JPH0118265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、密閉鍛造、精密鍛造等に使用される
単位加工素材を、長尺の原加工素材から等重量と
なるように切断する装置に関するものである。

従来の技術 全長に亘り丸棒状等の定形状に成形されている
鋼材等の長尺の被加工原素材から単位切断素材を
切断する従来の装置は、最初に位置決め装置を単
位切断長さにセツトしたのちは、被加工原素材群
の切断加工が完了するまでは、位置決め装置は固
定のままで作業が継続される。

考案が解決しようとする問題点 前述の全長に亘り丸棒状等の定形状に成形され
ている鋼材等の長尺の被加工原素材は、その外径
等に、１本ごとに一定の公差内でのバラツキが存
するため、一定寸法に切断された単位切断素材の
それぞれの間では重量にバラツキが発生し、素材
重量の公差が厳しい密閉鍛造品とか精密鍛造品に
使用すると、前記重量のバラツキは品質不良の原
因となつてしまう。

このため前記密閉鍛造品とか精密鍛造品に使用
する鋼材等の被加工原素材としては、要求品質の
確保のため、コスト高ではあるが、寸法精度の高
いものを使用している。

また通常の型打ち鍛造でも、上型の下死点にお
いては下型との間に一定のすきまがあるので、単
位切断素材の重量に少ないものが存すると、一定
のプレス荷重では一定厚さのバリが生ずる一方で
製品に欠肉が生ずる欠点があり、これを防止する
には上下型間のすきまを小とし、プレス荷重を上
げることが考えられるが、型のすきまの変更など
は多量生産時には不可能である。

このため、本考案では、外径等に一定の公差内
でのバラツキがあつたり、長さに長短のバラツキ
の存するコストの安い鋼材等の被加工原素材を使
用しても、秤量誤差や位置決め誤差等の発生や累
積が少なく、単位切断素材のそれぞれの間での重
量のバラツキを著しく少なくしうる切断装置を提
供することを目的としている。

問題点を解決するための手段 本考案では、実用新案登録請求の範囲に記載さ
れるように、全長に亘り丸棒状等の定形状に成形
されている鋼材等の被加工原素材の全長の測長装
置と、重量測定装置と、両装置の測定数値が入力
される演算装置とを備え、前記測長装置は、被加
工原素材の測長位置の、該素材長さ方向における
両端から測長装置の中心線に向つて等速で進出
し、後退でき、かつ互の対向する先端に測定子を
有する左右一対の測長治具を備え、前記重量測定
装置の秤量台の中心は、前記測長装置の中心線上
に配置されており、前記演算装置は、被加工原素
材の単位長さ当りの重量の演算機能と、与め入力
されている単位切断素材重量と前記単位長さ当り
の重量との比較演算による単位切断長さの算出機
能とを有するとともに、前記被加工原素材の移送
路に臨んで配置された切断装置には、前記演算装
置の算出した切断長さの信号を受け、切断刃との
間の距離を該切断長さに合致させうる位置決め装
置が配設されており、該位置決め装置は、被加工
原素材１本ごとに、固定の基準点から演算装置の
寸法指令信号に合致する位置まで移動する位置決
めヘツドを備えているという構成とすることによ
り、被加工原素材群が、それぞれの間で外径等に
おいて一定の公差内でのバラツキを存していて
も、また長さに長短のバラツキがあつても、切断
された個々の単位切断素材の間では、重量のバラ
ツキが殆ど無い等重量の切断が行なわれるように
したものである。

作 用 本考案では、鋼材等の１本の長尺の被加工原素
材の全長が、測長位置の、被加工原素材の長さ方
向における両端から測長装置の中心線に向つて等
速で進出する測長治具の先端間で挟まれて測定さ
れるので、各被加工原素材は長さに長短の差が存
しても、該素材の重心は必ず測長装置の中心線上
にもたらされて測長され、他方重量測定装置の秤
量台の中心は、前記測長装置の中心線上に位置し
ているので、測長された被加工原素材は、その重
心を秤量台の中心に容易に載せることができ、正
確に重量測定され、その測定数値が演算装置に入
力され、該被加工原素材の単位長さ当りの重量が
演算される。

