以下において、図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)第1実施形態
図1乃至図7を参照して第1実施形態について説明する。
(1.1)システム構成例
図1は、実施形態に係る移動通信システムの構成例を示す図である。実施形態に係る移動通信システムは、3GPP規格に準拠するシステムである。例えば、実施形態に係る移動通信システムは、第5世代(5G)システム又は第6世代(6G)システムであってもよい。
移動通信システムは、ネットワーク(NW)1と、ユーザ装置(UE)100とを有する。UE100は、移動可能な通信装置であって、NW1との無線通信を行う。UE100は、ユーザにより利用される装置であればよく、例えば、携帯電話端末(スマートフォンを含む)又はタブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ又はセンサに設けられる装置、車両又は車両に設けられる装置(Vehicle UE)、若しくは、飛行体又は飛行体に設けられる装置(Aerial UE)であってもよい。
NW1は、無線アクセスネットワーク(RAN)10と、コアネットワーク(CN)20とを含む。移動通信システムが第5世代システム(5GS:5th Generation System)である場合、RAN10はNG-RAN(Next Generation Radio Access Network)と称され、CN20は5GC(5G Core Network)と称される。
RAN10は、複数のノード200(図示の例では、ノード200a乃至200c)を含む。ノード200は、ノード間インターフェイスを介して相互に接続される。ノード200は、基地局とも称される。ノード200は、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とRU(Radio Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間がフロントホールインターフェイスで接続されていてもよい。移動通信システムが5GSである場合、ノード200はgNBと称され、ノード間インターフェイスはXnインターフェイスと称され、フロントホールインターフェイスはF1インターフェイスと称される。
各ノード200は、1又は複数のセルを管理する。ノード200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。各ノード200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(単に「データ」とも称する)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数(単に「周波数」とも称する)に属する。
CN20は、CN装置300を含む。CN装置300は、制御プレーン(Cプレーン)に対応するCプレーン装置と、ユーザプレーン(Uプレーン)に対応するUプレーン装置と、を含んでもよい。Cプレーン装置は、UE100に対する各種モビリティ制御及びページング等を行う。Cプレーン装置は、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信する。Uプレーン装置は、データの転送制御を行う。移動通信システムが5GSである場合、Cプレーン装置はAMF(Access and Mobility Management Function)と称され、Uプレーン装置はUPF(User Plane Function)と称され、ノード200とCN装置300との間のインターフェイスはNGインターフェイスと称される。
図2は、データを取り扱うUプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成例を示す図である。
Uプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、例えば、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとノード200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。なお、UE100のPHYレイヤは、ノード200から物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信される下りリンク制御情報(DCI)を受信する。具体的には、UE100は、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を用いてPDCCHのブラインド復号を行い、復号に成功したDCIを自UE宛てのDCIとして取得する。ノード200から送信されるDCIには、RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されている。
MACレイヤは、データの優先制御及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理等を行う。UE100のMACレイヤとノード200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。ノード200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースを決定する。
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとノード200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化等を行う。
SDAPレイヤは、CN20がQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
図3は、シグナリング(制御信号)を取り扱うCプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成例を示す図である。
Cプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、例えば、図2に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
UE100のRRCレイヤとノード200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとノード200のRRCとの間にコネクション(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態である。UE100のRRCとノード200のRRCとの間にコネクション(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドル状態である。UE100のRRCとノード200のRRCとの間のコネクションがサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤ(単に「NAS」とも称する)は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとCN装置300のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。また、NASレイヤよりも下位のレイヤをASレイヤと称する(単に「AS」とも称する)。
3GPPでは、複数の送受信点(Multi-Transmission and Reception Point:Multi-TRP)伝送環境として、理想BH(Ideal Backhaul)と非理想BH(Non-ideal Backhaul)を想定している。理想BHでは、複数のTRP間で協調が可能である。そのため、理想BHでは、ポストコーディングを行うノード側で複数のTRPそれぞれを介して送信された複数の物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)の空間分離が可能である。一方、非理想BHでは、複数のTRP間で協調が行われないため、複数のTRP間で協調したポストコーディングができない。そのため、非理想BHでは、プリコーディングにおいてストリーム間干渉の抑制が必要となる。以下ではまず、理想BH環境、及び非理想BHそれぞれにおけるCodebook型によるPUSCHの送信の一般的なプロシージャについて説明する。
図4及び図5は、理想BH環境におけるCodebook型によるPUSCHの送信の一般的なプロシージャを示す図である。図示するプロシージャにおいて、UE100とDU260aとは、第1TRP270aまたは第2TRP270bを介して通信を行う。第1TRP270aと第2TRP270bとは協調が可能である。なお、DU260a、及び第1TRP270aはそれぞれ、例えば、図1に示したノード200aを構成するDU、及びRUである。DU260b、及び第2TRP270bはそれぞれ、例えば、図1に示したノード200bを構成するDU、及びRUである。図面において、第1TRP270aをTRP#1とも記載し、第2TRP270bをTRP#2とも記載する。
ステップS110において、DU260aは、PUSCHの設定情報を第1TRP270aまたは第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCHの設定情報を受信する。PUSCHの設定情報には、PUSCH#1の設定情報(PUSCH-Config#1)と、PUSCH#2の設定情報(PUSCH-Config#2)とが含まれる。PUSCH#1は、第1TRP270aを介して送信されるPUSCHである。PUSCH#2は、第2TRP270bを介して送信されるPUSCHである。
ステップS120において、DU260aは、SRS(サウンディング参照信号)のリソース設定を第1TRP270aまたは第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、SRSのリソース設定を受信する。SRSのリソース設定には、SRS#1のリソース設定と、SRS#2のリソース設定とが含まれる。SRS#1は、第1TRP270aを介して送信されるSRSである。SRS#2は、第2TRP270bを介して送信されるSRSである。
ステップS130において、UE100は、アンテナポートが2つに分割されたパネルのうち1つを用いてSRS#1を第1TRP270aへ伝送する。つまり、UE100は、マルチパネル伝送によってSRS#1を伝送する。
ステップS140において、第1TRP270aは、UE100から受信したSRS#1をDU260aに送信する。DU260aは、SRS#1を受信する。
ステップS150において、UE100は、アンテナポートが2つに分割されたパネルのうち1つを用いてSRS#2を第2TRP270bへ伝送する。つまり、UE100は、マルチパネル伝送によってSRS#2を伝送する。
ステップS160において、第2TRP270bは、UE100から受信したSRS#2をDU260aに送信する。DU260aは、SRS#2を受信する。
なお、ステップS130及びステップS140の処理と、ステップS150及びステップS160の処理とは、並行して実行される。
また、これらのSRSの送信には、ステップS120で受信したリソース設定により設定されたSRSリソースが用いられる。また、各SRSのSRSリソースに対して1つのSRSのアンテナポートが設定される。
ステップS170において、DU260aは、第1TRP270aと第2TRP270bとの間で協調したPUSCHのスケジューリングを行う。
