JPH0118376B2 - - Google Patents
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- JPH0118376B2 JPH0118376B2 JP55069612A JP6961280A JPH0118376B2 JP H0118376 B2 JPH0118376 B2 JP H0118376B2 JP 55069612 A JP55069612 A JP 55069612A JP 6961280 A JP6961280 A JP 6961280A JP H0118376 B2 JPH0118376 B2 JP H0118376B2
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N23/00—Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
- G01N23/22—Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material
- G01N23/221—Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material by activation analysis
- G01N23/222—Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material by activation analysis using neutron activation analysis [NAA]
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Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の目的〕
(産業上の利用分野)
この発明は沸騰水型原子炉用制御棒の非破壊検
査装置に係り、特に原子炉用制御棒内の中性子吸
収物質の充填分布および濃度を測定する非破壊検
査装置に関する。
査装置に係り、特に原子炉用制御棒内の中性子吸
収物質の充填分布および濃度を測定する非破壊検
査装置に関する。
(従来の技術)
沸騰水型原子炉の制御棒は断面十字形の中央構
造材の各脚片に細長いU字状断面のブレード部材
がそれらの開口部において係合固着されており、
各ブレード部材内には金属管内に中性子吸収物質
であるB4C粉末の充填された中性子吸収棒が収容
されている。この中性子吸収物質は制御棒を原子
炉に挿抜する際生じる振動、あるいは制御棒が原
子炉運転中に受ける流体力学的振動により下方へ
詰り、中性子吸収棒に中性子吸収物質の存在しな
いボイドが生じる恐れがある。
造材の各脚片に細長いU字状断面のブレード部材
がそれらの開口部において係合固着されており、
各ブレード部材内には金属管内に中性子吸収物質
であるB4C粉末の充填された中性子吸収棒が収容
されている。この中性子吸収物質は制御棒を原子
炉に挿抜する際生じる振動、あるいは制御棒が原
子炉運転中に受ける流体力学的振動により下方へ
詰り、中性子吸収棒に中性子吸収物質の存在しな
いボイドが生じる恐れがある。
また、原子炉運転中に中性子吸収物質は中性子
と反応して別の核種になるため、中性子吸収棒に
収容されている中性子吸収物質の濃度が変化す
る。このように、中性子吸収棒に収容された中性
子吸収物質がボイドの発生によりその充填分布が
不均一になつたり、濃度の変化により不均質にな
ると原子炉の制御特性が変化する。原子炉で使用
された制御棒の制御特性の変化が許容範囲に近づ
いた場合には新しい制御棒と交換しなければなら
ない。
と反応して別の核種になるため、中性子吸収棒に
収容されている中性子吸収物質の濃度が変化す
る。このように、中性子吸収棒に収容された中性
子吸収物質がボイドの発生によりその充填分布が
不均一になつたり、濃度の変化により不均質にな
ると原子炉の制御特性が変化する。原子炉で使用
された制御棒の制御特性の変化が許容範囲に近づ
いた場合には新しい制御棒と交換しなければなら
ない。
上記のような制御棒の交換時期を判定するには
中性子吸収物質の充填分布およびその濃度を非破
壊的に検査する必要がある。
中性子吸収物質の充填分布およびその濃度を非破
壊的に検査する必要がある。
(発明が解決しようとする課題)
従来、このような原子炉で使用された制御棒の
中性子吸収物質の充填分布を測定する方法として
は中性子に制御棒を貫通透過させ、中性子の透過
線量を検出器により計数する方法が知られてお
り、中性子吸収物質の濃度を測定する方法として
は特開昭54−51580号公報において開示された方
法が知られている。
中性子吸収物質の充填分布を測定する方法として
は中性子に制御棒を貫通透過させ、中性子の透過
線量を検出器により計数する方法が知られてお
り、中性子吸収物質の濃度を測定する方法として
は特開昭54−51580号公報において開示された方
法が知られている。
しかしながら、中性子の透過線量を検出器によ
り計数する方法はその測定精度が低くボイドの位
置、大きさを正確に把握できないうえ、中性子吸
収物質の充填分布および濃度測定を別々に行うこ
とは多大の労力と時間を要し、検査コストが上昇
するという問題点があつた。
り計数する方法はその測定精度が低くボイドの位
置、大きさを正確に把握できないうえ、中性子吸
収物質の充填分布および濃度測定を別々に行うこ
とは多大の労力と時間を要し、検査コストが上昇
するという問題点があつた。
この発明は上記のような問題点に着目してなさ
れたものであり、原子炉で使用された制御棒のブ
レード部材に中性子に照射する中性子源と、ブレ
ード部材を透過した中性子の透過線により放射化
される中性子ラジオグラフイー測定用のコンバー
ター箔および中性子吸収物質濃度測定用の検出箔
とを備え、照射済制御棒内の中性子吸収材の分布
および濃度を非破壊的に能率よくかつ精度よく得
ることができる原子炉用制御棒の非破壊検査装置
を提供することを目的とする。
れたものであり、原子炉で使用された制御棒のブ
レード部材に中性子に照射する中性子源と、ブレ
ード部材を透過した中性子の透過線により放射化
される中性子ラジオグラフイー測定用のコンバー
ター箔および中性子吸収物質濃度測定用の検出箔
とを備え、照射済制御棒内の中性子吸収材の分布
および濃度を非破壊的に能率よくかつ精度よく得
ることができる原子炉用制御棒の非破壊検査装置
を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段)
この発明に係る原子炉用制御棒は原子炉用制御
棒のブレード部材が係合可能な切欠きを有する基
板が備えられ、その切欠きの一側に中性子照射部
が設けられる一方、他側に中性子検出部が設けら
れ、上記中性子照射部は上記切欠きから間隔をお
いて基板に取り付けられた中性子ホルダーに高速
