JP7841934B2 - 表面処理方法、その表面処理方法を含む半導体基板の製造方法、表面処理組成物およびその表面処理組成物を含む半導体基板の製造システム - Google Patents
表面処理方法、その表面処理方法を含む半導体基板の製造方法、表面処理組成物およびその表面処理組成物を含む半導体基板の製造システムInfo
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Description
本明細書において、残渣とは、研磨済研磨対象物の表面に付着した異物を表す。残渣の例は、特に制限されないが、例えば、研磨用組成物に含まれる砥粒由来の粒子状の砥粒残渣、後述する有機物残渣、その他の異物等が挙げられる。
本明細書において、研磨済研磨対象物とは、研磨工程において研磨された後の研磨対象物を意味する。研磨工程としては、特に制限されないが、CMP工程であることが好ましい。
本発明の一形態は、sp値が9を超えて11以下であり、かつ負に帯電した官能基を有するゼータ電位調整剤と、分散媒と、を含み、研磨済研磨対象物の表面を処理するために用いられる、表面処理組成物である。ここで、研磨用組成物のいくつかの成分は、研磨済研磨対象物の表面に付着しやすく、研磨処理の後に研磨済研磨対象物の表面に残存してしまう。特に、研磨用組成物に含まれる無機酸化物砥粒は、研磨済研磨対象物の表面に残存する傾向がある。この場合、研磨済研磨対象物の表面に残存した無機酸化物砥粒は、異物の原因となる場合がある。本発明に係る表面処理組成物は、このような研磨済研磨対象物の表面上に残存する研磨用組成物由来の残渣(すなわち、無機酸化物砥粒)を除去することができる。
本発明の一形態に係る表面処理組成物は、sp値が9を超えて11以下であり、かつ負に帯電した官能基を有するゼータ電位調整剤を含む。ここで、sp値とは、溶解度パラメータであり、本明細書におけるゼータ電位調整剤のsp値は、Fedors法(文献:R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14[2]147(1974))により算出される値である。
本発明に係るアニオン性界面活性剤としてのスルホン酸(塩)基を有する化合物は、スルホン酸(塩)基を有する界面活性剤であれば特に制限されない。
ノーベル社製、VERSA(登録商標、以下同じ)シリーズ、NARLEX(登録商標、以下同じ)シリーズ;東ソー・ファインケム株式会社製、STシリーズ、MAシリーズ)、ポリスチレンスルホン酸(塩)(東ソー・ファインケム株式会社製、ポリナス(登録商標、以下同じ)シリーズ)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(竹本油脂株式会社製、パイオニン(登録商標、以下同じ)A-43-D、A-43-S;タケサーフA-43-NQ)等を用いることができる。
本発明に係るアニオン性界面活性剤としての硫酸(塩)基を有する化合物は、硫酸(塩)基を含む界面活性剤であれば特に制限されない。
本発明に係るアニオン性界面活性剤としてのホスホン酸(塩)基を有する化合物は、ホスホン酸(塩)基を有する界面活性剤であれば特に制限されない。
本発明に係るアニオン性界面活性剤としてのリン酸(塩)基を有する化合物は、リン酸(塩)基を含む界面活性剤であれば特に制限されない。
本発明に係る表面処理組成物は、各成分を溶解または分散するための分散媒(溶媒)を含む。分散媒は、水を含むことが好ましく、水のみであることがより好ましい。また、分散媒は、各成分の分散または溶解のために、水と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;アセトン等のケトン類;アセトニトリル等が挙げられる。よって、分散媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;アセトン等のケトン類;アセトニトリル;等や、これらの混合物などが例示できる。これらのうち、分散媒としては水が好ましい。また、これらの有機溶媒を水と混合せずに用いて、各成分を分散または溶解した後に、水と混合してもよい。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。水以外の分散媒を含む場合、分散媒の全質量に対する水の含有量は、好ましくは90質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは99質量%以上100質量%以下である。ただし、分散媒は、水のみであることが最も好ましい。