ステップS180において、DU260aは、PUSCHのリソース設定を第1TRP270aまたは第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCHのリソース設定を受信する。PUSCHのリソース設定には、PUSCH#1のリソース設定と、PUSCH#2のリソース設定とが含まれる。
ステップS190において、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対応するプリコーディング行列(プリコーディング行列#1と記載する)を計算する。また、DU260aは、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対応するプリコーディング行列(プリコーディング行列#2と記載する)を計算する。
ここでDU260aは、第1TRP270aで受信したSRS#1に基づいて、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対してMIMO(multiple-input and multiple-output)チャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。DU260aは、第2TRP270bで受信したSRS#2に基づいて、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対してMIMOチャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。理想BH環境では、プリコーディング、及びポストコーディングのためのチャネル情報は、第1TRP270aと第2TRP270bとの間で共有される。
ステップS1100において、DU260aは、第1TRP270a向けのSRI(SRS Resource Indicator)、RI(Rank Indicator)、及びTPMI(Transmitted Matrix Precoding Indicator)を決定する。第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIは、PUSCH#1の送信に用いるプリコーダに対応する。また、DU260aは、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIは、PUSCH#2の送信に用いるプリコーダに対応する。ここで第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIと、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIとは互いに独立に決定される。
第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIの決定と、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIとの決定には、個別のコードブックが用いられる。当該コードブックは、マルチパネル伝送に応じてUE100の2つに分割されたアンテナポート数に対応するサイズである。したがって、プリコーディング行列#1、及びプリコーディング行列#2それぞれの列は、UE100のアンテナポート数の半分のサイズである。
ステップS1110において、DU260aは、第1TRP270aのPDCCHに、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIと、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIとを多重してUE100へ伝送する。ここでTRPのPDCCHとは、当該TRPを介してUE100へ伝送されるPDCCHである。したがって、DU260aは、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIと、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIとを多重した1つのPDCCHを、第1TRP270aを介してUE100に送信する。UE100は、当該PDCCHを受信する。なお、図面において、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIを、「(SRI,RI,TPMI)#1」とも記載し、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIを、「(SRI,RI,TPMI)#2」とも記載する。
上述のように、第1TRP270aのPDCCHに、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIと、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIとが多重される。SRI、RI、及びTPMIは、プリコーディングインデックスを示す情報の一例である。つまり、第1TRP270a向けのプリコーディングインデックスを示す情報と、第2TRP270b向けのプリコーディングインデックスを示す情報とが1つのPDCCHに多重される。
なお、DU260aは、第2TRP270bのPDCCHに、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIと、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIとを多重してUE100へ伝送してもよい。
図6に、第1TRP270a向けのプリコーディングインデックスを示す情報((SRI,RI,TPMI)#1)と、第2TRP270b向けのプリコーディングインデックスを示す情報((SRI,RI,TPMI)#2)とが1つのPDCCHに多重される様子の一例を示す。同図では、当該PDCCH上で送信されるDCIに、これらのプリコーディングインデックスを示す情報が多重されている。
ステップS1120において、UE100は、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIに基づいてPUSCH#1のプリコーディングを実施する。
ステップS1130において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#1を第1TRP270aを介してDU260aに送信する。ここでUE100は、アンテナポートが2つに分割されたパネルのうち1つを用いて当該PUSCH#1を第1TRP270aを介してDU260aに送信する。DU260aは、当該PUSCH#1を受信する。
ステップS1140において、UE100は、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIに基づいてPUSCH#2のプリコーディングを実施する。
ステップS1150において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#2を第2TRP270bを介してDU260aに送信する。ここでUE100は、アンテナポートが2つに分割されたパネルのうち1つを用いて当該PUSCH#2を第2TRP270bを介してDU260aに送信する。DU260aは、当該PUSCH#2を受信する。
ここでステップS1120におけるPUSCH#1のプリコーディングと、ステップS1140におけるPUSCH#2のプリコーディングとは互いに独立に実施される。なお、ステップS1120及びステップS1130の処理と、ステップS1140及びステップS1150の処理とは、順序を逆にして実施されてもよいし、並行して実施されてもよい。
ステップS1160において、DU260aは、PUSCH#1のポストコーディングを実施する。
ステップS1170において、DU260aは、PUSCH#2のポストコーディングを実施する。
ここでステップS1160におけるPUSCH#1のポストコーディングと、ステップS1170におけるPUSCH#2のポストコーディングとは互いに独立に実施される。なお、ステップS1160の処理と、ステップS1170の処理とは、順序を逆にして実施されてもよいし、並行して実施されてもよい。
図7及び図8は、非理想BH環境におけるCodebook型によるPUSCHの送信の一般的なプロシージャを示す図である。図示するプロシージャにおいて、UE100とDU260aとは、第1TRP270aを介して通信を行う。UE100とDU260bとは、第2TRP270bを介して通信を行う。第1TRP270aと第2TRP270bとは協調を行わない。
なお、ステップS250及びステップS270、並びにステップS2150及びステップS2170の各処理は、図4におけるステップS130及びステップS150、並びにステップS1120及びステップS1140の各処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS210において、DU260aは、PUSCH#1の設定情報を、第1TRP270aを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCH#1の設定情報を受信する。
ステップS220において、DU260bは、PUSCH#2の設定情報を、第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCH#2の設定情報を受信する。
ステップS230において、DU260aは、SRS#1のリソース設定を、第1TRP270aを介してUE100に送信する。UE100は、SRS#1のリソース設定を受信する。
ステップS240において、DU260bは、SRS#2のリソース設定を、第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、SRS#2のリソース設定を受信する。
ステップS260において、第1TRP270aは、UE100から受信したSRS#1をDU260aに送信する。DU260aは、SRS#1を受信する。
ステップS280において、第2TRP270bは、UE100から受信したSRS#2をDU260bに送信する。DU260bは、SRS#2を受信する。
ステップS290において、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対応するプリコーディング行列(プリコーディング行列#1と記載する)を計算する。ここでDU260aは、第1TRP270aで受信したSRS#1に基づいて、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対してMIMOチャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。
ステップS2100において、DU260bは、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対応するプリコーディング行列(プリコーディング行列#2と記載する)を計算する。ここでDU260bは、第2TRP270bで受信したSRS#2に基づいて、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対してMIMOチャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。
ステップS2110において、DU260aは、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここで第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックは、マルチパネル伝送に応じてUE100の2つに分割されたアンテナポート数に対応するサイズである。したがって、プリコーディング行列#1の列は、UE100のアンテナポート数の半分のサイズである。
