JPH0116023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、炉内温度や溶融金属温度等の温度
測定に使用される熱電対に関し、とくに熱電対構
成部品の燃焼を防止して雰囲気汚染の発生をなく
すようにした熱電対に関するものである。

従来、この種の熱電対としては種々の構造のも
のがあり、例えば、熱電対の外側を紙管で構成し
たもの（特公昭39−12548号公報、特公昭48−
42200号公報）、熱電対の外側をステンレス鋼製の
保護管で構成したもの、熱電対線と補償用導線を
直接ろう付けしたものなどがあつた。

これらのうち、熱電対の外側を紙管で構成した
ものでは、例えば溶鋼等の溶融金属の温度を測定
しようとする場合に輻射熱によつて紙管が燃焼す
るため、とくに真空雰囲気炉（真空誘導炉、真空
熱処理炉等）の雰囲気を汚染し、炉内純度を低下
させるなどの問題点を有していた。また、熱電対
の外側をステンレス鋼製の保護管で構成したもの
では、前記炉内雰囲気汚染の問題は小さいが、熱
電対線の電極端子周囲の構成部材が高温となるた
め、溶損などの早期劣化をきたしたり、正しい測
温ができないなどの問題点を有していた。さら
に、熱電対線と補償用導線を直接ろう付けしたも
のでは、熱電対線の交換が容易でないなどの問題
点を有していた。

この考案は、上記したような従来の種々の問題
点を解消することを目的としてなされたもので、
とくに真空雰囲気炉等の炉内温度を測定する場合
に炉内雰囲気の汚染を防ぐことができ、熱電対線
の電極端子周囲の構成部材の熱による早期劣化を
防止することが可能であると共に、熱電対線の交
換も容易であるなどの利点を有する熱電対を提供
することを目的としている。

この考案に係る熱電対は、金属製外管に断熱材
を内張りした熱電対外管内に、当該熱電対外管の
一方の開口端側から、熱電対線および該熱電対線
と接続した電極端子を備えた熱電対チツプを着脱
可能に嵌挿すると共に、前記熱電対外管の他方の
開口端側から、導線および該導線と接続した電極
端子接点を備えた熱電対プラグを必要に応じて着
脱可能に嵌挿し、前記熱電対外管の内部で、前記
熱電対チツプの電極端子と前記熱電対プラグの電
極端子接点とを電気的に接続して、当該電気的な
接続部分を前記熱電対外管の内部で前記断熱材に
より断熱的に保護させてなる構成としたものであ
ることを特徴としている。

以下、この考案に係る熱電対の実施例について
図面と共に詳細に説明する。

添付図はこの考案の一実施例による熱電対の断
面構造を示す説明図であつて、この熱電対１は、
熱電対外管２と、熱電対チツプ１０と、熱電対プ
ラグ２０とより主として構成されている。

これらのうち、熱電対外管２は、両端に内向き
フランジ部３ａ，３ｂを有する例えばステンレス
鋼製等の金属製外管３の内側に、例えばアスベス
ト等の断熱材４を必要な厚さで張り付けあるいは
あらかじめ円筒状に形成した断熱材４を嵌合し、
さらに、後記詳述する熱電対プラグ２０を固定す
るためのねじ５を設けた構成をなすものである。

また、熱電対チツプ１０は、例えば、Ｒ熱電
対、CA熱電対、CC熱電対、IC熱電対、Ｗ−Mo
熱電対等々の各種の熱電対を構成する熱電対線１
１を例えば石英管等のＵ字管１２内に収容し、こ
のＵ字管１２を例えば耐熱セメント製等の耐熱絶
縁材１３を介して例えばセラミツク製等の熱電対
チツプ外管１４で保持させ、前記熱電対線１１の
端部を例えばCu−Ni製等の熱電対リード材１５
に点溶接して固定し、この熱電対リード材１５に
は電極端子１７を接続し、この電極端子１７を例
えばポリプロピレン等の軟質合成樹脂材よりなる
電極端子保持体１８で保持させ、この電極端子保
持材１８を前記熱電対チツプ外管１４に固定した
構造をなすものである。そして、この熱電対チツ
プ１０は、前記熱電対外管２の一方の開口端より
着脱可能な寸法構成となつている。