本発明に係る表面処理組成物のpHは、好ましくは2以上5未満である。表面処理組成物のpHが上記範囲であると、酸化セリウムのゼータ電位は正に帯電しており、ゼータ電位調整剤と電気的に引き合うため、結果として、砥粒残渣(例えば、酸化セリウム)を負に帯電させることが可能となる。これにより、本発明の所期の効果がより発揮される。本発明に係る表面処理組成物のpHは2以上であればよいが、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは3以上である。本発明に係る表面処理組成物のpHは5以下であればよいが、好ましくは4.5未満であり、より好ましくは4以下であり、さらに好ましくは4.5以下である。
本発明の一形態に係る表面処理組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて、他の添加剤を任意の割合で含有していてもよい。ただし、本発明の一形態に係る表面処理組成物の必須成分以外の成分は、異物の原因となりうるため、できる限り添加しないことが望ましい。よって、必須成分以外の成分は、その添加量はできる限り少ないことが好ましく、含まないことがより好ましい。他の添加剤としては、例えば、砥粒、アルカリ、高分子化合物、防カビ剤(防腐剤)、溶存ガス、還元剤、酸化剤およびアルカノールアミン類等が挙げられる。なかでも、異物除去効果のさらなる向上のため、表面処理組成物は、砥粒を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「砥粒を実質的に含有しない」とは、表面処理組成物全体に対する砥粒の含有量が0.01質量%以下(下限0質量%)である場合を指し、0.005質量%以下(下限0質量%)であることが好ましく、0.001質量%以下(下限0質量%)であることがより好ましい。
本発明の一形態に係る表面処理組成物は、高分子化合物を含有していてもよい。高分子化合物としては、重量平均分子量が1,000以上である、アニオン性基を有する高分子化合物であることが好ましい。高分子化合物は、重量平均分子量が1,000以上である、酸(塩)基を有する高分子であることが好ましい。高分子化合物は、重量平均分子量が1,000以上である、スルホン酸(塩)基、ホスホン酸(塩)基およびリン酸(塩)基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を有する高分子化合物であることがさらに好ましい。
本発明に係る表面処理組成物は、防カビ剤(防腐剤)を含むことが好ましい。本発明に係る表面処理組成物が防カビ剤(防腐剤)を含む場合に使用できる、防カビ剤(防腐剤)は、特に制限されず、高分子の種類に応じて適切に選択できる。具体的には、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン等のイソチアゾリン系防腐剤、およびフェノキシエタノール等が挙げられる。
上記表面処理組成物の製造方法は特に制限されない。例えば、sp値が9を超えて11以下であり、かつ負の官能基を有するゼータ電位調整剤と、分散媒(例えば、水)と、を混合することにより製造できる。すなわち、本発明の他の形態によれば、sp値が9を超えて11以下であり、かつ負の官能基を有するゼータ電位調整剤と、分散媒と、を混合することを含む、上記表面処理組成物の製造方法もまた提供される。上記のゼータ電位調整剤の種類、添加量等は、前述の通りである。さらに、本発明の一形態に係る表面処理組成物の製造方法においては、必要に応じて、ゼータ電位調整剤および分散媒以外の他の成分をさらに混合してもよい。これらの種類、添加量等は、前述の通りである。
研磨用組成物は、無機酸化物砥粒と、分散媒と、必要に応じて、添加剤と、を含む。本発明において、研磨用組成物は、無機酸化物砥粒および分散媒を必須とする以外は、その構成は特に制限されないが、以下に好ましい研磨用組成物の構成について説明する。
