JPH0119239B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は放電灯起動及び作動回路、特に消弧
した高強度ガス入り放電灯をまだ温かい間に素早
く再起動する回路に関する。

高強度放電灯を起動すると共に安定器作用をす
る公知の形式の回路は、装置から短時間電力が切
離されると、放電灯が急速に脱イオンし、再び電
力が印加された時に電流を通さなくなるという欠
点がある。この一時的な動作停止は、放電灯の種
類に応じて、１分間から15分間も長くも続くこと
があり、放電灯が再起動するまで、作業並びにそ
の他の活動を中断しなければならない。従来、放
電灯を素早く再起動する種々の装置が提案されて
いるが、こういう形式の公知の装置並びに回路は
一般的に高価であり、構成が複雑であり、或いは
動作に信頼性がなかつた。

この発明の目的は、ガス入り放電灯を起動並び
に作動する改良された装置を提供することであ
る。

上に述べた目的を念頭に於て、この発明の１面
では、ガス入り放電灯の起動及び作動回路が、交
流電流源と、その入力側が前記交流電流源に接続
された誘導性安定器手段と、前記安定器手段の出
力側に接続された放電灯手段と、該放電灯手段及
び安定器手段の間に直列に接続された変圧器手段
と、入力側が前記交流電流源に接続されると共に
出力側が変圧器手段に接続され、こうして変圧器
手段が当該発振器手段によつて発生された正弦波
電圧を逓昇して放電灯に印加して、放電灯手段を
起動並びに再起動する様にした正弦波発振器手段
と、交流電流源及び発振器手段の間に接続されて
いて、放電灯手段が起動していない時又は不作動
である時、発振器手段に対する電力を減少する可
変インピーダンス手段とで構成されている。

第１図には、点弧する為に比較的高い電圧パル
スを必要とし、その後は一層低い電圧で動作する
高強度ガス入り放電灯１、典型的には高圧ナトリ
ウム蒸気灯又はその他の放電灯に対する起動及び
作動回路が示されている。放電灯１が導体５，６
によつて安定器７の出力に接続され、この安定器
が典型的には120ボルトの交流電流源の端子２に
接続されている。安定器７は、任意の公知の形式
の誘導性安定器装置であつてよいが、放電灯回路
で普通行われる様に、限流インピーダンスとな
る。好ましい形式は、第２図に詳しく示し、且つ
後で更に詳しく説明する磁気調整器形安定器であ
る。

第２図に示す安定器の変圧器が、電源端子２の
間に接続された１次巻線７ａと、導体５，６によ
つて放電灯に接続された２次巻線７ｂと、図示の
様に導体９，１０によつて発振器回路に接続され
た３次巻線７ｃとを持つている。調整コンデンサ
１３が３次巻線７ｃと直列に接続され、発振器の
出力を所望の限界内に調整する。

この発明では、冷たい時に放電灯１を起動する
だけでなく、消弧した放電灯をまだ温かい間に素
早く再起動する為に、例えば1600乃至200000Hzの
範囲内の高圧高周波正弦波を発生する為に正弦波
発振器回路を用い、放電灯が不作動であるか或い
は存在しない場合、発振器回路に印加される電圧
を減少する為に可変インピーダンス手段が設けら
れている。この目的の為、第１図に示す実施例で
は、正弦波発振器回路８が導体９，１０によつて
図示の様に安定器７に接続され、正の温度係数を
持つ抵抗（PTCR）１１の形をした可変インピー
ダンス手段が安定器７と発振器回路８の間に直列
に接続されている。周知の様に、PTCRは低温の
時に抵抗値が小さく、電流が通過することによつ
て徐々に加熱されるのにつれて、その抵抗値が対
応して増加する。図示の特定の発振器回路はその
主な構成が公知の形式であり、例えば米国特許第
4202031号に記載されている。発振器回路８は直
流源として作用する両波整流器１２、波コンデ
ンサ１６、電力トランジスタ１７、変圧器１８、
ダイオード１９，２０、抵抗２１，３０及びコン
デンサ２２を持つており、これらの回路部品はト
ランジスタをオンに転じてその動作を制御する為
に、図示の様に接続されており、この組合せが正
弦波発振器として作用する。変圧器１８が１次巻
線１８ａ、減磁巻線１８ｂ及び２次巻線１８ｃを
持ち、この発明に従つて、２次巻線が導体３３，
３４によつて図示の単巻変圧器の様な結合変圧器
３２に接続され、この変圧器が放電灯１と直列に
導体５に接続されている。トランジスタ１７の両
端に接続されたコンデンサ３６は、大幅に変化す
る負荷条件にわたつて、トランジスタの適正な転
流を保証する様に作用する。変圧器１８はトラン
ジスタ１７の動作を制御するのに役立つ３つの帰
還巻線２７，２８，２９をも有する。トランジス
タ１７のベースが起動及び制御回路に接続され
る。この回路は抵抗３０、ダイオード１９，２
０、帰還巻線２８，２９、抵抗２１及びコンデン
サ２２で構成されている。巻線１８ａ，１８ｂに
接続されたダイオード２３が、トランジスタ１７
を高圧サージから保護する様に作用する。

