微結晶ガラスの構造と微結晶相が含まれないガラス材料の構造の違いにより、化学強化の難易度が異なる。高応力レベルと高機械的強度特性を有し、カバーガラスの光学特性用途の要求を満たす高強度の化学強化微結晶ガラスを調製するために、当業者は通常、従来の微結晶ガラスに対し、長時間の化学強化処理を実施したり、高温(例えば、480℃超)の溶融塩を用いて化学強化処理を実施したりする。しかしながら、強化時間の延長や溶融塩温度の上昇は、微結晶ガラスの化学強化のコストの増加、つまり高強度の化学強化微結晶ガラスの製造コストの増加につながる。
よって本出願は、微結晶ガラスの組成および構造を調整することで、優れた光学特性と高固有強度を有する微結晶ガラスを提供することを目的とし、この微結晶ガラスによれば、通常の化学強化プロセスの条件下で、高応力レベルを有する、機械的強度特性や耐損傷性に優れた化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することができる。
上記目的を実現するために、本出願は、以下の技術案を提供する。
第1局面において、微結晶ガラスを提供し、前記微結晶ガラスは、微結晶ガラスに存在する他の結晶相よりも高い重量百分率を有するリチウムダイシリケート(二ケイ酸リチウム)結晶相を含み、前記微結晶ガラスの成分として、酸化物基準のモル%表示で、SiO2:61.50%~63.40%、Al2O3:2.75%~2.99%、P2O5:0.91%~1.91%、ZrO2:4.20%~4.85%、Na2O:1.80%~3.20%、B2O3:0~1.00%、Li2O:25.32%~26.52%を含み、前記微結晶ガラスの組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]と、ZrO2のモル%[ZrO2]とは、Z=-1.344×(2.65-100×[Na2O])2+0.466×100×[B2O3]+1.203×100×[ZrO2]、4.80≦Z≦5.35、好ましくは、4.98≦Z≦5.20の関係を満たす。
微結晶ガラスを特定の組成および結晶相構造とし、微結晶ガラスの各成分の含有量および各成分の含有量の配合比を特定の範囲とし、Na2O、B2O3、ZrO2、Li2Oを特定のモル%の関係とし、微結晶ガラスの主要結晶相をリチウムダイシリケートとすることで、微結晶ガラスに優れた光学特性と高固有強度を付与することができるとともに、通常の化学強化プロセスの条件下で、高応力レベルと高機械的強度特性を有する化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することを微結晶ガラスによって実現することができる。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]とは、0.90%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.10%、好ましくは、1.25%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.02%、より好ましくは、2.00%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.00%の関係を満たす。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、Li2Oのモル%[Li2O]とは、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦13.85、好ましくは、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦11.50の関係を満たす。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスのすべての結晶相において、リチウムダイシリケート結晶相の重量%が70%以上、好ましくは、85%以上である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、SiO2のモル%が、61.50%~63.30%、好ましくは、62.00%~62.60%であり、および/または、P2O5のモル%が、1.20%~1.91%、好ましくは、1.30%~1.60%であり、および/または、Na2Oのモル%が、1.85%~3.05%、好ましくは、2.20%~3.00%であり、および/または、B2O3のモル%が0~0.65%であり、および/または、ZrO2のモル%が4.20%~4.80%であり、および/または、Li2Oのモル%が、25.52%~26.52%、好ましくは、25.52%~26.00%である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、SiO2のモル%が、62.88%、63.30%、62.50%、63.26%、62.38%、62.27%、62.45%、62.22%、または63.17%であり、および/または、Al2O3のモル%が、2.86%、2.87%、2.93%、2.94%、または2.99%であり、および/または、P2O5のモル%が、1.00%、1.20%、1.30%、1.60%、1.40%、1.41%、1.53%、または1.54%であり、および/または、ZrO2のモル%が、4.80%、4.74%、4.84%、4.33%、4.34%、または4.35%であり、および/または、Na2Oのモル%が、1.85%、2.35%、1.95%、2.36%、2.96%、3.01%、2.93%、または2.95%であり、および/または、Li2Oのモル%が、25.62%、25.82%、25.69%、25.36%、25.77%、25.87%、25.90%、25.79%、26.03%、または25.74%である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの組成は、酸化物のモル%表示含有量で、式Zの値は、5.19、5.10、5.09、5.06、または5.13であり、および/または、[Na2O]-[B2O3]の値は、1.26%、1.79%、0.96%、2.36%、2.96%、3.01%、2.93%、または2.95%であり、および/または、[Li2O]/[Na2O]の値は、13.83、10.93、13.01、10.92、8.73、8.61、8.79、または8.83である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの結晶化度は、45%以上、好ましくは、45%~85%、より好ましくは、55%~65%であり、および/または、前記微結晶ガラスにおいて、平均結晶粒径は、100nm以下、好ましくは、40nm以下、より好ましくは、15~30nmである。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、可視光波長範囲において透明であり、好ましくは、厚さが0.70mmで、550nmの波長光に対する前記微結晶ガラスの透過率は90.00%以上、好ましくは90.40%超であり、および/または、厚さが0.70mmで、前記微結晶ガラスのヘイズは0.30%未満である。
いくつかの実施形態において、厚さが0.70mmで、前記微結晶ガラスのb値は0.70未満、好ましくは、0.60以下である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスのヤング率は100GPa以上、好ましくは、105~112.50GPaであり、および/または、前記微結晶ガラスのビッカース硬さは640kgf/mm2以上、好ましくは、640~680kgf/mm2である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、平面微結晶ガラスまたは曲面微結晶ガラスを含み、好ましくは、前記微結晶ガラスが曲面微結晶ガラスの場合に、前記微結晶ガラスは、結晶化度が5%以上の結晶化ガラス素材に3次元熱間曲げ成形処理を施すことで調製され得る。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、基材ガラスに熱処理を施すことで調製され、好ましくは、前記熱処理工程は、核形成処理および/または結晶化処理を含み、好ましくは、前記結晶化処理は、1段階結晶化処理または2段階結晶化処理を含み、好ましくは、曲面微結晶ガラスを2段階結晶化処理によって調製する場合に、第2結晶化処理段階は、第1結晶化処理段階で得られた結晶化ガラス素材を結晶化温度まで加熱して3次元熱間曲げ成形処理を行い、3次元熱間曲げ成形過程で二次結晶化を行う。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの厚さは0.10~5.00mmである。
第2局面において、化学強化微結晶ガラスを提供し、前記化学強化微結晶ガラスは、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスから化学強化処理によって調製される。前記化学強化微結晶ガラスの中心部の組成が第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスの組成と同じであり、表面から圧縮深さまで延在する圧縮応力層領域を含み、内部に引張応力を有する。すなわち、前記化学強化微結晶ガラスは、圧縮応力層と引張応力層とを含む。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、化学強化微結晶ガラスに存在する他の結晶相よりも高い重量百分率を有するリチウムダイシリケート結晶相を含み、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の成分として、酸化物基準のモル%表示で、SiO2:61.50%~63.40%、Al2O3:2.75%~2.99%、P2O5:0.91%~1.91%、ZrO2:4.20%~4.85%、Na2O:1.80%~3.20%、B2O3:0~1.00%、Li2O:25.32%~26.52%を含み、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]と、ZrO2のモル%[ZrO2]とは、Z=-1.344×(2.65-100×[Na2O])2+0.466×100×[B2O3]+1.203×100×[ZrO2]、4.80≦Z≦5.35、好ましくは、4.98≦Z≦5.20の関係を満たす。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]とは、0.90%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.10%、好ましくは、1.25%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.02%、より好ましくは、2.00%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.00%の関係を満たし、および/または、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、Li2Oのモル%[Li2O]とは、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦13.85、好ましくは、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦11.50の関係を満たす。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、45000~55000MPa/mmのCT_LDを有し、好ましくは、48000~53000MPa/mmのCT_LDを有し、CT_LDが引張応力線密度であり、および/または、前記化学強化微結晶ガラスは、0.18t~0.25tのDOL_0を有し、好ましくは、0.20t~0.25tのDOL_0を有し、DOL_0が圧縮応力層深さで、tが化学強化微結晶ガラスの厚さであり、および/または、前記化学強化微結晶ガラスは、150~199MPaのCS_50を有し、好ましくは、160~199MPaのCS_50を有し、CS_50が化学強化微結晶ガラスの主表面からの深さ50μmでの圧縮応力値であり、および/または、前記化学強化微結晶ガラスは、80~98MPaの|CT_AV|を有し、|CT_AV|が平均引張応力の絶対値であり、および/または、前記化学強化微結晶ガラスは、115~142MPaの|CT_CV|を有し、好ましくは、120~140MPaの|CT_CV|を有し、|CT_CV|が最大引張応力の絶対値である。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスのビッカース硬さは、680kgf/mm2以上、好ましくは、700kgf/mm2~800kgf/mm2である。