研磨用組成物に含まれる砥粒(無機酸化物砥粒)としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化セリウム(セリア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化チタン(チタニア)等の無機酸化物(金属酸化物)からなる粒子が挙げられる。これらの金属酸化物は、表面修飾されていてもよい。例えば、カルボン酸やスルホン酸等の有機酸を固定化したアニオン修飾無機酸化物であってもよい。このようなアニオン修飾無機酸化物としては、カルボン酸やスルホン酸等の有機酸を固定化したアニオン修飾酸化ケイ素であるのが好ましく、カルボン酸やスルホン酸等の有機酸を固定化したアニオン修飾コロイダルシリカであるのがより好ましい。このような無機酸化物の表面への有機酸の固定化は、例えば無機酸化物の表面に有機酸の官能基が化学的に結合することにより行われている。無機酸化物有機酸を単に共存させただけでは無機酸化物への有機酸の固定化は果たされない。例えば、有機酸の一種であるスルホン酸をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、“Sulfonic acid-functionalized silica through quantitative oxidation of thiol groups”, Chem. Commun. 246-247 (2003)に記載の方法で行うことができる。具体的には、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に過酸化水素でチオール基を酸化することにより、スルホン酸が表面に固定化されたアニオン修飾コロイダルシリカを得ることができる。あるいは、カルボン酸をコロイダルシリカに固定化するのであれば、例えば、“Novel Silane Coupling Agents Containing a Photolabile 2-Nitrobenzyl Ester for Introduction of a Carboxy Group on the Surface of Silica
Gel”, Chemistry Letters, 3, 228-229 (2000)に記載の方法で行うことができる。具体的には、光反応性2-ニトロベンジルエステルを含むシランカップリング剤をコロイダルシリカにカップリングさせた後に光照射することにより、カルボン酸が表面に固定化されたアニオン修飾コロイダルシリカを得ることができる。これらの中でも、スルホン酸が表面に固定化されたアニオン修飾酸化ケイ素(本明細書において、スルホン酸修飾酸化ケイ素とも称する)が好ましく、スルホン酸が表面に固定化されたアニオン修飾コロイダルシリカ(本明細書において、スルホン酸修飾コロイダルシリカとも称する)がより好ましい。無機酸化物の表面に固定化された有機酸は、酸の状態であっても、塩の状態であってもよい。
研磨用組成物は、無機酸化物砥粒および分散媒以外の他の成分(添加剤)を含有していてもよく、例えば、pH調整剤、界面活性剤、濡れ剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤、溶存ガス、酸化剤、還元剤等の公知の研磨用組成物に用いられる成分を適宜選択しうる。
研磨用組成物を用いて行われる研磨処理は、研磨対象物を研磨して、研磨済研磨対象物を形成する工程である。研磨処理において、研磨対象物は、研磨装置を用いて研磨される。
本発明は、上記表面処理組成物を用いて、研磨済研磨対象物の表面を処理することを含む、表面処理方法である。
本発明の一実施形態に係る表面処理方法としては、表面処理の後、研磨済研磨対象物をさらに洗浄処理を行ってもよい。本明細書では、この洗浄処理を後洗浄処理と称する。後洗浄処理の具体例としては、特に制限されないが、例えば、表面処理後の研磨済研磨対象物に水を掛け流す方法、表面処理後の研磨済研磨対象物を水に浸漬する方法、水を掛け流しながら表面処理後の研磨済研磨対象物を洗浄ブラシで擦る方法等が挙げられる。なお、後洗浄処理の方法、装置および条件としては、特に制限されないが、例えば、洗浄処理の説明を参照することができる。後洗浄処理に用いる水としては、特に制限されないが、脱イオン水を用いることが特に好ましい。
本発明の表面処理方法は、研磨済研磨対象物が研磨済半導体基板であるとき、好適に適用可能である。すなわち、本発明の他の一実施形態によれば、研磨済研磨対象物が研磨済半導体基板であり、当該研磨済半導体基板を、上記表面処理方法によって、研磨済研磨対象物の表面を処理することを含む、半導体基板の製造方法もまた提供される。
本発明は、酸化ケイ素を含む研磨対象物、研磨パッド、無機酸化物砥粒を含む研磨用組成物、および上記の表面処理組成物を含む、半導体基板の製造システムにも関する。これより、本発明の他の一態様によれば、酸化ケイ素を含む研磨対象物、研磨パッド、酸化セリウム砥粒を含む研磨用組成物、および表面処理組成物を含む、半導体基板の製造システムであって、前記研磨用組成物および前記研磨パッドを用いて研磨した後の前記研磨対象物の表面を前記表面処理組成物と接触させる、半導体基板の製造システムについても提供される。