図示の実施例では、後で更に詳しく説明する様
に、発振器回路の動作をオフに転ずる為に、直列
接続のダイオード２４及び誘導子２５で構成され
たターンオフ機構が設けられている。図示の特定
のターンオフ機構は、この発明の一部を構成する
ものではないが、同時に出願された昭和56年10月
26日提出の特許願(1)に記載されている。その出願
に記載されている様に、ターンオフ機構は直列接
続のダイオード２４及び誘導子２５で構成されて
いて、その片側がダイオード２３の陽極と変圧器
の減磁巻線１８ｂの接続点に接続され、反対側が
ベースの帰還巻線２９とコンデンサ２２の接続点
に接続されている。この装置は放電灯の正常な動
作中、正常な再起動作用を妨げずに、発振器の動
作を停止する。この為、図示の回路では、抵抗３
０を介してコンデンサ２２に供給される正の充電
電流よりも大きさの大きい負の電流をコンデンサ
２２に供給する。上に述べたターンオフ回路は、
放電灯の動作中、高圧変圧器３２を放電灯電流感
知装置として利用する。放電灯を起動する為の高
周波電圧を逓昇する変圧器３２は、放電灯の正常
の動作中、60Hzの放電灯電流で飽和する様に設計
されていて、放電灯電流との干渉を最小限に抑え
る。然し、電流波形が鉄心を飽和させる程の大き
さに達するまでは、普通の変圧器作用が起る。こ
れによつて変圧器３２の本来の１次側に60Hzの電
圧が発生される。この電圧が、変圧器の２次巻線
１８ｃに印加されることにより、変圧器１８の他
の巻線に、ターン比だけ低下した電圧を誘起す
る。この発明では、この電圧を整流して負の電圧
を取出し、波してトランジスタ１７をターンオ
フして発振器回路の動作を停止する。

誘導子２５が高周波阻止波器として作用し、
高周波の再起動電圧がトランジスタ１７をオフに
転ずるのを防止する。ダイオード２４が正のパル
スを阻止して負のパルスを通す様に作用し、こう
してトランジスタをカツトオフにする為にトラン
ジスタのベースに対する負のバイアスを発生す
る。

上に述べた回路の動作について説明すると、回
路が付勢された時、コンデンサ１６がPTCR１１
及び整流器ブリツジ１２を介して充電される。コ
ンデンサ１６がこの様に充電される間、PTCR１
１は限流作用をする。コンデンサ１６が一杯に充
電されると、発振器回路が前に説明した様にオン
に転ずる。コンデンサ１６及びPTCR１１のRC
時定数は非常に短く、従つて、コンデンサ１６は
非常に速く、例えば１サイクル以内に一杯に充電
される。発振器回路８がオンに転ずる為には、コ
ンデンサ２２は小さな正の値まで充電されなけれ
ばならない。この充電が抵抗３０及びコンデンサ
２２のRC定数によつて制御され、多数のサイク
ルを必要とする。充電コンデンサ２２がトランジ
スタ１７のベースを正にバイアスし、トランジス
タがオンに転じ、コレクタ電流が変圧器巻線１８
ａに流れる。変圧器１８が有する帰還巻線２７，
２８，２９がトランジスタ１７の導電を助け或い
はそれを抑える。（前掲米国特許第4202031号に記
載されている様に、１次巻線１８ａの主磁路に開
口を設け２つの枝路に分割し、帰還巻線２７を開
口に通しまた帰還巻線２８，２９を２つの枝路に
夫々反対向きに巻装し直列接続する。主磁束に関
しては、帰還巻線２８，２９の誘起電圧は実質的
に相殺しうるが、帰還巻線２７による磁束が開口
の周りを循環する時同じ向きに電圧を誘起する。
この循環する磁束は１方の枝路では主磁束に加算
的に、他方の枝路では減算的に加わる。こうし
て、帰還巻線２８，２９からは、前者の枝路が飽
和を起すまでは、正の電圧が発生し、飽和後は増
加する主磁束は後者の枝路を通るため、負の電圧
が発生する。）変圧器１８に貯蔵されているエネ
ルギは、変圧器の減磁巻線１８ｂ及びダイオード
２３に電流が流れる時に減少する。この為、前掲
米国特許第4202031号に記載されている様に、発
振器８はフリーランニングになり、変圧器１８の
出力は高周波数の正弦波になる。この後、結合用
単巻変圧器３２によつて電圧が逓昇され、放電灯
１に印加される。

安定器７の両端に接続されたコンデンサ３５は
変圧器３２によつて発生された高圧に対して非常
に低いインピーダンスを呈し、この為、安定器の
両端には高周波電圧が殆んど現われない。

放電灯１が起動すると、前に述べた様に、ダイ
オード２４及び誘導子２５の作用により、発振器
回路の動作が停止させられる。こうして、低温状
態の放電灯の普通の起動が行われる。

