JPH01137987A - 高度不飽和脂肪酸グリセリドの製造法 - Google Patents

高度不飽和脂肪酸グリセリドの製造法

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JPH01137987A
JPH01137987A JP16341787A JP16341787A JPH01137987A JP H01137987 A JPH01137987 A JP H01137987A JP 16341787 A JP16341787 A JP 16341787A JP 16341787 A JP16341787 A JP 16341787A JP H01137987 A JPH01137987 A JP H01137987A
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pufa
fatty acid
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unsaturated fatty
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Osamu Yamada
理 山田
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (al産業上の利用分野 本発明は、炭素数が18以上でかつ二重結合を3個以上
有する高度不飽和脂肪酸(以下、PUFAという)を含
むグリセロリン脂質から、ホスホリパーゼCおよびリパ
ーゼの存在下でPUFAグリセリドを製造する方法に関
するものである。
fbl従来の技術 PUFAは一般に高等動植物から微生物に至るまでの広
範囲な生物の体内や分泌物に脂質として存在し、その生
物種に必須な脂肪酸であるといわれてきたが、近年では
魚類あるいは藻類のPUFAが魚類に対する必須脂肪酸
として配合飼料に用いられたり、また人間に対する生理
活性、薬理作用も解明され、その有用性が認識されてい
る。
二重結合が2個以下の通常の脂肪酸が主に中性脂質、い
わゆるグリセリドとして存在するのに対して、PUFA
はリン脂質などの極性脂質として存在することが多い。
かかるPUFAのリン脂質を単離・精製する場合、生体
から単離した極性脂質は中性脂質と比較して酸化、異性
化を受けやすく、劣化しやすい傾向があり、安定性の点
で劣るなどの欠点を有している。このため、PUFAを
より安定な形態に変換し、産業的に有用な物質として利
用することが望まれている。この目的を達成する手段と
しては、通常、酸あるいはアルカリなどの化学薬品を加
熱状態で作用させて加水分解し、遊離するPUFAを分
離、精製して脂肪酸またはその低級アルコールエステル
あるいはグリセリドとする方法が考えられる。また、酵
素法で加水分解やエステル交換させ、同様に脂肪酸また
は脂肪酸エステルとして使用することにも可能性はある
しかしながら、化学的手法を用いれば酸、アルカリさら
には加熱処理によってPUFAそのものが酸化、異性化
、重合などの好ましくない副反応を受け、後処理の精製
工程が複雑になる。また、脂質を加水分解あるいはエス
テル交換する酵素法としては、リパーゼを用いる手法が
あるが、通常のリパーゼではPUFAは反応しにくいと
いわれており、またリン脂質などの極性脂質は基質にな
りにりく、熱履歴によるPUFAの劣化は防げるものの
、産業的に実用化できる手段はこれまでに見出されてい
ない。
ホスホリパーゼCは微生物の培養濾液、高等動物の脳、
肝臓、肺臓、赤血球などに存在する酵素で、一般にホス
ファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンな
どのリン脂質のリン酸部とグリセリド部のエステル結合
を加水分解する酵素して知られている。ホスホリパーゼ
Cはスフィンゴミエリンなどのリン脂質も加水分解する
。また、最近の例ではホスホリパーゼCは米ヌカ中に存
在することが確認され、抽出・分離されている(高野ら
、東京農業大学農学果報、 28 (m3) 、262
 (1984) )。しかしながら、これらのホスホリ
パーゼCはいずれも炭素数18以下あるいは二重結合が
2個以下の不飽和、もしくは飽和脂肪酸が結合したリン
脂質を基質とした加水分解にのみ用いており、本発明で
対象基質とする炭素数18以上、かつ二重結合が3個以
上のPUFAからなるリン脂質についての知見は見当た
