JP7843825B1 - 多結晶シリコンの製造装置 - Google Patents

多結晶シリコンの製造装置

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Abstract

【課題】多結晶シリコンを効率良く製造しつつ、多結晶シリコンの表面に生じる凹凸を低減する。
【解決手段】製造装置(1)は、反応炉(10)と、反応炉(10)の内部の空間(SP)に原料ガス(G1)を供給するための供給口(41)が形成される複数の供給ノズル(40)と、を備え、供給ノズル(40)の供給口(41)と、芯線保持部(30)の上端(31)と、の間における垂直方向に沿った第1距離(L1)が、100mm以上500mm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、多結晶シリコンの製造装置に関する。
従来より、ベルジャおよび底板により内部が密閉される反応炉を用いて、多結晶シリコンを効率良く製造することが求められている。そこで、反応炉の内部の空間を高温にして多結晶シリコンを効率良く製造するために、特許文献1および特許文献2に記載のように、ベルジャの内壁が銀、タングステン、金または白金からなる反応炉を用いることが考えられる。
特開昭55-095319号公報 特開平01-208312号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の技術では、反応炉の内部で析出する多結晶シリコンにおける上方付近の温度が特に高くなり易いため、多結晶シリコンにおける上方付近の表面にコーンと呼ばれる凹凸が生じ易いという問題がある。
本発明の一態様は、多結晶シリコンを効率良く製造しつつ、多結晶シリコンの表面に生じる凹凸を低減することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る多結晶シリコンの製造装置は、多結晶シリコンが析出する前の放射率が0.1以下である材質から構成される内壁を有するベルジャと、底板と、により内部が密閉される反応炉と、多結晶シリコンを析出させるためのシリコン芯線と、前記反応炉の内部で前記シリコン芯線を保持する芯線保持部と、前記反応炉の内部の空間に原料ガスを供給するための供給口が形成されるとともに、前記底板に設けられる複数の供給ノズルと、を備え、前記底板に対して垂直である方向を垂直方向とすると、前記複数の供給ノズルのうち少なくとも1つの供給ノズルの前記供給口と、前記芯線保持部の上端と、の間における前記垂直方向に沿った第1距離が、100mm以上500mm以下である。
本発明の一態様によれば、多結晶シリコンを効率良く製造しつつ、多結晶シリコンの表面に生じる凹凸を低減することができる。
本発明の実施形態に係る多結晶シリコンの製造装置の構成の一例を示す断面図である。 図1に示す多結晶シリコンの製造装置において、第1距離と第2距離との関係を説明するための図である。 図1に示す多結晶シリコンの製造装置において、複数の供給ノズルの供給口の位置を説明するための図である。 表面に凹凸が生じていない多結晶シリコンと、表面に凹凸が生じている多結晶シリコンと、を示す図である。 表1に示す表面コーン率の測定方法を説明するための図である。
<多結晶シリコンSLの製造装置1の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る多結晶シリコンSLの製造装置1の構成の一例を示す断面図である。図1において、電極50からシリコン芯線20に向かう方向をZ軸正方向とし、Z軸方向に垂直な平面をXY平面とする。製造装置1は、シリコン芯線20に多結晶シリコンSLを析出させて、多結晶シリコンロッドを製造する装置である。
図1に示すように、製造装置1は、反応炉10と、シリコン芯線20と、芯線保持部30と、複数の供給ノズル40と、電極50と、を備える。図1では、シリコン芯線20が1つの場合を示しているが、製造装置1は、複数のシリコン芯線20を備えてもよい。また、図1では、芯線保持部30の数および電極50の数が2つの場合を示しているが、製造装置1は、3つ以上の芯線保持部30を備えてもよく、3つ以上の電極50を備えてもよい。
<反応炉10の構成>
反応炉10は、ベルジャ11と円板状の底板12とを有しており、シリコン芯線20と、芯線保持部30と、複数の供給ノズル40と、電極50と、を収容する。反応炉10の内部は、ベルジャ11および底板12により密閉される。
ベルジャ11は、シリコン芯線20に多結晶シリコンSLが析出する前の放射率が0.1以下である材質から構成される内壁111を有する。具体的には、ベルジャ11の内壁111の表面は、銀から構成されることが好ましい。内壁111全体を同一材質で形成してもよいが、多結晶シリコン製造時の反応炉10内の圧力に耐えうる強度を確保するため、SUSや鋳鉄等の一般的な構造材料でベルジャ11を製作して、その内壁111に放射率が0.1以下である材質層を密着させるように形成させてもよい。
