JP7841311B2 - テンプ、時計、及びテンプの製造方法 - Google Patents

テンプ、時計、及びテンプの製造方法

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Description

本発明は、テンプ、時計、及びテンプの製造方法に関する。
特許文献1及び特許文献2には、テンプの調速用として、内側湾曲部をグロスマン型の形状にし、外側湾曲部をアルキメデス型の形状にした、シリコン系材料のひげぜんまいが開示されている。ひげぜんまいは、内側湾曲部の端部が固定されている。
特開2013-15534号公報 特開2010-139505号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、時計に衝撃が加わった場合、端部が固定されたグロスマン型の内側湾曲部が変形したり破損したりするという問題があり、これにより、テンプの調速の精度が悪くなるという課題がある。一方、金属材料でグロスマン型の内側湾曲部を形成した場合においても、衝撃によって変形するなど、テンプの調速の精度、言い換えれば、時計の精度に悪影響を及ぼすという課題がある。
テンプは、支持部材に回転自在に支持された天真と、前記天真に固定されたひげ玉と、前記ひげ玉に固定され、前記ひげ玉側に配置されたグロスマン曲線と、前記グロスマン曲線に繋がるアルキメデス曲線と、を有するひげぜんまいと、少なくとも前記グロスマン曲線のうち前記ひげ玉側の形状の変位を抑制する耐衝撃部材と、を備える。
時計は、上記に記載のテンプを備える。
テンプの製造方法は、支持部材に回転自在に支持される天真と、前記天真に固定されるひげ玉と、を備えるテンプの製造方法であって、アルキメデス曲線に沿うひげぜんまいを用意する工程と、前記ひげぜんまいの内端部を前記ひげ玉に固定する工程と、前記ひげぜんまいの内端区間を、癖付け部材を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、前記癖付け部材を前記ひげ玉から取り外す工程と、を有する。
テンプの製造方法は、支持部材に回転自在に支持される天真と、前記天真に固定されるひげ玉と、を備えるテンプの製造方法であって、アルキメデス曲線に沿うひげぜんまいを用意する工程と、前記ひげぜんまいの内端部を前記ひげ玉に固定する工程と、耐衝撃部材を前記ひげ玉に取り付ける工程と、前記ひげぜんまいの内端区間を、前記耐衝撃部材を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、を有する。
テンプの製造方法は、支持部材に回転自在に支持される天真と、前記天真に固定されるひげ玉と、を備えるテンプの製造方法であって、アルキメデス曲線に沿うひげぜんまいを用意する工程と、前記ひげぜんまいの内端部を前記ひげ玉に固定する工程と、前記ひげぜんまいの内端区間を、前記ひげ玉を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、を有する。
時計の構成を示す平面図。 ムーブメントの構成を示す平面図。 テンプの構成を示す平面図。 テンプの構成を示す断面図。 テンプの一部の構成を拡大して示す平面図。 ひげ玉、及び耐衝撃部材の構成を示す断面図。 ひげ玉、ひげぜんまい、及び耐衝撃部材の構成を示す斜視図。 テンプの製造方法を示す斜視図。 テンプの製造方法を示す斜視図。 テンプの製造方法を示す斜視図。 テンプの製造方法を示す斜視図。 変形例のテンプの構成を示す平面図。 変形例のテンプの構成を示す断面図。 変形例のテンプの構成を示す平面図。 変形例のテンプの構成を示す断面図。
まず、図1を参照しながら、時計1の構成について説明する。
図1に示すように、時計1は、ユーザーの手首に装着される機械式腕時計であり、円筒状の外装ケース2を備える。外装ケース2の内周側には、文字板3が配置されている。外装ケース2の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラスで塞がれており、裏面側の開口は裏蓋で塞がれている。
