添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係る保護シート配設方法及び保護シート配設装置では、表面に複数の半導体デバイスが形成された半導体ウェーハ等の板状物に保護シートが配設される。
まず、保護シートが配設される板状物について説明する。図1には、板状物11を示す斜視図が含まれており、図10(C)には、保護シート13が配設された板状物11が示されている。板状物11は、例えば、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、GaAs(ヒ化ガリウム)、若しくは、その他の半導体等の材料からなる略円板状の基板等である。ただし、板状物11はこれに限定されない。板状物11は、矩形状でもよい。
板状物11の表面11aは、互いに交差する複数の分割予定ライン(不図示)で区画される。板状物11の表面11aの分割予定ラインで区画された各領域には、ICやLSI等のデバイス(不図示)が形成される。板状物11を薄化し、分割予定ラインに沿って分割すると、それぞれデバイスを有した個々のデバイスチップを製造できる。
板状物11の薄化は、研削装置で板状物11を裏面11b側から研削することにより実施される。板状物11の研削は、保持テーブルと、研削ホイールが装着された研削ユニットと、を備える研削装置で実施される。板状物11が研削装置に搬入される前には、板状物11の被研削面となる裏面11bとは反対側の面である表面11aに保護シート13が貼着される。
図5(A)には、保護シート13を模式的に示す断面図が含まれており、図10(C)には、保護シート13が配設された板状物11の斜視図が示されている。保護シート13は、例えば、フィルム状の基材層15と、基材層15に配設された粘着層(糊層)17と、を含む粘着テープである。
基材層15は、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層17は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層17には、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂を用いてもよい。
また、保護シート13は、粘着層17を備えなくてもよく、ポリオレフィンやポリエステル等の熱可塑性樹脂で形成された基材層15、すなわち、熱可塑性樹脂層により構成されてもよい。逆に、保護シート13は、基材層15及び粘着層17以外の層をさらに備えてもよい。以下、基材層15及び粘着層17を備える保護シート13を板状物11に配設する場合を例に説明する。
保護シート13が板状物11に貼着される前に粘着層17に異物等が付着することのないように、保護シート13の粘着層17には剥離シート19が配設される。保護シート13に剥離シート19が配設されて一体化された状態では、保護シート13が剥離シート19により補強され、保護シート13によじれやシワ等が発生しにくい。
例えば、保護シート13の基材層15の厚さは100μm程度とされ、粘着層17の厚さは30μm程度とされる。そして、剥離シート19の厚さは100μm程度とされる。ただし、保護シート13の基材層15、粘着層17、及び剥離シート19の厚さはこれらに限定されない。
そして、粘着テープで構成される保護シート13を板状物11に貼着する従来のテープ貼着装置及びテープ貼着方法においては、剥離シート19が保護シート13の全面で剥離されることで粘着層17が露出され、露出した粘着層17を板状物11に接触させる。
より詳細には、テープ貼着装置では、まず、保護シート13の一端で剥離シート19を剥離し板状物11に貼着する。そして、剥離シート19を引っ張ってさらに剥離し粘着層17の露出領域を広げつつ、押圧ローラーで上方から板状物11を押圧することで、板状物11の一端から保護シート13を貼着させていた。これにより、粘着テープで形成された保護シート13が板状物11に貼着されていた。
しかしながら、剥離シート19を剥離しながら同時並行的に板状物11に保護シート13を貼着する場合、剥離シート19の剥離により生じる応力が保護シート13に印加された状態で保護シート13が板状物11に貼着される。この応力は常時一定とはならないため、板状物11の被保護面である表面11aに保護シート13が均一な状態では貼着されない。
また、剥離シート19が剥離された部分において、保護シート13の剛性は低くなる。そのため、粘着層17の一つの領域が露出されてから当該領域が板状物11に貼着されるまでの間、剥離シート19の剥離に伴う応力により保護シート13の当該領域によじれやシワ等が発生しやすい。よじれやシワが生じた保護シート13を板状物11に貼着すると、保護シート13と板状物11の間に気泡が入り込むという問題が生じる。
そこで、本実施形態に係る保護シート配設装置及び保護シート配設方法は、粘着テープ等の保護シート13をよじれやシワの生じていない状態で板状物11に配設できるように構成される。以下、まず、本実施形態に関する保護シート配設装置について説明する。図1は、本実施形態に係る保護シート配設装置2を模式的に示す斜視図である。
図2(A)は、原反ロール4と、保護シート13と、保護シート13に配設された剥離シート19と、繰り出しユニット6と、剥離シート切断ユニット8と、シート外形切断ユニット10と、ローラー12と、を模式的に示す斜視図である。図2(A)に示す通り、保護シート配設装置2は、剥離シート19が配設された保護シート13が長尺で巻かれた原反ロール4と、原反ロール4から送り出された保護シート13の進行経路を形成するローラー12と、を有する。
また、保護シート配設装置2は、原反ロール4から保護シート13を繰り出す繰り出しユニット6を備える。繰り出しユニット6は、原反ロール4の軸方向(水平方向、X軸方向)に直交する方向に移動可能な移動体16と、移動体16に組み込まれた把持部18と、を有する。移動体16には、原反ロール4の軸方向に垂直な方向(水平方向、Y軸方向)に沿ったレール(不図示)がスライド可能に接続されるとともに、移動体16をレールに沿って移動させるモータ等の駆動源(不図示)が接続されている。
例えば、移動体16には、保護シート13を両側方からそれぞれ把持できるように一対の把持部18が組み込まれている。各把持部18は、上下方向(Z軸方向)に沿って互いに接近できる一対の把持体を備え、両把持体の間に保護シート13が入る状態で両把持体を接近させることで保護シート13を把持できる。保護シート13の把持を解除したい場合、両把持体を互いに離れる方向に移動させる。
