本発明は、下面側に砥石部を有する研削ホイールを円板状のスピンドルフランジに安全に着脱できる構造にした研削装置を提供するという目的を達成するために、ウエハを加工する研削装置であって、下面側に砥石を設けた研削ホイールと、前記研削ホイールを着脱可能に保持して前記研削ホイールと共に回転するスピンドルフランジと、前記下面側から前記研削ホイールの外側を覆って前記スピンドルフランジに取り付けられるホイールカバーと、第1の結合部と、第1の結合部と着脱可能な第2の結合部と、を備え、前記第1の結合部又は、前記第2の結合部の一方を前記スピンドルフランジの軸中心に対応して設けるとともに、前記第1の結合部又は前記第2の結合部の他方を前記ホイールカバーの軸中心に対応して設けてなる着脱機構と、を備えている構成にしたことにより実現した。
以下、本発明の実施形態に係る一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
また、以下の説明において、上下や左右等の方向を示す表現は、絶対的なものではなく、本発明の研削装置の各部が描かれている姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。また、実施例の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付している。
図1から図6は、本発明の実施の形態に係るウエハの研削装置10及びその要部構成を示す図である。以下、図1から図6を用いて研削装置10の構成及び動作を説明する。
図1は、ウエハWの研削装置10を模式的に示している概略縦断面図であり、(a)は研削ホイール22をスピンドルフランジ17に取り付ける前の状態を示している図、(b)研削ホイール22をスピンドルフランジ17に取り付けている途中の状態を示している図、(c)は研削ホイール22をスピンドルフランジ17に取り付けた後の状態を示している図である。図2は、研削装置10の要部拡大図であり、図3及び図4は研削ホイール22の交換作業を説明する図を兼ねる研削装置10における要部拡大図である。
研削装置10は、平面研削装置であり、図1に示すように、主として装置本体11、ケーシング12、移動機構部13、スピンドルケーシング14、チャックテーブル15、ターンテーブル16等から構成されているとともに、研削ホイール22の交換時に研削ホイール22の砥石22Bを保護するホイールカバー24が用意されている。
ケーシング12は、装置本体11に立設され、その内部に図示しない昇降機構が配設されている。移動機構部13は、ケーシング12に対し図示しないガイドを介してX-Y方向に移動自在に設けられると共に、ケーシング12内に設けられた前記昇降機構に連結されている。したがって、移動機構部13は、昇降機構を駆動することにより、上下方向に昇降移動することができる。
チャックテーブル15は、ターンテーブル16上に設置されている。チャックテーブル15は、図示しない負圧源に接続されており、平面研削加工されるウエハWが所定の位置に吸着保持され、吸着保持されたウエハWは、ここで研削加工される。図2の(a)は、その切削加工時の一例を示している。
ターンテーブル16は、図示しないモータの駆動によりチャックテーブル15の軸中心回りに、チャックテーブル15と共に回動する。
スピンドルケーシング14は、移動機構部13に回転可能に取り付けられており、移動機構部13と共に上下方向に移動可能で、また図示しないモータの駆動力によってスピンドルケーシング14の軸中心回りに回転する。図2に詳細に示すように、スピンドルケーシング14の下面には、スピンドルケーシング14と共に一体に回転する略円板状に形成されているスピンドルフランジ17が連結固定されて設けられている。また、図2及び図3の(d)に詳細に示すように、スピンドルフランジ17の本体部17Aの下面には、外径が本体部17Aの外径よりも小さい円形をしている小径突出部17Bが一体に設けられている。小径突出部17Bの下面には、内周面に下方開口部から上方に進むに従って徐々に中心側に向かって傾斜している傾斜面18を設けてなる逆摺鉢状をした凹部19が形成されている。その凹部19内には、インナープレート20が配設されている。
