JP7842315B2 - 熱膨張性微小球、マスターバッチ、組成物及び発泡成形体 - Google Patents
熱膨張性微小球、マスターバッチ、組成物及び発泡成形体Info
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Description
この熱膨張性微小球やマスターバッチは幅広い用途に利用されており、例えば、基材樹脂と配合したものを成形して、成形体を製造できる。成形時に与えられる熱処理により熱膨張性微小球は膨張し、成形体の軽量化だけではなく、成形体に意匠性やクッション性等を付与することができる。
すなわち本発明は、以下の態様を含むものである。
<2> 前記重合体が、カルボキシル基含有単量体を含む重合性成分の重合体である、<1>に記載の熱膨張性微小球。
<3> 前記重合性成分に占める前記カルボキシル基含有単量体の重量割合が20~70重量%である、<2>に記載の熱膨張性微小球。
<4> 前記重合性成分が、(メタ)アクリル酸アミド系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、<2>又は<3>に記載の熱膨張性微小球。
<5> 前記重合性成分に占める前記(メタ)アクリル酸アミド系単量体及び前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種の重量割合が5~70重量%である、<4>に記載の熱膨張性微小球。
<6> 前記重合性成分に占めるアクリロニトリルの重量割合が20重量%未満である、<2>~<5>のいずれかに記載の熱膨張性微小球。
<7> <1>~<6>のいずれかに記載の熱膨張性微小球とベースレジンを含み、前記ベースレジンのメルトフローレイトが60g/10分超であり、前記ベースレジンの融点が前記熱膨張性微小球の膨張開始温度以下であるマスターバッチ。
<8> 前記融点が60~130℃である、<7>に記載のマスターバッチ。
<9> 前記熱膨張性微小球の含有量が、前記ベースレジン100重量部に対して35~300重量部である、<7>又は<8>に記載のマスターバッチ。
<10> <1>~<6>のいずれかに記載の熱膨張性微小球及び<7>~<9>のいずれかに記載のマスターバッチから選ばれる少なくとも1種と、マトリックス成分を含む、組成物。
<11> <10>に記載の組成物を成形してなる、発泡成形体。
本発明のマスターバッチは上記熱膨張性微小球を含んでいるので、発泡成形体を成形する際にメヤニの発生を低減することができる。
本発明の組成物は、上記熱膨張性微小球及び上記マスターバッチから選ばれる少なくとも1種を含んでいるので、発泡成形体を成形する際にメヤニの発生を低減することができる。
本発明の成形体は、上記組成物を成形してなるものであるので、外観が良好で軽量である。
本発明の熱膨張性微小球は、重合体を含む外殻と、その外殻に内包されかつ加熱により気化する発泡剤を含むものであり、微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。熱膨張性微小球の形態としては、重合体を含む外殻(シェル)と、発泡剤を必須に含むコアで構成されるコア-シェル構造を有するものであるとよい。
熱膨張性微小球の外殻を形成する重合体の溶解度パラメータが13(cal/cm3)1/2以下となることで、マトリックス成分の溶解度パラメータに近い値となり、熱膨張性微小球とマトリックス成分の相溶性が高くなると考えられ、成形体を成形する際にメヤニの発生を低減することが可能となる。該溶解度パラメータは、好ましくは9.0~13(cal/cm3)1/2、より好ましくは10~12.8(cal/cm3)1/2、さらに好ましくは11~12.8(cal/cm3)1/2である。
SP値は重合体の構造単位を構成する原子団の凝集エネルギー(Ecoh)と、構造単位を構成する原子団のモル体積(V)を用いて、下記式(I)より算出することができる。なお、原子団の凝集エネルギー(Ecoh)と、原子団のモル体積(V)の値は、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F.Fedors(147~154頁)」を参考にした。また、1Jは0.239calとした。
SP値=[ΣEcoh/ΣV]1/2 (I)
-CH2-:Ecoh=1180.7cal/mol、V=16.1cm3/mol
-CH<:Ecoh=819.7cal/mol、V=-1.0cm3/mol
-CN::Ecoh=6101.7cal/mol、V=24.0cm3/mol
これより、上記値を上記式(I)に基づき計算すると、アクリロニトリルにより形成される構造単位(アクリロニトリル構造単位)のSP値(SP(AN))は、
SP(AN)=[(1180.7+819.7+6101.7)/(16.1-1.0+24.0)]1/2=14.4(cal/cm3)1/2となる。
-CH3:Ecoh=1125.7cal/mol、V=33.5cm3/mol
>C<:Ecoh=351.3cal/mol、V=-19.2cm3/mol
これより、上記アクリロニトリルと同様にして、メタクリロニトリルにより形成される構造単位(メタクリロニトリル構造単位)のSP値(SP(MAN))は、
SP(MAN)=[(1125.7+1180.7+351.3+6101.7)/(33.5+16.1-19.2+24.0)]1/2=12.7(cal/cm3)1/2となる。