らない。
また、リパーゼは周知のとおり油脂加水分解酵素であり
、グリセリドを加水分解する手段として従来より研究さ
れ、工業的にも実用化されている。
リパーゼに関する研究としては加水分解のほか、エステ
ル交換反応(R,W、5tevenson et al
、、J、Am。
Oil Chem、Soc、 56,676(1979
)、特開昭52−104506など)、エステル合成反
応(Y、Tsujisaka et al、。
Biochem、Biophys、Acta、 489
.415(1977)、白木ら。
化学と生物、 16,393(1978)など)、グリ
セリンと脂肪酸とのエステル化法(特公昭51−775
4.特公昭57−23535 )、モノグリセリドの製
造法(特開昭59−118094)などの提案がなされ
ているが、いずれも使用している脂肪酸は炭素数18ま
でのものであり、本発明で使用するPUFAでは検討さ
れていない。     ゛ (C1発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は生体中に存在するPUFAを安定な形態
で産業的に有効利用することにあり、該PUFAが比較
的多量に存在する極性脂質のうちリン脂質を変換させる
方法において、従来行われていた化学的方法に比べて低
温、常圧での温和な反応を利用し、前述のような好まし
くない副反応を抑制し、簡易かつ経済的に製造する方法
を見出すことにある。また、本発明の他の目的は従来で
は不可能ないしは困難であったPUFAを含むリン脂質
の変換を容易ならしめることにある。
+dJ問題点を解決するための手段 本発明は、上記の目的を達成すべく、本発明者が鋭意検
討を行った結果、完成されたもので、PUFAを含むグ
リセロリン脂質をホスホリパーゼCの存在下に加水分解
し、ついで該加水分解物とPUFAおよび/またはPU
FAエステルとをリパーゼの存在下に反応させることを
特徴とする高度不飽和脂肪酸グリセリドの製造法である
本発明でいうPUFAとは、炭素数が18以上でかつ二
重結合を3個以上有するものであり、なかでも生理活性
を有するω−3もしくはω−6脂肪酸と称されるものを
さす。これらの例としてはα−リルン酸(CI8+:l
ω−3) 、r−リルン酸(C111!3ω−6)、エ
イコサトリエン酸(C2013ω−3およびC2゜、3
ω−6)、エイコサテトラエン酸(Czar4ω−3)
、アラキドン酸(C2ozω−6)、エイコサペンクエ
ン酸(C2゜、5ω−3)、ドコサトリエン酸(C2□
、3ω−6)、ドコサテトラエン酸(C2□、4ω−6
)、ドコサヘキサエン酸(CZ□16ω−3)、テトラ
コサテトラエン酸(C2414ω−6)などがあげられ
る。これらは魚類、カニ、エビなどの軟甲類、貝類、藻
類、微生物などの生体牛脂質として存在する。本発明で
は、これらのPUFAは単独であるいは混合系で使用す
ることができる。
本発明において該PUFAを含むグリセロリン脂質とは
、上記のPUFAを含むグリセロリン脂質であり、した
がって該グリセロリン脂質が上記以外の脂肪酸を含んで
いてもさしつかえない。これらの脂肪酸としてはミリス
チン酸、バルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、リノール酸などが例示でき、またイ
ソあるいはアンチイソ型脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸を含
んでいてもよく、単一または混合物となっていてもよい
。また、本発明で使用できるグリセロリン脂質としては
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリ
ン、ホスファチジン酸あるいはこれらのリゾ体、ホスフ
ァチジルグリセロール、カルシオリピンなどがあげられ
、これらのいずれか1種もしくは2種以上の混合状態で
も用いることができ、また、天然物から抽出、濃縮され
たものであっても、合成品であっても差し支えない。ま
た、該グリセロリン脂質は該PUFAを含むモノ、ジあ
るいはトリグリセリドのいずれかまたは混合物を含有し
ていてもよい。  さらに、本発明に用いるホスホリパ
ーゼCは前述のごとく微生物、高等動物の臓器、植物な
どから採取できるものでよいが、経済的な面がらは微生
物由来のもの、植物由来のものが好ましい。これら例と
しては微生物としてストしブトマイセス属(Strep
tomyces hachijoensis;特公昭5