本発明の一形態に係る表面処理組成物は、研磨済研磨対象物の表面上の残渣を除去する効果が高いほど好ましい。すなわち、表面処理組成物を用いて研磨済研磨対象物の表面処理を行った際、表面に残存する残渣数が少ないほど好ましい。具体的には、表面処理組成物を用いて研磨済研磨対象物を表面処理した際、総残渣)が10000個以下であると好ましく、7000個以下であるとより好ましく、5000個以下であるとさらにより好ましく、3000個以下であると特に好ましく、2000個以下であると特に好ましい。一方、上記総残渣数は少ないほど好ましいため、その下限は特に制限されないが、実質的には、100個以上である。
前記表面処理組成物は、sp値が9を超えて11以下でありかつ負に帯電した官能基を有するゼータ電位調整剤と、分散媒と、を含み、
前記表面処理組成物によって、前記酸化ケイ素のゼータ電位を負に制御し、かつ前記無機酸化物砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御することを含む、表面処理方法。
無機酸化物砥粒を含む研磨用組成物を使用して、酸化ケイ素を含む研磨前半導体基板を研磨することによって、研磨済半導体基板を得る研磨工程と、
請求項1~8のいずれか1項に記載の表面処理方法によって、前記研磨済半導体基板の表面における前記無機酸化物砥粒を含む残渣を低減する表面処理工程と、
を含む、半導体基板の製造方法。
前記表面処理工程で使用される前記表面処理組成物によって、前記酸化セリウム砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御することを含む、上記[9]に記載の半導体基板の製造方法。
前記残渣は、前記ポリウレタンをさらに含み、
前記表面処理工程で使用される前記表面処理組成物によって、前記ポリウレタンのゼータ電位を-30mV以下に制御することをさらに含む、上記[9]または[10]に記載の半導体基板の製造方法。
sp値が9を超えて11以下でありかつ負に帯電した官能基を有するゼータ電位調整剤と、分散媒と、を含み、
前記酸化ケイ素のゼータ電位を負に制御し、かつ前記無機酸化物砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御する機能を有する、表面処理組成物。
前記研磨用組成物および前記研磨パッドを用いて研磨した後の前記研磨対象物の表面を前記表面処理組成物と接触させる、半導体基板の製造システム。
[表面処理組成物A1の調製]
組成物全体を100質量部として、ゼータ電位調整剤としてPOEアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(製品名:ハイテノール(登録商標、以下同じ)NF08、第一工業製薬株式会社製)と、pH調整剤として硝酸と、分散媒として水(脱イオン水)とを混合して、表面処理組成物A1を調製した。ゼータ電位調整剤の添加量(含有量)は、表面処理組成物A1の全質量に対して0.1g/kgとなる量とし、pH調整剤の添加量(含有量)は、表面処理組成物A1のpHが3(液温:25℃)となる量とした。pHの測定は、pHメータ(株式会社堀場製作所製 製品名:LAQUA(登録商標))により行った。
ゼータ電位調整剤の種類を下記表1のように変更し、得られる表面処理組成物のpHが下記表1に記載のpHになるようpH調整剤の量を変更したこと以外は、表面処理組成物A1の調製と同様にして、各表面処理組成物A2~A6を調製した。
表1に記載のゼータ電位調整剤または添加剤(ゼータ電位調整剤の代わりに用いる化合物を添加剤と称する)を用いて、ゼータ電位調整剤または添加剤の種類と含有量とを下記表1のように変更し、得られる表面処理組成物のpHが下記表1に記載のpHになるようpH調整剤の量を変更したこと以外は、表面処理組成物A1の調製と同様にして、各表面処理組成物B1~B9を調製した。
・アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、竹本油脂株式会社製、品番:パイオニンA-43-S(アルキル=C12)
・POEアリルフェニルエーテルホスフェートアミン塩、竹本油脂株式会社製、品番:ニューカルゲンFS-3AQ(EO=3~10の混合品)
・ラウリル硫酸アンモニウム、花王株式会社製、品番:エマールAS-25R