この場合の放射率が0.1以下である材質層の厚さは一般的には0.05mm~5mmであり、密着方法としては圧接法、爆着法、溶接法、溶射法またはめっき法などの公知の接合技術を用いることができる。多結晶シリコンSLが析出する前の放射率は、反応炉10内の反応によって生じる反応物質が内壁111に付着していない状態での内壁111の表面の放射率と換言することができる。
また、内壁111の表面粗さRaは、0.400μm以下であることが好ましい。内壁111に付着した反応物質は、ベルジャ11を引き上げ、底板12上の多結晶シリコンSLおよびシリコン芯線20を入れ替える際に、エアーブロー、水洗または拭き取り等の物理的手法で除去されるのが一般的である。反応物質の除去は、内壁111の表面粗さを大きくしない強度で行われる。
これにより、反応炉10を用いて多結晶シリコンSLの製造を繰り返した場合において、ベルジャ11の内壁111の放射率を0.1以下に維持することができ、反応炉10の内部の空間SPの温度を、多結晶シリコンSLの析出に適性な温度に維持することができる。よって、多結晶シリコンSLを効率良く析出させることができる。なお、ベルジャ11に図示しない窓が設けられている場合、内壁111のうち窓を除く部分の表面が、放射率が0.1以下である材質から構成される。
<放射率の測定方法>
内壁111の表面に係る材質の放射率は、以下に説明する測定方法により測定される。放射率を測定する対象である試料を室温下に約1時間置き、試料の温度を十分に安定させる。測定装置(商品名:TSS-5X-3、ジャパンセンサー株式会社製)の測定部を、測定装置に付属の2種類の基準片(放射率0.06および0.97)に当て、測定装置の検出部の値を調整ダイヤルで基準片の放射率に設定することで、測定部の値を校正する。測定部の値の校正を完了した後、内壁111に測定装置の測定部を当て、内壁111の表面に係る材質の放射率を測定する。
<シリコン芯線20および芯線保持部30の構成>
シリコン芯線20は、多結晶シリコンSLを析出させるためのものである。シリコン芯線20はU字形状を有し、芯線保持部30を介して、一対の電極50と電気的に接続される。芯線保持部30は、反応炉10の内部でシリコン芯線20を保持する。芯線保持部30におけるZ軸正方向側の一部は、シリコン芯線20に多結晶シリコンSLが析出するにつれて、多結晶シリコンSLに埋没する。
芯線保持部30は、シリコン芯線20を保持することにより、シリコン芯線20に析出した多結晶シリコンSLを保持する。芯線保持部30は、シリコン芯線20の下端21を覆うように設けられている。
<供給ノズル40の構成>
複数の供給ノズル40は、反応炉10の内部の空間SPに原料ガスG1を供給するためのものである。原料ガスG1は例えば、水素とトリクロロシランの混合物、または水素とジクロロシランとトリクロロシランの混合物である。複数の供給ノズル40は、底板12に設けられており、底板12からZ軸正方向に向かって延伸する。複数の供給ノズル40のそれぞれにおけるZ軸正方向側の端部には、反応炉10の内部の空間SPに原料ガスG1を供給するための供給口41が形成される。
また、複数の供給ノズル40のそれぞれにおけるZ軸負方向側の端部は、底板12に形成された貫通孔121に接続される。反応炉10の外部に設けられる図示しないガス供給部は、貫通孔121を介して複数の供給ノズル40のそれぞれに原料ガスG1を供給する。原料ガスG1は、複数の供給ノズル40のそれぞれの供給口41から、反応炉10の内部に供給される。
なお、底板12に設けられる全ての供給ノズル40の供給口41は、芯線保持部30の上端31以上の位置に配置されることが好ましい。換言すると、全ての供給ノズル40の供給口41について、後述する第1距離L1が0mm以上であることが好ましい。
供給ノズル40の少なくとも一部、特にZ軸正方向側端部を含む上方の材質は石英であることが好ましい。これにより、反応炉10の内部の空間SPにおける上方の高温環境で、供給ノズル40から不純物が生じることを防止し、多結晶シリコンSLの汚染を防止することができる。また、各供給ノズル40から供給される原料ガスG1の流速については、全ての供給ノズル40において略均等としてもよいし、偏りを設けてもよい。なお、供給ノズル40毎に原料ガスG1の流速が異なっていてもよい。
<電極50の構成>
電極50は、シリコン芯線20への通電を行うためのものであり、底板12に設けられる。電極50と底板12との間には、電極50から底板12に電流が流れることを防ぐために、図示しない絶縁部材が設けられている。電極50の材質は、例えば炭素材料またはSUS等の金属材料である。
<第1距離L1について>