上述の演算装置には、予め製品たる単位切断素
材重量が入力されており、前述の単位長さ当りの
重量と比較演算されて、当該被加工原素材の単位
切断長さが算出される。

他方、測定された被加工原素材の移送路に臨ん
で切断装置と、これに配設された位置決め装置と
が配置され、位置決め装置は、切断刃との間の距
離が、前記演算装置の算出した単位切断長さとな
るよう、その位置決めヘツドが、被加工原素材の
１本ごとに、固定の基準点から演算装置の寸法指
令信号に合致する位置まで移動して定位し、切断
が行なわれる。

このため、多数本の被加工原素材の切断を繰り
返しても、測長、秤量、位置決めの誤差の累積は
全く生じない。

実施例 図面は実施の１例を示しており、本考案に係る
等重量切断装置１は、全長に亘り、丸棒状の定形
状に形成されている鋼材たる被加工原素材２の全
長の測長装置３と、電子秤り等の重量測定装置４
と、演算装置５と、切断装置６と、位置決め装置
７とで構成されている。

測長装置３は次のように構成されている。すな
わち、第１図ないし第３図に示されるように、片
下がりに傾斜した被加工原素材２の載置台８の低
い側の側縁にリフト９が配置され、被加工原素材
２を１本あて上昇させるように構成されている。

リフト９による上昇案内壁１０の上端からは載
置台８と同方向に傾斜した移送台１１が形成され
ており、該移送台１１の中程に測長装置３の主要
部が配置されている。

該主要部は、第２図、第３図に示されるよう
に、移送台１１の両側から移送台１１の中央中心
線に向つて延設されたネジ軸１２，１３を有し、
該ネジ軸１２，１３の内端は、ベベルギヤ１４，
１５により駆動軸１６のベベルギヤ１７に噛合さ
せられ、エアモータ１８によつて駆動軸１６が回
動されることによりネジ軸１２，１３が互いに反
対方向に回動される。

上述のネジ軸１２，１３には、測長治具１９，
２０が該軸１２，１３の回動によつて等距離、等
速で矢印Ａ，Ｂ方向に進退しうるように螺合され
ており、測長治具１９，２０の先端２１，２２
は、移送台１１上の測定位置において、ネジ軸１
２，１３の軸心と平行に適宜ストツパーで停止さ
せられた被加工原素材２の両端に対向する位置に
配置され、かつ該先端２１，２２にはそれぞれ測
定子たる近接スイツチ２３，２４が配設され、後
述するように該先端２１，２２が被加工原素材２
の端部に接したとき信号を出し、両近接スイツチ
２３，２４が共に作動した時点で、前記エアモー
タ１８を停止させうるように構成されている。

またネジ軸１２，１３の外端には、エンコーダ
２５，２６が組み込まれ、該軸の回転数が信号と
して取り出され、演算装置５に入力される。

前述の移送台１１の低い側の側縁には、リフト
２７，２８が配設されており、測長装置３で長さ
測定された被加工原素材２を、重量測定装置４の
秤量台２９の支持アーム３０上に載置させるよう
に構成されている。

そして重量測定装置４の秤量台２９の中心は、
前記測長装置３の中心線Ｏ−Ｏに合致させられて
いる。

重量測定装置４による測定値も演算装置５に入
力される。

重量測定装置４の側方には、ロール３１群より
なる被加工原素材２の移送路３２が形成されてお
り、重量測定の完了した被加工原素材２が、前記
リフト２７，２８により上昇させられ、ガイド３
３，３４に導かれてロール３１群上に載置され
る。

前述のロール３１群は積極駆動され、載置され
た被加工原素材２を矢印Ｃ方向に送り出す。

演算装置５は、前述のように被加工原素材２の
長さと重量とが入力され、被加工原素材２の単位
長さ当りの重量ｇ／mmを算出する演算機能と、予
め入力されている単位切断素材重量と前記単位長
さ当りの重量との比較演算による単位切断長さの
算出機能を有している。

前述の移送路３２の進行方向前方には、該移送
路３２に臨んで、第４図に示される切断装置６が
配置されている。

切断装置６は、上下動する上刃３５を固定下刃
３６とで構成され、位置決め装置７の接触端３７
と下刃３６の刃面３８との間の被加工原素材２が
切断され、単位切断素材とされる。