中性子を発生させる可搬型の中性子源が挿入さ
れ、この中性子ホルダーの切欠き側に上記中性子
源からの高速中性子を拡散させる第1空洞が密着
して設けられ、この第1空洞の切欠き側に常温の
水に換算して1ないし5cmの厚さの減速材が設け
られ、この減速材のさらに切欠き側に中性子コリ
メータとしての機能を有するとともに上記ブレー
ド部材に密着可能な第2空洞が設けられ、一方上
記中性子検出部は検出箔容器と、この検出箔容器
をブレード部材に押圧して密着させるガイド部と
を有し、上記検出箔容器内のうち中性子入射側に
透過熱中性子を検出する中性子ラジオグラフイ測
定用のコンバータ箔が設けられるとともに、この
コンバータ箔の中性子射出側に中性子射出物から
の熱中性子の入射を防止する熱中性子吸収材が設
けられ、上記コンバータ箔の中性子射出側に熱中
性子吸収材で包囲された透過共鳴中性子を検出す
る中性子吸収物質濃度測定用の検出箔が設けられ
るとともに、この検出箔の中性子射出側に中性子
射出側からの共鳴中性子の入射を防止する共鳴中
性子吸収材が設けられ、上記中性子照射部および
中性子検出部が備えられた基板を昇降させる駆動
装置が備えられたものである。
棒のブレード部材が係合可能な切欠きを有する基
板が備えられ、その切欠きの一側に中性子照射部
が設けられる一方、他側に中性子検出部が設けら
れ、上記中性子照射部は上記切欠きから間隔をお
いて基板に取り付けられた中性子ホルダーに高速
中性子を発生させる可搬型の中性子源が挿入さ
れ、この中性子ホルダーの切欠き側に上記中性子
源からの高速中性子を拡散させる第1空洞が密着
して設けられ、この第1空洞の切欠き側に常温の
水に換算して1ないし5cmの厚さの減速材が設け
られ、この減速材のさらに切欠き側に中性子コリ
メータとしての機能を有するとともに上記ブレー
ド部材に密着可能な第2空洞が設けられ、一方上
記中性子検出部は検出箔容器と、この検出箔容器
をブレード部材に押圧して密着させるガイド部と
を有し、上記検出箔容器内のうち中性子入射側に
透過熱中性子を検出する中性子ラジオグラフイ測
定用のコンバータ箔が設けられるとともに、この
コンバータ箔の中性子射出側に中性子射出物から
の熱中性子の入射を防止する熱中性子吸収材が設
けられ、上記コンバータ箔の中性子射出側に熱中
性子吸収材で包囲された透過共鳴中性子を検出す
る中性子吸収物質濃度測定用の検出箔が設けられ
るとともに、この検出箔の中性子射出側に中性子
射出側からの共鳴中性子の入射を防止する共鳴中
性子吸収材が設けられ、上記中性子照射部および
中性子検出部が備えられた基板を昇降させる駆動
装置が備えられたものである。
(作用)
中性子照射部の中性子源から照射された高速中
性子は、第1空洞により拡散され、その後減速材
により減速されて、一部が熱中性子、一部がエピ
サーマル中性子となり、第2空洞を通つた後、切
欠きに係合された制御棒に入射する。
性子は、第1空洞により拡散され、その後減速材
により減速されて、一部が熱中性子、一部がエピ
サーマル中性子となり、第2空洞を通つた後、切
欠きに係合された制御棒に入射する。
制御棒に入射した中性子のうち熱中性子は、制
御棒内に中性子吸収物質が存在する部位について
はその中性子吸収物質により吸収され、存在しな
い部位については制御棒を通過して、コンバータ
箔に入射する。
御棒内に中性子吸収物質が存在する部位について
はその中性子吸収物質により吸収され、存在しな
い部位については制御棒を通過して、コンバータ
箔に入射する。
この場合、コンバータ箔の中性子射出側に熱中
性子吸収材が設けられたから、コンバータ箔の後
方からのバツクグラウンドとしての熱中性子の入
射を防止することができる。
性子吸収材が設けられたから、コンバータ箔の後
方からのバツクグラウンドとしての熱中性子の入
射を防止することができる。
一方、制御棒に入射した中性子のうちエピサー
マル中性子は、制御棒内の中性子吸収物質の濃度
が高い場合には多く吸収され、濃度が低い場合に
は少く吸収され、その後、検出箔に入射する。
マル中性子は、制御棒内の中性子吸収物質の濃度
が高い場合には多く吸収され、濃度が低い場合に
は少く吸収され、その後、検出箔に入射する。
この場合、検出箔を熱中性子吸収材で包囲した
から、熱中性子を除き、エピサーマル中性子以上
のエネルギを有する中性子のみを検出箔に入射さ
せることができる。
から、熱中性子を除き、エピサーマル中性子以上
のエネルギを有する中性子のみを検出箔に入射さ
せることができる。
コンバータ箔および検出箔に中性子を入射させ
た後、コンバータ箔から放射される放射線により
感光した写真フイルムを現像する。その結果、制
御棒内の中性子吸収物質の充填分布を高精度の写
真として得ることができる。
た後、コンバータ箔から放射される放射線により
感光した写真フイルムを現像する。その結果、制
御棒内の中性子吸収物質の充填分布を高精度の写
真として得ることができる。
また、検出箔を取り出して、放射能計測装置で
誘導放射能を測定する。この測定結果を既知の標
準制御棒の測定結果と比較することにより、制御
棒内の中性子吸収物質の濃度を決定することがで
きる。
誘導放射能を測定する。この測定結果を既知の標
準制御棒の測定結果と比較することにより、制御
棒内の中性子吸収物質の濃度を決定することがで
きる。
このように、この発明によれば、制御棒内の中
性子吸収物質の充填分布および濃度の測定を非破
壊的かつ同時に高精度で行うことができ、労力お
よび時間を著しく減少させて検査コストを低下さ
せることができる。
性子吸収物質の充填分布および濃度の測定を非破
壊的かつ同時に高精度で行うことができ、労力お
よび時間を著しく減少させて検査コストを低下さ
せることができる。
(実施例)
まず、この発明の原理について説明する。
この発明は中性子ラジオグラフイー法(以下
NRG法という)を用いて制御棒内の中性子吸収
物質の充填分布を非破壊的に写真像として得るこ
と、および同時に中性子吸収物質の濃度を非破壊
的に得ることの2つを目的とし、実際に原子炉で
使用され、強い放射能を帯びている照射済制御棒
を深い水中で分解能よく、精度よく、かつ能率よ
く検査することができる非破壊検査装置を提供す
るものである。
NRG法という)を用いて制御棒内の中性子吸収
物質の充填分布を非破壊的に写真像として得るこ
と、および同時に中性子吸収物質の濃度を非破壊
的に得ることの2つを目的とし、実際に原子炉で
使用され、強い放射能を帯びている照射済制御棒
を深い水中で分解能よく、精度よく、かつ能率よ
く検査することができる非破壊検査装置を提供す
るものである。
NRG法では、中性子減から放出された高速中
性子を減速して熱中性子とした後、制御棒を透過
させ、透過した熱中性子で被放射化シート状物質
(コンバータ)を放射化させる。コンバータとし
ては複数種のものが知られているが、最もよく知
られているのはデイスプロシウム(Dy)である。
性子を減速して熱中性子とした後、制御棒を透過