時計1は、例えば、外装ケース2内に収容されたムーブメント10(図2参照)と、時刻情報を表示する時針4A、分針4B、秒針4Cと、図示しないぜんまいによる持続時間を指示するパワーリザーブ針5と、を備えている。
時針4A、分針4B、秒針4C、及びパワーリザーブ針5は、ムーブメント10の指針軸に取り付けられ、ムーブメント10により駆動される。文字板3には、カレンダー小窓3Aが設けられており、カレンダー小窓3Aから、日車6が視認可能となっている。外装ケース2の側面には、りゅうず7が設けられている。
次に、図2を参照しながら、ムーブメント10の構成について説明する。
図2に示すように、ムーブメント10は、地板11、一番受け12、テンプ受け13、を備えている。地板11と一番受け12との間には、ぜんまいが収納された香箱車21と、図示しない二番車と、三番車23と、四番車24と、ガンギ車25と、が配置されている。また、地板11とテンプ受け13との間には、アンクル26、調速機27等が配置されている。そして、本実施形態では、調速機27は、テンプ400を備える。
手巻き機構30は、一番受け12に回転自在に軸支された、巻真31、つづみ車32、きち車33、丸穴車40、第1中間車51、第2中間車52を備え、りゅうず7の回転操作による回転を、角穴車60に伝達し、角穴車60、及び香箱真を回転させてぜんまいを巻き上げるものである。なお、丸穴車40は、きち車33に噛み合う第1丸穴車41と、第1丸穴車41と一体に回転して第1中間車51に噛み合う第2丸穴車42とで構成されている。
次に、図3~図5を参照しながら、テンプ400の構成について説明する。
図3及び図4に示すように、テンプ400は、天真410と、天輪420と、ひげ玉440と、ひげぜんまい70と、を備えて構成される。
天真410は、地板11及びテンプ受け13(図2参照)に回転自在に支持されている。なお、地板11及びテンプ受け13は、支持部材の一例である。
天真410には、天輪420、ひげ玉440等が固定され、これらが一体で回転するように構成されている。ひげぜんまい70は、その内端部71(図5参照)がひげ玉440に固定され、外端部74は、図示しないヒゲ持に固定されている。ヒゲ持は、テンプ受け13に固定されている。
テンプ400は、天輪420が天真410を軸として回転すると、ひげ玉440も回転する。天輪420には、ひげぜんまい70の付勢力が作用している。この付勢力と天輪420の慣性力とがつり合うと、天輪420の回転が停止し、ひげぜんまい70の付勢力により、天輪420は逆方向に回転する。即ち、天輪420は、天真410を軸として揺動を繰り返す。
図5に示すように、ひげぜんまい70は、金属製で板状の弾性材料、具体的には、Cr,Ni,Co等を含む合金であるコエリンバー等を板状にした弾性材料により形成されている。なお、ひげぜんまい70は、シリコン材料で構成されていてもよい。ひげぜんまい70は、内端部71と、第1巻回部72と、第2巻回部73と、外端部74と、を備える。
内端部71は、ひげ玉440の固定部442に挿入されて固定される部分である。第1巻回部72は、内端部71から連続して形成されている。第1巻回部72は、天真410の軸方向から見た平面視で、グロスマン曲線に沿って形成されている。
具体的には、第1巻回部72は、図5において、第1巻回部72及び第2巻回部73の接続点Eと、天真410の中心点Cと、を結ぶ仮想線分Nに直交する仮想線分M上であって、天真410の中心点Cのからの長さQが以下の式(1)を満たす仮想点Pに重心がくるように、形成されている。
Q=R2/L・・・式(1)
なお、上記式(1)において、Rは、天真410の中心点Cから、第1巻回部72及び第2巻回部73の接続点Eまでの仮想線分Nの長さである。また、Lは、内端部71及び第1巻回部72の接続点Sから、第1巻回部72及び第2巻回部73の接続点Eまでの円弧の長さ、つまり、第1巻回部72の長さである。
第2巻回部73は、第1巻回部72から連続して形成されている。第2巻回部73は、天真410の軸方向から見た平面視で、アルキメデス曲線に沿って形成されている。本実施形態では、第2巻回部73の最外周の途中に、屈曲部722(図3参照)が形成されている。