Z軸方向、つまり、底板12に対して垂直である方向を垂直方向とする。この場合、複数の供給ノズル40のうち少なくとも1つの供給ノズル40の供給口41と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った第1距離L1は、100mm以上500mm以下である。また、第1距離L1は、100mm以上400mm以下であることがより好ましい。供給口41の位置は上端31の位置よりも高く、第1距離L1はZ軸正方向を正の方向とする値で表されるものとする。
ここで、放射率が0.1以下である材質から構成される内壁111を有するベルジャ11と、底板12と、により内部が密閉される反応炉10を用いて多結晶シリコンSLを製造する場合を考える。この場合、反応炉10の内部で析出する多結晶シリコンSLにおける上方付近の温度が特に高くなり易い。
具体的には、多結晶シリコンSLからベルジャ11の内壁111に向かって、赤外光による放射エネルギーが放出される。そして、内壁111で赤外光が反射することで、多結晶シリコンSLは、その反射による放射エネルギーを受ける。多結晶シリコンSLにおける上方付近は、多結晶シリコンSLにおける他の箇所に比べて、ベルジャ11の天井部分112から反射したエネルギーも受けるため、多結晶シリコンSLにおける上方付近の温度が特に高くなり易い。また、底板12に原料ガスG1が通過する貫通孔121に加え、図示しない別の貫通孔を設けて反応済みの排ガスも通過させる構造をとる場合、製造装置1の下部に比べて上部の換気効率が相対的に低くなる。このため、原料ガスG1による多結晶シリコンSLの冷却効果が低いことも多結晶シリコンSLにおける上方付近の高温化を助長し易い。
そこで、少なくとも1つの供給ノズル40の供給口41と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った第1距離L1が100mm以上であることが好ましい。これにより、反応炉10の内部に係る空間SPの上方に、空間SPに比べて未反応で温度が低い原料ガスG1を供給することができる。
よって、反応炉10の内部に係る空間SPにおいて温度を均一にするとともに多結晶シリコンSLの径を均一にすることができるため、シリコン芯線20に多結晶シリコンSLを均一に析出させることができる。したがって、多結晶シリコンSLにおける上方付近の表面に生じる凹凸を低減することができる。
さらに、少なくとも1つの供給ノズル40の供給口41と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った第1距離L1が500mm以下であることにより、ベルジャ11の天井部分112に原料ガスG1が強く当たることを防ぐことができる。これにより、ベルジャ11の天井部分112が原料ガスG1によって加熱され過ぎることを防ぐことで、ベルジャ11の天井部分112が熱変性して劣化することを防ぐことができる。また、反応炉10の内部の空間SPの温度を、多結晶シリコンSLの析出に適性な温度に維持することができる。
ベルジャ11の内壁111の表面が銀から構成されている場合、内壁111の表面がSUSから構成されている場合に比べて、多結晶シリコンSLにおける上方付近の温度は高くなり易く、多結晶シリコンSLにおける上方付近の表面に凹凸が生じ易い。このため、第1距離L1が100mm以上500mm以下であることによる効果は、内壁111の表面が銀から構成されている場合に特に顕著に発揮される。
<第2距離L2について>
シリコン芯線20の上端22と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った第2距離L2は、2000mm以上2400mm以下であることが好ましい。本発明者らが鋭意検討した結果、第2距離L2の適性距離が2000mm以上2400mm以下であることが見出された。これにより、ベルジャ11の天井部分112に原料ガスG1が強く当たることを防ぎつつ、反応炉10の内部に係る空間SPの上方に原料ガスG1を供給することができる。
<第1距離L1と第2距離L2との関係>
図2は、図1に示す多結晶シリコンSLの製造装置1において、第1距離L1と第2距離L2との関係を説明するための図である。図2に示すように、第1距離L1は、第2距離L2の1/4以下であることが好ましい。具体的には、少なくとも1つの供給ノズル40の供給口41が、第2距離L2を4等分した範囲のうち、下位1/4の範囲に位置することが好ましい。
本発明者らが鋭意検討した結果、第1距離L1の適性距離が第2距離L2の1/4以下であることが見出された。これにより、ベルジャ11の天井部分112に原料ガスG1が強く当たることを防ぐことができる。
<芯線保持部上端の高さや芯線長さが違う場合のL1、L2>
また、多結晶シリコンSLの反応炉10中に複数立設するシリコン芯線20の長さや芯線保持部30の高さについて個別に差をつける形態が考えられる。これらの場合においても、芯線保持部30の高さが最も高い芯線保持部30の上端31を基準高さとし、この基準高さと、反応炉10内で最も高所にあるシリコン芯線20の上端22と、の間における垂直方向に沿った距離を第2距離L2として適用することが好ましい。
<複数の供給ノズル40の供給口41の位置>
