JPH0118990B2 - - Google Patents
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- JPH0118990B2 JPH0118990B2 JP56158741A JP15874181A JPH0118990B2 JP H0118990 B2 JPH0118990 B2 JP H0118990B2 JP 56158741 A JP56158741 A JP 56158741A JP 15874181 A JP15874181 A JP 15874181A JP H0118990 B2 JPH0118990 B2 JP H0118990B2
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/02—Parts of sliding-contact bearings
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Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は２部材同志が互いに接触摺動する摺動
機構に係り、特に部材の表面に耐摩耗性の優れた
表面層を形成せしめた摺動部材の製造法に関す
る。
機構に係り、特に部材の表面に耐摩耗性の優れた
表面層を形成せしめた摺動部材の製造法に関す
る。
耐摩耗材については、各種合金あるいは表面処
理法の面から検討されている。その１つに焼結法
がある。耐摩耗性焼結体の１つとして、焼結体の
空孔中に潤滑油を含浸せしめた含油焼結合金があ
る。しかし、焼結体は高負荷及び機械的衝撃等に
弱いとともに、大きなものの焼結には大型プレス
を必要とし、かつ、高価である等の欠点がある。
焼結体の脆弱さの改善法として、鋼板等の靭性の
高い材料の表面の摺動部に焼結体を形成させる方
法も提案されている。この方法は複雑な形状品あ
るいは円柱形状品の円周等への処理が困難であ
る。
理法の面から検討されている。その１つに焼結法
がある。耐摩耗性焼結体の１つとして、焼結体の
空孔中に潤滑油を含浸せしめた含油焼結合金があ
る。しかし、焼結体は高負荷及び機械的衝撃等に
弱いとともに、大きなものの焼結には大型プレス
を必要とし、かつ、高価である等の欠点がある。
焼結体の脆弱さの改善法として、鋼板等の靭性の
高い材料の表面の摺動部に焼結体を形成させる方
法も提案されている。この方法は複雑な形状品あ
るいは円柱形状品の円周等への処理が困難であ
る。
２つの固体を接触させて、一方に対して他方を
摺動させると摩擦が生じ、２つの固体の表面がす
りへる表面損傷が生ずる。硬さの異なつた２つの
固体を接触させて摺動させた場合、硬さの高い方
が低い方に比し、その摩耗量は少ない。２つの固
体が摺動する固体間に液体や固体などの潤滑剤を
挿入すると、摩擦力を著しく減少させることがで
きる。この場合の摩擦力は潤滑剤自身の内部摩擦
によるものであり、摩擦係数は小さく固体同志の
接触はないため固体の摩耗は生じない。しかし、
高負荷あるいは高速摺動時においては固体間に挿
入された潤滑剤は全面に介在しなくなり、固体同
志の接触が生じて摩擦力は増大し、焼付き等の異
状摩耗を発生する。したがつて、これらを防止す
るためには、潤滑剤が接触面に常に介在する必要
があり、摺動部材自身に潤滑剤の保持作用を持た
せることが摺動部材の良否を決定することにな
る。潤滑剤が摩擦面に安定して存在するために
は、摩擦面に凹部が形成されているのが良い。摺
動部材自身に空孔が存在する場合には、この空孔
が摩擦面に現われて凹部となり、潤滑剤の保持作
用を受けもつようになる。前述したように硬質の
ものほど摩耗が少ないことから、同一部材中に硬
質部と軟質部が存在した場合、軟質部は硬質部よ
りも摩耗が大きく、硬質部は凹部となり潤滑剤が
保持される。摺動部材は同一摺動面が軟質部と硬
質部とからなる部材が耐摩耗性が良好となる。上
記のように摺動面に凹部が形成されたものは凹部
の存在しないものに比し、優れた耐摩耗性が得ら
れると考えられる。
摺動させると摩擦が生じ、２つの固体の表面がす
りへる表面損傷が生ずる。硬さの異なつた２つの
固体を接触させて摺動させた場合、硬さの高い方
が低い方に比し、その摩耗量は少ない。２つの固