外端部74(図3参照)は、第2巻回部73から連続して形成されており、図示しないヒゲ持に固定されている。即ち、ひげぜんまい70は、内端部71がひげ玉440に固定され、外端部74が図示しないヒゲ持に固定されている。
次に、図6及び図7を参照しながら、ひげ玉440、ひげぜんまい70、及び耐衝撃部材500の構成を説明する。
図6及び図7に示すように、ひげ玉440は、天真410に固定されている。ひげ玉440の上には、耐衝撃部材500が、天真410に固定され配置されている。
ひげ玉440は、例えば、ひげ玉本体部441と、固定部442と、天真挿入孔444と、を備える。
ひげ玉本体部441は、略円形の外形形状443(図5参照)を有する略円柱状に設けられている。
ひげ玉本体部441には、一部が分断された分断部441a(図7参照)が形成されている。これにより、天真410を天真挿入孔444に挿入させた際に、ひげ玉440が天真410に固定される際のトルクが強すぎる場合は、分断部441aが広がることによって、トルクを適正な値に調整することができる。
固定部442は、溝部を有し、ひげぜんまい70の内端部71を固定する箇所である。固定部442は、溝部に内端部71を挟み込むことにより、ひげぜんまい70を固定している。
天真挿入孔444は、天真410が挿入される挿入孔である。
上記したように、ひげ玉440の上には、耐衝撃部材500が配置されている。耐衝撃部材500は、ひげぜんまい70の第1巻回部72であるグロスマン曲線の変位を抑制するために用いられる。耐衝撃部材500は、略円筒形状の金属材料で構成されている。
耐衝撃部材500は、少なくとも内端部71側の第1領域521と、第1巻回部72と第2巻回部73との境界である第2領域522の近傍と、において、ひげぜんまい70のグロスマン曲線を維持するようにサポートする。
図7に示すように、第1領域521は、ひげぜんまい70をひげ玉440に固定する固定部442の近傍である。第2領域522は、グロスマン曲線からアルキメデス曲線に変わる部分を、固定部442から270°程度とした場合、例えば、180°程度から360°程度の範囲である。なお、耐衝撃部材500は、第1領域521から第2領域522までの範囲をサポートすることが好ましく、ひげぜんまい70の変形防止と耐衝撃部材500の重心バランスとを両立する様に各部の形状を設定している。
つまり、耐衝撃部材500によってひげぜんまい70の変位を抑制する範囲は、その他の領域よりも、耐衝撃部材500とひげぜんまい70との距離が小さい。具体的には、耐衝撃部材500における第1領域521及び第2領域522以外の領域は、外周形状が円形状でなく変形した形状でもよい。例えば、外周形状が凹んでいたり、切り欠かれていたりしてもよい。また、外周形状が円形状の場合、中空の領域があってもよい。
具体的には、例えば、内端部71及び第1巻回部72の接続点Sからの円弧の長さL=750μm~1000μmまでを、50μm以内の隙間にする。このような隙間に設定することにより、ひげぜんまい70の根元部が内側に変形することを抑えることができる。また、接続点Sと対向する側においては、200μm~250μm以内の隙間にする。このような隙間に設定することにより、ひげぜんまい70の根元部が外側に変形することを抑えることができる。
また、第1領域521、第2領域522の間の領域については、耐衝撃部材500の重心が天真中心と一致する様に切り欠き部を設けつつ、ひげぜんまい70の根元部の変形を抑える様にひげぜんまい70との隙間を設定する。これによれば、ひげぜんまい70に任意の方向から衝撃が加わった場合にグロスマン曲線が変形することを抑えることができる。また、耐衝撃部材500による片重りが生じることを抑えることができる。
また、耐衝撃部材500の高さは、少なくともひげぜんまい70の高さ以上に設けられている。これによれば、ひげぜんまい70の高さ以上の耐衝撃部材500によってひげぜんまい70の変位を抑制するので、ひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、グロスマン曲線が変形することを抑えることができる。