繰り出しユニット6で原反ロール4から保護シート13を繰り出す際には、原反ロール4から送り出されローラー12で案内された保護シート13を取りに行くように移動体16を原反ロール4の軸方向に垂直な方向(Y軸方向)に移動させる。そして、各把持部18で保護シート13の先端付近を把持し、移動体16をY軸方向に沿って逆方向に移動させる。これにより保護シート13が原反ロール4から繰り出される。
保護シート配設装置2は、さらに、保護シート13に配設された剥離シート19を切断する剥離シート切断ユニット8と、原反ロール4から保護シート13を切り離すシート外形切断ユニット10と、を備える。さらに、保護シート配設装置2は、原反ロール4から繰り出された保護シート13を支持するカットステージ14(図2(B)参照)を備える。
剥離シート切断ユニット8は、保護シート13に配設された剥離シート19を、保護シート13を配設する対象となる板状物11の外縁に沿う形状で切断する。そして、保護シート13に切断溝を形成する。剥離シート切断ユニット8は、上下方向(Z軸方向)に沿った回転軸部22と、回転軸部22の下端から水平方向に沿って伸びた腕部24と、腕部24の先端下方に配設されたカッター(切断工具)26と、を有する。腕部24に対するカッター26の取り付け位置は、調整可能でもよい。
剥離シート切断ユニット8で剥離シート19が切断される際、切断対象となる剥離シート19が配設された保護シート13は、後に詳述するカットステージ14に保持される。そして、剥離シート切断ユニット8の回転軸部22は、カットステージ14の上面の中心の真上に位置付けられる。
腕部24の基端側は回転軸部22の下端に接続されており、腕部24の先端側には下方に突き出たカッター26が接続されている。腕部24は、保護シート13が配設される板状物11の被配設面である表面11aの半径と同程度の長さとされる。または、腕部24に対するカッター26の取り付け位置は、回転軸部22から板状物11の表面11aの半径と同程度に離れた位置とされる。剥離シート切断ユニット8は、回転軸部22を回転させるモータ等の回転駆動源20を有し、この回転駆動源20を作動させることで腕部24を径とする環状軌道上でカッター26を移動させる。
保護シート配設装置2は、さらに、繰り出しユニット6で原反ロール4から繰り出された保護シート13を板状物11よりも大きい外形に切断するシート外形切断ユニット10を備える。シート外形切断ユニット10は、下方に突き出たカッター28と、カッター28を原反ロール4の軸方向に沿った方向(X軸方向)に沿って移動させる移動機構(不図示)と、を備える。シート外形切断ユニット10は、移動機構を作動させることでカッター28をX軸方向に移動できる。
剥離シート切断ユニット8及びシート外形切断ユニット10は、それぞれ、上下方向(Z軸方向)に沿って昇降可能である。特に、剥離シート切断ユニット8は、繰り出しユニット6で繰り出された保護シート13に配設された剥離シート19の下面よりも下方の高さ位置にカッター26の下端が到達するように下降できる。また、シート外形切断ユニット10は、保護シート13の下面よりも下方の高さ位置にカッター28の下端が到達するように下降できる。
図2(B)は、カットステージ14を模式的に示す斜視図である。カットステージ14は、繰り出しユニット6により繰り出された保護シート13を保持する保持プレート30と、保持プレート30の向きを上下反転させる際の回転軸となる反転軸部34と、を備える。カットステージ14は、原反ロール4から繰り出された保護シート13に保持プレート30が接触する高さ位置まで上昇可能である。
保持プレート30は、上面が平坦な保持面30aとなっており、保持面30aに載せられた保護シート13に保持力を作用させて保護シート13を保持する。例えば、保持プレート30は一端が保持面30aに通じた吸引路(不図示)を内部に有し、この吸引路の他端にポンプ等の吸引源が接続される。保持面30aに保護シート13が載せられているときにこの吸引源を作動させると、保持面30a側から保護シート13に負圧が作用し、保護シート13が保持プレート30に吸引保持される。
なお、保持プレート30は吸引保持以外の方法で保護シート13を保持してもよい。例えば、保持プレート30は電源に接続された電極を内部に有し、保持面30aに載せられた保護シート13に静電気的な力を作用させてもよい。すなわち、保持プレート30は保護シート13を静電チャックしてもよい。
保持プレート30は、シート外形切断ユニット10のカッター28の移動経路に沿った、すなわち、X軸方向に沿った逃げ溝32を備える。保持プレート30が保持する保護シート13をカッター28が切断する際、カッター28が逃げ溝32に入り込むことでカッター28と保持プレート30の接触が回避される。
反転軸部34は、例えば、X軸方向に沿って配設されており、一端に図示しないモータ等の回転駆動源が接続される。反転軸部34は、保持プレート30の下面に接続されている。そして、カットステージ14は、反転軸部34に接続された回転駆動源を制御して反転軸部34を回転させることで、保持プレート30の保持面30aが上方に向いた状態と、保持面30aが下方に向いた状態と、に切り替え可能である。
カットステージ14の保持プレート30上では、図5(B)に示す通り、保持プレート30に保持された保護シート13がシート外形切断ユニット10のカッター28により切断される。このとき、カッター28の下端が保護シート13よりも低い位置に到達する。しかしながら、保持プレート30には逃げ溝32が形成されているため、カッター28は保持プレート30に接触しない。
また、カットステージ14の保持プレート30上では、図5(C)に示す通り、保護シート13に配設された剥離シート19が剥離シート切断ユニット8によって切断される。ここで、カッター26の下端は剥離シート19よりも低い位置に到達するとともに、保護シート13を突き抜けさせないようにカッター26の高さを調整する。
図6(A)には、カッター26により切断され切断溝21が形成された剥離シート19が模式的に示されている。図10(A)は、保護シート13に配設され切断されて切断溝21が形成された剥離シート19と、保護シート13と、を模式的に示す斜視図である。保護シート配設装置2では、次に、剥離シート切断ユニット8によって切断された剥離シート19の切断溝21よりも内側の部分を保護シート13から剥離して粘着層17を部分的に露出させる。