体が摺動する固体間に液体や固体などの潤滑剤を
挿入すると、摩擦力を著しく減少させることがで
きる。この場合の摩擦力は潤滑剤自身の内部摩擦
によるものであり、摩擦係数は小さく固体同志の
接触はないため固体の摩耗は生じない。しかし、
高負荷あるいは高速摺動時においては固体間に挿
入された潤滑剤は全面に介在しなくなり、固体同
志の接触が生じて摩擦力は増大し、焼付き等の異
状摩耗を発生する。したがつて、これらを防止す
るためには、潤滑剤が接触面に常に介在する必要
があり、摺動部材自身に潤滑剤の保持作用を持た
せることが摺動部材の良否を決定することにな
る。潤滑剤が摩擦面に安定して存在するために
は、摩擦面に凹部が形成されているのが良い。摺
動部材自身に空孔が存在する場合には、この空孔
が摩擦面に現われて凹部となり、潤滑剤の保持作
用を受けもつようになる。前述したように硬質の
ものほど摩耗が少ないことから、同一部材中に硬
質部と軟質部が存在した場合、軟質部は硬質部よ
りも摩耗が大きく、硬質部は凹部となり潤滑剤が
保持される。摺動部材は同一摺動面が軟質部と硬
質部とからなる部材が耐摩耗性が良好となる。上
記のように摺動面に凹部が形成されたものは凹部
の存在しないものに比し、優れた耐摩耗性が得ら
れると考えられる。
本発明は上述したような摩耗現象および潤滑効
果に注目し、摺動面は硬質部と軟質部とで構成さ
せ、さらに、凹部の存在する表面層を形成させた
ものである。
果に注目し、摺動面は硬質部と軟質部とで構成さ
せ、さらに、凹部の存在する表面層を形成させた
ものである。
本発明の目的は耐摩耗性の優れた摺動部材の製
造法を提供するにある。
造法を提供するにある。
本発明は部材同志が接触して摩擦を受ける摺動
部材の表面に、チタン粉末をプラズマ溶射して、
TiとTiNよりなり空孔率10〜50体積％の多孔質
の溶射層を形成し、その後、前記空孔に前記溶射
層の構成物質よりも軟質のPb、Sn、Pb合金、Sn
合金或は樹脂から選ばれた摺滑剤を含浸すること
を特徴とするものである。
部材の表面に、チタン粉末をプラズマ溶射して、
TiとTiNよりなり空孔率10〜50体積％の多孔質
の溶射層を形成し、その後、前記空孔に前記溶射
層の構成物質よりも軟質のPb、Sn、Pb合金、Sn
合金或は樹脂から選ばれた摺滑剤を含浸すること
を特徴とするものである。
本発明によつて得られる溶射層はTiとTiNの
混合物の多孔質の溶射被膜となる。この溶射層の
空孔部に潤滑剤としてPb、Sn、Pb合金、Sn合金
の少なくとも１つあるいは樹脂を含浸せしめるの
が好ましい。Tiは軽いうえに、溶射によつて粒
子表面が窒化されてTiNが生成する。この結果、
空孔が形成され易い特徴がある。金属粒子のまま
で基材表面に付着すると、粒子相互の拡散が進み
空孔の非常に少ないものとなるが、粒子表面を窒
化させることにより空孔を多くすることができ
た。
混合物の多孔質の溶射被膜となる。この溶射層の
空孔部に潤滑剤としてPb、Sn、Pb合金、Sn合金
の少なくとも１つあるいは樹脂を含浸せしめるの
が好ましい。Tiは軽いうえに、溶射によつて粒
子表面が窒化されてTiNが生成する。この結果、
空孔が形成され易い特徴がある。金属粒子のまま
で基材表面に付着すると、粒子相互の拡散が進み
空孔の非常に少ないものとなるが、粒子表面を窒
化させることにより空孔を多くすることができ
た。
溶射手段としてプラズマ溶射を適用することに
より、溶射層と基材、或は溶射層の粒子相互の密
着力を強くできる。すなわち、プラズマ溶射する
と、チタン粉末表面に生成する窒化チタン被膜の
一部が、チタン粉末の変形に伴つて破壊し金属チ
タンが露出する。この露出したチタン材と基材、
或は露出したチタン相互が結合するので、密着力
が強くなる。
より、溶射層と基材、或は溶射層の粒子相互の密
着力を強くできる。すなわち、プラズマ溶射する
と、チタン粉末表面に生成する窒化チタン被膜の
一部が、チタン粉末の変形に伴つて破壊し金属チ
タンが露出する。この露出したチタン材と基材、
或は露出したチタン相互が結合するので、密着力
が強くなる。
本発明の溶射被膜は空孔が均一に分散されたも
のである。この溶射層の空孔は深さ方向にある程
度連続しており、潤滑剤を保持するのに適してい
る。もし、空孔の総てが孤立していたならば、溶
