JP7844567B2 - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒の製造方法

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Description

本発明は、排ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
排ガス浄化用触媒の製造では、例えば、ハニカム基材の隔壁上へ触媒層を形成するために、触媒金属等を含んだスラリーをハニカム基材の隔壁上へ塗工することがある。特許文献1には、そのような塗工を行う製造装置の一例が記載されている。この製造装置では、先ず、直立させたハニカム基材の上端へ、ハニカム基材の上方の端面とともに液溜めを形成する案内部材を設置する。次に、液溜めへスラリーを供給し、ハニカム基材の下端側からハニカム基材内のガスを吸引する。このようにして、ハニカム基材の貫通孔内へスラリーを侵入させて、ハニカム基材の隔壁にスラリーを塗工する。
特許文献2には、ハニカム基材として、その上端面にセンサを設けるための溝を備えた基材が記載されている。
国際公開第2019/197177号 特表2023-504999号公報
本発明は、端面の縁に一端が位置した溝がこの端面に設けられたハニカム基材に対して、溝の位置と、その他の位置とで略等しい長さを有する触媒層を形成可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、第1端面と第2端面とを有し、前記第1端面から前記第2端面へ向けて各々が延びた複数の孔が設けられるとともに、前記第1端面の縁に一端が位置した溝が前記第1端面に設けられたハニカム基材を、前記第1端面が上向きになるように設置することと、筒状部を、前記筒状部の下部内に前記ハニカム基材の上部が位置するとともに、前記筒状部の下端が前記溝の底部よりも下方に位置するように設置して、前記筒状部の上部と前記第1端面とによって囲まれた貯留部を生じさせることと、前記貯留部のうち下方の領域を、前記溝の上方に位置した第1領域と、他の領域である第2領域とに仕切るように、仕切り部を設置することと、その後、前記第1領域と前記第2領域とに、深さが等しくなるようにスラリーを供給することと、前記第2端面から前記ハニカム基材内のガスを吸引することで、前記貯留部の中に位置した前記スラリーを前記複数の孔の中へ導くこととを含んだ排ガス浄化用触媒の製造方法が提供される。
本発明の他の側面によると、前記仕切り部の下端はエラストマーからなる上記側面に係る製造方法が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記スラリーはシャワーヘッドを介して前記第1領域及び前記第2領域に供給する上記側面の何れかに係る製造方法が提供される。
本発明の更に他の側面によると、第1端面と第2端面とを有し、前記第1端面から前記第2端面へ向けて各々が延びた複数の孔が設けられるとともに、前記第1端面の縁に一端が位置した溝が前記第1端面に設けられたハニカム基材を、前記第1端面が上向きになるように保持するホルダと、上部及び下部を備えた筒状部であって、前記下部内に前記ハニカム基材の上部が位置するとともに、前記筒状部の下端が前記溝の底部よりも下方に位置するように前記ハニカム基材を設置することにより、前記筒状部の上部と前記第1端面とによって囲まれた貯留部を生じさせる筒状部と、前記貯留部のうち下方の領域を、前記溝の上方に位置した第1領域と、他の領域である第2領域とに仕切る仕切り部と、前記第1領域と前記第2領域とに、深さが等しくなるようにスラリーを供給する供給装置と、前記第2端面から前記ハニカム基材内のガスを吸引することで、前記貯留部の中に位置した前記スラリーを前記複数の孔の中へ導く吸引装置とを備えた排ガス浄化用触媒の製造装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記仕切り部の下端はエラストマーからなる上記側面に係る製造装置が提供される。
本発明の更に他の側面によると、記供給装置はシャワーヘッドを含んだ上記側面の何れかに係る製造装置が提供される。
