JPH0119530B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、複数のサンプル容器に均一な試料
を採取するサンプリング装置に関する。

一般に、給液配管を流れる流体をサンプリング
する操作は、時々刻々と変化する物質を所定の間
隔ごとに長時間にわたつて、少量ずつ採取し、成
る可く全体として元の流体に近い、均一な試料を
得ることによつて、その流体を代表させようとす
るものである。そして、採取した試料について化
学分析等を行ない、出荷された全流体の化学的な
性質を調査するものである。

また、試料を採取するにあたつては、例えば流
速を一定にしておき、一定容積の試料を採取する
ことが要求され、そのために定量ポンプ等が使用
されている。また、採取した試料が組成変化を起
こさないようにする必要があり、そのため試料を
採取するサンプル容器を密閉型にしている。

さらにまた、試料採取を開始するに際し、サン
プル容器をくり返し使用するため、以前に採取し
た試料がサンプル容器内あるいは配管ならびにポ
ンプ、バルブなどの流体機器内に付着して残存し
ているので、この付着物を取り除くため、サンプ
ル容器内および流体機器内を採取すべき流体を用
いて洗浄するのが通常である。

ところで、採取した試料を複数の用途にとり分
けて使用する場合があり、例えば原油等の液体で
はその成分内容によつて取引価格も相違してくる
ので、その採取して分析等を慎重に行なうと共に
同一の試料を保存しておくことがあるが、そのよ
うな場合、従来装置によれば、採取した試料をさ
らに別々の容器にとり分けて移さなければならな
い。

従来、この採取した試料の分割作業は、人為的
に行なつていたので、繁雑になり管理上不具合が
あつた。たとえば、多量の原油等の液体をタンカ
ーから陸上のタンクに移送する場合には長時間を
要し、正確な複数の同一試料を得るためにも、洗
浄作業および試料採取の自動化が必要であつた。

この発明は、上記問題点に着目してなされたも
ので、サンプリング装置の洗浄作業を自動化する
とともに試料通路に定量ポンプを設け、この定量
ポンプから連続して送られる試料を、所定の間隔
をもつて出される同一の採取信号により複数のサ
ンプル容器に連続してとり分けることにより上記
問題点を解決することを目的としている。

以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

１は原油等の液体が流れている給液配管、２は
該給液配管に取付けられたサンプリングプロー
ブ、３は液体中に含まれる固形物を取除くストレ
ーナである。４は吸引ポンプであつて、その吸入
口はストレーナ３に接続され、吐出口にはバルブ
５が接続してある。６は第１の三方切換弁であつ
て、１の接続口６_-1はバルブ５に接続され、他の
接続口６_-2は定流量ポンプ７の吸入口に接続さ
れ、残りの接続口６_-3は後述するリターンライン
２６に接続されている。定量ポンプの吐出口は第
２の三方切換弁８の１の接続口８_-1に接続され、
他の接続口８_-2はバルブ９を介して前記給液配管
１のサンプリングプローグ２の下流位置の開口１
０に接続されている。第２の三方切換弁８の残り
の接続口８_-3は第３の三方切換弁１１の１の接続
口１１_-1に接続されている。１２は第１のクロス
であつて、４個の開口１２_-1，１２_-2，１２_-3，
１２_-4を有している。接続口１２_-1は第３の切換
弁の他の接続口１１_-2に接続されている。１３は
バルブで、第１のクロスの開口１２_-3に接続され
ている。１４は第１の密閉型サンプル容器であ
る。その構造は、たとえば図示の如く、密閉シリ
ンダ１４１内にピストン１４３を摺動自在に内蔵
したものである。図において１４２はシリンダ１
４１の一端に穿設した接続口であつて、前記第１
のクロス１２の開口１２_-2に接続され液体の吸入
または排出を行なうためのものである。１４４は
ピストン１４３の周囲に着装したロリング、１４
５はピストン１４３の一端に固着したピストンロ
ツドであつて、シリンダ１４１の他端の挿通口１
４６より外部に延長し、作動片１４７を固着して
ある。ピストンロツド１４５と挿通口１４６とは
摺動自在で且つ液密なシール構造としてある。１
４８，１４９はリミツトスイツチで、ピストン１
４３の最大移動位置および最小移動位置に対応し
て作動片１４６がリミツトスイツチの可動部に当
接したとき作動するようになつている。

