JPH01177874A - 進行性波動モータ - Google Patents

進行性波動モータ

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JPH01177874A
JPH01177874A JP62332501A JP33250187A JPH01177874A JP H01177874 A JPH01177874 A JP H01177874A JP 62332501 A JP62332501 A JP 62332501A JP 33250187 A JP33250187 A JP 33250187A JP H01177874 A JPH01177874 A JP H01177874A
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政雄 春日
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は比較的小型で低消費電力の分野に利用可能な電
気−機器変換機構を有する進行性波動モータに関する。
〔発明の概要〕
本発明はたわみ進行波成分を利用した進行性波動モータ
において、固定台上に設置された中心軸に振動体部の中
心部を固定支持し、振動体部の最外周よりも内側の部分
に移動体を摩擦駆動させる出力取り出し位置を設けて移
動体を加圧接触させるとともに、振動体部と圧電振動子
が半径方向に対して一次の振動モードで励振されるよう
な構成とすることにより、進行性波動モータの薄型径小
化ならびに高効率化が実現できるようにしたものである
〔従来の技術〕
従来は、第4図に示すような円環型の振動体部を用いた
ものであるとか、第5図に示すような円板型の振動体部
を用いた進行性波動モータが知られていた0例えば特開
昭59−96881号公報ならびに特開昭60−174
078号公報にこのような従来の構造が開示されている
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の様な進行性波動モータの構造では、たとえば第4
図に示すような円環型の振動体部403を有する構造に
よると、圧電振動子404によって励振されたたわみ進
行波が振動の節部をもたないために支持機構406によ
り少なからず波動を減衰させることになるため、全体と
して電気−機械変換効率を低下させることにつながる。
また、第5図に示すような円板型の振動体部503を有
する構造によると、振動体部503の半径方向に対して
2次の振動モードで励振させているために固定台502
で半径2か所にて固定支持できるという利点はあるが、
本発明が対象としているような薄型径小タイプの進行性
波動モータの場合には、節部の位置のバラツキや支持面
積および支持力の大小により前記同様な効率の低下を生
じるとか、2次の振動モードで励振させている関係上駆
動周波数が100kHzを越えるために回路効率の低下
をきたすなどの欠点を有していた。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために、本発明においては、中心
軸を有する固定台と、中心軸と一体となるように中心部
固定支持された弾性部材からなる振動体部と、振動体部
の片面に接合された圧電振動子と、振動体部の最外周よ
りも内側の部分に設定された出力取り出し位置に加圧接
触するように配置された移動体と、移動体を加圧するた
めの加圧手段とからなり、振動体部と圧電振動子が半径
方向に対して一次の振動モードで励振されることによっ
て移動体が回転運動を生じるような構成とすることによ
り、比較的小型で低消費電力な用途に適用可能な進行性
波動モータの構造とした。
〔作用〕
上記のような構成によれば、振動体部の径方向に対して
一次の振動モードを利用しているために、駆動周波数を
低くすることができるとともに、移動体を振動体部の最
外周よりも内側の部分に設定された出力取り出し位置に
て加圧接触するようにしているので、変位最大部分であ
る振動体部の外周部分に移動体を接触させる場合に比し
て振動体部の振幅を減衰させることも少なく、効率良く
移動体の回転運動に変換することができるのである。
さらに、振動体部の支持は中心軸と一体となるような中
心部固定支持となるために薄型径小な振動体部でも進行
波をほとんど減衰させることなしに、安定かつ容易に支
持することが可能なのである。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお
、圧電振動子を利用した波動モータについては定在波方
式と進行波方式などが考えられるが(たとえば「新方式
