JP7843938B2 - 制御モデル生成装置及び制御モデル生成方法 - Google Patents

制御モデル生成装置及び制御モデル生成方法

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Description

本開示は、制御モデル生成装置及び制御モデル生成方法に関するものである。
非線形の特性を有する制御対象の運動方程式を表している制御モデルを生成する制御モデル生成装置がある。
このような制御モデル生成装置として、例えば、特許文献1には、互いに異なる複数の制御モデル候補を備える制御装置が開示されている。それぞれの制御モデル候補は、事前に用意されたものである。
当該制御装置は、それぞれの制御モデル候補の出力と制御対象の出力とを誤差を算出し、誤差の算出結果に基づいて、複数の制御モデル候補の中から、いずれかの制御モデル候補を選択する。
特開平5-303408号公報
制御モデル候補を用意しようとする者が、制御対象の動作に関する知識を十分に有していなければ、一般的には、制御対象の運動方程式を表している制御モデル候補を用意することは困難である。
特許文献1に開示されている制御装置は、複数の制御モデル候補が事前に用意されている必要があるという課題があった。例えば、複数の制御モデル候補のいずれもが、制御対象の運動方程式を表していなければ、当該制御装置が、複数の制御モデル候補の中から、いずれかの制御モデル候補を選択しても、制御対象を精度よく制御できないことがある。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、制御対象の動作に関する知識を十分に有している者が、複数の制御モデル候補を事前に用意することなく、制御対象の運動方程式を表している制御モデルを生成することができる制御モデル生成装置を得ることを目的とする。
本開示に係る制御モデル生成装置は、非線形の特性を有する制御対象の出力である複数の観測値を取得する観測値取得部と、観測値取得部により取得された複数の観測値に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルを推定する状態空間モデル推定部と、観測値取得部により取得されたそれぞれの観測値と状態空間モデル推定部により推定された状態空間モデルが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差を算出し、推定誤差の上界を表す上界モデルを推定する上界モデル推定部とを備えている。また、制御モデル生成装置は、状態空間モデル推定部により推定された状態空間モデルと上界モデル推定部により推定された上界モデルとを用いて、制御対象の運動方程式を表す制御モデルとして、制御モデルの出力と線形近似曲線との誤差が上界以下となる制御モデルを生成する制御モデル生成部を備えている。
本開示によれば、制御対象の動作に関する知識を十分に有している者が、複数の制御モデル候補を事前に用意することなく、制御対象の運動方程式を表している制御モデルを生成することができる。
実施の形態1に係る制御モデル生成装置を示す構成図である。 実施の形態1に係る制御モデル生成装置のハードウェアを示すハードウェア構成図である。 制御モデル生成装置が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。 制御モデルCMを実装する制御器と、状態空間モデルJz及び上界モデルHzの双方を含む線形システムとの関係を示す説明図である。 図5Aは、制御対象OBの出力である複数の観測値f(z)、状態空間モデルJz及び上界モデルHzの一例を示すグラフ図、図5Bは、状態空間モデルJzが横軸になるように、図5Aのグラフ図を回転させたグラフ図である。 制御モデル生成装置の処理手順である制御モデル生成方法を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る制御モデル生成装置を示す構成図である。 実施の形態2に係る制御モデル生成装置のハードウェアを示すハードウェア構成図である。 図9A及び図9Bのそれぞれは、M個の制御器31-1~31-Mのうち、いずれかの制御器31-mを選択するモデル選択部9を示す説明図である。 複数の観測値f(z)が存在している状態空間JKに含まれているM個の部分状態空間JK~JKを示す説明図である。
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る制御モデル生成装置を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る制御モデル生成装置のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1に示す制御モデル生成装置は、観測値取得部1、状態空間モデル推定部2、上界モデル推定部3及び制御モデル生成部4を備えている。
観測値取得部1は、例えば、図2に示す観測値取得回路11によって実現される。
観測値取得部1は、非線形の特性を有する制御対象OBの出力である複数の観測値f(z)を取得する。制御対象OBは、既知の制御対象であってもよいし、未知の制御対象であってもよい。
観測値取得部1は、複数の観測値f(z)を状態空間モデル推定部2及び上界モデル推定部3のそれぞれに出力する。