SP(P)=(SP(AN)×a1+SP(MAN)×a2)/(a1+a2) (II)
SP値=(SP1×a1+SP2×a2+・・・+SPn×an)/(a1+a2+・・・+an) (III)
ここで、SP1は重合体中における第1の構造単位のSP値であり、a1は重合体中におけるその重量割合(%)である。さらに、SP2~SPnはそれぞれ、重合体中における第2~第nの構造単位のSP値であり、a2~anはそれぞれ、重合体中におけるそれらの重量割合(%)である。
重合体が後述する重合性成分の重合体である場合、上記a1~anは重合性成分に占めるそれぞれ単量体の重量割合となる。
また、重合性成分は(ラジカル)重合性炭素-炭素二重結合を少なくとも2個有する単量体(以下、架橋剤ということがある)をさらに含んでいてもよい。単量体成分と架橋剤は付加反応が可能な成分であり、架橋剤は熱可塑性樹脂(A)に橋架け構造を導入できる成分である。なお、重合体においてそれぞれの架橋剤より由来する構造単位の重量割合は、重合性成分に占めるそれぞれの架橋剤の重量割合とする。
重合性成分が単量体成分としてカルボキシル基含有単量体を含む場合、重合性成分に占めるカルボキシル基含有単量体の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは20~70重量%、より好ましくは25~65重量%、さらに好ましくは30~60重量%である。該重量割合が20重量%以上であると、熱膨張性微小球の耐熱性が向上する傾向がある。該重量割合が70重量%以下であると、外殻の剛性が高くなりすぎず、膨張性が向上する傾向がある。
重合性成分が単量体成分として(メタ)アクリルアミド系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種を含む場合、重合性成分に占める(メタ)アクリルアミド系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種の重量割合は、特に限定はないが、好ましくは5~70重量%、より好ましくは8~60重量%、さらに好ましくは8~50重量%である。該重量割合が5重量%以上であると、熱膨張性微小球の耐熱性が向上する傾向がある。該重量割合が70重量%以下であると、外殻の剛性が高くなりすぎず、膨張性が向上する傾向がある。
重合性成分の態様として、(メタ)アクリルアミド系単量体又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む場合、(メタ)アクリルアミド系単量体又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有重量は上記重量割合となるとよい。
重合性成分に占めるアクリロニトリルの重量割合は、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは13重量%未満、特に好ましくは10重量%以下である。
重合性成分に占めるメタクリロニトリルの重量割合は特に限定はないが、好ましくは0~70重量%、より好ましくは5~60重量%である。
架橋剤としては、特に限定はないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、PEG#1000ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(EO付加2~30);プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート;ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート;ポリイソプレンジ(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート;ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;エトキシ化グリセリントリアクリレート;1,3,5-トリ(メタ)アクリロイル・ヘキサヒドロ1,3,5-トリアジン;トリアリルイソシアヌレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;1,2,4-トリビニルベンゼン;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の二官能の単量体、三官能の単量体や四官能以上の単量体が挙げられる。これら架橋剤は1種又は2種以上を併用してもよい。
発泡剤としては、特に限定はないが、例えば、メタン、エタン、プロパン、(イソ)ブタン、(イソ)ペンタン、(イソ)ヘキサン、(イソ)ヘプタン、(イソ)オクタン、(イソ)ノナン、(イソ)デカン、(イソ)ウンデカン、(イソ)ドデカン、(イソ)トリデカン等の炭素数1~13の炭化水素;(イソ)ヘキサデカン、(イソ)エイコサン等の炭素数13超で20以下の炭化水素;プソイドクメン、石油エーテル、初留点150~260℃及び/又は蒸留範囲70~360℃であるノルマルパラフィンやイソパラフィン等の石油分留物等の炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の炭素数1~12の炭化水素のハロゲン化物;ハイドロフルオロエーテル等の含弗素化合物;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル-n-プロピルシラン等の炭素数1~5のアルキル基を有するシラン類;アゾジカルボンアミド、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の加熱により熱分解してガスを生成する化合物等が挙げられる。