させ、透過した熱中性子で被放射化シート状物質
(コンバータ)を放射化させる。コンバータとし
ては複数種のものが知られているが、最もよく知
られているのはデイスプロシウム(Dy)である。
放射化されたコンバータをX線フイルムと密着
し、放射化されたコンバータから放出されるβ線
またはX線によりX線フイルムを感光させる。こ
のX線フイルムを現像すると写真像が得られる。
し、放射化されたコンバータから放出されるβ線
またはX線によりX線フイルムを感光させる。こ
のX線フイルムを現像すると写真像が得られる。
公知のNRG法は原子炉からの強い中性子ビー
ムを利用する方法であるが、原子炉を任意の所に
選んでNRG法により写真像を得ることはできな
い。この発明は原子炉に比べ著しく弱い可搬型の
放射性同位元素の中性子源(代表例:Cf−252)
を利用するNRG法であり、従来ほとんど実施例
がない。また、画像を著しく劣化させる水中で行
うNRG法の実施例も従来は見当らない。
ムを利用する方法であるが、原子炉を任意の所に
選んでNRG法により写真像を得ることはできな
い。この発明は原子炉に比べ著しく弱い可搬型の
放射性同位元素の中性子源(代表例:Cf−252)
を利用するNRG法であり、従来ほとんど実施例
がない。また、画像を著しく劣化させる水中で行
うNRG法の実施例も従来は見当らない。
この発明では、このように中性子が弱く、水中
でかつ遠隔で測定しなければならないという悪い
条件で分解能のよい画像を得なければならない。
さらに能率よく作業を進めるために、一回あたり
広い範囲の画像を得なければならない。しかし、
利用できる中性子源はそれに好適といい難いほぼ
点状の中性子源である。
でかつ遠隔で測定しなければならないという悪い
条件で分解能のよい画像を得なければならない。
さらに能率よく作業を進めるために、一回あたり
広い範囲の画像を得なければならない。しかし、
利用できる中性子源はそれに好適といい難いほぼ
点状の中性子源である。
このような悪条件に対処するために、この発明
では次のような原理により検査を行なう。最初
に、中性子吸収物質の充填分布の検査原理につい
て説明する。まず、中性子源から放出された高速
中性子をなるべく拡散させた後、減速材中に射出
する。これにより、中性子源は実質的に点線源か
ら画線源となる。画線源となつて減速材に入射し
た高速中性子は減速材で減速され、一部のものを
熱中性子となり、一部のものはエピサーマル中性
子(共鳴中性子)となる。中性子吸収物質の充填
分布の検査においては、熱中性子を利用する。
では次のような原理により検査を行なう。最初
に、中性子吸収物質の充填分布の検査原理につい
て説明する。まず、中性子源から放出された高速
中性子をなるべく拡散させた後、減速材中に射出
する。これにより、中性子源は実質的に点線源か
ら画線源となる。画線源となつて減速材に入射し
た高速中性子は減速材で減速され、一部のものを
熱中性子となり、一部のものはエピサーマル中性
子(共鳴中性子)となる。中性子吸収物質の充填
分布の検査においては、熱中性子を利用する。
熱中性子はコリメータの機能を有する空洞を通
つて制御棒へ射出される。この空洞はもし中性子
源が充分強ければ、長い程よいが、可搬型の比較
的弱い中性子源を用いた場合長いものは使用でき
ず、従つてコリメータと呼ぶのは必ずしも適当で
ない。
つて制御棒へ射出される。この空洞はもし中性子
源が充分強ければ、長い程よいが、可搬型の比較
的弱い中性子源を用いた場合長いものは使用でき
ず、従つてコリメータと呼ぶのは必ずしも適当で
ない。
制御棒に入射した熱中性子は、制御棒内にもし
中性子吸収材(B4C等)が存在しない空間があれ
ば、そのまま通過し、制御棒の反対側の面に極め
て接近した配設されたコンバータに入射し、コン
バータを放射化する。一方、制御棒内に中性子吸
収材が存在すれば、熱中性子は殆ど透過しないの
で、コンバータは殆んど放射化されない。
中性子吸収材(B4C等)が存在しない空間があれ
ば、そのまま通過し、制御棒の反対側の面に極め
て接近した配設されたコンバータに入射し、コン
バータを放射化する。一方、制御棒内に中性子吸
収材が存在すれば、熱中性子は殆ど透過しないの
で、コンバータは殆んど放射化されない。
制御棒はその構造上の理由から内部に水が侵入
するようになつているものがあり、この水が中性
子ラジオグラフイーの画質を劣化させる。これを
極力抑制するためには、コンバータを極力制御棒
面に近接して設けなければならない。
するようになつているものがあり、この水が中性
子ラジオグラフイーの画質を劣化させる。これを
極力抑制するためには、コンバータを極力制御棒
面に近接して設けなければならない。
このような事情から、この発明ではコンバータ
を制御棒に最近接でき、かつ確実に制御棒面に検
出箔容器を密着させることができる構成とされて
いる。
を制御棒に最近接でき、かつ確実に制御棒面に検
出箔容器を密着させることができる構成とされて
いる。
さらに、水中で行うNRG法では熱中性子が制
御棒の外側縁をまわり込んで中性子ラジオグラフ
イー像を劣化させる恐れがあるため、熱中性子吸
収材を用いてそれを抑制する。また、減速されな
かつた高速中性子がコンバータをはさんで中性子
源と反対側(後方)の水で減速され、後方から入
射する熱中性子で中性子ラジオグラフイ像を劣化
させる恐れがあるため、コンバータの背面に板状
の熱中性吸収材を配置してそれを防止する。
御棒の外側縁をまわり込んで中性子ラジオグラフ
イー像を劣化させる恐れがあるため、熱中性子吸
収材を用いてそれを抑制する。また、減速されな
かつた高速中性子がコンバータをはさんで中性子
源と反対側(後方)の水で減速され、後方から入
射する熱中性子で中性子ラジオグラフイ像を劣化
させる恐れがあるため、コンバータの背面に板状
の熱中性吸収材を配置してそれを防止する。
次に中性子吸収物質濃度を測定する原理につき
説明する。この基本的原理は特開昭54−51580号
公報に示されている。この発明は、その基本的原
理を能率よくかつ精度よく実際の照射済み制御棒
に適用できるようにするものである。
説明する。この基本的原理は特開昭54−51580号
公報に示されている。この発明は、その基本的原
理を能率よくかつ精度よく実際の照射済み制御棒
に適用できるようにするものである。
この測定原理においては、まず中性子源から放
出された高速中性子を空洞を用いて面線源状と
し、その後減速材に入射して減速され、エピサー
マル中性子(共鳴中性子)となつたものを利用す
る。このエピサーマル中性子は制御棒内の吸収材
を透過し、検出容器内の検出箔を放射化する この検出箔は箔カセツトに収納して能率よく収
扱われるが、箔カセツトの外周には熱中性子吸収
材が配置されているので、エピサーマル中性子の
みが検出箔を放射化させる。検出箔としてはエピ
サーマル中性子に対して特に感度が高く、かつ中
性子吸収物質の濃度変化による透過率の変化割合
