JPH0118232Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は接触式曝気装置に関し、特に槽内の循
環流が横流で充填材中を通る様にすると共に、こ
の充填材を槽内で無端循環動させる様にしたので
ある。

従来から槽内に固定された充填材中に汚水を上
下方向に通過させて循環させる接触曝気装置は公
知であるが、これは気液接触効率が悪く、充填材
が目詰りするなどの欠点がある。又、これを解決
するために充填材を槽内で回転させる様にしたも
のが提案されているが、これの充填材は上下方向
に向いた管を束ねて構成してあるので汚水は矢張
り上下方向にしか循環せず、気液接触率が低く、
処理効率は悪い。

本出願人は先にドーナツ形、楕円形等の無端の
循環流路を有する槽内で汚水を循環流動させる接
触式曝気装置を特願昭56−81140、同56−81141
（特開昭57−197090、同57−197091）で提案した。
本考案は上記先行装置で流路中に固定されていた
板、紐等からなる充填材を循環流路中で水を切つ
て一方向に循環移動させることにより気液接触効
率をより向上させ、効率よく処理を行つて従来の
装置の欠点を解消したのであつて、以下、図示の
実施例を参照して本考案を説明する。

１はドーナツ形をした循環流路で、その内周に
は沈澱槽２を一体に設けてある。循環流路の平面
形状は本出願人の前記先行出願にも述べた様にド
ーナツ形に限定されず、楕円形等任意の形状であ
つてよい。

循環流路１には外周及び／或いは内周沿いにレ
ール３が敷設してあり、こゝでは十字形をした歩
廊兼用の充填材の支持フレーム４が各アーム４′
に設けた車輪５でレール３に載り、車輪の一部を
駆動するモータＭで沈澱槽２の中央を中心として
回転する。

支持フレームの各アーム４′は循環流路１の上
を横切る部分に循環流路１と同心の流路の幅方向
に間隔を保つた内外多重な環状部材６…を有し、
この環状部材６によつて充填材７を流路内水中に
吊下げ浸漬する。

充填材７は紐状物７ａでも、平板７ｂ、波板７
ｃ或いはラスでもよく、紐状物７ａの場合は流路
の底の直上に達する下端に錘り７′を取付け、恰
も縄ノレンの様に垂下させる。又、平板７ｂや波
板７ｃの場合は支持フレーム４の回転により水を
切つて水中を移動する様に循環流路の曲率に合わ
せ弧状に彎曲させたもの、或いは内外各重の環状
部材６と略々同径のラス、多孔板などからなる円
筒体が好ましいが、勿論、弧状に彎曲させていな
い直線状の長さが比較的短いものを接線方向に吊
下げてもよい。

いずれの場合でも充填材７は汚水中の有機成分
を生物化学的に処理する微生物膜を表面に付着さ
せて生長させることができる材質製とする。そし
て流路の底には通常の散気管や、微細気泡を発生
させるエアレータなどの散気装置８を一定の間隔
で配置すると共に、処理すべき汚水を底部に導入
管９で供給し、処理された上澄水を溢流ピツトな
どに溢入させて外に取出す。

従つて支持フレーム４を一方向に回転させる
と、これに伴つて水中に浸漬した充填材７は水を
切つて流路中を循環移動する。これにより槽内汚
水は流路中を充填材よりも遅い速度で循環して横
流し、散気装置から水中に放出された気泡は水中
を真上ではなく、水の横流方向に斜上向きに、場
合によつては乱流を伴いながら斜上向きに浮上す
る。

このため水中での空気の滞流時間を長くとるこ
とができ、空気が水に溶解する溶解効率は高まる
と共に充填材全体が酸素と接触するので処理効率
が向上する。更に充填材は水中を水を切つて移動
する際に過剰に生長して厚くなつた生物膜を水と
の接触で剥されるので目詰りの生じる余地がない
と共に、過剰の生物膜を剥すために従来装置では
必要とされていた充填材の逆洗機構は省略可能で
ある。

又、充填材は水を切つて水中を移動するので水
との抵抗が少く、円滑に移動すると共に、移動さ
せるための動力は小馬力のものでよく、管束を上
下方向に向けて水中を移動させる従来装置の様に
大馬力を必要としない。

図示の実施例では充填材７を循環流路中で一方
向に循環させ、充填材との接触摩擦で汚水を同方
向に充填材よりも遅い速度で循環させると説明し
たが、充填材と汚水の速度はどちらが早くてもよ
いと共に、汚水を循環動させ、その水流ないし接
触摩擦で充填材を循環移動させてもよいし、充填
材と汚水の両方ともを循環動させてもよい。

汚水を循環させるには本出願人の前述の特願昭
56−81140、同56−81141の様に散気装置の上に傾
斜板を設けたり、横軸回転型エアレータで行つた
りすればよいほか、第６図の様に循環流路にバイ
パス通路１１を接続してこれに汚水を流入させ、
ポンプＰで下流に送水する様にして行うこともで
きる。

更に、循環流路の内部には沈澱槽の代りに相似
形状の循環流路を一つ或いは複数設け、外側（或
いは内側）の流路で処理した汚水を内側（或いは
外側）の流路に供給して二段処理するなど、多段
処理を行う様にしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の全体の縦断面図、
第２図は同上の平面図、第３図は運転中における
汚水、充填材、気泡の関係を示す模式図、第４図
と第５図は本考案で用いることができる充填材の
一部を示す斜面図、第６図は本考案の他の一実施
例の概略平面図で、 図中、１は循環流路、７は充填材、８は散気装
置を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 無端状の循環流路内に、上記循環流路沿いに駆
   動装置で一方向に循環移動させられる充填材を浸
   漬すると共に、上記循環流路の底部には散気装置
   を設けた接触式曝気装置において、 上記充填材は前記循環流路とほゞ平行に、且つ
   流路の幅方向に間隔を保つて吊下げられ、流路中
   を水を切つて一方向に循環移動することにより流
   路中の水を同方向に横流として循環させる紐状
   物、板状物、ラスなどの水切部材からなることを
   特徴とする接触式曝気装置。