状態空間モデル推定部2は、例えば、図2に示す状態空間モデル推定回路12によって実現される。
状態空間モデル推定部2は、観測値取得部1から、複数の観測値f(z)を取得する。
状態空間モデル推定部2は、複数の観測値f(z)に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルJzを推定する。
状態空間モデル推定部2は、状態空間モデルJzを上界モデル推定部3及び制御モデル生成部4のそれぞれに出力する。
上界モデル推定部3は、例えば、図2に示す上界モデル推定回路13によって実現される。
上界モデル推定部3は、観測値取得部1から複数の観測値f(z)を取得し、状態空間モデル推定部2から状態空間モデルJzを取得する。
上界モデル推定部3は、それぞれの観測値f(z)と状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差|f(z)-Jz|を算出する。
上界モデル推定部3は、推定誤差|f(z)-Jz|の上界を表す上界モデルHzを推定する。
具体的には、上界モデル推定部3は、上界の2乗値に対して1以下の定数αを乗算した結果と、推定誤差|f(z)-Jz|の2乗値との差分を示す損失関数ζ(t)を用いて、上界モデルHzを推定する。
上界モデル推定部3は、上界モデルHzを制御モデル生成部4に出力する。
制御モデル生成部4は、例えば、図2に示す制御モデル生成回路14によって実現される。
制御モデル生成部4は、状態空間モデル推定部2から状態空間モデルJzを取得し、上界モデル推定部3から上界モデルHzを取得する。
制御モデル生成部4は、状態空間モデルJzと上界モデルHzとを用いて、制御対象OBの運動方程式を表す制御モデルCMを生成する。
具体的には、制御モデル生成部4は、制御モデルCMとして、制御モデルの出力と線形近似曲線との誤差が上界以下となる制御モデルを生成する。
制御モデル生成部4により生成された制御モデルCMは、制御対象OBを制御する制御器に実装される。
図1では、制御モデル生成装置の構成要素である観測値取得部1、状態空間モデル推定部2、上界モデル推定部3及び制御モデル生成部4のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、制御モデル生成装置が、観測値取得回路11、状態空間モデル推定回路12、上界モデル推定回路13及び制御モデル生成回路14によって実現されるものを想定している。
観測値取得回路11、状態空間モデル推定回路12、上界モデル推定回路13及び制御モデル生成回路14のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
制御モデル生成装置の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、制御モデル生成装置が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図3は、制御モデル生成装置が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
制御モデル生成装置が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、観測値取得部1、状態空間モデル推定部2、上界モデル推定部3及び制御モデル生成部4におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ21に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ22がメモリ21に格納されているプログラムを実行する。
また、図2では、制御モデル生成装置の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、制御モデル生成装置がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、制御モデル生成装置における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
図4は、制御モデルCMを実装する制御器と、状態空間モデルJz及び上界モデルHzの双方を含む線形システムとの関係を示す説明図である。
図4では、状態空間モデルJzの出力xが制御器に与えられ、制御器の出力uが線形システムに与えられることを表している。
また、図4では、上界モデルHzの出力pが外乱に与えられ、外乱であるqが線形システムに与えられることを表している。
図5Aは、制御対象OBの出力である複数の観測値f(z)、状態空間モデルJz及び上界モデルHzの一例を示すグラフ図である。
図5Aは、制御対象OBの出力である複数の観測値f(z)が存在している状態空間が、z軸とx軸とで表される2次元空間の例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、状態空間は、例えば、3次元空間であってもよい。
図5Bは、状態空間モデルJzが横軸になるように、図5Aのグラフ図を回転させたグラフ図である。
制御対象OBの運動方程式xドットは、以下の式(1)のように表される。明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字xの上に“・”の記号を付することができないので、xドットのように表記している。