本発明によると、端面の縁に一端が位置した溝がこの端面に設けられたハニカム基材に対して、溝の位置と、その他の位置とで略等しい長さを有する触媒層を形成可能とする技術が提供される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る製造装置のブロック図である。 図2は、図1の製造装置が含んでいる塗工装置の断面図である。 図3は、ハニカム基材を概略的に示す斜視図である。 図4は、案内部材を概略的に示す上面図である。 図5は、ノズルヘッドを概略的に示す平面図である。 図6は、搬送工程を示す断面図である。 図7は、スラリー供給工程を示す断面図である。 図8は、吸引工程を示す断面図である。 図9は、比較例に係る製造方法におけるスラリー供給工程を示す断面図である。 図10は、比較例に係る製造方法によって得られる排ガス浄化用触媒を示す断面図である。 図11は、変形例に係る仕切り部を概略的に示す斜視図である。 図12は、変形例に係る製造方法におけるスラリー供給工程を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の材質、形状、及び構造等によって限定されるものではない。本発明の技術的思想には、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
なお、同様又は類似した機能を有する要素については、以下で参照する図面において同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は模式的なものであり、或る方向の寸法と別の方向の寸法との関係、及び、或る部材の寸法と他の部材の寸法との関係等は、現実のものとは異なり得る。また、以下に説明する実施形態において、下方向は重力が加わる方向である。
<1>第1実施形態
<1.1>製造装置
図1は、本発明の第1実施形態に係る製造装置のブロック図である。図2は、図1の製造装置が含んでいる塗工装置の断面図である。図3は、ハニカム基材を概略的に示す斜視図である。
図1に示す製造装置1は、排ガス浄化用触媒を製造するための装置である。製造装置1は、塗工装置10と、コントローラ16と、入力装置17と、出力装置18とを含んでいる。
塗工装置10は、図3に示すハニカム基材20を、スラリーで塗工するものである。
ハニカム基材20は、第1端面S1と第2端面S2とを有している。ハニカム基材20は、例えば、円柱形状を有している。ハニカム基材20は、楕円柱形状を有していてもよく、角柱形状を有していてもよい。ハニカム基材20の最大径は、例えば、25mm以上310mm以下の範囲内にある。ハニカム基材20の長さは、例えば、25mm以上350mm以下の範囲内にある。ハニカム基材20は、例えば、セラミック製である。ハニカム基材20は、金属製であってもよい。
ハニカム基材20には、第1端面S1から第2端面S2へ向けて各々が延びた複数の孔Pが設けられている。孔Pの径は、例えば、700μm以上1600μm以下の範囲内にある。
第1端面S1には、第1端面S1の縁に一端が位置した溝Gが設けられている。溝Gの他端は、例えば、第1端面S1の周縁部から離間している。溝Gは、例えば、直線状に延びている。溝Gは、例えば、孔Pを通過した排ガスの性質を測定するためのセンサを収容するための溝である。センサは、例えば、Oセンサ及びAir/Fuelセンサ等の酸素センサである。
溝Gの幅は、例えば、10mm以上30mm以下の範囲内にある。溝Gの深さは、例えば、5mm以上20mm以下の範囲内にある。なお、図3に示す溝Gの側壁においては、孔Pが露出していないが、孔Pは露出していてもよい。
塗工装置10は、図2に示すように、支持部材9と、案内部材11と、供給装置14と、吸引装置13とを含んでいる。塗工装置10は、図1に示す搬送装置15A及び昇降装置15Bを更に含んでいる。
搬送装置15Aは、ベルトコンベア、ロボットハンド及びロボットアーム(何れも図示せず)を含んでいる。ベルトコンベアは、昇降装置15Bから離れた位置と昇降装置15Bの近傍の位置との間でハニカム基材20を移動させる。ロボットハンドは、ベルトコンベア上のハニカム基材20をロボットハンドで保持し、昇降装置15Bの昇降台151上へ移動させる。ロボットアームは、昇降装置15Bの上方の位置と吸引装置13が含む台座131の上方の位置との間で案内部材11を移動させる。
ロボットアームは、ここでは、その先端に、案内部材11を支持する支持部材9を有している。支持部材9は、ハニカム基材20の径よりも十分に大きな内径を有している円環形状の金属板である。支持部材9の厚さ方向は、重力方向に対して略平行である。支持部材9には、各々が厚さ方向に伸びた複数の貫通孔が設けられている。これら貫通孔には、第2ピン115Bが、それらの先端が支持部材9の上面から突き出すように挿入されている。