第3局面において、ガラス部材を提供し、前記ガラス部材は、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。
第4局面において、カバーガラスを提供し、前記カバーガラスは、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを用いて調製される。すなわち、前記カバーガラスは、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。前記カバーガラスは、電子機器のディスプレイカバー、背面蓋、またはカメラ保護カバーであってもよい。
第5局面において、電子機器を提供し、前記電子機器は、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。
いくつかの実施形態において、前記電子機器は、前記電子機器の外側に取り付けられるハウジングと、前記ハウジングの内部に内蔵される回路基板とを含み、前記ハウジングは、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。
いくつかの実施形態において、前記ハウジングは、前記電子機器の正面に取り付けられるディスプレイカバーを含み、前記ディスプレイカバーは、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。
いくつかの実施形態において、前記ハウジングは、前記電子機器の背面に取り付けられる背面蓋を含み、前記背面蓋は、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。
いくつかの実施形態において、前記電子機器は、前記ハウジングの内部に内蔵されるカメラ素子をさらに含み、前記ハウジングは、前記カメラ素子に設けられるカメラ保護カバーを含み、前記カメラ保護カバーは、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。
いくつかの実施形態において、前記電子機器は、表示モジュールと前記ハウジングとの間に配置される中間枠をさらに含み、前記中間枠は、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスを含む。
いくつかの実施形態において、ハウジングは、一部あるいは全体が微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスからなることが可能である。本出願に係る電子機器は、ディスプレイカバー、背面蓋、カメラ保護カバー、中間枠の一部が、第1局面のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスまたは第2局面のいずれかの実施形態に記載された化学強化微結晶ガラスからなることが可能である。
本出願による上記技術案の一つまたは複数は、以下の利点を有する。
本出願によれば、微結晶ガラスを特定の組成および結晶相構造とし、微結晶ガラスの各成分の含有量および各成分の含有量の配合比を特定の範囲とし、Na2O、B2O3、ZrO2、Li2Oを特定のモル%の関係とし、微結晶ガラスの主要結晶相をリチウムダイシリケートとすることで、微結晶ガラスに優れた光学特性と高固有強度を付与することができるとともに、通常の化学強化プロセスの条件下で、高応力レベルと高機械的強度特性を有する化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することを微結晶ガラスによって実現することができる。よって、高強度の化学強化微結晶ガラスの製造コストを効果的に削減することができる。
本出願における実施例の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本出願の一部の実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることが可能である。
以下、実施例を用いて本出願の技術案を詳細に説明するが、以下の実施例が本出願を説明するためのものにすぎず、本出願の範囲を限定するものとみなすべきではない。実施例において、具体的な条件を明記しないことについて、従来の条件またはメーカーの勧めの条件下で行うことが可能である。使用する試剤または器械の、製造メーカーが明記されていないものが、市販の従来品を使用することが可能である。
本明細書に開示される範囲の端点および任意の値は、正確な範囲または値に限定されず、これらの範囲または値は、これらの範囲または値に近い値を含むと理解されるべきである。数値範囲については、各範囲の端点間、各个範囲の端点と単独の点との間や単独の点間を互いに組み合わせて一つまたは複数の新しい数値範囲を得ることができ、これらの数値範囲も本明細書に具体的に開示されているとみなされるべきである。用語である「任意の」、「いずれかの」は、含まれても含まれなくてもよい(または、あってもなくてもよい)ことを意味する。本明細書でいう「および/または」は包括的であり、例えば「Aおよび/またはB」とは、Aのみが存在する、またはBのみが存在する、またはAとBの両方が存在することを意味する。
用語および測定方法の説明は以下の通りである。
本出願において、微結晶ガラスは、ガラス相と結晶相(微結晶相とも呼ばれる)の両方を含む固形複合材料であり、ガラスセラミックや結晶化ガラスとも呼ばれる。
本出願において、化学強化微結晶ガラスは、微結晶ガラスに化学強化処理を施して得られた固形複合材料である。化学強化処理の際に、溶融塩において、微結晶ガラスにおけるイオン半径の小さいアルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオンやリチウムイオン)をイオン半径の大きいアルカリ金属イオン(例えば、カリウムイオンやナトリウムイオン)に置き換えることにより、交換されたイオン間の体積差を生成させ、微結晶ガラスの表層において、圧縮応力を生成する。
本出願において、基材ガラスは、核形成処理、結晶化処理および強化処理が施されていないガラスであり、原ガラスとも呼ばれる。
本出願において、化学強化微結晶ガラスの中心部の組成は、化学強化微結晶ガラスの深さや厚さの中心部またはその近傍の組成であり、すなわち、化学強化微結晶ガラスにおけるイオン交換が行われない領域の組成である。また、化学強化微結晶ガラスの中心部の組成は、この化学強化微結晶ガラスを調製するための、化学強化処理が施されていない微結晶ガラスの組成と同一または略同一である。
本出願において、可視光波長範囲は、360nm~740nmである。
本出願において、ヘイズ(haze)は、透過光のうち、入射光から2.5°以上ずれた透過光を百分率で表したものである。
本出願において、主要結晶相は、微結晶ガラスに存在する他の結晶相よりも高い重量含有量(重量百分率や質量百分率とも呼ばれる)を有する結晶相である。
本出願において、主表面は、ガラスブロックやガラスシートにおいて最大の表面積を有する表面であり、例えば、水平に配置された微結晶ガラスシートの上面または下面である。
本出願において、結晶化度は、微結晶ガラスの質量に対する微結晶ガラスにおける結晶相または結晶の総質量の百分率であり、微結晶ガラス中の結晶相の総含有量とも呼ばれる。
本出願において、微結晶ガラスの主表面にある波長の光を照射すると、光は反射、吸収、透過する。透過率は、入射光の強度に対する透過部分の強度の比である。
本出願において、D65光源は、色温度が6500Kであり、演色評価数Raが90より高く、紫外線領域を含む昼光で照射して対象物の色を測定するための光源であり、可視光波長領域に広いスペクトル分布を示す。
本出願において、結晶化ガラス素材は、ある程度の結晶化度に達したが、目標の結晶化度には達しておらず、熱を加えると引き続き結晶化して目標の結晶化度に達することができる、一定期間の熱処理がされたガラス素材である。
本出願において、CT_LDは、引張応力線密度で、単位がMPa/mmである。また、微結晶ガラスが溶融塩でイオン交換された後、微結晶ガラスの表面に圧縮応力層が形成され、微結晶ガラスの内部に引張応力層が形成される。例示的に、化学強化処理の際に、溶融塩において、微結晶ガラスにおける半径の小さいアルカリ金属イオンを半径の大きいアルカリ金属イオンに置き換えることにより、微結晶ガラスの表面に圧縮応力層が形成され、微結晶ガラスの内部に引張応力層が形成される。すなわち、圧縮応力層と引張応力層とを含む化学強化微結晶ガラスを調製する。本出願において、CT_LDは次式により算出される。
ここで、tは化学強化微結晶ガラスの厚さで、単位がmmであり、DOL_0は化学強化微結晶ガラスの圧縮応力層深さで、単位がμmであり、|CT_AV|は化学強化微結晶ガラスの平均引張応力の絶対値で、単位がMPaである。また、引張応力線密度の計算式において、上記単位の要求に従って値を代入して計算し、計算結果が得られるが、単位が計算に関与しない。
本出願において、CS_50は、化学強化微結晶ガラスの主表面からの深さ50μmでの圧縮応力値で、単位がMPaである。SLP-2000応力計によって測定されるものである。
本出願において、|CT_AV|は、平均引張応力の絶対値で、単位がMPaであり、具体的に、引張応力層の全ての引張応力の平均値の絶対値である。SLP-2000応力計によって測定されるものである。
本出願において、|CT_CV|は、最大引張応力の絶対値で、単位がMPaであり、具体的に、引張応力層の全ての引張応力の最大値の絶対値である。SLP-2000応力計によって測定されるものである。
本出願において、DOL_0は、圧縮応力層の深さであり、具体的に、化学強化微結晶ガラスの任意の主表面から、この表面に近づく圧縮応力がゼロになる位置までの距離である。SLP-2000応力計によって測定されるものである。
本出願において、上記応力特性の測定は、SLP-2000応力計により、化学強化微結晶ガラスの|CT_CV|、DOL_0、|CT_AV|を測定するように行われる。応力計の関連パラメータは次のように設定される。光源の波長を518nm、SOC(光弾性係数)を26[(nm/cm)/MPa]、屈折率を1.56、露光時間を300μsecとする。そして、上記の引張応力線密度の計算式により、化学強化微結晶ガラスの引張応力線密度(CT_LD)の値を算出する。
