JPH0112955Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関のピストン冷却用オイルジ
エツトをシリンダブロツクに取付ける際に用いる
圧入装置に関するものである。

一般に、ガソリンエンジン、デイーゼルエンジ
ン等の内燃機関は、内面がなめらかに仕上げられ
たシリンダにピストンが嵌り、シリンダの上部と
シリンダヘツド及びピストンの上面とで形成され
た燃焼室で燃料と空気の混合気を燃焼させ、その
ときに発生する高温・高圧ガスを受けてピストン
がシリンダ内を押し下げられ、その直線運動を回
転運動に変換して動力として外部に取出してい
る。この種の内燃機関ではピストンが燃焼ガスで
熱せられるのを防止する為、第１図に示すように
ピストン冷却用オイルジエツト１がそのノズル２
先端をピストン３に向けてシリンダブロツク４の
下部に取付けられ、オイルジエツト１のノズル２
の先端から噴出する油を熱影響を受け易い部分に
吹付けてピストン３を冷却するようにしている。
上記オイルジエツト１はシリンダブロツク４の下
部に設けたオイルジエツト取付用ボス５にオイル
ジエツト孔６を穿設し、このオイルジエツト孔６
に圧入部７を圧入して取付けられている。ところ
で、オイルジエツト１をシリンダブロツク４に圧
入するに際して、油がピストン３の所定位置に吹
付けられて効率の良い冷却が行なわれるようにノ
ズル２の角度に細心の注意をはらわなければなら
ない。そこで、オイルジエツト１のヘツド８に尖
部９を形成し、かつ、シリンダブロツク４のオイ
ルジエツト取付用ボス５のオイルジエツト取付座
面１０に位置決め用孔１１を形成し、ヘツド８の
尖部９とオイルジエツト取付座面１０の位置決め
用孔１１を一致させることにより、ノズル２の角
度を一定位置にさせるようにしている。ところ
が、オイルジエツト１をシリンダブロツク４のオ
イルジエツト孔６に圧入する際に、オイルジエツ
ト１の圧入部７はシリンダブロツク４のオイルジ
エツト孔６内で回転が行い得るから、オイルジエ
ツト１をシリンダブロツク４に圧入した状態での
両者の関係は一定位置とならない。従つて、圧入
後にスパナ等でオイルジエツト１をオイルジエツ
ト孔６内で回動して座面１０の位置決め孔１１と
ヘツド８の尖部９を一致させている。これが為、
圧入作業に相当の手数と時間が掛り、しかも、か
なりの熟練技術を必要とする。

この考案は上記従来の欠点に鑑み、これを改良
除去するもので、ピストン冷却用オイルジエツト
のシリンダブロツクへの圧入が合理的に行なわ
れ、かつ、複数のオイルジエツトの圧入が連続的
に能率よく行なわれる装置を提供せんとするもの
である。

以下この考案をデイーゼルエンジンのシリンダ
ブロツクにピストン冷却用オイルジエツトを圧入
する場合を実施例に説明すると次の通りである。

即ち、この考案に係るピストン冷却用オイルジ
エツト１の圧入装置１２は１枚のガイドプレート
１３と４個のソケツト１４とからなる。上記ガイ
ドプレート１３は例えば平板状の鋼板を素材と
し、４個所にソケツト取付用孔１５をシリンダブ
ロツク４に穿設したオイルジエツト孔６と対応し
て穿設すると共に、この各ソケツト取付用孔１５
に夫々直交方向に開口するセツトビス螺挿孔１６
が穿設してある。また、各ソケツト１４はシリン
ダブロツク４のオイルジエツト取付座面１０に嵌
まる筒体で、その内周面にオイルジエツト１のヘ
ツド８を回動を規制してスライド可能に嵌合し得
るようになした例えば五角形状のヘツドガイド孔
１７を穿設し、かつ、一方の端部外周面を若干小
径にして取付用小径部１８を形成しており、この
取付用小径部１８を段面が突き当るまでガイドプ
レート１３のソケツト取付用孔１５に嵌挿し、セ
ツトビス螺挿孔１６に螺挿したセツトビス１９の
先端尖部を取付用小径部１８に設けた凹部に喰い
込ませてガイドプレート１３に夫々取付けられて
いる。