図1等に示す通り、保護シート配設装置2は、保護シート13から部分的に剥離シート19を剥離させる剥離ユニット36を備える。剥離ユニット36は、カットステージ14の下方に設けられる。そして、剥離ユニット36が剥離シート19を部分的に剥離する際には、カットステージ14の保持プレート30が保護シート13を保持したまま反転軸部34を中心に回転し、図6(B)に示す通り、保持面30aが下方に向けられる。
次に、保護シート配設装置2が備える剥離ユニット36について説明する。図3(A)は、剥離ユニット36を模式的に示す斜視図であり、図7(A)には、剥離ユニット36を模式的に示す側面図が含まれている。
剥離ユニット36は、基材と、該基材の一方の面に形成された粘着層と、で構成される剥離テープ42がロール状に巻かれた状態で引き出し可能に装着される剥離テープ供給部38と、剥離テープ42を巻き取って回収する巻き取り部54と、を備える。さらに、剥離ユニット36は、剥離テープ供給部38から引き出された剥離テープ42を誘導して剥離テープ42の進行経路を形成する複数のローラー44を有する。
剥離テープ供給部38は、未使用の剥離テープ42のロールが装着される送り出しローラー40と、送り出しローラー40を回転させる回転駆動源(不図示)と、を備える。また、巻き取り部54は、使用済みの剥離テープ42が巻き取られてロールが形成される巻き取りローラー56と、巻き取りローラー56を回転させる回転駆動源(不図示)と、を備える。
また、剥離ユニット36は、剥離テープ42の進行経路を形成する複数のローラー44の一部が配設された移動体46と、移動体46を移動させる駆動部52と、を備える。駆動部52は、Y軸方向に沿ったレール48を有する。レール48には移動体46がX軸方向に沿ってスライド可能に装着されており、駆動部52は移動体46をレール48に沿って移動させる駆動源(不図示)を有する。
外部から移動体46に供給された剥離テープ42は、ローラー44にガイドされて進行経路上を進行し、移動体46の外部に進む。移動体46を移動させる際、剥離テープ42の弛みが生じないように、また、剥離テープ42に過度な引っ張り力が印加されないように、送り出しローラー40及び巻き取りローラー56を適宜回転させる。これにより、進行経路を進む剥離テープ42の長さを調整する。
さらに、剥離ユニット36は、進行経路上を進行する剥離テープ42を押し上げる押圧部50を移動体46に有する。押圧部50は、移動体46とともにY軸方向に沿って移動可能であるとともに、移動体46に対してZ軸方向に沿って昇降可能である。押圧部50をZ軸方向に沿って上昇させると、カットステージ14の保持プレート30に保持された保護シート13に配設された剥離シート19に剥離テープ42が押圧され、剥離テープ42が剥離シート19に貼着される。
次に、剥離ユニット36による剥離シート19の剥離過程について説明する。まず、保持プレート30の下方に移動体46を移動させる。このとき、剥離シート19に形成された切断溝21の僅かに内側の部分の下方に押圧部50が位置付けられるように移動体46の位置が調節される。図7(A)は、この状態におけるカットステージ14、保護シート13、及び剥離ユニット36を模式的に示す断面図(側面図)である。
次に、押圧部50を上昇させ、剥離テープ42を剥離シート19に押圧して貼着する。その後、駆動部52で移動体46を移動させることで剥離テープ42を移動させ、剥離シート19を剥離テープ42で引っ張る。このとき、送り出しローラー40及び巻き取りローラー56を適宜回転または停止させる。すると、保護シート13に配設されていた剥離シート19が切断溝21の内側で剥離されていく。
そして、巻き取りローラー56で剥離テープ42を巻き取りつつさらに移動体46を移動させて剥離シート19の保護シート13からの剥離を進行させ、最終的に切断溝21の内側で保護シート13から剥離シート19を完全に引き剥がす。巻き取りローラー56をさらに回転させると、剥離シート19が貼り付いた剥離テープ42aが巻き取り部54で巻き取られて回収される。
図7(B)には、切断溝21の内側で剥離シート19が剥離された保護シート13を模式的に示す断面図が含まれている。図10(B)は、剥離シート19が部分的に剥離された保護シート13を模式的に示す斜視図である。剥離シート19が切断溝21の内側で部分的に剥離されると、粘着層17が部分的に露出する。この粘着層17の露出面が板状物11の表面11aに保護シート13が配設(貼着)される際の貼着面17aとなる。
ここで、剥離シート19が部分的に除去された状態においても、貼着面17aの外側には剥離シート19が保護シート13に配設されたまま残る。そのため、保護シート13は剥離シート19により補強され、保護シート13によじれやシワ等が生じにくい状態が維持される。逆に言えば、仮に保護シート13の全面で剥離シート19が剥離されると、保護シート13は剥離シート19により支持されなくなるため、よじれやシワ等が生じ易い状態となる。
剥離シート19が部分的に剥離された保護シート13は、配設対象となる板状物11に向けて搬送される。図3(B)は、搬送ユニット58を模式的に示す斜視図である。次に、保護シート13を搬送する搬送ユニット58について説明する。
搬送ユニット58は、保持プレート30に保持された保護シート13を受け取り保護シート13を搬出する第1の搬送機構62aと、第1の搬送機構62aから保護シートを受け取り板状物11に搬送する第2の搬送機構62bと、を含む。第1の搬送機構62aは、保護シート13を下方から支持し、第2の搬送機構62bは、保護シート13を上方から支持する。
搬送ユニット58は、Y軸方向に沿ったレール60を備え、レール60に第1の搬送機構62a及び第2の搬送機構62bがスライド可能に接続されている。第1の搬送機構62aは、一端がレール60に接続され、他端に保持部66aが配設され、水平方向に沿っている腕部64aを備える。第2の搬送機構62bは、一端がレール60に接続され、他端に保持部66bが配設され、水平方向に沿っている腕部64bを備える。
第1の搬送機構62aの腕部64a及び第2の搬送機構62bの腕部64bは、それぞれ、図示しない昇降機構により昇降可能である。そして、第1の搬送機構62aの腕部64a及び第2の搬送機構62bの腕部64bは、互いの移動に干渉しないように異なる高さに位置付けることも可能である。
