JPH0115254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビアンテナの出力側に接続され、
テレビアンテナからの受信信号を増幅するテレビ
受信用のブースタに関するものである。

従来からテレビアンテナの出力側にブースタを
接続して、テレビアンテナの出力レベルが低い場
合にはブースタのゲインを高くし、出力レベルが
高い場合にはゲインを低くしてテレビ受像機の受
信レベルを最適の値になるように設定していたも
のである。しかしながらブースタ内部のゲイン調
整用のボリユームを操作して最適の状態に設定す
るためにはある程度の熟練を必要とし、アンテナ
の施工時に専門の工事者が必要とされるという問
題があつた。

本考案は従来例のこのような問題点を解決する
ために為されたものであり、特に熟練していない
工事者がテレビアンテナの施工を行なつた場合に
おいても常に最適の状態で受信を行ない得るよう
にし、大きな外乱ノイズ受信時の画面の乱れや、
利得調整時の画面の乱れを防止することができる
テレビ受信用のブースタを提供することを目的と
するものである。

以下本考案の構成を図示実施例について説明す
る。第１図は本考案の一実施例に係るブースタ１
をテレビアンテナ２とテレビ受像機３との間に介
装した構成を示しており、第２図はブースタ１の
基本的な構成を、さらに第３図はブースタ１のさ
らに詳細な構成を示している。第１図に示すよう
にテレビアンテナ２は家屋の屋根４の上に設置さ
れ、その受信出力は平衡不平衡変換器たるバルン
５に入力され、同軸ケーブル６を介して屋内に引
き込まれる。同軸ケーブル６の屋内側の端部に
は、上述のようにブースタ１が接続されており、
このブースタ１の出力は分配器７によつて２以上
のテレビターミナル８に分配される。各テレビタ
ーミナル８にはテレビ受像機３のアンテナ入力端
子９が接続され、屋内の複数の箇所においてテレ
ビ共聴を行ない得るようになつているものであ
る。

第２図はブースタ１の基本的な構成を示してお
り、ブースタ１に入力されたテレビ信号は分配器
１０によつて２系統に分配される。まず一方の分
配出力信号は分波器１１によつて複数の周波数帯
域に区分され、各周波数帯域毎に周波数別アンプ
１２によつて増幅された後、混合器１３により合
成される。混合器１３の出力はブースタ１の出力
信号としてテレビ受像機３に供給されるものであ
る。また分配器１０の他方の分配出力信号は周波
数別レベル検知器１４に入力され、分波器１１に
よつて区分される各周波数帯域ごとの電界強度を
検知されるようになつている。１５は周波数別レ
ベル検知器１４の動作を強制するための強制部で
あり、例えばマイクロプロセツサ等により構成さ
れているものである。

次に第３図は上記ブースタ１のさらに詳細な構
成を示しており、同図に示すように周波数別レベ
ル検知器１４はPLLシンセサイザよりなる局部
発振器１６を有するスーパーヘテロダイン受信器
によつて構成されている。分配器１０からの出力
信号は混合器１７によつて局部発振器１６の出力
と混合され、ビート信号として中間周波信号が形
成される。この中間周波信号は中間周波増幅部１
８により増幅され、検波器１９により検波され
る。この検波器１９の出力は４ビツト程度のＡ／
Ｄ変換器２０によつてデジタル信号に変換され
て、制御部１５に入力される。制御部１５はこの
Ａ／Ｄ変換器２０からのデジタル信号に基いて各
周波数別アンプ１２₁，１２₂，１２₃のゲインを
調整するものである。PLLシンセサイザよりな
る局部発振器１６は、電圧制御発振器（いわゆる
VCO）２１と、電圧制御発振器２１の出力をＮ
分の１に分周するプログラマブルデバイダ２２
と、基準発振器２３、位相比較器２４、およびロ
ーパスフイルタ２５から構成されている。その動
作原理は通常のPLLシンセサイザの場合と全く
同様であり、仮に基準発振器２３の発振周波数を
1MHzとすると、電圧制御発振器２１の出力周波
数はＮ×1MHzとなる。したがつてたとえばテレ
ビのVHF帯の第２チヤンネルでは96〜102MHzの
帯域を有しているから、テレビの中間周波信号と
して54〜60MHzの信号を得る必要があるときに
は、プログラマブルデバイダ２２の分周比をＮ＝
42に設定して電圧制御発振器２１の出力周波数を
42MHzに設定すればよい。かかるプログラマブル
デバイダ２２による分周比Ｎは制御部１５の出力
によつて可変となつており、したがつて各周波数
帯域についての電界強度を個別に検知して、電界
強度の弱い周波数帯域については周波数別アンプ
１２のゲインを大きくし、電界強度の強い周波数
帯域については周波数別アンプ１２のゲインを小
さくするように制御すれば、テレビアンテナ２そ
のものの周波数特性を補正してフラツトな周波数
特性を得ることができ、どの周波数帯域において
も常にテレビ受像機３に対して最適レベルの受信
信号を入力することができるものである。ここで
一般的なテレビ受像機３の最適受信入力レベルは
60〜80dBμであり、VTRのRFコンバータの場合
は70dBμ程度である。またホーム共聴システムの
場合、分配器７によつて分配ロスが生じ、２分配
の場合で４〜5dB、４分配の場合で８〜9dB程度
の分配ロスが生じる。したがつてブースタ１の出
力レベルはケーブルの接続ロスも考慮に入れて、
80〜83dBμ程度に設定しておくことが望ましい。