次に、図8~図11を参照しながら、テンプ400の製造方法を説明する。
図8に示す工程では、ひげぜんまい70(図9参照)、及びひげ玉440を用意する。具体的には、金属製で板状の弾性材料で形成されたひげぜんまい材をアルキメデス曲線に沿って形成する。
図9に示す工程では、癖付け部材600を用いて、ひげぜんまい70の接続点Sから接続点Eまでの区間が、グロスマン曲線になるように癖付けを行う。具体的には、まず、ひげぜんまい70の内端部71をひげ玉440の固定部442に固定する。その後、ひげぜんまい70の内端区間を、癖付け部材600の外周形状部601に沿ってグロスマン曲線になるように癖付けを行う。
図10に示す工程では、癖付け部材600をひげ玉440から取り外す。これにより、グロスマン曲線に沿って形成された第1巻回部72、及びアルキメデス曲線に沿って形成された第2巻回部73、を備えるひげぜんまい70が形成される。
図11に示す工程では、ひげぜんまい70が固定されたひげ玉440や天輪420を天真410に固定し、その後、ひげ玉440の上に、ひげぜんまい70のうち第1巻回部72の変位を抑制する耐衝撃部材500を天真に固定することにより、テンプ400が完成する。これにより、ひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、特に衝撃を受けやすい、ひげ玉440に固定されたグロスマン曲線が変形することを抑えることができる。
以上述べたように、本実施形態のテンプ400は、地板11及びテンプ受け13に回転自在に支持された天真410と、天真410に固定されたひげ玉440と、ひげ玉440に固定され、ひげ玉440側に配置されたグロスマン曲線と、グロスマン曲線に繋がるアルキメデス曲線と、を有するひげぜんまい70と、少なくともグロスマン曲線のうちひげ玉440側の形状の変位を抑制する耐衝撃部材500と、を備える。
この構成によれば、耐衝撃部材500によって、少なくともグロスマン曲線のうちひげ玉440側の形状の変位を抑制するので、例えば、ひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、特に衝撃を受けやすい、ひげ玉440に固定されたグロスマン曲線が変形することを抑えることができる。これにより、テンプ400の調速の精度、言い換えれば、時計1の精度に影響を及ぼすことを抑えることができる。
また、本実施形態のテンプ400において、ひげ玉と耐衝撃部材とを合わせた重心が、略天真の中心と一致することが好ましい。この構成によれば、重心が天真の中心と一致しているので、重心がずれて片重りが生じることを抑えることができる。
また、本実施形態のテンプ400において、ひげぜんまい70がひげ玉440に固定される第1領域521と、グロスマン曲線からアルキメデス曲線に変わる第2領域522近傍では、第1領域521と第2領域522の間よりも、耐衝撃部材500とひげぜんまい70との距離を小さく設定していることが好ましい。この構成によれば、少なくとも第1領域521及び第2領域522において、耐衝撃部材500とひげぜんまい70との距離が小さく、ひげぜんまい70の変位を抑制することが可能となるので、ひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、グロスマン曲線が変形することを抑えることができる。
また、本実施形態のテンプ400において、耐衝撃部材500における第1領域521と第2領域522の間に、切り欠き形状または凹形状を備えていることが好ましい。この構成によれば、ひげぜんまい70に衝撃が加わった場合にグロスマン曲線が変形することを抑えつつ、耐衝撃部材500による片重りが生じることを抑えることができる。
また、本実施形態のテンプ400において、耐衝撃部材500の高さは、少なくともひげぜんまい70の高さ以上であることが好ましい。この構成によれば、ひげぜんまい70の高さ以上の耐衝撃部材500によってひげぜんまい70の変位を抑制するので、ひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、グロスマン曲線が変形することを抑えることができる。