式(2)において、Tは、転置を示す数学記号である。
制御対象OBの出力である複数の観測値f(z)と、状態空間モデルJzと、上界モデルHzとの関係は、以下の式(3)のように表される。

状態空間モデルJzは、以下の式(4)のように表される。また、観測値f(z)と状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差qは、以下の式(5)のように表される。上界モデルHzは、以下の式(6)のように表される。

式(4)及び式(6)において、A,B,C,Dは、任意の行列である。
状態空間モデルJzの損失関数Lは、以下の式(7)のように表される。また、上界モデルHzの損失関数Lは、以下の式(8)のように表される。

式(9)において、ζ(t)は、上界p(t)の2乗値に対して定数αを乗算した結果と、推定誤差q(t)の2乗値との差分を示す損失関数である。αは、1以下の定数である。
次に、図1に示す制御モデル生成装置の動作について説明する。
図6は、制御モデル生成装置の処理手順である制御モデル生成方法を示すフローチャートである。
観測値取得部1は、外部から、非線形の特性を有する制御対象OBの出力である複数の観測値f(z)を取得する(図6のステップST1)。
観測値取得部1は、複数の観測値f(z)を状態空間モデル推定部2及び上界モデル推定部3のそれぞれに出力する。
状態空間モデル推定部2は、観測値取得部1から、複数の観測値f(z)を取得する。
状態空間モデル推定部2は、図5A及び図5Bに示すように、複数の観測値f(z)に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルJzを推定する(図6のステップST2)。
複数の観測値f(z)に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルJzは、式(4)のように表される。
状態空間モデルJzを推定する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、例えば、複数の観測値f(z)と線形近似曲線との誤差を表す誤差ベクトルの期待値が最小となる線形近似曲線を探索する手法を用いることによって、状態空間モデルJzを推定することができる。
状態空間モデル推定部2は、状態空間モデルJzを上界モデル推定部3及び制御モデル生成部4のそれぞれに出力する。
上界モデル推定部3は、観測値取得部1から複数の観測値f(z)を取得し、状態空間モデル推定部2から状態空間モデルJzを取得する。
上界モデル推定部3は、式(5)に示すように、それぞれの観測値f(z)と状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差qを算出する(図6のステップST3)。
上界モデル推定部3は、式(6)に示すように、推定誤差qの上界を表す上界モデルHzを推定する(図6のステップST4)。
具体的には、上界モデル推定部3は、式(9)に示すように、上界pの2乗値に対して1以下の定数αを乗算した結果と、推定誤差qの2乗値との差分を示す損失関数ζ(t)を用いて、上界モデルHzを推定する。損失関数ζ(t)は、当該差分を表す誤差ベクトルのノルムを上から抑えるベクトルを出力するような関数である。
上界モデル推定部3は、上界モデルHzを制御モデル生成部4に出力する。
制御モデル生成部4は、状態空間モデル推定部2から状態空間モデルJzを取得し、上界モデル推定部3から上界モデルHzを取得する。
制御モデル生成部4は、式(3)に示すように、状態空間モデルJzと上界モデルHzとを用いて、制御対象OBの運動方程式を表す制御モデルCMを生成する(図6のステップST5)。
式(3)を満足するf(z)は、制御対象OBの運動方程式を表す制御モデルCMに相当する。
制御モデル生成部4により生成された制御モデルCMは、制御対象OBを制御する制御器に実装される。
これにより、制御モデルCMの出力と状態空間モデルJzの出力との誤差が制御対象OBへの誤差入力とみなされる制御器が構築される。制御モデルCMの出力と状態空間モデルJzの出力との誤差の上界は、上界モデルHzが表す上界である。