2−39918など)、シュードモナス属(Pseud
omonas 5chuyki−11iensis;特
公昭55−33308. P、fluorescens
P、aureofaciensなど)、アクネ1−バク
ター属(Acinetobacter calcoac
eticusなど)、バチルス属(Bacillus 
cereus+B、thuringiensisなど)
、スタフィロコッカス属(Staphylococcu
s aureusなど)、クロストリジウム属(Clo
stridium per−fringens、C1,
novyiなど)などがあげられる。これらの微生物か
らホスホリパーゼCを得るには、常法によりこれらの微
生物を培養し、培養濾液あるいは菌体を破砕した抽出液
から溶剤沈澱法、塩析などで沈澱させ、透析、電気泳動
、ゲル濾過、吸着などで分画し、精製処理をほどこして
濃縮液として、さらには減圧あるいは凍結乾燥などの処
理で粉末状として得ることができる。また、植物由来の
ホスホリパーゼCを得るには、たとえば米胚芽あるいは
米ヌカから抽出でき(高野ら、東京農業大学農学果報3
冊(歯3) 、262(1984)、同様に精製処理し
て使用することができる。
加水分解したグリセロリン脂肪と反応させるPUFAは
、前述したPUFAを含む脂質を魚類、藻類、微生物な
どから常法により抽出、加水分解したもの、あるいは必
要に応じて溶剤分別、吸着、尿素付加処理などにより精
製したものを使用することができ、またPUFAエステ
ルとしては該PUFAとメチルアルコール、エチルアル
コール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリンな
どとのエステルを用いることができる。
なお、このPUFAは前期のグリセロリン脂質に含まれ
るPUFAと同じ種類であっても異なる種類であっても
よい。
さらに本発明に用いるリパーゼは動植物、微生物由来の
いずれのリパーゼを用いてもよいが、活性および価格な
どの面などから微生物起源のものが好ましい。これらの
例としてはキャンディダ属(Candida cyli
ndracea、C,l1polyticaなど)由来
のもの、シュードモナス属(Pseudomonas 
fluore−scensなど)由来のもの、ペニシリ
ウム属(Penicillium cyclopium
など)由来のもの、ムコール属(Mucor m1eh
eiなど)由来のもの、リゾプス属(Rhizopus
chinensis )由来のものなどの50℃以上で
も活性を有する耐熱性リパーゼのほか、アスペルギルス
属(Aspergillus niger )由来のも
の一すゾプス属(Rhizopus deremar、
R,javanicusなど)由来のもの、ジオトリカ
ム属(Geotrichumcandidumなど)由
来のものなどの常温リパーゼを用いることができる。な
お、本発明ではこれらの属および種の微生物およびリパ
ーゼに限定されるものではない。
=10− 次に本発明で使用するホスホリパーゼCおよびリパーゼ
は、これらを固定化物としたものとして用いることがで
きる。一般に、酵素はpHおよび温度安定性改良、活性
維持、再使用などを目的として水あるいは溶媒に不溶性
の固定化酵素とする方法がとられており、アルギン酸塩
、セルロース、デキストラン、ポリスチレン、ポリアク
リルアミド、ポリビニルアルコール、イオン交換樹脂、
磁製体、多孔質物質、光架橋性樹脂などの固定化担体に
酵素を吸着、イオン結合あるいと共有結合、包括させる
が、本発明でもこれらの方法でホスホリパーゼCおよび
リパーゼを粒状、膜状もしくはシート状の固定化物とし
、反応に使用できる。かかる方法を用いることにより反
応の連続化が可能となる。
本発明の方法によりリン脂質を変換させるには次のよう
にする。すなわち、動物、藻類、微生物などの生体から
抽出・濃縮した、あるいは化学的に合成した炭素数18
以上かつ二重結合を三個以上有するPUFAを含むグリ
セロリン脂質をガラス製あるいはステンレス製容器に採
り、必要に応じて不活性有機溶媒、たとえばヘキサン、
ヘプタン、エーテルなどで溶解し、されに適量、好まし
くは該グリセロリン脂質の115〜5倍量の水対リン脂
質0.01〜30重量%のホスホリパーゼCあるいはそ
の固定化物、さらに必要に応じてホスホリパーゼCの反
応に最適なpH1好ましくはpH5〜11、望ましくは