がなるべく大きいもの(代表例:インジウム)が
選ばれる。この検出箔も制御棒面から大幅に離れ
ることは好ましくないが、前記コンバータの場合
に比較して制限は緩やかである。
出された高速中性子を空洞を用いて面線源状と
し、その後減速材に入射して減速され、エピサー
マル中性子(共鳴中性子)となつたものを利用す
る。このエピサーマル中性子は制御棒内の吸収材
を透過し、検出容器内の検出箔を放射化する この検出箔は箔カセツトに収納して能率よく収
扱われるが、箔カセツトの外周には熱中性子吸収
材が配置されているので、エピサーマル中性子の
みが検出箔を放射化させる。検出箔としてはエピ
サーマル中性子に対して特に感度が高く、かつ中
性子吸収物質の濃度変化による透過率の変化割合
がなるべく大きいもの(代表例:インジウム)が
選ばれる。この検出箔も制御棒面から大幅に離れ
ることは好ましくないが、前記コンバータの場合
に比較して制限は緩やかである。
一方、中性子源から放出され、減速されないま
ま検出箔を挟んで中性子源と反対方向へ飛行後、
減速され、後方からエピサーマル中性子となつて
検出箔に入射する中性子も存在する。この種の中
性子は制御棒の内部の中性子吸収物質濃度の情報
を有していないため、この種の中性子で放射化さ
れるとバツクグラウンドとなり、測定感度(放射
化率対ノード変化)が低下する。
ま検出箔を挟んで中性子源と反対方向へ飛行後、
減速され、後方からエピサーマル中性子となつて
検出箔に入射する中性子も存在する。この種の中
性子は制御棒の内部の中性子吸収物質濃度の情報
を有していないため、この種の中性子で放射化さ
れるとバツクグラウンドとなり、測定感度(放射
化率対ノード変化)が低下する。
この発明は後方から検出箔に入射するエピサー
マル中性子がバツクグラウンとなることを防止す
るため、検出箔の後方側に検出箔と同質の共鳴中
性子吸収層を配設し、この共鳴中性子吸収層に後
方からのエピサーマル中性子を吸収させ、バツク
グラウンドを低下させて感度を向上させる。
マル中性子がバツクグラウンとなることを防止す
るため、検出箔の後方側に検出箔と同質の共鳴中
性子吸収層を配設し、この共鳴中性子吸収層に後
方からのエピサーマル中性子を吸収させ、バツク
グラウンドを低下させて感度を向上させる。
以下、この発明の一実施例について図面を参照
して具体的に説明する。
して具体的に説明する。
第1,2図はこの発明の一実施例を示す図であ
り、まず構成を説明する。1は略方形の基板であ
り、この基板1の一端2中央部には一端2に垂直
な方向に延在する切欠き3が形成されている。こ
の切欠き3には断面略十字形の制御棒4のブレー
ド部材5が係合しており、このブレード部材5に
は中性子吸収物質であるB4C粉末の充填された中
性子吸収棒6が収容されている。
り、まず構成を説明する。1は略方形の基板であ
り、この基板1の一端2中央部には一端2に垂直
な方向に延在する切欠き3が形成されている。こ
の切欠き3には断面略十字形の制御棒4のブレー
ド部材5が係合しており、このブレード部材5に
は中性子吸収物質であるB4C粉末の充填された中
性子吸収棒6が収容されている。
切欠き3の一側にはブレード部材5と平行にな
るよう中性子検出部7が載置されており、この中
性子検出部7は第3図に詳示するように容器本体
8と容器本体8に対し着脱自在で容器本体8とと
もに水密な空間9を形成する蓋10とを有してい
る。この蓋10は肉厚の十分に薄いステンレスあ
るいはアルミニウムで形成されており、その第3
図中右端は入射面11となる。
るよう中性子検出部7が載置されており、この中
性子検出部7は第3図に詳示するように容器本体
8と容器本体8に対し着脱自在で容器本体8とと
もに水密な空間9を形成する蓋10とを有してい
る。この蓋10は肉厚の十分に薄いステンレスあ
るいはアルミニウムで形成されており、その第3
図中右端は入射面11となる。
空間9内には中性子ラジオグラフイー測定用の
コンバータ箔12が蓋10に密着するように収納
されており、このコンバータ箔12としては放射
化された後適当な半減期で強いベーター線陽電子
線を放出するものが望ましく、デイスプロシウム
(Dy)等が推賞されている。
コンバータ箔12が蓋10に密着するように収納
されており、このコンバータ箔12としては放射
化された後適当な半減期で強いベーター線陽電子
線を放出するものが望ましく、デイスプロシウム
(Dy)等が推賞されている。
また、空間9内には箔カセツト13が熱中性子
吸収層14を介してコンバータ箔12に対向する
よう収納されており、箔カセツト13内には熱中
性子吸収層14を透過した共鳴中性子を検出する
中性子吸収物質濃度測定用の検出箔15が収めら
れている。検出箔15としてはインジウム(In)
等が推賞されている。箔カセツト13の第3図中
左端は熱中性子吸収層16、共鳴中性子吸収層1
7を介して容器本体8に接しており、熱中性子吸
収層14,16はそれらの両端が折り曲げられて
いるため箔カセツト13は熱中性子吸収層14,
16により包摂されている。
吸収層14を介してコンバータ箔12に対向する
よう収納されており、箔カセツト13内には熱中
性子吸収層14を透過した共鳴中性子を検出する
中性子吸収物質濃度測定用の検出箔15が収めら
れている。検出箔15としてはインジウム(In)
等が推賞されている。箔カセツト13の第3図中
左端は熱中性子吸収層16、共鳴中性子吸収層1
7を介して容器本体8に接しており、熱中性子吸
収層14,16はそれらの両端が折り曲げられて
いるため箔カセツト13は熱中性子吸収層14,
16により包摂されている。
上記熱中性子吸収層14はコンバータ箔12へ
の後方からの熱中性子の入射を防止する機能と、
検出箔15への前方からの熱中性子の入射を防止
して熱外中性子以外の中性子のみを入射させる機
能とを兼ね備えている。また、熱中性子吸収層1
6により、後方および側方からの検出箔15への
熱中性子の入射が防止される。
の後方からの熱中性子の入射を防止する機能と、
検出箔15への前方からの熱中性子の入射を防止
して熱外中性子以外の中性子のみを入射させる機
能とを兼ね備えている。また、熱中性子吸収層1
6により、後方および側方からの検出箔15への
熱中性子の入射が防止される。
さらに、検出箔容器18中の共鳴中性子吸収層
17は中性子源33から放出された高速中性子が
一旦、中性子検出部7を透過した後水により減速
され共鳴中性子として箔カセツト13内に入射す
るのを防止するため、箔カセツト13の後方側に
設けられる。
17は中性子源33から放出された高速中性子が
一旦、中性子検出部7を透過した後水により減速
され共鳴中性子として箔カセツト13内に入射す
るのを防止するため、箔カセツト13の後方側に
設けられる。
前述の容器本体8と蓋10とは全体として検出
箔容器18を構成しており、検出箔容器18は第
3図中右端が開口した容器ホルダー19に収容保
持されている。再び第1,2図において、容器ホ