/新原理モータ開発・実用化の要点」)昭和59年日本
工業技術センター発行を参照)、本発明は振動体と移動
体との摩擦駆動面の摩耗が比較的少なく、正逆転駆動が
容易な進行波方式を利用した進行性波動モータを対象と
している。
第2図は進行性波動モータにおける進行波発生原理の一
例を示した図である。201は圧電セラミック、圧電性
結晶体からなる圧電振動子で、図示するように幅すにて
等間隔に分極されており、隣どうしの分極方向は互いに
逆方向となっている。
各圧電振動子には銀、ニッケルなどの導電材料を蒸着、
メツキ等の手法により202に示す電極が形成されてお
り、それらを信号m203.204で結線し、それぞれ
異なる信号源からの高周波電圧が印加されることになる
。また、信号線203.204でそれぞれ結線された電
極群の間には、幅Cなる空隙部分を設ける。この際、幅
Cなる空隙部分は分権の有無ならびに電極の有無はどち
らでもかまわないこととする。ここで、説明の都合上幅
Cをはさむ電極の中心間距離はaとする1以上の図およ
び記号をもとに以下に進行波発生のメカニズムについて
説明する0図中■の電極部分の中点を基準に考えると進
行波と後退波からなる屈曲振動波は次の様に表せる。
As1n(art−kx)+^5in(ωt+kx) 
 −(1)式ここで+81式はいわゆる定在波を示して
いることになる。これに対して■に示す電極部分による
屈曲振動波は次のように表せる。
Bs1n(ωt−k(x+a)+φ)+Bs1n(61
t+k(x+a)+φ) ・+21式ここで、k−ω/
ν=2π/λ λ:波長、φ:■に対する位相差角 とおくと、(2)式は次にように表せる。
Bs1n(ωt−kx+ tx π)+Bs1n(ωt
+kx+βπ) −・・(41式従って、■、■より励
振される屈曲振動波は+1)式と(4)式を加え合わせ
た型で表される。ここで、進行波成分だけが存在するた
めの条件を(4)式の展開式から考えるとαが偶数、β
が奇数の場合であることがわかる。ここで(3)式より
aとφについてαと80式で表すと次のようになる。
すなわち、(α、β)漏(0,1)、  (2,3)に
満足する時に進行波成分のみが存在することにφ=□π
の場合を考えれば、(1)式+(2)式は次のようにな
る。
As1n(act−kx) +As1n((alt+k
x) +Bs1n(61t−kx)−Rain((al
t+kx) −(61式ここで駆動回路より出される高
周波電圧信号の振幅AおよびBがλ−Bならば(6)式
は2Asin(art−kx)となり、進行波成分のみ
が残ることがわかる。また、逆転駆動させるためには後
退−成分のみを残せば良いわけであるから、(5)式に
おけるαとβを逆にしてαが奇数、βが偶数となるよう
にすれば良い、実際上は■を基準にして考えると、■に
加える信号の位相を正転駆動させる時に比べて180゜
ずらせば良いことになる。
第3図は進行性波動モータが進行性成分によって回転す
る原理を示した図である。301は振動体で、圧電振動
子が弾性部材に接着されているために屈曲振動が生じる
ことになる。ここで、振動体301は第2図に示した原
理で右方向への進行波が生じると表面部の一点は左方向
への楕円軌跡を描くために、ロータ部302は進行波の
進行方向とは逆方向に移動するわけである0以上は日経
メカニカル(1985,9,23)などに掲載されてお
り、振動体301の表面上の一点が楕円軌跡を描くこと
に関する詳細な説明も同文献に記されている。
第1図は本発明に係る進行性波動モータの縦断面図を示
した図である。中心軸101は固定台102とネジ止め
あるいは打ち込みにより一体となっており、さらに振動
体部103は中心部分にて中心軸と一体構造となってい
る。この際、振動体部103はステンレス、黄銅、ジュ
ラルミン等の弾性部材からなり、実質的に中心部分にて
中心軸101によって支持されていることになる。また
、中心軸101、固定台102の機械的共振周波数は振
動体部103、圧電振動子105等からなる振動体より
も十分に高く、支持の影響による振動もれや減衰はほと
んど生゛じない支持構造となっている。圧電振動子10
5少なくとも1枚以上の中心に孔のあいた圧電セラミッ
クスまたは、周方向に分割された数片からなる圧電セラ
ミックスであり、周方向に数パターンの電極部が設けら
れて分極処理されたものが、振動体部103の出力取り
出し位置104を設けた面と反対側に接合されている。
移動体106は中心軸101を回転中心のガイドとして
、調圧バネ107により振動体部103に設定された出
力取り出し位置104部分に加圧接触するように配置さ