インナープレート20は、スピンドルフランジ17の凹部19内に収容可能な円板形状の部材であり、外周面には凹部19の傾斜面18に対応した傾斜面20aが設けられている。そして、インナープレート20は、凹部19内に収容されて、図示しないボルトでスピンドルフランジ17の下側に取り付けられている。
また、スピンドルケーシング14及びスピンドルフランジ17の略軸中心には、水又はエアなどの流体100を運ぶ流路21が形成されている。流路21は、用力から流体100を取り入れる供給口21aと、供給口21aから取り入れた流体100を外部に噴出させる、スピンドルフランジ17とインナープレート20との間に設けた吹出口21bと、を有している。また、流路21から流体100の一部はスピンドルフランジ17と研削ホイール22との間に供給され、研削ホイール22をスピンドルフランジ17から取り外す際に、研削ホイール22がスピンドルフランジ17から引き離し、外し易くするのに使用される。
スピンドルフランジ17の下面には、取付ボルト23を用いて研削ホイール22が着脱自在に取り付けられている。研削ホイール22は、環状の台金部22Aと台金部22Aの下面に設置される砥石22Bとを備えている。なお、図3及び図4に詳細に示すように、スピンドルフランジ17の本体部17Aの外周端側には、取付ボルト23が挿通される取付孔17cが、外周面17bに沿って略等間隔で複数設けられている。また、研削ホイール22の台金部22Aの上面22dには、取付ボルト23がネジ止めされる取付ネジ穴22fが、スピンドルフランジ17における本体部17Aの取付孔17cに対応して複数設けられている。したがって、スピンドルフランジ17の下面に研削ホイール22を取り付けるときは、図3の(c)に示すように、スピンドルフランジ17の取付孔17cに研削ホイール22の取付ネジ穴22fを対応させて配置する。また、この状態で図3の(d)に示すように、スピンドルフランジ17の本体部17Aの上方から取付ボルト23を、取付孔17cを通って取付ネジ穴22fにねじ込み、スピンドルフランジ17の本体部17Aと研削ホイール22の台金部22Aとの間を締め付けることにより、図3の(e)に示すように、研削ホイール22をスピンドルフランジ17に着脱可能に固定することができる。
台金部22Aは、図5に示すように環状に形成されている。なお、図5は、スピンドルフランジ17の下面に取り付けた研削ホイール22と、研削ホイール22から取り外されたホイールカバー24を示している。また、台金部22Aの断面は、図3及び図4に、より詳細に示しているように、傾斜面22aと、内周面22bと、外周面22cと、上面22dと、下面22eとを有して、概略五角形の断面を呈している。台金部22Aの、内径はスピンドルフランジ17の小径突出部17Bの外径に略等しく、外径はスピンドルフランジ17の本体部17Aの外径に略等しく形成されている。また、台金部22Aの厚み、すなわち外周面22cの高さは、スピンドルフランジ17の下面に設けられている凹部19内に収容して取り付けたインナープレート20の底面よりも大きく下方に突出した状態で設定されている。なお、インナープレート20における傾斜面20aの傾斜角度は約30度であり、内周面22bから外周側に向かって下がるようにして傾斜している。
砥石22Bは、図3の(d)及び図5に、より詳細に示しているように、台金部22Aの下面22eに、台金部22Aの外周に沿って複数設置されて台金部22Aと一体化され、リング型をした研削ホイール22として形成されている。
そして、研削ホイール22は、スピンドルフランジ17に取り付けて使用されるとき、図1の(c)及び図2の(a)等に示すように、砥石22Bを下側に向け、かつ、台金部22Aの上面22dをスピンドルフランジ17の外周底面17aに密着当接させた状態で、取付ボルト23を用いてスピンドルフランジ17に固定して取り付けられる。また、この取付状態では、台金部22Aの内周面22bとスピンドルフランジ17における小径突出部17Bの外周面17bとの間も略密着当接した状態になる。