また、本実施形態の時計1は、上記に記載のテンプ400を備える。この構成によれば、上記テンプ400を備えるので、時計1に衝撃が加わった場合でも、ひげぜんまい70が変形することを抑えることができる。これにより、時間の精度に影響を及ぼすことを抑えることが可能な時計1を提供することができる。
また、本実施形態のテンプ400の製造方法は、アルキメデス曲線に沿うひげぜんまい70を用意する工程と、ひげぜんまい70の内端部71をひげ玉440に固定する工程と、ひげぜんまい70の内端区間を、癖付け部材600を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、を有する。この方法によれば、ひげぜんまい70にグロスマン曲線になるように癖付けを行うので、テンプ400の調速の精度を向上させることができる。
また、本実施形態のテンプ400の製造方法において、グロスマン曲線の変位を抑制する耐衝撃部材500を天真410に取り付ける工程を有することが好ましい。この方法によれば、癖付け部材600を取り外した後、耐衝撃部材500を取り付けるので、例えば、ひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、特に衝撃を受けやすい、ひげ玉440に固定されたひげぜんまい70のグロスマン曲線が変形することを抑えることができる。これにより、テンプ400の調速の精度に影響を及ぼすことを抑えることができる。
以下、上記した実施形態の変形例を説明する。
上記したように、ひげ玉440から癖付け部材600を外した後に、耐衝撃部材500を取り付けることに限定されず、以下のようにしてもよい。
図12及び図13に示すように、変形例1のテンプ400aは、耐衝撃部材500が癖付け部材600の機能を兼ねるようにしてもよい。変形例1のテンプ400aの製造方法としては、まず、アルキメデス曲線に形成されたひげぜんまい70の内端部71を、ひげ玉440に設けられた2つの嵌合部801,802の内、一方の嵌合部801の側面に、例えばレーザー溶接などで固定する。次に、上記した癖付け部材600の機能を有する耐衝撃部材500をひげ玉440に取り付ける。このとき、嵌合部801,802によって、ひげ玉440に対する位置決めと固定を行う。耐衝撃部材500を用いてひげぜんまい70に癖付けを行って、グロスマン曲線を形成する。その後、ひげ玉440及び耐衝撃部材500を、天真410に取り付ける。
このように、変形例1のテンプ400aの製造方法は、アルキメデス曲線に沿うひげぜんまい70を用意する工程と、ひげぜんまい70の内端部71をひげ玉440に固定する工程と、耐衝撃部材500をひげ玉440に取り付ける工程と、ひげぜんまい70の内端区間を、耐衝撃部材500を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、を有する。
この方法によれば、耐衝撃部材500を用いてひげぜんまい70に癖付けを行うことができる。これにより、製造後の使用時において、落下などによりひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、癖付けを兼ねてそのままテンプの一部として機能する耐衝撃部材500を用いて、グロスマン曲線が変形することを抑えることができる。これにより、テンプ400aの調速の精度に影響を及ぼすことを抑えることができる。
変形例2のテンプ400bは、耐衝撃部材500とひげ玉440とが一体構造になっている。言い換えれば、ひげ玉440が、耐衝撃部材500の機能と、癖付け部材600の機能と、を有する。
図14及び図15に示すように、変形例2のテンプ400bの製造方法としては、まず、上記した癖付け部材600の機能を有する耐衝撃部材500と、ひげ玉440の機能と、が一体となったひげ玉440を準備する。ひげ玉は重心調整部材の機能を有する下層と耐衝撃部材500と癖付け部材600の機能を有する上層との2層で構成されている。次に、アルキメデス曲線に形成されたひげぜんまい70の内端部71を、ひげ玉440の上層の固定部442に例えばレーザー溶接で固定する。次に、ひげ玉440を用いて、ひげぜんまい70に癖付けを行って、グロスマン曲線を形成する。その後、ひげ玉440を天真に取り付ける。