6〜10に調整した緩衝液および賦活剤としてカルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛などを塩化物、リン酸塩、水酸
化物などの状態で添加したのち、攪拌もしくは振とうし
ながら不活性気体、たとえば窒素ガスなどを吹き込みつ
つ、20〜80℃、好ましくは40〜70°Cまで昇温
し、この状態で加水分解反応を行わしめる。
リン脂質はそれ自体が乳化剤としての作用を有するため
、通常のリパーゼによる油脂加水分解で必要とするポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの非反応
性乳化剤は本発明では不用である。約1時間〜72時間
、本加水分解反応を行う。この反応によりグリセロリン
脂質のリン酸基−グリセリド基が切断される。なお、本
反応は固定化ホスホリパーゼCを充填したカラム方式で
行わしめることもできる。すなわち、ガラス製またはス
テンレス製円筒管に該固定化物を詰め、前述の組成物で
乳化状態とした反応液を液循環ポンプなどを介してカラ
ムの一方から滴下、もしくは微加圧下に流入せしめ、他
方から取り出し、また必要に応じてカラム内に反応液を
循環させ、一部を取り出し、反応を行わせることができ
る。反応過程は反応液のTLC(薄層クロマトグラフィ
ー)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、アル
カリ滴定法などの分析方法により加水分解物の生成経過
を把握でき、これにより反応時間を調節することもでき
る。
反応終了後、80°C以上に5〜30分間加熱するか、
EDTAのごとき酵素活性阻害剤を添加してホスホリパ
ーゼC活性を失わせ、遠心分離処理をし、さらに適量の
水で洗浄し、水層を除去した後、無水硫酸ナトリウムあ
るいは塩化カルシウムなどの脱水剤を添加して加水分解
物層を乾燥させる。
次に加水分解物層にPUFAおよび/またはPUFAエ
ステルを、PUFAとして反応等モルないし5倍モル重
量添加し、さらに対反応生成物0.01〜30重量%の
リパーゼあるいはその固定化物を加え、前述の加水分解
反応と同様に必要に応じてカルシウム、マグネシウムな
どの賦活剤、緩衝液(p H4〜8好ましくはpH5〜
7)を添加した後、不活性ガス気流中攪拌もしくは振と
うしながら耐熱性リパーゼの場合は50°C以上、好ま
しくは50〜70℃、常温リパーゼの場合は、20〜2
5℃、好ましくは35〜45℃で約1時間〜約72時間
反応させる。この反応により、前記加水分解物と添加し
たPUFAとが結合する。なお、本反応はパンチ方式の
ばかホスホリパーゼCの場合と同様にカラム方式で実施
できる。反応液のTLC,HPLCなどの分析法により
反応過程を把握でき、これにより反応時間をコントロー
ルすることもできる。
反応後、ホスホリパーゼCの場合と同様にリパ−ゼを失
活させ、遊離状態のPUFAが生成物系中に存在する際
には常法により脱酸処理し、またPUFAエステルが存
在する際には溶剤分別、吸着カラムクロマトグラフィー
などの精製処理をほどこして目的物であるPUFAグリ
セリドを得ることができる。
(e)実施例 実施例1 特開昭60−126091号公報記載の方法に準拠して
糸状菌カニンガメラエレガンス(Cunningham
ellaelegans;NRRL 137B )を培
養し、菌体を溶剤抽出してγ−リルン酸(18+3ω−
6)を主成分とするリン脂質を得た。このリン脂質はホ
スファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、ホス
ファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシト
ールであり、構成脂肪酸はγ−リルン酸を主成分(GL
C純度90%)とし、α−リルン酸、リノール酸、オレ
イン酸、ステアリン酸、バルミチン酸などであった。
このグリセロリン脂質100gを攪拌機および冷却管つ
き四ソロフラスコ(500mjりに採り、n−ヘキサン
100m7!で溶解した後、ホスホリパーゼC(Pse
udomonas 5chuykilliensis由
来天野製薬■製品)5g、精製水50g、0.5M )
リス塩酸緩衝液(pH8,5>10m1を添加した。
窒素ガスを吹き込みながら、200rpmで攪拌しつつ
、60℃で24時間反応させた。反応物の一部をクロロ
ホルム/メタノール/酢酸を展開溶媒としたTLC(薄
層クロマトグラフィー)で分析したところ、上記リン脂
