厚が約20〜40μ
m、嵩密度1.5〜1.9g/cm3程度のものであつて、
FPの格納容器としての不浸透性の炭素球殻を構
成している。また、第三層14は、第一層と同様
の低密度熱分解炭素層の膜厚が5〜20μmのもの
であつて、被覆燃料粒子の取扱い時の衝突あるい
は原子炉内での使用中に生じる被覆燃料粒子の相
互接触等による外力を緩衝する作用、更には万一
にも第二層の炭素球殻が破損したときのFP用ゲ
ツター材として機能するものである。 前記の三層の炭素被膜を有する被覆燃料粒子
0は、その外径が約0.8〜1.6mmのものとなる。こ
のような被覆燃料粒子10は、放射能の極めて微
弱なウランの安定な酸化物粉末(UO2、こゝでの
ウランUは、U−235及びU−238であつて、U−
233は検討の対象外)と混合されて、金属製被覆
管の中にその長手方向に均一なマクロ空間密度分
布となるように充填された後、燃料被覆管の両端
が密封されて本発明に係る核燃料棒が構成され
る。金属製被覆管の内径は、原子炉の炉型にもよ
るが5〜18mmであつて、原子炉の炉型と出力規
模、燃料に用いる核燃料物質の種類、設計上の燃
料の燃焼度等に応じて、適切な核燃料粒子と適正
な三層の炭素被覆層を有する被覆燃料粒子が選択
され、その構造の詳細が決定される。 ここで、本発明に係る核燃料物質について敷衍
する。使用済核燃料の再処理工程を経て得られる
放射能的に猛毒のプルトニウム(Pu−239、Pu−
240、Pu−241…)の有効的且つ安全な再利用が
本発明の主目的であるが、プルトニウムの酸化物
ないしはプルトニウムとウランの混合酸化物
(PuO2またはPuO2+UO2)を三層の炭素被膜で
被覆した略球形状の被覆燃料粒子は、通常のウラ
ン酸化物と同程度に安全に且つ簡単に取扱うこと
ができる状態となる。ところで、前記の被覆燃料
粒子のみを被覆管内に充填したのでは、略球形状
被覆燃料粒子の相互間に隙間があり、このために
核燃料物質の充填密度は比較的低い値に制限され
る。そこで、極めて微弱な放射能の故に取扱の容
易なウラン(U−235とU−238)の酸化物
(UO2)粉末を該被覆燃料粒子と一定の混合比率
をもつて、マクロ空間密度分布が均一になるよう
金属製被覆管内に充填すると、核燃料物質密度を
前記被覆燃料粒子のみを充填した場合よりも高め
ることができ、また、核燃料棒の核・熱特性の調
整が、混合するウラン酸化物粉末のウラン濃縮度
などによつて容易になし得る。 すなわち、発電用原子炉の炉心に装荷される従
来型の核燃料集合体は、円柱状ペレツトを用いた
核燃料棒が、沸騰軽水冷却炉(BWR)では(8
×8)本が、また加圧軽水冷却炉(PWR)では
(17×17)本が、スペーサ、上・下のタイ・プレ
ート等によつて一体のものに組立てられる。核燃
料棒に含有される核燃料物質の量、つまり、核分
裂性物質の含有量ないしはウランの濃縮度が、前
記核燃料集合体内の核燃料棒の組込まれる位置等
によつて異なる値を採用し、核燃料集合体の局所
発熱ピークを抑制し、燃焼度を調節している場合
が多い。 本発明によれば、被覆燃料粒子はすべて同一種
類のものとし、これと均一に混合されるウラン酸
化物粉末の濃縮度とその混合比率を変化させるこ
とによつて、前述のような核分裂性物質含有量の
調節された核燃料棒を容易に提供することができ
る。なお、ウラン酸化物(UO2)粉末のウラン
(U)は、同位体のU−235及びU−238の一定割
合から成り立つており、天然に産出するウランに
は、U−235が約0.7%含有されている。U−235
が天然ウランの含有比率よりも高めたものを濃縮
ウランと言い、逆にU−235が天然ウランの含有
