JPH0115872Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は芝刈機等に供される汎用内燃機関に関
するもので、フライホイールを装着したクランク
軸が片持式でバーチカルタイプの始動性の良好な
内燃機関に係るものである。

（従来技術およびその問題点） 一般に芝刈機等の汎用内燃機関においては、始
動性の良いことが要求され、女性・子供でも容易
に始動できることが望まれている。また軽量であ
り、且つ重心が下方にあり走行安定性がよいこ
と、振動が少ないこと等が要求されている。

従来のクランク軸片持式のバーチカルタイプの
内燃機関を塔載した芝刈機を第４図に示す。同図
において、１は内燃機関で、該内燃機関１は、シ
リンダ２、ピストン３、クランク軸４、およびピ
ストン３とクランク軸４とを連結するコンロツド
５とからなつている。上記クランク軸４は、クラ
ンクケース６にベアリング７，８にて片持式で回
動自在に且つ垂直方向に支承され、クランクケー
ス６端部でオイルシール９により液密にシールさ
れている。１０は出力軸で、クランク軸４と一体
形成されており、該出力軸１０の中央部には冷却
フアン１２と一体形成されたフライホイール１１
がナツト１３にて固着され、その端部にはカツタ
ー１４がボルト１５にて締着されている。１６は
冷却フアン１２にて内燃機関１を強制空冷するた
めの空気取入口、１７はその空気を内燃機関１へ
送給するための空気送給口で、その冷却風は図中
矢印の如く流れ内燃機関１を冷却する。１８はカ
ツター１４を保護するためのカバー、１９はフラ
イホイール１１に対向して設けられた点火コイ
ル、２０はクランクケース６内の各回動部を潤滑
にするための潤滑油である。

ところが、上記の如き芝刈機の場合、クランク
軸４に直結された出力軸１０に、フライホール１
１、冷却フアン１２およびカツター１４等の付属
機器である装備品を装着している。内燃機関１を
始動するには、これら総合計の重量を上記出力軸
１０に連結する始動用プーリー（図示せず）にて
回動しなければならずそのため多大の労力を要し
ていた。また内燃機関１の中心Ｏからカツター１
４のカバー１８までの距離ｈが大きくなり、その
ため重心が上方に位置することとなつて、芝刈機
ハンドル部の振動が大きくなり芝刈作業が非常に
困難であつた。

（考案の目的） 本考案は、上記種々の欠点を解消すべくなされ
たもので、始動時の労力を軽減し始動性を良くす
るとともに、芝刈機等の汎用内燃機関そのものの
重心を極力下方に位置させることにより走行性・
操縦性の安定化及び低振動を可能とした内燃機関
を提供しようとするものである。

（考案の構成） 本考案の内燃機関は、フライホイールを装着し
たクランク軸が片持式でバーチカルタイプの芝刈
機等に供される汎用内燃機関において、上記クラ
ンク軸に連動されるカム軸に始動プーリ、冷却フ
アン等の装備品を装着したことを特徴とするもの
である。

（実施例） 本考案の実施例を第１図に示す。同図におい
て、第４図と同じ符号のものは同一物を示し詳細
な説明は省略する。２１は慣性モーメントの大き
なフライホイールで、クランクケース６のクラン
ク軸４の支持部２２に対向して、出力軸１０にナ
ツト２３で締付固着されている。２４は上記フラ
イホイール２１に対向して設けられた点火コイル
である。

従つて第４図に比べ、従来のものから冷却フア
ン１２（第４図参照）を除き、フライホイール２
１の形状を大きく変えたので、内燃機関１の中心
Ｏからカツター１４のカバー１８までの距離Ｈが
小さくなり、芝刈機そのものの重心を著しく低下
させることが可能となつた。

第２図は、第１図中内燃機関１の中心Ｏにおけ
る平面図を示す。同図において、２５はカム軸
で、歯車２６にてクランク軸４に連動している。
２７はタペツトで、上記カム軸２５に固着された
カム２８に係合して、バルブ２９を開閉する。

次に第３図は、第２図中−線における断面
図を示す。同図において、３０は冷却フアンで、
始動用プーリ３１とともにナツト３２にて、カム
軸２５の端部に締付固着されている。３３はリコ
イルスタータで、上記始動用プーリに対向してフ
アンカバー３４に固着されている。３５，３６は
空気取入口である。

本実施例では、カム軸２５に冷却フアン３０お
よび始動用プーリ３１の２つの装備品を装着した
ものを示したが、これに限るものではなく、該カ
ム軸２５に電動式スターター、オイル−ポンプ、
ウオーターポンプ、燃料ポンプ等の補機をも装着
してもよいし、また冷却フアン３０あるいは始動
用プーリ３１のみを装着してもよい。

（作用） 本考案は上記の如く構成されるもので、第３図
に示すリコイルスタータ３３を回動すると、図示
しない爪が飛出し、この爪が始動プーリ３１に係
合してカム軸２５を回動する。このカム軸２５
は、歯車２６にてクランク軸４に連動しているの
で、クランク軸４を回動し、内燃機関１が始動す
ることとなる。この時クランク軸４とカム軸２５
との回転の比は、１：２であるので、始動時は通
常クランク軸に直接リコイルスタータを連結した
場合に比べ1/2の回転力で内燃機関１を始動する
ことができるものである。

次に内燃機関１が始動すると、クランク軸４に
連動されたカム軸２５も回動し、該カム軸２５に
固着された冷却フアン３０が回動する。この時、
第３図に矢印で示すように空気取入口３５および
３６より空気を吸入し、シリンダ２に形成された
フインを冷却することにより、内燃機関１を冷却
する。

一方クランク軸４と一体の出力軸１０には、カ
ツター１４がボルト１５にて締付固着されている
ので、内燃機関１が始動すると同時に回転し、芝
を刈取ることができるものである。

（考案の効果） 以上のとおりであり、本考案によれば、始動プ
ーリあるいは冷却フアン等の装備品を、クランク
軸に連動されたカム軸に装着したので、非常に軽
い力で内燃機関を始動することが可能となつた。

それに、従来はクランク軸にのみ上記装備品を
装着していたのでクランク軸方向に嵩つており、
その結果重心が高くなり安定感がなかつたのに対
し、本考案では上記の如くクランク軸とカム軸に
それぞれ分散させたことにより、重心を著しく低
くすることが可能となり、その相乗効果として安
定性がよく、且つ振動も少なくなるので芝刈等の
作業能率が著しく向上した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による内燃機関を示す断面側面
図、第２図は第１図中内燃機関中心線Ｏにおける
断面平面図、第３図は第２図中−線における
断面図である。第４図は従来例を示す。 １……内燃機関、４……クランク軸、１０……
出力軸、１４……カツター、２１……フライホイ
ール、２５……カム軸、３０，３１……装備品
（３０……冷却フアン、３１……始動用プーリ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フライホイールを装着したクランク軸が片持式
   でバーチカルタイプの芝刈機等に供される汎用内
   燃機関において、上記クランク軸にて連動される
   カム軸に、始動プーリ、冷却フアン等の装備品を
   装着したことを特徴とする内燃機関。