JPH01106802A - イネ科作物の生育方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ａ、産業上の利用分野 本発明は、イネ科作物の生育方法に関するものである。

更に詳しくは、イネ、ムギ類、トウモロコシなどのイネ
科作物にプラシノライド類を処理してこれらの最終目的
物である穀物を増収する方法に関するものである。

ｂ、従来技術 植物の生育調節、特に成長促進のための研究は、主要穀
物を中心として近年急速にかつ広範に進められている。

中でもオーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、アブ
シジン酸、エチレンのごとき植物ホルモンは実用化され
ており、更に新しい植物ホルモンが数多く提案されてい
る。

近時提案された植物生長促進物質の一つとしてプラシノ
ライドがある。プラシノライドは、ミツチェルとマンダ
ーバらがセイヨウアブラナの花粉中から見いだしたもの
である［Ｍｉｔｃｈｅｌｌ　、　Ｊ。

Ｗ、　、　Ｎ、　Ｍａｎｄａｖａ、　Ｊ　、　Ｆ、　Ｗ
ｏｒｌｅｙ　ａｎｄ　Ｊ　。

Ｒ，Ｐｌｉｍｅｒ　、　Ｎａｔｕｒｅ　、　２２５．１
０６５（０９７Ｇ）参照］。このプラシノライドは、ミ
ツチェルらの研究によって、インゲンマメの若芽に使用
することによって極めて顕著な伸長作用があることが確
認された。その後、マンダーバーらは、このプラシノラ
イドが下記の化学構造であることを確認し発表した［　
Ｎ　ａｔｕｒｅ　、　　２８１．　２１６　（１９７９
）参照］。

プラシノライドは、前記のごとき複雑な構造を有するス
テロイドの一種であり、その化学的合成も種々試みがな
され、またその類縁体の開発並びにその生理活性の研究
も盛んに行われている。

例えば、ホモ−プラシノライドやエビ−プラシノライド
などの類縁体も数多く提案され、その１部はプラシノラ
イドと同様の活性を有することが知られている。

従来知られたプラシノライド類は、植物への生理活性効
果が種々調べられ報告されている。それらの内いくつか
の例を示すと、稲、トウモロコシ。

大豆、小麦、トマト、キラリなどの穀物、野菜に対する
増収効果：稲やトウモロコシに対する生長促進効果；そ
の他生前環境の悪化に対する耐ストレス効果二などが知
られている。　　　′このようにプラシノライド類の生
理活性の研究は、主要穀物及び野菜類を中心に行なわれ
ているが、現実に増収効果が確認された例は、極めて少
ない。殊に穀物に関しては、増収効果が確認されたのは
極めて少なく、その効果は僅少である。

本発明者がプラシノライドをコムギに対して処理した圃
場での実験を行った結果では、プラシノライドを処理し
ない対照例と比べて、増収効果は全く認められず、むし
ろ成る場合には若干のマイナス効果が認められた。

Ｃ１発明の目的 本発明の目的は、イネ科作物の穀物の増収を可能ならし
める方法を提供することにある。

本発明の他の目的は、プラシノライド類を用いてイネ科
作物の子実の増収を可能ならしめる方法を提供すること
にある。

本発明の他の目的は、安全で且つ経済的な手段によって
イネ科作物の子実の増収を行う方法を提供することにあ
る。

本発明のさらに他の目的は、以下の説明から一層明らか
となるであろう。

ｄ０発明の構成 本発明者の研究によれば、前記本発明の目的は、イネ科
作物にその少くとも開花期に、プラシノライド類および
オーキシン類を処理せしめることにより達成されること
がわかった。

かかる本発明方法においては、プラシノライド類および
オーキシン類を組合せて処理することによって、これら
夫々を単独で使用した場合に比較して、イネ科作物の子
実を増収することが可能となる。

本発明の生育の対象とする植物はイネ科に属する作物で
あり、好ましくは穀物の生産を目的として栽培されてい
るものである。具体的には、イネ。

ムギ類またはトウモロコシであるのが望ましい。

本発明において使用されるプラシノライド類とは、ブラ
シノステロイド骨格を有し、プラシノライドと同様の生
理活性を有するものを包含する。

かくして本発明において、プラシノライド類としては、
プラシノライド自体のみならず種々のその光学異性体、
類縁体であってもよい。

プラシノライドは、２α、２α、　２２Ｒ、２３Ｒ−テ
トラヒドロキシ−２４８−メチル−Ｂ−ホモ−７＝オキ
サ−５α−コレスタン−６−オンと称され、下記化学式
で表わされる融点が２４７〜２１５℃の化合物であり水
にＨ溶である。