１５は第２のクロスであつて、前記第１のクロ
ス１２と同様４個の開口１５_-1，１５_-2，１５
_-3，１５_-4を有している。１６は開口１５_-3に接
続されるバルブである。１７は第２の密閉サンプ
ル容器であり、その構造は前記第１の密閉サンプ
ル容器と同様なので、その詳細な説明は省略する
が、１７１はシリンダ、１７２は開口、１７３は
ピストン、１７４はロリング、１７５はピストン
ロツド、１７６は挿通口、１７７は作動片、１７
８，１７９はリミツトスイツチである。１８は第
１のクロス１２の開口１２_-4に接続したバルブ、
１９は第２のクロス１５の開口１５_-4に接続した
バルブである。２０，２１はバルブ５と第１の三
方切換弁６とを接続する配管の中間に設けた分岐
点、２２は第２の三方切換弁の接続口８_-3と第３
の三方切換弁１１の接続口１１_-1を結ぶ配管の中
間に設けた分岐点である。２３はバルブ９と第２
の三方切換弁８の接続口８_-2とを結ぶ配管の中間
に設けた分岐点である。２４は分岐点２０，２３
を結ぶ配管の中間に設けたバルブである。２５は
サンプリングプローブ２、ストレーナ３、ポンプ
４、バルブ５、第１の切換弁６、定量ポンプ７、
第２の切換弁８、バルブ９および開口１０を結ぶ
循環ラインである。２６は第１の三方切換弁６の
接続口６_-3と分岐点２２とを結ぶ配管でリターン
ラインと呼ぶことゝする。２７は分岐点２１とバ
ルブ１８，１９を結ぶ配管でサンプリング操作を
自動から手動に切換えたときに用いる配管で、手
動採取ラインと呼ぶことゝする。２８，２９はそ
れぞれバルブ１３，１６に接続されたサンプル排
出ラインである。３０は第１の開放容器、３１は
第２の開放容器である。３２は制御装置であつ
て、内蔵するタイマーによりポンプ４，７を起動
または停止するための操作信号を与え、あるいは
内蔵する他のタイマーにより三方切換弁６，８お
よび１１の各接続口を切換えるための操作信号を
与え、あるいはまたリミツトスイツチ１４８，１
４９，１７８，１７９の開閉信号を受信してポン
プの起動・停止、三方切換弁の接続口の切換え、
エアシリンダ（図示せず）の駆動・停止等の制御
を行なうためのものである。なお、３２ａは３２
ｂと接続してある。

叙上の構成に基づいて、図面の実施例について
本発明の作用を説明する。

一般に給液配管を流れる液体は同じ品種といえ
ども、多小異なることがある。一方、サンプリン
グ装置は繰り返し使用することから採取すべき液
体を用いてサンプリングラインを洗浄する必要が
ある。そこで、まず、サンプリングに先立つて、
循環ライン２５を洗滌する目的で、バルブ２，
５，２４，９を開弁して、制御装置３２からの信
号によりポンプ４，７を起動し、第１の切換弁６
の接続口６_-1，６_-2を連通するとともに第２の切
換弁８の接続口８_-1，８_-2を連通すると、制御装
置３２に設定された時間だけ給液配管１を流れる
液体の一部は循環ライン２５を流れ開口１０から
給液配管１へ還流するので、循環ライン２５の内
部は採取すべき液体によつて洗浄される。さらに
制御装置３２に設定された所定の時間が経過する
と、第１の三方切換弁６の開口６_-1，６_-3が連通
するとともに第２の三方切換弁８の開口８_-1，８
_-2が連通すると液体は循環ライン２５から給液配
管１に流れる結果、循環ラインの内部も採取すべ
き液体により洗浄されることになる。

つぎに密閉型サンプル容器１４及び１７の洗浄
を行なう場合について説明する。いま、循環ライ
ン２５に液体が流れて居り、バルブ１３，１６，
１８および１９は閉弁しているものとする。制御
装置３２に設定されたタイマーからの操作信号に
より第２の切換弁８の接続口８_-1と同８_-3とが連
通し、ひき続いて第３の切換弁１１の接続口１１
_-1と同１１_-2とが連通すると給液配管の液体は密
閉サンプル容器１４の開口１４２からシリンダ１
４１内に導びかれる。この液体の取込み量は制御
装置３２に設定されたタイマの設定により決定す
る。このタイマの設定の時間が経過すると、密閉
サンプル容器１４内への液体取込みを完了する。

密閉サンプル容器１７への液体の取込みは上記
タイマの設定時間が経過すると第３の切換弁１１
の接続口１１_-1と同１１_-3とが連通しシリンダ１
７１に導かれる。この液体の取込み量は同じくタ
イマの設定により決定する。このタイマの設定の
時間が経過すると、その信号により密閉型サンプ
ル容器１４の洗浄に移り第１の切換弁６の接続口
６_-3と同６_-2と、第２の切換弁８の接続口８_-1と
同８_-2が連通し、ポンプ７によりシリンダー内の
液体は、開口１４２からクロス１２、第３の三方
切換弁の接続口１１_-1、同１１_-2、分岐点２２お
よびリターンライン２６を経て第１の三方切換弁
６の接続口６_-3と同６_-2を経由して定量ポンプ７
に至り、そして第２の三方切換弁８の接続口８_-1
と同８_-2を経て開口１０から給液配管１へ帰還さ
れる。必要に応じてこの操作をくり返すようにし
てもよい。密閉型サンプル容器１７の洗浄を行う
には第３の三方切換弁の接続口１１_-1と同１１_-3
を連通して、上記第１のサンプル容器の洗浄を行
つたときと同様に、ポンプ７により給液配管１へ
帰還させる。