・ラウリルグリコールカルボン酸Na、三洋化成工業株式会社社製、品番:ビューライトSHAA
・ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸Na、日光ケミカルズ株式会社社製、品番:NIKKOL ECTD-3NEX
・3-アミノ-1,5-ナフタレンジスルホン酸2Na
・ポリビニルアルコール(PVA)、Mw=10,000:日本酢ビ・ポバール株式会社製、品番:JMR-10HH
・ポリグリセリンラウリルエーテル(PGLE)、Mw=2,000:株式会社ダイセル製、品番:セルモリス(登録商標)B044(グリセリン20量体)
・POEラウリルエーテル、日本エマルジョン株式会社社製、品番:EMALEX 709(EO=9)。
得られた表面処理組成物A1~A6およびB1~B9の性能評価を行うために、以下のように、研磨対象物に対するCMP工程、CMP工程を経て得られた研磨済研磨対象物に対するリンス研磨工程を実施した。なお、リンス研磨工程は、上記表面処理組成物A1~A6およびB1~B9を用いて行うものである。
まず、研磨対象物に対するCMP工程を行った。研磨対象物としては、TEOS基板またはSiN基板とし、研磨用組成物としては、以下の2種類を準備した。
研磨用組成物C1(砥粒としてCeO2砥粒を使用する研磨用組成物)
コロイダルセリア(ソルベイ社製 HC30)(平均一次粒子径:30nm、平均二次粒子径:70nm、30wt%水分散液):1質量%
ポリアクリル酸アンモニウム(東亞合成株式会社製 アロンA-30SL)(Mw:6000、40%水溶液):0.6質量%
30%マレイン酸水溶液(関東化学株式会社製):0.2質量%
水:残部
(pH4に調整)。
アニオン修飾コロイダルシリカ(“Sulfonic acid-functionalized silica through quantitative oxidation of thiol groups”, Chem. Commun. 246-247 (2003)に記載の方法で作製した、スルホン酸修飾コロイダルシリカ)(平均一次粒子径:35nm、平均二次粒子径:70nm):2質量%
30%マレイン酸水溶液(関東化学株式会社製):0.002質量%
硫酸アンモニウム(関東化学株式会社製):0.25質量%
水:残部
(pH3に調整)。
研磨対象物として半導体基板であるTEOS基板またはSiN基板について、研磨用組成物を使用し、それぞれ下記の条件にて研磨を行った。ここで、TEOS基板は、300mmウェーハを使用し、SiN基板は、300mmウェーハを使用した;
・TEOS基板(300mmウェーハ、株式会社アドバンテック社製、品番:300mm P-TEOS 10000A)
・SiN基板(300mmウェーハ、株式会社アドバンテック社製、品番:(CVD-)LP-SiN 2500A)
-研磨装置および研磨条件-
研磨装置:株式会社荏原製作所製 FREX300E
研磨パッド:下記のいずれかを使用
・富士紡ホールディングス株式会社製 発泡ポリウレタンパッド H800-Type1(ショアA硬度:89.4°)
・富士紡ホールディングス株式会社製 発泡ポリウレタンパッド H800-CZM(ショアA硬度:78.9°)
・富士紡ホールディングス株式会社製 発泡ポリウレタンパッド X400-CZM(ショアA硬度:76.3°)
コンディショナー(ドレッサー):ナイロンブラシ(3M社製)
研磨圧力:2.0psi(1psi=6894.76Pa)
研磨定盤回転数:80rpm
ヘッド回転数:80rpm
研磨用組成物の供給:掛け流し
研磨用組成物供給量:200mL/分
研磨時間:30秒。
上記CMP工程にてTEOS基板表面を研磨した後、研磨済研磨対象物として研磨済TEOS基板を研磨定盤(プラテン)上から取り外した。続いて、同じ研磨装置内で、研磨済TEOS基板を別の研磨定盤(プラテン)上に取り付け、下記の条件にて、上記で調製した表面処理組成物A1~A6およびB1~B9を用いて、研磨済TEOS基板表面に対してリンス研磨処理を行った;
-リンス研磨装置およびリンス研磨条件-
研磨圧力:1.0psi
定盤回転数:60rpm
ヘッド回転数:60rpm
研磨用組成物の供給:掛け流し
表面処理組成物供給量:300mL/分
研磨時間:60秒。
上記リンス研磨工程後の各研磨済TEOS基板について、下記項目について測定し評価を行った。評価結果は、表2~表6に示す。