ホイールカバー24は、ポリエチレンテレフタラート(PET)などの透明な樹脂材料で上面が開口された概略円形トレイ状に形成されている。図2から図5に示すように、ホイールカバー24は、円板部24Aを有しており、円板部24Aの外周部には、円筒部24Bが円板部24Aから上方に向かって一体に形成されている。円筒部24Bの内径は、研削ホイール22の台金部22Aの外周面22cと略等しい。また、図3の(d)に詳しく示しているように、円筒部24Bの開口端には、円筒部24B内に台金部22Aの受容を誘うための、下側から上側に向かって外側に開いている導入傾斜面24aが形成されている。
図3及び図4に詳しく示しているように、ホイールカバー24の円板部24Aには、円筒部24Bの内側において、上方に向かって突出されている環状凸部24Cが円筒部24Bの内周面に沿って、全周にわたって形成されている。環状凸部24Cの高さは、図3の(d)に示すように、円筒部24Bの内周面が研削ホイール22の台金部22Aの外周面の所定の位置と当接した時、環状凸部24Cの頂部24dが台金部22Aの傾斜面22aと当接し、研削ホイール22とホイールカバー24とが、互いに所定の関係位置に配置される。また、研削ホイール22とホイールカバー24とが互いに所定の位置関係に配置された状態では、研削ホイール22の砥石22Bの下側に環状凹部24Dが形成され、この環状凹部24Dにより砥石22Bがホイールカバー24と接触するのを避けるようにしている。
着脱機構25は、スピンドルフランジ17の軸中心と、スピンドルフランジ17の軸中心に対応しているホイールカバー24の略軸中心に設けられている。着脱機構25は、第1の結合部としての雌部25Bと第2の結合部としての雄部25Aとでなる。本実施例では、雄部25Aをホイールカバー24における円板部24Aの略軸中心に、その軸中心に沿って設けている。一方、雌部25Bは、図2から図5により詳しく示しているように、スピンドルフランジ17側のインナープレート20の略軸中心に、その軸中心に沿って設けている。また、図2に示すように、雌部25Bの先端部分は、流路21内に突出して取り付けられている。
雄部25Aは、ホイールカバー24における円板部24Aの中心を上下に貫通して、ホイールカバー24に回転可能に取り付けられている挿入ピン26を有する。挿入ピン26の先端側(上端側)には、挿入ピン26の外周面から略直角に突出している左右1対のラッチピン27が設けられている。一方、挿入ピン26の基端(下端側)には、ホイールカバー24の下側から挿入ピン26を回転させるためのツマミ28が設けられている。
雌部25Bは、挿入ピン26の挿入を受容する挿入穴30を中心に有した筒状体であり、研削ホイール22の回転軸線に沿って設けられている。また、図6により詳しく示しているように、挿入穴30には、挿入ピン26の挿入時に、ラッチピン27を逃げる縦方向カム部31Aと、挿入ピン26が挿入された所定の位置で、挿入ピン26を軸回りに回転させると、ラッチピン27が所定量回転するのを許容する円筒カム部31Bが、縦方向カム部31Aと連続して、挿入穴30の左右両側にそれぞれ挿入ピン26の1対のラッチピン27と対応して形成されている。なお、挿入穴30内には、挿入ピン26の挿入量を規制するためのストッパとしてのスプリングプランジャ29が設けられている。
また、円筒カム部31Bは、雌部25Bの外周に開口されて、流路21と連通されている。したがって、雌部25Bの挿入穴30内に雄部25Aの挿入ピン26が挿入されてないとき、流路21内に水またはエアなどの流体が送り込まれると、送り込まれた水またはエアなどの流体は、吹出口21bから吹き出される図2の(b)に示す水またはエアなどの流体だけでなしに、図2の(c)に示すように、円筒カム部31Bから挿入穴30に入って下端より吹き出され、挿入穴30内の塵等を排出する水またはエアなどの流体としても流れるようになっている。また、図6の(c)に示すように、円筒カム部31Bの外周方向終端には、雄部25Aのラッチピン27が一時的に落ち込み、挿入ピン26が不用意に円筒カム部31Bの外周方向始端側(縦方向カム部31A側)に戻らないようにする係止凹部31Cが設けられており、スプリングプランジャ29が挿入ピン26を下方向に付勢することによりラッチピン27が係止凹部31Cに押え付けられる。