射層の深さ方向への含浸は行えず、表面に現われ
た空孔のみの含浸となり、仕上げ加工あるいは初
期摩耗等により容易に除去される恐れがある。し
たがつて、空孔は深さ方向にある程度連続してい
ることが好ましい。溶射層に占める空孔率は、10
〜50体積％とする。50％を越えると溶射被膜の強
度が低下し、高負荷により被膜が変形する恐れが
ある。
のである。この溶射層の空孔は深さ方向にある程
度連続しており、潤滑剤を保持するのに適してい
る。もし、空孔の総てが孤立していたならば、溶
射層の深さ方向への含浸は行えず、表面に現われ
た空孔のみの含浸となり、仕上げ加工あるいは初
期摩耗等により容易に除去される恐れがある。し
たがつて、空孔は深さ方向にある程度連続してい
ることが好ましい。溶射層に占める空孔率は、10
〜50体積％とする。50％を越えると溶射被膜の強
度が低下し、高負荷により被膜が変形する恐れが
ある。
空孔率は溶射条件をコントロールすることによ
つて所望の値にすることができる。特に、25〜40
％程度が好ましい。
つて所望の値にすることができる。特に、25〜40
％程度が好ましい。
本発明の摺動部材では、窒化チタンが硬質部を
構成し、チタンが軟質部を構成する。摺動面のチ
タンは摩耗して凹部となり潤滑剤の保持作用を受
け持つ。
構成し、チタンが軟質部を構成する。摺動面のチ
タンは摩耗して凹部となり潤滑剤の保持作用を受
け持つ。
溶射されたままの溶射層の厚さは0.01〜５mmが
好ましい。均質な空孔を形成させるには0.01mm以
上が好ましく、基材との剥離が生ぜず、かつ、潤
滑剤の保持を良好にするには５mm以下がよい。
好ましい。均質な空孔を形成させるには0.01mm以
上が好ましく、基材との剥離が生ぜず、かつ、潤
滑剤の保持を良好にするには５mm以下がよい。
上述したような空孔のある溶射層を形成させた
後、潤滑剤の含浸処理を行う。この含浸処理は例
えば、10-2Torr以下の減圧容器内に溶射部材を
挿入して空孔内を十分排気したのち、含浸物の液
体中に浸漬することにより行うこてができる。浸
漬のみで含浸が不十分な場合は３〜７Kg／cm2の圧
力を加えて加圧含浸させる。含浸が十分なされた
後、減圧容器内により取り出し、機械加工等によ
り仕上げ加工を行う。仕上げ加工後の溶射層の厚
さは使用条件によつても異なるが0.002mm〜4.5mm
程度が望ましい。0.002mm未満では初期摩耗等に
より基材が露出する恐れがあり、4.5mm以上では
使用中に基材との剥離が生ずる恐れがある。ま
た、被覆層が厚い場合には摺動面の性質が被覆層
の性質のみで決つてしまい、被覆層を通して摺動
部表面に表われる基材の優れた性質、例えば、強
度、硬さ等を利用できなくなり、高負荷時等によ
る被覆層の変形等の問題がある。基材の性質を利
用して高負荷にも耐える厚さとしては0.01mm〜
0.8mm程度が特に好ましい。
後、潤滑剤の含浸処理を行う。この含浸処理は例
えば、10-2Torr以下の減圧容器内に溶射部材を
挿入して空孔内を十分排気したのち、含浸物の液
体中に浸漬することにより行うこてができる。浸
漬のみで含浸が不十分な場合は３〜７Kg／cm2の圧
力を加えて加圧含浸させる。含浸が十分なされた
後、減圧容器内により取り出し、機械加工等によ
り仕上げ加工を行う。仕上げ加工後の溶射層の厚
さは使用条件によつても異なるが0.002mm〜4.5mm
程度が望ましい。0.002mm未満では初期摩耗等に
より基材が露出する恐れがあり、4.5mm以上では
使用中に基材との剥離が生ずる恐れがある。ま
た、被覆層が厚い場合には摺動面の性質が被覆層
の性質のみで決つてしまい、被覆層を通して摺動
部表面に表われる基材の優れた性質、例えば、強
度、硬さ等を利用できなくなり、高負荷時等によ
る被覆層の変形等の問題がある。基材の性質を利
用して高負荷にも耐える厚さとしては0.01mm〜
0.8mm程度が特に好ましい。
以上のような方法で作られた本発明の摺動部材
は、Pb、Sn等が表面に介在して潤滑作用を受け
持つ。このため、高速摺動時に潤滑油が油膜切れ
を生じても焼付き等の異常摩耗を阻止でき、優れ
た耐摩耗性を有する。
は、Pb、Sn等が表面に介在して潤滑作用を受け
持つ。このため、高速摺動時に潤滑油が油膜切れ
を生じても焼付き等の異常摩耗を阻止でき、優れ