第1の搬送機構62aの保持部66a及び第2の搬送機構62bの保持部66bは、例えば、搬送対象となる保護シート13と同様の形状及び大きさに整形された板状部材とされるとよい。第1の搬送機構62aの保持部66aの上面には、図示しない吸引源にそれぞれ接続された複数の吸引部68aが配設されている。また、第2の搬送機構62bの保持部66bの下面には、図示しない吸引源にそれぞれ接続された複数の吸引部68bが配設されている。
第1の搬送機構62aの各吸引部68aは、保護シート13の剥離シート19が残る領域に対応するように保持部66aに配設されている。換言すると、第1の搬送機構62aが保護シート13を搬送する際にすべての吸引部68aが保護シート13に残る剥離シート19に接触できるように各吸引部68aの配置が決定される。
同様に、第2の搬送機構62bの各吸引部68bは、保護シート13の剥離シート19が残る領域に対応するように保持部66bに配設されている。換言すると、第2の搬送機構62bが保護シート13を搬送する際にすべての吸引部68bが保護シート13の剥離シート19が残る領域に接触できるように各吸引部68bの配置が決定される。
カットステージ14の保持プレート30に保持された保護シート13を搬送ユニット58で搬送する手順について説明する。図7(B)には、剥離ユニット36で剥離シート19が部分的に剥離された保護シート13を模式的に示す断面図が含まれている。保護シート13を搬送する際には、図7(B)に示すように、剥離ユニット36を保持プレート30の下方から退避させ、搬送ユニット58の第1の搬送機構62aの保持部66aを保持プレート30の下方に移動させる。
その後、カットステージ14を下降させ、または、第1の搬送機構62aの保持部66aを上昇させ、保護シート13に配設された剥離シート19の下面に第1の搬送機構62aの各吸引部68aを接触させる。その後、各吸引部68aに接続された吸引源を作動させて第1の搬送機構62aによる保護シート13及び剥離シート19の吸引保持を開始する。次に、保持プレート30による保護シート13等の保持を解除する。その後、第1の搬送機構62aをレール60にスライドさせてY軸方向に沿って移動させる。
搬送ユニット58では、次に、第1の搬送機構62aから第2の搬送機構62bに保護シート13を受け渡す。図8(A)は、第1の搬送機構62aで搬送された保護シート13を第2の搬送機構62bに受け渡す際の搬送ユニット58を模式的に示す断面図である。
第1の搬送機構62aから第2の搬送機構62bに保護シート13を受け渡す際には、第1の搬送機構62aの保持部66aと、第2の搬送機構62bの保持部66bと、が重なるように両保持部66a,66bを相対的に移動させる。そして、保持部66aを上昇させ、または、保持部66bを下降させ、保護シート13の上面(基材層15側)に第2の搬送機構62bの吸引部68bの下端を接触させる。
次に、第2の搬送機構62bの吸引部68bに接続された吸引源を作動させて第2の搬送機構62bによる保護シート13及び剥離シート19の吸引保持を開始する。そして、第1の搬送機構62aの吸引部68aに接続された吸引源を停止させて、第1の搬送機構62aによる保護シート13等の保持を解除する。そして、保持部66a及び保持部66bを離間させる。
その後、第2の搬送機構62bをレール60にスライドさせてY軸方向に沿って移動させる。図8(B)は、第2の搬送機構62bで搬送される保護シート13を模式的に示す断面図である。以上の手順により、搬送ユニット58により保護シート13を搬送し、板状物11の上方に位置付ける。
次に、保護シート13が搬送される板状物11を支持し、板状物11への保護シート13の配設を実施する構成について説明する。図1には、板状物11を保持面76aで支持する保持テーブル74と、保護シート13を切断する保護シート切断ユニット82と、保護シート13を板状物11に押圧する押圧ローラー92と、を模式的に示す斜視図が含まれている。
図1に簡易的に示す通り、保持テーブル74と、保護シート切断ユニット82と、押圧ローラー92と、は真空チャンバー70に収容されてもよく、保護シート13の板状物11への配設は真空雰囲気中(減圧雰囲気中)で実施されてもよい。真空チャンバー70には、真空チャンバー70の内部を吸引して圧力を低下させるポンプ等の吸引源71が接続されている。また、真空チャンバー70の一側面には、保護シート13の搬送経路となる開閉可能な搬入口72が設けられている。
図4は、保持テーブル74と、保護シート切断ユニット82と、押圧ローラー92と、を模式的に示す斜視図である。図9は、保持テーブル74に保持される板状物11を模式的に示す断面図である。
保持テーブル74は、例えば、主に板状物11を支持する板状物支持テーブル76と、主に保護シート13及び剥離シート19を支持するシート支持テーブル78と、により構成される。板状物支持テーブル76は、上面が保持面76aとなっており、保持面76aに載せられた板状物11に吸引力または静電気的な力を作用させて板状物11を保持する。すなわち、板状物支持テーブル76は、板状物11を吸引保持又は静電チャックできる。
また、シート支持テーブル78は、載せられた保護シート13及び剥離シート19を把持するクランプを有してもよく、クランプで保護シート13及び剥離シート19を固定してもよい。または、シート支持テーブル78は、静電気的な力を作用させて保護シート13及び剥離シート19を固定できてもよい。
そして、保持テーブル74は、板状物支持テーブル76と、シート支持テーブル78と、をそれぞれ昇降させる昇降部(不図示)を備える。昇降部には特に制限はないが、ボールねじ式の昇降機構またはエアシリンダを備える昇降機構等を適用できる。そして、板状物支持テーブル76及びシート支持テーブル78は、それぞれ独立にZ軸方向に沿って昇降可能である。
押圧ローラー92は、保持テーブル74の板状物支持テーブル76で保持された板状物11に部分的に露出した粘着層17が対面する状態で保護シート13を押圧して板状物11に配設する配設ユニットとして機能する。押圧ローラー92は、上方から保護シート13を板状物11に向けて押圧しながら保護シート13上で転がる。
押圧ローラー92は、例えば、Y軸方向に沿って伸長しており、転がりながらX軸方向に沿って移動可能であるとともに、Z軸方向に沿って昇降可能である。押圧ローラー92の長さは、保護シート13の被配設面となる板状物11の表面11aの直径以上であることが好ましい。押圧ローラー92がX軸方向に移動する際に表面11aの全域で上方を押圧ローラー92が通過するように、押圧ローラー92及び保持テーブル74の位置が設定されるとよい。