本出願において、b値は、材料の青色と黄色の値を表す。本出願のb値は透過光のb値であり、b値がプラスのものであることは、材料が青っぽいことを示す。
本出願において、ビッカース硬さは、1921年にイギリスのビッカース社(VickersLtd)のスミス(RobertL.Smith)とサンドランド(GeorgeE.Sandland)が考案した材料の硬さを表す尺度の一つである。
本出願において、ビッカース硬さの測定方法は、以下の通りである。微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを縦50mm×横50mm×厚さ0.70mmのシートとし、表面がきれいで、傷、くぼみ、亀裂などの肉眼で見える損傷がないガラスサンプルを試験サンプルとして選択し、ビッカース硬度計を用いてビッカース硬さを測定する。本出願の試験で使用されたビッカース硬度計は、北京科威科技有限公司の型番がVTD405の数字表示小荷重ビッカース硬度計である。試験条件は、荷重が300gf、負荷時間が10s、圧痕の有効性が「GB/T37900-2019超薄型ガラス硬度および破壊靱性の測定方法による小荷重ビッカース硬さ圧痕法」の基準に合致する。一枚の試験サンプルの表面で3つの異なる測定位置を選択して測定し、3つの測定結果の平均値を試験サンプルのビッカース硬さとして記録した。
本出願において、ヤング率は、外力による弾性変形に対するガラスの抵抗力を表す。本出願では、UMS-100超音波材料特性評価システムを用いて、微結晶ガラスのヤング率を超音波で測定する。
本出願において、核形成処理とは、熱処理によって基材ガラス中の核形成物質から小さな結晶核を形成させることである。結晶化処理とは、熱処理によってガラス基体から特定の結晶または目標の結晶を析出させるプロセスを指す。
本出願において、微結晶ガラスの厚さは、マイクロメータによって測定される。また、イオン交換が行われるとき、全体的なNa-Kおよび/またはLi-Naのイオン交換による(質量の)増量分は、一般的に、サンプル総質量の1.5%以下である。よって、厚さ方向の膨張効果は極めてわずかであり、厚さがほとんど変化しないと近似している。つまり、化学強化前後の微結晶ガラスの厚さの変化は、無視できるほど小さく、微結晶ガラスの厚さは、調製された化学強化微結晶ガラスの厚さとほぼ同じである。
本出願において、微結晶ガラスシートのサイズは、二次元測定機(型番がMiyuMY-YXCL-4030)によって測定される。
本出願において、微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスの結晶相、結晶化度および平均結晶粒径は、XRDによって測定され、具体的に、以下の通りである。
(1)XRD試験:本出願に係る微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを粉砕して粒径75μm未満のサンプルに研磨し、得られたサンプルをX線回折装置によって測定し、XRD回折ピーク曲線およびXRD回折データを得た。本出願で使用されたX線回折装置は島津社製のXRD-6100であり、金属ターゲットを銅、走査速度を6°/分間、動作電圧を40kV、動作電流を30mAとし、2θ=10°-50°とした。
(2)結晶相の確認:XRD回折データをソフトウェアであるJade(JADE Standard 8.6)によって解析し、サンプル中の結晶相を確認した。
(3)結晶化度(結晶相の総含有量とも呼ばれる)の確認:XRDの試験結果(RAW形式)をX線回折データのRietveld解析ソフトウェアであるJadeに導入し、フィッティングと計算を行い、サンプルの結晶化度を確認した。具体的に、フィッティングされた結晶相のピーク面積とフィッティングされた総ピーク面積との比を、サンプルの結晶化度とした。
(4)平均結晶粒径(平均結晶サイズとも呼ばれる)の確認:XRD試験によって得られたデータを使用し、Scherrerの式D=Kλ/(βcosθ)に従い、サンプルの平均結晶粒径を算出することができる。ここで、λがX線波長であり、λ=0.154056nm、βが回折ピークの半値幅、K=0.89、θがブラッグ角である。具体的に、XRD装置から出力されたRAW形式のファイルをソフトウェアであるJadeによってカーブフィッティングし、そしてJadeから出力されたフィッティング結果における各回折ピークに対応する角度2θ値とPeak FWHM値に基づいて、Peak FWHM値を弧度法で転換し、β=(FWHM/180×3.14)となる。そして、Scherrer式D=Kλ/(βcosθ)によって各回折ピークの結晶サイズを算出して平均化し、サンプルの平均結晶粒径を求めた。
本出願において、本出願に係る微結晶ガラスの透過率、ヘイズ、b値は、国家標準の「GB/T7962.12-2010無色光学ガラス測定方法第12部:分光透過率」を参照し、ヘーズメータによって測定された。具体的に、同一ロットの微結晶ガラス5枚の異なる波長の光に対する透過率、ヘイズ、b値をヘーズメータによって測定し、5枚の微結晶ガラスのb値、ヘイズの平均値をそれぞれ微結晶ガラスのb値、ヘイズとした。5枚の微結晶ガラスの550nmの波長光での透過率の平均値を微結晶ガラスの550nmの波長光での透過率とした。本出願の試験に使われるヘーズメータは、日本コニカミノルタ社製の分光測色計CM-3600Aであり、受光光学系が透過型のものであり、分光手段が平面回折格子であり、波長範囲が360nm~740nmであり、波長間隔が10nmであり、照明用光源がパルスキセノンランプ×4であり、環境温度が24℃であり、空気湿度が40%である。
本出願において、複数枚の同一実施例や同一比較例に係る化学強化微結晶ガラスサンプルについて、サンプルごとのサンドペーパー落下試験の落下高さを加算して、その合計をサンプル数で割った値を、化学強化微結晶ガラスのサンドペーパー落下試験の平均落下高さとした。この平均落下高さは、化学強化微結晶ガラスの耐落下性を表す。具体的に、各ロットから少なくとも10枚のサンプルを測定し、平均落下高さ
を算出した。ここで、nは各ロットで試験されたガラスサンプルの数で、hiは単一サンプルのサンドペーパー落下試験の落下高さである。
単一サンプルのサンドペーパー落下試験の落下高さの測定方法は以下の通りである。
ステップ1:181gのモデル機の下面に80メッシュのサンドペーパーを貼って、そしてモデル機を緑図社製のLT-SKDL-CD型落下装置に載せる。
ステップ2:サンドペーパーに対向するように、試験対象の化学強化微結晶ガラスサンプルをモデル機の真下に置く。具体的に、化学強化微結晶ガラスの主表面がサンドペーパーに対向するようにする。一定の落下高さからモデル機を落下させ、このモデル機の真下にある化学強化微結晶ガラスサンプルに衝突させる。化学強化微結晶ガラスサンプルにクラックが現れなかったら、化学強化微結晶ガラスサンプルが破壊されるまで、モデル機の落下高さをある程度上げ、引き続きモデル機を落下させ、このモデル機の真下にある化学強化微結晶ガラスサンプルに衝突させる。例えば、0.4mの落下高さからモデル機を落下させ、サンプルに一回衝突させ、サンプルにクラックが現れなかったら、落下高さを0.1m上げて再びモデル機を落下させ、化学強化微結晶ガラスサンプルが破壊されるまで上記のプロセスを繰り返す。
ステップ3:化学強化微結晶ガラスサンプルが破壊されるまでの1つ前の落下高さをそのサンドペーパー落下試験の落下高さとして記録する。例えば、落下高さを0.1mずつ上げる場合、サンプルは0.5mの落下高さで破壊されると、そのサンドペーパー落下試験の落下高さが0.4mとなる。
如何なる理論にも拘束されるものではないが、微結晶ガラスに化学強化処理を施す場合、主にガラス相におけるアルカリ金属イオンと溶融塩におけるアルカリ金属イオンがイオン交換されることで、微結晶ガラスの表面に圧縮応力構造が形成され、微結晶ガラスの機械的強度特性と耐損傷性の更なる向上を実現すると推定される。微結晶ガラスに含まれる緻密な結晶構造は、微結晶ガラスの固有強度と耐損傷性の向上に寄与するが、微結晶ガラス中の緻密な結晶粒子によって形成される相互連結構造により、ガラス相(または残留ガラス相とも呼ばれる)を結晶粒子の間に封入するため、イオン交換の経路が阻害され、ガラス相におけるアルカリ金属イオンと化学強化用溶融塩におけるアルカリ金属イオンとのイオン交換が阻害されることになる。よって、微結晶ガラスの化学強化による高応力特性の取得が困難になり、すなわち、高強度の化学強化微結晶ガラスの調製が困難になる。特に、リチウムアルミノシリケートガラスは、熱処理後にリチウムダイシリケート結晶相、石英結晶相、リチウムメタシリケート結晶相などの非単一の結晶相が析出しやすい。非単一の結晶相を有する微結晶ガラスは結晶化度が高いが、結晶含有率が高いほど、イオン拡散に必要なエネルギーと時間も増加する傾向にある。したがって、非単一の結晶相を有する構造は、微結晶ガラスのイオン交換の難易度をさらに高める可能性がある。
従来技術において、使用の要求を満たす化学強化微結晶ガラスを調製するために、通常、従来の微結晶ガラスに対し、長時間の化学強化処理を実施したり、高温(例えば、480℃超)の溶融塩を用いて化学強化処理を実施したりする。そして、強化時間の延長や強化用溶融塩温度の上昇は、微結晶ガラスの化学強化のコストの増加、つまり高強度の化学強化微結晶ガラスの製造コストの増加につながる。
本出願は、以上を鑑みて、経済性を向上させるために、従来技術とは異なり、優れた光学特性と高固有強度を有するとともに、高応力レベルを得るための迅速なイオン交換が可能な微結晶ガラスを提供する。本出願に係る微結晶ガラスによれば、通常の化学強化プロセスの条件下で、高応力レベルを有する、機械的強度特性や耐損傷性に優れた化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することができる。
以上のように、本出願のいくつかの実施形態において、微結晶ガラスを提供する。前記微結晶ガラスは、微結晶ガラスに存在する他の結晶相よりも高い重量百分率を有するリチウムダイシリケート結晶相(Li2Si2O5)を含む。前記微結晶ガラスの成分として、酸化物基準のモル%表示で、SiO2:61.50%~63.40%、Al2O3:2.75%~2.99%、P2O5:0.91%~1.91%、ZrO2:4.20%~4.85%、Na2O:1.85%~3.20%、B2O3:0~1.00%、Li2O:25.32%~26.52%を含む。
前記微結晶ガラスの組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]と、ZrO2のモル%[ZrO2]とが、Z=-1.344×(2.65-100×[Na2O])2+0.466×100×[B2O3]+1.203×100×[ZrO2]、4.80≦Z≦5.35、好ましくは、4.98≦Z≦5.20の関係を満たす。
リチウムダイシリケート(Li2Si2O5)結晶相は、[Si2O5]四面体アレイをベースとする斜方晶であり、結晶形状は扁平状または板状を呈する。微結晶ガラスの内部におけるリチウムダイシリケート結晶は、ランダム配向でかみ合っている微細構造となっているため、亀裂の進展経路をねじれさせ、亀裂の拡大を防止することができる。よって、微結晶ガラスの強度および破壊靱性を向上させることができる。そして、リチウムダイシリケート結晶は、ガラス基材(例えば、本出願に係る微結晶ガラスを調製するための基材ガラス)に近い光屈折率を有し、透明性の高い微結晶ガラスの調製に理想な結晶相である。本出願において、微結晶ガラスは、リチウムダイシリケートを主要結晶相とする構造を含むため、高固有強度と優れた光学特性の取得に寄与する。