上記した如く、循環ライン２５、リターンライ
ン２６および複数の密閉型サンプル容器１４，１
７の洗浄が、制御装置３２に設定されたシーケン
スに従つて自動的に行なわれる。

次に試料を自動採取するときについて説明す
る。

いま、循環ライン２５に液体が流れて居り、バ
ルブ１３，１６，１８および１９は閉弁している
ものとする。制御装置３２に設定されたタイマー
などにより所定の時間になると操作信号が発信さ
れ第２の三方切換弁の接続口８_-1と同８_-3が連通
するとともに第３の三方切換弁１１の接続口１１
_-1と同１１_-2とが連通し、ひき続いて接続口１１
_-1と同１１_-3とが連通するので、密閉型サンプル
容器１４および１７に所定量だけ液体が導入され
る。この第２の三方切換弁８および第３の三方切
換弁１１の切換操作の信号は、自動採取中は所定
の間隔ごとに発信されるようにしてある。たとえ
ば、二つの密閉型サンプル容器１４，１７がそれ
ぞれ20、５の容量の場合には、１回の採取信
号での採取時間を４：１の比に設定しておけば、
所定の時間経過後、採取が終了した時点で、密閉
型サンプル容器１４，１７にそれぞれ所定の容量
だけ、給液配管を流れる液体を代表するような試
料が採取されることゝなる。

そして密閉型サンプル容器１４，１７に採取し
た試料は、バルブ１３，１６を開いてそれぞれの
開放容器３０，３１に、その密閉型サンプル容器
１４，１７の上部に備えたエアーシリンダにより
送り出し、分析室などの必要な場所に運ぶことが
できる。

なお、上述の実施例では、密閉サンプル容器は
二つ設けたが、必要に応じて第３の三方切換弁に
接続して複数の他の三方切換弁を設けるとともに
さらに他の密閉型サンプル容器を設けるようにし
てもよい。また、採取した試料を開放容器に移送
する手段としては、エアーシリンダに限らず他の
駆動手段でも勿論良い。

以上述べたように、この発明によれば、試料通
路に定量ポンプを設け、この定量ポンプから連続
して送られる試料を、所定の間隔をもつて出され
る同一の採取信号により複数のサンプル容器に連
続してとり分けるようにしたので、給液配管を流
れる液体の全体を代表する正確な試料を得ること
ができ、しかも同時に複数のサンプル容器に均一
な試料が得られるという効果がある。さらに洗浄
作業ならびに採取作業を自動化したので、一旦、
採取した試料を再び用途別に別々の容器にとり分
ける必要がなくなり、従来の如き人為作業による
繁雑さから開放され、しかも正確な試料が得られ
るという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すサンプリン
グ装置の系統図である。 １……給液配管、２……サンプリングプロー
ブ、４……吸引ポンプ、６，８，１１……三方切
換弁、７……定流量ポンプ、１４，１７……密閉
型サンプル容器、３２……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 採取すべき液体が流れる給液配管に設けられ
   たサンプリングプローブと、該サンプリングプロ
   ーブに接続された吸引ポンプと、該吸引ポンプの
   流出側に接続される第１の三方切換弁と、該第１
   の三方切換弁に接続される定流量ポンプと、該定
   流量ポンプの流出側に接続される第２の三方切換
   弁と、該第２の三方切換弁に接続され上記給液配
   管に接続される配管と、上記第２の三方切換弁の
   他の接続口に接続される第３の三方切換弁と、該
   第３の三方切換弁に接続される複数の密閉型サン
   プル容器と、前記第１、第２および第３の切換弁
   の各接続口を切換えるための操作信号を供給する
   制御装置と、第１の三方切換弁の他の接続口を第
   ２の三方切換弁の他の接続口と第３の三方切換弁
   とを接続する配管の分岐点に接続する配管とから
   なり、サンプル採取間隔ごとに操作される第３の
   三方切換弁の操作時間を複数の密閉型サンプル容
   器のおのおの採取量に比例した時間に時分割して
   制御することにより、液体をとり分けて採取する
   ようにしたことを特徴とするサンプリング装置。 ２ 前記制御装置からの操作信号により第１、第
   ２および第３の三方切換弁の各接続口を切換える
   ことにより給液配管を流れる液体を用いて複数の
   密閉サンプル容器を洗浄するようにしたことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のサンプリン
   グ装置。