図3は、図1に示す多結晶シリコンSLの製造装置1において、複数の供給ノズル40の供給口41の位置を説明するための図である。図3において、芯線保持部30は円形で示されており、供給ノズル40は三角形で示されている。また、図3では、ベルジャ11、シリコン芯線20、電極50および多結晶シリコンSLが省略されている。
図3に示すように、複数の供給ノズル40は、垂直方向から見た場合における底板12の中心部CTを中心とする複数の同心円C1,C2,C3に沿って設けられている。図3では、供給ノズル40が配置される同心円の数が3つの場合を示しているが、当該同心円の数は3つに限定されず、同心円の数は3つ以上であってもよい。
ここで、実施例1~5および比較例1~3において、図3に示すように、底板12上に複数の芯線保持部30および複数の供給ノズル40が配置されている状態で、ほぼ同一の電力原単位となるように多結晶シリコンSLを析出させた結果を以下の表1に示す。電力原単位[kWh/kg]とは、1kgの多結晶シリコンSLあたりの消費電力であり、1回の多結晶シリコン製造運転で消費した電力を、運転後に製造装置1内より取り出された多結晶シリコンSL全ての重量からシリコン芯線20の重量を引いた重量で除算することで算出される。実施例1~5および比較例1~3について、説明の便宜上、図1に示す部材に付記された符号を用いる。
表1において、第1距離L1[mm]は、供給ノズル40の供給口41と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った距離である。また、表面コーン率[%]とは、多結晶シリコンSLの表面のうち、凹凸(コーンまたはポップコーンとも称する)が発生している部分の面積の割合に係る指標となる値であり、算出方法については後述する。
表1について、同心円C1に沿って設けられる供給ノズル40の列が示す値は、同心円C1に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った第1距離L1である。また、同心円C2に沿って設けられる供給ノズル40の列が示す値は、同心円C2に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った第1距離L1である。
さらに、同心円C3に沿って設けられる供給ノズル40の列が示す値は、同心円C3に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41と、芯線保持部30の上端31と、の間における垂直方向に沿った第1距離L1である。なお、比較例3において-300mmは、供給ノズル40の供給口41の位置が芯線保持部30の上端31からZ軸負方向に300mmずれていることを示している。
表1に示す実施例1~5および比較例1~3では、第2距離L2は2300mmとした。表1に示すように、実施例1,3~5では、同心円C2に沿って設けられる供給ノズル40における第1距離L1が、同心円C1に沿って設けられる供給ノズル40における第1距離L1よりも長くなっている。供給口41は、第2距離L2を4等分した範囲のうち、下位1/4の範囲に位置している。これにより、実施例1,3~5では、実施例2および比較例1,2に比べて、表面コーン率を低減することができた。また、実施例2では、全ての供給ノズル40における第1距離L1が280mmであることにより、比較例1,2に比べて、表面コーン率を低減することができた。
<比較例2>
比較例2では、多結晶シリコンSLの上部が、多結晶シリコンSLの下部に比べて、2%~15%細い形状となった。比較例2のように、第1距離L1が長すぎる、つまり、供給ノズル40の供給口41の位置が高すぎると、反応炉10の内部の温度分布が不均一なものとなる。よって、比較例2の表面コーン率は、実施例1~5の表面コーン率よりも10%以上上昇した。
また、比較例2では、多結晶シリコンSLの上部が冷えすぎることで、多結晶シリコンSLの析出に適正な温度を維持できなくなり、製造装置1の電力効率が低下した。さらに、多結晶シリコンSLの析出の効率を向上させるために電力を上げると、多結晶シリコンSLの下部で凹凸が増加した。その上、加熱されて高温になった原料ガスG1がベルジャ11の天井部分112に当たり、天井部分112が損傷した。
<比較例3>
比較例3では、原料ガスG1の供給を開始してから、多結晶シリコンSLの析出にかかる予定時間の10%~30%の時間が経過した時点で、多結晶シリコンSLが倒壊したため、製造装置1を途中停止させた。具体的には、予定時間の10%~30%の時間が経過した時点で、多結晶シリコンSLが原料ガスG1による風圧に耐えられずに倒壊した。
また、多結晶シリコンSLの下部が冷えすぎることで、シリコン芯線20と芯線保持部30との境界が、多結晶シリコンSLの析出が進行し難い環境となっていた。これにより、多結晶シリコンSLを安定して析出させることができなかった。
<同心円C1~C3における供給口41の位置>