この切断装置６に配設され、前述演算装置５が
算出した単位切断長さの信号を受け、前述の切断
位置を決定する位置決め装置７は、第４図に示さ
れるように、ブレーキ付減速機３９からスプロケ
ツトホイール４０，４１とチエン４２とで駆動さ
れる駆動軸４３に位置決めヘツド４４が螺合して
おり、被加工原素材２の１本ごとに、前述の演算
装置５の単位切断長さの寸法指令信号を受けてブ
レーキ付減速機３９は作動して位置決めヘツド４
４を双矢印Ｄ方向に進退させる。

位置決めヘツド４４には、磁気ヘツド４５が取
り付けられており、固定台に固着された磁気スケ
ール４６上を走行し、演算装置５の寸法指令信号
に応ずる寸法を正確に読み取り、位置決めヘツド
４４を寸法指令信号に合致する位置で停止させ
る。

なお、磁器スケール４６の基準点４７と下刃３
６の刃面３８との間の長さＬは予め実測された演
算装置５に入力されており、位置決めヘツド４４
は演算装置５の算出した寸法と長さＬとの差の分
だけ移動する。

寸法指令信号に合致した位置で停止した位置決
めヘツド４４は油圧ロツク４８でロツクされる。

被加工原素材２がロール３１群によつて送ら
れ、その先端が位置決めヘツド４４の接触端３７
に接するとロール３１群は停止され、切断装置６
が起動されて被加工原素材２は位置Ｅで切断さ
れ、単位切断素材４９に成形される。

切断完了信号により切断装置６は作動前の状態
に戻り、ロール３１群は送りを再開し、単位切断
素材４９の切断が継続される。

１本の被加工原素材２の切断が終了すると位置
決めヘツド４４は基準点４７に戻り、次の被加工
原素材２についての寸法指令信号に応じて再び磁
気スケール４６上を磁気ヘツド４５が走行し、寸
法指令信号に合致する位置で位置決めヘツド４４
が停止し、切断が再開される。

上述のように、被加工原素材２の１本ごとに、
位置決めヘツド４４を基準点４７に戻し、改めて
磁気ヘツド４５と磁気スケール４６とによる寸法
読みとりを行なう理由は、装置構成部材のクリア
ランス、停止動作の精度のバラツキ等が累積誤差
となることを防止し、機械的測定誤差のバラツキ
を一定化するためである。

前述の演算装置５には、予め被加工原素材２の
単位長さ当りの重量の許容値等が入力されてお
り、不適格な被加工原素材５０は、第１図、第２
図に示される排除アーム５１，５２により、不良
品受け５３へ排除される。前述の排除アーム５
１，５２は、演算装置５の排除信号により作動す
る液圧装置５４，５５で矢印Ｆ方向へ移動され、
ロール３１群に支承されている不良被加工原素材
５０の排除を行なうものである。

作 用 被加工原素材２が測長装置３の測定装置で適宜
ストツパーで停止させられると、この停止に応動
してエアモータ１８が作動し、ネジ軸１２，１３
が回動され、測長治具１９，２０が測長装置の中
心に向つて等速で移動を開始する。測定位置にお
いて被加工原素材２はロール５６群に載置されて
いるので、測長治具１９，２０の先端２１，２２
のいずれかが先に接触すると、被加工原素材２は
測長治具１９，２０のいずれかに押されて共に移
動し、測長治具１９，２０の先端２１，２２の測
定子たる近接スイツチ２３，２４が被加工原素材
２の両端に接し、共に信号を出すとエアモータ１
８は停止される。

この時点までのネジ軸１２，１３の回転数は、
エンコーダ２５，２６で検出されて演算装置５に
入力される。従つて、演算装置５に予め測長治具
１９，２０が最外端に位置している際の近接スイ
ツチ２３，２４間の長さL₀を入力させておけば、
被加工原素材２の長さが演算される。

また測長治具１９，２０が中心に向つて等速で
等距離だけ移動するので、先端２１，２２の近接
スイツチ２３，２４が作動し、エアモータ１８が
停止した時点では、被加工原素材２の重心wgは、
測長装置３の中心線Ｏ−Ｏ上のwg′位置にもたら
される。

長さを測定された被加工原素材２は次に重量測
定装置４の秤量台２９の支持アーム３０上へ、リ
フト２７，２８で移され、重量が測定される。

このとき、重量測定装置４の中心線を測長装置
３の中心線Ｏ−Ｏに合致させてあるので、被加工
原素材２の重心wgは正確に重量測定装置４の中
心線上に位置し、正確な秤量が行なわれる。この
間に測長治具１９，２０は原位置に戻されるよう
に構成しておくものとする。