以上の実施の形態1では、非線形の特性を有する制御対象の出力である複数の観測値を取得する観測値取得部1と、観測値取得部1により取得された複数の観測値に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルを推定する状態空間モデル推定部2と、観測値取得部1により取得されたそれぞれの観測値と状態空間モデル推定部2により推定された状態空間モデルが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差を算出し、推定誤差の上界を表す上界モデルを推定する上界モデル推定部3とを備えるように、制御モデル生成装置を構成した。また、制御モデル生成装置は、状態空間モデル推定部2により推定された状態空間モデルと上界モデル推定部3により推定された上界モデルとを用いて、制御対象の運動方程式を表す制御モデルを生成する制御モデル生成部4を備えている。したがって、制御モデル生成装置は、制御対象の動作に関する知識を十分に有している者が、複数の制御モデル候補を事前に用意することなく、制御対象の運動方程式を表している制御モデルを生成することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、複数の観測値f(z)が存在している状態空間を複数の空間である部分状態空間に分割する状態空間分割部5を備えている制御モデル生成装置について説明する。
図7は、実施の形態2に係る制御モデル生成装置を示す構成図である。図7において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図8は、実施の形態2に係る制御モデル生成装置のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図8において、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図7に示す制御モデル生成装置は、観測値取得部1、状態空間分割部5、状態空間モデル推定部6、上界モデル推定部7、制御モデル生成部8及びモデル選択部9を備えている。
状態空間分割部5は、例えば、図8に示す状態空間分割回路15によって実現される。
状態空間分割部5は、観測値取得部1から、複数の観測値f(z)を取得する。
状態空間分割部5は、複数の観測値f(z)が存在している状態空間JKを複数の空間である部分状態空間JK~JKに分割する。Mは、2以上の整数である。
状態空間モデル推定部6は、例えば、図8に示す状態空間モデル推定回路16によって実現される。
状態空間モデル推定部6は、観測値取得部1から、複数の観測値f(z)を取得する。
状態空間モデル推定部6は、複数の観測値f(z)のうち、状態空間分割部5による分割後のそれぞれの部分状態空間JK(m=1,・・・,M)に存在している観測値f(z)に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルである部分状態空間モデルJzを推定する。
状態空間モデル推定部6は、それぞれの部分状態空間モデルJzを上界モデル推定部7及び制御モデル生成部8のそれぞれに出力する。
上界モデル推定部7は、例えば、図8に示す上界モデル推定回路17によって実現される。
上界モデル推定部7は、観測値取得部1から複数の観測値f(z)を取得し、状態空間モデル推定部6からそれぞれの部分状態空間モデルJz(m=1,・・・,M)を取得する。
上界モデル推定部7は、それぞれの部分状態空間JKに存在している観測値f(z)とそれぞれの部分状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差qを算出する。
上界モデル推定部7は、それぞれの推定誤差qの上界を表す上界モデルである部分上界モデルHz(m=1,・・・,M)を推定する。
上界モデル推定部7は、それぞれの部分上界モデルHzを制御モデル生成部8に出力する。
制御モデル生成部8は、例えば、図8に示す制御モデル生成回路18によって実現される。
制御モデル生成部8は、状態空間モデル推定部6から部分状態空間モデルJz(m=1,・・・,M)を取得し、上界モデル推定部3から部分上界モデルHz(m=1,・・・,M)を取得する。
制御モデル生成部8は、部分状態空間モデルJzと部分上界モデルHzとを用いて、部分状態空間JKに対応する制御モデルCM(m=1,・・・,M)を生成する。
制御モデル生成部8により生成された制御モデルCMは、後述する制御器31-m(m=1,・・・,M)に実装される。
モデル選択部9は、例えば、図8に示すモデル選択回路19によって実現される。
モデル選択部9は、制御モデル生成部8により生成された、M個の部分状態空間JK~JKのそれぞれに対応する制御モデルCM(m=1,・・・,M)の中から、いずれか1つの制御モデルを選択する。