質のスポットが消え、ジグリセリドが生成していること
を確認した。
反応停止後、80℃に15分加熱し、遠心分離して水層
を除き、さらに5回水洗を行い、水層を除いた後、無水
硫酸ナトリウム′を用いて溶媒層を乾燥した。
次にこの溶媒層に上記菌体から溶剤抽出した脂質の一部
を常法により、ケン化分解して得たγ−リルン酸を主成
分(G L C純度93%)とする混合脂肪酸50g1
リパーゼ(Pseudomonas flu。
rescens由来、天野製薬■製品>5 g、0.1
MIJン酸緩衝液(pH6,5)3mlを添加し、窒素
ガス気流中、200rpmで攪拌しながら、65℃で2
4時間反応させた。反応液をGLCガス(ガスクロマト
グラフィー)で分析してところ、ジグリセリドは存在せ
ず、トリグリセリドが生成していることを確認した。こ
の後、常法によりリパーゼを失活させ、遊離脂肪酸を脱
酸し、乾燥して目的のPUFA)ジグリセリドを得た。
実施例2 甲殻類レシチンとしてカニのリン脂質(リン脂質組成:
ホスファチジルコリンを主成分(50%)として、リゾ
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチ
ジルイノシトール;脂肪酸組成:エイコサペンクエン酸
(純度25%)を主成分としてドコサヘキサエン酸、ア
ラキドン酸、オレイン酸、パルミチン酸)10g、n−
ヘプタン20m7!、東京農業大学農学部果報、U(l
k 3 ) 、262(1984)記載の方法に準じて
単離した米糠由来のホスホリパーゼC0,3g、精製水
5m!および0.3M)リス塩酸緩衝液(pH9,5)
3mjl!を用い、実施例1と同様に70℃で40時間
反応させ、TLC分析によりジグリセリドの生成を認め
、酵素失活化、遠心分離、水洗、乾燥処理を行った。イ
ワシから採取した油脂を常法によりケン化分解し、溶剤
分別法およびカラムクロマト法で精製した後、これにエ
チルアルコールでエステル化したエイコサペンクエン酸
エチル(GLC純度94%)4.5g、リパーゼ(Ca
ndida cylindracea由来1名糖産業■
製品)0.3gをケイソウ土粉末0.5gに精製水0.
3mj!で吸着させた固定化リパーゼを添加し、50℃
で24時間反応させ、反応液のGLC分析によりトリグ
リセリドの生成を認めた。この後リパーゼを失活化、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより過剰のT−リ
ルン酸エチルを分離、精製して目的のPUFAトリグリ
セリドを得た。
実施例3 海産緑藻クロレラミニュティシマ(Chlorella
minutissima)を海水中で培養した細胞を集
め、洗浄して細胞をホモゲナイザーで破砕し、クロロホ
ルム/メタノール溶媒で抽出してリン脂質を含むクロレ
ラ脂質を得た。リン脂質組成はホスファチジルコリン、
リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
アミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン
酸であり、その構成脂肪酸組成はエイコサベンクエン酸
を主成分としてアラキドン酸、リルン酸、リノール酸、
バルミチン酸であった。このクロレラのリン脂質50g
を、n−デカン20 m Aおよび0.1M)リス塩酸
緩衝液(pH9,0>50mnと攪拌して乳化状態にし
た。一方、実施例2記載の米糠由来のホスホリパーゼC
1ogを2%アルギン酸ナトリウム水溶液に混合、溶解
し、これを1%塩化カルシウム水溶液中に滴下してゲル
状の固定化ホスホリパーゼCを得、ガラス管(2,5C
:IQ径X 5 Q cm長)に詰めた上記クロレラの
リン脂質の乳化液を液送ポンプによりカラムの下部から
10mβ/hrのスピードで送入させ、上部より流出す
る液に0.5M水酸化ナトリウム水溶液を連続的に供給
して、中和し、さらに解乳化を行い、溶剤層を塩化カル
シウムで乾燥させた。この反応液にイワシから採取した
油脂を常法によりケン化分解して得たエイコサペンクエ
ン酸25gを加え、この液を固定化リパーゼ(Muco
r m1ehei  由来、デンマーク・ノボインダス
トリー社製品)を詰めたガラス管カラム(2,5cm径
X5Qcm長)に前述の加水分解時と同様に流入させ、
流出する反応物を脱酸処理し、その組成をGLCにより
分析したところ、主成分はエイフ      −サペン
クエン酸トリグリセリドであった。