た耐摩耗性を有する。
本発明によれば、部材の形状あるいは大小を問
わず、量産性のある摺動部材を形成させることが
可能である。
わず、量産性のある摺動部材を形成させることが
可能である。
実施例 １
基材としてはJIS−SS41鋼棒を用い、溶射すべ
き端面に溶射層の密着性を向上させるために
＃120のグリツトを用いて４Kg／cm2の圧力により
ブラスチングを行つた。このブラスチングを施し
た端面に粒径20μｍ〜40μｍのTi粉末を用い、プ
ラズマ溶射装置によりアルゴンガスプラズマで溶
射して約1.0mm厚さの溶射被膜を形成した。
き端面に溶射層の密着性を向上させるために
＃120のグリツトを用いて４Kg／cm2の圧力により
ブラスチングを行つた。このブラスチングを施し
た端面に粒径20μｍ〜40μｍのTi粉末を用い、プ
ラズマ溶射装置によりアルゴンガスプラズマで溶
射して約1.0mm厚さの溶射被膜を形成した。
溶射層の断面を顕微鏡で観察した結果、この溶
射層は表面から内部に連続した空孔と内部に微細
に孤立した空孔が形成されており、その空孔率は
約40体積％であつた。溶射層の大部分はTiであ
り、溶射によつて変形した偏平Ti粒子の表面の
一部をTiNが覆つていた。TiNが生成したのは、
大気中の窒素と反応したことによる。
射層は表面から内部に連続した空孔と内部に微細
に孤立した空孔が形成されており、その空孔率は
約40体積％であつた。溶射層の大部分はTiであ
り、溶射によつて変形した偏平Ti粒子の表面の
一部をTiNが覆つていた。TiNが生成したのは、
大気中の窒素と反応したことによる。
次に、これらの試料を加熱可能な減圧容器内に
黒鉛ルツボに入れたPbと共に挿入し、10-2Torr
以下に排気した。排気が十分なされた後、黒鉛ル
ツボを加熱してPbを550℃の融液とし、この融液
中に試料を浸漬し、約５Kg／cm2の圧力を加えて含
浸を行つた。このものの表面を機械加工した、そ
の表面を走査型電子顕微鏡によりPbの分析を行
つた結果、空孔部にPbが含浸していることがわ
かつた。またPbはほぼ内部まで浸透していた。
黒鉛ルツボに入れたPbと共に挿入し、10-2Torr
以下に排気した。排気が十分なされた後、黒鉛ル
ツボを加熱してPbを550℃の融液とし、この融液
中に試料を浸漬し、約５Kg／cm2の圧力を加えて含
浸を行つた。このものの表面を機械加工した、そ
の表面を走査型電子顕微鏡によりPbの分析を行
つた結果、空孔部にPbが含浸していることがわ
かつた。またPbはほぼ内部まで浸透していた。
このようにして得た被覆層の耐摩耗性を評価す
るために、被覆層の厚さを0.5mmに機械加工して、
第１図に示すような回転式摩耗試験機により試験
を行つた。相手材２はJIS規格FCMP60（ロツク
ウエル硬さ：Ｃスケール60）である。摩擦速度：
10ｍ／秒、荷重：100Kg／cm2、潤滑剤：タービン
油＃120で試験した。第１図において、符号１は
試験片、３は試験片固定治具、４は回転シヤフト
である。
るために、被覆層の厚さを0.5mmに機械加工して、
第１図に示すような回転式摩耗試験機により試験
を行つた。相手材２はJIS規格FCMP60（ロツク
ウエル硬さ：Ｃスケール60）である。摩擦速度：
10ｍ／秒、荷重：100Kg／cm2、潤滑剤：タービン
油＃120で試験した。第１図において、符号１は
試験片、３は試験片固定治具、４は回転シヤフト
である。
第２図は摩耗量と時間の関係を示したものであ
り、従来材には70重量％Fe−30重量％Cuの含油
焼結合金を用いた。図に示す如く、本発明のTi
とTiNの混合溶射被膜中にPbを含浸させたもの
は耐摩耗性が良好であり、長時間の使用にも耐え
得るものであることがわかる。
り、従来材には70重量％Fe−30重量％Cuの含油
焼結合金を用いた。図に示す如く、本発明のTi
とTiNの混合溶射被膜中にPbを含浸させたもの
は耐摩耗性が良好であり、長時間の使用にも耐え
得るものであることがわかる。
実施例 ２
基材にはJIS−S53C鋼棒を用い、実施例１と同
様の条件で鋼棒の外周面にブラスチングを施し、
プラズマ溶射装置を用いてN2プラズマでTiを溶
射した。Ti粉末は実施例１と同様の粒径であり、
溶射被膜を0.8mm厚さに形成させた。この溶射層
の空孔率は約40体積％であつた。溶射層の大部分