ステップS2120において、DU260bは、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここで第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックの種類は、ステップS2110において用いられるコードブックと同じである。
なお、ステップS290及びステップS2110の処理と、ステップS2100及びステップS2120の処理とは、並行して実行される。
ステップS2130において、DU260aは、第1TRP270aのPDCCH#1に、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIを多重してUE100へ伝送する。DU260aは、当該PDCCH#1を、第1TRP270aを介してUE100に送信する。UE100は、当該PDCCH#1を受信する。
ステップS2140において、DU260bは、第2TRP270bのPDCCH#2に、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIを多重してUE100へ伝送する。DU260bは、当該PDCCH#2を、第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、当該PDCCH#2を受信する。
図9に、第1TRP270a向けのプリコーディングインデックスを示す情報がPDCCH#1に多重され、第2TRP270b向けのプリコーディングインデックスを示す情報がPDCCH#2に多重される様子の一例を示す。同図では、当該PDCCH#1上で送信されるDCIに、第1TRP270a向けのプリコーディングインデックスを示す情報が多重され、当該PDCCH#2上で送信されるDCIに、第2TRP270b向けのプリコーディングインデックスを示す情報が多重されている。
ステップS2160において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#1を第1TRP270aを介してDU260aに送信する。ここでUE100は、アンテナポートが2つに分割されたパネルのうち1つを用いて当該PUSCH#1を第1TRP270aを介してDU260aに送信する。DU260aは、当該PUSCH#1を受信する。
ステップS2180において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#2を第2TRP270bを介してDU260bに送信する。ここでUE100は、アンテナポートが2つに分割されたパネルのうち1つを用いて当該PUSCH#2を第2TRP270bを介してDU260bに送信する。DU260bは、当該PUSCH#2を受信する。
ステップS2190において、DU260aは、PUSCH#1のポストコーディングを実施する。
ステップS2200において、DU260bは、PUSCH#2のポストコーディングを実施する。
上述したような理想BH環境におけるプロシージャ、及び非理想BH環境におけるそれぞれのプロシージャによれば、アンテナポートを2つのパネルに分割して、2つの異なるPUSCHを各パネルに紐づけて送信している。アンテナポートを分割して用いる送信では、全アンテナポートを用いる送信に対して3dBだけゲインが低下するため、通信エリアを確保する上で不利になる。また、このようなプロシージャによれば、Multi-TRPを用いたPUSCHのSDM伝送モードにおいて、パネル間干渉(複数のTRPへのストリーム間干渉)を考慮したプリコーディングになっていない。そのため、空間多重伝送を行ってもパネル間干渉が大きく、Signal-to-Interference-plus-Noise Ratio(SINR)が確保できないと考えられる。
以下に説明する各実施形態では、Multi-TRPによる上りリンクのPUSCHのSDM伝送モードにおけるシングルパネルによるMIMO伝送方法であって、複数のTRPへのストリーム間干渉を考慮したプリコーディングを用いるMIMO伝送方法について説明する。
(1.2)ユーザ装置の構成例
図10は、実施形態に係るUE100(ユーザ装置)の構成例を示す図である。
UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を有する。受信部110及び送信部120は、ノード200との無線通信を行う無線通信部140を構成する。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御及び処理を行う。上述及び後述のUE100の動作は、制御部130の制御による動作であってもよい。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
このように構成されたUE100は、互いに協調制御が可能な複数の送受信ポイント(本実施形態において、第1TRP270a、第2TRP270b)と接続するユーザ装置である。受信部110は、送受信ポイントが複数であることを示す情報を含むRRCメッセージを複数の送受信ポイントの少なくとも1つから受信する。送信部120は、複数の送受信ポイントそれぞれへ参照信号をシングルパネルで送信する。受信部110は、複数の送受信ポイントのうち第1送受信ポイント、及び第2送受信ポイントのいずれか一方からUE100と第1送受信ポイント間のチャネルおよびUE100と第2送受信ポイント間のチャネルの双方に対応した1つのプリコーディング行列に対応するプリコーディングインデックスを示す情報が多重されたPDCCHを受信する。制御部130は、受信したPDCCHに多重されたプリコーディングインデックスを示す情報に基づいてPUSCHの送信に用いるプリコーダを算出する。送信部120は、当該プリコーダを適用したPUSCHを送信する。
これにより、UE100では、全アンテナポートを用いた複数のPUSCHの空間多重伝送を行うことができるため、アンテナポートを分割することによるゲインの低下が発生しない。また、UE100では、複数のPUSCH間の干渉抑制を図るプリコーディング構成により、空間多重伝送に伴うパネル間干渉によるSINRの低下を抑制できる。
(1.3)ノードの構成例
図11は、実施形態に係るノード200(基地局、gNB)の構成例を示す図である。
ノード200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びNW通信部240を有する。送信部210及び受信部220は、UE100との無線通信を行う無線通信部250を構成する。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、ノード200における各種の制御及び処理を行う。上述及び後述のノード200の動作は、制御部230の制御による動作であってもよい。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUとを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
NW通信部240は、ノード間インターフェイスを介して隣接ノードと接続される。NW通信部240は、ノード-CN間のインターフェイスを介してCN装置300と接続される。
このように構成されたノード200は、互いに協調制御が可能な複数の送受信ポイント(本実施形態において、第1TRP270a、第2TRP270b)と接続するノードである。送信部210は、送受信ポイントが複数であることを示す情報を含むRRCメッセージをUE100に送信する。受信部220は、当該RRCメッセージを受信したUE100から複数の送受信ポイントのそれぞれを介して複数の参照信号を受信する。送信部210は、複数の送受信ポイントのうち第1送受信ポイント、及び第2送受信ポイントのいずれか一方からUE100へ送信するPDCCHに、UE100と第1送受信ポイント間のチャネルおよびUE100と第2送受信ポイント間のチャネルの双方に対応した1つのプリコーディング行列に対応するプリコーディングインデックスを示す情報を多重してUE100へ伝送する。
これにより、ノード200では、UE100に全アンテナポートを用いた複数のPUSCHの空間多重伝送を行わせることができるため、アンテナポートを分割することによるゲインの低下が発生しない。また、ノード200では、複数のPUSCH間の干渉抑制を図るプリコーディング構成により、空間多重伝送に伴うパネル間干渉によるSINRの低下を抑制できる。
(1.4)システム動作例
図12及び図13は、第1実施形態に係るシステム動作例を示す図である。第1実施形態に係るシステム動作とは、理想BH環境におけるCodebook型によるPUSCHの送信方法である。なお、図4及び図5と同様な動作については重複する説明を省略する。
ステップS310において、DU260aは、PUSCHの設定情報を第1TRP270aまたは第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCHの設定情報を受信する。PUSCHの設定情報には、PUSCH#1の設定情報(PUSCH-Config#1)と、PUSCH#2の設定情報(PUSCH-Config#2)と、SDM伝送モードのパラメータと、TRPが複数であることを示す情報とが含まれる。なお、SDM伝送モードのパラメータは、例えば、「SinglepanelSchemeSDM」などと称されてもよい。
SDM伝送モードのパラメータは、上りリンクの複数のTRPを用いた空間多重伝送をシングルパネルでUE100に行わせる情報である。また、上述したようにPUSCHの設定情報には、TRPが複数であることを示す情報が含まれる。したがって、DU260aは、TRPが複数であることを示す情報を含むRRCメッセージをUE100に送信する。複数のTRPとは、第1TRP270a、及び第2TRP270bである。
ステップS320において、DU260aは、SRSのリソース設定を第1TRP270aまたは第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、SRSのリソース設定を受信する。SRSのリソース設定には、SRS#1のリソース設定と、SRS#2のリソース設定とが含まれる。
ステップS330において、UE100は、全アンテナポートを用いてSRS#1を第1TRP270aへ、SRS#2を第2TRP270bへ伝送する。つまり、UE100は、シングルパネル伝送によってSRS#1、及びSRS#2を伝送する。なお、UE100による全アンテナポートを用いたSRS#1、及びSRS#2の伝送において、SRS#1の伝送とSRS#2の伝送とは同時であっても同時でなくてもよい。
ステップS340において、第1TRP270aは、UE100から受信したSRS#1をDU260aに送信する。DU260aは、SRS#1を受信する。
ステップS350において、第2TRP270bは、UE100から受信したSRS#2をDU260aに送信する。DU260aは、SRS#2を受信する。
ステップS360において、DU260aは、第1TRP270aと第2TRP270bとの間で協調したPUSCHのスケジューリングを行う。
ステップS370において、DU260aは、PUSCHのリソース設定を第1TRP270aまたは第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCHのリソース設定を受信する。PUSCHのリソース設定には、PUSCH#1のリソース設定と、PUSCH#2のリソース設定とが含まれる。