比率よりも低いものを劣化ウランと言う。ウラン
酸化物(UO2)粉末の一次粒子は、その粒度分布
が0.2〜10μm程度でつて、また、ウラン酸化物の
酸素とウラン原子数(O/U)比が2.00〜2.03の
ものが大気中でも酸化が進行することなく、極め
て安定していて好ましい。 さて、このような構成の核燃料棒を原子炉内で
使用すると、原子炉の運転に伴つて核燃料棒の燃
焼が進行し、そのために生成し、蓄積する放射性
の有害なFPの大部分を被覆燃料粒子内に閉じ込
めることができると共に、第6図に示すように、
金属製被覆管の内面には略球形状の被覆燃料粒
10の多数箇とウランの酸化物粉末16が接触
することになつて、原子炉出力の急激な上昇の際
にも、円柱状ペレツトのクラツク開口部にみられ
たようなPCIが全く生じない。このため、燃料の
設計寿命中に燃料が破損して放射性の有害なFP
ないしはプルトニウムが金属製被覆管の外部領域
に放出されることも殆ど無くなる。 本発明に係る被覆燃料粒子の製造は、従来の円
柱状焼結ペレツトと異なり、本来的に遠隔自動操
作に適しており、プルトニウムのようにα−線を
出す放射能的に極めて有毒な核燃料物質でも、炭
素の三重の被覆層を有する被覆燃料粒子としたも
のは、密封された放射線源と見做すことができ
て、被覆燃料粒子の、それ以後の燃料加工施設に
は、現状のプルトニウム加工施設にみられるよう
な放射線の遮蔽壁と気密性を有するグローブ・ボ
ツクスの多数基連結による重装備が不必要とな
る。つまり、本発明の核燃料棒は、従来の円柱状
プルトニウム含有ペレツトの加工施設よりも連続
工程を大巾に採用することができ、加工施設の保
安管理及び経済性の点で遥かに優れたものとなり
得る。勿論、このためには、相当の開発研究の必
要なことは論を俟たない。 以上、本発明の主要な特色を構成する被覆燃料
粒子とウラン酸化物粉末の均一・混合充填層の効
果について詳述したが、本発明の他の要目につい
ては、以下に述べる。 核燃料棒の燃焼に伴つて核燃料粒子から放出さ
れるFPの蓄積と高温での気化膨脹によつて、第
二層の高密度等方質熱分解炭素球殻の内圧が上昇
する。このような被覆燃料粒子の被覆炭素球殻の
内外の圧力差を緩和し、炭素球殻の気体状FPに
よる内圧上昇による破損を防止するため、金属製
被覆管に不活性なヘリウムを加圧・封入し、被覆
燃料粒子そのものに外圧を加えることが有効であ
る。ヘリウムによる内部加圧の他の効果として
は、ヘリウムが熱伝導性が良好であり加圧するこ
とによつて、被覆燃料粒子とウラン酸化物粉末の
均一充填層内の微小空間を占めるヘリウム・ガス
の分子濃度が飛躍的に増大して、混合燃料充填層
の熱伝導度が一層向上する。このことは、“気体
の分子運動論”から明らかなことであつて、核燃
料粒子の温度を低下させ、ひいては被覆炭素球殻
内の気体状FPの圧力も減少させることになる。
この場合、核燃料棒の使用条件にも依存するが、
5〜20気圧の圧力でヘリウムを金属製被覆管内に
加圧・封入するのが実用的にみて好ましい。 燃料被覆管を構成する材料としては、チタン、
チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金で
あるZry−2、Zry−4及びZr−1%Nbなどのほ
か、ニツケル、ニツケル合金、ステンレス鋼また
はバナジウム合金等がある。通常、金属製被覆管
としては、これらの材料のうちの単一素材を用い
た単管が用いられているが、将来の改良された核
燃料棒においては、前記材料のうちの二種類の材
料から製造される複合二重管も利用されることに
なろう。なお、複合二重管の内面に非金属材料の
黒鉛あるいはシリコン化合物などの薄膜層を設け