昇降装置15Bは、昇降台151を含んだ電動式の昇降装置である。昇降装置15Bは、ポンプを含んだ流体圧式の昇降装置であってもよい。昇降台151は、その上面を、ハニカム基材20が載置される載置面として有している。昇降台151は、ハニカム基材20へ案内部材11を装着する装着動作時、及び、ハニカム基材20から案内部材11を取り外す脱着動作時に、案内部材11の下方で昇降可能である。
案内部材11は、筒状部110と仕切り部12とを含んでいる。筒状部110は、図2に示すように、第1部材111と、押え部材112と、第2部材113と、弾性部材114と、第1ピン115Aと、位置決め部材116と、ねじ117と、受け部材118とを含んでいる。案内部材11は、図示しない固定部材を更に含んでいる。
第1部材111は、一端側で拡径した筒形状を有している拡径部1111と、拡径部1111の他端から外側へ突き出た第1鍔状部1112とを含んでいる。第1鍔状部1112には、複数の貫通孔が設けられている。第1部材111は、例えば、金属製である。第1部材111は、拡径部1111の上記一端が上記他端の上方に位置するように設置されている。
第2部材113は、筒形状を有している。第2部材113は、一方の端面が第1鍔状部1112の下面と向き合うように、第1部材111の下方に設置されている。第2部材113には、各々が案内部材11の高さ方向に延びた複数の第1貫通孔が設けられている。また、第2部材113には、第2部材113の外側と内側とを接続する第2貫通孔が設けられている。第2部材113は、例えば、樹脂硬化物からなる。第2部材113は、例えば、ポリエチレンからなる。
弾性部材114は、筒形状を有している胴部1141と、胴部の一端から外側へ突き出た第2鍔状部1142と、胴部の他端から外側へ突き出た第3鍔状部1143とを含んでいる。弾性部材114は、胴部1141が第2部材113の内側に位置し、第2鍔状部1142が第1鍔状部1112と第2部材113との間に介在するように設置されている。第2鍔状部1142及び第3鍔状部1143の各々には、複数の貫通孔が設けられている。弾性部材114は、例えば、ゴムなどのエラストマーからなる。
押え部材112は、中央で開口した板である。押え部材112は、その下面が第1鍔状部1112の上面と接するように設置されている。押え部材112には、複数の貫通孔が設けられている。これら貫通孔の一部には、ねじ117の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が設けられている。
位置決め部材116は、中央が開口した板である。位置決め部材116の上面は、第3鍔状部1143を間に挟んで第2部材113の下面と向き合っている。位置決め部材116は、その下面のうち内周に沿った領域に、円環状の突起部1161を有している。位置決め部材116の下面のうちその外周に沿った領域は、支持部材9の上面と接しており、突起部1161は、支持部材9の中央に設けられた開口へ挿入されている。
ねじ117は、雌ねじ部を有する押え部材112の貫通孔へ、上方から挿入されている。ねじ117の先端は、押え部材112の下面から下方へ突き出ている。第1ピン115Aの各々は、その一方の端面に、その長さ方向に延びた孔を有している。ねじ117の各々の先端は、第1ピン115Aの孔に挿入されている。第1ピン115Aの各々は、第1鍔状部1112の貫通孔及び第2鍔状部1142の貫通孔を介して、第2部材113に設けられた第1貫通孔の上部に挿入されている。
上部に第1ピン115Aが挿入された第2部材113の貫通孔には、その下部に受け部材118が挿入されている。受け部材118の下端は、第2部材113の下面から下方へ突き出ている。これら突出部は、位置決め部材116に設けられた貫通孔に挿入されている。受け部材118の各々は、その下側端面に、第2ピン115Bが挿入された孔を有している。
固定部材は、第1部材111と、第2部材113と、弾性部材114と、位置決め部材116とを一体化する1以上の部材である。固定部材は、一例によれば、第1部材111、第2部材113と、弾性部材114と、位置決め部材116の貫通孔、第3鍔状部1143の貫通孔、第2部材113の貫通孔、第2鍔状部1142の貫通孔、第1鍔状部1112の貫通孔、及び押え部材112の貫通孔へこの順に挿入されたボルトと、これらボルトの先端に取り付けられたナットとを含んでいる。