具体的には、モデル選択部9は、M個の部分状態空間JK~JKのそれぞれに対応する制御モデルCMの出力と、部分状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差Δe(m=1,・・・,M)を算出する。
モデル選択部9は、M個の誤差Δe~Δeの算出結果に基づいて、いずれか1つの制御モデルを選択する。
図7では、制御モデル生成装置の構成要素である観測値取得部1、状態空間分割部5、状態空間モデル推定部6、上界モデル推定部7、制御モデル生成部8及びモデル選択部9のそれぞれが、図8に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、制御モデル生成装置が、観測値取得回路11、状態空間分割回路15、状態空間モデル推定回路16、上界モデル推定回路17、制御モデル生成回路18及びモデル選択回路19によって実現されるものを想定している。
観測値取得回路11、状態空間分割回路15、状態空間モデル推定回路16、上界モデル推定回路17、制御モデル生成回路18及びモデル選択回路19のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
制御モデル生成装置の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、制御モデル生成装置が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
制御モデル生成装置が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、観測値取得部1、状態空間分割部5、状態空間モデル推定部6、上界モデル推定部7、制御モデル生成部8及びモデル選択部9におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ21に格納される。そして、図3に示すプロセッサ22がメモリ21に格納されているプログラムを実行する。
また、図8では、制御モデル生成装置の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、制御モデル生成装置がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、制御モデル生成装置における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
図9A及び図9Bのそれぞれは、M個の制御器31-1~31-Mのうち、いずれかの制御器31-mを選択するモデル選択部9を示す説明図である。
制御器31-1~31-Mのそれぞれは、制御対象OBを制御する制御器である。
制御器31-m(m=1,・・・,M)は、部分状態空間Jzに対応している。
図10は、複数の観測値f(z)が存在している状態空間JKに含まれているM個の部分状態空間JK~JKを示す説明図である。図10は、M=3の例を示している。
次に、図7に示す制御モデル生成装置の動作について説明する。
観測値取得部1は、外部から、非線形の特性を有する制御対象OBの出力である複数の観測値f(z)を取得する。
観測値取得部1は、複数の観測値f(z)を状態空間分割部5、状態空間モデル推定部6及び上界モデル推定部7のそれぞれに出力する。
状態空間分割部5は、観測値取得部1から、複数の観測値f(z)を取得する。
状態空間分割部5は、図10に示すように、複数の観測値f(z)が存在している状態空間JKを複数の空間である部分状態空間JK~JKに分割する。
状態空間モデル推定部6は、観測値取得部1から、複数の観測値f(z)を取得する。
状態空間モデル推定部6は、複数の観測値f(z)のうち、それぞれの部分状態空間JK(m=1,・・・,M)に存在している観測値f(z)を特定する。
状態空間モデル推定部6は、部分状態空間JKに存在している観測値f(z)に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルである部分状態空間モデルJzを推定する。
部分状態空間モデルJzは、以下の式(10)のように表される。部分状態空間モデルJzを推定する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
状態空間モデル推定部6は、部分状態空間モデルJz(m=1,・・・,M)を上界モデル推定部7及び制御モデル生成部8のそれぞれに出力する。