て、FPによる被覆管内面の防食バリアを形成す
ることは一層有効であろう。 ところで、前述のとおり、本発明に係る被覆燃
料粒子そのものについては、高温ガス冷却炉燃料
において従来から知られており、その代表例とし
て、西ドイツの高温ガス実験炉AVRとわが国の
多目的高温ガス冷却炉の燃料について略述する。 AVR実験用原子炉(電気出力1万5000kW)
は、ペブル・ベツド型と言われており、その燃料
は球形をしていて核燃料物質にウラン(U)とト
リウム(Th)が用いられている。外径が約6cm
で厚さ1cmの黒鉛球殻の中に直径約4cmの球形燃
料部分がある。この燃料部分は、ウランとトリウ
ムの炭化物(U/Th)C、またはウランとトリ
ウムの混合酸化物(U/Th)O2の約400μmの核
燃料粒子の外表面を低密度炭素と高密度炭素の二
層で被覆して(BISO被覆と呼称)、外径約740μ
mとしたもの多数箇を黒鉛粉末にフエノール樹脂
のバインダーと混合して焼き固めたものである。
この小石形状の所謂“ペブル型燃料”を原子炉容
器内に装荷し下方から堆積させて炉心を石炭スト
ーブのように構成し、このペブル燃料黒鉛球の隙
間をヘリウムが循環冷却するシステムとなつてい
る。 また、わが国の多目的高温ガス冷却炉計画は、
日本原子力研究所を中心に進められており、この
計画の第一段階として設計されている多目的実験
炉(熱出力約5万kW)の燃料は以下の通りであ
る。まず、従来技術の核燃料ペレツトに対応した
燃料構成の基本となる円筒中心軸中空状の所謂
“環状燃料コンパクト”(annular fuel compact)
は、外径が3.6cm、内径が1.8cm、長さが3.6cmであ
つて、このコンパクトは直径約600μmの安定な
ウラン酸化物(UO2)の核燃料粒子の外側を順
次、低密度炭素、炭化珪素及び高密度炭素で被覆
して(TRISO被覆と呼称)、被覆燃料粒子を構成
し、この外径が約920μmの被覆燃料粒子の多数
箇がコンパクト全体積の30%含有されるようにし
て、黒鉛粉末とフエノール樹脂のバインダーを混
合して高温で焼き固めたものである。この燃料コ
ンパクトは、黒鉛管の外径4.6cm、内径3.8cm、長
さ57cmの中に挿入されて燃料棒を形成し、多数本
の燃料棒が六角柱状の黒鉛ブロツク内に装荷され
て原子炉の炉心を構成し、燃料棒と黒鉛ブロツク
の間をヘリウムが循環冷却するシステムとなつて
いる。 高温ガス冷却炉において前記の環状燃料コンパ
クトは、ヘリウムの温度が750℃以上で冷却され
ることになるので、中性子吸収の少ない耐熱材料
として前述したとおり黒鉛管が使用されている
が、黒鉛管は、FPの完全な障壁(バリヤ)では
あり得ない。これに反して、すでに商業化されて
いる重水炉及び軽水炉では、核燃料棒の外表面は
約400℃以下の冷却水と接触しているので、金属
製被覆管のほうが適しており、この金属製被覆管
の両端溶接により密封された核燃料棒は、被覆管
内に蓄積するFPの完全なバリアとして機能する。 つぎに、本発明の一実施例を第7図に示す。こ
の実施例においては、下部端栓が周溶接された
長尺の被覆管の中に、前述の被覆燃料粒子10
とウランの安定な酸化物粉末16とが均一に混
合・充填されて、核燃料棒の有効発熱部分を形成
し、上部端栓で被覆管の上端を密封した構造
となつている。下部端栓と被覆燃料粒子10
ウランの安定な酸化物粉末16との均一混合充填
18の最下部分との間に黒鉛(グラフアイト)
または金属のウールの下端部区画層17が設けら
れている。金属製ウールは、ステンレス鋼などの
ほか、熱中性子吸収の少ないジルコニウムの線材
またはストリツプ材などがよい。この黒鉛ウール