この筒状部110において、第2部材113と弾性部材114とは、以下に説明するように、ハニカム基材20を、その第1端面S1が上向きになるように保持するホルダを構成している。
即ち、第2部材113の内周面と胴部1141の外周面とは、隙間を介して向き合っている。第2鍔状部1142は、第2部材113と第1鍔状部1112との間に挟まれている。第3鍔状部1143は、第2部材113と位置決め部材116との間に挟まれている。このようにして、第2部材113と弾性部材114とは、それらの間に円環状の密閉空間を形成している。
第2部材113に設けられた第2貫通孔は、上記の密閉空間と図示しない圧力調整装置とを接続している。圧力調整装置を作動させて、上記の空間内の圧力が高まると、上記の密閉空間が膨張する。これにより、弾性部材114がハニカム基材20に密着し、ハニカム基材20は、第2部材113と弾性部材114とからなるホルダによって保持される。ハニカム基材20を保持するホルダは、他の1以上の部品で構成してもよい。
仕切り部12は、第1端面S1側の溝Gの開口の形状に対応した形状を有している。具体的には、仕切り部12は、垂直方向から見た場合に、第1端面S1側の溝Gの開口の輪郭に対応した形状を有している板状部である。仕切り部12は、ハニカム基材20へ案内部材11を装着した状態において、筒状部110とともに溝Gの上方の領域を囲むように、筒状部110に設けられている。ここでは、仕切り部12は、ハニカム基材20への案内部材11の装着動作の完了後に、ハニカム基材20と接するように設けられている。仕切り部12は、例えば、金属製である。
仕切り部12の高さは、例えば、1.5cm以上10cm以下の範囲内にある。
図2に示すように、案内部材11は、ハニカム基材20の上部が筒状部110の下部内に位置するとともに、筒状部110の下端が溝Gの底部よりも下方に位置するように設置される。このように案内部材11を設置すると、筒状部110の上部と第1端面S1とによって囲まれた貯留部が生じる。
図4は、案内部材11を概略的に示す上面図である。仕切り部12は、貯留部の下方の領域を、第1領域R1と第2領域R2とに仕切っている。第1領域R1は、貯留部の下方の領域のうち、溝Gの上方に位置した領域である。第2領域R2は、第1領域R1の他の領域である。
仕切り部12の厚さTは、0.5mm以上1.5mm以下の範囲内にあることが好ましく、0.5mm以上1.0mm以下の範囲内にあることがより好ましい。
供給装置14は、貯留部へスラリーを供給する。供給装置14は、図示しないタンクと、図示しない定量ポンプと、図示しない送液管と、ノズルヘッド141とを含んでいる。
タンクは、スラリーを収容している。
スラリーは、ハニカム基材20の隔壁上に形成する触媒層又はその一部の原料である。スラリーは、一例によると、触媒金属を含んだ溶液、耐熱性担体及び助触媒の少なくとも一方を含む。スラリーは、他の例によると、触媒金属と耐熱性担体及び助触媒の少なくとも一方とを含む。触媒金属と耐熱性担体及び助触媒の少なくとも一方とを含んだスラリーにおいて、触媒金属は、分散媒中に溶解していてもよく、分散媒中に分散していてもよく、耐熱性担体及び助触媒の少なくとも一方に担持されていてもよい。
触媒金属は、例えば、白金、パラジウム及びロジウム化合物などの白金族金属;鉄及び銅などのその他の遷移金属;リチウム及びカリウムなどのアルカリ金属;バリウムなどのアルカリ土類金属;又はそれらの2以上である。
耐熱性担体は、例えば、アルミナなどの耐火無機酸化物である。助触媒は、例えば、セリア及びセリア-ジルコニア複合酸化物などの酸素貯蔵材料;アルカリ金属を含んだ窒素酸化物(NO)吸蔵材料;ゼオライトなどの炭化水素吸着剤;又はそれらの2以上である。
分散媒は、例えば、水である。分散媒は、有機溶剤であってもよく、有機溶剤と水との混合物であってもよい。
スラリーは、添加剤、例えば、ヒドロキシエチルセルロースなどの増粘剤、分散安定剤及びバインダを更に含むことができる。塗工液がヒドロキシエチルセルロースなどの増粘剤を含む場合、その濃度は、0.3質量%以上1質量%以下の範囲内とすることが好ましい。
スラリーは、せん断速度が3.83s-1であるときの粘度が500mPa・s以上15000mPa・s以下の範囲内となることが好ましく、3000mPa・s以上15000mPa・s以下の範囲内となることがより好ましい。
