JPH01104755A - 摺動部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はセラミックスを用いた摺動部材に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来、摺動部材特にエンジン関係の摺動部材としては、
高温になると共に高回転の摩擦にも耐えなければならな
いため、耐熱合金等の高温に耐える金属材料がオイル等
の液体潤滑剤を介して使用されてきた。

しかしながら年々その要望される使用条件は厳しくなっ
てきておりまた液体潤滑剤なしで駆動する要望もあり、
金属材料では温度あるいは摩耗の点で耐えられないかあ
るいは短い周期で交換しなければならない欠点が生じて
きた。

そこで考えられたのはセラミック材料を摺動部材として
使用することであった。

セラミックスは高温に耐え、高耐摩耗性を有するがもろ
い欠点もあり、すべてのセラミックスがこのような摺動
部材として使用できるものではなかった。また、セラミ
ックスと金属の高温乾燥雰囲気下における摩擦係数は約
０．５〜０．６であり、エンジン関係の摺動部材に要求
される摩擦係数０．１〜０．２に比較して相当に高かっ
た。

先に本出願人はこの欠点を解消するため、特開昭６２−
１３８２０号公報において摺動面にＬｉＦとＣｕの混合
物を被覆した金属製部材とセラミック製部材とからなる
摺動部材を開示した。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、特開昭６２−１３８２０号公報に開示し
た摺動部材は、良好な摺動を達成できるものの、摩擦係
数が０．４程度であり、また摺動時の摩耗量が比較的大
であって、例えばエンジン関係の摺動部材としてはその
摺動特性は十分なものではなかった。

本発明の目的は上述した不具合を解消して、摩擦係数が
低く摩耗量が少ない例えばエンジン関係の摺動部材とし
て好適な摺動部材を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明の摺動部材は、少なくとも摺動面に、固体潤滑剤
と結合剤の混合物を被覆した金属製部材とセラミック製
部材とを摺動させる摺動部材において、前記固体潤滑剤
と結合剤の混合物がＬｉＦ　＋ＭｏＯ３，ＰｂＯ＋　Ｃ
ｕ　、’ＭＯ５２＋　Ｃｕ、　ＬｉＦ＋Ｎｉ−Ｃｒ−Ｍ
。

−Ｓｉ、　ＬｉＦ　＋Ｃｏ−Ｍｏ−Ｃｒ−Ｓｉから選ば
れる１種であることを特徴とするものである。

これ等固体潤滑剤と結合剤の混合物を金属製部材の摺動
面に被覆する方法としては、例えばプラズマスプレーを
含む溶射等が好適に用いられ得る。

セラミック製部材を構成するセラミック材料としては、
固体潤滑剤と結合剤とを被覆した金属製部材との摺動に
おいて、摩擦係数が低くかつ摩耗量が少ない点で、例え
ば窒化珪素、サイアロン、ムライト、部分安定化ジルコ
ニア、又は炭化珪素が好適である。

本明細書において、摺動部材とはバルブとバルブシート
のような当接部材およびローラベアリングのようなころ
がり接触する部材も含まれる。

さらに本明細書において、被覆とは部分的な被覆も含む
ものであり、特に金属製部材の表面に点在した凹状のく
ぼみにのみ固体潤滑剤と結合剤の混合物を被覆したもの
も含む。

さらにまた本明細書において、固体潤滑剤とは固体状態
で潤滑作用を持つ物質であってＬｉＦ＋Ｐｂ−０＋Ｍｏ
５ｔを含み、結合剤とは前記固体潤滑剤を金属製部材の
少なくとも摺動面を含む表面に固着させる物質であって
、Ｎｏ０８１．　Ｃｕ、　Ｎｉ−Ｃｒ−Ｍｏ−Ｓｉ、　
Ｃｏ−Ｍｏ−Ｃｒ−Ｓｉを含むものである。

また、これ等のセラミックスは、強度、耐熱衝撃性、耐
酸化性が高（、高温乾燥雰囲気用摺動部材の材料として
好ましい特性を有している。西独公開特許公報第２１３
１５つ９号公報、同第２０４１２８２号公報には、ガス
タービンのセラミック熱交換器と金属部材との摺動面の
シール材として、本発明で開示した固体潤滑剤と結合剤
の組合せが一部開示されている。熱交換器用セラミック
ス材料は、低熱膨張率であることが要求されるが、強度
はそれ程要求されないので、一般にコージェライト等の
多孔質セラミックスが用いられる。この点で、本発明と
は、目的及び用いるセラミックスの種類が異なるもので
ある。