または金属製ウールの下端部区画層17は、原子
炉の運転停止に伴う均一・混合燃料充填層18
金属製被覆管の長さ方向の熱膨脹差に基づく相
対的変位を緩和し、被覆管の長さ方向に過度の
応力が加わらないように作用する。また、本実施
例においては、被覆燃料粒子10とウランの安定
な酸化物粉末16との均一な混合充填層18の最
上部にもグラフアイト・ウールまたは金属製ウー
ルの端部区画層17が設けられている。この機能
は、均一混合燃料の充填後に被覆管内を真空に引
き、ヘリウムと置換して上部端栓が被覆管
周溶接されるのであるが、この真空引きの時に粉
末状の核燃料物質が真空系を汚染することのない
ように、フイルターの作用をなすことである。端
部区画層17に接して断熱ペレツト(上部)
9、これに接してコイル・スプリングが上部端
との間に挿入されている。コイル・スプリン
は、被覆管内の均一・混合燃料充填層18
を圧縮・保持し、このことによつて均一燃料充填
18内に燃料の燃焼に伴なう体積変化による空
隙が生じないようにし、このことによつて原子炉
で使用中の核燃料棒の健全性を維持するのに役立
つ。 本発明は、以上のように構成された核燃料棒で
あるから、従来の円柱状ペレツトの場合に問題と
なつたPCIは全く生ぜず、原子力発電所の負荷追
従運転が可能となるし、またペレツトのセンタレ
ス・グラインダーのときの核燃料の研磨屑の発生
過程がなく、ペレツトの外観、寸法、密度等の検
査のための莫大な人員と時間を要しない利点があ
る。具体的には、被覆燃料粒子の場合には、迅速
な光学的粒径自動測定法、重力利用真球度選別法
等を適宜採用することによつて、検査費は円柱状
ペレツトよりも安価となるためである。また、被
覆燃料粒子の製造が本来的に遠隔自動操作に適し
たものであるから、前述のとおり、プルトニウム
とウランの混合酸化物などの毒性の烈しい燃料に
好適であると言える。 更に本発明は、高速増殖炉用燃料には一層適合
したものである。高速増殖炉の炉心の一次冷却材
としては液体金属ナトリウムが本命と見做されて
おり、その冷却材圧力は、原子炉炉心の上部に封
入されている不活性のカバー・ガスの圧力を加算
しても数気圧である。将来の商業用高速増殖炉発
電所としては、核燃料棒あたり最高10万〜30万
MWd/tの高い燃焼度が予想されており、金属
製被覆管は高速中性子(fast neutron)の高いフ
ラツクス(high flux)の照射による体積膨脹
(スエリング)が避けられない上に、円柱状ペレ
ツトを用いると、被覆管の内圧はペレツトからの
多量のFPの放出によつて冷却材圧力を直ぐに超
えて、金属製被覆管のクリープ変形量が非常に大
きな値となる。しかも、現状において高速増殖炉
用燃料の本命としては、炭化物燃料とか窒化物燃
料ではなく、酸化物燃料が予定されており、この
場合、酸化物燃料(PuO2、UO2)の核分裂反応
により核燃料物質(Pu、U)が消滅し、遊離す
る酸素(O2)の蓄積によつて金属製被覆管の内
面酸化は益々進行し、或る燃焼度以降では被覆管
とペレツトとの間に両者の融合したボンデイング
層が生じ、燃料の健全性にとつて重大な問題を惹
起することになる。然るに、本発明に係る核燃料
棒を用いると、核分裂反応で遊離した活性に富む
酸素は、被覆燃料粒子を形成する被覆層の炭素と
化合したりして、酸素が金属製被覆管内面を侵蝕
する率は無視できる程に小さくなる。何故なら
ば、被覆燃料粒子と均一・混合されるウラン酸化
物(UO2)粉末の含有する酸素の量は、従来の円
柱状ペレツトの場合よりも核燃料棒の単位長さあ
たりにして遥かに少ないからである。また、FP
の大部分は被覆燃料粒子内に閉じ込められている