次に、このように構成された着脱機構25だけの動作を説明する。まず、ツマミ28を掴んで、雄部25Aにおける挿入ピン26のラッチピン27を雌部25Bの縦方向カム部31Aに対応させると、挿入穴30内のスプリングプランジャ29に挿入ピン26の先端がぶつかる所定の位置まで、挿入穴30内に挿入ピン26を挿入させることができる。また、図6の(a)に示すように、挿入ピン26を挿入穴30の所定の位置まで挿入した状態で、挿入ピン26を軸回りに右回転させると、図6の(b)に示すように、ラッチピン27が円筒カム部31B内に入り込んで軸回りに回転される。また、円筒カム部31Bの外周方向端まで回転されると、図6の(c)に示すように、ラッチピン27が係止凹部31C内に一時的に落ち込み、挿入ピン26が下端側に移動するのを規制し、かつ、ラッチピン27が不用意に縦方向カム部31A側に戻らないように保持される。これにより、雄部25Aと雌部25Bとの間が略ワンタッチで抜け止め結合される。
反対に、雄部25Aと雌部25Bとの間が抜け止め結合された状態で、ツマミ28を掴んで挿入ピン26を左回転させると、ラッチピン27が係止凹部31C内から抜け出る。そして、ラッチピン27を縦方向カム部31A内まで戻すと、ラッチピン27と円筒カム部31Bとの係合が解除され、この係合解除の際、挿入ピン26をラッチピン27と共に挿入穴30内から引き抜いて、雄部25Aを雌部25Bから略ワンタッチで取り外すことができる。したがって、この着脱機構25では、略ワンタッチ操作で、雄部25Aと雌部25Bとの間を結合・離脱操作することができる。
次に、上記着脱機構25を備えた、研削装置10における研削ホイール22の取付作業の動作を、図3及び図4を用いて説明する。
まず、スピンドルフランジ17に研削ホイール22を取り付ける場合について、図3の(a)~(e)及び図4の(a)を用いて説明する。
スピンドルフランジ17に研削ホイール22を取り付ける場合は、図3の(a)に示すように、円筒部24Bの開口端を上側に向けて、配置されたホイールカバー24内に、砥石22Bを下側に向けて研削ホイール22をゆっくりと落とし込む。研削ホイール22が、円筒部24B内に所定の位置まで落とし込まれると、研削ホイール22の台金部22Aの傾斜面22aがホイールカバー24の環状凸部24Cに当接し、ホイールカバー24内に研削ホイール22が位置決めされる。図3の(a)は、この研削ホイール22がホイールカバー24内に位置決めされた状態を示す。また、研削ホイール22がホイールカバー24内に位置決めされた状態では、円筒部24Bの内周面が台金部22Aの外周面22cに当接し、砥石22Bは環状凹部24D内にホイールカバー24と接触していない状態で保持される。
次いで、図3の(b)に示すように、研削ホイール22を内部に配置させたホイールカバー24を研削ホイール22と共に持ち上げる。そして、スピンドルフランジ17側のインナープレート20に取り付けられている着脱機構25における雄部25Aのラッチピン27を、同じく着脱機構25における雌部25Bの縦方向カム部31Aに対応させて、挿入ピン26の先端が雌部25Bのスプリングプランジャ29とぶつかるまで、挿入ピン26を挿入穴30内に挿入させる。
また、挿入ピン26の先端がスプリングプランジャ29とぶつかる所定の位置まで、挿入ピン26が挿入穴30内に挿入されたら、作業者が手でツマミ28を摘まんで、挿入ピン26を軸回りに右回転させ、ラッチピン27を円筒カム部31B内に入り込ませる。また、ラッチピン27が円筒カム部31Bの外周方向終端に到達するまで挿入ピンを回転させると、ラッチピン27が係止凹部31C内に一時的に落ち込み、挿入ピン26が下端側に移動するのを規制し、かつ、ラッチピン27が不用意に縦方向カム部31A側に戻らないように保持される。これにより、雄部25Aと雌部25Bとの間が略ワンタッチで抜け止め結合され、研削ホイール22が、台金部22Aの上面22dをスピンドルフランジ17の外周底面17aに対向させた状態で、ホイールカバー24と共に待機される。図3の(c)はこの待機状態を示している。この待機状態でのスピンドルフランジ17の外周底面17aと研削ホイール22の上面22dまでの距離は約8ミリである。
次いで、挿入ピン26を中心にしてホイールカバー24と共に研削ホイール22を水平回転させ、スピンドルフランジ17側の取付孔17cと台金部22A側の取付ネジ穴22fを上下で対応させる。そして、図3の(d)に示すように、スピンドルフランジ17の本体部17Aの上方から、取付孔17cを通って取付ボルト23を取付ネジ穴22fにねじ込み、スピンドルフランジ17の本体部17Aと研削ホイール22の台金部22Aとの間を締め付ける。これにより、図3の(e)に示すように、スピンドルフランジ17の本体部17Aに研削ホイール22が本固定される。