ステップS380において、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネル、及びUE100と第2TRP270b間のチャネルの双方に対応した1つのプリコーディング行列を計算する。以下の説明において、UE100と第1TRP270a間のチャネル、及びUE100と第2TRP270b間のチャネルの双方に対応した1つのプリコーディング行列を、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したプリコーディング行列とも記載する。
ここでDU260aは、第1TRP270aで受信したSRS#1と、第2TRP270bで受信したSRS#2に基づいて、UE100と第1TRP270a間のチャネルとUE100と第2TRP270b間のチャネルの双方に対応するようにMIMO(multiple-input and multiple-output)チャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。理想BH環境では、プリコーディング、及びポストコーディングのためのチャネル情報は、第1TRP270aと第2TRP270bとの間で共有される。DU260aは、特異値分解(Singular Value Decomposition:SVD)に基づいてプリコーディングウェイトを計算する。
ステップS390において、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネル、及びUE100と第2TRP270b間のチャネルの双方に対応した1つのプリコーディング行列に対応するSRI、RI、及びTPMIを決定する。以下の説明において、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したプリコーディング行列に対応するSRI、RI、及びTPMIを、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIとも記載する。
DU260aは、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIの決定において、一例として、Downlink Type I(Codebook1)のコードブックをMulti-TRP伝送に適用する。なお、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックは、SVD伝送が可能であれば、Downlink Type I以外のコードブックであってもよい。
また、DU260aは、PUSCH#1及びPUSCH#2の両方の優先度を考慮したスケジューリングに基づいて、統合したSRIを決定する。統合したSRIの決定方法の詳細は後述する。
ステップS3100において、DU260aは、第1TRP270aのPDCCHに、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIを多重してUE100へ伝送する。UE100は、当該PDCCHを受信する。なお、DU260aは、第2TRP270bのPDCCHに、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIを多重してUE100へ伝送してもよい。
1つのPDCCHに第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIを多重する方法の詳細は後述する。
ステップS3110において、UE100は、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIに基づいてPUSCH#1、及びPUSCH#2のプリコーディングを実施する。
ステップS3120において、UE100は、PUSCH#1とPUSCH#2とが合成された信号を、第1TRP270aを介してDU260aに送信する。ここで上述のように当該PUSCH#1、及び当該PUSCH#2には、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIに基づいてプリコーディングが実施されている。DU260aは、当該信号を受信する。
ステップS3130において、UE100は、PUSCH#1とPUSCH#2とが合成された信号を、第2TRP270bを介してDU260aに送信する。ここで上述のように当該PUSCH#1、及び当該PUSCH#2には、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIに基づいてプリコーディングが実施されている。DU260aは、当該信号を受信する。
ステップS3140において、DU260aは、PUSCH#1とPUSCH#2とで統合した1つの行列を用いてPUSCH#1及びPUSCH#2のポストコーディングを実施する。当該ポストコーディングによってPUSCH#1とPUSCH#2とが分離される。PUSCH#1とPUSCH#2とで統合した1つの行列とは、第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したプリコーディング行列である。なお、上述したように、ポストコーディングのためのチャネル情報は、第1TRP270aと第2TRP270bとの間で共有される。
なお上述のように、第1TRP270a、及び第2TRP270bにはそれぞれ、PUSCH#1とPUSCH#2とが合成された信号が送信され、PUSCH#1とPUSCH#2とはDU260aでのポストコーディングによって分離される。図13では簡単のため、第1TRP270aに送信される信号としてPUSCH#1が示され、第2TRP270bに送信される信号としてPUSCH#2が示されている。
ここで図14から図16を参照し、統合したSRIの決定方法の詳細について説明する。ステップS380において説明したように、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネルとUE100と第2TRP270b間のチャネルの双方に対応するようにMIMOチャネル推定を行う。当該MIMOチャネル推定を用いたMIMO伝送により、第1TRP270aと第2TRP270bとで横断したPUSCHのスケジューリングが可能である。
図14は、SVDにより形成された固有チャネルの一例を示す図である。例えば、SVDによりMIMO伝送を行う場合、各レイヤのゲインは一般には不均一である。同図の一例では、4レイヤを用いたMIMO伝送が行われる。各レイヤのゲインが「レイヤ1」、「レイヤ2」、「レイヤ3」、「レイヤ4」の順に大きいとする。例えば、PUSCH#1とPUSCH#2との2つPUSCHを2レイヤずつ用いて伝送するとする。この場合、優先度により、例えば以下の様なスケジューリングが考えられる。
図15は、PUSCH#1の優先度をPUSCH#2の優先度よりも高くして伝送する場合のスケジューリングの一例を示す図である。PUSCH#1のレイヤには、ゲインの大きい「レイヤ1」、及び「レイヤ2」が割り当てられている。PUSCH#2のレイヤには、ゲインの小さい「レイヤ3」、及び「レイヤ4」が割り当てられている。
図16は、PUSCH#1の優先度とPUSCH#2の優先度とを極力同じにして伝送する場合のスケジューリングの一例を示す図である。「レイヤ1」、「レイヤ2」、「レイヤ3」、「レイヤ4」がゲインの大きい順に、PUSCH#1のレイヤと、PUSCH#2のレイヤとに交互に割り当てられている。
ここで図17から図19を参照し、1つのPDCCHに第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIを多重する方法の詳細について説明する。図17から図19はそれじれ、シングルパネル伝送の場合に1つのPDCCHに第1TRP270aと第2TRP270bとで統合したSRI、RI、及びTPMIを多重する方法の一例を示す図である。
図17に示す一例では、PDCCH上で送信されるDCIにおいて、統合したSRI、RI、及びTPMIは、従来のマルチパネル伝送の場合の多重方法(図6を参照)に比べて半分の大きさの領域に多重されている。
図18に示す一例では、統合したSRI、RI、及びTPMIが多重される領域の大きさは、従来のマルチパネル伝送の場合の多重方法(図6を参照)の場合と同程度である。ただし同図に示す一例では、コードブックの解像度を従来のマルチパネル伝送の場合のコードブックの2倍に向上させている。コードブックの解像度とは、プリコーディング行列の各成分のビット数である。したがって、同図に示す一例では、Downlink Type Iのコードブックに比べて高精度なコードブックが規定されている。
図19に示す一例では、統合したSRI、RI、及びTPMIが多重される領域の大きさは、従来のマルチパネル伝送の場合の多重方法(図6を参照)の場合と同程度である。ただし同図に示す一例では、従来のマルチパネル伝送の場合の多重方法の場合に比べて半分の大きさの領域に同じデータが多重され、データの冗長化が行われている。これによって、統合したSRI、RI、及びTPMIの伝送の信頼度を向上させることができる。
なお、図17から図19に示したシングルパネル伝送の場合の統合したSRI、RI、及びTPMIの多重方法のうち用途に応じて選択された多重方法が用いられてもよい。その場合、多重方法を指定するパラメータが設けられる。
なお、本実施形態においては、理想BH環境におけるCodebook型によるPUSCHの送信方法において、1つのDU(一例として、DU260a)によって複数のTRP(第1TRP270a、及び第2TRP270b)が制御されて複数のTRP間の協調が行われる場合の一例について説明したが、これに限られない。複数のDUそれぞれによって複数のTRPが制御されて複数のTRP間の協調が行われてもよい。例えば、第1TRP270aがDU260aによって制御され、第2TRP270bがDU260bによって制御されて、第1TRP270aと第2TRP270bとの間の協調が行われてもよい。
(2)第2実施形態
図20乃至図21を参照して、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。本実施形態では、非理想BH環境におけるコードブック型によるMIMO制御について説明する。
非理想BH環境では、複数のTRP間で協調したポストコーディングができないため、プリコーディングにおいてストリーム間干渉の抑制が必要となる。本実施形態では、UEからの2つのTRPへのPUSCH送信についてマルチユーザMIMO(MU-MIMO)と同様にしてプリコーディングを行う。本実施形態では、下りリンクのコードブック型のMU-MIMO伝送で用いられるDownlink Type IIのコードブックをMulti-TRPの上りリンクの伝送に用いる場合について説明する。
本実施形態では、UE100は、互いに協調制御を行わない環境にある複数の送受信ポイント(本実施形態において、第1TRP270a、第2TRP270b)それぞれと接続するユーザ装置である。受信部110は、送受信ポイントが複数であることを示す情報を含むRRCメッセージを複数の送受信ポイントの少なくとも1つから受信する。送信部120は、複数の送受信ポイントそれぞれへ参照信号をシングルパネルで送信する。受信部110は、参照信号のうち複数の送受信ポイントのうち第1の送受信ポイントに送信した第1の参照信号とコードブックとを用いて計算された第1のプリコーディング行列に対応するプリコーディングインデックスを示す情報が多重された第1のPDCCHを第1の送受信ポイントから受信する。受信部110は、参照信号のうち複数の送受信ポイントのうち第2の送受信ポイントに送信した第2の参照信号とコードブックとを用いて計算された第2のプリコーディング行列に対応するプリコーディングインデックスを示す情報が多重された第2のPDCCHを第2の送受信ポイントから受信する。送信部120は、第1のPDCCHで指定された第1のプリコーディング行列と第2のPDCCHで指定された第2のプリコーディング行列とを結合したプリコーディング行列を用いて第1のPUSCH、及び第2のPUSCHを第1の送受信ポイント、及び第2の送受信ポイントそれぞれにを送信する。