発泡剤は1種の化合物から構成されていてもよく、2種以上の化合物の混合物から構成されていてもよい。発泡剤は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、脂肪族であるものが好ましい。
また、発泡剤は炭素数8以上の炭化水素を含有すると熱膨張性微小球の最大膨張温度が向上するため好ましく、炭素数6以下の炭化水素を含有すると熱膨張性微小球がより効率的に膨張するため好ましい。
発泡剤の含有量は特に限定はないが、好ましくは2~40重量%、より好ましくは4~35重量%、さらに好ましくは5~30重量%、特に好ましくは6~25重量%である。該内包率が上記範囲にあると、加熱膨張時に発泡剤が外部へ漏えいしにくくなり、膨張性が向上する傾向がある。
なお、熱膨張性微小球の膨張開始温度(Ts)及び最大膨張温度(Tmax)は、実施例に記載の方法によるものである。
本発明の熱膨張性微小球の粒度分布における変動係数(Cv)は特に限定はないが、好ましくは10~40%、より好ましくは15~35%である。
なお、熱膨張性微小球の平均粒子径及び粒度分布は、実施例に記載の方法によるものである。
過酸化物としては、特に限定はないが、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジベンジルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;クメンハイドロパーキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエステル等が挙げられる。
アゾ化合物としては、特に限定はないが、例えば、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)等が挙げられる。
水性分散媒の使用量は、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、好ましくは100~1000重量部である。
電解質の含有量は特に限定はないが、水性分散媒100重量部に対して、好ましくは0.1~50重量部である。
水性分散媒中に含まれる水溶性化合物の量は、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.0001~1.0重量部、より好ましくは0.0003~0.1重量部、さらに好ましくは0.001~0.05重量部である。
分散安定剤としては、例えば、第三リン酸カルシウム、複分解生成法により得られるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウムや、コロイダルシリカ、アルミナゾル、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの分散安定剤は、1種又は2種以上を併用してもよい。
分散安定剤の配合量は、特に限定はないが、重合性成分100重量部に対して、好ましくは0.05~100重量部、より好ましくは0.2~70重量部である。
分散安定補助剤としては、例えば、高分子タイプの分散安定補助剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。これらの分散安定補助剤は、1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明の熱膨張性微小球において、その製造方法では、所定粒子径の球状油滴が調製されるように油性混合物を水性分散媒中に懸濁分散させる。
次いで、油性混合物が球状油滴として水性分散媒に分散された分散液を加熱することにより、懸濁重合を開始する。重合反応中は、分散液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は、例えば、球状油滴の浮上や重合後の熱膨張性微小球の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
イオン性物質の含有量を低減させる目的で、得られた湿粉又は乾燥粉体を水洗及び/又は再分散後に再濾過し、乾燥させても構わない。また、スラリーを噴霧乾燥機、流動乾燥機等により乾燥し、乾燥粉体を得てもよい。湿粉と乾燥粉体は使用用途に応じて適宜選択することができる。
本発明のマスターバッチは上記熱望膨張性微小球とベースレジンを含むものであり、発泡成形体を製造する際に使用できる発泡成形用のものである。
本発明のマスターバッチに含まれるベースレジンは、熱膨張性微小球とともに混錬される相手方となる成分であり、マスターバッチを形成する成分である。
ベースレジンのMFRが60g/10分超であることで、マスターバッチが溶融した際の流動性が高くなり、マスターバッチを含む組成物を成形する際に、熱膨張微小球が均一に分散、膨張し、比重のばらつきが生じにくくなるため、成形時のメヤニの発生をより低減しやすくなる。
ベースレジンのMFRは、好ましくは60g/10分超、500g/10分以下、より好ましくは65~400g/10分、さらに好ましくは70~300g/10分である。