前記プラシノライドの類縁体の１つとして、下記化学式
で表わされるホモプラシノライドも使用することができ
る［Ｋ、　Ｍｏｒｅ　；　Ａｇｒｉｃ、３ｉｏ１　。

Ｃｈｅｍ　、、　４４．１２１１　（１９８１）参照］
。

また他の類縁体として下記化学式で表わされるエビプラ
シノライドであってもよい。

さらに前記したプラシノライド、ホモプラシノライドお
よびエビプラシノライドの他に、プラシノライドの他の
光学異性体、置換体や類似構造体であって、プラシノラ
イドと同様の生理活性を有するものであれば、本発明の
プラシノライド類として使用できる。

プラシノライド類は、前述したように水に難溶であるが
、極めて低濃度であっても活性を呈するので、水に微粒
子として分散させるか或いは水に可溶性の有機溶媒中に
溶解させて後、水と混合して使用することができる。か
かる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール
、プロパツールの如き低級アルコール類；メチルエチル
ケトン。

メチルイソブチルケトンの如き低級ケトン類；メチルエ
ーテル、エチルエーテルの如き低級エーテル類を挙げる
ことができる。

また本発明方法を実施するに当り、プラシノライド類含
有液中には、生理活性効果を高めた含有液を安定に保持
するために、界面活性剤、乳化剤。

展着剤などのＦｊ！薬散布に一般的に使用される化合物
を含有することができ、またその方が通常好ましい。

本発明方法において、プラシノライド類をイネ科作物に
処理するに当って、プラシノライド類は極めて少量で効
果を有するので一般には、プラシノライド類の低濃度含
有液が使用される。かかる含有液中のプラシノライド類
の濃度は、一般にｏ、ｏｉ　ｘ　ｉｏ″Ｇ−ｐａＩｌ〜
１０１）ＤＩｌｌの範囲、好ましくは０．１ｘ　１０（
′ｐｐｍ　〜５　ｐｐｍの範囲、特に好ましくは１×１
０″ｌ′ｐｐＨ〜１　ｐｐｍの範囲であるのが有利であ
る。前記プラシノライド類含有液の濃度は、処理する時
期、処理方法、処理回数、イネ科作物の種類、目的など
によってその好適範囲は左右される。

本発明のイネ科作物の生育方法は、プラシノライド類を
前記溶媒に溶解した溶液或いはその水希釈溶液として葉
面に散布などの手段により処理することにより行なわれ
るが、プラシノライド類は、下記に説明する組成物とし
て処理することによりその効果がより高められ、また安
定して効果を発現させることができる。

すなわち、プラシノライド類を、水以外の成分が０）低
級脂肪族アルコール５０〜９５重量％、α）アミド系極
性溶媒１〜２０重量％、（至）ポリアルキレングリコー
ル１〜１５重量％及び（へ）展着剤０．２〜１０重量％
の割合よりなる混合液中に溶解した状態の溶液を調製し
、それをイネ科作物に処理することにより、より高めら
れた効果が得られる。

上記混合液中においては（０アミド系極性溶媒及び（ト
）ポリアルキレングリコールが前記割合混合されており
、これを混合して使用することにより、これらを使用し
ない場合に比べて、プラシノライド類の活性が向上し、
またその活性発現が安定化するという極めて優れた利点
が得られる。

これら混合液を構成する各成分について以下説明する。

（１）の低級脂肪族アルコールとしては、例えばメタノ
ール、エタノール、ｎ−プロパツール、　ｉｓ。

−プロパツール、ｎ−ブタノール、　１ｓｏ−ブタノー
ル、　５ｅａ−ブタノールであるのが好ましい。これら
低級脂肪族アルコールは、組成物に対して５０〜９５重
量％の範囲で使用され、好ましくは６０〜９０重量％の
範囲である。

０１）のアミド系極性溶媒としては、例えばジメチルホ
ルムアミド（ＤＭＦ）、Ｎ−メチルピロリドン（ＮＭＰ
＞、ジメチルアセトアミド（ＤＭＡＡ）などが挙げられ
、殊にＤＭＦまたはＮＭＰが好ましい。これらアミド系
極性溶媒は組成物当り、１〜２０重量％の範囲、好まし
くは２〜１５重世％範囲で使用される。