次に第４図は上述のようなブースタ１による自
動利得調整を行なうタイミングを決定するための
変化検出回路を示しており、CdS２６よりなる明
るさ検出手段によつて周囲の明るさを検出し、抵
抗２７とCdS２６とによつて分圧された電圧をイ
ンバータI₁，I₂よりなるバツフア２８に入力し、
周囲の明るさが明状態から暗状態に変化したと
き、および暗状態から明状態へ変化したときにそ
れぞれコンデンサ２９を介して出力端子３０にパ
ルス信号を生じるようになつている。また、屋外
の明るさが暗状態から明状態に変化する時間帯に
利得調整手段を動作させるタイミング回路は、上
記変化検出回路と、制御部１５とで形成されてお
り、変化検出回路から出力されたパルス信号が波
形整形されて入力される制御部１５では、周囲の
明るさが暗状態から明状態に変化したときのパル
ス信号に同期して、すなわち夜明け方に自動利得
調整を行なうようにしている。このように構成し
た場合には、視聴者のきわめて少ない時間帯に自
動利得調整が行なわれるから、テレビ受信動作中
に急に映像や音声が乱れるような不都合を少なく
することができるものである。

本考案は以上のように構成されており、テレビ
アンテナからの受信信号を増幅する広帯域の増幅
装置と、受信信号レベルの大小を検出する手段
と、受信信号レベルが大きいときには増幅装置の
利得を下げて、受信信号レベルが小さいときには
増幅装置の利得を上げるように制御する利得調整
手段とを備えたものであるから、テレビアンテナ
の施工時にゲイン調整用のボリユームを操作する
ような必要がなく、特に熟練していない工事者が
テレビアンテナの施工を行なつた場合においても
常に最適の状態で受信を行なうことができるとい
う効果があり、また、明るさ検出手段にて、屋外
の明るさを検出し、タイミング回路にて、屋外の
明るさが暗状態から明状態に変化する時間帯に利
得調整手段を動作させるようにし、受信信号レベ
ルを一定にする利得調整を１日に１回だけ行うよ
うにしているので、通常のテレビの視聴時間帯に
は固定利得となつており、受信しているテレビ電
波よりも大きな外乱ノイズによつて誤つた利得調
整（利得が小さくなりすぎる）が行なわれて画面
が乱れることがないという効果があり、しかも、
テレビを視聴することの少ない早朝に上記利得調
整が行なわれるので、利得調整時における画面の
乱れがあつても大抵の場合、視聴時間外となるた
め、あまり支障がないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るブースタを用
いたテレビ受信システムの全体構成を示す斜視
図、第２図は同上のブースタの基本的な構成を示
すブロツク図、第３図は同上のさらに具体的な構
成を示すブロツク図、第４図は同上の利得調整の
タイミングを決定する回路を示す回路図である。 １はブースタ、２はテレビアンテナ、１２は周
波数別アンプ、１４は周波数別レベル検知部、１
５は制御部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) テレビアンテナからの受信信号を増幅する広
   帯域の増幅装置と、受信信号レベルの大小を検
   出する手段と、受信信号レベルが大きいときに
   は増幅装置の利得を下げて、受信信号レベルが
   小さいときには増幅装置の利得を上げるように
   制御する利得調整手段を備えたテレビ受信用の
   ブースタにおいて、屋外の明るさを検出する明
   るさ検出手段と、屋外の明るさが暗状態から明
   状態に変化する時間帯に利得調整手段を動作さ
   せるタイミング回路とを設けたことを特徴とす
   るテレビ受信用のブースタ。 (2) テレビアンテナからの受信信号を複数個の周
   波数帯域に区分して各周波数帯域毎に個々に受
   信信号を増幅する複数個の増幅装置を設けて、
   各周波数帯域毎の受信信号レベルを個々に検出
   する周波数別レベル検知手段を設け、利得調整
   手段によつて各周波数帯域毎に個々に利得調整
   を行うようにしたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のテレビ受信用のブー
   スタ。