ルダー19の一側には弁座20が基板1に固定さ
れており、その台座20には切欠き3に向つて下
降する図中において右下りの斜面21が形成され
ている。
箔容器18を構成しており、検出箔容器18は第
3図中右端が開口した容器ホルダー19に収容保
持されている。再び第1,2図において、容器ホ
ルダー19の一側には弁座20が基板1に固定さ
れており、その台座20には切欠き3に向つて下
降する図中において右下りの斜面21が形成され
ている。
容器ホルダー19の図中左側は斜面21と係合
する斜面22を有するクサビ型形状をしており、
この容器ホルダー19の斜面22が斜面21に沿
つて第2図中下方に移動することにより検出箔容
器18の蓋10の入射面11をブレード部材5に
当接させこれらを互いに密着させるものである。
容器ホルダー19の上端には容器ホルダー19吊
り下げ用の環24が連結されており、検出箔容器
18を収容した容器ホルダー19の上方からの脱
着に用いる。前述の台座20と斜面21はガイド
部25を構成する。
する斜面22を有するクサビ型形状をしており、
この容器ホルダー19の斜面22が斜面21に沿
つて第2図中下方に移動することにより検出箔容
器18の蓋10の入射面11をブレード部材5に
当接させこれらを互いに密着させるものである。
容器ホルダー19の上端には容器ホルダー19吊
り下げ用の環24が連結されており、検出箔容器
18を収容した容器ホルダー19の上方からの脱
着に用いる。前述の台座20と斜面21はガイド
部25を構成する。
ブレード部材5に垂直な方向に延在するブレー
ド部材26と、容器ホルダー19、ガイド部25
および基板1の一端と、の間にはポリエチレン・
ビニール等で形成された被覆27が介装されてお
り、この被覆27はブレード部材26の面を保護
するためのものである。
ド部材26と、容器ホルダー19、ガイド部25
および基板1の一端と、の間にはポリエチレン・
ビニール等で形成された被覆27が介装されてお
り、この被覆27はブレード部材26の面を保護
するためのものである。
また、容器ホルダー19の他端面にはブレード
部材5の延在方向に突出する指示器28が連結さ
れており、この指示器28は検出箔容器18の正
常設置位置を判定するためのものである。
部材5の延在方向に突出する指示器28が連結さ
れており、この指示器28は検出箔容器18の正
常設置位置を判定するためのものである。
前述の切欠き3の他側縁には中性子コリメータ
ーとしての空洞29がブレード部材5と平行に配
置されており、この空洞29は射出面30がブレ
ード部材5に密着するよう基板1に垂直に固定さ
れている。空洞29の他側面31から所定間隔他
側方向に離間した位置には円筒形の中性子源ホル
ダー32が基板1に立設されており、この中性子
源ホルダー32には中性子源33が挿入されてい
る。他側面31と中性子源ホルダー32との間に
は測定時に適当なエネルギーの中性子スペクトル
を得るための減速材としての水が介在し、前記所
定間隔は20℃程度(常温)の水の場合1〜5cmに
なるよう設定されている。
ーとしての空洞29がブレード部材5と平行に配
置されており、この空洞29は射出面30がブレ
ード部材5に密着するよう基板1に垂直に固定さ
れている。空洞29の他側面31から所定間隔他
側方向に離間した位置には円筒形の中性子源ホル
ダー32が基板1に立設されており、この中性子
源ホルダー32には中性子源33が挿入されてい
る。他側面31と中性子源ホルダー32との間に
は測定時に適当なエネルギーの中性子スペクトル
を得るための減速材としての水が介在し、前記所
定間隔は20℃程度(常温)の水の場合1〜5cmに
なるよう設定されている。
また中性子源ホルダー32は空洞29から一定
間隔離隔して基板1に立設された別の空洞34の
他側壁34aに係合しており、この空洞34は中
性子源33から照射される高速中性子を一様に拡
散させるものである。前述の空洞29、水、中性
子源ホルダー32、中性子源33、空洞34は全
体として照射部35を構成する。
間隔離隔して基板1に立設された別の空洞34の
他側壁34aに係合しており、この空洞34は中
性子源33から照射される高速中性子を一様に拡
散させるものである。前述の空洞29、水、中性
子源ホルダー32、中性子源33、空洞34は全
体として照射部35を構成する。
基板1および空洞29の一端と、前記ブレード
部材26と反対方向に延在するブレード部材36
と、の間には被覆27と同様な別の被覆37が介
装されている。また、基板1には側方中性子遮蔽
体38が空洞29の他端に当接するように立設さ
れており、この側方中性子遮蔽体38はブレード
部材5他端からの中性子の回り込みを防止できる
ようその一側端が切欠き3の一側縁にまで延在し
ている。
部材26と反対方向に延在するブレード部材36
と、の間には被覆27と同様な別の被覆37が介
装されている。また、基板1には側方中性子遮蔽
体38が空洞29の他端に当接するように立設さ
れており、この側方中性子遮蔽体38はブレード
部材5他端からの中性子の回り込みを防止できる
ようその一側端が切欠き3の一側縁にまで延在し
ている。
ガイド部25の一側および中性子源ホルダー3
2の他側の基板1には一対の支持枠39,40が
立設されており、これらの支持枠39,40の上
端にはそれぞれ吊り下げ用の環41,42が固定
されている。この環41,42には第4図に示す
ようにワイヤー43が連結され、ワイヤ43はプ
ール44の壁45の上端に設置された駆動機構と
してのウインチ46に連結される。
2の他側の基板1には一対の支持枠39,40が
立設されており、これらの支持枠39,40の上
端にはそれぞれ吊り下げ用の環41,42が固定
されている。この環41,42には第4図に示す
ようにワイヤー43が連結され、ワイヤ43はプ
ール44の壁45の上端に設置された駆動機構と
してのウインチ46に連結される。
次に作用を説明する。中性子吸収棒6に充填さ
れた中性子吸収物質の充填分布および濃度を測定
するには、まず制御棒4のプール44に浸漬す
る。次に、検出箔容器18を収容した容器ホルダ
ー19を取り外した状態で基板1をウインチ46
で吊り下げブレード部材5の測定部材に切欠き3
を係合させる。
れた中性子吸収物質の充填分布および濃度を測定
するには、まず制御棒4のプール44に浸漬す
る。次に、検出箔容器18を収容した容器ホルダ
ー19を取り外した状態で基板1をウインチ46
で吊り下げブレード部材5の測定部材に切欠き3
を係合させる。
次に、検出箔容器18を収容した容器ホルダー
19を吊り下げてガイド部25上に載置すること
により容器ホルダー19は下方に移動し、所定の
基板位置に設置され、入射面11はブレード部材
5に密着する。この状態で中性子源33により透
過中性子の照射が行なわれる。
19を吊り下げてガイド部25上に載置すること
により容器ホルダー19は下方に移動し、所定の