放電灯１が線路電圧が低下した為に消弧した場
合、ダイオード２４及び誘導子２５から成るター
ンオフ機構は、変圧器３２に放電灯電流が流れな
い為に、作用しなくなる。この時、コンデンサ１
６が依然として一杯に充電されているので、それ
が、ターンオフ回路によつて小さな負の充電状態
に保たれていたコンデンサ２２を再び充電し始
め、この為コンデンサ２２に小さな正の電荷が再
び印加され、前に述べた手順が繰返されて、放電
灯１を起動する。

放電灯１が存在しないか或いは不作動である場
合、発振器回路８は予定の動作期間の後に部分的
に不作動になる。これはPTCR１１が加熱されて
抵抗値が高くなり、こうしてコンデンサ１６が一
杯に充電されないので、発振器の出力電力を制限
するからである。

変圧器の２次巻線１８ｃの両端に接続した状態
で示すコンデンサ２６は、この巻線並びに単巻変
圧器３２の１次側と共に共振回路を形成し、正弦
波発振器の周波数を所望のレベルに制御する様に
作用する。

PTCR１１を安定器７と整流器１２の間に接続
された場合を示してあるが、別の好ましい実施例
では、この代りに整流器１２と変圧器の１次巻線
１８ａとの間に接続してもよい。

発振器回路８が安定器７を介して給電端子２，
２に接続されることが示されているが、給電端子
に直接的に接続してもよいし、適当な状態では別
個の給電源に接続することが出来ることが理解さ
れよう。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の１実施例の放電灯起動及び
作動回路の回路図、第２図は第１図の回路に使う
ことの出来る調整器形安定器の回路図である。 主な符号の説明、１：放電灯、２：電流源端
子、７：安定器、８：発振器、１１：PTCR、３
２：変圧器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 交流電流源２と、 入力側が該電流源に接続された誘導性安定器手
   段７と、 該誘導性安定器手段の出力側に接続された放電
   灯手段１と、 該放電灯及び前記誘導性安定器手段の間に接続
   された第１の変圧器手段３２と、 複数個の磁気結合巻線を持つ第２の変圧器手段
   １８を含み、入力側９，１０が前記交流電流源に
   接続されると共に出力側３３，３４が前記第１の
   変圧器３２に接続されることにより、該第１の変
   圧器手段が当該正弦波発振器手段によつて発生さ
   れた正弦波電圧を逓昇して前記放電灯手段１に印
   加して該放電灯手段を起動並びに再起動する正弦
   波発振器手段８であつて、該正弦波発振器手段は
   前記放電灯のON／OFF状態を感知して該正弦波
   発振器手段を夫々ON／OFFを制御する手段を含
   み、 前記交流電流源及び前記正弦波発振器手段の間
   に接続されていて、前記放電灯手段が不作動であ
   るか或いは存在しない時に前記正弦波発振器手段
   に対する電力を減少する可変インピーダンス手段
   １１とを有するガス入り放電灯の起動及び作動回
   路。 ２ 特許請求の範囲１に記載した起動及び作動回
   路に於て、前記交流電流源手段及び前記正弦波発
   振器手段の間に整流器手段１２が含まれている起
   動及び作動回路。 ３ 特許請求の範囲２に記載した起動及び作動回
   路に於て、前記交流電流源及び前記正弦波発振器
   手段の間に整流器手段１２が含まれており、前記
   可変インピーダンス手段１１が正の温度係数を持
   つ抵抗で構成される起動及び作動回路。 ４ 特許請求の範囲１に記載した起動及び作動回
   路に於て、前記誘導性安定器手段７が、前記交流
   電流源に接続された１次巻線７ａ、前記放電灯手
   段に接続された２次巻線７ｂ及び前記正弦波発振
   器手段に接続された３次巻線７ｃを持つ調整器形
   安定器である起動及び作動回路。 ５ 特許請求の範囲１に記載した起動及び作動回
   路に於て、前記交流電源２及び前記正弦波発振器
   手段８の間に整流器手段１２が含まれ、前記正弦
   波発振器手段のON／OFFを制御する手段は被制
   御スイツチ手段１７及び前記放電灯手段に正常電
   流が流れる時前記第２の変圧器手段１８の巻線１
   ８ｂを介して付勢されるターンオフ機構２４，２
   ５を含み、前記可変インピーダンス手段１１は前
   記放電灯手段を長く起動しない場合加熱される正
   の温度係数の抵抗を含み前記正弦波発振器に対す
   る電力を減少する起動及び作動回路。 ６ 特許請求の範囲１に記載した起動及び作動回
   路に於て、前記第２の変圧器手段１８に、前記正
   弦波発振器手段の出力側の両端３３，３４でコン
   デンサ２６が接続され、前記正弦波発振器手段の
   周波数を制御する起動及び作動回路。 ７ 特許請求の範囲１に記載した起動及び作動回
   路に於て、前記正弦波発振器手段８が前記第２の
   変圧器手段１８に接続された被制御スイツチ１７
   を持つていて、放電灯を起動並びに再起動する為
   の高周波電圧パルスを発生する起動及び作動回
   路。