JPH0111011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンバインなどにおける排稈処理装
置に関する。

〔従来技術とその課題〕

脱穀済みの排稈を、コンバイン本体の後部に設
けたデイスク型カツターにより細断し、この細断
排稈をそのまま圃場の落下放置は提案されている
が、このような装置においては、排稈の根本側量
が穂先側に比べて非常に多いことから、圃場に細
断排稈が均厚に放置されることなく、根本側が層
厚の放置状態となる。このため、堆肥効果をよく
するために、人手により放置排稈を均厚に均す作
業が要求され、省力化に逆行する結果となつてい
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、このような実情に対応すべくなされ
たもので、簡単な装置によつて細断排稈の均厚放
置をなさしめ、後処理の省略、および、堆肥効率
の向上を計らんとするもので、従来技術の課題を
解決する本考案の構成は、コンバイン本体の後部
に、脱穀調整済みの排稈を稈身方向に一挙に細断
処理し、この細断排稈を下方に落下放出するデイ
スク型カツターを設け、該デイスク型カツターの
放出口に、細断された排稈を根本側より穂先側に
移送放出する水平姿勢のスクリユー移送体を設け
た排稈処理装置において、上記スクリユー移送体
の排稈根本側の所要範囲に、適当の間隙を介して
根本則細断排稈の落下放出規制体を沿設し、該放
出規制体を、上記スクリユー移送体に対して近
接，離反可能としたことを特徴とするものであ
る。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面について説明すると、Ａ
はコンバイン本体、Ｂはデイスク型カツター、Ｃ
は脱穀機、Ｄは走行体である。

上記デイスク型カツターＢは既に知られている
ように、カツターケース１に高，低速回転軸２，
３を平行に軸架し、高速回転軸２には回転刃４
を、また、低速回転刃３には送り込み体５が互い
に噛合関係をもつように設けてある。上記カツタ
ーケース１の下部は開放されており、このカツタ
ーケースのスカート部１ａには、上記高、低速回
転軸２，３と平行に水平姿勢のスクリユー移送体
６が比較的高速回転（高速回転軸と略同速）する
ように軸架されている。

そして、このスクリユー移送体６の根本側の一
側、即ち、コンバイン本体Ａ側には、上端をカツ
ターケース１の前壁部内面に軸支せしめた根本則
細断排稈の落下放出調節板（落下放出規制体）７
が近接，離反可能に臨まれており、また、この落
下放出調節板７に対応したカツターケース１の後
壁部内面には、落下放出調節板７より若干短尺
で、かつ、端面形状がく字形の細断排稈案内板８
が設けてある。そして、この案内板８の上面斜辺
８ａの延長が、上記スクリユー移送体６の軸６ａ
の中心、または、この軸６ａの上辺部を通るよう
にする。

上記落下放出調節板７のカツターケース側壁に
近接した側には舌片９に植設した螺杆１０をカツ
ターケース１の外に突出させ、これに図示してな
い締付ナツトを螺合し、落下放出調節板７を上記
スクリユー移送体６の一側面に対して近接，離反
するようにしたものである。また、この落下放出
調節板７の下部には、スクリユー移送体６と略同
心円状の凹面部７ａを形成し、根本側細断排稈の
穂先側方向への移送効率が高められるようにして
ある。

また、上記スクリユー移送体６の排稈穂先側端
部には、この移送体の軸６ａの軸線方向にそつた
放出板６ｂがスクリユー６ｃ端に連設してあり、
而もこの軸６ａ端は、カツターケース１の側壁内
側に設けた軸受板１１の軸受１２に軸支されてい
る。該軸受１２は、第４，５図に示す如く、軸受
板１１に設けた内向きで、かつ、下半分を開放し
た半円形状の凹所１１ａ内に設けられ、更に上記
軸６ａ端に設けた側面規制用の外向き椀状体１３
の開口縁を、上記凹所１１ａ内に介入させるとと
もに、この外向き椀状体１３の下部を上記軸受板
１１の下円から下方に露出解放させ、凹所１１
ａ、および、外向き椀状体１３内に介入した塵な
どをこの椀状体１３、および、凹所１１ａの下部
から外部に放出するようにしたものである。

従つて、このような軸受板１１を必要とするた
め、カツターケースのスカート部１ａの側壁を外
方に傾斜させ、この傾斜側壁内面に上記軸受板１
１をとりつけ、上述の効果が得られる構造とした
ものである。図中１４，１５は歯車、１６，１７
はプーリー、１８はベルト、１９はテンシヨンプ
ーリー、２０は排稈の細断、集稈の切換板、２１
は開閉カバーである。

〔作用の説明〕

次に、脱穀調整済み排稈の細断作用について説
明すると、デイスク型カツターＢにおいて細断さ
れた排稈は、そのままカツターケース１の下方に
落下し、圃場に放出せしめられる。しかしなが
ら、細断量の多い排稈の根本側は、いきなり圃場
に放出されることなく、その70〜80％の根本側細
断排稈は、スクリユー移送体６による移送作用、
落下放出調節板７による放出量の規制作用と案内
板８の相乗作用で穂先側方向に移送されつつ順次
放出される。従つて圃場には、従来のように、根
本側の堆積層が厚く、穂先側の堆積層が薄くなる
ことがなく、圃場上には均等厚の細断排稈堆積層
が形成できる。また、根本側の細断排稈量の多寡
により、落下放出調節板７をスクリユー移送体６
に近接、あるいは、離反させてその移送量を調節
するものである。

〔考案の効果〕

上述のように本考案の構成によれば、次のような
効果が得られる。

(a) デイスク型カツターによつて細断された根本
側排稈を、穂先側に移送しつつ圃場上に略均厚
に細断排稈を放置させることができ、後処理の
省略が計れ、更に、堆肥効率の向上が計りう
る。

(b) 放出規制体と、スクリユー移送体との間隙を
大小調節可能としたので、根本側の細断排稈量
の多寡により、落下放出規制体とスクリユー移
送体との間隙を調節し、移送量が調節できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部省略側面図、第２図は要部の一部
切欠正面図、第３図は同上要部の側断面図、第４
図はスクリユー移送体の一部切欠正面図、第５図
は同上一部切欠側面図である。 Ｂ……デイスク型カツター、１……カツターケ
ース、１ａ……スカート部、６……スクリユー移
送体、７……落下放出調節板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コンバイン本体の後部に、脱穀調整済みの排稈
   を稈身方向に一挙に細断処理し、この細断排稈を
   下方に落下放出するデイスク型カツターを設け、
   該デイスク型カツターの放出口に、細断された排
   稈を根本側より穂先側に移送放出する水平姿勢の
   スクリユー移送体を設けた排稈処理装置におい
   て、 上記スクリユー移送体の排稈根本側の所要範囲
   に、適当の間隙を介して根本側細断排稈の落下放
   出規制体を沿設し、該放出規制体を、上記スクリ
   ユー移送体に対して近接、離反可能としたことを
   特徴とする排稈処理装置。