これにより、UE100では、複数のTRP間が互いに協調制御を行わない場合であっても、複数のTRPそれぞれとUE間のチャネル情報が考慮され計算されたプリコーディングウェイトを複数のPUSCHに用いることによって、空間多重伝送に伴うパネル間干渉によるSINRの低下を抑制できる。
本実施形態では、ノード200は、互いに協調制御を行わない環境にある複数の送受信ポイント(本実施形態において、第1TRP270a、第2TRP270b)のうちの1つの送受信ポイントと接続するノードである。送信部210は、送受信ポイントが複数であることを示す情報を含むRRCメッセージをUE100に送信する。受信部220は、RRCメッセージを受信したUE100から複数の送受信ポイントのうち第1の送受信ポイントを介して参照信号を受信する。送信部210は、第1の送受信ポイントからUE100へ送信する第1のPDCCHに、当該参照信号とコードブックとを用いて計算した第1のプリコーディング行列に対応するプリコーディングインデックスを示す情報を多重してUE100へ第1の送受信ポイントを介して伝送する。受信部220は、第1のPDCCHで指定された第1のプリコーディング行列と、複数の送受信ポイントのうち第2の送受信ポイントからUE100へ送信される第2のPDCCHで指定された第2のプリコーディング行列とを結合したプリコーディング行列を用いて送信されたPUSCHをUE100から受信する。
これにより、ノード200では、複数のTRP間が互いに協調制御を行わない場合であっても、複数のTRPそれぞれとUE間のチャネル情報が考慮され計算されたプリコーディングウェイトを複数のPUSCHに用いることによって、空間多重伝送に伴うパネル間干渉によるSINRの低下を抑制できる。
(2.1)システム動作例
図20及び図21を参照して、第2実施形態に係るシステム動作例について、第1実施形態との相違点を主として説明する。図20及び図21は、第2実施形態に係るシステム動作例を示す図である。なお、ステップS450の処理は、図12におけるステップS330の処理と同様であるため、説明を省略する。また、ステップS4120、ステップS4130、ステップS4150、ステップS4170からステップS4190の処理は、図8におけるステップS2130、ステップS2140、ステップS2160、ステップS2180からステップS2200の処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、プリコーディング、及びポストコーディングに用いられるコードブックは、以下に説明するCodebook5のコードブックが用いられる点が異なる。
ステップS410において、DU260aは、PUSCH#1の設定情報(PUSCH-Config#1)を、第1TRP270aを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCH#1の設定情報を受信する。PUSCH#1の設定情報には、SDM伝送モードのパラメータと、TRPが複数であることを示す情報とが含まれる。
ステップS420において、DU260bは、PUSCH#2の設定情報(PUSCH-Config#2)を、第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCH#2の設定情報を受信する。PUSCH#2の設定情報には、SDM伝送モードのパラメータと、TRPが複数であることを示す情報とが含まれる。
ステップS430において、DU260aは、SRS#1のリソース設定を、第1TRP270aを介してUE100に送信する。UE100は、SRS#1のリソース設定を受信する。
ステップS440において、DU260bは、SRS#2のリソース設定を、第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、SRS#2のリソース設定を受信する。
ステップS460において、第1TRP270aは、UE100から受信したSRS#1をDU260aに送信する。DU260aは、SRS#1を受信する。
ステップS470において、第2TRP270bは、UE100から受信したSRS#2をDU260bに送信する。DU260bは、SRS#2を受信する。
ステップS480において、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対応するプリコーディング行列#1を計算する。ここでDU260aは、第1TRP270aで受信したSRS#1に基づいて、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対してMIMOチャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。DU260aは、SVDに基づいてプリコーディングウェイトを計算する。
ステップS490において、DU260bは、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対応するプリコーディング行列#2を計算する。ここでDU260bは、第2TRP270bで受信したSRS#2に基づいて、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対してMIMOチャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。DU260bは、SVDに基づいてプリコーディングウェイトを計算する。
ここで非理想BH環境では、第1TRP270aと第2TRP270bとの間でチャネル情報は共有されないため、チャネル推定は、UE100と第1TRP270a間のチャネル、及びUE100と第2TRP270b間のチャネルそれぞれについて独立に行われる。
ステップS4100において、DU260aは、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここでDU260aは、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIの決定において、一例として、Codebook5のコードブックをMulti-TRP伝送に適用する。
Codebook5のコードブックは、シングルパネルのMIMO伝送において、UE100のアンテナポート数に応じたコードブックである。Codebook5のコードブックは、UEと複数のTRP間それぞれ複数の伝送路(マルチパス)に対応している。Codebook5のコードブックは、下りリンクのCodebook型のMU-MIMO伝送において用いられるコードブック(Downlink Type II)を、シングルパネルを用いた複数のTRPのMIMO伝送に適用した高精度なコードブックである。なお、Codebook5のコードブックが高精度であるとは、プリコーディング行列の各成分の分解能が送受信ポイントが1つである場合に用いられるコードブックに比べて高いことである。
Codebook5のコードブックでは、アンテナポートの水平方向、及び垂直方向のアンテナ素子数をそれぞれN1、及びN2とすると、(N1,N2)=(4,1)または(2,2)であるようなアンテナポートの配置を想定したプリコーダが用いられる。なお、Codebook5(Type II)は単純なDFT(Discrete Fourier Transform)ベクトルでは無く振幅も制御するものである。Codebook5(Type II)については、例えば、非特許文献2が明るい。
Codebook5のコードブックは、送受信ポイントが1つである場合に用いられるコードブックに比べて精度が高い。そのため、Codebook5のコードブックを用いることによって、送受信ポイントが1つである場合に用いられるコードブックに比べてパネル間干渉を抑制できる。
なお、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックは、SVD伝送が可能であれば、Codebook5以外のコードブックであってもよい。
ステップS4110において、DU260bは、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここで第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックの種類は、ステップS4100において用いられるコードブック(一例として、Codebook5)と同じである。
なお、ステップS4120、及びステップS4130において、第1TRP270a向けのプリコーディングインデックスを示す情報と、第2TRP270b向けのプリコーディングインデックスを示す情報とが1つのPDCCHに多重される様子は、図6に示した多重の様子と同様である。
ステップS4140において、UE100は、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIに基づいてPUSCH#1のプリコーディングを実施する。
ステップS4150において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#1を、第1TRP270aを介してDU260aに送信する。
ステップS4160において、UE100は、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIに基づいてPUSCH#2のプリコーディングを実施する。
ステップS4170において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#2を、第2TRP270bを介してDU260bに送信する。
ここでUE100は、PDCCH#1で指定された第1のプリコーディング行列とPDCCH#2で指定された第2のプリコーディング行列とを結合したプリコーディング行列を用いてPUSCH#1、及びPUSCH#2のプリコーディングを実施する。UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#1、及びPUSCH#2について、全アンテナポートを用いて、PUSCH#1を第1TRP270aへ伝送し、PUSCH#2を第2TRP270bへ伝送する。UE100は、第1TRP270a向けのPUSCH#1と第2TRP270b向けのPUSCH#2が多重された信号をシングルパネルで送信する。
したがって、UE100は、PDCCH#1で指定された第1のプリコーディング行列とPDCCH#2で指定された第2のプリコーディング行列とを結合したプリコーディング行列を用いてPUSCH#1、及びPUSCH#2を送信する。
なお、シングルパネルのプリコーディング行列の列のサイズは、マルチパネル伝送において用いられるプリコーディング行列(上述したプリコーディング行列#1、及びプリコーディング行列#2)の列のサイズの2倍のサイズである。
なお、ノード200は、送受信ポイントが1つである場合と送受信ポイントが複数である場合とでコードブックを切り換えてもよい。
(2)第2実施形態の変形例
図22乃至図26を参照して、第2実施形態の変形例について、第2実施形態との相違点を主として説明する。
本変形例では、ノード(本実施形態において、一例としてDU260a)は、UE100から1つの送受信ポイントを介して参照信号を受信すると、複数の送受信ポイントのうちの他の送受信ポイントと接続する他のノード(本実施形態において、一例としてDU260b)に対して当該他の送受信ポイントがUE100から参照信号を受信した際のチャネル情報を要求し、当該他のノードからチャネル情報を受信する。