さらに、熱電対プラグ２０は、例えばステンレ
ス鋼製等のプラグ外管２１内に、アルミナ等の電
気絶縁材２２を介して電極端子接点２３を保持さ
せると共に、前記電気絶縁材２２内で、前記電極
端子接点２３と補償導線２４の皮剥き端部２４ａ
とのろう付け部（半田付け部）を形成し、前記プ
ラグ外管２１の端部に形成しためねじ部２１ａと
ニツプル２５のおねじ部２５ａとをねじ込んで前
記ニツプル２５を固定し、このニツプル２５には
めねじ２６を形成した構造をなすものである。そ
して、この熱電対プラグ２０は、前記熱電対外管
２の他方の開口端より着脱可能な寸法構成となつ
ている。

このような構造の熱電対１を組立てるに際して
は、熱電対外管２と、熱電対チツプ１０と、熱電
対プラグ２０とをそれぞれあらかじめ形成してお
き、熱電対外管２の一方の開口端側から熱電対チ
ツプ１０を嵌挿すると共に、熱電対外管２の他方
の開口端側から熱電対プラグ２０を嵌挿し、熱電
対チツプ１０の中心側電極端子１７，１７ａと熱
電対プラグ２０の中心部環状電極端子接点２３，
２３ａとを電気的に接続すると同時に、熱電対チ
ツプ１０の偏心側電極端子１７，１７ｂと熱電対
プラグ２０の部分環状電極端子接点２３，２３ｂ
とを電気的に接続し、ねじ５によつて熱電対プラ
グ２０を固定する。そして、このような熱電対１
を使用することによつて、炉内温度や溶融金属温
度を測定し、適宜熱電対チツプ１０を交換する。

以上説明してきたように、この考案に係る熱電
対では、金属製外管に断熱材を内張りした熱電対
外管内に、当該熱電対外管の一方の開口端側か
ら、熱電対線および該熱電対線と接続した電極端
子を備えた熱電対チツプを着脱可能に嵌挿すると
共に、前記熱電対外管の他方の開口端側から、導
線および該導線と接続した電極端子接点を備えた
熱電対プラグを嵌挿し、前記熱電対外管の内部
で、前記熱電対チツプの電極端子と前記熱電対プ
ラグの電極端子接点とを電気的に接続して、当該
電気的な接続部分を前記熱電対外管の内部で前記
断熱材により断熱的に保護させてなる構成とした
から、温度測定中に従来のごとく外管が紙管など
からなる場合のように燃焼して雰囲気を汚染する
ことがなく、特に真空雰囲気中の温度測定に適し
ており、金属製外管に断熱材を内張りした熱電対
外管を使用しているため、熱電対内部への熱伝達
を前記断熱材によつて防ぐことができ、熱電対線
の電気的な接続部分である電極端子周囲の構成部
材の熱による早期劣化を防止することが可能であ
ると共に、熱電対の交換も容易であるなどの実用
的価値大なるすぐれた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例による熱電対の断面
構造を示す説明図である。 １……熱電対、２……熱電対外管、３……金属
製外管、４……断熱材、１０……熱電対チツプ、
１１……熱電対線、１７……電極端子、２０……
熱電対プラグ、２３……電極端子接点、２４……
導線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製外管に断熱材を内張りした熱電対外管内
   に、当該熱電対外管の一方の開口端側から、熱電
   対線および該熱電対線と接続した電極端子を備え
   た熱電対チツプを着脱可能に嵌挿すると共に、前
   記熱電対外管の他方の開口端側から、導線および
   該導線と接続した電極端子接点を備えた熱電対プ
   ラグを嵌挿し、前記熱電対外管の内部で、前記熱
   電対チツプの電極端子と前記熱電対プラグの電極
   端子接点とを電気的に接続して、当該電気的な接
   続部分を前記熱電対外管の内部で前記断熱材によ
   り断熱的に保護させてなる構成としたことを特徴
   とする熱電対。