（作　用） 上述した構成において、本発明は従来から知られている
窒化珪素、サイアロン、部分安定化ジルコニア、炭化珪
素等によりなるセラミック製部材と、摺動面に所定の固
体潤滑剤と結合剤の混合物を被覆した金属製部材との摺
動が、摩擦係数が低く摩耗量も少ないことを新規に見出
したことによる。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は本発明の摩耗等の摺動特性を測定した試験装置
を説明するための線図である。一方の試験片であるセラ
ミック材料は直径５０ｍｍのローラー１として装置にセ
ットした。このセラミック製ローラー１は図示しない駆
動装置により１１０００ｒｐで回転する。これに対し他
方の試験片である高速度工具鋼等の摺動相手材２は、４
０ｍｍ　Ｘ　６．３３ｍｍ　Ｘ　３　ｍｍ厚さの形状に
加工され、図示のようにアーム３によりローラ１と接触
する状態でセットする。アーム３の一端は支持具４にベ
アリング５およびバネ６を介して取付けられ、さらに支
持具４はピボット固定具７によりピボット運動ができる
よう構成されている。また支持具４では、アーム３の先
端が３　ｒｐｍの速度で回転する駆動装置８に連結した
カム９と当接しており、ベアリング５とバネ６の働きと
相俟って１分間に３回１２ｍｍのストロークでアーム３
を前後に動かす構造となっている。さらに、アーム３の
他端には下向きに２ＯＮの力を負荷して、一定の強さで
セラミック製ローラー１と相手材２とが当接できるよう
構成されている。セラミンク製ローラー１と相手材２は
高温での試験も行えるよう、加熱炉１０で囲まれている
。

ローラー１を取り付ける軸（図示せず）に取り付けたト
ルクメータ（図示せず）により摺動中の摩擦力を測定し
、摩擦力と荷重から摩擦係数を求めた。試験前後のロー
ラー重量変化を精度０．０００１ｇの天秤を用いて測定
した。相手材の摩耗深さは、試験前後の摺動部の板厚の
変化を精度１μｍのマイクロメータにより測定して求め
た。

夫庭五上 上述した試験装置を使用して、窒化珪素ローラーに対し
、種々の固体潤滑剤と結合剤を被覆した金属との間で摺
動試験を行った。摺動相手材として高速度工具鋼を用い
、その被覆面には全体に平均直径３８０μｍ平均深さ７
５μｍのくぼみをエツチングにより形成した。

第１表に示した固体潤滑剤と結合剤を摺動相手材に溶射
により被覆した後、被覆層が２５μｍとなるように研削
、研摩した。

摺動試験条件は温度５４０°Ｃ乾燥雰囲気中とした。

従来例として特開昭６２４３８２０号公報に開示のＣｕ
＋ＬｉＦ被覆したものを同一条件で試験した。結果を第
１表に示す。なお、第１表においてローラー重量変化が
プラスであることは、ローラーに金属が移着して潤滑層
を形成し、低摩擦であることを示している。逆にマイナ
スの場合は、ローラーへの金属種着量以上にローラーが
摩耗していることを示す。

試験結果より、発明品は摩擦係数、摩耗量とも従来例で
あるＣｕ＋ＬｉＦ被覆“のものより低いことがわかる。

これに対し発明品外は摩擦係数、摩耗量ともＣｕ＋Ｌｉ
Ｐより高い値を示した。

一般に金属とセラミックスが乾燥雰囲気中で摺動した時
に、金属はセラミックスに移着し、移着後、摺動面に潤
滑層を形成し、低摩耗となる。本発明は結合剤に使用し
た金属あるいは金属酸化物がセラミックスに移着したと
きにできる潤滑層と固体潤滑剤の相互効果により低摩擦
、低摩耗が実現したものである。

実星桝又 実施例１において良い摺動特性を示した固体潤滑剤と接
着剤の組合せＬｉＦ　＋ＭｏＯ３を用い、炭化珪素、ジ
ルコニア、サイアロン、ムライトのセラミックローラー
に対し、実施例１と同条件で摺動試験を行った。

結果を第２表に示す。

第２表より、試験したどのセラミックローラーも同等の
摩擦係数、摩耗量を示し、本発明の固体潤滑剤と接着剤
の組合せは窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、サイアロ
ン、ムライト等のセラミックスに対し有効であることが
わかる。

（発明の効果） 以上の説明により明らかなように本発明の摺動部材によ
れば、金属製部材の摺動面に所定の固体潤滑剤と接着剤
の混合物を被覆することにより、例えばエンジンや高温
ベアリングのような高温乾燥雰囲気中においても優れた
摩擦摩耗特性を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の摺動特性を測定した試験装置を説明す
るための線図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、少なくとも摺動面に固体潤滑剤と結合剤の混合物を
   被覆した金属製部材とセラミック製部材とを摺動させる
   摺動部材において、前記固体潤滑剤と結合剤の混合物が
   ＬｉＦ＋ＭｏＯ＿３、ＰｂＯ＋Ｃｕ、ＭｏＳ＿２＋Ｃｕ
   、ＬｉＦ＋Ｎｉ−Ｃｒ−Ｍｏ−Ｓｉ、ＬｉＦ＋Ｃｏ−Ｍ
   ｏ−Ｃｒ−Ｓｉから選ばれる１種であることを特徴とす
   る摺動部材。 ２、前記セラミック製部材が窒化珪素、サイアロン、ム
   ライト、部分安定化ジルコニア又は炭化珪素から構成さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   摺動部材。３、前記摺動部材がエンジン部材であること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   摺動部材。 ４、前記摺動部材がタペットとカムまたは、ロッカーア
   ームとカムであることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項または第２項記載の摺動部材。 ５、前記摺動部材がバルブとバルブシートであることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の摺
   動部材。 ６、前記摺動部材がライナーとピストンリングであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記載
   の摺動部材。