これにより、ノード200では、複数のTRP間が互いに協調制御を行わない場合であっても、複数のTRPそれぞれとUE間のチャネル情報を考慮してプリコーディングウェイトを計算できる。
(2.2)システム動作例
図22及び図23を参照して、第2実施形態の変形例に係るシステム動作例について、第2実施形態との相違点を主として説明する。図22及び図23は、第2実施形態の変形例に係るシステム動作例を示す図である。なお、ステップS510からステップS570の処理、並びにステップS5160からステップS5230の処理は、図20におけるステップS410からステップS470の処理、並びに図21におけるステップS4120からステップS4190の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS580において、DU260aは、DU260bにチャネル情報を要求する。当該チャネル情報は、ステップS570において第2TRP270bがUE100からSRS#2を受信した際のチャネル情報である。
ステップS590において、DU260bは、DU260aにチャネル情報を返送する。DU260aは、DU260bからチャネル情報を受信する。
ステップS5100において、DU260bは、DU260aにチャネル情報を要求する。当該チャネル情報は、ステップS560において第1TRP270aがUE100からSRS#1を受信した際のチャネル情報である。
ステップS5110において、DU260aは、DU260bにチャネル情報を返送する。DU260bは、DU260aからチャネル情報を受信する。
なお、チャネル情報の交換の処理の詳細は後述する。
ステップS5120において、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対応するプリコーディング行列#1を計算する。ここでDU260aは、第1TRP270aで受信したSRS#1と、DU260bから取得したチャネル情報とに基づいてプリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。当該チャネル情報は、上述したように、第2TRP270bがUE100からSRS#2を受信した際のチャネル情報である。
ステップS5130において、DU260bは、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対応するプリコーディング行列#2を計算する。ここでDU260bは、DU260bで受信したSRS#2と、DU260aから取得したチャネル情報とに基づいてプリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。当該チャネル情報は、上述したように、第1TRP270aがUE100からSRS#1を受信した際のチャネル情報である。
DU260aによるプリコーディング行列#1の計算、及びDU260bによるプリコーディング行列#2の計算においては、一例として、プリコーディングウェイトはゼロフォーシング(Zero Forcing:ZF)などのMU-MIMOで用いられるアルゴリズムが用いられる。プリコーディング行列の計算の詳細については後述する。
ステップS5140において、DU260aは、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここで第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIの決定において、一例として、Codebook6のコードブックをMulti-TRP伝送に適用する。Codebook6のコードブックの詳細については後述する。
ステップS5150において、DU260bは、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここで第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックの種類は、ステップS5410において用いられるコードブック(一例として、Codebook6)と同じである。
ここで図24及び図25を参照しながら、チャネル情報の交換の処理の詳細について説明する。
図24に、チャネル情報の交換の概念図を示す。なお、チャネル情報の要求を行う主体、及びチャネル情報の返送を行う主体はそれぞれDU260a、及びDU260bであるが、同図では、簡単のために、チャネル情報の要求を行う主体、及びチャネル情報の返送を行う主体をそれぞれ、第1TRP270a、及び第2TRP270bとして記載している。図25は、チャネル情報の交換に係るタイミングチャートを示す図である。
DU260aは、第1TRP270aからSRS#1を受信するとDU260bにチャネル情報(チャネル行列H2)を要求する。DU260bは、DU260aからチャネル情報(チャネル行列H2)を要求されると、第2TRP270bからSRS#2を受信した直後にDU260aにチャネル情報(チャネル行列H2)と、タイミング情報とをDU260aに送信する。タイミング情報は、当該チャネル情報(チャネル行列H2)をDU260bが計算した時刻と、当該チャネル情報をDU260bがDU260aに送信する時刻との時間差Δt2を示す情報である。
第1TRP270aは、タイミング情報が示す時間差Δt2と、TRP間通信遅延時間Δt1に基づいて、チャネル情報(チャネル行列H2)を現在時刻におけるチャネル情報(チャネル行列H2’)に補正する。TRP間通信遅延時間Δt1は、DU260aがDU260bにチャネル情報を要求してから、DU260bからチャネル情報がDU260bに返送されるまでの往復の時間である。チャネル情報の補正方法としては、線形補間など既存の手法が用いられる。なお、補正方法として非線形補間などの手法が用いられてもよい。
なお、タイミング情報は、当該チャネル情報(チャネル行列H2)をDU260bが計算した時刻を示す情報であってもよい。
同様に、DU260bは、第2TRP270bからSRS#2を受信するとDU260aにチャネル情報を要求する。DU260aは、DU260bからチャネル情報を要求されると、第1TRP270aからSRS#1を受信した直後にDU260bにチャネル情報を返送する。
したがって、上述したステップS560からステップS5110までの処理の順番は、図示したものに限られない。ただし、ステップS560、ステップS580、及びステップS590の順序は少なくともこの順であり、ステップS570、ステップS5100、及びステップS5110の順序は少なくともこの順である。
なお、本変形例においては、DU260aは、第2TRP270bがUE100からSRS#2を受信した際のチャネル情報をDU260bに要求し、DU260bは、第1TRP270aがUE100からSRS#2を受信した際のチャネル情報をDU260aに要求する場合の一例について説明した。つまり、DUが自身が接続するTRPが受信したSRSとは異なるSRSを他のDUが接続するTRPが受信した際のチャネル情報を当該他のDUに要求する場合の一例について説明したが、これに限られない。DUが自身が接続するTRPが受信したSRSと同じSRSを他のDUが接続するTRPが受信した際のチャネル情報を当該他のDUに要求してもよい。例えば、DU260aは、第2TRP270bがUE100からSRS#2を受信した際のチャネル情報をDU260bに要求し、DU260bは、第1TRP270aがUE100からSRS#1を受信した際のチャネル情報をDU260aに要求してもよい。したがって、DUは、自身が接続するTRPとは異なるTRPとUE100間のチャネル情報の推定には、自身が受信したSRSと同じSRS、または自分が受信したSRSと異なるSRSのいずれを用いてもよい。
なお、本変形例においては、チャネル情報の要求、及び返送がDU260aとDU260bとの間で直接実施される場合の一例について説明したが、これに限られない。チャネル情報の要求、及び返送は、DU260aとDU260bとの間でCUを介して実施されてもよい。
次に、図26を参照しながら、プリコーディング行列の計算の詳細について説明する。以下では、簡単のため、TRP#1による伝送が2レイヤ、TRP#2による伝送が2レイヤである合計4レイヤ、かつチャネル行列が4行4列のサイズである場合について説明するが、これに限らない。
まず、SRS#1に基づいて計算したチャネル行列H1と、補正されたチャネル行列H2‘を統合した4行4列のチャネル行列H=[H1 H2’]からプリコーディング行列Wを計算する。ここでチャネル行列H1は、UE100と第1TRP270aとの間について推定されたチャネルを示す2行4列のサイズのチャネル行列である。チャネル行列H2’は、UE100と第2TRP270bとの間について推定されたチャネルが、上述したように時間について補正されたチャネルを示す2行4列のサイズのチャネル行列である。
次に、プリコーディング行列Wを[W1,W2]と2つの2行4列の行列に分解する。第1TRP270aは、行列W1をコードブックの形式にして、UE100へ伝送する。同様に、第2TRP270bは、行列W2をコードブックの形式にして、UE100へ伝送する。
UE100は、第1TRP270a向けの送信信号であるSRS#1に、行列W1をプリコーディングウェイトとして乗算して第1TRP270aへ伝送する。同様に、UE100は、第2TRP270b向けの送信信号であるSRS#2に、行列W1をプリコーディングウェイトとして乗算して第2TRP270bへ伝送する。
Codebook6のコードブックについて説明する。Codebook6のコードブックでは、振幅、及び位相を量子化することによってプリコーディング行列の成分が指定される。Codebook6のコードブックでは、伝送効率の観点から、振幅と位相の量子化において1つのパラメータあたり2ビットから4ビット程度を用いてプリコーディング行列の成分が指定される。ここで1つのパラメータとは、振幅、または位相である。なお、振幅、及び位相は、生成可能なビームの空間的な粒度に相当する。本変形例の複数のTRPのMIMO伝送では、適切にヌルを形成するため、下りリンクのCodebook型のMU-MIMO伝送において用いられるコードブック(Downlink Type II)ではなく、行列の成分の振幅と位相を量子化したCodebook6のコードブックを用いる。
Codebook6のコードブックでは、アンテナポートの水平方向、及び垂直方向のアンテナ素子数をそれぞれN1、及びN2とすると、(N1,N2)=(4,1)または(2,2)であるようなアンテナポートの配置が想定されている。
図26に、プリコーディングウェイトが乗算されたUE100と複数のTRPとの間のチャネルの概略図を示す。UE100と第2TRP270bとの間のチャネルでは、チャネル行列H2’に行列W1が乗算されてヌルが形成されている。一方、UE100と第1TRP270aとの間のチャネルでは、一例として、プリコーディングウェイトの計算にZFが適用され、単位行列が形成されている。
(3)第3実施形態
図27乃至図32を参照して、第3実施形態について、第2実施形態との相違点を主として説明する。本実施形態では、非理想BH環境におけるCodebook型とNon-codebook型のハイブリッド構成によるMIMO制御について説明する。