ここで、上記スラリーの粘度は、市販のせん断粘度計により常温で測定され得る粘度である。例えば、当該分野で標準的な動的粘弾性測定装置(レオメータ)を使用することにより、上記のようなせん断速度における粘度を容易に測定することができる。ここで「常温」とは、15℃以上35℃以下の温度範囲内の温度であり、典型的には20℃以上30℃以下の温度範囲内の温度、例えば25℃である。
定量ポンプは、タンクと送液管の一端とに接続されている。定量ポンプは、タンク内の塗工液から一定量を量り取り、これを送液管の一端へ排出する。定量ポンプは、例えば、ピストンポンプ及びプランジャポンプなどの往復ポンプである。
送液管の他端には、ノズルヘッド141が接続されている。図5は、ノズルヘッド141を概略的に示す下面図である。図5に示すように、ここでは、ノズルヘッド141は、シャワーヘッドである。ノズルヘッド141は、定量ポンプを駆動することにより、一定量のスラリーを案内部材11内へ吐出する。図5に示すノズルヘッド141は、上述した第1領域R1及び第2領域R2に同時にスラリーを供給することが可能である。具体的には、ノズルヘッド141は、第1領域R1及び第2領域R2に対して、等しい面積当たりの供給量で同時にスラリーを供給することが可能である。
吸引装置13は、台座131と、風箱132と、図示しない接続部材と、図示しない真空ポンプを含んでいる。
風箱132は、中空構造を有しており、接続部材に接続された第1開口と、第1開口とは反対側の第2開口を有している。風箱132は、第2開口を囲んだ縁を有している。
台座131は、風箱132が有する縁の上に設けられている。台座131は、ハニカム基材20の下方を支持する。台座131は、例えば、ゴムなどのエラストマーからなる。
接続部材は、中空構造を有しており、真空ポンプに接続された開口と、風箱132に接続された開口とを有している。接続部材は、例えば、金属製である。吸引装置は、ハニカム基材20が台座131に固定されている状態で真空ポンプを駆動することにより、ハニカム基材20内のガス、例えば空気を吸引する。
コントローラ16は、処理部16Aと記憶部16Bとを含んでいる。
処理部16Aは、中央処理装置(CPU)を含んでいる。記憶部16Bは、処理部16Aに接続されている。記憶部16Bは、処理部16Aが読み込むプログラムや、処理部16Aから供給されたデータを記憶する不揮発性メモリを含んでいる。
コントローラ16は、吸引装置13、供給装置14、搬送装置15A、昇降装置15B、入力装置17及び出力装置18に接続されている。コントローラ16は、入力装置17を介してオペレータが入力する指令及び情報等に基づいて、吸引装置13、供給装置14、搬送装置15A、昇降装置15B及び出力装置18の動作を制御する。
入力装置17は、オペレータがコントローラ16へ指令及び情報を入力するためのヒューマンインターフェースデバイスである。入力装置は、例えば、釦、キーボード、マウス、タッチパネル及び音声入力装置の1以上である。
出力装置18は、オペレータが認識可能な警告情報を出力する。出力装置18は、例えば、ディスプレイ、警告灯、音声案内装置及びブザーの1以上である。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。警告灯は、例えば、発光ダイオードを含む。
<1.2>製造方法
上記の製造装置1を使用すると、例えば、以下の方法により排ガス浄化用触媒を製造することができる。
ここで説明する方法では、先ず、オペレータが、入力装置17を介して、製造開始の指令をコントローラ16へ入力する。この際、オペレータは、入力装置17を介して、製造すべき排ガス浄化用触媒の数などの情報を、コントローラ16へ更に入力することもできる。
次に、オペレータは、ハニカム基材20を図示しないベルトコンベアに載置する。コントローラ16は、ハニカム基材20をロボットハンドの近傍に搬送するように、ベルトコンベアの動作を制御する。
次に、コントローラ16は、ハニカム基材20がベルトコンベア上から載置台上へ移動するように、ロボットハンドの動作を制御する。載置台に載置されたハニカム基材20は、図6に示すように、案内部材11の真下に位置している。なお、このとき、垂直方向から見た溝G及び仕切り部12は一致させておく。
次いで、コントローラ16は、ハニカム基材20の上部が案内部材11に挿入されるように昇降装置15Bの動作を制御する。具体的には、コントローラ16は、ハニカム基材20の第1端面S1が仕切り部12と接するまで、ハニカム基材20が載置された載置台が上昇するように昇降装置15Bの動作を制御する。