本出願によれば、微結晶ガラスを特定の組成および結晶相構造とし、微結晶ガラスの各成分の含有量および各成分の含有量の配合比を特定の範囲とし、Na2O、B2O3、ZrO2、Li2Oを特定のモル%の関係とし、微結晶ガラスの主要結晶相をリチウムダイシリケートとすることで、微結晶ガラスに優れた光学特性と高固有強度を付与することができるとともに、通常の化学強化プロセスの条件下で、微結晶ガラスから、高応力レベルと高機械的強度特性を有する化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することができる。よって、高強度の化学強化微結晶ガラスの製造コストを効果的に削減することができる。
本出願に係る微結晶ガラスは、基材ガラスから熱処理により調製することができる。微結晶ガラスの組成は、酸化物基準のモル%表示で、使用される基材ガラスの組成と同一または略同一である。
本出願において、SiO2は、ガラスの網目構造の形成に必要な必須成分であり、リチウムダイシリケート結晶を形成する主要成分の1つである。SiO2の含有量が高いほど、ガラス相の網目構造が緻密になり、それに伴って微結晶ガラスの機械的強度も高くなり、熱膨張係数が小さくなり、耐熱性、誘電性、化学的安定性が向上する。しかし、SiO2の含有量が高すぎると、基材ガラスの溶融温度が高くなり、溶融粘度が大きくなり、基材ガラスの成形に不利である。そのため、本出願において、ガラスの成形性と優れた特性を両立させるために、基材ガラスまたは微結晶ガラス中のSiO2のモル%は、61.50%~63.40%、好ましくは61.50%~63.30%、より好ましくは62.00%~62.60%である。
本出願のいくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラス中のSiO2の含有量は、62.87%、62.88%、63.25%、63.26%、62.38%、62.27%、62.44%、62.45%、62.22%、63.17%、61.50%、61.60%、61.70%、61.80%、61.90%、62.00%、62.10%、62.20%、62.30%、62.40%、62.50%、62.60%、62.70%、62.80%、62.90%、63.00%、63.10%、63.20%、63.30%、または63.40%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願において、Al2O3は、ガラスの網目構造の形成に必要な成分である。適量のAl2O3は、微結晶ガラスの化学強化効果の向上に寄与し、化学強化過程におけるイオン交換をある程度促すが、過剰なAl2O3は、ガラスの粘度上昇を招くとともに、ペタライトのような他の結晶相の析出を招きやすく、微結晶ガラスの結晶相構造に影響を及ぼす。そのため、所望の結晶相構造を得るとともに、微結晶ガラスの化学強化効果を向上させるために、本出願において、基材ガラスまたは微結晶ガラス中のAl2O3のモル%は、2.75%~2.99%である。
本出願のいくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラス中のAl2O3の含有量は、2.75%、2.77%、2.79%、2.81%、2.83%、2.85%、2.86%、2.87%、2.89%、2.91%、2.93%、2.94%、2.95%、2.97%、または2.99%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願において、P2O5は、ガラスの結晶核の均一な形成を促すための核形成剤として作用する。その含有量が少なすぎたり多すぎたりすると、結晶性が悪くなり、得られる微結晶ガラスの光学特性に影響を及ぼし、微結晶ガラスの透明性の悪化を招く。そのため、所望の結晶相構造を得るとともに、優れた光学特性と機械的強度特性を実現するために、本出願において、基材ガラスまたは微結晶ガラス中のP2O5のモル%は、0.91%~1.91%、好ましくは1.20%~1.91%、より好ましくは1.30%~1.60%である。
本出願のいくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラス中のP2O5の含有量は、0.91%、0.95%、1.00%、1.05%、1.10%、1.15%、1.20%、1.25%、1.30%、1.35%、1.40%、1.45%、1.50%、1.55%、1.60%、1.65%、1.70%、1.75%、1.80%、1.85%、1.41%、1.53%、1.54%、または1.91%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願において、ZrO2は、ガラス形成の中間酸化物である。適量のZrO2は、微結晶ガラスの化学的安定性や、微結晶ガラスの硬度および耐擦傷性、耐落下性を向上させることができる。さらに、ZrO2カチオンは、電荷が高く、電界が強く、集中効果が大きいため、微結晶ガラスの核形成剤として用いられることが多い。しかし、ZrO2の含有量が高すぎると、ガラスの分相化を招き、光学特性が優れた微結晶ガラスの調製に不利である。そのため、優れた光学特性と高機械的強度を有する微結晶ガラスを得るために、本出願において、基材ガラスまたは微結晶ガラス中のZrO2のモル%は、4.20%~4.85%、好ましくは4.20%~4.80%である。
本出願のいくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラス中のZrO2の含有量は、4.20%、4.35%、4.40%、4.45%、4.50%、4.55%、4.60%、4.65%、4.70%、4.75%、4.74%、4.84%、4.33%、4.34%、4.85%、または4.80%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願において、Na2Oは、網目修飾酸化物である。適量のNa2Oは、遊離酸素を供給し、ガラスの粘度を改善し、ガラスを溶融しやすくし、ガラスの清澄化を促すとともに、化学強化速度を調整することができる。しかし、過剰なNa2Oは、微結晶ガラスの結晶化度の低下を招くほか、微結晶ガラスの化学強化效果にも影響を及ぼす。そのため、基材ガラスの成形性と微結晶ガラスの化学強化效果を改善するために、本出願において、基材ガラスまたは微結晶ガラス中のNa2Oのモル%は、1.80%~3.20%、好ましくは1.85%~3.05%、より好ましくは2.20%~3.00%である。
本出願のいくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラス中のNa2Oの含有量は、1.80%、1.85%、1.90%、1.95%、2.00%、2.05%、2.10%、2.15%、2.20%、2.25%、2.30%、2.35%、2.40%、2.45%、2.50%、2.55%、2.60%、2.65%、2.70%、2.75%、2.80%、2.85%、2.90%、2.95%、3.00%、3.20%、2.36%、2.96%、3.01%、2.93%、または3.05%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願において、B2O3は、融剤として、ガラスの高温粘度を低下させ、ZrO2による溶融困難の問題を改善するとともに、ガラスの屈伏点(yield point temperature)を低下させることができるが、過剰なB2O3は、微結晶ガラスの透明性の悪化を招きやすい。そのため、基材ガラスの成形性を改善し、所望の特性を有する微結晶ガラスを得るために、本出願において、基材ガラスまたは微結晶ガラス中のB2O3のモル%は、0~1.00%、好ましくは0~0.65%である。
本出願のいくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラス中のB2O3の含有量は、0、0.05%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.65%、0.70%、0.80%、0.90%、1.00%、または0.60%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願において、Li2Oは、主要結晶相のリチウムダイシリケート結晶相の形成に必要な成分であり、化学強化プロセスにおけるイオン交換にリチウムイオンを供給するための必須成分である。適量のLi2Oは、ガラス粘度の改善に寄与し、ガラスを溶融しやすくし、ガラスの清澄化を促すとともに、所望の含有量のリチウムダイシリケート結晶の取得に寄与する。さらに、Li2Oは、溶融塩における半径の大きいイオン(例えば、ナトリウムイオン)とのイオン交換を行うためのアルカリ金属リチウムイオンを供給することができ、化学強化微結晶ガラスの応力レベルに影響を及ぼす要因の1つである。しかし、過剰なLi2Oは、微結晶ガラスの光学特性を悪化させる。そのため、基材ガラスの成形性を改善し、所望の構造を有する微結晶ガラスを得るとともに微結晶ガラスの化学強化効果を向上させるために、本出願において、基材ガラスまたは微結晶ガラス中のLi2Oのモル%は、25.32%~26.52%、好ましくは25.52%~26.52%、より好ましくは25.52%~26.00%である。
本出願のいくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラス中のLi2Oの含有量は、25.32%、25.52%、25.60%、25.65%、25.70%、25.75%、25.80%、25.85%、25.90%、25.95%、26.00%、26.05%、26.10%、26.15%、26.20%、26.25%、26.30%、26.35%、26.40%、26.45%、25.62%、25.82%、25.69%、25.36%、25.77%、25.87%、25.79%、26.03%、25.74%、または26.52%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願において、各酸化物成分の含有量の範囲を調整、制御する上で、各酸化物成分間の配合比、特にNa2O、B2O3、ZrO2、Li2O間のモル%の関係を調整、制御することで、所望の結晶相構造を満たす微結晶ガラスの取得に寄与するとともに、微結晶ガラスに優れた光学特性と高固有強度を付与することができる。また、得られる微結晶ガラスに優れた化学強化效果をもたらすことに寄与し、通常の化学強化プロセスの条件下で、微結晶ガラスから、高応力レベルと高機械的強度特性を有する化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することできる。よって、高強度の化学強化微結晶ガラスの製造コストを効果的に削減することができる。
本出願のいくつかの実施形態において、前記基材ガラスまたは微結晶ガラスの組成において、Na2O、B2O3、ZrO2間のモル%の関係を表すZの値は、4.80、4.85、4.90、4.95、4.98、5.05、5.06、5.07、5.08、5.09、5.10、5.11、5.12、5.13、5.14、5.15、5.16、5.17、5.18、5.19、5.35、5.30、または5.20であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記基材ガラスまたは微結晶ガラスの組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]とが、0.90%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.10%、好ましくは、1.25%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.02%、より好ましくは、2.00%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.00%の関係を満たす。