MU-MIMOによるSDM伝送の手法として、BD(Block Diagonalization)法が知られている。BD法では各ストリームをSVDにより求めるため、ZFに比べて高いアレーゲインを獲得することができる。しかしながら、BD法では、マルチユーザ分離(複数のTRPへのストリーム間干渉の抑制)と、シングルユーザ分離(同一TRP内の空間多重)の2段階でプリコーディングを行うため、信号処理の負荷が高い。そこで本実施形態では、ブロック対角化による干渉抑制はNon-codebook型のプリコーディングによりUEで信号処理を行い、SVDによる空間多重はCodebook型のプリコーディングによりTRP(gNB)で信号処理を行うことによって、UEとノードそれぞれに信号処理の負荷を分散する。
本実施形態のUE100では、受信部110は、PUSCHの送信に用いるプリコーディング行列として、UE100が計算した第1プリコーディング行列とノード200によって指定された第2プリコーディング行列とを用いることを示す第1情報を含むRRCメッセージをノード200から受信する。送信部120は、UE100が計算した第1プリコーディング行列を用いて参照信号をノード200に送信する。送信部120は、UE100が計算した第1プリコーディング行列と、ノード200によって指定された第2プリコーディング行列とを用いてPUSCHをノード200に送信する。
これにより、UE100では、UE100とノード200とに信号処理に係る負荷を分散できるため、UE100の負荷を軽減できる。
本実施形態のノード200では、送信部210は、PUSCHの送信に用いるプリコーディング行列として、UE100が計算した第1プリコーディング行列とノード200によって指定された第2プリコーディング行列とを用いることを示す第1情報を含むRRCメッセージをUE100に送信する。受信部220は、RRCメッセージを受信したUE100によって計算された第1プリコーディング行列を用いてUE100から送信される複数の参照信号を受信する。受信部220は、UE100が計算した第1プリコーディング行列と、ノード200によって指定された第2プリコーディング行列とを用いて送信されたPUSCHをUE100から受信する。
これにより、ノード200は、UE100とノード200とに信号処理に係る負荷を分散できるため、ノード200の負荷を軽減できる。
(3.1)システム動作例
図27、及び図28を参照して、第3実施形態に係るシステム動作例について、第2実施形態との相違点を主として説明する。図27、及び図28は、第3実施形態に係るシステム動作例を示す図である。なお、ステップS630、ステップS640、ステップS690、ステップS6100、ステップS6150、ステップS6160、ステップS6180、ステップS6200からステップS6220の処理は、図20におけるステップS430、ステップS440、ステップS460、ステップS470、図21におけるステップS4120、ステップS4130、ステップS4150、ステップS4170からステップS4190の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS610において、DU260aは、DU260aは、PUSCH#1の設定情報(PUSCH-Config#1)を、第1TRP270aを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCH#1の設定情報を受信する。PUSCH#1の設定情報には、SDM伝送モードのパラメータと、TRPが複数であることを示す情報とともに、PUSCHの送信に用いるプリコーディング行列としてハイブリッド型のプリコーディング行列用いることを示す情報が含まれる。
ステップS620において、DU260bは、PUSCH#2の設定情報(PUSCH-Config#2)を、第2TRP270bを介してUE100に送信する。UE100は、PUSCH#2の設定情報を受信する。PUSCH#2の設定情報には、SDM伝送モードのパラメータと、TRPが複数であることを示す情報とともに、PUSCHの送信に用いるプリコーディング行列としてハイブリッド型のプリコーディング行列用いることを示す情報が含まれる。
ステップS650において、DU260aは、CSI-RS#1をUE100に送信する。UE100は、CSI-RS#1を受信する。
ステップS660において、DU260bは、CSI-RS#2をUE100に送信する。UE100は、CSI-RS#2を受信する。
ステップS670において、UE100は、CSI-RS#1とCSI-RS#2に基づいてNon-codebook型のプリコーディングウェイトを計算する。
ここでUE100は、ステップS650で送信されたCSI-RS#1のリソースを測定する。UE100は、ステップS660で送信されたCSI-RS#2のリソースを測定する。UE100は、CSI-RS#1から計算したチャネル行列と、CSI-RS#2から計算したチャネル行列とを結合する。UE100は、結合して得られたチャネル行列をブロック対角化して、Non-codebook型のプリコーディングウェイトを計算する。プリコーディングウェイトの計算には、一例として、BD法が用いられる。BD法を用いたNon-codebook型のプリコーディングウェイトの計算方法の詳細については後述する。
ステップS680において、UE100は、計算したNon-codebook型のプリコーディングェイトをSRS#1及びSRS#2に乗算する。UE100は、当該プリコーディングェイトが乗算されたSRS#1及びSRS#2について、全アンテナポートを用いてSRS#1を第1TRP270aへ、SRS#2を第2TRP270bへ伝送する。なお、UE100による全アンテナポートを用いたSRS#1、及びSRS#2の伝送において、SRS#1の伝送とSRS#2の伝送とは同時であっても同時でなくてもよい。
ここで、UE100は、RRCメッセージに、第2情報が含まれ、かつ第1情報が含まれる場合、UE100が計算した第1プリコーディング行列を用いてSRS#1をDU260aに送信する。第1情報は、上述したように、PUSCHの送信に用いるプリコーディング行列として、UE100が計算した第1プリコーディング行列とノード200によって指定された第2プリコーディング行列とを用いることを示す情報である。第2情報は、上述したように、アップリンクの空間多重伝送をシングルパネルでUE100に行わせることを示す情報である。
UE100は、RRCメッセージに、第2情報が含まれ、かつ第1情報が含まれる場合、UE100が計算した第1プリコーディング行列を用いてSRS#2をDU260bに送信する。
ステップS6110において、DU260aは、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対応するプリコーディング行列#1を計算する。ここでDU260aは、第1TRP270aで受信したSRS#1に基づいて、UE100と第1TRP270a間のチャネルに対してMIMOチャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。
ステップS6120において、DU260bは、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対応するプリコーディング行列#2を計算する。ここでDU260bは、第2TRP270bで受信したSRS#2に基づいて、UE100と第2TRP270b間のチャネルに対してMIMOチャネル推定を行い、プリコーディング行列(プリコーディングウェイト)を計算する。
ここで非理想BH環境では、第1TRP270aと第2TRP270bとの間でチャネル情報は共有されないため、チャネル推定は、UE100と第1TRP270a間のチャネル、及びUE100と第2TRP270b間のチャネルそれぞれについて独立に行われる。
また、プリコーディングウェイトは、Codebook型の計算方法に基づいて計算される。プリコーディングウェイトの計算は、SVDに基づいて行われる。
チャネル推定、及びプリコーディングウェイトの計算の詳細は後述する。
ステップS6130において、DU260aは、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここで第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIの決定において、一例として、Downlink Type Iのコードブック(Codebook1)をMulti-TRP伝送に適用する。
なお、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックは、SVD伝送が可能であれば、Codebook1以外のコードブックであってもよい。
ステップS6140において、DU260bは、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIを決定する。ここで第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIの決定に用いられるコードブックの種類は、ステップS6130において用いられるコードブック(一例として、Codebook1)と同じである。
ステップS6170において、UE100は、PUSCH#1に対して、第1TRP270a向けのSRI、RI、及びTPMIに基づくCodebook型のプリコーディングと、Non-codebook型のプリコーディングを実施する。
ステップS6180において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#1を第1TRP270aを介してDU260aに送信する。DU260aは、当該PUSCH#1を受信する。
ここで、UE100は、RRCメッセージに、上述した第2情報が含まれ、かつ第1情報が含まれる場合、プリコーディングを実施したPUSCH#1を第1TRP270aを介してDU260aに送信する。
ステップS6190において、UE100は、PUSCH#2に対して、第2TRP270b向けのSRI、RI、及びTPMIに基づくCodebook型のプリコーディングと、Non-codebook型のプリコーディングとを実施する。
ステップS6200において、UE100は、プリコーディングを実施したPUSCH#2を第2TRP270bを介してDU260bに送信する。DU260bは、当該PUSCH#2を受信する。
ここで、UE100は、RRCメッセージに、上述した第2情報が含まれ、かつ第1情報が含まれる場合、プリコーディングを実施したPUSCH#2を第2TRP270bを介してDU260bに送信する。
ここで図29及び図30を参照し、Codebook型とNon-codebook型とのハイブリッド型のプリコーディングウェイトによる伝搬チャネルの変形について説明する。
まず、Non-codebook型のプリコーディングウェイトを計算する。当該プリコーディングウェイトを計算には、図30に示すように、CSI-RS#1に基づいて計算されたチャネル行列H1と、CSI-RS#2に基づいて計算されたチャネル行列H2とが用いられる。チャネル行列H1とチャネル行列H2とが結合されることによってチャネル行列Hが得られる。チャネル行列Hをブロック対角化することによって、Non-codebook型のプリコーディングウェイト行列Wnc1とプリコーディングウェイト行列Wnc2がそれぞれ計算される。プリコーディングウェイト行列Wnc1、及びプリコーディングウェイト行列Wnc2はそれぞれ、第1TRP270a向けの伝搬チャネル、及び第2TRP270b向けの伝搬チャネルに対するプリコーディングウェイト行列である。
プリコーディングウェイト行列Wnc1にチャネル行列H1が左から乗ぜられることによってブロック対角化されたチャネル行列H1
‘が得られる。プリコーディングウェイト行列Wnc2にチャネル行列H2が左から乗ぜられることによってブロック対角化されたチャネル行列H2
‘が得られる。ブロック対角化によって、複数のTRPへのストリーム間干渉が抑制される。