なお、ベースレジンのMFRは、JIS K7210に準拠し、測定温度190℃、荷重2.16kgの条件下でキャピラリーレオメーターにより測定されるものである。
また、ベースレジンは後述するマトリックス成分を使用してもよい。
また、オレフィン系ポリマーを構成するオレフィン単位の含有率は、特に限定はないが、好ましくは60~100重量%、より好ましくは70~100重量%、さらに好ましくは75~100重量%、特に好ましくは80~100重量%である。該含有率が上記範囲内であると、熱膨張性微小球の分散性が向上する傾向がある。
オレフィン単位は、特に限定はないが、炭素数2~10のオレフィンであると好ましく、エチレンを含むと好ましい。
オレフィン単位がエチレンを含む場合、オレフィン系ポリマーを構成するエチレン単位の含有量は、特に限定はないが、好ましくは50~100重量%、より好ましくは60~100重量%、さらに好ましくは70~100重量%、特に好ましくは75~100重量%である。
安定剤としては特に限定はないが、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール-ビス-[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系安定剤;トリス(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系安定剤、ジラウロイルジプロピオネート等の硫黄系安定剤等が挙げられ、1種又は2種以上を併用してもよい。
滑剤としては特に限定はないが、例えば、ポリエチレンワックス;グリセリンモノステアレート、ジグリセリンステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ステアリン酸等の脂肪酸等が挙げられ、1種又は2種以上を併用してもよい。
分散性向上剤としては特に限定はないが、例えば、脂肪族炭化水素、パラフィンオイル、アロマオイル等のプロセスオイル;流動パラフィン等が挙げられ、1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明のマスターバッチの長さは、その用途等によって適宜決められるが、好ましくは1~5mm、より好ましくは2~4mm、さらに好ましくは2.5~3.5mmである。該長さが上記範囲内にあると、成形体の製造時に熱膨張性微小球の分散性が向上する傾向がある。
本発明のマスターバッチにおいて、その長さ方向に垂直な面での断面の長軸長さは、その用途によって適宜決められるが、好ましくは1~5mm、より好ましくは2~4mm、さらに好ましくは2.5~3.5mmである。該長軸長さが上記範囲内にあると、成形体の製造時に熱膨張性微小球の分散性が向上する傾向がある。
(1)ベースレジンをロール、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機であらかじめ溶融混練させる。次いで、溶融させたベースレジンに熱膨張性微小球や必要に応じて上記その他の成分を添加し、予備混練物を調製する予備混練工程。
(2)上記で得られた予備混練物を1軸押出機、2軸押出機、多軸押出機等の押出機に投入して所望の形状や太さで溶融混合物を押出し、ホットカットペレタイザーでペレット化するペレット化工程。
マスターバッチを製造する際は、熱膨張性微小球の膨張開始温度未満の温度で行わなければ、熱膨張性微小球が膨張してしまう。通常、熱膨張性微小球が膨張しないように、膨張開始温度よりも5℃以上低い温度でマスターバッチの製造を行うとよい。
本発明の組成物は、上述した熱膨張性微小球及び上述したマスターバッチから選ばれる少なくとも1種と、マトリックス成分を含むものである。本発明の組成物は上述した熱膨張性微小球と、マトリックス成分を含むものであってもよい。また、組成物は上述したマスターバッチと、マトリックス成分を含むものであってもよい。
本発明の組成物を成形することで発泡成形体を製造することができ、発泡成形体の製造時にメヤニ発生の低減を達成できる。
マトリックス成分は上述したベースレジンを使用してもよい。
マトリックス成分に占める熱可塑性エラストマーの重量割合は、特に限定はないが、好ましくは30~100重量%、さらに好ましくは50~100重量%、特に好ましくは70~100重量%である。
本発明の発泡成形体の発泡倍率は、特に限定はないが、好ましくは1.1~5倍である。該発泡倍率が1.1倍以上であると、軽量となる傾向がある。該発泡倍率が5倍以下であると、発泡成形体の機械的特性の低下が軽減される傾向がある。該発泡倍率の下限は、より好ましくは1.2倍、さらに好ましくは1.4倍、特に好ましくは1.5倍である。一方、該発泡倍率の上限は、より好ましくは4倍、さらに好ましくは3倍、特に好ましくは2倍である。
なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、断りのない限り、「%」とは「重量%」を意味するものであり、「部」とは「重量部」を意味するものである。さらに、以下では、簡単のために熱膨張性微小球を「微小球」、ベースレジンを「レジン」、マトリックス成分を「マトリックス」ということがある。
測定装置として、マイクロトラック・ベル株式会社製のレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(MT3000II)を使用し、平均粒子径と粒度分布を測定した。なお、体積基準測定によるD50値を平均粒子径とした。