実施例4 特・開閉51−91213号公報記載のリン脂質合成法
に準拠して1,2−ジアラキドニルホスファチジルコリ
ンを合成し、これとアラキドン酸(試薬、東京化成■製
品)を用い、実施例1と同様に反応を行い、高純度アラ
キドン酸トリグリセリド を得た。
(f)発明の効果 本発明の効果は次のようである。
■ 本発明によれば、生体中に存在し、生理活性のある
高度不飽和脂肪酸を不安定なリン脂質から安定なグリセ
リドの形態に変換することができる。
■ 本変換法は酵素を温和な反応条件下に作用させるた
め、化学的方法に比べて酸化、異性化重合、着色などの
好ましくない副反応を抑制でき、製造時の経済的メリッ
トが大きい。また目的物も高純度、高品質のものが製造
できる。
■ 従来では不可能ないしは困難とされていたPUFA
を含むリン脂質の変換が、2種類の酵素(ホスホリパー
ゼCおよびリパーゼ)を用いることにより可能となった
■ この2種類の酵素は固定化酵素にすることにより、
またカラム方式により連続化することができ、省力化、
省エネルギー化に役立つ。
■ 生成物である高度不飽和脂肪酸グリセリドは食品、
医薬品、化粧品、農薬、診断薬、分析用および一般試薬
などの広範囲な産業分野において利用できる。
特許出願人  日清製油株式会社 手続補正書 昭和6屏8.」]日 特許庁長官  小 川 邦 夫 殿 1、事件の表示 昭和62年特許願第163417号 2、発明の名称 高度不飽和脂肪酸グリセリドの製造法 3、補正をする者 事件との関係   特許出願人 住所  東京都中央区新川−丁目23番1号本件に関す
る連絡は下記にお願いします。
郵便番号 221 住  所 神奈川県横浜市神奈用区千若町l−3名  
称 日清製油株式会社 研究所 乙フlp町\雷  二
天 DLR(461)n19114、補正の対象 (1)明細書の発明の詳細な説明の欄 5、補正の内容 (1)明細書第9頁8行r262 (1984)Jをr
262  (1984))Jと訂正する。
(2)同第9頁下から1行「前期」を「前記」と訂正す
る。
(3)同第10頁12行rRhizopuschine
nsisJをrRhizopusch i nens 
i sJと訂正する。
(4)同第10頁下から6行[deremarJを「d
elemarJと訂正する。
(5)同第11頁8〜9行「磁製体」を1磁性体」と訂
正する。
(6)同第11頁10行「あるいと」を「あるいは」と
訂正する。
(7)同第12頁4〜5行「水対リン脂質」を「水、対
リン脂質」と訂正する。
(8)同第16頁3〜4行「由来天守」を「由来2天野
」と訂正する。
(9)同第17頁3行rGLcガス」をrGLC」と訂
正する。
(tel同第17真下から3行「農学部集軸」を1農学
集報」と訂正する。
αυ同第18真下から2行「緑藻」を「藻類」と訂正す
る。
(ロ)同第21頁3行「異性化重合jを「異性化、重合
」と訂正する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素数が18以上でかつ二重結合を3個以上有す
    る高度不飽和脂肪酸を含むグリセロリン脂質を、ホスホ
    リパーゼCの存在下に加水分解し、ついで該加水分解物
    と炭素数が18以上で、かつ二重結合を3個以上有する
    高度不飽和脂肪酸および/または該高度不飽和脂肪酸エ
    ステルとをリパーゼの存在下に反応させることを特徴と
    する高度不飽和脂肪酸グリセリドの製造法。
JP16341787A 1987-06-29 1987-06-29 高度不飽和脂肪酸グリセリドの製造法 Pending JPH01137987A (ja)

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JPH0292290A (ja) * 1988-09-30 1990-04-03 Agency Of Ind Science & Technol 酵素反応方法
JPH06172263A (ja) * 1992-08-14 1994-06-21 Agency Of Ind Science & Technol 高純度アラキドン酸トリグリセリド及びその製造方法
JP2014121328A (ja) * 2007-10-17 2014-07-03 Rudolf Wild Gmbh & Co Kg レモンバーム抽出物含有食品組成物

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