れている。なお、本実施例では、調圧バネ107を板状
とし、固定台102もしくは本発明に係る進行性波動モ
ータ以外の部分に設定されるとともに、移動体106の
中心部分に設けられた突起部分に加圧力が加わるように
している。この際、調圧バネ107によって移動体10
6に生ずる加圧力をN、振動体103と移動体106と
の摩擦係数をM、振動体103の中心から出力取り出し
位置104までの距離をaとすると、移動体106に生
ずるトルクTは、およそT−MNaとすることができる
。出力取り出し位置104は、振動体部103と圧電振
動子105からなる振動体に励振された進行波成分の微
小なたわみ振動振幅を効率よく移動体106の回転運動
に変換するために設定するもので、振動体103と移動
体106が振動体部103の半径方向における一部分の
みで接するような突起を振動体103もしくは移動体1
06の少なくともどちらか一方に設けることにより実現
することができる。一般に進行波によって生じる楕円軌
跡が移動体の回転に寄与する成分は、振動体部103の
半径方向各位置において周方向における速度差や位相ず
れを有するがために、それらの要因が自転成分となって
結果的に移動体106の回転運動にブレーキをかけるこ
とにつながる。従って、このように振動体部103又は
移動体106の半径方向の一部に出力取り出し位1)0
4を設けてたわみ振動を取り出す方が得策である。とこ
ろで、本発明の最も特徴とするところはこの出力取り出
し位置104の設定位置である。すなわち、本発明に係
る進行性波動モータが利用分野とするところの比較的小
型で低消費電力な用途に際しては、径小構造となること
から必然的に振動体の機械的共振周波数が高(なってし
まう、一般に、100kHzを越えてしまうとどうして
も駆動系の回路効率の低下をきたすことにもなるために
、振動体周方向に生じる波数を2〜4としても半径方向
に対しては一次の振動モードで励振しなければならない
。実際に半径方向に対して一次の振動モードとなるよう
な駆動周波数で励振すると外径にいくにつれて振幅が大
きくなり、最外周において振幅最大となる。従って、出
力取り出し位置104を振動体の最外周に設定して、こ
の位置で移動体106と接触させれば良いように思われ
るが、実際にはこの振幅最大位置にて移動体1′06を
接するようにすると、振動体全体の振幅が極度に減衰さ
せられてしまい、結果的に回転運動は生じてもトルクの
弱い回転運動しか得られない、すなわち、調圧バネ10
7による加圧力が高く設定できず、モータ効率も低い地
を示すことになる。また、この出力取り出し位置104
を内周にもっていけばいくほど、振動体に生じる振幅を
減衰させることも少なくなっていくわけであるが、あま
り中心軸知覚に設定すると、その部分での振幅自体が小
さいために、これもまた回転運動としては弱いものにな
ってしまう、従って、振動体103の半径をrとすると
、中心から出力取り出し位置104までの距離aとの関
係には最適値のようなものが存在する。そして、その値
は半径5fiで厚みがIN以下の振動体の場合には中心
軸101の径によっても変動するが、およそ215r≦
a≦415rに設定するのがモータ効率上好ましい、こ
れについての詳細は後述することにする。
以上述べてきたように、振動体部103と圧電振動子1
06が半径方向に対して一次の振動モードとなるような
駆動周波数で励振させる際に、振動体部103の最外周
よりも内側の部分に移動体106を摩擦駆動させる出力
取り出し位W104を設定することが、モータ効率の向
上に寄与することは絶大なものがある。なお、本実施例
では出力取り出し位置104である突起を移動体106
側に設定した場合を示しているのと共に、移動体106
の径は実質的にaよりも大きくすれば振動体部106の
外径よりも小さくても良いことになる。
第6図は本発明に係る進行性波動モータの半径方向の挙
動を示した図である。(8)は本発明に係る進行性波動
モータの部分的な縦断面図を示したもので、半径方向に
位置の異なるイ1)ロ、ハそれぞれ振幅測定部所を示し
たものである。実際の振幅測定方法としては、本発明に
係る進行性波動モーフの場合、薄型径小であることから
接触式の変位計はそれ自体の自重の影響等が無視できな
いために利用できないので、光学式の非接触式変位計を
用いている。第6 ’V!J (b) 、 (c)は振
動体部602および圧電振動子603に進行波を・励振
させた状態で半径方向のイ、゛口、への各点で測定した
振幅量を図示したものである。この際の形状は周方向に
励振される波数を3とし、振動体部602および圧電振
