JPH0111438Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は食肉スライサーのように往復動する肉
箱を有する肉箱駆動制御装置に関するものであ
る。

冷凍肉のように硬い肉を食肉スライサーにより
スライスする時、肉塊が丸刃にくい込み肉箱の往
復動が停止してしまうことがある。この様な場合
に備えて冷凍肉専用の食肉スライサーには、くい
込んだ肉塊を丸刃から離れる方向に引き戻すため
に肉箱駆動モーターを逆転させる手段を持つてお
り、このための逆転スイツチを備えている。即ち
上記の状態が生じた場合、先ず正転スイツチを切
り次に逆転スイツチを操作して肉箱を丸刃から引
き戻すものである。生肉の様なやわらかい肉塊を
スライスする生肉用スライサーにおいては、スラ
イス作業の能率を上げるため肉箱停止スイツチを
肉箱のどの様な位置で操作しても肉箱が必ず所定
の位置で停止する様にした定位置停止装置があ
る。この装置は肉箱を止めたい位置に位置検出ス
イツチを設け、肉箱がこの位置に来た時、肉箱駆
動機構部にブレーキをかけ停止させると共にモー
ターの電源をしや断するようにしたものである。

冷凍肉専用の食肉スライサーに定位置停止装置
を設ける際に考慮すべきことが２点ある。

第１の肉塊が丸刃にくい込み肉箱が停止する位
置は不定である。従つて前記位置検出スイツチが
作動しない位置に停止した時は、肉箱駆動モータ
ーの電源がしや断されず拘束電流が流れ続けモー
ターを破損する事態が生ずるためこれを回避しな
ければならない。

第２に肉塊が丸刃にくい込んだ状態を可能な限
り速やかに解除する必要がある。即ち操作スイツ
チの数はできるだけ少なくすることである。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、この種の食肉スライサーの機能を増加さ
せ、併せてスイツチ類の操作を簡便にすることで
ある。

本考案は、回転軸にボールベアリングのインナ
ーレースを固定させ、アウターレースには軸方向
に余圧を与え回転軸を回転させるとアウターレー
スは、ボールベアリング中のボールの摩擦により
回転し、回転軸が停止するとアウターレースも停
止することに着目すると共に、肉箱の定位置停止
回路の位置検出スイツチと、肉箱駆動装置の回転
軸が回転、停止を検出する検出スイツチとを直列
に結線すると定位置停止回路がしや断されること
に着目し、肉箱駆動装置の回転軸の回転、停止を
検出できるように、検出スイツチ、入力軸、ボー
ルベアリング、スラストベアリング、圧縮バネ、
カラー、検出バーの関係を工夫したものである。

第１図、第２図、第３図、第４図に本考案の具
体的実施例を示す。

丸刃２は機台１の片隅に立設した丸刃ベース１
３に軸支されている。肉箱４は機台１上に固定さ
れたレール１４上を摺動自在に支持され、機台１
に固定された減速機３とクランク装置１５により
連結されている。減速機３の入力軸５にはボール
ベアリング６のインナーレース６Ａとプーリー９
が固定されている。ボールベアリング６のアウタ
ーレース６Ｂには検出バー７を固定したカラー８
が固着されている。カラー８とプーリー９との間
には圧縮バネ１１とスラストベアリング１０が設
けられている。一方減速機３には検出バー７と係
合する位置に検出スイツチＳ２が固定されてい
る。又ストツパーピン１２は検出バー７が検出ス
イツチＳ２と係合する位置から検出スイツチＳ２
より離れる位置までの範囲内で動作する様に減速
機３に固定されている。機台１に装着されている
モーターＭはベルト１６を介してプーリー９と連
結されている。

モーターＭと電源との間にリレーの常開接点
MA１が設けられ、該常開接点MA１と並列に常
開接点MB１が前記モーターＭの回転を逆にする
様設けられている。一方電源と常開接点MA１と
の間から引き出されたＳ相、Ｔ相間には、リレー
コイルMAと常閉接点MB２と運転スイツチＳ１
を直列に、更にリレーコイルMBと常閉接点MA
２と逆転スイツチＳ４を直列に結線されている。
又検出スイツチＳ２と機台１に装着された位置ス
イツチＳ３を直列に結線し、これを運転スイツチ
Ｓ１と並列に結線されている。