測定装置として、DMA(DMA Q800型 TA instruments社製)を使用した。微小球0.5mgを直径6.0mm、深さ4.8mmのアルミカップに入れ、微小球層の上部にアルミ蓋(直径5.6mm、厚み0.1mm)をのせて試料を準備した。その試料に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状態でサンプル高さを測定した。加圧子により0.01Nの力を加えた状態で20℃から350℃まで10℃/分の昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向における変位量を測定した。正方向への変位開始温度を膨張開始温度(Ts)とし、最大変位量を示した温度を最大膨張温度(Tmax)とした。
マスターバッチの比重は、以下の測定方法で測定した。比重は環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下においてイソプロピルアルコールを用いた液浸法(アルキメデス法)により測定した。具体的には、容量100mLのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WB1)を秤量した。秤量したメスフラスコにイソプロピルアルコールをメニスカスまで正確に満たした後、イソプロピルアルコール100mLの充満されたメスフラスコの重量(WB2)を秤量した。また、容量100mLのメスフラスコを空にし、乾燥後、メスフラスコ重量(WS1)を秤量した。秤量したメスフラスコに約50mLのマスターバッチを充填し、マスターバッチの充填されたメスフラスコの重量(WS2)を秤量した。そして、マスターバッチの充填されたメスフラスコに、イソプロピルアルコールを気泡が入らないようにメニスカスまで正確に満たした後の重量(WS3)を秤量した。そして、得られたWB1、WB2、WS1、WS2及びWS3を下式に導入して、マスターバッチの比重(d)を算出した。
d={(WS2-WS1)×(WB2-WB1)/100}/{(WB2-WB1)-(WS3-WS2)}
押出成形機であるラボプラストミル(東洋精機社製ME-25、1軸押出機)と、金型としてストランドダイ(ノズル口径3.0mm)を使用し、得られた組成物の押出成形を実施して、発泡成形体を得た。押出成形は、原料となる組成物を押出成形機へ投入し、ストランドダイから押出開始した5分後を起点として30分間行った。
上記成形条件において、ストランドダイの吐出口付近に30分間で堆積するメヤニの重量を測定し、測定したメヤニの重量を以下の指標に基づいて評価し、○以上を合格とした。
◎:メヤニ量が25mg以下であり、良好。
○:メヤニ量が25mg超で50mg以下であり、やや良好。
×:メヤニ量が50mg超であり、不良。
島津上皿電子分析天秤(AX200、株式会社島津製作所社製)を使用し、固体比重測定モード(液浸法)で測定した。
発泡成形体の表面状態を目視にて判断し、以下の指標により評価した。
◎:発泡成形体表面にめくれや凹みが認められず、良好。
○:発泡成形体表面に微小なめくれや凹みが若干数であるが認められ、やや良好。
×:成形体表面に大きなめくれや凹みが多く認められ、不良。
イオン交換水600gに、塩化ナトリウム150g、有効成分20%であるコロイダルシリカ50g、ポリビニルピロリドン1g、エチレンジアミン四酢酸・4Na塩0.5gを添加し、pHを3.0に調整して水性分散媒を調製した。
これとは別に、アクリロニトリル25g、メタクリロニトリル175g、メタクリル酸72g、メタクリルアミド17g、スチレン11g、エチレングリコールジメタクリレート1.2g、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(P-OPP)7.5g、イソペンタン40g、イソオクタン40gを混合させて油性混合物とした。
水性分散媒と油性混合物を混合し、得られた混合液をホモミキサー(プラミクス社製、TK ホモミキサー)により、回転数10000rpmで1分間分散して、懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応容器に移して窒素置換をしてから反応初期圧0.35MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で20時間重合反応した。重合後、生成物を濾過、乾燥し、微小球1を得た。得られた熱膨張性微小球の物性を表1に示す。
表1に示す反応条件に変更する以外は、製造例A1と同様にして熱膨張性微小球をそれぞれ得た。得られた熱膨張性微小球の物性を表1に示す。
なお、表1における略号は以下の意味を示す。
AN:アクリロニトリル、SP(AN):14.4(cal/cm3)1/2
MAN:メタクリロニトリル、SP(MAN):12.7(cal/cm3)1/2
AA:アクリル酸、SP(AA):14.0(cal/cm3)1/2
MAA:メタクリル酸、SP(MAA):12.5(cal/cm3)1/2
MAAm:メタクリルアミド、SP(MAAm):16.3(cal/cm3)1/2
MMA:メタクリル酸メチル、SP(MMA):9.9(cal/cm3)1/2
St:スチレン、SP(St):10.6(cal/cm3)1/2