実施例1,3~5のように、同心円C1に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41の位置と、同心円C2に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41の位置と、が垂直方向に互いにずれていてもよい。また、実施例3~5のように、同心円C2に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41の位置と、同心円C3に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41の位置と、が垂直方向に互いにずれていてもよい。
つまり、複数の同心円のうち、いずれかの互いに隣り合う同心円を第1同心円および第2同心円とすると、第1同心円に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41の位置と、第2同心円に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41の位置と、が垂直方向に互いにずれていることが好ましい。これにより、いずれかの互いに隣り合う第1同心円および第2同心円間で、供給ノズル40の供給口41の位置が垂直方向にずれていることで、反応炉10の内部に係る空間SPにおいて原料ガスG1の流れを最適化することができる。
上記において、例えば、第1同心円が同心円C1であり、かつ、第2同心円が同心円C2である場合と、第1同心円が同心円C2であり、かつ、第2同心円が同心円C3である場合と、がある。
さらに、実施例1,3~5のように、同心円C2に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41は、同心円C1に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41よりも高い位置にあってもよい。また、同心円C3に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41は、同心円C2に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41よりも高い位置にあってもよい。
つまり、垂直方向から見て、底板12の中心部CTを内側とし、底板12の周縁122を外側とする場合、第2同心円が第1同心円よりも外側にあるとすると、第2同心円に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41は、第1同心円に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41よりも高い位置にあることが好ましい。
いずれかの互いに隣り合う第1同心円および第2同心円間について、第1同心円よりも外側にある第2同心円に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41は、第1同心円に沿って設けられる供給ノズル40の供給口41よりも高い位置にある。これにより、多結晶シリコンSLにおける上方付近の表面に生じる凹凸をより低減することができる。
また、実施例1,3~5において、内壁111の表面が銀から構成されている場合、製造装置1における電力原単位を低減しつつ、多結晶シリコンSLにおける上方付近の表面に生じる凹凸を低減することができる。
<多結晶シリコンSLの表面に生じる凹凸>
図4は、表面に凹凸が生じていない多結晶シリコンSLと、表面に凹凸が生じている多結晶シリコンSLと、を示す図である。図4の符号401は、表面に凹凸が生じていない多結晶シリコンSLを示し、図4の符号402は、表面に凹凸が生じている多結晶シリコンSLを示す。
ここで、多結晶シリコンSLが成長する過程において、各シリコン芯線20の表面に対して原料ガスG1が安定して供給されない場合、図4の符号402に示すように、多結晶シリコンSLの表面に凹凸が生じる可能性がある。凹凸が生じると、通電経路が変化して電流に偏りが生じ、局所的に高温の部分が発生することで、多結晶シリコンSLの表面に部分的な溶融が生じる場合がある。
また、この凹凸の凹部の上に多結晶シリコンが析出することで閉気孔が形成される場合がある。このように、凹凸の発生は、多結晶シリコンSLの形状不良を引き起こす虞がある。さらに、多結晶シリコンSLに凹凸があると、多結晶シリコンSLを輸送している間に発生する微粉の量が増加し、多結晶シリコンSLを単結晶化することで得られる単結晶シリコンの歩留まりが低下することが懸念される。このため、凹凸の発生を低減し得るように原料ガスG1が供給されることが好ましい。
<表面コーン率の測定方法>