次に、コントローラ16は、上述した円環状の密閉空間が膨張するように圧力調整装置の動作を制御する。上述した通り、上記の密閉空間が膨張すると、弾性部材114はハニカム基材20に密着し、ハニカム基材20は、第2部材113と弾性部材114とからなるホルダによって保持される。また、弾性部材114がハニカム基材20に密着することにより、筒状部110の上部と第1端面S1とによって囲まれた貯留部が生じる。そして、貯留部のうち下方の領域は、仕切り部12によって、上述した第1領域R1と第2領域R2とに仕切られる。
次に、コントローラ16は、案内部材11がハニカム基材20とともに、昇降装置15Bの上方から台座131の上方へ移動するようにロボットアームの動作を制御する。続いて、コントローラ16は、ハニカム基材20が台座131の上に載置されるように、ロボットアームの動作を制御する。
次に、コントローラ16は、予め定められている量のスラリー3をノズルヘッド141が吐出するように、供給装置14の動作を制御する。具体的には、コントローラ16は、ノズルヘッド141が、第1領域R1及び第2領域R2に対する面積当たりのスラリー供給量が等しくなり、且つ、スラリー供給量が予め定められている量になるように、供給装置14の動作を制御する。この動作によると、図7に示すように、第1領域R1と第2領域R2にスラリーの深さが等しくなるように、即ち、第1領域R1におけるスラリー層の厚さと第2領域R2におけるスラリー層の厚さとが等しくなるように、スラリーが第1領域R1及び第2領域R2に供給される。
次に、コントローラ16は、ハニカム基材20内のガスをその第2端面S2側から吸引するように、吸引装置13の動作を制御する。これにより、スラリー3は複数の孔Pの中へ導かれ、図8に示すように、ハニカム基材20の隔壁上に、スラリー3からなる塗工層3Cが形成される。この動作によると、ハニカム基材20において、溝の位置とその他の位置とで略等しい長さを有する塗工層を形成することができる。
次いで、コントローラ16は、吸引を停止するように、吸引装置13の動作を制御する。続いて、コントローラ16は、ハニカム基材20及び案内部材11が、台座131の上方から載置台の上方へ搬送されるようにロボットアームの動作を制御し、円環状の密閉空間を収縮させるように圧力調整装置の動作を制御し、載置台が下降するように昇降装置15Bの動作を制御し、塗工層を形成したハニカム基材20が載置台上からベルトコンベア上へ移動するようにロボットハンドの動作を制御し、塗工層を形成したハニカム基材20が下流へ移動するようにベルトコンベアの動作を制御する。以上のようにして、製造装置1による処理を終了する。
その後、このようにして塗工を行ったハニカム基材20を焼成することにより、排ガス浄化用触媒を得る。
<1.3>効果
上述した通り、ハニカム基材20には、第1端面S1の縁に一端が位置した溝Gが第1端面S1に設けられている。このようなハニカム基材20に対して、上述した仕切り部12を設けることなしにスラリーの供給を行うと、溝の下方の位置における触媒層の長さが、その他の位置における触媒層の長さよりも長くなる。以下、これについて説明する。
図9は、比較例に係る製造方法におけるスラリー供給工程を示す断面図である。図9に示すスラリー供給工程は、仕切り部12を省略した状態でスラリーを供給したこと以外は、図7を参照しながら説明したスラリー供給工程と同様である。図9に示すように、このような工程によると、溝Gにおけるスラリー層は、その他の位置におけるスラリー層よりも深くなる。
図10は、図9に示す状態に続けて上述した吸引工程を実施することにより得られる状態を示す断面図である。図10に示すように、溝Gの位置におけるスラリー層が、その他の位置におけるスラリー層よりも深い状態で吸引工程を実施すると、溝Gの位置における塗工層の長さが、その他の位置における塗工層の長さよりも長くなる。このようなハニカム基材20によって得られる排ガス浄化用触媒の溝に酸素センサを設けた場合、溝の位置における測定によって得られる酸素濃度は、他の位置における酸素濃度とは大きく異なることとなる。この場合、排ガスにおける酸素濃度等の性質を高い精度で測定することが難しい。