基板位置に設置され、入射面11はブレード部材
5に密着する。この状態で中性子源33により透
過中性子の照射が行なわれる。
中性子源33から出た高速中性子は空洞34で
拡散され、その後減速材としての水により減速さ
れ、コリメータとしての機能を有する空洞29を
通つた後、制御棒4のブレード部材5に入射す
る。
拡散され、その後減速材としての水により減速さ
れ、コリメータとしての機能を有する空洞29を
通つた後、制御棒4のブレード部材5に入射す
る。
入射中性子には熱中性子と共鳴中性子が含まれ
る。このうち、熱中性子はブレード部材5内の中
性子吸収棒6に充填される中性子吸収物質である
B4Cに含まれる 10Bにより吸収される。 10Bは熱
中性子に対してほぼ黒体であるためB4Cの存在す
る部位については熱中性子はほとんど透過するこ
とができず、中性子吸収棒6内にB4Cが存在しな
い部位、すなわち中性子吸収棒6内でB4Cが移動
して空洞となつた部位のみ透過する。
る。このうち、熱中性子はブレード部材5内の中
性子吸収棒6に充填される中性子吸収物質である
B4Cに含まれる 10Bにより吸収される。 10Bは熱
中性子に対してほぼ黒体であるためB4Cの存在す
る部位については熱中性子はほとんど透過するこ
とができず、中性子吸収棒6内にB4Cが存在しな
い部位、すなわち中性子吸収棒6内でB4Cが移動
して空洞となつた部位のみ透過する。
一方、共鳴中性子は 10Bの濃度に反比例して
透過率が変化する。すなわち、原子炉運転により
多くの中性子を吸収した部位は 10Bの濃度が低
くなつているため、共鳴中性子がより多く透過
し、原子炉運転による中性子吸収が少なかつた部
位は 10Bの濃度が高くなつているため、共鳴中
性子がより少なく透過する。
透過率が変化する。すなわち、原子炉運転により
多くの中性子を吸収した部位は 10Bの濃度が低
くなつているため、共鳴中性子がより多く透過
し、原子炉運転による中性子吸収が少なかつた部
位は 10Bの濃度が高くなつているため、共鳴中
性子がより少なく透過する。
こうして、制御棒4を透過した熱中性子および
共鳴中性子は検出箔容器18に入射し、まずコン
バータ箔12に入射する。ここで、コンバータ箔
12としては熱中性子に対する吸収断面積が大き
く、共鳴中性子に対する吸収断面積が小さいデイ
スプロシウム等が用いられているため、熱中性子
はコンバータ箔12に吸収され、共鳴中性子はコ
ンバータ箔を通過する。
共鳴中性子は検出箔容器18に入射し、まずコン
バータ箔12に入射する。ここで、コンバータ箔
12としては熱中性子に対する吸収断面積が大き
く、共鳴中性子に対する吸収断面積が小さいデイ
スプロシウム等が用いられているため、熱中性子
はコンバータ箔12に吸収され、共鳴中性子はコ
ンバータ箔を通過する。
コンバータ箔12を透過した共鳴中性子は熱中
性子吸収層14を透過して箔カセツト13内に収
納された検出箔15に入射する。この場合、コン
バータ箔12を透過した一部の熱中性子は熱中性
子吸収層14により吸収され、箔カセツト13内
には進入しない。検出箔15としては共鳴中性子
に対する吸収断面積の大きなインジウム等が用い
られるため、共鳴中性子は検出箔15に検出され
る。
性子吸収層14を透過して箔カセツト13内に収
納された検出箔15に入射する。この場合、コン
バータ箔12を透過した一部の熱中性子は熱中性
子吸収層14により吸収され、箔カセツト13内
には進入しない。検出箔15としては共鳴中性子
に対する吸収断面積の大きなインジウム等が用い
られるため、共鳴中性子は検出箔15に検出され
る。
こうして、一定時間中性子を照射した後、ウイ
ンチ46により基板1を吊り上げ、検出箔容器1
8を取り出して、コンバータ箔12および検出箔
15を取り出す。コンバータ箔12は写真フイル
ムに密着され、フイルムが感光された後、このフ
イルムを現像する。その結果、コンバータ箔12
の放射能分布、すなわち中性子吸収棒6に充填さ
れた中性子吸収物質としてのD4Cの充填分布、す
なわちB4Cが存在する部位と存在せずに空洞とな
つた部位を正確に測定することができる。
ンチ46により基板1を吊り上げ、検出箔容器1
8を取り出して、コンバータ箔12および検出箔
15を取り出す。コンバータ箔12は写真フイル
ムに密着され、フイルムが感光された後、このフ
イルムを現像する。その結果、コンバータ箔12
の放射能分布、すなわち中性子吸収棒6に充填さ
れた中性子吸収物質としてのD4Cの充填分布、す
なわちB4Cが存在する部位と存在せずに空洞とな
つた部位を正確に測定することができる。
一方、検出箔15は放射能計測装置で雄導放射
能が測定される。このようにして測定された結果
は、中性子吸収物質濃度既知の標準制御棒の測定
結果と比較され、中性子吸収棒6に充填された中
性子吸収物質の濃度が高精度で求められる。
能が測定される。このようにして測定された結果
は、中性子吸収物質濃度既知の標準制御棒の測定
結果と比較され、中性子吸収棒6に充填された中
性子吸収物質の濃度が高精度で求められる。
このような測定は、1回の測定が終了する毎に
ウインチ46を操作して基板1を制御棒4のブレ
ード部材5の長手方向に少しずつ移動し、ブレー
ド部材5の長手方向の全体に渡つて行ない、ブレ
ード部材5全体にわたつて中性子吸収物質の充填
分布および中性子吸収物質濃度を測定する。これ
により、ブレード部材5全体にわたる中性子吸収
物質の充填分布および中性子吸収物質濃度の分布
が判明する。
ウインチ46を操作して基板1を制御棒4のブレ
ード部材5の長手方向に少しずつ移動し、ブレー
ド部材5の長手方向の全体に渡つて行ない、ブレ
ード部材5全体にわたつて中性子吸収物質の充填
分布および中性子吸収物質濃度を測定する。これ
により、ブレード部材5全体にわたる中性子吸収
物質の充填分布および中性子吸収物質濃度の分布
が判明する。
なお、中性子制御棒6内に充填される中性子吸
収物質であるB4Cに含まれる 10Bは熱中性子に対
してほぼ黒体であるため、透過熱中性子の変化割
合が小さく、感度が充分でないため、コンバータ
箔12によつては中性子吸収物質の充填分布を測
定することはできても、中性子吸収物質の濃度ま
で測定することはできない。しかし、上記実施例
は透過共鳴中性子を検出する検出箔5を備えてい
るため、 10Bが共鳴中性子に対しては黒体では
なく濃度に反比例して透過率が変化することか
ら、高精度で中性子吸収物質の濃度を測定するこ
とができる。
収物質であるB4Cに含まれる 10Bは熱中性子に対
してほぼ黒体であるため、透過熱中性子の変化割
合が小さく、感度が充分でないため、コンバータ
箔12によつては中性子吸収物質の充填分布を測
定することはできても、中性子吸収物質の濃度ま
で測定することはできない。しかし、上記実施例
は透過共鳴中性子を検出する検出箔5を備えてい
るため、 10Bが共鳴中性子に対しては黒体では
なく濃度に反比例して透過率が変化することか