以上がこの考案の圧入装置１２の構成で、次に
この圧入装置１２を用いたシリンダブロツク４へ
のオイルジエツト１の圧入動作について説明す
る。

先ず、各ソケツト１４の端面をシリンダブロツ
ク４のオイルジエツト取付座面１０に夫々接当嵌
合してシリンダブロツク４の側面下部に第６図に
示すように圧入装置１１をセツトする。次に、オ
イルジエツト１を所定方向で各ソケツト１４のヘ
ツドガイド孔１７からシリンダブロツク４のオイ
ルジエツト孔６に第７図に示すように入り込むと
ころまで嵌入する。この後、ハンマー等でオイル
ジエツト１のヘツド８を叩打し、第８図に示すよ
うにヘツド８がオイルジエツト取付座面１０に突
き当るまで打込ませる。すると、オイルジエツト
１の圧入部７はシリンダブロツク４のオイルジエ
ツト孔６に圧入され、オイルジエツト１はシリン
ダブロツク４に取付けられる。このとき、オイル
ジエツト１はヘツド８がソケツト１３のヘツドガ
イド孔１７により回動を規制されている為、オイ
ルジエツト１がシリンダブロツク４に圧入した状
態での両者の関係は常に一定位置となり、ノズル
２の角度は正確にピストン３の所定位置に向けら
れている。

以上説明したように、この考案はシリンダブロ
ツクのオイルジエツト孔と対応する複数のソケツ
ト取付用孔を設けたガイドプレートと、シリンダ
ブロツクのオイルジエツト取付座面に嵌る筒状
で、その内周面にオイルジエツトのヘツドを回動
を規制してスライド可能に嵌合し得るようになし
たヘツドガイド孔を設けたソケツトとからなり、
上記ガイドプレートの各ソケツト取付用孔に夫々
上記ソケツトを取付けて構成した内燃機関のピス
トン冷却用オイルジエツト圧入装置を特徴とし、
この圧入装置を用いてオイルジエツトのシリンダ
ブロツクへの圧入を行うことにより、圧入作業が
合理的にかつ正確に行なわれ、しかも、複数本の
圧入が連続的に能率よく行なわれて有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は内燃機関の要部断面を示す図面、第２
図はオイルジエツトをシリンダブロツクに圧入し
た状態でのオイルジエツトの端面及びシリンダブ
ロツクのオイルジエツト取付座面を示す図面、第
３図はこの考案に係るピストン冷却用オイルジエ
ツト圧入装置を示す正面図、第４図はその平面
図、第５図は第３図の−線に於ける拡大断面
図、第６図はこの考案の圧入装置をシリンダブロ
ツクにセツトした状態を示す図面、第７図及び第
８図はオイルジエツトの圧入動作を示す図面であ
る。 １……ピストン冷却用オイルジエツト、４……
シリンダブロツク、８……ヘツド、１２……圧入
装置、１３……ガイドプレート、１４……ソケツ
ト、１７……ヘツドガイド孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダブロツクのオイルジエツト孔と対応す
   る複数のソケツト取付用孔を設けたガイドプレー
   トと、シリンダブロツクのオイルジエツト取付座
   面に嵌る筒状で、その内周面にオイルジエツトの
   ヘツドを回動を規制してスライド可能に嵌合し得
   るようになしたヘツドガイド孔を設けたソケツト
   とからなり、上記ガイドプレートの各ソケツト取
   付用孔に夫々上記ソケツトを取付けて構成した内
   燃機関のピストン冷却用オイルジエツト圧入装
   置。