次に、ブロック対角化されたチャネル行列H1
‘、チャネル行列H2
‘をSVDにより対角化することにより、Codebook型のプリコーディングウェイト行列Wc1、及びプリコーディングウェイト行列Wc2がそれぞれ計算される。これによって、同一TRP内の空間分離が実現される。
ブロック対角化されたチャネル行列H1
‘にプリコーディングウェイト行列Wc1が右から乗ぜられ、左からポストコーディング行列Wr1が乗ぜられることによってチャネル行列D1が得られる。チャネル行列D1は、第1TRP270a向けの固有チャネルを形成する。ブロック対角化されたチャネル行列H2
‘にプリコーディングウェイト行列Wc2が右から乗ぜられ、左からポストコーディング行列Wr2が乗ぜられることによってチャネル行列D2が得られる。チャネル行列D2は、第2TRP270b向けの固有チャネルを形成する。
第1TRP270aに対するポストコーディング行列Wr1は、チャネル行列H1、プリコーディングウェイト行列Wnc1、及びプリコーディングウェイト行列Wc1の積から最小平均二乗誤差(Minimum Mean Square Error:MMSE)に基づいて計算される。第2TRP270bに対するポストコーディング行列Wr2は、チャネル行列H2、プリコーディングウェイト行列Wnc2、及びプリコーディングウェイト行列Wc2の積からMMSEに基づいて計算される。
図31は、本実施形態に係るSRS信号の伝送の概要、及びSRS信号の伝送についての信号処理を示す図である。
まず、UE100における信号処理について説明する。UE100は、SRSにNon-codebook型のプリコーディングウェイト行列Wncを乗ずる。上述したように、Non-codebook型のプリコーディングウェイト行列Wncは、BD法によって計算されている。ここでUE100からシングルパネルを用いて伝送されるSRSを、SRSベクトルxsとして示す。SRSベクトルxsは、UE100がSRSの送信に用いるアンテナポートのアンテナポート数と等しい次元のベクトルである。
また、第1TRP270a向けのSRS#1、及び第2TRP270b向けのSRS#2をそれぞれ、SRSベクトルss1、及びSRSベクトルss2として示す。SRSベクトルss1は、UE100が第1TRP270a向けのSRS#1の送信に用いるアンテナポートのアンテナポート数と等しい次元のベクトルである。SRSベクトルss2は、UE100が第2TRP270b向けのSRS#2の送信に用いるアンテナポートのアンテナポート数と等しい次元のベクトルである。
図示するように、SRSベクトルxsは、プリコーディングウェイト行列Wnc1が乗ぜられたSRSベクトルss1と、プリコーディングウェイト行列Wnc2が乗ぜられたSRSベクトルss2との和として表される。
次に無線区間における信号処理について説明する。無線区間において、無線区間を伝搬した後のSRSをSRSベクトルysとして示す。SRSベクトルysは、SRSベクトルxsに、チャネル行列Hを乗じて得られる。ここでSRSベクトルysは、第1TRP270a向けのSRS#1のSRS成分ベクトルys1と、第2TRP270b向けのSRS#2のSRS成分ベクトルys2とに分解される。SRS成分ベクトルys1は、UE100のアンテナポートのうちSRS#1の送信に用いられるアンテナポートのアンテナポート数の次元のベクトルである。SRS成分ベクトルys2は、UE100のアンテナポートのうちSRS#2の送信に用いられるアンテナポートのアンテナポート数の次元のベクトルである。
SRS成分ベクトルys1、及びSRS成分ベクトルys2を計算すると、図示するように、ブロック対角化されて得られるブロックのうち非対角成分はゼロとなる。これは、非対角成分においてSRSの成分に乗ぜられている行列がゼロ(ヌル)となるように、Non-codebook型のプリコーディングウェイト行列が計算されているためである。具体的には、チャネル行列H1とプリコーディングウェイト行列Wnc2との積、チャネル行列H2とプリコーディングウェイト行列Wnc1との積はそれぞれ、ゼロ(ヌル)である。
次にTRPにおける信号処理について説明する。なお、第1TRP270aにおける信号処理、及び第2TRP270bにおける信号処理はそれぞれ、DU260a、及びDU260bによる信号処理である。
第1TRP270aでは、チャネル推定において、チャネル行列H1にプリコーディングウェイト行列Wnc1が右から乗ぜられることによって得られるブロック対角化されたチャネル行列H1
‘をチャネル行列とする。当該チャネル行列H1
‘をSVDにより対角化することにより、Codebook型のプリコーディングウェイト行列Wc1が決定される。
同様に、第2TRP270bでは、チャネル推定において、チャネル行列H2にプリコーディングウェイト行列Wnc2が右から乗ぜられることによって得られるブロック対角化されたチャネル行列H2
‘をチャネル行列とする。当該チャネル行列H2
‘をSVDにより対角化することにより、Codebook型のプリコーディングウェイト行列Wc2が決定される。なお、第2TRP270bにおける信号処理とは、DU260bによる信号処理である。
図32は、本実施形態に係るPUSCH信号の伝送の概要、及びPUSCH信号の伝送についての信号処理を示す図である。
まず、UE100における信号処理について説明する。UE100は、PUSCHに、Codebook型のプリコーディングウェイト行列Wcと、Non-codebook型のプリコーディングウェイト行列Wncとを乗ずる。上述したように、Codebook型のプリコーディングウェイト行列Wcは、チャネル行列H1
‘(つまり、チャネル行列H1とプリコーディングウェイト行列Wnc1との積)をSVDにより対角化することによって計算されている。Non-codebook型のプリコーディングウェイト行列Wncは、BD法によって計算されている。ここでUE100からシングルパネルを用いて伝送されるPUSCH信号を、PUSCH信号ベクトルxpとして示す。PUSCH信号ベクトルxpは、UE100がPUSCHの送信に用いるアンテナポートのアンテナポート数と等しい次元のベクトルである。
また、第1TRP270a向けのPUSCH#1、及び第2TRP270b向けのPUSCH#2をそれぞれ、PUSCHベクトルsp1、及びPUSCHベクトルsp2として示す。PUSCHベクトルsp1は、UE100が第1TRP270a向けのPUSCH#1の送信に用いるアンテナポートのアンテナポート数と等しい次元のベクトルである。PUSCHベクトルsp2は、UE100が第2TRP270b向けのPUSCH#2の送信に用いるアンテナポートのアンテナポート数と等しい次元のベクトルである。
図示するように、PUSCH信号ベクトルxpは、プリコーディングウェイト行列Wc1及びプリコーディングウェイト行列Wnc1が乗ぜられたPUSCHベクトルsp1と、プリコーディングウェイト行列Wc2及びプリコーディングウェイト行列Wnc2が乗ぜられたPUSCHベクトルsp2との和として表される。ここでPUSCHベクトルsp1には、まずプリコーディングウェイト行列Wc1が乗ぜられて、次にプリコーディングウェイト行列Wnc1が乗ぜられる。同様に、PUSCHベクトルsp2には、まずプリコーディングウェイト行列Wc2が乗ぜられて、次にプリコーディングウェイト行列Wnc2が乗ぜられる。
次に無線区間における信号処理について説明する。無線区間において、無線区間を伝搬した後のPUSCH信号をPUSCH信号ベクトルypとして示す。PUSCH信号ベクトルypは、PUSCH信号ベクトルypに、チャネル行列Hを乗じて得られる。ここでPUSCH信号ベクトルypは、第1TRP270a向けのPUSCH#1のPUSCH成分ベクトルyp1と、第2TRP270b向けのPUSCH#2のPUSCH成分ベクトルyp2とに分解される。PUSCH成分ベクトルyp1は、UE100のアンテナポートのうちPUSCH#1の送信に用いられるアンテナポートのアンテナポート数の次元のベクトルである。PUSCH成分ベクトルyp2は、UE100のアンテナポートのうちPUSCH#2の送信に用いられるアンテナポートのアンテナポート数の次元のベクトルである。
PUSCH成分ベクトルyp1、及びPUSCH成分ベクトルyp2を計算すると、図示するように、ブロック対角化されて得られるブロックのうち非対角成分はゼロとなる。これは、SRS信号の伝送についての信号処理において説明したように、非対角成分においてSRSの成分に乗ぜられている行列がゼロ(ヌル)となるように、Non-codebook型のプリコーディングウェイト行列が計算されているためである。具体的には、チャネル行列H1とプリコーディングウェイト行列Wnc2との積、チャネル行列H2とプリコーディングウェイト行列Wnc1との積はそれぞれ、ゼロ(ヌル)である。
次にTRPにおける信号処理について説明する。
第1TRP270aでは、受信したPUSCH成分ベクトルyp1を、PUSCHベクトルsp1に、ポストコーディング行列Wr1、チャネル行列H1
‘
、プリコーディングウェイト行列Wc1の積であるチャネル行列D1が乗ぜられたベクトルとして表す。ここでチャネル行列D1は、SVDにより対角化されている。そのため、PUSCH成分ベクトルyp1の成分は、PUSCHベクトルsp1の成分sp11、及び成分sp12に、チャネル行列D1の固有値λ11、及び固有値λ12を乗じた値として表される。これにより、受信したPUSCH成分ベクトルyp1の成分と、チャネル行列D1の固有値λ11、及び固有値λ12とからPUSCHベクトルsp1を検出できる。
第2TRP270bでは、受信したPUSCH成分ベクトルyp2を、PUSCHベクトルsp2に、ポストコーディング行列Wr2、チャネル行列H2
‘
、プリコーディングウェイト行列Wc2の積であるチャネル行列D2が乗ぜられたベクトルとして表す。ここでチャネル行列D2は、SVDにより対角化されている。そのため、PUSCH成分ベクトルyp2の成分は、PUSCHベクトルsp2の成分sp21、及び成分sp22に、チャネル行列D2の固有値λ21、及び固有値λ22を乗じた値として表される。これにより、受信したPUSCH成分ベクトルyp2の成分と、チャネル行列D2の固有値λ21、及び固有値λ22とからPUSCHベクトルsp2を検出できる。
上述したように、チャネル行列H1とプリコーディングウェイト行列Wnc2との積、チャネル行列H2とプリコーディングウェイト行列Wnc1との積はそれぞれ、ゼロ(ヌル)である。したがって、UE100によって計算されたプリコーディング行列は、第1TRP270aに送信するPUSCHベクトルsp1と、第2TRP270bに送信するPUSCHベクトルsp2とが互いに異なるTRPへの与干渉にならないプリコーディング行列である。したがって、UE100によって計算されたプリコーディング行列は、UE100が第1TRP270aに送信するPUSCH#1が第2TRP270bへの与干渉にならず、かつUE100が第2TRP270bに送信するPUSCH#2が第1TRP270aへの与干渉にならないプリコーディング行列である。
なお、上述の各実施形態では、Multi-TRPを用いたPUSCHのSDM伝送において、複数のTRPの数が2つである場合の一例について説明したが、これに限られない。上述の各実施形態のPUSCHのSDM伝送は、複数のTRPの数が3つ以上である場合にも適用可能である。ただし互いに協調制御が可能な複数のTRPの数の上限を設定しない場合は、コードブック仕様の拡張(プリコーディング行列の次元拡張)が必要になる。
上述の実施形態に係る動作をコンピュータ(UE100、ノード200)に実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。