式(10)において、A,Bは、任意の行列である。
上界モデル推定部7は、観測値取得部1から複数の観測値f(z)を取得し、状態空間モデル推定部6からそれぞれの部分状態空間モデルJz(m=1,・・・,M)を取得する。
上界モデル推定部7は、それぞれの部分状態空間JKに存在している観測値f(z)とそれぞれの部分状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差qを算出する。推定誤差qの算出処理は、以下の式(11)に従って算出する。
上界モデル推定部7は、それぞれの推定誤差qの上界を表す上界モデルである部分上界モデルHz(m=1,・・・,M)を推定する。部分上界モデルHz(m=1,・・・,M)の推定処理は、以下の式(12)に従って推定する。
上界モデル推定部7は、部分上界モデルHz(m=1,・・・,M)を制御モデル生成部8に出力する。

式(12)において、C,Dは、任意の行列である。
制御モデル生成部8は、状態空間モデル推定部6から部分状態空間モデルJz(m=1,・・・,M)を取得し、上界モデル推定部3から部分上界モデルHz(m=1,・・・,M)を取得する。
制御モデル生成部8は、以下の式(13)に示すように、部分状態空間モデルJzと部分上界モデルHzとを用いて、部分状態空間JKに対応する制御モデルCMを生成する。
式(13)を満足するf(z)は、部分状態空間JKに対応する、制御対象OBの運動方程式を表す制御モデルCMに相当する。
制御モデル生成部8により生成された制御モデルCMは、制御器31-m(m=1,・・・,M)に実装される。

モデル選択部9は、M個の部分状態空間JK~JKのそれぞれに対応する制御モデルCM(m=1,・・・,M)の中から、いずれか1つの制御モデルCMを選択する。
具体的には、モデル選択部9は、以下の式(14)に示すように、M個の部分状態空間JK~JKのそれぞれに対応する制御モデルCMの出力uと、部分状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差Δe(m=1,・・・,M)を算出する。

モデル選択部9は、M個の誤差Δe~Δeの算出結果に基づいて、M個の制御モデルCM~CMの中から、いずれか1つの制御モデルCMを選択する。
具体的には、モデル選択部9は、誤差Δe~Δeの中で、最小の誤差ΔeMINを特定する。
モデル選択部9は、M個の制御モデルCM~CMの中から、最小の誤差ΔeMINに対応する制御モデルCMを選択する。
M個の制御器31-1~31-Mのうち、モデル選択部9により選択された制御モデルCMを実装している制御器31-mが、制御対象OBを制御する。
図7に示す制御モデル生成装置では、モデル選択部9が、M個の制御モデルCM~CMの中から、最小の誤差ΔeMINに対応する制御モデルCMを選択している。しかし、これは一例に過ぎず、モデル選択部9は、実用上問題のない範囲で、最小の誤差ΔeMIN以外の誤差に対応する制御モデルCMを選択するようにしてもよい。具体的には、モデル選択部9は、誤差が2番目に小さい制御モデルCMを選択、又は、誤差が3番目に小さい制御モデルCMを選択するようにしてもよい。
以上の実施の形態2では、制御モデル生成部8により生成された、複数の部分状態空間のそれぞれに対応する制御モデルの中から、いずれか1つの制御モデルを選択するモデル選択部9を備えるように、図7に示す制御モデル生成装置を構成した。したがって、図7に示す制御モデル生成装置は、図1に示す制御モデル生成装置と同様に、制御対象の動作に関する知識を十分に有している者が、複数の制御モデル候補を事前に用意することなく、制御対象の運動方程式を表している制御モデルを生成することができるほか、図1に示す制御モデル生成装置よりも、制御器による制御精度を高めることができる。
図7に示す制御モデル生成装置では、モデル選択部9が、M個の部分状態空間JK~JKのそれぞれに対応する制御モデルCMの出力と、部分状態空間モデルJzが表す線形近似曲線との誤差Δe(m=1,・・・,M)を算出し、M個の誤差Δe~Δeの算出結果に基づいて、いずれか1つの制御モデルを選択している。しかし、これは一例に過ぎず、モデル選択部9は、上界モデル推定部7により推定されたM個の部分上界モデルHz~Hzの中で、部分上界モデルのゲインである上界の傾きが最小の部分上界モデルHzを特定し、M個の制御モデルCM~CMの中から、特定した部分上界モデルHzに対応する制御モデルCMを選択するようにしてもよい。
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示は、制御モデル生成装置及び制御モデル生成方法に適している。
1 観測値取得部、2 状態空間モデル推定部、3 上界モデル推定部、4 制御モデル生成部、5 状態空間分割部、6 状態空間モデル推定部、7 上界モデル推定部、8 制御モデル生成部、9 モデル選択部、11 観測値取得回路、12 状態空間モデル推定回路、13 上界モデル推定回路、14 制御モデル生成回路、15 状態空間分割回路、16 状態空間モデル推定回路、17 上界モデル推定回路、18 制御モデル生成回路、19 モデル選択回路、21 メモリ、22 プロセッサ、31-1~31-M 制御器。