また、スピンドルフランジ17の本体部17Aに対する研削ホイール22の本固定が終了したら、ツマミ28を掴んで挿入ピン26を左回転させると、ラッチピン27が係止凹部31C内から抜け出る。そして、ラッチピン27を縦方向カム部31A内まで戻すと、ラッチピン27と円筒カム部31Bとの係合が解除されて、挿入ピン26をラッチピン27と共に挿入穴30内から引き抜いて、雄部25Aを雌部25Bから略ワンタッチで取り外すことができる。これと同時にホイールカバー24が研削ホイール22の下方に移動され、図4の(a)に示すように、スピンドルフランジ17に研削ホイール22が取り付けたままの状態で、ホイールカバー24だけをスピンドルフランジ17側から略ワンタッチで取り外すことができる。そして、ホイールカバー24を取り外すことにより研削ホイール22をスピンドルフランジ17の下面に露出させ、研削ホイール22を使用した研削作業を行うことができる。
次に、スピンドルフランジ17から研削ホイール22を取り外す作業の動作を、図4の(a)~(d)を用いて説明する。
スピンドルフランジ17から研削ホイール22を取り外す場合は、図4の(a)に示すように、取付ボルト23でスピンドルフランジ17に取り付けられている研削ホイール22の下側から、着脱機構25の雄部25Aを備えたホイールカバー24を、円筒部24Bの開口端を上側に向けて、研削ホイール22に近づける。
さらに、スピンドルフランジ17側のインナープレート20に取り付けられている着脱機構25における雄部25Aのラッチピン27を、同じく着脱機構25における雌部25Bの縦方向カム部31Aに対応させ、更にスプリングプランジャ29の下端に先端がぶつかるまで、挿入ピン26を挿入穴30内に挿入させる。
また、スプリングプランジャ29の下端に挿入ピン26の先端がぶつかるまで、挿入ピン26が挿入穴30内に挿入されたら、作業者が挿入ピン26のツマミ28を手で掴んで、その挿入ピン26を軸回りに右回転させ、ラッチピン27を円筒カム部31B内に入り込ませる。そして、ラッチピン27が円筒カム部31Bの外周方向終端に移動するまで挿入ピン26を回転させると、ラッチピン27が係止凹部31C内に一時的に落ち込む。そして、挿入ピン26が下端側に移動するのを円筒カム部31Bとラッチピン27との係合係止により規制されるとともに、ラッチピン27が縦方向カム部31A側に不用意に戻らないように保持される。よって、雄部25Aと雌部25Bとの間が略ワンタッチで抜け止め結合され、ホイールカバー24がスピンドルフランジ17側に一時的に固定される。また、ホイールカバー24の円筒部24Bの内周面が台金部22Aの外周面22cに当接された状態になる。図4の(b)は、この状態を示している。
また、ホイールカバー24がスピンドルフランジ17側に取り付けられたら、研削ホイール22の台金部22Aの取付ネジ穴22fに取り付けられていた取付ボルト23を全て外す。すると、研削ホイール22がスピンドルフランジ17から切り離されて、ホイールカバー24の円筒部24B内に落とされる。その際、流路21から水またはエアなどの流体100をスピンドルフランジ17と研削ホイール22との間に供給し、研削ホイール22がスピンドルフランジ17から引き離す力を付与する。そして、研削ホイール22がスピンドルフランジ17から引き離された後は、ホイールカバー24の円筒部24Bの内周面が台金部22Aの外周面22cに当接する。また、台金部22Aの傾斜面22aが環状凸部24Cと当接位置決めされ、砥石22Bが環状凹部24D内にホイールカバー24と接触していない状態で保持される。図4の(c)は、この状態を示している。
次いで、作業者がツマミ28を手で掴んで挿入ピン26を左回転させると、ラッチピン27が係止凹部31C内から抜け出る。そして、ラッチピン27を縦方向カム部31A内まで戻すと、ラッチピン27と円筒カム部31Bとの係合が解除され、挿入ピン26をラッチピン27と共に挿入穴30内から引き抜いて雄部25Aを雌部25Bから略ワンタッチで取り外すことができる。これと同時にホイールカバー24も研削ホイール22と共に下方に移動され、図4の(d)に示すように、研削ホイール22をホイールカバー24内に収容した状態で、ホイールカバー24と研削ホイール22を、スピンドルフランジ17側から略ワンタッチで取り外すことができる。