総残渣数は、ケーエルエー・テンコール株式会社製、光学検査機Surfscan(登録商標)SP5を用いて、リンス研磨処理後の研磨済TEOS基板表面上の残渣数を評価した。具体的には、研磨済TEOS基板の片面の外周端部から幅5mmの部分(外周端部を0mmとしたときに、幅0mmから幅5mmまでの部分)を除外した残りの部分について、直径50μmを超える残渣の数をカウントした。残渣数は少ないほど好ましい。この結果を下記表2~表6に示す。なお、総残渣数が10000個を超えた場合、個数の検出ができないため、表2~表6において「>10000」と示す。
上記リンス研磨処理後の研磨済TEOS基板について、砥粒残渣数およびポリウレタン残渣数を、株式会社日立ハイテク製Review SEM RS6000を使用し、SEM観察によって測定した。まず、SEM観察にて、研磨済研磨対象物の片面の外周端部から幅5mmの部分を除外した残りの部分に存在する残渣を100個サンプリングした。次いで、サンプリングした100個の残渣の中から、目視によるSEM観察にて残渣の種類(砥粒またはポリウレタン)を判別し、砥粒(CeO2またはSiO2)およびポリウレタンのそれぞれについて、その個数を確認することで、残渣中の砥粒残渣の割合(%)およびポリウレタン残渣の割合(%)を算出した。そして、上述の総残渣数の評価により測定した直径50μmを超える総残渣数(個)と、SEM観察により算出した残渣中の砥粒残渣の割合(%)との積を、それぞれ、砥粒残渣数(個)として算出した。また、上述の総残渣数の評価により測定した直径50μmを超える総残渣数(個)と、SEM観察により算出した残渣中のポリウレタン残渣の割合(%)との積を、ポリウレタン残渣数(個)として算出した。
[無機酸化物砥粒のゼータ電位測定]
無機酸化物砥粒のゼータ電位は、スペクトリス株式会社製(マルバーン事業部)のZetasizer Nano ZSPにより測定された値である。表面処理組成物を用いてリンス研磨中のCeO2砥粒のゼータ電位、および表面処理組成物を用いてリンス研磨中のアニオン修飾SiO2砥粒のゼータ電位は、それぞれ、以下のようなモデル実験で測定された値とした。これらの値を下記表1~表6に示す。
上記で調製した表面処理組成物中にCeO2粒子分散液(ソルベイ社製 HC30、平均一次粒子径:30nm、平均二次粒子径:60nmのコロイダルセリアの30質量%水分散液)を添加して、CeO2粒子濃度0.02質量%の測定液を調製した(測定液中のCeO2粒子の含有量は、測定液の総質量に対して0.02質量%)。得られた測定液を上記装置(Zetasizer Nano ZSP)の測定専用セルに充填して、CeO2砥粒のゼータ電位を測定した。
上記で調製した表面処理組成物にアニオン修飾SiO2粒子分散液(アニオン修飾コロイダルシリカ(“Sulfonic acid-functionalized silica through quantitative oxidation of thiol groups”, Chem. Commun. 246-247 (2003)に記載の方法で作製した、スルホン酸修飾コロイダルシリカ、平均一次粒子径:35nm、平均二次粒子径:70nm)の19.5質量%水分散液)を添加して、アニオン修飾SiO2粒子濃度0.02質量%の測定液を調製した(測定液中のアニオン修飾SiO2粒子の含有量は、測定液の総質量に対して0.02質量%)。得られた測定液を上記装置(Zetasizer Nano ZSP)の測定専用セルに充填して、アニオン修飾SiO2砥粒のゼータ電位を測定した。
研磨済TEOS基板のゼータ電位、およびポリウレタンのゼータ電位は、それぞれ、アントンパールジャパン株式会社製の固体ゼータ電位測定器SurPASS3により測定された値である。表面処理組成物を用いてリンス研磨中の研磨済TEOS基板表面のゼータ電位、研磨済SiN基板表面のゼータ電位および表面処理組成物を用いてリンス研磨中のポリウレタンのゼータ電位は、それぞれ、以下のようなモデル実験で測定された値とした。これらの値を下記表1に示す。
Claims (17)
- 表面処理組成物を用いて、酸化ケイ素を含む研磨済研磨対象物の表面における無機酸化物砥粒を含む残渣を低減する表面処理方法であって、
前記表面処理組成物は、sp値が9を超えて11以下でありかつ負に帯電した官能基を有するゼータ電位調整剤と、分散媒と、を含み、
前記ゼータ電位調整剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル硫酸エステルおよびそれらの塩からなる群より選択される1種以上を含み、