はTiNよりなり、偏平したTi粒子の表面をTiN
が覆つていた。次いでこの試料に実施例１と同様
の条件によりSnを含浸させた後、機械加工によ
り溶射層を0.3mmの厚さに仕上げ加工し、大越式
摩耗試験機を用いて摩耗試験を行つた。試験条件
は相手材：JIS規格SCM3（ロツクウエル硬さ：Ｃ
スケール60）、摩擦速度：３ｍ／秒、摩耗距離：
200ｍ、荷重：12.6Kg、潤滑油：タービン油＃120
である。
様の条件で鋼棒の外周面にブラスチングを施し、
プラズマ溶射装置を用いてN2プラズマでTiを溶
射した。Ti粉末は実施例１と同様の粒径であり、
溶射被膜を0.8mm厚さに形成させた。この溶射層
の空孔率は約40体積％であつた。溶射層の大部分
はTiNよりなり、偏平したTi粒子の表面をTiN
が覆つていた。次いでこの試料に実施例１と同様
の条件によりSnを含浸させた後、機械加工によ
り溶射層を0.3mmの厚さに仕上げ加工し、大越式
摩耗試験機を用いて摩耗試験を行つた。試験条件
は相手材：JIS規格SCM3（ロツクウエル硬さ：Ｃ
スケール60）、摩擦速度：３ｍ／秒、摩耗距離：
200ｍ、荷重：12.6Kg、潤滑油：タービン油＃120
である。
第３図は摩擦速度と摩耗減量との関係を示す線
図である。従来材には実施例１と同様のFe−Cu
系含油焼結合金を用いた。第３図から明らかなよ
うに、本発明のTiN主体の溶射層中にSnを含浸
させたものは著しく耐摩耗性が優れていることが
わかる。
図である。従来材には実施例１と同様のFe−Cu
系含油焼結合金を用いた。第３図から明らかなよ
うに、本発明のTiN主体の溶射層中にSnを含浸
させたものは著しく耐摩耗性が優れていることが
わかる。
実施例 ３
基材にはJIS−S45C材を用い、実施例１と同様
のTi粉末をプラズマ溶射装置を用いて、アルゴ
ンガスと窒素ガスの混合したプラズマで溶射して
TiとTiNよりなる溶射層を形成させた。このも
のの空孔率は約40体積％であつた。この試料を液
体とした樹脂と共に減圧容器内に入れ、
10-2Torr以下に排気した後、樹脂中に試料を浸
漬して約７Kg／cm2の圧力を加えて含浸を行つた。
これらの試料を用いて実施例１と同様に回転式摩
耗試験を行つた。試験条件は摩擦速度：８ｍ／
秒、荷重：50Kg／cm2、潤滑油：タービン油＃120、
試験時間：50h、相手材：JIS−SUJ2（ロツクウエ
ル硬さ：Ｃスケール60）である。
のTi粉末をプラズマ溶射装置を用いて、アルゴ
ンガスと窒素ガスの混合したプラズマで溶射して
TiとTiNよりなる溶射層を形成させた。このも
のの空孔率は約40体積％であつた。この試料を液
体とした樹脂と共に減圧容器内に入れ、
10-2Torr以下に排気した後、樹脂中に試料を浸
漬して約７Kg／cm2の圧力を加えて含浸を行つた。
これらの試料を用いて実施例１と同様に回転式摩
耗試験を行つた。試験条件は摩擦速度：８ｍ／
秒、荷重：50Kg／cm2、潤滑油：タービン油＃120、
試験時間：50h、相手材：JIS−SUJ2（ロツクウエ
ル硬さ：Ｃスケール60）である。
第４図は摩耗量と荷重の関係を示したものであ
る。第４図でも明らかなように、本発明のTiと
TiNの混合された溶射層中に樹脂を含浸させた
ものは耐摩耗性が良好であることがわかる。
る。第４図でも明らかなように、本発明のTiと
TiNの混合された溶射層中に樹脂を含浸させた
ものは耐摩耗性が良好であることがわかる。
以上の通り、本発明の摺動部材は、耐摩耗性が
顕著に優れている。
顕著に優れている。
第１図は耐摩耗性を評価するための回転式摩耗
試験機の概略図、第２図は回転摩耗試験による本
発明材と従来材の摩耗量と時間との関係を示すグ
ラフ、第３図は大越式摩耗試験による本発明材と
従来材の摩耗減量と摩擦速度との関係を示すグラ
フ、第４図は回転摩耗試験による本発明材と従来
材の摩耗量と荷重との関係を示すグラフである。 １……試験片、２……相手材、３……試験片固
定治具、４……回転シヤフト。
試験機の概略図、第２図は回転摩耗試験による本
発明材と従来材の摩耗量と時間との関係を示すグ
ラフ、第３図は大越式摩耗試験による本発明材と
従来材の摩耗減量と摩擦速度との関係を示すグラ
フ、第４図は回転摩耗試験による本発明材と従来