保護シート切断ユニット82は、押圧ローラー92等の配設ユニットにより板状物11に配設された保護シート13を切断溝21の内側で切断する。換言すると、板状物11に配設された保護シート13を残る剥離シート19と重ならない位置で板状物11の外縁に沿って切断する。これにより、保護シート13が配設された板状物11が形成される。
保護シート切断ユニット82は、上下方向(Z軸方向)に沿った回転軸部86と、回転軸部86の下端から水平方向に沿って伸びた腕部88と、腕部88の先端下方に配設されたカッター(切断工具)90と、を有する。腕部88に対するカッター90の取り付け位置は、調整可能でもよい。回転軸部86は、保持テーブル74の板状物支持テーブル76の保持面76aの中心の真上に位置付けられる。
腕部88は、剥離シート19から露出する保護シート13の粘着層17の貼着面17aの半径よりも小さい長さとされる。または、腕部88に対するカッター90の取り付け位置は、貼着面17aの半径よりも小さい距離で回転軸部86から離れた位置とされる。腕部88の基端側は回転軸部86の下端に接続されており、腕部88の先端側には下方に突き出たカッター90が接続されている。保護シート切断ユニット82は、回転軸部86を回転させるモータ等の回転駆動源84を有し、この回転駆動源84を作動させることで腕部88を径とする環状軌道上でカッター90を移動させる。
保護シート13を切断する際には、板状物11の僅かに外側において保護シート13にカッター90を切り込ませ、カッター90の下端を板状物11よりも低い高さ位置に到達させる場合がある。この場合、保持テーブル74の板状物支持テーブル76と、シート支持テーブル78と、の間の隙間80にカッター90が進入するため、カッター90と保持テーブル74の接触が回避される。
板状物11に保護シート13を配設する手順について説明する。まず、板状物11を保持テーブル74の板状物支持テーブル76の保持面76aの上に載せる。このとき、保護シート13の被配設面となる表面11aが上方に露出されるように、板状物11の裏面11bを保持面76aに対面させる。そして、保持面76aの中心と、板状物11の表面11aの中心と、が重なるように板状物11の位置を調整し、板状物支持テーブル76から板状物11に保持力を作用させることにより保持テーブル74で板状物11を保持する。
次に、搬送ユニット58で保護シート13を搬送してシート支持テーブル78に載せる。保護シート配設装置2が真空チャンバー70を有する場合、保護シート13を搬送する第2の搬送機構62bの保持部66bを搬入口72から真空チャンバー70の内部に進入させ、保持テーブル74の上方に到達させる。このとき、剥離シート19から露出した粘着層17の貼着面17aが板状物11の表面11aに対面するとともに、貼着面17aの中心と、板状物11の表面11aの中心と、が重なるように保護シート13の位置が調整される。
その後、保護シート13に配設された剥離シート19に上面が接触するようにシート支持テーブル78を上昇させる。このとき、クランプにより、または、静電気的な力によりシート支持テーブル78で保護シート13及び剥離シート19を固定する。また、このときに、粘着層17の貼着面17aに板状物11の表面11aが接触しない程度に、すなわち、両者間に僅かな隙間が残るように板状物支持テーブル76も上昇させる。
次に、搬送ユニット58の第2の搬送機構62bの吸引部68bによる保護シート13の吸引保持を解除し、吸引部68bを保持テーブル74の上方から退避させる。なお、保護シート配設装置2が真空チャンバー70を有し、保持テーブル74等が真空チャンバー70に収容されている場合、第2の搬送機構62bの保持部66bを搬入口72から真空チャンバー70の外部に移動させる。そして、搬入口72を閉じ吸引源71を作動させて真空チャンバー70の内部空間を減圧し、以後の工程を真空雰囲気中(減圧雰囲気中)で実施してもよい。
次に、図9に示すように、押圧ローラー92を保護シート13の一端部に下降させ、保護シート13を上方から押圧させながら保護シート13上を転がるように押圧ローラー92をX軸方向に沿って移動させる。これにより、板状物11の表面11aが粘着層17の貼着面17aに端部から徐々に貼着され、最終的に板状物11の表面11aの全面に保護シート13が貼着される。
その後、保護シート切断ユニット82を下降させ、カッター90を保護シート13に切り込ませて保護シート13の余剰部分を切除する。これにより、図10(C)に示す通り、保護シート13が配設された板状物11が得られる。
このとき、保護シート13に残る剥離シート19と重ならない位置においてカッター90を保護シート13に切り込ませるとよい。すなわち、剥離シート19にカッター90が切り込まないことが好ましい。しかしながら、本実施形態はこれに限定されず、剥離シート19にもカッター90が切り込んでもよい。この場合、板状物11に配設された保護シート13の外周部に剥離シート19が残る。そこで、保護シート13に残る剥離シート19が剥離されるとよい。
なお、カッター90は、板状物11の外縁の僅かに内側で保護シート13を切断してもよい。この場合、カッター90の下端を板状物11に到達させることで保護シート13を確実に切断できる。ただし、板状物11の外縁よりも大きく内側で保護シート13を切断すると、板状物11の表面11aに形成されたデバイス等の構造物にカッター90が接触し、構造物に損傷が生じる。そのため、板状物11の表面11aのデバイスが形成されていない領域、すなわち、外周余剰領域にカッター90が切り込むとよい。
また、カッター90は、板状物11の外縁の僅かに外側で保護シート13を切断してもよい。この場合、カッター90の下端を板状物11の底面よりも低い高さ位置に到達させることも可能であり、これにより保護シート13を確実に切断できる。ただし、カッター90が板状物11の外縁よりも大きく外側で保護シート13を切断すると、板状物11の外側に浮いた保護シート13が広く残り問題となる。
以上に説明した保護シート配設装置2では、保護シート13を板状物11に配設する際に、剥離シート19を剥離させるための力が保護シート13にかからない。また、保護シート13を板状物11に搬送する際に一部が切り抜かれた状態で剥離シート19が保護シート13に残るため、この剥離シート19が保護シート13を補強する。そのため、板状物11に配設される保護シート13のよじれやシワ等の発生が抑制され、板状物11と保護シート13の間に気泡が入り込むという問題が生じにくくなる。