これにより、この着脱機構25を有する構造をした研削装置10では、下面側に砥石22Bを有する研削ホイール22を、円板状のスピンドルフランジ17に対して安全に着脱することができる。
また研削ホイール22側において、研削ホイール22をスピンドルフランジ17から取り外す際に使用した水またはエアなどの流体と同じ水またはエアなどの流体100を、流路21から着脱機構25の周辺部分に流す。この流路21は、研削屑を排出する水またはエアなどの流体通路としても使用しているので、そのスピンドルフランジ17の上面に流す水またはエアなどの流体により、スピンドルフランジ17の上面に付着している研削屑等を外部に排出できると共に、雌部25Bの挿入穴30内に入った研削屑を外部に流して排出し、雌部25Bの挿入穴30内における目詰まりをなくすことができる。これにより、雌部25Bの挿入穴30に、雄部25Aの挿入ピン26をスムーズに挿入でき、雄部25Aと雌部25Bとの連結を確実に行うことができる。なお、着脱機構25の周辺部分に、水またはエアなどの流体を流して研削屑を排出する通路としての流路21に変えて、着脱機構25の周辺部分に水(純水)を流して研削屑を排出する通路としてもよい。
また、上記実施例では、着脱機構25の雄部25Aをホイールカバー24側に設け、雌部25Bをスピンドルフランジ17側に設けた構造を開示したが、反対に、雌部25Bをホイールカバー24側に設け、雄部25Aをスピンドルフランジ17側に設けた構造としてもよい。なお、図7及び図8において、図1から図6と同じ符号を付した部材は、図1から図6に対応する部材である。
また、着脱機構25の雄部25Aと雌部25Bとの着脱を可能にする連結構造としては、例えば図7及び図8に示すような連結構造を採用することも可能である。
図7に示す着脱機構25は、図1から図6に示した着脱機構25に変えて研削装置10に使用可能な着脱機構25の一変形例を示すものである。図7に示す着脱機構25は、第2の結合部である雄部25Aにおける挿入ピン26の先端部分に鉄片32Aを設けるとともに、第1の結合部である雌部25Bにおける挿入穴30の突き当たりの壁に、挿入ピン26の鉄片32Aを磁気吸引する永久磁石32Bを設けた磁石結合手段32を備えたものである。
図7に示す着脱機構25の構造では、挿入穴30に挿入ピン26を挿入させると、永久磁石32Bが、磁束力で鉄片32Aを磁気気吸引して、雌部25Bと雄部25Aとの間を略ワンタッチで着脱可能に連結することができる。また、雌部25Bと雄部25Aとの間を切り離す場合は、鉄片32Aと永久磁石32Bとの間を磁束の吸引力に抗して引き離すことにより連結を容易に断つことができる。
なお、磁石結合手段32として、鉄片32Aを永久磁石にし、また永久磁石32Bを電磁石等に変えた構造にして、連結状態を作る場合は、互いに向かい合う極をN極とS極の異極にし、連結状態を解除する場合には、互いに向かい合う極をN極とN極又はS極とS極の同極にして反発させるようにすると、瞬時に結合を解除することも可能である。
図8に示す着脱機構25は、図1から図6に示した着脱機構25に変えて研削装置10に使用可能な着脱機構25の更に他の変形例を示すものである。また、図9は図8に示す着脱機構25の動作の一例を示した図である。
図8及び図9において、着脱機構25は、第2の結合部としての雄部25Aにおける挿入ピン26の中心に、挿入ピン26に対して軸方向にスライド可能な断面円形をしたピン状の操作部材33を設けたものである。ここでの挿入ピン26は、第1の結合部としての雌部25Bの挿入穴30に挿入される、挿入ピン26の外形を形成している、ピン状をした外装部材34を有している。外装部材34の内部には、操作部材33の主軸33Aを収容する収容空間35と、操作部材33の位置規制部33Bを収容する位置規制空間36と、が一体的に、軸方向に沿って設けられている。また、位置規制空間36は、外装部材34の下面に開口している開口部36aを有している。