動子603の外径を10 m 、厚みを0.3諺とした
場合のもので、振動圧電は3Vo−pとl0Vo−pの
2通りとした。なお、山)は振動体部602をステンレ
スとした場合で、半径方向における一次の機械的共振周
波数は約45kHz、 (e)は振動体部603を黄銅
とした場合で、半径方向における一次の共振周波数は約
39.5kHzである。第6図−)ならびに(C1を比
較すると、材質ならびに駆動電圧の大小にかかわらず、
−船釣に半径方向における変位分布は、外周にいくにつ
れて大きくなっていき、最外周で最大となっていること
が裏づけされている。
第7図は出力取り出し位置違いによる振動体振幅量の差
異を示す図で、振動体部と移動体の接触位置違いによる
振動体部振幅量の差を表したものである。第6図と同様
に(alは本発明に係る進行性波動モータの部分的な縦
断面図を示したものである。ここでは半径方向に位置の
異なる4、1口、への各部分を出力取り出し位置として
、移動体が実質的にイ20.への部分のみで振動体部7
02に接するようにした状態における振動体の各周波数
特性を測定するようにしている。すなわち、移動体には
41口、への各位置に接するような帯状の突起をそれぞ
れ設定し、各移動体を順次振動体部702にのせかえて
振動体振幅量の減衰具合を比較するようにしている。な
お、移動体の自重は0゜3gである。また、振動体振幅
量の周波数特性の測定方法としては、圧電振動子703
が2回路から構成されていることを利用して、一方に周
波電圧を掃引引火して、振動体を定在波励振させるよう
にし、もう一方の回路側の圧電効果によって生じた逆起
電圧をスペクトラムアナライザでフーリエ変換するよう
な手法を用いている。第6図(b)、 (C1は実際に
上記の手法を用いてイ1)ロ、ハ各位置のみに接するよ
うな移動体を順次のせかえて振動体の機械的共振点付近
における振幅の減衰具合を図示したものである。この際
の振動体部702および圧電振動子703の形状は先の
第6図におけるものと同じであり、印加電圧は5Vo−
pである。また、(blは振動体部702をステンレス
とした場合で、(C1は黄銅とした場合であることにつ
いても先の第6図と同様である。第6開山)ならびに(
C1を比較すると、材質にかかわらずイよりも口、口よ
りもへの方が共振点における最大振幅量が減少している
様子が分かる。すなわち、移動体と振動体部との接触位
置を外周部にもっていけばもっていくほど減衰量が増加
していくことになるわけである。なお、図中ホとあるの
は、移動体をのせない状態での振動体の周波数特性を調
べたもので、言うまでもな(一番大きな振幅量を示すこ
とになる。しかしながら、0.3g程度の移動体をのせ
た限りではイとホの差別化はつかず、イの位置に移動体
を接触するようにしてもほとんど振動体フリーの状態で
の振幅量が得られていることになる。
以上、第6図および第7図の結果を総合すると、本発明
に係る進行性波動モータを半径方向に対して一次の振動
モードとなるような駆動周波数で励振させた場合には、
外周にいくにつれて振幅量は増加していくものの、逆に
移動体を外周部のみに接するように配置すると振幅の減
衰量が多くなり不都合である。すなわち、移動体と振動
体部との接触位置である出力取り出し位置には最適な位
置があると言える。そして、その値は最外周にもってい
くと減衰が大きく、逆に最内周にもっていくと振幅量が
小さいということ、ならびにモータ構造上中心から半径
rまでの約175は中心軸701による支持部分としな
いと移動体の加圧力などに対する強度上不都合が生じる
ことなどを考慮すると、振動体から移動体への出力取り
出し位置はおよそ215r≦a≦415rに設定するの
が望ましいと言える。上記の現象を物理的に考えるなら
ば、出力取り出し位置よりも外周部で、振動体部および
圧電振動子がフリーな状態で振動できることが、振動体
部表面に生じた微小な楕円振動の減衰量を極力低減させ
て移動体の回転運動に変換できるということになる。ま
た、出力取り出し位置については、振動体部および圧電
振動子の外径・厚み、そして移動体の加圧力の違いによ
り、さらに最適な位置が決定されるであろうが、本発明
に係る進行性波動モータについては、215r≦a≦4
15rと設定することにより、低電圧でも高効率かつ滑
らかな回転運動が実現できるわけである。
第8図および第9図は進行波励振用圧電振動子電極パタ
ーンの平面図を示したもので、本発明に係る進行性波動
モータの振動体部の片側に接合されて進行波励振を実現
できるような圧電振動子の具体的な電極パターンを示し
たものである。
第8図は中心部分に孔を有する圧電振動子801の片側