なお、本実施形態に係る保護シート配設装置2は、保持テーブル74で保持された板状物11及び保護シート13の一方または両方を加熱する電熱線等で構成された加熱部(ヒーター)を有しもよい。
加熱部は、例えば、保持テーブル74の板状物支持テーブル76の内部に組み込まれてもよく、押圧ローラー92の内部に組み込まれてもよい。換言すると、保持テーブル74は板状物11を加熱可能でもよく、板状物11を介して保護シート13を加熱可能でもよい。また、押圧ローラー92は、保護シート13を押圧しながら加熱可能でもよい。ただし、加熱部は、他の態様で保護シート配設装置2に組み込まれてもよい。
例えば、図1に示す真空チャンバー70の内部には、加熱部として熱風を噴出可能なヒートガンが組み込まれてもよい。この場合、保持テーブル74上で板状物11に載せられた保護シート13にヒートガンから熱風を噴射することにより保護シート13を加熱できる。また、例えば、真空チャンバー70の内部には、加熱部として赤外線を放射できる赤外線ランプが組み込まれてもよい。この場合、赤外線ランプから保護シート13に赤外線を照射することにより、保護シート13を加熱できる。
例えば、保護シート13を板状物11に配設する際に加熱部で保護シート13を加熱すると、保護シート13の粘着層17の板状物11に対する貼着力を調整できる場合がある。保護シート13が加熱により軟化すると、板状物11の表面11aの凹凸形状に追従するように粘着層17が変形し、粘着層17と、板状物11の表面11aと、の接触面積が増大する。そのため、保護シート13が板状物11により強固に配設される。
また、後述の通り、粘着層17を有さず、熱可塑性樹脂層を含む保護シートを板状物11に配設する場合、この保護シートを加熱部で所定の温度に加熱しつつ押圧ローラー92ですることにより、この保護シートを板状物11に熱圧着できる。
次に、保護シート配設装置2を使用した本実施形態に係る保護シート配設方法を説明し、保護シート配設装置2の使用方法をまとめる。以下の保護シート配設方法を説明では、これまでの保護シート配設装置2の説明を適宜参照できる。図12は、保護シート配設方法の各ステップの流れを示すフローチャートである。
以下に説明する保護シート配設方法は、基材層15と、基材層15に配設された粘着層17と、を含み粘着層17に剥離シート19が配設された保護シート13から剥離シート19を剥離し、保護シート13を板状物11に配設する方法である。これにより、保護シート13が配設された板状物11が形成される。
まず、板状物11の表面11aの全域を被覆できる大きさ及び形状を有した保護シート13を準備する保護シート準備ステップS10を実施する。保護シート準備ステップS10は、例えば、保護シート配設装置2の原反ロール4と、繰り出しユニット6と、カットステージ14と、シート外形切断ユニット10と、が使用されて実施される。
図5(A)に示す通り、保護シート準備ステップS10では、剥離シート19が配設された保護シート13を繰り出しユニット6で原反ロール4から引き出し、カットステージ14の保持プレート30で保護シート13を保持する。その後、シート外形切断ユニット10のカッター28を保護シート13に切り込ませ、保護シート13を切断して板状物11の表面11aの全域を被覆できる大きさ及び形状を有した保護シート13を得る。
なお、保護シート準備ステップS10では、予め所定の大きさに切断された保護シート13が準備されてもよい。そして、保護シート配設装置2は、原反ロール4と、繰り出しユニット6と、シート外形切断ユニット10と、を備えなくてもよく、所定の大きさに切断された保護シート13がカットステージ14に搬入されてもよい。
保護シート準備ステップS10の次に、保護シート13に配設された剥離シート19を板状物11の表面11aの外縁に沿う形状で切断して切断溝21を形成する剥離シート切断ステップS20が実施される。剥離シート切断ステップS20は、例えば、カットステージ14と、剥離シート切断ユニット8と、が使用されて実施される。
まず、回転駆動源20を作動させて回転軸部22を回転させ、腕部24を半径としてカッター26を移動させる。この状態で剥離シート切断ユニット8及びカットステージ14を相対的に近づけ、カッター26を剥離シート19に切り込ませる。図5(C)には、剥離シート切断ステップS20において、剥離シート切断ユニット8のカッター26が剥離シート19に切り込む様子が模式的に示されている。
剥離シート切断ステップS20では、カッター26の下端が剥離シート19の下端よりも低い高さ位置に到達させることで剥離シート19を円形に切断する一方で、保護シート13を切断しない。図6(A)は、切断され切断溝21が形成された剥離シート19を模式的に示す断面図が含まれている。また、図10(A)は、保護シート13と、切断され切断溝21が形成された剥離シート19と、を模式的に示す斜視図である。切断された剥離シート19には、円形の切断溝21が形成される。
ここで、切断溝21の形成位置の形状は、保護シート13が配設される板状物11の形状に対応した形状とされる。例えば、矩形状の板状物11に保護シート13を配設する場合、切断溝21の形状も同様の矩形状とされる。また、後述の剥離ステップS30で剥離シート19が剥離される領域の大きさに対応する切断溝21の形成位置の大きさは、板状物11の保護シート13が配設される面よりも僅かに大きいことが好ましい。
特に、切断溝21の形成位置の大きさは、後に保護シート13の粘着層17の貼着面17aを板状物11の表面11aに貼着するのに必要かつ十分な大きさとされる。切断溝21の形成位置が大きすぎると、剥離ステップS30の後に剥離シート19が十分に保護シート13に残らず、保護シート13を搬送する際に剥離シート19が十分に保護シート13を補強できなくなる。その一方で、切断溝21の形成位置の大きさが小さすぎると、粘着層17の貼着面17aを板状物11の表面11aに接触させにくくなる。
より詳細には、板状物11が直径300.0mmの円形のシリコンウェーハである場合、切断溝21の形成位置は、300.5mm以上302.0mm以下の直径の円形とされるとよい。ただし、切断溝21の形成位置の大きさは、これに限定されない。
剥離シート切断ステップS20の後、切断溝21の外側において剥離シート19を保護シート13に残すとともに、切断溝21の内側において剥離シート19を保護シート13から剥離して粘着層17を部分的に露出させる剥離ステップS30を実施する。剥離ステップS30は、保護シート配設装置2のカットステージ14と、剥離ユニット36と、が利用されて実施される。
