JPH0112869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は幼児が人形と共に用いる哺乳瓶その他
液体を収容した小道具のための玩具用液体容器に
係るものである。

従来幼児が人形を扱つて遊戯を行なう際、哺乳
瓶その他小道具を必要とし、且それらの小道具が
実際のものと同様な機能を有することが望まれて
おり、例えば哺乳瓶に就て云えば、瓶内に乳液状
の液体が封入され、瓶を倒立させて乳を飲ませる
仕草を行なうと、瓶内の液体が不透部の上蓋部に
流入して、あたかも人形が乳を飲んだ如き状態を
行なうものが公知であつた。

しかしこの哺乳瓶は、瓶を倒立状態にしたとき
のみ作用するので、倒立の状態にて行なう仕草が
不自然である液体の飲用動作、例えばコツプから
ジユースを飲む、水を飲むなどの動作は行なえな
かつた。

本考案はその欠点を除き従来行えなかつた倒立
以外の姿勢にても作用する液体容器を得ることを
目的としたもので、以下図面について詳述する。

第１図、第２図は本考案を哺乳瓶とした実施例
の斜視図、縦断面図で、適宜容積をもち透明素材
から成る中空の外容器１内に、該外容器１の内径
よりやや狭小の外径とし、上方をしぼつて通孔２
を設け、該通孔２に上下が開口した保持筒３を嵌
合して球弁４を遊動自在に内装すると共に、下方
側壁に１個以上の小孔５を穿設した中空の透明素
材から成る内筒６を、外容器１の内壁と隙間７を
あけて挿設し、該隙間７部に充満する量の乳白色
の溶液８を注入して、不透明素材にて形成した上
蓋９を外容器１の上部開口に嵌合して密封したも
のである。このとき球弁４の重さは溶液８の全容
量の重さより大であることが必要である。

上述の如く構成すると、球弁４が通孔２を閉塞
して、内筒６内の気圧は移動できず隙間７内に注
入されている溶液８は小孔５が穿設されていても
内筒６に流入せず、外容器１の透明側壁から溶液
８が容器全体に充満している如く視見される。

次いで溶液８の移動について説明すれば、第３
図に示す如く、上述と同様なイ図の状態から乳を
飲ませる仕草で容器を倒立すると、ロ図に示す如
く隙間７部の溶液８は側壁にそつて実線矢印の如
く不透明素材で形成された上蓋９内に流入し、容
器外側から視見することができず、あたかも人形
が乳を飲んだ如き現象となる。このとき球弁４が
通孔２を開とするが溶液８の流入することに支障
がない。

このロ図の状態から正立させれば溶液８の一部
は内筒６内にも流入するがイ図の状態に戻る。し
かして倒立以外の姿勢で隙間７内の溶液８を移動
させるには、ハ図の如く容器上方部を一方向に傾
けると、球弁４は保持筒３の側壁側に転動して通
孔２が開となり、内筒６内の空気が点線矢印の如
く流出し、隙間７に存する溶液８は小孔５から実
線矢印の如く内筒６内に流入して隙間７部の液面
が低下し、前記倒立させた状態と同様に人形が飲
んだ如き現象が視見できる。この際容器を元の姿
勢に戻せば球弁４が戻り小孔５からの流入を途中
で止めることができるハ図の状態から元の状態に
復元するには一度ロ図の如く倒立させると、隙間
７部の溶液８は側内壁にそい、また内筒６内の溶
液８は通孔２を経て、夫々上蓋９に移動し、次い
でイ図の如く正立させれば球弁４が閉じて溶液８
は隙間７部に戻る。

上述の如く内筒６上方の通孔２部に遊動自在の
球弁４を設けたことによつて、外容器１の上部を
僅かに自由な一方に傾けることにより、内筒６内
の気圧を除き小孔５より溶液８が流入して、外見
する液面の低下が図れるから、実施例に示した哺
乳瓶に於ても倒立以外の姿勢で人形に乳を飲ませ
る仕草ができ、さらに外容器を他の容器、例え
ば、ジユース状溶液を注入したコツプからストロ
ーにて吸飲する仕草、コツプから水を飲む仕草な
ど、倒立では不自然な仕草を満足させ極めて広範
囲の遊戯が実施でき、有効な附属玩具を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を哺乳瓶とした斜視図、
第２図は同じく縦断面図、第３図イ〜ハは溶液の
移動状態を示す縦断面図である。 １……外容器、２……通孔、３……保持筒、４
……球弁、５……小孔、６……内筒、７……隙
間、８……溶液、９……上蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜容積の透明素材から成る中空の外容器内
   に、該外容器内径よりやや狭小の外径とし、上方
   に通孔を設けて、該通孔に遊動自在とした球弁を
   設けると共に、下方側壁に小孔を穿設した中空の
   透明素材から成る内筒を隙間をあけて挿設し、該
   隙間部に充満する量の溶液を注入して、不透明素
   材にて形成した上蓋をもつて密封した玩具用液体
   容器。