いくつかの実施形態において、前記基材ガラスまたは微結晶ガラスの組成において、Na2OとB2O3とのモル%の差である[Na2O]-[B2O3]は、0.90%、1.00%、1.20%、1.25%、1.26%、1.35%、1.45%、1.55%、1.65%、1.75%、1.85%、1.95%、2.00%、2.05%、2.15%、2.25%、2.35%、2.45%、2.50%、2.55%、2.65%、2.75%、2.85%、2.95%、3.10%、1.79%、0.96%、2.36%、2.96%、3.01%、2.93%、3.00%、または3.02%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記基材ガラスまたは微結晶ガラスの組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、Li2Oのモル%[Li2O]とが、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦13.85、好ましくは、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦11.50の関係を満たす。
いくつかの実施形態において、前記基材ガラスまたは微結晶ガラスの組成において、Li2OとNa2Oとのモル%の比である[Li2O]/[Na2O]は、8.55、9.00、9.50、10.00、10.50、10.55、11.00、11.50、12.00、12.50、13.00、13.50、13.83、10.93、13.01、10.92、8.73、8.61、8.79、8.83、または13.85であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記基材ガラスまたは微結晶ガラスの組成は、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の組成範囲に加えて、他の成分を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、酸化物基準のモル%表示で、前記基材ガラスまたは微結晶ガラスの組成は、CaO:0.00mol%-1.00mol%、K2O:0.00mol%-1.00mol%を含むことができる。
本出願において、「リチウムダイシリケート結晶相が微結晶ガラスに存在する他の結晶相よりも高い重量百分率を有する」や「リチウムダイシリケートを主要結晶相とする」またはその他の類似の表現は、リチウムダイシリケート結晶相が、本出願の実施形態に係る微結晶ガラスのすべての結晶相の70重量百分率(重量%)以上を占めることを意味する。いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスのすべての結晶相において、リチウムダイシリケート結晶相の重量%が70%以上、好ましくは、85%以上である。例示的に、微結晶ガラスのすべての結晶相において、リチウムダイシリケート結晶相の重量%が、70%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、96%、97%、98%、100%、または95%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの結晶化度は、45%以上、好ましくは、45%~85%、より好ましくは、55%~65%である。微結晶ガラスの結晶化度が高いほど、微結晶ガラスが高耐衝撃性と高固有強度を得るのに有利である。しかし、結晶化度が高すぎると、微結晶ガラスの化学強化效果に影響を及ぼし、高応力レベルを有する化学強化微結晶ガラスを得るための化学強化の時間が長くなるとともに、微結晶ガラスの光学特性にも影響を及ぼす。本出願において、微結晶ガラスに所望の結晶化度を有することにより、微結晶ガラスに、良好な耐衝撃性と高固有強度の他に、優れた光学特性を付与し、その化学強化效果を改善することができる。
本出願のいくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの結晶化度は、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記微結晶ガラス中の他の可能な結晶相の非限定的な例として、ペタライト結晶相、および/または、リン酸リチウム結晶相が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、ペタライト結晶相をさらに含み、好ましくは、ペタライト結晶相の微結晶ガラスを占める重量百分率が20%以下、より好ましくは、15%以下、10%以下、または5%以下であってもよい。いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスにペタライト結晶相が含まれないことが好ましい。他の結晶相の析出を抑えることで、リチウムダイシリケートによる所望のインタロック構造の形成に寄与し、微結晶ガラスが高機械的強度特性、優れた光学特性および耐損傷性を得ることを確保する。
本出願のいくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスにおいて、平均結晶粒径は、100nm以下、好ましくは、40nm以下、より好ましくは、15~30nmである。適切な平均結晶粒径は、微結晶ガラスに優れた光学特性と高固有強度を両立させることに寄与する。平均結晶粒径が高すぎると、微結晶ガラスの透明性が失いやすく、化学強化效果にも影響を及ぼす。本出願において、微結晶ガラスに適切な平均結晶粒径を有することで、微結晶ガラスに、良好な耐衝撃性と高固有強度の他に、優れた光学特性を付与し、その化学強化效果を改善することができる。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの平均結晶粒径は、100nm、50nm、40nm、35nm、30nm、25nm、20nm、15nm、または10nmであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、可視光波長範囲において透明であり、好ましくは、厚さが0.70mmである場合の550nmの波長光に対する前記微結晶ガラスの透過率は90.00%以上、好ましくは90.40%超である。この透過率を満たす微結晶ガラスは、良好な光透過性と透明性を有し、表示効果が要求されるディスプレイへの使用に好適である。ここで「可視光波長範囲」は、360nm~740nm波長の光を指す。
いくつかの実施形態において、厚さが0.70mmである場合の550nmの波長光に対する前記微結晶ガラスの透過率は、90.00%、90.10%、90.20%、90.30%、90.40%、90.50%、91.00%、90.52%、90.70%、90.64%、90.85%、90.74%、90.63%、90.51%、または92.00%であってもよく、或いは、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、例えば、前記微結晶ガラスの透過率は、90%~92%や90.4%~92%などであってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、厚さが0.70mmである場合の前記微結晶ガラスのヘイズは0.30%未満である。ヘイズは、微結晶ガラスの内部や表面の光散乱による曇りや白濁を指す。ヘイズが小さいほど、微結晶ガラスの透明性および表示効果がよくなる。いくつかの実施形態において、厚さが0.70mmである場合の前記微結晶ガラスのヘイズは、0.25%、0.20%、0.15%、0.10%、0.05%、0.21%、0.14%、0.12%、0.14%、0.16%、または0.30%であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、厚さが0.70mmである場合の前記微結晶ガラスのb値は0.70未満、好ましくは、0.60以下である。本出願において、b値は、D65光源下で測定された光学b値である。本出願では、コニカミノルタ社製のCM-3600Aを用いて透過モードでb値を測定し、その結果をb(D65)で示す。b値が小さいほど、微結晶ガラスがより良好な表示效果を実現する。b値が大きくなると、微結晶ガラスに望ましくない色が現れ、ガラスの表示效果がディスプレイのカバーガラスの要求を満たすことができなくなる。
いくつかの実施形態において、厚さが0.70mmである場合の前記微結晶ガラスのb値は、0.70、0.65、0.60、0.55、0.50、0.45、0.40、0.35、0.30、0.25、0.48、0.47、0.52、0.51、0.54、または0.20であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願に係る微結晶ガラスは、透過率が高く、ヘイズが小さく、b値が低い。これは、本出願に係る微結晶ガラスが優れた光学特性と均一性を有し、透明であり、電子機器のディスプレイのカバーガラスの要求を満たすことができることを示している。
本出願のいくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスのヤング率は100GPa以上、好ましくは、105~112.50GPaである。本出願は、微結晶ガラスのヤング率を100GPa以上とすることにより、微結晶ガラスの高強度の網目構造を確保し、微結晶ガラスのイオン交換に生成される応力緩和効果(stress relaxation)を低減し、イオン交換中の高温、長時間などの要素による複合圧縮応力における深層応力に対する抑止作用を緩和する。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスのヤング率は、100GPa、105GPa、110GPa、106.32GPa、111.12GPa、110.82GPa、111.32GPa、110.91GPa、112.10GPa、111.87GPa、または112.50GPaであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスのビッカース硬さは640kgf/mm2以上、好ましくは、640~680kgf/mm2である。この微結晶ガラスのビッカース硬さが上記範囲内であることは、微結晶ガラスが高硬度および高固有強度を有することを示し、その優れた力学的特性が確保され、微結晶ガラスから高機械的強度特性および優れた耐損傷性を有する化学強化微結晶ガラスを調製することが可能となる。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスのビッカース硬さは、640kgf/mm2、650kgf/mm2、660kgf/mm2、670kgf/mm2、660.12kgf/mm2、654.02kgf/mm2、650.20kgf/mm2、652.31kgf/mm2、659.65kgf/mm2、651.70kgf/mm2、654.92、または680kgf/mm2であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスは、平面微結晶ガラスまたは曲面微結晶ガラスを含む。好ましくは、前記微結晶ガラスが曲面微結晶ガラスである場合に、前記微結晶ガラスは、結晶化度が5%以上の結晶化ガラス素材に3次元熱間曲げ成形処理を施すことで調製され得る。如何なる理論にも拘束されるものではないが、本出願は、部分的に結晶化させた結晶化ガラス素材を使用して、3次元熱間曲げを行い、ガラスが変形すると同時に目標とする結晶化度に達するまで熱により結晶化を続けるようにする。これにより、3次元熱間曲げ成形後の変形量をより正確に制御することができ、輪郭度の公差の変動が小さくなり、寸法がより安定し、熱間曲げ後の曲面微結晶ガラスの寸法精度を向上させることができる。当業者は、所望の曲面微結晶ガラスの結晶化度に応じて、部分的に結晶化させたガラス素材の結晶化度を選択することができる。例えば、所望の曲面微結晶ガラスの結晶化度が約60%である場合、目標とする結晶化度を満たす曲面微結晶ガラスを得るために、結晶化度が50%の部分的に結晶化させたガラス素材を選択して熱間曲げ成形処理を行うことができる。本出願において、酸化物基準のモル%表示で、前記の部分的に結晶化させたガラスの組成は、前記微結晶ガラスの組成と同一または略同一である。