剥離シート切断ステップS20の後に連続して剥離ステップS30を実施する場合、図6(B)に示す通り、カットステージ14の反転軸部34を回転させ保持プレート30の保持面30a側を下方に向ける。そして、図7(A)に示すように剥離ユニット36の移動体46を移動させ、押圧部50を切断溝21の内側の領域における一端部の下方に位置付ける。その後、押圧部50を上昇させて剥離テープ42を押し上げて剥離テープ42を剥離シート19に貼り付ける。
次に、移動体46を移動させて切断溝21の内側で剥離シート19を保護シート13から剥離しつつ、剥離テープ42を巻き取って剥離された剥離シート19を回収していく。そして、最終的に切断溝21の内側の全域で剥離シート19が剥離されると、剥離ステップS30が完了する。図7(B)には、粘着層17の貼着面17aが露出された保護シート13を模式的に示す断面図が示されている。図10(B)は、粘着層17の貼着面17aが露出した状態の保護シート13の斜視図である。
次に、板状物11の被配設面となる表面11aに剥離ステップS30で部分的に露出した粘着層17が対面する位置及び向きに保護シート13を位置付ける対面ステップS40を実施する。すなわち、対面ステップS40では、板状物11の表面11aと、粘着層17の貼着面17aと、を対面させる。対面ステップS40では、保持テーブル74と、搬送ユニット58と、が使用されるとよい。
まず、保持テーブル74の板状物支持テーブル76で板状物11を保持する。このとき、保護シート13の被配設面となる表面11aを上方に露出しておく。また、対面ステップS40では、カットステージ14の保持プレート30から搬送ユニット58で保護シート13を受領し、保持テーブル74の上方に保護シート13を搬送する。ここで、保持テーブル74等が真空チャンバー70(図1参照)の内部に配設されている場合、搬送ユニット58で保護シート13を真空チャンバー70の内部に搬入する。
そして、保護シート13に配設された剥離シート19に上面が接触するようにシート支持テーブル78を上昇させる。このとき、クランプにより、または、静電気的な力によりシート支持テーブル78で保護シート13及び剥離シート19を固定する。また、このときに、粘着層17の貼着面17aに板状物11の表面11aが接触しない程度に、すなわち、両者間に僅かな隙間が残るように板状物支持テーブル76も上昇させ、両者を対面させる。
そして、搬送ユニット58による保護シート13の保持を解除し、搬送ユニット58を真空チャンバー70から退避させる。保持テーブル74等が真空チャンバー70の内部に収容されている場合、その後に搬入口72を閉じて吸引源71を作動させて、真空チャンバー70の内部空間を減圧してもよい。そして、以後の工程を減圧雰囲気中で実施してもよい。
対面ステップS40の後、部分的に露出した粘着層17を板状物11の表面11aに接触させるとともに保護シート13を板状物11に押圧して貼着することにより保護シート13を板状物11に配設する配設ステップS50を実施する。配設ステップS50では、保持テーブル74と、押圧ローラー92と、が使用される。
配設ステップS50では、押圧ローラー92で保護シート13を板状物11に押圧する。図9は、押圧ローラー92で保護シート13を押圧する様子を模式的に示す断面図である。まず、押圧ローラー92を保護シート13の基材層15側の一端部に下降させる。そして、押圧ローラー92で保護シート13を押圧しながら、保護シート13の基材層15側の他端部まで押圧ローラー92を転がす。これにより、粘着層17が板状物11の表面11aに貼着され、保護シート13が板状物11に配設される。
配設ステップS50の後、剥離シート19と重ならない位置で保護シート13を切断することで保護シート13が配設された板状物11を得る保護シート切断ステップS60を実施する。保護シート切断ステップS60は、図9等に示す保護シート切断ユニット82により実施される。
保護シート切断ステップS60では、まず、回転駆動源84を作動させて回転軸部86を回転させ、腕部88を半径としてカッター90を移動させる。この状態で保護シート切断ユニット82及び保持テーブル74を相対的に近づけ、カッター90を保護シート13に切り込ませる。
このとき、保護シート13の剥離シート19がすでに剥離されている領域にカッター90を切り込ませるとよい。すなわち、保護シート13の粘着層17の貼着面17aと重なる位置にカッター90を切り込ませるとよい。そして、カッター90の下端が保護シート13の下端よりも低い高さ位置に到達させることで保護シート13を円形に切断する。上述の通り、カッター90は、板状物11の表面11aの外周余剰領域に接触してもよく、板状物11の外縁よりも外側で保護シート13を切り込んでも良い。
このように保護シート13の不要部分を切除すると、保護シート13が配設された板状物11が得られる。図10(C)は、保護シート13が配設された板状物11を模式的に示す斜視図であり、図11(A)は、保護シート13が配設された板状物11を模式的に示す断面図である。
なお、押圧ローラー92による保護シート13の板状物11への押圧は、保護シート切断ユニット82による保護シート13の切断の後に実施されてもよい。この場合、配設ステップS50の途上で保護シート切断ステップS60が実施される。すなわち、配設ステップS50と保護シート切断ステップS60とが同時に実施される。
以上に説明した保護シート配設方法において、配設ステップS50では、切断溝21の外側において剥離シート19が配設された状態の保護シート13を板状物11に配設する。この場合、保護シート13に残る剥離シート19が保護シート13を搬送する過程で保護シート13を補強するため、保護シート13によじれやシワ等が生じにくい。また、剥離シート19で補強された保護シート13の取り扱いは容易である。
また、板状物11に配設される保護シート13では予め所定の領域で剥離シート19が剥離されているため、板状物11を保護シート13に配設する過程において剥離シート19を保護シート13から剥離するための力が保護シート13にかかることがない。そのため、板状物11に保護シート13を配設する過程においても保護シート13によりやシワ等が生じにくい。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、保護シート配設装置2が搬送ユニット58を備える場合について説明した。また、保護シート配設方法的の対面ステップS40において搬送ユニット58が使用される場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。