また、外装部材34の先端部には、弾性材で作られた伸縮可能なボール39を、外装部材34の軸中心と略同心的に取り付けている窓部37が設けられている。ボール39の内径の大きさは操作部材33の外径よりも小さく、外径の大きさは外装部材34の外径と略同じに形成されている。
操作部材33の先端側の外周面には、環状をした凹溝38が形成されている。また、凹溝38の上下の面は、傾斜面38aとなっている。操作部材33は、収容空間35内に、図8に示すように位置規制部33Bを位置規制空間36内に配置させて、外装部材34の軸中心上における連結解除位置(位置規制部33Bが位置規制空間36の上端にぶつかる位置)と連結位置(位置規制部33Bが位置規制空間36の下端にぶつかる位置)とに択一的にスライド切り換え可能に取り付けられている。そして、図8に示すように、操作部材33が下方端、すなわち連結位置に移動している時には凹溝38がボール39と外れた位置にある。したがって、ボール39は凹溝38と外れた操作部材33の外周面上に配置され、また操作ボタン33Cが外装部材34の下面から外側に大きく突出した状態、すなわち連結状態にある。図8及び図9の(b)は、操作部材33が連結位置に配置されている状態を示している。また、操作部材33が連結位置に配置されると、ボール39の内側部分が操作部材33の外周に押されて、ボール39の外側部分が外装部材34の窓部37から外側に突出し、その突出した外側部分の一部が雌部25Bの内周面に設けられた環状の位置決め溝40内に係合され、この係合により雄部25Aの挿入ピン26が雌部25Bの挿入穴30内から抜け出るのを阻止する。
一方、連結位置に配置されている操作部材33の操作ボタン33Cが、外装部材34の下面外側から押し上げられて、位置規制部33Bが位置規制空間36の上端にぶつかる連結解除位置に、操作部材33がスライド切り換えされると、操作部材33の凹溝38がボール39と対応する位置に配置される。そして、図9の(a)に示すように、ボール39が凹溝38内に落ち込んで収容される。そして、ボール39が外装部材34の内側へ逃げ、ボール39と環状の位置決め溝40との係合が解かれる。これにより、雄部25Aの挿入ピン26が雌部25Bの挿入穴30内から抜け出るのを許容する。
したがって、図8及び図9に示す着脱機構25の構造では、操作ボタン33Cを連結解除位置まで押し上げ、ボール39を凹溝38内に逃がしている状態で、雄部25Aの挿入ピン26を雌部25Bの挿入穴30内に挿入し、外装部材34の先端が挿入穴30の奥壁にぶつかったら、操作ボタン33Cを介して操作部材33を下方へ連結位置まで移動させる。すると、ボール39が凹溝38内から抜け出て、図8及び図9の(b)に示すように、ボール39が凹溝38と外れた操作部材33の外周面上に配置されて、ボール39の全体の径が拡大される。これにより、ボール39の外側部分が雌部25Bにおける挿入穴30の位置決め溝40内に係合されて、雄部25Aの挿入ピン26が雌部25Bの挿入穴30内から抜け出るのを阻止し、雄部25Aと雌部25Bとの間を瞬時に連結することができる。
反対に、雄部25Aと雌部25Bとの連結を解除する場合は、外装部材34の下面外側から操作ボタン33Cが連結位置まで押し上げると、操作部材33の凹溝38がボール39と対応する位置に配置される。そして、図9の(a)に示すように、ボール39が凹溝38内に落ち込んで逃げ、ボール39の全体が縮径される。この縮径に伴い、ボール39の外側部分が位置決め溝40から外装部材34内に逃げ、ボール39と位置決め溝40との係合が解除される。
図10はスピンドルフランジ17の軸中心に対応して設けられた着脱機構25の雌部25Bにねじ部25aを設け、(測定)冶具50をねじ部25aに取り付けた状態を示している。図10に示すようにチャックテーブル15の任意の位置の高さをダイヤルゲージ50aで測定することにより、チャックテーブルの平行度を測定することができる。このように雌部25Bにねじ部25aを設けることにより、本発明の着脱機構25を備えた研削装置においても各調整作業を妨げることはない。
なお、本発明は、上記以外にも本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を成すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。