ので、FP内圧による金属製被覆管のクリープ変
形量も僅少となる。 このように、本発明は、すでに商業化されてい
る重水炉及び軽水炉(BWR及びPWR)に対し
て、原子炉出力の負荷追従運転にも十分耐えられ
る高性能で、且つ、高い燃焼度を達成できる核燃
料棒を提供するものであるし、前述のとおり、21
世紀前半に商業化が予想されている高速増殖炉用
にプルトニウムを用いた安全性の高い核燃料棒を
提供すると言う観点から理想的な燃料技術であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の円柱状ペレツトを金属製被覆管
内に装填した従来型の核燃料棒の図、第2図Aは
焼結したままの円柱状ペレツトが砂時計(アワ・
グラス)型をしていることを示す図、第2図Bは
砂時計型の円柱状ペレツトの側面外周にセンタレ
ス・グラインダーをかけて直円柱状としたものを
示す図、第3図は従来の直円柱状ペレツトを原子
炉内で使用中の変形想定モデル図(包絡面がア
ワ・グラス形状になる)、第4図は従来技術の核
燃料棒の被覆管内面にみられるペレツトと被覆管
の相互作用(PCI)の説明図、第5図は本発明に
係る被覆燃料粒子の構造を示す説明図、第6図は
本発明に係る核燃料棒の被覆管内面にはPCIが生
じないことの説明図、第7図は本発明に係る核燃
料棒の一実施例を示す説明図である。 (数字符号と対応する名称)、1……円柱状ペ
レツト、2……金属製被覆管、3……上部端栓、
4……下部端栓、5……断熱ペレツト(下部)、
6……抑え板(デイスク)、7……コイル・スプ
リング、8……ペレツト片(フラグメント)、9
……原子炉内で使用中の円柱状ペレツトのクラツ
ク開口部、10……被覆燃料粒子、11……核燃
料粒子(PuO2、PuO2+UO2)、12,14……
低密度熱分解炭素層(第一層、第三層)、13…
…高密度等方質熱分解炭素層(第二層、炭素球殻
と略称)、15……被覆管内面に発生したヘア・
クラツク、16……ウランの安定な酸化物
(UO2)粉末、17……黒鉛(グラフアイト)ウ
ールまたは金属製ウールの端部区画層、18……
被覆燃料粒子とウラン酸化物粉末の均一・混合充
填層、19……断熱ペレツト(上部)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属製被覆管の中に、プルトニウムを含有す
    る略球形状の被覆燃料粒子とウランの安定な酸化
    物粉末とが均一に混合された燃料充填層を主体と
    する管内構成物が入れられていて、前記金属製被
    覆管の両端が密封されている核燃料棒であつて、
    前記被覆燃料粒子は、その中心に位置する直径約
    0.7〜1.3mmの略球形状のプルトニウムの安定な酸
    化物またはプルトニウムとウランの安定な混合酸
    化物の核燃料粒子の外表面に内側から順次形成さ
    れた低密度熱分解炭素層、高密度等方質熱分解炭
    素層及び低密度熱分解炭素層の三層の被覆膜を有
    することを特徴とする核燃料棒。 2 金属製被覆管が、チタン、チタン合金、ジル
    コニウム、ジルコニウム合金、ニツケル、ニツケ
    ル合金、ステンレス鋼及びバナジウム合金から選
    ばれる一種類の材料の単管、または、これらのう
    ちの二種類の材料の複合二重管で作られるもので
    ある特許請求の範囲第1項記載の核燃料棒。
JP57008994A 1982-01-25 1982-01-25 核燃料棒 Granted JPS58127196A (ja)

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