面上に扇形形状の電極部802a〜802dが設けられ
たもので、各電極部の弧長は隣接する電極部間のすきま
部を含めて、はぼ励振される進行波波長の1/4となる
ように設定されている。ここで図に示すような極性に分
極処理を施し、802aと8020には同一の信号、ま
た802bと802dには時間的に位相の90″異なる
信号を印加することによって進行波の励振が可能となる
。なお、先にも示したように各々の電極部弧長が174
波長であることから、802a〜802dの4部分で1
波長が形成できる。従って本実施例は波数3の場合を示
したものである。なお、図中子と示されているのは、裏
面の電極部に対して+電界を与えて分極処理しであるこ
とを表し、図中−と示されているのは、裏面の電極部に
対して一電界を与えて分極処理しであることを表してい
るものとする。この場合、裏面の電極部は表面と同位置
同形状電極または前面電極としても良い。
第9図は他の電極パターンの実施例を示したもので、中
心部分に孔を有する圧電振動子901は面上に扇型形状
の電極部902a〜902dが設けてあり、各電極部端
間には電極部902a〜902dの弧長のほぼ1/2の
長さに相当する電極部903a〜903dが設けである
。ここで図に示すような極性に分極処理を施し、第2図
に示したルールに従って902a〜902dの各電極部
に位相の異なった高周波電圧を入力すると、進行波成分
が励振されることになる。この際、もう一つの電極群9
03a〜903dは、検出用として振動体部励振の際に
発生した逆起電圧のレベルや位相を検出信号として進行
性波動モータの周波数追尾や速度可変を行うのに利用で
きる他に、振動体部励振の際に生じるスプリアス振動が
顕微な際には駆動用として利用することにより進行波成
分の強度を増すことが可能となる。なお、ここでは進行
波励振用圧電振動子の電極パターンとして2つの実施例
について詳説したが、この他にも進行波を励振可能とす
る電極パターンは数多くあり、それらの電極パターンを
用いても本発明が実施可能であることは言うまでもない
第10図は本発明に係る進行性波動モータの他の実を示
す縦断面図である。第1図と同様に、中心軸1001は
固定台1062とネジ止めあるいは打ち込みにより一体
となっており、さらに振動体部1003は中心部分iて
中心軸1001と一体構造となって中心部固定支持構造
を実現している。
本実施例の特徴とするところは、振動体部1003と移
動体1006が接して進行波成分を回転運動に変換する
出力取り出し位置に変位拡大機構1004を設けたこと
である。一般に移動体1006の回転運動に寄与する楕
円軌跡の横方向速度成分の最大値Uwaxは、 U+*ax = −2rt” f l (T/λ)f:
駆動周波数 ):縦振幅 T:振動体厚み λ:進行波波長 と表されることから、回転数を向上するためには形状的
に考えると振動体厚みを厚くすれば良いことになる。し
かしながら、単に厚みを厚くしたのでは機械的なかたさ
が極度に増加し、共振周波数も高くなってしまう。従っ
て振動体部1003の周方向に対して帯状に凹凸となる
ようなくし歯状の変位拡大機構1004を設けるのが得
策である。
ここで振動体部1003の半径方向における変位拡大機
構1004の設定位置は先の説明同様におよそ215r
≦a≦415rとするのがモータ効率上好ましい、また
、変位拡大機構1004は振動体部1003と一帯構造
となるようにしてもよいが、このようなくし歯の加工に
際してはコスト的にも高(なるので、変位拡大機lll
 OO4を別体として後で振動体部1003と一体化し
てもかまわない、この場合、変位拡大機構1003はプ
ラスチックの一体成形とすることも可能である。
なお、本実施例では移動体1006の加圧方法として、
先の第1図における板状の調圧バネ構造とは異なり、中
心軸1001にがん合可能となるようなストッパー10
09と十字バネ等からなる調圧バネ1007と加圧力調
整もかねた座金1008等で構成することにより先の加
圧機構よりもコンパクト化が図れるようにしている。
第1)図は変位拡大機構の具体的な実施例を示したもの
で、振動体部1)01の半径方向における中途な部分に
、帯状に等間隔の切り溝を施した、くし歯状のようなも
ので変位拡大機構1)02を実現している。この場合あ
まり切り溝の間隔を広げると移動体への接触面積が減少
して回転数ならびにトルクが減少してしまう、また、あ
まりくし歯の長さを高くすると、くし歯自体で振動モー
ドを有することになり、変位拡大機構1)02が剛体と
して作用しなくなることにより、逆にモータ効率の低下
につながってしまう。
