JPH0110158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレスのバランスシリンダの圧力
を、金型重量に応じて自動的に設定するための装
置に関する。

プレスには、スライドの上下動を円滑に行なう
ために、スライド、クランク、コンロツド、上型
などの重量を支持するバランスシリンダが設けら
れている。スライドに取付けられる上型は種々で
あり、その重量に応じてバランスシリンダに供給
される空気圧を調整する必要がある。従来、この
調整は金型交換時にその都度プレス運転員によつ
て行なわれていたが、調整作業が面倒であり、か
つ設定ミスを避けることができなかつた。

この考案の目的は、運転作業者の手を煩らわせ
ることなく、適切なバランスシリンダ圧力を自動
的に設定することのできるバランスシリンダ圧力
自動設定装置を提供することにある。

以下、この考案の実施例につて図面を参照して
説明する。

第１図は、バランスシリンダの空圧回路を示す
ものである。バランスシリンダ１には、空気源２
からメイン回路３を通じて空気圧が供給される。
このメイン回路３には、エアタンク４が設けられ
るとともに、このエアタンク４と空気源２の間に
パイロツト式主減圧弁５が設けられている。そし
て、この主減圧弁５にパイロツト圧を作用させる
パイロツト圧回路６には、複数の副減圧弁７ａ，
７ｂ，７ｃ…が並列に設けられるとともに、これ
らの副減圧弁７ａ，７ｂ，７ｃ…の２次側に同数
の切換弁８ａ，８ｂ，８ｃ…が直列に接続されて
いる。また副減圧弁７ａ，７ｂ，７ｃ…の１次側
は空気源２に接続されている。切換弁８ａ，８
ｂ，８ｃ…のON−OFFを切換えることにより、
副減圧弁７ａ，７ｂ，７ｃ…の２次側圧力が選択
的にパイロツト式主減圧弁５にパイロツト圧とし
て作用する。

第２図は、上記切換弁８ａ，８ｂ，８ｃ…の作
動用スイツチ９ａ，９ｂ，９ｃ…の取付状態を示
すものである。これらのスイツチ９ａ，９ｂ，９
ｃ…は、切換弁８ａ，８ｂ，８ｃ…と同数のリミ
ツトスイツチまたは近接スイツチで、スライド１
０の上型取付面に埋設されている。これらのスイ
ツチ９ａ，９ｂ，９ｃ…の出力信号は、切換弁８
ａ，８ｂ，８ｃ…の励磁コイルに作用して、その
ON−OFFを切換えることができる。そして、こ
のスライド１０に上型１１を取付けたときに、こ
れらのスイツチ９ａ，９ｂ，９ｃ…のうちいずれ
かが作動するようにする。これは、上型１１の取
付面における上記スイツチ９ａ，９ｂ，９ｃ…に
対向する位置に、いずれか１ケ所に孔１１ａをあ
けるか、またはこれと逆にそれ以外の位置のすべ
てに孔（図示略）をあけておくことによつて達成
される。さらに、上記対応位置にすべてに孔（図
示略）をあけておき、そのうちいずれかにピン
（図示略）などを挿入することにより、同様のこ
とが達成される。そこで、上型重量を、たとえば
１〜1.5トン、1.5〜２トン、２〜2.5トン…のよう
な複数段階に区分するとともに、これがスライド
１０に取付けられたときに、その区分に応じて作
動する上記スイツチ９ａ，９ｂ，９ｃの取付位置
をあらかじめ定めておく。一方、副減圧弁７ａ，
７ｂ，７ｃ…では、複数段階における各スイツチ
９ａ，９ｂ，９ｃの作動する区分での上型重量に
応じて２次側圧力が設定され、これがパイロツト
式主減圧弁５のパイロツト圧として最適なカウン
タバランス圧が得られるようなされている。

いま、スライド１０にある重量の上型１１が取
付けられたとすると。この上型１１の重量に応じ
てあけられた孔１１ａによつてスイツチ９ａが作
動する。その出力信号によつて切換弁８ａが切換
えられ、空気源２からの加圧空気は副減圧弁７ａ
および切換弁８ａを通り、パイロツト回路６を経
てパイロツト式主減圧弁５のパイロツト圧として
作用する。これによつて、エアタンク４には、空
気源２からパイロツト式主減圧弁５を経て空気圧
が供給され、上型重量に応じたカウンタバランス
圧が設定される。

以上説明したように、この考案は、バランスシ
リンダに空気圧を供給するパイロツト式主減圧弁
に、複数の副減圧弁の２次側圧力を、複数の副減
圧弁にそれぞれ直列に接続された切換弁によつて
選択的して切換えることによりパイロツト圧とし
て作用させるとともに、上記副減圧弁は、上型重
量に応じたカウンタバランス圧力が得られるよう
にそれぞれの２次側圧力が複数段階に設定されて
おり、上記切換弁の作動用リミツトスイツチまた
は近接スイツチがスライドの上型取付面の複数位
置に埋設され、スライドに上型を取付けた状態で
上型の重量に対応する対応スイツチのみが作動す
るように上型のスライド取付面における対応スイ
ツチと相対する部分に孔が設けられるか、または
対応スイツチを除いた全てのスイツチと相対する
部分に孔が設けられているので、スライドに上型
を取付けることにより、それだけの簡単な操作
で、その上型の重量に応じた適切なカウンタバラ
ンス圧力が自動的に設定することができる。した
がつて、運転作業者によつて調整が不要で、しか
も調整ミスが起こらず、金型自動交換システムの
採用を図る上でその効果を大にすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示し、第１図はバ
ランスシリンダに空気圧を供給する空気回路の構
成を示す回路図、第２図は、スライドに取付けら
れた切換弁の作動用スイツチの取付状態を示す説
明図である。 １……バランスシリンダ、５……パイロツト式
主減圧弁、７ａ，７ｂ，７ｃ……副減圧弁、８
ａ，８ｂ，８ｃ……切換弁、９ａ，９ｂ，９ｃ…
…切換弁作動用スイツチ、１０……スライド、１
１……上型、１１ａ……孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バランスシリンダ１に空気圧を供給するパイロ
   ツト式主減圧弁５に、複数の副減圧弁７ａ，７
   ｂ，７ｃ…の２次側圧力を、複数の副減圧弁７
   ａ，７ｂ，７ｃ…にそれぞれ直列に接続された切
   換弁８ａ，８ｂ，８ｃ…によつて選択的して切換
   えることによりパイロツト圧として作用させると
   ともに、上記副減圧弁７ａ，７ｂ，７ｃ…は、上
   型重量に応じたカウンタバランス圧力が得られる
   ようにそれぞれの２次側圧力が複数段階に設定さ
   れており、上記切換弁８ａ，８ｂ，８ｃ…の作動
   用リミツトスイツチまたは近接スイツチ９ａ，９
   ｂ，９ｃ…がスライド１０の上型取付面の複数位
   置に埋設され、スライド１０に上型１１を取付け
   た状態で上型１１の重量に対応する対応スイツチ
   ９ａのみが作動するように上型１１のスライド取
   付面における対応スイツチ９ａと相対する部分に
   孔１１ａが設けられるか、または対応スイツチ９
   ａを除いた全てのスイツチ９ｂ，９ｃ…と相対す
   る部分に孔１１ａが設けられている、バランスシ
   リンダ圧力自動設定装置。