いくつかの実施形態において、前記微結晶ガラスの厚さは0.10~5.00mmである。例示的に、前記微結晶ガラスの厚さは、0.10~2.00mm、0.20~1.00mm、または0.40~0.80mmであってもよい。
以上、微結晶ガラスの組成および微細構造などについて説明したが、以下、微結晶ガラスの調製方法について詳細に説明する。
本出願において、微結晶ガラスの調製工程は主に、基材ガラスの調製工程と基材ガラスの熱処理工程とを含む。
本出願において、基材ガラスは、従来技術における成形方法によって調製されてもよいが、これに限定するものではない。例えば、基材ガラスの成形方法は、フロート法、オーバーフロー法、圧延法、鋳造法を含むが、これらに限定されない。例示的に、基材ガラスは、各成分をレシピに従って均一に混合し、溶融成形した後、冷却し、アニールすることによって得ることができる。
例示的に、各原料(産業上、通常使用されている原料)をレシピに示す比例に従って配合し、清澄剤を添加してから、一定時間混合して、均一に混合された原料混合物を得る。原料混合物を白金るつぼに入れ、1250℃~1680℃、好ましくは1480℃~1680℃の熔融温度に加熱し、この温度で3~12時間保持する。そして、成形型に入れて冷却成形し、好ましくは750℃~1000℃に冷却した後、アニール炉に入れてアニール処理を行う。アニール温度が400℃~650℃であり、アニール時間が10~48時間であることが好ましい。その後、炉に入れたまま室温まで冷却すれば、基材ガラスを得ることができる。当業者は、発明能力を用いなくても、需要に応じて清澄剤の種類および用量を選択することができる。さらに、前記清澄剤は、塩化ナトリウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ヒ素などの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。清澄剤の添加量は、各原料物質の総量に対して0~1wt%とすることができる。
本出願のいくつかの実施形態において、基材ガラスの熱処理工程は、核形成処理および/または結晶化処理を含み得るが、好ましくは、核形成処理および結晶化処理を用いる。いくつかの実施形態において、前記結晶化処理は、1段階結晶化処理または2段階結晶化処理を含む。いくつかの実施形態において、曲面微結晶ガラスの調製のために2段階結晶化処理を採用する場合に、第2結晶化処理段階は、第1結晶化処理段階で得られた結晶化ガラス素材を結晶化温度まで加熱して3次元熱間曲げ成形処理を行い、3次元熱間曲げ成形過程で第二次結晶化を行うものである。
本出願のいくつかの実施形態において、微結晶ガラスに所望の物理的および化学的特性を有するようにするために、基材ガラスの熱処理は、1段階で行ってもよいし、2段階以上で行ってもよい。1段階熱処理を行う場合は、核形成処理を別途行わず、直接1段階の昇温処理を行い、この1段階の昇温処理で到達した温度で核形成と結晶成長を行う。つまり、直接結晶化処理を行う。2段階熱処理を行う場合は、まず核生成処理、すなわち核形成処理を行い、その後、目標とする結晶の成長処理、すなわち結晶化処理を行うような態様を含む2段階の昇温処理を行うことになるが、これに限定されない。
微結晶ガラスに所望の結晶相を析出させ、所望の物理的および化学的特性を得るために、さらに、核形成処理の温度を530~600℃、核形成処理の時間を0~24時間、好ましくは2~8時間とすることができ、また、結晶化処理の温度を700~750℃、結晶化処理の時間を0.10~24時間、好ましくは1~3時間とすることができる。熱処理の際に、昇温速度を5~15℃/分間にすることが好ましく、昇温速度を10℃/分間にすることがより好ましい。ここで、核形成処理の温度は、結晶核が形成され得る温度である。結晶化処理の温度は、目標とする結晶の成長に適切な温度である。
熱処理の後、当業者は、所望の仕様や要件を満たす微結晶ガラスサンプルを得るために、例えば成形処理、切断処理(例えばマルチワイヤーソーによる切断)、CNC加工処理(computer numerical control、すなわち数値制御機械)、スリミング処理、研磨処理などの他の従来のステップを実施することができる。
本出願のいくつかの実施形態において、化学強化微結晶ガラスをさらに提供し、前記化学強化微結晶ガラスは、上記の微結晶ガラスから化学強化処理によって調製される。前記化学強化微結晶ガラスは、中心部の組成が上記のいずれかの実施形態に記載された微結晶ガラスの組成と同じであり、表面から圧縮深さまで延在する圧縮応力層領域を含み、内部に引張応力を有する。すなわち、前記化学強化微結晶ガラスは、圧縮応力層と引張応力層とを含む。
化学強化処理、すなわちイオン交換法は、微結晶ガラスを溶融塩中に含浸させ、微結晶ガラスにおけるイオン半径の小さいアルカリ金属イオンと溶融塩におけるイオン半径の大きいアルカリ金属イオンとの交換を行うことで、微結晶ガラスの表面に圧縮応力層が形成され、より優れた機械的特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる。
また、化学強化前の微結晶ガラスに比べて、化学強化処理が実施された後の微結晶ガラスの表面の組成は、形成されたばかりの微結晶ガラス(すなわち、化学強化前の、イオン交換が行われていない微結晶ガラス)の組成と異なる可能性がある。これは、イオン交換が行われると、形成されたばかりの微結晶ガラスの表面にあるアルカリ金属イオン(例えば、Li+或Na+)がそれぞれ、より大きなアルカリ金属イオン(例えば、Na+或K+)に置き換えられるからである。しかしながら、実施形態において、微結晶ガラスの深さの中心部またはその近傍の組成および結晶相集合は、依然として形成されたばかりの微結晶ガラスの組成および結晶相集合を有する。つまり、本出願において、化学強化処理が行われて得た化学強化微結晶ガラスの中心部の組成(例えば、引張応力層の組成)および結晶相集合は、形成されたばかりの微結晶ガラスと同一または略同一である。
本出願のいくつかの実施形態において、化学強化処理は、1段階強化法または複数段階強化法を使用可能である。化学強化処理用の溶融塩は、ナトリウム塩および/またはカリウム塩を含む溶融塩である。好ましくは、本出願に係る化学強化処理用の溶融塩は、ナトリウム塩とカリウム塩とを含む混合溶融塩である。溶融塩の温度は、好ましくは380℃~470℃、より好ましくは430℃~460℃である。本出願のいくつかの実施形態において、溶融塩中のカリウム塩の濃度が0wt%~90wt%、ナトリウム塩の濃度が10wt%~100wt%であることが好ましく、溶融塩に一定量(例えば、0~0.2wt%)のリチウム塩を添加することがより好ましい。本出願のいくつかの実施形態において、化学強化処理の時間は0.1~3時間であることが好ましい。ナトリウム塩は、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムの中から選ばれた少なくとも1種であり、好ましくは硝酸ナトリウムである。カリウム塩は、硝酸カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウムの中から選ばれた少なくとも1種であり、好ましくは硝酸カリウムである。リチウム塩は、硝酸リチウム、硫酸リチウム、炭酸リチウムの中から選ばれた少なくとも1種であり、好ましくは硝酸リチウムである。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、化学強化微結晶ガラスに存在する他の結晶相よりも高い重量百分率を有するリチウムダイシリケート結晶相を含み、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の成分として、酸化物基準のモル%表示で、SiO2:61.50%~63.40%、Al2O3:2.75%~2.99%、P2O5:0.91%~1.91%、ZrO2:4.20%~4.85%、Na2O:1.80%~3.20%、B2O3:0~1.00%、Li2O:25.32%~26.52%を含み、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]と、ZrO2のモル%[ZrO2]とが、Z=-1.344×(2.65-100×[Na2O])2+0.466×100×[B2O3]+1.203×100×[ZrO2]、4.80≦Z≦5.35、好ましくは、4.98≦Z≦5.20の関係を満たす。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、B2O3のモル%[B2O3]とが、0.90%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.10%、好ましくは、1.25%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.02%、より好ましくは、2.00%≦[Na2O]-[B2O3]≦3.00%の関係を満たし、および/または、前記化学強化微結晶ガラスの中心部の組成において、Na2Oのモル%[Na2O]と、Li2Oのモル%[Li2O]とが、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦13.85、好ましくは、8.55≦[Li2O]/[Na2O]≦11.50の関係を満たす。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、45000~55000MPa/mmのCT_LDを有し、好ましくは、48000~53000MPa/mmのCT_LDを有し、CT_LDが引張応力線密度である。化学強化微結晶ガラスのCT_LDを45000~55000MPa/mmに抑えることで、化学強化微結晶ガラスの内部に蓄積される引張応力が十分密集するものとなり、化学強化微結晶ガラスの高表面応力レベルや、市場の要求に応える優れた耐落下性のような耐損傷性を確保する。