０のポリアルキレングリコールとしては、例えばポリエ
チレングリコール（ＰＥＧ）、ポリプロピレングリコー
ル、ポリブチレングリコール或いはこれらの共重合体を
示すことができるが、特にポリエチレングリコール（Ｐ
ＥＧ）が好ましい。

これらポリアルキレングリコールは、分子量３００〜ｓ
、ｏｏｏ好ましくは５００〜３，０００の範囲が有利に
使用できるが、分子口は水又は低級脂肪族アルコールに
可溶性であれば、特に制限されない。これらポリアルキ
レングリコールは組成物当り、１〜１５重量％の範囲、
好ましくは２〜１０重量％の範囲で使用される。

（へ）の展着剤としては植物生長調節剤、除草剤。

殺虫剤、殺菌剤、防黴剤などの通常農薬組成物において
、展着剤として使用されているものを用いることができ
る。展着剤の具体例としては例えば、ポリオキシエチレ
ンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルア
リルエーテル、ポリオキシエチレンジアリルエーテルの
如きポリオキシアルキレンエーテル系；例えばポリオキ
シエチレンジアルキルエステル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリルエステル、ポリオキシエチレンジアリルエ
ステルの如きポリオキシアルキレンジエステル系：例え
ばジナフチルメタンスルホン酸ナトリウム、リグニンス
ルホン酸カルシウム、ジアルキルスルホサクシネートの
如きスルホン酸塩系などが挙げられる。これら展着剤は
、通常農薬用として市販されており、それを使用するこ
とができ、またこれらは、２種以上混合して使用するこ
とも可能である。展着剤は、組成物に対して０．２〜１
０重陽％好ましくは、０．３〜７重量％、特に好ましく
は、０．４〜５重ω％の範囲で使用される。

前記プラシノライド類含有溶液は、前記（＋）〜（へ）
よりなる混合液とプラシノライド類より形成される。プ
ラシノライド類はイネ科作物に対して極めて少量で活性
を発現するのでその含量は極少量でよい。従って組成物
中のプラシノライド類の含有割合は無視出来る程微量で
ある。一般には１×１０’　ｐｐｍ　〜１，０００ｐｐ
ｎ、好ましくは１×１１０６ｐｐ〜５００ｐｐｍの範囲
であればよい。

本発明の方法を実施するに当っては前記組成物は上記し
た組成の他にさらに水を含有していても何等差支えない
。プラシノライド類を使用するに当っては、前記の組成
物は、水で希釈して使用される。その場合水は、前記組
成物の１００〜７．０００重」倍、好ましくは２００〜
ｓ、ｏｏｏ重量倍の水で希釈して使用される。かような
水で希釈された組成物であっても、水を計算上瞼いた成
分が、前記範囲に入る限り、何等差支えなく使用出来る
。

前述したように、前記の組成物は、水で希釈して使用さ
れるが、その水で希釈した状態における組成物中のプラ
シノライド類の濃度は、前述した濃度、つまり０．０１
　Ｘ　１０−’　１１１１１０〜１１０１）Ｅｌの範囲
で使用するのが望ましい。

一方本発明においてオーキシン類としては、植物に対し
てオーキシン作用を有する植物ホルモンとして知られて
いるものが使用される。その例としては、α−ナフタレ
ン酢酸（ＮＡＡ）、インドール酢酸（ＩＡＡ）、５−ク
ロロインダゾール酢酸エチル（エチクロゼート）、２，
４−ジクロロフェノキシ酸１ｍ　（２，４−Ｄ）、４−
クロロフェノキシ酸１ｍ　（４−ＣＰＡ）などが挙げら
れる。これらの中でα−ナフタレン酢酸が好ましい。

本発明において前記オーキシン類は、既に説明したプラ
シノライド類の混合溶液中に混合して使用することがで
きるし、また別個の溶液として調製することもできる。

いずれにしてもオーキシン類の濃度は１〜５００ｐｐＨ
好ましくは５〜３００ｐｐｍ。

特に好ましくは１０〜・２００ｐｐｍの範囲が有利であ
る。

オーキシ類をプラシノライド類と混合して溶液を調製す
る場合には、前述したプラシノライド類の溶液を調製の
任意の段階でオーキシン類の所定量を混合すればよい。

一方オーキシン類のみを含む溶液を調製する場合は、そ
れ自体公知の方法で行うことができる。

本発明においてはイネ科植物の少くとも開花期にプラシ
ノライド類およびオーキシン類を処理するのであるが、
処理は、プラシノライド類およびオーキシン類の混合溶
液で散布することもできまたそれぞれの溶液を別個に散
布することもできる。