Claims (6)

  1. 非線形の特性を有する制御対象の出力である複数の観測値を取得する観測値取得部と、
    前記観測値取得部により取得された複数の観測値に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルを推定する状態空間モデル推定部と、
    前記観測値取得部により取得されたそれぞれの観測値と前記状態空間モデル推定部により推定された状態空間モデルが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差を算出し、前記推定誤差の上界を表す上界モデルを推定する上界モデル推定部と、
    前記状態空間モデル推定部により推定された状態空間モデルと前記上界モデル推定部により推定された上界モデルとを用いて、前記制御対象の運動方程式を表す制御モデルとして、前記制御モデルの出力と前記線形近似曲線との誤差が前記上界以下となる制御モデルを生成する制御モデル生成部と
    を備えた制御モデル生成装置。
  2. 前記上界モデル推定部は、
    前記上界の2乗値に対して1以下の定数を乗算した結果と、前記推定誤差の2乗値との差分を示す損失関数を用いて、前記上界モデルを推定することを特徴とする請求項1記載の制御モデル生成装置。
  3. 前記観測値取得部により取得された複数の観測値が存在している状態空間を複数の空間である部分状態空間に分割する状態空間分割部を備え、
    前記状態空間モデル推定部は、
    前記観測値取得部により取得された複数の観測値のうち、前記状態空間分割部による分割後のそれぞれの部分状態空間に存在している観測値に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルである部分状態空間モデルを推定し、
    前記上界モデル推定部は、
    それぞれの部分状態空間に存在している観測値とそれぞれの部分状態空間モデルが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差を算出し、それぞれの推定誤差の上界を表す上界モデルである部分上界モデルを推定し、
    前記制御モデル生成部は、
    前記状態空間モデル推定部により推定されたそれぞれの部分状態空間モデルと前記上界モデル推定部により推定されたそれぞれの部分上界モデルとを用いて、それぞれの部分状態空間に対応する、前記制御対象の運動方程式を表す制御モデルを生成することを特徴とする請求項1記載の制御モデル生成装置。
  4. 前記制御モデル生成部により生成された、前記複数の部分状態空間のそれぞれに対応する制御モデルの中から、いずれか1つの制御モデルを選択するモデル選択部を備えたことを特徴とする請求項記載の制御モデル生成装置。
  5. 前記モデル選択部は、
    前記複数の部分状態空間のそれぞれに対応する制御モデルの出力と前記線形近似曲線との誤差を算出し、それぞれの制御モデルの出力と前記線形近似曲線との誤差の算出結果に基づいて、いずれか1つの制御モデルを選択することを特徴とする請求項記載の制御モデル生成装置。
  6. 観測値取得部が、非線形の特性を有する制御対象の出力である複数の観測値を取得し、
    状態空間モデル推定部が、前記観測値取得部により取得された複数の観測値に係る線形近似曲線を表す状態空間モデルを推定し、
    上界モデル推定部が、前記観測値取得部により取得されたそれぞれの観測値と前記状態空間モデル推定部により推定された状態空間モデルが表す線形近似曲線との誤差である推定誤差を算出し、前記推定誤差の上界を表す上界モデルを推定し、
    制御モデル生成部が、前記状態空間モデル推定部により推定された状態空間モデルと前記上界モデル推定部により推定された上界モデルとを用いて、前記制御対象の運動方程式を表す制御モデルとして、前記制御モデルの出力と前記線形近似曲線との誤差が前記上界以下となる制御モデルを生成する
    制御モデル生成方法。
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