前記表面処理組成物によって、前記酸化ケイ素のゼータ電位を負に制御し、かつ前記無機酸化物砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御することを含む、表面処理方法。 - 前記ゼータ電位調整剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸およびそれらの塩からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1に記載の表面処理方法。
- 前記無機酸化物砥粒は、酸化セリウム砥粒を含み、前記表面処理組成物によって、酸化セリウム砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御する、請求項1または2に記載の表面処理方法。
- 前記残渣は、ポリウレタンをさらに含み、前記表面処理組成物によって、前記ポリウレタンのゼータ電位を-30mV以下に制御することをさらに含む、請求項1または2に記載の表面処理方法。
- 前記ゼータ電位調整剤は、分子量が1,000未満である、請求項1または2に記載の表面処理方法。
- 前記表面処理組成物は、pH調整剤をさらに含む、請求項1または2に記載の表面処理方法。
- 前記表面処理組成物のpH値は、2以上5未満である、請求項1または2に記載の表面処理方法。
- リンス研磨処理方法または洗浄処理方法である、請求項1または2に記載の表面処理方法。
- 研磨済研磨対象物が研磨済半導体基板であり、
無機酸化物砥粒を含む研磨用組成物を使用して、酸化ケイ素を含む研磨前半導体基板を研磨することによって、研磨済半導体基板を得る研磨工程と、
請求項1に記載の表面処理方法によって、前記研磨済半導体基板の表面における前記無機酸化物砥粒を含む残渣を低減する表面処理工程と、
を含む、半導体基板の製造方法。 - 前記無機酸化物砥粒は、酸化セリウム砥粒を含み、
前記表面処理工程で使用される前記表面処理組成物によって、前記酸化セリウム砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御することを含む、請求項9に記載の半導体基板の製造方法。 - 前記研磨工程は、ポリウレタン製の研磨パッドを使用することを含み、
前記残渣は、前記ポリウレタンをさらに含み、
前記表面処理工程で使用される前記表面処理組成物によって、前記ポリウレタンのゼータ電位を-30mV以下に制御することをさらに含む、請求項9または10に記載の半導体基板の製造方法。 - 前記研磨パッドのショアA硬度は、40°以上100°以下である、請求項11に記載の半導体基板の製造方法。
- 酸化ケイ素を含む研磨済研磨対象物の表面における無機酸化物砥粒を含む残渣を低減するために用いられる、表面処理組成物であって、
sp値が9を超えて11以下でありかつ負に帯電した官能基を有するゼータ電位調整剤と、分散媒と、を含み、
前記ゼータ電位調整剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアリルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル硫酸エステルおよびそれらの塩からなる群より選択される1種以上を含み、
前記酸化ケイ素のゼータ電位を負に制御し、かつ前記無機酸化物砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御する機能を有する、表面処理組成物。 - 前記無機酸化物砥粒は、酸化セリウム砥粒を含み、前記表面処理組成物は、前記酸化セリウム砥粒のゼータ電位を-30mV以下に制御する機能を有する、請求項13に記載の表面処理組成物。
- 前記残渣はポリウレタンをさらに含み、前記表面処理組成物は、前記ポリウレタンのゼータ電位を-30mV以下に制御する機能をさらに有する、請求項13または14に記載の表面処理組成物。
- リンス研磨用組成物または洗浄用組成物である、請求項13または14に記載の表面処理組成物。
- 酸化ケイ素を含む研磨対象物、研磨パッド、無機酸化物砥粒を含む研磨用組成物、および請求項13または14に記載の表面処理組成物を含む、半導体基板の製造システムであって、
前記研磨用組成物および前記研磨パッドを用いて研磨した後の前記研磨対象物の表面を前記表面処理組成物と接触させる、半導体基板の製造システム。
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