JPH0114620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は展望用エレベータの乗客が乗つて昇
降するかごの改良に関するものである。

まず、第１図から第３図によつて従来の展望用
エレベータのかごを説明する。

第１図から第３図中、１は外装パネル、２は窓
ガラス、３はかご室壁、４は天蓋、５はかご床、
６は幅木であり、外装パネル１の窓ガラス２の
上、下に配置した部分の上、下端部が取付部材７
ａ，７ｂ，７ｃによつて天蓋４、かご床５にねじ
で締付け固定され、窓ガラス２の上、下に近接し
た部分が取付部材８，９によつてそれぞれかご室
壁３にねじで締付け固定され、窓ガラス２の上、
下端部がパツキン１０を介してかご室壁と外装パ
ネル１とで挾持されている。

一般に展望用エレベータのかごは、出入口と対
向する正面壁などに窓ガラスを設けて、かご内の
乗客が窓ガラスを通してかご外を展望するように
しているので、窓ガラスを設けた正面壁の外装パ
ネルは全体または少なくとも窓ガラスの上、下に
配置した部分が展望エレベータを配置した建物の
外部から見えることになる。このため、展望用エ
レベータの外装パネルの外部から見える部分は外
観を良好にする必要があると共に、模様替えを行
う必要がある。しかし、上述のように構成された
従来のかごでは、外装パネル１がかご室壁３の一
部に設けた窓開口を覆う窓ガラス２の外れ防止を
兼ねて、かご室壁３に固定されていると共に、天
蓋４、かご床５にも固定されているために、外装
パネル１を模様替えするには、外装パネル１をか
ご室壁３、天蓋４、かご床５から取外し、窓ガラ
ス２も取外し、またこの取外時とは逆に模様替え
した新しい外装パネル１を窓ガラス２と共に取付
ける必要があり、これらの作業をかごとこれが昇
降する昇降路の壁の狭い隙間で行わなければなら
ず、したがつて作業性が悪く容易に模様替えがで
きず、しかも長期間にわたつて展望用エレベータ
の使用ができないという問題があつた。

この考案は、窓ガラスを窓縁枠を介してかご室
壁に固定すると共に、かごの固定側部材に固定し
た額縁に外装パネル面に沿う溝部を設け、少なく
とも窓ガラス上、下に配置した外装パネルの縁部
を、上記溝部に嵌合させて上記額縁に着脱可能に
保持させることにより、上述した従来のものの問
題を解決して、外装パネルの模様替えが容易にし
かも短時間で行うことができる展望用エレベータ
のかごを提供することを目的としている。

以下、第４図から第７図によつてこの考案の一
実施例を説明する。

第４図から第７図中、第１図から第３図と同一
符号は同一または相当部分を示し、１１ａ，１１
ｂは上、下内側額縁であり、これらの上、下端部
が取付部材７ａ，７ｂ，７ｃによつて天蓋４、か
ご床５に固定され、上、下内側額縁１１ａ，１１
ｂの下、上端部に窓縁枠１２が固定され、窓縁枠
１２は取付部材８，９によつてかご室壁３の窓開
口周縁部に固定され、上記窓縁枠１２にパツキン
グ１０を介して窓ガラス２の外周縁部が保持固定
され、窓ガラス２が外れないようになつている。
１１ｃは外側額縁であり、これらは上、下端部が
上、下内額縁１１ａ，１１ｂと同様に天蓋４、か
ご床５に固定され、必要に応じ図示しないかごの
隅柱の外周側に固定される。１ａ，１ｂは窓ガラ
ス２の上、下に配置された上、下外装パネル、１
ｃは窓ガラス２の両側に配置された側部外装パネ
ルであり、これらの外装パネル１ａ，１ｂ，１ｃ
の両側部が額縁１１ａ，１１ｂ，１１ｃの相対向
する溝部に嵌合されて上下方向に移動可能に支持
され、上記溝部の長手方向の少なくとも一部に設
けられた位置決め体１３ａ，１３ｂに外装パネル
１ａ，１ｂ，１ｃの側端面が支持されてこれらが
左右方向に変位しないようにされている。上、下
外装パネル１ａ，１ｂは各１対の上、下内側額縁
１１ａ，１１ｂの間に上、下方から挿入されて窓
縁枠１２に窓ガラス２側の端が支持され、反対側
の端が上、下内側額縁１１ａ，１１ｂの上、下端
部にねじで着脱可能に締付け固定されたストツパ
部材１４ａ，１４ｂにそれぞれ支持されている。
さらに、側部外装パネル１ｃは内側額縁１１ａ，
１１ｂと外側額縁１１ｃの間に上方または下方か
ら挿入されて、これらの額縁１１ａ，１１ｂ，１
１ｃの上、下端部にねじで着脱可能に締付け固定
されたストツパ部材（図示しない）に側部外装パ
ネル１ｃの上、下端が支持されている。なお、側
部外装パネル１ｃの上端のストツパ部材は上外装
パネル１ａのストツパ部材１４ａを両側に延ばし
て兼用できるが、側部外装パネル１ｃの下端のス
トツパ部材は下外装パネル１ｂのストツパ部材１
４ｂと別体とする必要がある。