第12図は本発明に係る進行性波動モータのモータ特性
の一例を示す図である。対象としたモータ仕様は以下の
通りである。
図より最大効率は16Vp−p付近で、40%弱と見ら
れるが、移動体の材質を摩擦係数の高いものに変更する
ことにより、変位拡大機構と移動体との接触部分におけ
る滑りが低減されるため、効率も若干向上する。いずれ
にせよ本発明に係るモータ構造により、径小薄型な進行
性波動モータにおいても、高効率化が実現できるように
なる。
〔発明の効果〕
本発明による進行性波動モータによれば、固定台上に設
置された中心軸にて振動体部を中心部固定支持し、いは
振動体部最外周よりの内側の部分に設定された出力取り
出し位置にて加圧接触するように配置するのとともに、
駆動周波数を振動体部の半径方向に対して一次の振動モ
ードで励振されるように設定するといった簡単な構成で
、薄型・径小な構造で高効率化が図れるという効果があ
る。
従って精密機器分野での進行性波動モータの利用が可能
となる。たとえば電子時計のモータに用いれば、磁気の
影響を受けない、低速高トルクのため輪列歯車数の削減
、正逆駆動可能、保持トルクが強いために外乱の影響を
受けにくい等の従来にない可能性が生じることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる進行性波動モータの縦断面図、
第2図は進行波発生の原理図、第3図は進行性波動モー
タの回転原理図、第4図および第5図は従来の進行性波
動モータの縦断面図、第6図ial〜(C1は本発明に
係る進行性波動モータの半径方向の挙動を示す説明図、
第7図(al〜(C1は出力取り出し位置違いによる振
動体振幅量の差異を示す説明図、第8図および第9図は
進行波励振用圧電振動子電極パターンの平面図、第10
図は本発明に係る進行性波動モータの他の実施例を示す
縦断面図、第1)図(al、 (blは本発明に係る変
位拡大機構の平面図および断面図、第12図は本発明に
係る進行性波動モータのモータ特性の一例を示す図であ
る。 101.401,501,601,701.1001・
・・中心軸 102.402,502.1002・・・固定台103
,403. 503,602,702. 1003.1
)01・・・振動体部 104・・・出力取り出し位置 105.201,404,504,603,703.8
01,901.1005・・・圧電振動子106.40
5,505.1006・・・移動体107.1007・
・・調圧バネ 202.802,902,903・・・電極部1004
.1)02・・・変位拡大機構以上 出願人 セイコー電子工業株式会社 第3図 従来の進行性製動モータの縦断面図(1〕第4図 従来の進行4i液勧モーフの縦erの図(2)第5図 (a)  tt4tl、fi部Fl’T ’6 +1’
図(b)  ↑展th1不秤cI<ステツしスのjを伶
(C)4反動f本節p1′黄銅の場合 5本宅e月に係ろ進(1性波動モークの牛側力向の挙動
Eイ・1図第6図 (b) 振動体部ρでステンレスの温合(C)  撮t
1)1本81SCQ−銅の場合出幻取1)出しイ立置違
いl”:J−るノ辰動イ本迅幅党の左耳と元オ図第3図 −1舶 本発明に派る変位i1).″に機構の平面図第1)図(
a) 本発明に係る変位拡へ祁材りの弁面図 第1)図(b)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) 圧電振動子の伸縮運動を利用したたわみ進行波
    により、移動体を摩擦駆動させる進行性波動モータにお
    いて、前記進行性波動モータは中心軸を有する固定台と
    、前記中心軸と一体となるように固定支持された弾性部
    材からなる振動体部と、前記振動体部の片面に接合され
    た圧電振動子と前記振動体部に加圧接触するように配置
    された移動体と、前記移動体を加圧するための加圧手段
    とからなり、前記振動体部の最外周よりも内側の部分に
    前記移動体を摩擦駆動させる出力取り出し位置を設ける
    とともに、前記振動体部と前記圧電振動子が半径方向に
    対して一次の振動モードで励振されるように構成された
    ことを特徴とする進行性波動モータ。
  2. (2) 前記振動体部の出力取り出し位置に、周方向に
    凹凸となるようなくし歯状の変位拡大機構を設けたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の進行性波動モ
    ータ。
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