一般には混合溶液を散布処理するのが好ましい。

いずれにしても開花期に処理することが少くとも必要で
あり、処理はイネ科植物の葉面、茎、花序（穂）に散布
することにより行うのが望ましく、一般には全面散布す
るのが好ましい。殊に花序に集中的に散布すると一層効
果的である。

本発明の処理は、イネ科植物の開花期に少くとも１回〜
数回行えばよく、それ以外の時期例えば、開花前、開花
期侵或いはどう熟前にさらに追加的に処理しても、特に
支障のない限り許容される。

かくして本発明によれば、プラシノライド類単独或いは
オーキシン類単独を処理した場合に比べて、またこれら
のいずれも処理しなかった場合に比べて、穀物の収量が
増加し、好適条件下では、２０％以上特に好ましい条件
下では３０％以上の増加することがある。従って本発明
によれば、主要作物としての食糧の増産が可能となるの
でその価値は極めて甚大である 以下実施例を掲げて本発明を詳述する。

実施例 （１）　　処理液の調製と組成： Ｂ　Ｒ１０−２＋）ｌ）ｍ含有液ノ調製プラシノライド
（ＢＲ）１０■を３０１ｄのエタノールに溶解させ、得
られた溶液に水を加えて、プラシノライドの含有量が１
０ｐｐｍであるプラシノライド水溶液を調製した。

このプラシノライド水溶液の所定−を取りこれに１００
０倍値の水で希釈し１０−’ｐｐｎ＋のＢＲを含有する
水溶液を作った。この５旦を取って展着剤としてサーフ
ァクタントＯ［三笠産業■製。

組成（ポリオキシエチレンドデシルエーテル７８％十水
２２％）］約２ＣＣを加えてＢ　Ｒ１０−’　ｐｐｍ含
有液を調製した。

ＢＲＩＯ→ｐｐｍ含有液の調製 前記プラシノライド１０−２含有水溶液の所定量を取り
、これに１００倍量の水で希釈し、この５旦を取ってそ
れに前記展着剤約２ＣＣを加えてＢＲＩＯ→ｐｐｍ含有
液を調製した。

ＢＲとＮＡＡ混合液の調製 前記プラシノライド１Ｏ−２９ｐ−および１０″ｐｐｍ
含有液のそれぞれにα−ナフタレン酢酸を２０１）Ｉ）
ｌまたは５０ｐｐｍ含有せしめて（ＢＲ＋ＮＡＡ）混合
液を調製した。

（２生育試験； 本生育試験は帯広市別府町時田圃場にて実施された。

生育に使用したコムギ及び生育条件は下記の通ってあっ
た。

（１）　　コムギの品種：チホクコムギ（ｎ）　　播種
口：　１９８６年　９月１５日（至）　播種量：１２Ｋ
ｇ／１０ａ （へ）　栽植密度：うね幅１５α（ドリル播き）（Ｖ）
　　施肥量：元肥０８２　１００Ｎｙ／　１０ａ（成分
　Ｎ　１０Ｐ　２４Ｋ　１２） 施肥法は全面施肥 追肥　硫安２０Ｋｇ （Ｄ　除草剤：使用せず に）　中　耕二行なわず に）　生育状況二上 ０　病虫害：あかさび秒、うどんこ病が少々発生 （Ｘ）　　収穫日：　１９８７年　７月２７日ω　総酸
ｆｆｉ　：　　５７０に９／　１０ａ薬剤は前記６水準
を用い、対照区として無処理（無散布）区を設けた。処
理は開花後約１週間後の１９８７年６月２４日に菓面敗
布方式にて行った。１処理５ｏｃｃをｌｍＸ５ｍに散布
しそれぞれの薬剤を３反復行った。

調査は、各処理区の１　ｍＸ　１　ｍ収量（０Ｍ換算）
　、１０００粒重（０Ｍ換算）および１穂あたりの粒数
を調べることにより行った。その結果を下記表に示した
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. イネ科作物にその少くとも開花期に、プラシノライド類
   およびオーキシン類を処理せしめることを特徴とするイ
   ネ科作物の生育方法。