前述の測定された重量は演算装置５に入力さ
れ、既述のごとく該演算装置５によつて単位切断
長さが算出され、寸法指令信号として位置決め装
置７に入力される。

重量の測定された被加工原素材２は第２図中矢
印Ｇのようにリフト２７，２８でガイドされ、ロ
ール３１群上に載置され、切断装置６、位置決め
装置７の方向へ送られ、既述のごとく演算装置５
で算出された単位切断長さに切断されて、単位切
断素材４９とされることが繰り返される。

位置決め装置７の位置決めヘツド４４は、被加
工原素材２の１本ごとに、基準点から寸法指令信
号に合致する位置へ移動し、位置決めするので、
ロツク作動等に伴なう位置の微小なずれたる位置
決め誤差の累積は全く生じない。

１本の被加工原素材２の切断が完了すると次の
１本の被加工原素材について以上の動作が繰り返
されるものである。

効 果 本考案は、以上説明した構成、作用のものであ
つて、外径等に一定の公差内でのバラツキのある
鋼材等の被加工原素材を使用して重量のバラツキ
の著しく少ない単位切断素材を自動的に容易に切
断しうる効果を奏し、密閉鍛造とか精密鍛造に使
用しうる単位切断素材を低コストに提供しうる効
果がある。

また、通常の型打ち鍛造においても、単位切断
素材が均等重量のものとなるので、一定のプレス
荷重で、欠肉のない鍛造品を連続して製造しうる
効果を奏する。

特に、測長装置は、測長位置の両端から一対の
測長治具が、等速で該装置の中心線に向つて移動
し、両測長治具の対向する先端の測定子により、
被加工原素材を挟持して測長するので、該素材の
重心は必ず測長装置の中心線上にもたらされ、ま
た該中心線に合致する位置に重量測定装置の秤量
台の中心が合致させられているので、被加工原素
材の長さが、長短さまざまであつても各素材は必
ず秤量台の中心にその重心を位置させて秤量され
ることとなり、正確が秤量が行なわれる効果もあ
る。

また位置決め装置の位置決めヘツドは、被加工
原素材の１本ごとに、固定の基準点から、演算装
置からの寸法指令信号に合致する位置まで移動す
るので、個々の被加工原素材の位置決め時に発生
した位置決め上の許容誤差が累積するのを防止で
きる効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例の略示平面図、第２図は第
１図に示すものの説明的右側面図、第３図は測長
装置のみの略示正面図、第４図は切断装置と位置
決め装置との関係を示す略示正面図である。 １：等重量切断装置、２：被加工原素材、３：
測長装置、４：重量測定装置、５：演算装置、
６：切断装置、７：位置決め装置、１９，２０：
測長治具、２１，２２：先端、２３，２４：測定
子たる近接スイツチ、２９：秤量台、３２：移送
路、４４：位置決めヘツド、４７：基準点、４
９：単位切断素材、Ｏ−Ｏ：中心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全長に亘り丸棒状等の定形状に成形されている
   鋼材等の被加工原素材の全長の測長装置と、重量
   測定装置と、両装置の測定数値が入力される演算
   装置とを備え、前記測長装置は、被加工原素材の
   測長位置の、該素材長さ方向における両端から測
   長装置の内側中心線に向かつて等速で進出し、後
   退でき、かつ互の対向する先端に測定子を有する
   左右一対の測長治具を備え、前記重量測定装置の
   秤量台の中心は、前記測長装置の中心線に合致さ
   せられており、前記演算装置は、被加工原素材の
   単位長さ当りの重量の演算機能と、予め入力され
   ている単位切断素材重量と前記単位長さ当りの重
   量との比較演算による単位切断長さの算出機能と
   を有するとともに、前記被加工原素材の移送路に
   臨んで配置された切断装置には、前記演算装置の
   算出した切断長さの信号を受け、切断刃との間の
   距離を該切断長さに合致させうる位置決め装置が
   配設されており、該位置決め装置は、被加工原素
   材１本ごとに、固定の基準点から演算装置の寸法
   指令信号に合致する位置まで移動する位置決めヘ
   ツドを備えている鋼材等の等重量切断装置。