ら、高精度で中性子吸収物質の濃度を測定するこ
とができる。
一方、検出箔15は中性子吸収物質の濃度を検
出することはできるが、制御棒4の中性子吸収棒
6に空洞が存在する場合には、その部位の透過共
鳴中性子が多くなつて、中性子吸収物質濃度が低
いという測定結果として現われ、空洞を検出でき
ないばかりか、濃度についての誤つた測定結果を
得ることとなる。また、空洞の近傍の測定農度も
不正確なものとなる。
出することはできるが、制御棒4の中性子吸収棒
6に空洞が存在する場合には、その部位の透過共
鳴中性子が多くなつて、中性子吸収物質濃度が低
いという測定結果として現われ、空洞を検出でき
ないばかりか、濃度についての誤つた測定結果を
得ることとなる。また、空洞の近傍の測定農度も
不正確なものとなる。
このため、コンバータ箔12により中性子吸収
棒6に空洞が存在しないことを確認した部品につ
いてのみ正確な中性子吸収物質濃度を得ることが
でき、コンバータ箔12を設けない場合には、中
性子吸収棒6の空洞の存在を確認することができ
ず、検出箔15による測定結果をそのままでは採
用することができない。
棒6に空洞が存在しないことを確認した部品につ
いてのみ正確な中性子吸収物質濃度を得ることが
でき、コンバータ箔12を設けない場合には、中
性子吸収棒6の空洞の存在を確認することができ
ず、検出箔15による測定結果をそのままでは採
用することができない。
上記実施例はコンバータ箔12および検出箔1
5の双方を設けたため、中性子吸収物質の充填分
布および濃度の測定を非破壊的かつ同時に高精度
で行なうことができ、従来に比べ測定のための労
力および時間を著しく減少することができ検査コ
ストを低下させることができる。
5の双方を設けたため、中性子吸収物質の充填分
布および濃度の測定を非破壊的かつ同時に高精度
で行なうことができ、従来に比べ測定のための労
力および時間を著しく減少することができ検査コ
ストを低下させることができる。
なお、上記実施例においてはコンバータ箔12
としてデイスプロシウムを用いた場合について説
明したが、コンバータ箔12としてインジウムを
用いることも可能である。この場合、コンバータ
箔12としてのインジウムに多くの共鳴中性子が
吸収されるため、検出箔15としてのインジウム
に入射する共鳴中性子が少なくなり、中性子吸収
物質濃度の測定精度が低下する。また、コンバー
タ箔12としてのインジウムに多くの共鳴中性子
が吸収されるが、多くの熱中性子も同時に吸収さ
れるため、コンバータ箔12により中性子吸収物
質濃度を測定することはできない。その他、コン
バータ箔12としてのインジウムからγ線が放出
されるという問題も生じる。
としてデイスプロシウムを用いた場合について説
明したが、コンバータ箔12としてインジウムを
用いることも可能である。この場合、コンバータ
箔12としてのインジウムに多くの共鳴中性子が
吸収されるため、検出箔15としてのインジウム
に入射する共鳴中性子が少なくなり、中性子吸収
物質濃度の測定精度が低下する。また、コンバー
タ箔12としてのインジウムに多くの共鳴中性子
が吸収されるが、多くの熱中性子も同時に吸収さ
れるため、コンバータ箔12により中性子吸収物
質濃度を測定することはできない。その他、コン
バータ箔12としてのインジウムからγ線が放出
されるという問題も生じる。
以上説明してきたように、この発明に係る原子
炉用制御棒の非破壊検査装置は、原子炉用制御棒
のブレード部材が係合可能な切欠きを有する基板
が備えられ、その切欠きの一側に中性子照射部が
設けられる一方、他側に中性子検出部が設けら
れ、上記中性子照射部は上記切欠きから間隔をお
いて基板に取り付けられた中性子ホルダーに高速
中性子を発生させる中性子源が挿入され、この中
性子ホルダーの切欠き側に上記中性子源からの高
速中性子を拡散させる第1空洞が密着して設けら
れ、この第1空洞の切欠き側に常温の水に換算し
て1ないし5cmの厚さの減速材が設けられ、この
減速材のさらに切欠き側に中性子コリメータとし
ての機能を有するとともに上記ブレード部材に密
着可能な第2空洞が設けられ、一方上記中性子検
出部は検出箔容器と、この検出箔容器をブレード
部材に押圧して密着させるガイド部とを有し、上
記検出箔容器内のうち中性子入射側に透過熱中性
子を検出する中性子ラジオグラフイ測定用のコン
バータ箔が設けられるとともに、このコンバータ
箔の中性子射出側に中性子射出側からの熱中性子
の入射を防止する熱中性子吸収材が設けられ、上
記コンバータ箔の中性子射出側に熱中性子吸収材
で包囲された透過共鳴中性子を検出する中性子吸
収物質濃度測定用の検出箔が設けられるととも
に、この検出箔の中性子射出側に中性子射出側か
らの共鳴中性子の入射を防止する共鳴中性子吸収
材が設けられ、上記中性子照射部および中性子検
出部が備えられた基板を昇降させる駆動装置が備
えられたから、原子炉で使用された制御棒の中性
子吸収物質の充填分布を非破壊的に高精度に測定
できるとともに中性子吸収物質の濃度を同時に測
定できるため制御棒の検査コストを著しく低下で
きるという効果が得られる。
炉用制御棒の非破壊検査装置は、原子炉用制御棒
のブレード部材が係合可能な切欠きを有する基板
が備えられ、その切欠きの一側に中性子照射部が
設けられる一方、他側に中性子検出部が設けら
れ、上記中性子照射部は上記切欠きから間隔をお
いて基板に取り付けられた中性子ホルダーに高速
中性子を発生させる中性子源が挿入され、この中
性子ホルダーの切欠き側に上記中性子源からの高
速中性子を拡散させる第1空洞が密着して設けら
れ、この第1空洞の切欠き側に常温の水に換算し
て1ないし5cmの厚さの減速材が設けられ、この
減速材のさらに切欠き側に中性子コリメータとし
ての機能を有するとともに上記ブレード部材に密
着可能な第2空洞が設けられ、一方上記中性子検
出部は検出箔容器と、この検出箔容器をブレード
部材に押圧して密着させるガイド部とを有し、上
記検出箔容器内のうち中性子入射側に透過熱中性
子を検出する中性子ラジオグラフイ測定用のコン
バータ箔が設けられるとともに、このコンバータ
箔の中性子射出側に中性子射出側からの熱中性子
の入射を防止する熱中性子吸収材が設けられ、上
記コンバータ箔の中性子射出側に熱中性子吸収材
で包囲された透過共鳴中性子を検出する中性子吸
収物質濃度測定用の検出箔が設けられるととも
に、この検出箔の中性子射出側に中性子射出側か
らの共鳴中性子の入射を防止する共鳴中性子吸収
材が設けられ、上記中性子照射部および中性子検
出部が備えられた基板を昇降させる駆動装置が備
えられたから、原子炉で使用された制御棒の中性
子吸収物質の充填分布を非破壊的に高精度に測定
できるとともに中性子吸収物質の濃度を同時に測
定できるため制御棒の検査コストを著しく低下で
きるという効果が得られる。
第1図はこの発明に係る原子炉用制御棒の非破
壊検査装置の一実施例を示す切断平面図、第2図