運転スイツチＳ１をONするとリレーコイル
MAが作動し常開接点MA１が閉じモーターＭが
回転し、ベルト１６により減速機３のプーリー９
が回転し、クランク装置１５により肉箱４がレー
ル１４上を往復動する。この時プーリー９の回転
によりカラー８が矢印Ｘ方向に回転し検出バー７
がストツパーピン１２に当接して停止する。この
時検出バー７は検出スイツチＳ２より離れ、検出
スイツチＳ２が閉じる。運転スイツチＳ１を切る
と、肉箱４の停止位置に設けた位置スイツチＳ３
まで肉箱４が戻り位置スイツチＳ３に当接すると
位置スイツチＳ３の接点が開き肉箱４は停止す
る。スライス途中で肉塊が丸刃２にくい込み肉箱
４が停止すると減速機３のプーリー９の回転が停
止するとボールベアリング６のアウターレース６
Ａに装着されたカラー８に固定されている検出バ
ー７の重量により矢印Ｙ方向に回転しストツパー
ピン１２に当接し検出スイツチＳ２の所で停止す
る。これにより検出スイツチＳ２の接点が開く。
作業者は肉箱が停止した事を目視により判断する
ことにより運転スイツチＳ１を切る。以上によつ
てリレーコイルMAの電源が切れ常開接点MA１
が開きモーターＭの電源がしや断される。次に逆
転スイツチＳ４を押すことによりリレーコイル
MBが作動し常開接点MB１が閉じモーターＭが
逆転して肉箱４が丸刃２より離れる。常閉接点
MB２と常閉接点MA２はリレーコイルMAとリ
レーコイルMBとによりインターロツクされてお
り、同時に運転スイツチＳ１と逆転スイツチＳ４
を操作することによりモーターＭの駆動回路のシ
ヨートを防止する。

第５図に本考案の変形例を示す。前記の具体的
実施例では検出バー７を矢印Ｙ方向に回転させる
には、検出バー７の重量による重力を利用してい
るが、減速機３の入力軸５が垂直方向に設置しな
ければならない時、検出バー７が矢印Ｙ方向に回
転しない事態が生じてしまう。このため検出バー
７と減速機３との間に戻しバネ１７を設けプーリ
ー９の回転が停止した時に強制的に検出バー７を
矢印Ｙ方向に回転させる様にしたものである。

本考案によれば、肉箱往復動の駆動装置の回転
部の回転、停止を検出できる検出スイツチを定位
置停止回路中に設けることにより、肉箱が途中で
停止しても検出スイツチにより自動的に定位置停
止回路をしや断することができ、定位置停止回路
と逆転用回路との組合せができる。従つて従来の
冷凍用の食肉スライサーに比べスライス作業の能
率向上がはかれる。又スイツチの操作を簡便にす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる食肉スライサーの駆動制
御装置の一実施例を示す正面図、第２図は入力軸
部の一部拡大縦断面図、第３図は第２図の−
線縦断面図、第４図は本考案実施例の駆動制御回
路図、第５図は変形例の縦断面図である。 図において、１は機台、２は丸刃、３は減速
機、４は肉箱、５は入力軸、６はボールベアリン
グ、６Ａはインナーレース、６Ｂはアウターレー
ス、７は検出バー、８はカラー、９はプーリー、
１０はスラストベアリング、１１は圧縮バネ、１
２はストツパーピン、１３は丸刃ベース、１４は
レール、１５はクランク装置、１６はベルト、１
７は戻しバネ、Ｘは矢印、Ｙは矢印、Ｍはモータ
ー、Ｓ１は運転スイツチ、Ｓ２は検出スイツチ、
Ｓ３は位置スイツチ、Ｓ４は逆転スイツチ、MA
はリレーコイル、MBはリレーコイル、MA１は
リレーコイルMAの常開接点、MB１はリレーコ
イルMBの常開接点、MA２はリレーコイルMA
の常閉接点、MB２はリレーコイルMBの常閉接
点である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台の片隅に回転駆動される丸刃を設け、機台
   に装着されたモーターと減速機とから成る駆動装
   置により前記丸刃に向けて往復動する肉箱を設け
   ると共に、モーターの駆動回路を開閉する運転ス
   イツチと、前記モーターを逆転させる逆転駆動回
   路を開閉する逆転スイツチとを設けて成る食肉ス
   ライサーにおいて、減速機の入力軸にボールベア
   リングのインナーレースを固着させ、該ボールベ
   アリングのアウターレースには検出部材を固着さ
   せると共に、入力軸に固着されたプーリーと前記
   検出部材との間にスラストベアリングと圧縮バネ
   とを設け、検出スイツチは前記検出部材と係合す
   る様に減速機に固定し、ストツパーピンを検出ス
   イツチと係合する位置から検出スイツチより離れ
   る位置まで動作する様に減速機に固定させ、一
   方、肉箱４の位置を検出する位置スイツチを機台
   に設け、モーターの駆動回路には、検出スイツチ
   と位置スイツチの接点を直列に結線した回路を運
   転スイツチの接点と並列に結線して成る食肉スラ
   イサーの駆動制御装置。