すなわち、保護シート配設装置2は搬送ユニット58を供えなくても良く、対面ステップS40において搬送ユニット58が使用されなくてもよい。この場合、保持テーブル74がY軸方向に沿って移動可能であるとよく、カットステージ14の保持プレート30の下方に移動できるとよい。この場合、板状物11を保持する保持テーブル74を保持プレート30の下方に移動させることで板状物11の表面11aに保護シート13の粘着層17の貼着面17aを対面させるとよい。
保護シート配設装置2が搬送ユニット58を備えない場合、保護シート配設装置2の構成が簡略化されて保護シート配設装置2の運用コスト及び製造コストが低減される。また、対面ステップS40が比較的容易に実施される。
また、上記実施形態では、基材層15と粘着層17を備える保護シート13を板状物11に配設する場合を中心に保護シート配設装置2及び保護シート配設方法について説明したが、本発明の一態様はこれに限定されない。本発明の一態様にかかる保護シート配設装置2及び保護シート配設方法では、粘着層17を備えない保護シートを板状物11に配設してもよい。
ここで、粘着層17を備えない保護シートについて説明する。図11(B)には、粘着層17を備えない保護シート23を模式的に示す断面図が含まれている。保護シート23は、例えば、熱可塑性樹脂で形成された熱可塑性樹脂層のみから構成される。熱可塑性樹脂層を含む保護シート23には、粘着層17を備える保護シート13と同様に剥離シート19が予め配設される。
保護シート23は、例えば、ポリオレフィン系シートまたはポリエステル系シートである。より詳細には、保護シート23は、例えば、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリスチレンシート、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリエチレナフタレートシート等である。
すなわち、熱可塑性樹脂とは、例えば、ポリオレフィンまたはポリエステルである。より詳細には、熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレナフタレート等である。ただし、熱可塑性樹脂はこれに限定されない。
以下、本発明の一態様に係る保護シート配設装置2及び保護シート配設方法で粘着層17を備えず熱可塑性樹脂層を含む保護シート23を板状物11に配設する場合について説明する。ただし、説明の重複を避けるために、粘着層17を備える保護シート13を板状物11に配設する場合とは異なる事項を中心に説明する。すなわち、以下の説明では上記実施形態の説明を適宜参照できる。
熱可塑性樹脂層を含む保護シート23に配設された剥離シート19も、剥離シート切断ユニット8により板状物11の表面11aの形状及び大きさに対応した大きさで切断され、切断溝21が形成される(剥離シート切断ステップS20)。そして、切断溝21の内側において剥離ユニット36で剥離シート19を保護シート23から剥離して熱可塑性樹脂層を部分的に露出させる(剥離ステップS30)。このとき、切断溝21の外側において剥離シート19が保護シート23に残るため、剥離シート19により保護シート23が補強される。
その後、板状物11を保持テーブル74によって保持し表面11aを露出させ、板状物11の表面11aに対して部分的に露出した熱可塑性樹脂層が対面する位置及び向きに保護シート23を位置付ける(対面ステップS40)。
その後、部分的に露出した熱可塑性樹脂層を板状物11の表面11aに接触させるとともに保護シート23を加熱しながら板状物11に押圧して熱圧着することにより保護シート23を板状物11に配設する(配設ステップS50)。図11(B)は、剥離シート19が部分的に残り、剥離シート19により補強された保護シート23と、保護シート23が配設された板状物11と、を模式的に示す断面図である。保護シート23の加熱には、上述の加熱部が使用されるとよい。
熱圧着を実施する際に保護シート23の熱可塑性樹脂層は、好ましくは、熱可塑性樹脂の融点以下の温度に加熱される。加熱温度が融点を超えると、熱可塑性樹脂層が溶解して形状を維持できなくなる場合があるためである。また、保護シート23は、好ましくは、熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱される。加熱温度が軟化点に達していなければ熱圧着を適切に実施しにくいためである。すなわち、保護シート23は、熱可塑性樹脂の軟化点以上でかつその融点以下の温度に加熱されるのが好ましい。
さらに、一部の熱可塑性樹脂は、明確な軟化点を有しない場合もある。そこで、熱圧着を実施する際に保護シート23は、好ましくは、熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂の融点よりも20℃低い温度以上でかつその融点以下の温度に加熱される。ただし、保護シート23は、さらに低い温度で加熱されて熱圧着されてもよい。本発明の一態様はこれに限定されない。
また、例えば、保護シート23の加熱温度は、ポリエチレンシートである場合に120℃以上140℃以下であるとよく、ポリプロピレンシートである場合に160℃以上180℃以下であるとよく、ポリスチレンシートである場合に220℃以上240℃以下であるとよい。また、ポリエチレンテレフタレートシートである場合に250℃以上270℃以下であるとよく、ポリエチレナフタレートシートである場合に160℃以上180℃以下であるとよい。
保護シート23が板状物11に熱圧着されて配設された後、剥離シート19と重ならない位置で保護シート23を切断することで保護シート23が配設された板状物11を得る(保護シート切断ステップS60)。図11(C)は、粘着層17を備えない保護シート23が配設された板状物11を模式的に示す断面図である。
以上に説明する通り、本発明の一態様によると粘着層17を備えない保護シート23を板状物11に配設できる。保護シート23が粘着層17を備えない場合、その後に板状物11を加工して保護シート23を板状物11から剥離する際に、粘着層17が部分的に板状物11に残ることがない。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。