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート、SP(EDMA):11.2(cal/cm3)1/2
ベースレジンとしてレジン1を100部と、製造例A1で得られた微小球1を100部とを添加し、加圧ニーダーにて80℃で1分間混錬し、混錬したものを70℃の条件で押し出しながらペレット状に造形して、マスターバッチ(MB1)を得た。得られたマスターバッチの物性を表2に示す。
製造例B1のマスターバッチの配合条件およびマスターバッチの製造条件を、表2~3に示すものに変更する以外は、製造例B1と同様にしてマスターバッチをそれぞれ得た。得られたマスターバッチの物性を表2~3に示す。
なお、表2~3における略号は以下の意味を示す。
レジン1:エチレン-酢酸ビニル共重合体、東ソー株式会社製 ウルトラセン(登録商標)720、比重0.947、融点67℃、メルトフローレイト150g/10分、オレフィン単位の含有率72重量%、エチレン単位の含有率72重量%
レジン2:エチレン-ブテン共重合体、住友化学株式会社製 エクセレン(登録商標)FX558、比重0.89、融点79℃、メルトフローレイト75g/10分、オレフィン単位の含有率100重量%、エチレン単位の含有率77.8重量%
レジン3:低密度ポリエチレン、東ソー株式会社製 ペトロセン(登録商標)353、比重0.915、融点98℃、メルトフローレイト145g/10分、オレフィン単位の含有率100重量%、エチレン単位の含有率100重量%
レジン4:エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、住友化学株式会社製 アクリフト(登録商標)CM5021、比重0.94、融点67℃、メルトフローレイト450g/10分、オレフィン単位の含有率72重量%、エチレン単位の含有率72重量%
製造例B1で得られたマスターバッチ(MB1)を6重量部と、マトリックス成分としてマトリックス1(オレフィン系エラストマー、三井化学株式会社製 ミラストマー(登録商標)8032BS、比重0.89)を100重量部とを混合し、組成物を得た。得られた組成物を、上記「メヤニ量の測定および評価」に記載の押出成形機とストランドダイを用いて押出成形して、ストランド状の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の物性を表4に示す。
なお、成形条件は、押出成形機のシリンダー及びストランドダイの温度(成形温度)を200℃、スクリュー回転数を25rpmに設定して行った。この際の成形機中に組成物が滞留していた時間は3.5分であった。
実施例1の発泡成形体の製造条件を、表4~5に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして発泡成形体をそれぞれ得た。得られた発泡成形体の物性を表4~5に示す。
マトリックス1:オレフィン系エラストマー、三井化学株式会社製 ミラストマー(登録商標)8032BS、比重0.89、A硬度79
マトリックス2:スチレン系エラストマー、アロン化成株式会社 AR-SC-30、比重0.89、A硬度26
一方、外殻に含まれる重合体の溶解度パラメータが13(cal/cm3)1/2超えると、発泡成形体を成形する際にメヤニの発生を低減できていないことが分かる。
Claims (10)
- 熱膨張性微小球とベースレジンを含むマスターバッチであって、
前記熱膨張性微小球が、重合体を含む外殻と、前記外殻に内包されかつ加熱により気化する発泡剤を含み、
前記重合体の溶解度パラメータが13(cal/cm3)1/2以下であり、
前記ベースレジンのメルトフローレイトが70~500g/10分であり、
前記ベースレジンの融点が前記熱膨張性微小球の膨張開始温度以下であり、前記融点が60~130℃である、マスターバッチ。 - 前記重合体が、カルボキシル基含有単量体を含む重合性成分の重合体である、請求項1に記載のマスターバッチ。
- 前記重合性成分に占める前記カルボキシル基含有単量体の重量割合が20~70重量%である、請求項2に記載のマスターバッチ。
- 前記重合性成分が、(メタ)アクリル酸アミド系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、請求項2又は3に記載のマスターバッチ。
- 前記重合性成分に占める前記(メタ)アクリル酸アミド系単量体及び前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体から選ばれる少なくとも1種の重量割合が5~70重量%である、請求項4に記載のマスターバッチ。
- 前記重合性成分に占めるアクリロニトリルの重量割合が20重量%未満である、請求項2又は3に記載のマスターバッチ。
- 前記ベースレジンがオレフィン系ポリマーを含み、前記オレフィン系ポリマーを構成するオレフィン単位がエチレン単位を含む、請求項1~3のいずれかに記載のマスターバッチ。
- 前記熱膨張性微小球の含有量が、前記ベースレジン100重量部に対して35~300重量部である、請求項1~3のいずれかに記載のマスターバッチ。
- 請求項1~3のいずれかに記載のマスターバッチと、マトリックス成分を含む、組成物。
- 請求項9に記載の組成物を成形してなる、発泡成形体。
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