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスのCT_LDは、45000MPa/mm、46000MPa/mm、47000MPa/mm、48000MPa/mm、49000MPa/mm、50000MPa/mm、51000MPa/mm、52000MPa/mm、53000MPa/mm、54000MPa/mm、50479MPa/mm、50547MPa/mm、50297MPa/mm、50497MPa/mm、50833MPa/mm、52768MPa/mm、または55000MPa/mmであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、150~199MPaのCS_50を有し、好ましくは、160~199MPaのCS_50を有する。CS_50とは、化学強化微結晶ガラスの主表面からの深さ50μmでの圧縮応力値である。鈍い物体または鋭利な物体が化学強化微結晶ガラスに接触した場合、化学強化微結晶ガラスの表面に備える応力構造は、受けた衝撃力を優先的に相殺することになる。化学強化微結晶ガラスは、高表面応力レベルを有するようにすることで、より多くの落下、押圧、衝撃、衝突によるエネルギー残量を相殺することができ、その優れた耐落下性のような耐損傷性が確保される。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスのCS_50は、150MPa、160MPa、170MPa、180MPa、190MPa、163.97MPa、173.80MPa、168.90MPa、174.60MPa、178.20MPa、176.89MPa、179.72MPa、または199MPaであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、80~98MPaの|CT_AV|を有する。|CT_AV|とは、引張応力層中の平均引張応力の絶対値である。化学強化微結晶ガラスの|CT_AV|を80~98MPaとすることで、化学強化微結晶ガラスが良好な引張応力分布構造、すなわち高表面応力レベルを有することに寄与する。高表面圧縮応力レベルにより、より多くの落下、押圧、衝撃、衝突によるエネルギー残量を相殺することができることから、化学強化微結晶ガラスが優れた耐損傷性を有するようになる。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスの|CT_AV|は、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、96.94MPa、86.77MPa、89.37MPa、90.20MPa、92.10MPa、91.58MPa、93.60MPa、または98MPaであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、115~142MPaの|CT_CV|を有する。|CT_CV|とは、最大引張応力の絶対値である。好ましくは、前記化学強化微結晶ガラスは、120~140MPaの|CT_CV|を有する。化学強化微結晶ガラスの|CT_CV|を115~142MPaとすることで、化学強化微結晶ガラスの高表面応力レベルが確保される。高表面圧縮応力レベルにより、より多くの落下、押圧、衝撃、衝突によるエネルギー残量を相殺することができることから、化学強化微結晶ガラスが優れた耐損傷性を有するようになる。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスの|CT_CV|は、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、125.68MPa、133.49MPa、136.28MPa、141.54MPa、141.63MPa、138.76MPa、または142MPaであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスのビッカース硬さは、680kgf/mm2以上、好ましくは、700kgf/mm2~800kgf/mm2である。化学強化微結晶ガラスのビッカース硬さを上記範囲とすることで、化学強化微結晶ガラスに高硬度および高機械的強度特性を付与し、優れた耐損傷性を有させることができる。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスのビッカース硬さは、680kgf/mm2、690kgf/mm2、700kgf/mm2、710kgf/mm2、720kgf/mm2、730kgf/mm2、740kgf/mm2、750kgf/mm2、760kgf/mm2、770kgf/mm2、780kgf/mm2、790kgf/mm2、726.25kgf/mm2、723.96kgf/mm2、724.50kgf/mm2、720.31kgf/mm2、730.98kgf/mm2、718.60kgf/mm2、731.57kgf/mm2、または800kgf/mm2であってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。
本出願のいくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスは、0.18t~0.25tのDOL_0を有し、好ましくは、0.20t~0.25tのDOL_0を有し、DOL_0が圧縮応力層深さで、tが化学強化微結晶ガラスの厚さである。化学強化微結晶ガラスに適切なDOL_0を有させることで、鈍い物体または鋭利な物体の衝撃、突き刺さりにより突然生成した亀裂が圧縮応力領域を直接貫通して引張応力領域に到達することによる微結晶ガラスの割れを防止することができる。よって、化学強化微結晶ガラスは、亀裂を拡大させるエネルギーを相殺する特性を向上させ、優れた耐落下性のような耐損傷性が確保される。
いくつかの実施形態において、前記化学強化微結晶ガラスのDOL_0は、0.18t、0.20t、0.21t、0.22t、0.23t、0.24t、または0.25tであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。また、具体的な実施形態において、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、任意の上記範囲を任意の他の範囲と組み合わせることが可能である。例示的に、化学強化微結晶ガラスの厚さが0.7mmの場合に、前記化学強化微結晶ガラスのDOL_0は、152.94μm、142.25μm、143.26μm、144.20μm、143.80μm、142.67μm、144.26μm、126μm、130μm、135μm、140μm、150μm、または160μmであってもよく、或いは、本出願では必要とする特性を有する化学強化微結晶ガラスが得られる限り、上記の具体的な値のいずれか2つを端点として構成される数値範囲内の値であってもよい。
本出願のいくつかの実施形態において、微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスは、2次元(2D)、2.5次元(2.5D)、3次元(3D)、不定形の形状を呈してもよく、および/または、微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスは、等厚または不等厚であってもよい。当業者は、需要に応じて選択することができる。ここで「不等厚」とは、微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスには、厚さの異なる部分が少なくとも2つ含まれることである。
本出願において、前記化学強化微結晶ガラスが特定の応力特性を満たすようにすることで、化学強化微結晶ガラスが優れた力学的強度特性、優れた機械的強度特性、優れた耐損傷性、特に優れた耐落下性を有するようになる。
本出願のいくつかの実施形態において、80メッシュのサンドペーパーを用いて、厚さが0.7mmの前記化学強化微結晶ガラスに対してサンドペーパー落下試験を行う。前記化学強化微結晶ガラスの平均落下高さは、1.0m以上、好ましくは1.2m以上、より好ましくは1.5m以上である。これによって、本出願に係る化学強化微結晶ガラスが優れた耐落下性を有するようになる。いくつかの実施形態において、80メッシュのサンドペーパーを用いて、厚さが0.7mmの前記化学強化微結晶ガラスに対してサンドペーパー落下試験を行い、前記化学強化微結晶ガラスの平均落下高さは、1.0m、1.1m、1.2m、1.3m、1.4m、1.5m、1.6m、1.7m、1.8m、1.9m、2.0m、1.75m、1.68m、1.64m、1.57m、1.60m、1.62m、1.78m、または2.1mなどであってもよい。
本出願による優れた特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスは、電子機器に適用可能であり、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ、携帯ゲーム機、携帯デジタル機器(例えば、デジタルカメラ)、車載中央制御装置、電子ホワイトボードガラス、スマートホーム、スマートウェア(例えば、スマートブレスレット、スマートウォッチ、スマートグラス)を含むが、これらに限定されない。また、微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスは、車両、飛行体、航走体や、微結晶ガラスを必要とする任意のガラス部材にも適用可能である。例えば、電子機器のディスプレイ、カバーガラス、タッチスクリーン、ガラス製インナースクリーンまたはインナーフレームなど、例えば、車両、飛行体、航走体のフロントガラスまたはサイドガラスなどの窓ガラスに適用可能である。例えば、ワークトップ、その他の表面、電気式ドア、フロアタイル、壁パネル、収納容器などに適用可能である。その他の表面として、外壁表面、階段の踏面、柱表面、カウンター表面などを含むが、これらに限定されない。収納容器として、コップ、皿、錠剤ボトル、飲料ボトルなどを含むが、これらに限定されない。
例示的に、本出願による優れた特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスは、ガラス部材の製造に用いられることができる。ここで言及されるガラス部材は、規則的であっても不規則であってもよく、当業者が需要に応じて作製することができる。
例示的に、本出願による優れた特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスは、カバーガラスの製造に用いられることができる。前記カバーガラスは、電子機器のディスプレイカバー、背面蓋、またはカメラ保護カバーであってもよい。例示的に、本出願による優れた特性を有する微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスは、電子機器に用いられることができる。図9、図10、図11に示すように、本出願の実施例は、電子機器を提供する。この電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、スマートウェアラブルデバイスなどの電子製品であってもよい。電子機器は、電子機器の外側に取り付けられるハウジング1と、ハウジング1の内部に内蔵される回路基板、電池などの素子とを含む。ハウジング1は、正面に取り付けられるディスプレイカバー11と背面に取り付けられる背面蓋12とを含む。ディスプレイカバー11は、表示モジュール4に設けられる。ディスプレイカバー11および/または背面蓋12は、上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスによって作製されることが可能でる。本出願の実施例において、ディスプレイカバー11と背面蓋12は、全体として上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを使用してもよいし、一部のみに使用してもよい。本出願の実施形態において、ディスプレイは、タッチディスプレイであってもよく、ディスプレイカバー11は、タッチディスプレイに設けられる保護カバーであってもよい。本出願の実施形態において、背面蓋12は、電子機器の背面(すなわち、ディスプレイから離反する側)のみを覆ってもよく、電子機器の背面と側枠の両方を覆ってもよい。任意で、背面蓋12は、電子機器の周囲の全ての側枠を覆ってもよく、一部の側枠のみを覆ってもよい。