以上のように構成された実施例の展望用エレベ
ータのかごでは、外装パネル１ａ，１ｂ，１ｃが
窓ガラス２の外れ防止を兼ねておらず、外装パネ
ル１ａ，１ｂ，１ｃの模様替えを行う際に、窓ガ
ラス２はかご室壁３に固定した窓縁枠１２に固定
されているので、取外す必要がない。また、外装
パネル１ａ，１ｂ，１ｃはストツパ部材１４ａ，
１４ｂなどを額縁１１ａ，１１ｂ，１１ｃから取
外すことで、第５図、第６図の鎖線に示すように
上、下方向に摺動させて取外すことができ、この
取外時とは逆の手順で別の外装パネル１ａ，１
ｂ，１ｃを取付けることができる。したがつて、
外装パネル１ａ，１ｂ，１ｃの模様替えが短時間
で容易にできて作業性がよく、エレベータが使用
できない時間も短くてすむ。なお、上外装パネル
１ａは作業者がかごの天蓋４に乗つて脱着し、下
外装パネル１ｂは昇降路のピツト内から脱着し、
側部外装パネル１ｃは天蓋またはピツトのどちら
から脱着を行つてもよい。

上記実施例では額縁にストツパ部材を着脱可能
に固定して外装パネルを保持したが、この考案は
額縁の溝部に縁部が嵌合された外装パネルを、ス
トツパ部材に代えて外装パネルの縁部を裏面側か
らねじで直接締付けてもよい。上記実施例では側
部外装パネルも着脱可能にしたが、この考案は側
部外装パネルが外部から見えない場合はこれらを
取外せないようにしてもよく、側部外装パネルを
設けることなく幅の広い窓ガラスにすることもで
きる。上記実施例ではかごの出入口と対向する正
面壁に窓を設けたが、この考案はかごの側面壁な
ど適宜の壁に適用でき、かごの水平断面形状も矩
形に限られず多角形でもよい。

さらに、この考案に用いる外装パネルは、金属
板、木板、合成樹脂板など適宜の材質を用いるこ
とができ、外装パネル表面に広告などを表示して
もよい。

以上説明したとおり、この考案による展望用エ
レベータのかごは、窓ガラスを外れ防止用の窓縁
枠を介してかご室壁壁に固定し、かごの固定側部
材に固定した額縁に外装パネル面に沿う溝部を設
け、少なくとも窓ガラス上、下に配設した外装パ
ネルの縁部を、上記溝部に摺動可能に嵌合させて
上記額縁に着脱可能に保持させたので、窓ガラス
をそのままにして、外装パネルを、これらの周縁
部を額縁の溝部に対し摺動させて脱着できること
により、外装パネルを模様替え時に容易に短時間
で取替えることができ、模様替え時の作業性がよ
いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の展望用エレベータのかごを示す
概略正面図、第２図および第３図は第１図の−
線および−線拡大断面図、第４図はこの考
案の一実施例による展望用エレベータのかごを示
す概略正面図、第５図および第６図は第４図の
−線および−線拡大断面図、第７図は第４
図の−線拡大断面図である。 １ａ，１ｂ，１ｃ……外装パネル、２……窓ガ
ラス、３……かご室壁、４……天蓋、５……かご
床、６……幅木、１１ａ，１１ｂ，１１ｃ……額
縁、１２……窓縁枠、１４ａ，１４ｂ……ストツ
パ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓ガラスを外れ防止用の窓縁枠を介してかご室
   壁に固定し、かごの固定側部材に固定した額縁に
   外装パネル面に沿う溝部を設け、少なくとも窓ガ
   ラス上、下に配置した外装パネルの縁部を、上記
   溝部に摺動可能に嵌合させて上記額縁に着脱可能
   に保持させたことを特徴とする展望用エレベータ
   のかご。