材の摩耗量と荷重との関係を示すグラフである。 １……試験片、２……相手材、３……試験片固
定治具、４……回転シヤフト。
Claims (1)
- １ 互いに接触して摺動する二つの部材の少なく
とも一方の摺動面に、チタン粉末をプラズマ溶射
して、TiとTiNよりなり空孔率10〜50体積％の
多孔質の溶射層を形成し、その後、前記空孔に前
記溶射層の構成物質よりも軟質のPb、Sn、Pb合
金、Sn合金或は樹脂から選ばれた潤滑剤を含浸
することを特徴とする耐摩耗性の優れた摺動部材
の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56158741A JPS5861327A (ja) | 1981-10-07 | 1981-10-07 | 耐摩耗性の優れた摺動部材の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56158741A JPS5861327A (ja) | 1981-10-07 | 1981-10-07 | 耐摩耗性の優れた摺動部材の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5861327A JPS5861327A (ja) | 1983-04-12 |
| JPH0118990B2 true JPH0118990B2 (ja) | 1989-04-10 |
Family
ID=15678316
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56158741A Granted JPS5861327A (ja) | 1981-10-07 | 1981-10-07 | 耐摩耗性の優れた摺動部材の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5861327A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63111313A (ja) * | 1986-10-28 | 1988-05-16 | Kyocera Corp | 摺動装置 |
| JP2002349571A (ja) * | 2002-04-12 | 2002-12-04 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 軸受装置 |
| JP7083295B2 (ja) * | 2018-08-22 | 2022-06-10 | トヨタ自動車東日本株式会社 | 摺動部材及びその製造方法 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5223531A (en) * | 1975-08-18 | 1977-02-22 | Nissan Motor | Abrasionnresistant sliding member and its production method |
| JPS5613510A (en) * | 1979-07-16 | 1981-02-09 | Tdk Corp | Magnetic head and its manufacture |
-
1981
- 1981-10-07 JP JP56158741A patent/JPS5861327A/ja active Granted
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5223531A (en) * | 1975-08-18 | 1977-02-22 | Nissan Motor | Abrasionnresistant sliding member and its production method |
| JPS5613510A (en) * | 1979-07-16 | 1981-02-09 | Tdk Corp | Magnetic head and its manufacture |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5861327A (ja) | 1983-04-12 |
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