製造装置1内における多結晶シリコンSLの最高温度を一定値以下にすれば、供給ノズル40の形状および配置を問わず表面コーン率をゼロにすることは可能だが、析出速度が低下して多大な運転時間と多量の電力を投じなければ目標生産量を達成できなくなる。すなわち、製造装置1の運転が、電力原単位が工業的に容認できないほどに高い運転となる。したがって、本実施例の供給ノズル40の配置による製造装置1内の温度分布の優劣を比較するために、製造装置1への投入電力を調整して、生産量および電力原単位の各実施例間の差が3%以内である生産ロットのデータを採用した。
図5は、表1に示す表面コーン率の測定方法を説明するための図である。表面コーン率の測定は以下のように実施した。図5の符号501に示すように、多結晶シリコンSLを、縦方向に100mmの間隔で分割した。なお、U字の曲部を含む多結晶シリコンSLの上部は、図5の符号501に示すように3分割した。
図5の符号502は、分割後の1片を示す拡大図である。続いて、100mm間隔で分割した一片をさらに略4等分した。当該4等分した塊をナゲット81と称する。各ナゲット81について、多結晶シリコンSLの表面に該当する表面の中心付近領域Rを視認することにより、凹凸が発生しているか、または平滑であるかを判定した。
当該判定では、300~500ルクスの一般的な室内照明の下で段差による影が網目を成しているものを、凹凸が発生していると判定した。凹凸が発生しているナゲット81をナゲットPとした場合、表面コーン率は、ナゲットPの数を、ナゲットの総数で除することにより算出され得る。
<付記事項>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された複数の技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 製造装置
10 反応炉
11 ベルジャ
12 底板
20 シリコン芯線
22 シリコン芯線の上端
30 芯線保持部
31 芯線保持部の上端
40 供給ノズル
41 供給口
111 内壁
112 天井部分
C1、C2、C3 同心円
CT 中心部
G1 原料ガス
L1 第1距離
L2 第2距離
SL 多結晶シリコン
SP 空間

Claims (6)

  1. 多結晶シリコンが析出する前の放射率が0.1以下である材質から構成される内壁を有するベルジャと、底板と、により内部が密閉される反応炉と、
    多結晶シリコンを析出させるためのシリコン芯線と、
    前記反応炉の内部で前記シリコン芯線を保持する芯線保持部と、
    前記反応炉の内部の空間に原料ガスを供給するための供給口が形成されるとともに、前記底板に設けられる複数の供給ノズルと、を備え、
    前記底板に対して垂直である方向を垂直方向とすると、
    前記複数の供給ノズルのうち少なくとも1つの供給ノズルの前記供給口と、前記芯線保持部の上端と、の間における前記垂直方向に沿った第1距離が、100mm以上500mm以下であり、
    前記複数の供給ノズルは、前記垂直方向から見た場合における前記底板の中心部を中心とする複数の同心円に沿って設けられており、
    前記複数の同心円のうち、いずれかの互いに隣り合う同心円を第1同心円および第2同心円とすると、
    前記第1同心円に沿って設けられる前記供給ノズルの前記供給口の位置と、前記第2同心円に沿って設けられる前記供給ノズルの前記供給口の位置と、が前記垂直方向に互いにずれていることを特徴とする多結晶シリコンの製造装置。
  2. 前記シリコン芯線の上端と、前記芯線保持部の上端と、の間における前記垂直方向に沿った第2距離は、2000mm以上2400mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンの製造装置。
  3. 前記ベルジャの前記内壁の表面は、銀から構成され、
    前記内壁の表面粗さRaは、0.400μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンの製造装置。
  4. 前記第1距離は、前記シリコン芯線の上端と、前記芯線保持部の上端と、の間における前記垂直方向に沿った第2距離の1/4以下であることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンの製造装置。
  5. 前記垂直方向から見て、前記底板の中心部を内側とし、前記底板の周縁を外側とする場合、前記第2同心円が前記第1同心円よりも外側にあるとすると、
    前記第2同心円に沿って設けられる前記供給ノズルの前記供給口は、前記第1同心円に沿って設けられる前記供給ノズルの前記供給口よりも高い位置にあることを特徴とする請求項に記載の多結晶シリコンの製造装置。
  6. 前記底板に設けられる全ての前記供給ノズルの前記供給口は、前記芯線保持部の上端以上の位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンの製造装置。
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