このように、変形例2のテンプ400bにおいて、耐衝撃部材500は、ひげ玉440と一体構造であることが好ましい。この構成によれば、耐衝撃部材500とひげ玉440とが一体構造であるので、部品数の増加を防ぐことができる。
また、変形例2のテンプ400bの製造方法は、アルキメデス曲線に沿うひげぜんまい70を用意する工程と、ひげぜんまい70の内端部71をひげ玉440に固定する工程と、ひげぜんまい70の内端区間を、ひげ玉440を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、を有する。
この方法によれば、ひげ玉440を用いてひげぜんまい70に癖付けを行うことができる。これにより、製造後の使用時において、落下などによりひげぜんまい70に衝撃が加わった場合、癖付け部材を兼ねてそのまま耐衝撃部材として機能するひげ玉440を用いて、グロスマン曲線が変形することを抑えることができ、テンプ400bの調速の精度に影響を及ぼすことを抑えることができる。
また、上記したように、耐衝撃部材500は、天真410に固定されていることに限定されず、ひげ玉440に固定するようにしてもよい。
また、耐衝撃部材500は、金属材料で構成することに限定されず、樹脂材料で構成するようにしてもよい。これによれば、比重が小さいため、形状にばらつきが生じた場合でも、テンプ400に片重りが生じることをより抑えることができる。
また、ひげ玉440は、ひげ玉440及び耐衝撃部材500を合わせた重心を、天真410の中心位置に調整するための重心調整部材を備えていてもよい。これにより、テンプ400に片重りが生じることによる、時計1の精度が低下することを抑えることができる。
このように、変形例のテンプ400は、ひげ玉440及び耐衝撃部材500を合わせた重心を、天真410の中心位置に調整する重心調整部材を備えていてもよい。
また、変形例のテンプ400において、重心調整部材は、ひげ玉440と一体構造であってもよい。この構成によれば、重心調整部材とひげ玉とが一体構造であるので、部品数の増加を防ぐことができる。
また、上記したように、ひげ玉440に重心調整部材が設けられていることに限定されず、耐衝撃部材500に重心調整部材が設けられていてもよい。また、耐衝撃部材500が単独で、天真410の中心点と一致するように重心調整部材を設け、ひげ玉440も単独で、天真410の中心点と一致するように重心調整部材を設けるようにしてもよい。
1…時計、2…外装ケース、3…文字板、3A…カレンダー小窓、4A…時針、4B…分針、4C…秒針、5…パワーリザーブ針、6…日車、10…ムーブメント、11…支持部材としての地板、13…支持部材としてのテンプ受け、12…一番受け、21…香箱車、23…三番車、24…四番車、25…ガンギ車、26…アンクル、27…調速機、30…手巻き機構、31…巻真、32…つづみ車、33…きち車、40…丸穴車、41…第1丸穴車、42…第2丸穴車、51…第1中間車、52…第2中間車、60…角穴車、70…ひげぜんまい、71…内端部、72…第1巻回部、73…第2巻回部、74…外端部、400…テンプ、410…天真、420…天輪、440…ひげ玉、441…ひげ玉本体部、441a…分断部、442…固定部、444…天真挿入孔、445…重心調整部材、500…耐衝撃部材、521…第1領域、522…第2領域、600…癖付け部材、601…外周形状部、722…屈曲部、801,802…嵌合部。

Claims (11)

  1. 支持部材に回転自在に支持された天真と、
    前記天真に固定されたひげ玉と、
    前記ひげ玉に固定され、前記ひげ玉側に配置されたグロスマン曲線と、前記グロスマン曲線に繋がるアルキメデス曲線と、を有するひげぜんまいと、
    少なくとも前記グロスマン曲線のうち前記ひげ玉側の形状の変位を抑制する耐衝撃部材と、を備え、
    前記ひげ玉と前記耐衝撃部材とを合わせた重心が、略天真の中心と一致する、テンプ。