は第1図の−矢視断面図、第3図は上記実施
例における検出箔容器を示す拡大図、第4図は上
記実施例の使用状態説明図である。 1……基板、3……係合部、4……制御棒、5
……ブレード部材、7……中性子検出部、12…
…コンバータ箔、14,16……熱中性子吸収
層、17……共鳴中性子吸収層、18……検出箔
容器、25……ガイド部、29……空洞、32…
…中性子ホルダー、33……中性子源、34……
空洞、35……照射部、46……駆動機構。
壊検査装置の一実施例を示す切断平面図、第2図
は第1図の−矢視断面図、第3図は上記実施
例における検出箔容器を示す拡大図、第4図は上
記実施例の使用状態説明図である。 1……基板、3……係合部、4……制御棒、5
……ブレード部材、7……中性子検出部、12…
…コンバータ箔、14,16……熱中性子吸収
層、17……共鳴中性子吸収層、18……検出箔
容器、25……ガイド部、29……空洞、32…
…中性子ホルダー、33……中性子源、34……
空洞、35……照射部、46……駆動機構。
Claims (1)
- 1 原子炉用制御棒のブレード部材が係合可能な
切欠きを有する基板が備えられ、その切欠きの一
側に中性子照射部が設けられる一方、他側に中性
子検出部が設けられ、上記中性子照射部は上記切
欠きから間隔をおいて基板に取り付けられた中性
子ホルダーに高速中性子を発生させる中性子源が
挿入され、この中性子ホルダーの切欠き側に上記
中性子源からの高速中性子を拡散させる第1空洞
が密着して設けられ、この第1空洞の切欠き側に
常温の水に換算して1ないし5cmの厚さの減速材
が設けられ、この減速材のさらに切欠き側に中性
子コリメータとしての機能を有するとともに上記
ブレード部材に密着可能な第2空洞が設けられ、
一方上記中性子検出部は検出箔容器と、この検出
箔容器をブレード部材に押圧して密着させるガイ
ド部とを有し、上記検出箔容器内のうち中性子入
射側に透過熱中性子を検出する中性子ラジオグラ
フイ測定用のコンバータ箔が設けられるととも
に、このコンバータ箔の中性子射出側に中性子射
出側からの熱中性子の入射を防止する熱中性子吸
収材が設けられ、上記コンバータ箔の中性子射出
側に熱中性子吸収材で包囲された透過共鳴中性子
を検出する中性子吸収物質濃度測定用の検出箔が
設けられるとともに、この検出箔の中性子射出側
に中性子射出側からの共鳴中性子の入射を防止す
る共鳴中性子吸収材が設けられ、上記中性子照射
部および中性子検出部が備えられた基板を昇降さ
せる駆動装置が備えられたことを特徴とする原子
炉用制御棒の非破壊検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6961280A JPS56166455A (en) | 1980-05-27 | 1980-05-27 | Nondestructive inspection apparatus for control rod for unclear reactor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6961280A JPS56166455A (en) | 1980-05-27 | 1980-05-27 | Nondestructive inspection apparatus for control rod for unclear reactor |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56166455A JPS56166455A (en) | 1981-12-21 |
JPH0118376B2 true JPH0118376B2 (ja) | 1989-04-05 |
Family
ID=13407843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6961280A Granted JPS56166455A (en) | 1980-05-27 | 1980-05-27 | Nondestructive inspection apparatus for control rod for unclear reactor |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56166455A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60192244A (ja) * | 1984-03-12 | 1985-09-30 | Japan Steel Works Ltd:The | 中性子ラジオグラフイ−方法及び装置 |
JP6794169B2 (ja) * | 2016-08-05 | 2020-12-02 | 株式会社東芝 | 原子炉制御棒の検査装置および原子炉制御棒の検査方法 |
US10114130B2 (en) * | 2016-11-29 | 2018-10-30 | Battelle Energy Alliance, Llc | Detectors for use with particle generators and related assemblies, systems and methods |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5451580A (en) * | 1977-09-30 | 1979-04-23 | Nippon Atomic Ind Group Co | Method and device for nonndestructively measuring concentration of sealed neutron absorbing substance |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52113198U (ja) * | 1976-02-24 | 1977-08-27 |
-
1980
- 1980-05-27 JP JP6961280A patent/JPS56166455A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5451580A (en) * | 1977-09-30 | 1979-04-23 | Nippon Atomic Ind Group Co | Method and device for nonndestructively measuring concentration of sealed neutron absorbing substance |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56166455A (en) | 1981-12-21 |
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