一方、図6乃至図8を参照しながら説明した方法では、上述した仕切り部12を設けることにより、吸引工程開始直前において、溝Gの位置におけるスラリー層の深さと、その他の位置におけるスラリー層の深さとを略等しくすることができる。このような状態で、上述した吸引工程を行うと、溝の位置と、その他の位置とで略等しい長さを有する触媒層を形成することが可能である。この場合、溝の位置における測定によって得られる酸素濃度と他の位置における酸素濃度とを等しくすることができる。この場合、排ガスにおける酸素濃度等の性質を高い精度で測定することが可能である。
仕切り部12の形状は第1端面S1側の溝Gの開口の形状と等しいことが好ましい。仕切り部12の形状が第1端面S1側の溝Gの形状よりも極めて大きい場合、第1領域R1に供給されたスラリーが溝Gに流入しやすい。この場合、溝Gの位置における触媒層の長さは、他の位置における触媒層の長さよりも長くなりやすい。また、仕切り部12の形状が第1端面S1側の溝Gの開口の形状よりも極めて小さい場合、第2領域R1に供給したスラリーが溝Gに流入しやすい。この場合も、溝Gの位置における触媒層の長さは、他の位置における触媒層の長さよりも長くなりやすい。
<2>変形例
上記の製造装置及び製造方法には、様々な変形が可能である。
例えば、仕切り部12として、図11に示す仕切り部12を使用してもよい。図11は、変形例に係る仕切り部12を概略的に示す斜視図である。図11に示す仕切り部12は、仕切り部12の上端を含んだ第1部分121と、仕切り部12の下端を含んだ第2部分122とを含む。
第1部分121は、例えば、金属からなる。第2部分122は、例えば、ゴム等のエラストマーからなる。このような仕切り部12は、ハニカム基材20の上方を案内部材11に挿入する際、ハニカム基材20の破損を生じにくい。
また、上述した製造装置では、仕切り部12が筒状部110に固定されていたが、これらは互いに対して固定されていなくてもよい。例えば、筒状部110をハニカム基材20の上部へ装着した後に、仕切り部12を設置してもよい。
上述した製造装置では、ノズルヘッド141がシャワーヘッドであったが、この製造装置は、ノズルヘッド141の代わりに、1つのノズルを各々が有する1以上のノズルヘッドを含んでいてもよい。
一例によると、例えば、図12に示すように、ノズルヘッド141の代わりにノズルを1つのみ有する単一のノズルヘッドを設けてもよい。この場合、第1領域R1及び第2領域R2へのスラリーの供給は順次行ってもよい。或いは、第1領域R1及び第2領域R2へのスラリーの供給は、ノズルヘッドから第1領域R1にスラリーを供給し、その後、第1領域R1からスラリーを溢れさせて第2領域R2にスラリーを供給することにより行ってもよい。
他の例によると、ノズルヘッド141の代わりに、各々が1つのノズルを有する2つのノズルヘッドを設けてもよい。この場合、これらノズルヘッドによって、第1領域R1及び第2領域R2へスラリーを同時又は順次供給してもよい。
また、上述した方法では、仕切り部12の下端とハニカム基材20の第1端面S1とが接した状態でスラリーの供給を行ったが、仕切り部12の下端と第1端面S1との間には隙間があってもよい。例えば、上記の隙間をスラリーが通過しない程度にスラリーの粘度を大きくすることで、上記の隙間を介したスラリーの移動を抑制して、第1領域R1と第2領域R2とにおけるスラリー層の深さを等しくしてもよい。この場合、隙間は0mm超過3mm以下の範囲内にあることが好ましい。また、この場合、せん断速度が3.83s-1であるときのスラリーの粘度は3000mPa・s以上15000mPa・s以下の範囲内にあることが好ましい。
製造装置1は、それが自動で行う動作の1以上を、手動で行うように変更してもよい。例えば、供給装置14、搬送装置15A、及び昇降装置15Bの1以上が行う動作を、手動で行うように変更してもよい。例えば、搬送装置15Aを省略し、ホルダ8を塗工位置に上下動可能に設置して、ホルダ8へのハニカム基材20の着脱を手動で行ってもよい。また、ベルトコンベアへのハニカム基材20の載置は、手動で行う代わりに、自動で行ってもよい。
製造装置1は、コントローラ16による制御の一部又は全てを、手動で行うように変更してもよい。これら制御の全てを手動で行う場合、コントローラ16は省略することができる。
以下に、本発明の例を記載する。
(例1)
図1、図2、図4及び図5を参照しながら説明した製造装置1並びに図3を参照しながら説明したハニカム基材20を使用し、図6乃至図8を参照しながら説明した方法により、排ガス浄化用触媒を製造した。