  2. 支持部材に回転自在に支持された天真と、
    前記天真に固定されたひげ玉と、
    前記ひげ玉に固定され、前記ひげ玉側に配置されたグロスマン曲線と、前記グロスマン曲線に繋がるアルキメデス曲線と、を有するひげぜんまいと、
    少なくとも前記グロスマン曲線のうち前記ひげ玉側の形状の変位を抑制する耐衝撃部材と、を備え、
    前記ひげ玉及び前記耐衝撃部材を合わせた重心を、前記天真の中心位置に調整する重心調整部材を備える、テンプ。
  3. 支持部材に回転自在に支持された天真と、
    前記天真に固定されたひげ玉と、
    前記ひげ玉に固定され、前記ひげ玉側に配置されたグロスマン曲線と、前記グロスマン曲線に繋がるアルキメデス曲線と、を有するひげぜんまいと、
    少なくとも前記グロスマン曲線のうち前記ひげ玉側の形状の変位を抑制する耐衝撃部材と、を備え、
    前記ひげぜんまいが前記ひげ玉に固定される第1領域と、前記グロスマン曲線から前記アルキメデス曲線に変わる第2領域近傍では、前記第1領域と前記第2領域の間よりも、前記耐衝撃部材と前記ひげぜんまいとの距離を小さく設定しているテンプ。
  4. 請求項に記載のテンプであって、
    前記耐衝撃部材における前記第1領域と前記第2領域の間に、切り欠き形状または凹形状を備えているテンプ。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のテンプであって、
    前記耐衝撃部材の高さは、少なくとも前記ひげぜんまいの高さ以上である、テンプ。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のテンプであって、
    前記耐衝撃部材は、前記ひげ玉と一体構造である、テンプ。
  7. 請求項に記載のテンプであって、
    前記重心調整部材は、前記ひげ玉と一体構造である、テンプ。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のテンプを備える、時計。
  9. 支持部材に回転自在に支持される天真と、前記天真に固定されるひげ玉と、を備えるテンプの製造方法であって、
    アルキメデス曲線に沿うひげぜんまいを用意する工程と、
    前記ひげぜんまいの内端部を前記ひげ玉に固定する工程と、
    前記ひげ玉に癖付け部材を取り付ける工程と、
    前記ひげぜんまいの内端区間を、前記癖付け部材を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、
    前記癖付け部材を前記ひげ玉から取り外す工程と、
    前記グロスマン曲線の変位を抑制する耐衝撃部材を前記天真に取り付ける工程と、
    を有する、テンプの製造方法。
  10. 支持部材に回転自在に支持される天真と、前記天真に固定されるひげ玉と、を備えるテンプの製造方法であって、
    アルキメデス曲線に沿うひげぜんまいを用意する工程と、
    前記ひげぜんまいの内端部を前記ひげ玉に固定する工程と、
    少なくともグロスマン曲線のうち前記ひげ玉側の形状の変位を抑制する耐衝撃部材を前記ひげ玉に取り付ける工程と、
    前記ひげぜんまいの内端区間を、前記耐衝撃部材を用いてグロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、を有する、テンプの製造方法。
  11. 支持部材に回転自在に支持される天真と、前記天真に固定されるひげ玉と、を備えるテンプの製造方法であって、
    前記ひげ玉は、少なくともグロスマン曲線のうち前記ひげ玉側の形状の変位を抑制する耐衝撃部材としての層を備えており、
    アルキメデス曲線に沿うひげぜんまいを用意する工程と、
    前記ひげぜんまいの内端部を前記ひげ玉に固定する工程と、
    前記ひげぜんまいの内端区間を、前記ひげ玉の前記耐衝撃部材としての層を用いて前記グロスマン曲線になるように癖付けを行う工程と、を有する、テンプの製造方法。
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