本出願のいくつかの実施形態において、図10に示すように、電子機器は、ハウジング1の内部に内蔵されるカメラ素子2をさらに含み、ハウジング1は、カメラ素子2に設けられ、カメラ素子2を保護するためのカメラ保護カバー13を含み得る。カメラ保護カバー13は、上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを使用可能である。本出願の実施形態において、カメラ保護カバー13は、上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを、全体的に使用してもよいし、一部のみに使用してもよい。本出願の実施形態において、カメラ保護カバー13は、カメラ素子2の位置に応じた位置に設けられ、電子機器の正面に設けられてもよく、電子機器の背面に設けられてもよい。本出願のいくつかの実施形態において、カメラ保護カバー13は、ディスプレイカバー11または背面蓋12と別体に構成されてもよい。本出願の別の実施形態において、カメラ保護カバー13は、ディスプレイカバー11または背面蓋12と一体に構成されてもよい。
本出願のいくつかの実施形態において、図11に示すように、電子機器は、表示モジュール4と前記ハウジング1との間に配置される中間枠3をさらに含み、前記中間枠3は、上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを含み得る。
本出願の実施形態において、電子機器におけるディスプレイカバー、背面蓋、カメラ保護カバー、中間枠は、そのうちのいずれか1つが上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを使用してもよいし、そのうちのいずれか2つが上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを使用してもよいし、そのうちのいずれか3つが上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを使用してもよいし、4つ全てが上記の微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスを使用してもよい。
本出願のいくつかの実施形態において、電子機器におけるディスプレイカバー、背面蓋、カメラ保護カバー、中間枠は、2次元、2.5次元、3次元、不定形の形状を呈してもよい。本出願のいくつかの実施形態において、電子機器におけるディスプレイカバー、背面蓋、カメラ保護カバー、中間枠は、等厚または不等厚であってもよい。
当業者は、需要に応じて微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスの厚さを選択することができる。例示的に、微結晶ガラスまたは化学強化微結晶ガラスの厚さは、0.1~5mm、0.1~2.0mm、0.2~1mm、または0.4~0.8mmであってもよい。
以下、本出願の技術案について、実施例を参照しながらさらに説明する。以下に詳細に説明される本出願の実施例は、本出願を説明するための例示的なものにすぎず、本出願を限定するものではない。
実施例1
(1)基材ガラスの調製
各原料(産業上、通常使用されている原料)を表1に示すレシピに従って配合し、配合した原料の総質量を1000gとし、さらに配合した原料に清澄剤の塩化ナトリウム(NaCl)を5g添加した後、V型ミキサーで30分間混合し、均一に混合された原料混合物を得た。
原料混合物を白金るつぼに移し、そして白金るつぼの中で1650℃で5時間溶融した後、成形型に入れて冷却成形し、900℃まで冷却した。その後、500℃のアニール炉に入れて24時間アニールしてから、炉に入れたまま室温まで冷却し、基材ガラスブロックを得た。
(2)微結晶ガラスの調製
基材ガラスブロックをアニール炉に入れて、室温から10℃/分間の昇温速度で550℃まで昇温し、核形成処理を行った。この温度で4時間保持した後、再び10℃/分間の昇温速度で710℃まで昇温し、結晶化処理を行った。この温度で1.5時間保持した後、1℃/分間の降温速度で室温まで降温し、微結晶ガラスブロックサンプルを得た。調製された微結晶ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、基材ガラスと同じ組成を有し、詳しくは表1に示す。
得られた微結晶ガラスブロックサンプルに、切断、CNC加工(本出願で使用するCNC装置の型番はRCG500S)、研磨という冷間加工処理を順に施すと、所望の仕様や要件を満たす微結晶ガラスサンプルを調製した。本出願において、微結晶ガラスブロックサンプルに上記の冷間加工処理を施し、厚さが0.70mmの微結晶ガラスサンプルを調製した。具体的に、50mm×50mm×0.70mmの微結晶ガラスサンプルの研磨シートを調製した。
実施例1で得られた微結晶ガラスサンプルについて、以下の試験を行った。
微結晶ガラスサンプルについて、結晶相組成、結晶化度、平均結晶粒径、ビッカース硬さ、ヤング率をそれぞれ測定し、また、厚さが0.7mmの微結晶ガラスサンプルの光学b値、ヘイズ、透過率(550nmの波長光で)をそれぞれ測定し、結果を表2に示す。
(3)化学強化微結晶ガラスの調製
得られた微結晶ガラスサンプルを強化炉に入れて5分間予熱した後、速やかに460℃の溶融塩に入れ、化学強化処理を行った。溶融塩の組成は、70wt%KNO3+30wt%NaNO3+0.03wt%LiNO3である(KNO3とNaNO3の合計質量を基準として、0.03wt%のLiNO3を添加する)。化学強化処理を2時間行った後、微結晶ガラスサンプルを取り出し、強化炉本体においてゆっくりと室温まで冷却した。その後、水で微結晶ガラスの表面に包まれた塩分を洗浄し、微結晶ガラスサンプルを乾燥させたら、化学強化微結晶ガラスを得た。
実施例1で得られた化学強化微結晶ガラスについて、以下の試験を行った。
I.化学強化微結晶ガラスについて、SLP-2000応力計(光源の波長:518nm、SOC=26(nm/cm)/MPa、屈折率:1.56、露光時間:300μsec)を用いて、|CT_CV|、DOL_0、CS_50、|CT_AV|を測定した。さらに、引張応力線密度(CT_LD)の値を算出し、その結果を表3に示す。
II.化学強化微結晶ガラスのビッカース硬さを測定し、結果を表3に示す。
III.化学強化微結晶ガラスの平均落下高さを測定し、結果を表3に示す。
実施例2~実施例7
それぞれ実施例1を参照して行ったが、各実施例の原料組成、異なるプロセスパラメータおよびそれらに対応する試験結果をそれぞれ表1~3に示す。
図1は、実施例2に係る微結晶ガラスのXRDパターンを示す。図1から分かるように、微結晶ガラス中の主要結晶相は、リチウムダイシリケート結晶相である。
図2は、実施例2に係る微結晶ガラスの透過率曲線を示す。図2から分かるように、微結晶ガラスは、可視光波長範囲において透明であり、高透過率を有する。
図3は、実施例2に係る微結晶ガラスの化学強化前後のXRDパターンの比較図を示す。図3から分かるように、微結晶ガラスの結晶相構造は、化学強化処理の前後で大きく変化しておらず、微結晶ガラスから調製された化学強化微結晶の主要結晶相もリチウムダイシリケート結晶相である。
図4、図5は、それぞれ実施例2と実施例7に係る微結晶ガラスの実物画像を示す。微結晶ガラスシートの状態を示すために、黒色の背景を有する紙の上に撮影を行った。図4、図5から分かるように、本出願に係る微結晶ガラスは、b値が小さいため、ほとんど無色透明な状態にあり、良好な表示效果を実現することができる。
比較例1~比較例12
それぞれ実施例1を参照して行ったが、各比較例の原料組成、異なるプロセスパラメータおよびそれらに対応する試験結果をそれぞれ表1~3に示す。
図6、図7、図8は、それぞれ比較例5、比較例6、比較例8に係る微結晶ガラスの実物画像を示す。微結晶ガラスシートの状態を示すために、黒色の背景を有する紙の上に撮影を行った。図6、図7、図8から分かるように、比較例に係る微結晶ガラスは、b値が大きいため、明らかに青みが現れている。b値が大きいほど、呈示される青みが明らかとなり、表示效果に対する影響も大きくなる。
ここで、表1における酸化物の含有量が「0」の場合は、その成分が最初の原料配合工程でガラス組成物に積極的または意図的に添加されたのではなく、不純物として存在する可能性があることを示す。この表は、酸化物基準のモル%で含有量を表して各式に代入したもので、式の計算にモルの単位が関与しない。
上記の表1~表3の実施例および比較例から分かるように、比較例に比べて、本出願の実施例は、微結晶ガラスの各組成成分および配合比を制御することによって、各酸化物の含有量の範囲を満足させながら、Na2O、B2O3、ZrO2、Li2O間のモル%の関係を制御して特定の範囲の要求を満足させるとともに、微結晶ガラスにリチウムダイシリケートを主要結晶相とする微細構造を形成させることで、微結晶ガラスに対して、優れた光学特性(例えば、高透過率、低ヘイズ、低b値)および高固有強度(例えば、高ヤング率と高ビッカース硬さ)を付与するとともに、通常の化学強化プロセスの条件下で、高応力レベルと高機械的強度特性を有する化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することを微結晶ガラスによって実現することができる。本出願の実施例による化学強化微結晶ガラスは、CS_50、|CT_AV|、DOL_0、CT_LDが高く、耐落下性に優れている。
一方、比較例1~比較例12は、そのガラスの組成が、本出願に係る各酸化物の含有量の範囲と、Na2O、B2O3、ZrO2、Li2O間のモル%の関係とを同時に満足せず、その結果、各比較例において、微結晶ガラスの透過率が低く、光学b値やヘイズが高いなどの、調製された微結晶ガラスの光学特性が悪い場合や、同様な化学強化プロセスの条件下で、実施例に比べて調製された化学強化微結晶ガラスの応力特性が劣り、耐落下性が悪くなる場合がある。すなわち、比較例は、本出願の要求を同時に満たさないため、優れた光学特性と高応力レベルを両立させることができない。
上記の実施例は、本出願の具体的な実施例にすぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願に各種の変更や変化を有してもよい。本出願の精神および原理から逸脱しない限り、行った如何なる変更、均等置換、改良なども、本出願の保護範囲内に属する。
産業上の利用可能性
本出願によれば、微結晶ガラスを特定の組成および結晶相構造とし、微結晶ガラスの各成分の含有量および各成分の含有量の配合比を特定の範囲とし、Na2O、B2O3、ZrO2、Li2Oを特定のモル%の関係とし、微結晶ガラスの主要結晶相をリチウムダイシリケートとすることで、微結晶ガラスに優れた光学特性と高固有強度を付与することができるとともに、通常の化学強化プロセスの条件下で、高応力レベルと高機械的強度特性を有する化学強化微結晶ガラスを迅速かつ効率的に調製することを微結晶ガラスによって実現することができる。よって、高強度の化学強化微結晶ガラスの製造コストを効果的に削減することができる。