ここでは、スラリーとして、固形分を34質量%含んだ、温度25℃及びせん断速度3.83/sにおける粘度が3000mPa・s以上であるスラリーを使用した。また、吸引装置13による吸引は3秒間行った。塗工完了時における、ハニカム基材20上の風速は40m/sであった。
このようにして製造した排ガス浄化用触媒を切断して、溝Gの位置とその他の位置における塗工層の長さを調べた。
その結果、溝Gの位置における塗工層の長さは62mmであり、その他の位置における塗工層の長さは59mmであった。
(例2)
スラリーとして、粘度が3000mPa・s未満であるスラリーを使用したこと以外は例1と同様の方法により、排ガス浄化用触媒を製造した。
そして、この排ガス浄化用触媒についても、上記と同様に塗工層の長さを調べた。
その結果、溝Gの位置における塗工層の長さは70mmであり、その他の位置における塗工層の長さは65mmであった。
1…製造装置、3…スラリー、3C…塗工層、9…支持部材、10…塗工装置、11…案内部材、12…仕切り部、13…吸引装置、14…供給装置、15A…搬送装置、15B…昇降装置、16…コントローラ、16A…処理部、16B…記憶部、17…入力装置、18…出力装置、20…ハニカム基材、110…筒状部、111…第1部材、112…押え部材、113…第2部材、114…弾性部材、115A…第1ピン、115B…第2ピン、116…位置決め部材、118…受け部材、121…第1部分、122…第2部分、131…台座、132…風箱、141…ノズルヘッド、151…昇降台、1111…拡径部、1112…第1鍔状部、1141…胴部、1142…第2鍔状部、1143…第3鍔状部、1161…突起部。

Claims (6)

  1. 第1端面と第2端面とを有し、前記第1端面から前記第2端面へ向けて各々が延びた複数の孔が設けられるとともに、前記第1端面の縁に一端が位置した溝が前記第1端面に設けられたハニカム基材を、前記第1端面が上向きになるように設置することと、
    筒状部を、前記筒状部の下部内に前記ハニカム基材の上部が位置するとともに、前記筒状部の下端が前記溝の底部よりも下方に位置するように設置して、前記筒状部の上部と前記第1端面とによって囲まれた貯留部を生じさせることと、
    前記貯留部のうち下方の領域を、前記溝の上方に位置した第1領域と、他の領域である第2領域とに仕切るように、仕切り部を設置することと、
    その後、前記第1領域と前記第2領域とに、深さが等しくなるようにスラリーを供給することと、
    前記第2端面から前記ハニカム基材内のガスを吸引することで、前記貯留部の中に位置した前記スラリーを前記複数の孔の中へ導くことと
    を含んだ排ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 前記仕切り部の下端はエラストマーからなる請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  3. 前記スラリーはシャワーヘッドを介して前記第1領域及び前記第2領域に供給する請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  4. 第1端面と第2端面とを有し、前記第1端面から前記第2端面へ向けて各々が延びた複数の孔が設けられるとともに、前記第1端面の縁に一端が位置した溝が前記第1端面に設けられたハニカム基材を、前記第1端面が上向きになるように保持するホルダと、
    上部及び下部を備えた筒状部であって、前記下部内に前記ハニカム基材の上部が位置するとともに、前記筒状部の下端が前記溝の底部よりも下方に位置するように前記ハニカム基材を設置することにより、前記筒状部の上部と前記第1端面とによって囲まれた貯留部を生じさせる筒状部と、
    前記貯留部のうち下方の領域を、前記溝の上方に位置した第1領域と、他の領域である第2領域とに仕切る仕切り部と、
    前記第1領域と前記第2領域とに、深さが等しくなるようにスラリーを供給する供給装置と、
    前記第2端面から前記ハニカム基材内のガスを吸引することで、前記貯留部の中に位置した前記スラリーを前記複数の孔の中へ導く吸引装置と
    を備えた排ガス浄化用触媒の製造装置。
  5. 前記仕切り部の下端はエラストマーからなる請求項4に記載の排ガス浄化用触媒の製造装置。
  6. 前記供給装置はシャワーヘッドを含んだ請求項4に記載の排ガス浄化用触媒の製造装置。
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