以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1乃至図7は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。
(内容物充填システム)
まず、図1により、実施の形態による内容物充填システム(無菌充填システム)について説明する。
図1に示す内容物充填システム10は、缶(容器)1に飲料等の内容物を充填するシステムである。内容物は、酸性かつ炭酸ガスを含む炭酸飲料である。
図1に示すように、内容物充填システム10は、容器殺菌装置20と、蓋殺菌装置30と、水殺菌ライン40と、原液殺菌ライン60と、充填装置(フィラー)70と、蓋装着装置(シーマー)80と、少なくとも1つのチャンバ90a乃至90kとを備えている。
後述するように、内容物充填システム10の殺菌度は、指標菌である耐熱性乳酸菌又は耐熱性乳酸菌に対する殺菌効果が3LRV以上12LRV以下となるように予め調整されている。
容器殺菌装置20は、缶1を殺菌する装置である。蓋殺菌装置30は、缶1を閉栓する蓋2を殺菌する装置である。水殺菌ライン40は、製品原液を希釈するための水を非加熱殺菌するラインである。原液殺菌ライン60は、製品原液を殺菌するラインである。充填装置70は、水殺菌ライン40及び原液殺菌ライン60にそれぞれ接続された装置であり、水及び製品原液を、殺菌された缶1に充填する装置である。蓋装着装置80は、水及び製品原液が充填された缶1を、殺菌された蓋2により閉栓する装置である。
また、内容物充填システム10は、蓋装着装置(シーマー)80によって蓋2が装着された缶1を搬出する製品缶搬出部11を備えている。上述した容器殺菌装置20、充填装置70、蓋装着装置80及び製品缶搬出部11は、缶1の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。なお、容器殺菌装置20、充填装置70及び蓋装着装置80等の間には、これらの装置間で缶1を搬送する複数の搬送ホイール(図示せず)が設けられている。
本実施の形態では、容器殺菌装置20は、殺菌剤を缶1に噴射することにより、缶1を殺菌する。これにより、内容物の充填前に殺菌剤によって缶1が殺菌される。
図1及び図2に示すように、容器殺菌装置20は、缶1に対して殺菌剤を噴霧する第1殺菌剤噴霧部22と、第1殺菌剤噴霧部22で殺菌剤が噴霧された缶1をエアリンスする第1エアリンス部23とを有している。また、容器殺菌装置20は、第1殺菌剤噴霧部22の上流側に設けられ、缶1を加熱する第1加熱部21を更に有していても良い。さらに、容器殺菌装置20は、第1エアリンス部23の下流側に設けられた第1無菌水リンス部24を更に有していても良い。第1加熱部21、第1殺菌剤噴霧部22、第1エアリンス部23及び第1無菌水リンス部24は、缶1の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。なお、図2において、缶1は、矢印の方向へ搬送される。
第1加熱部21は、殺菌剤が吹き付けられる前に、缶1を加熱(予備加熱)する部分である。第1加熱部21は、缶1を搬送しながら加熱するように構成されている。この場合、図2に示すように、缶1は、蓋2が装着されるフランジ1aを下に向けた状態で搬送されても良い。この第1加熱部21は、缶1に対して加熱エアを吹き付ける第1ホットエアノズル21a、21bを含んでいる。このうち、第1ホットエアノズル21aは、缶1の内面に対して加熱エアを吹き付けるためのノズルである。第1ホットエアノズル21bは、缶1の外面に対して加熱エアを吹き付けるためのノズルである。この第1ホットエアノズル21a、21bから吹き付けられる加熱エアにより、缶1は、例えば、表面が40℃以上100℃以下になるように加熱されても良く、表面が50℃以上80℃以下になるように加熱されても良い。缶1の表面温度が40℃以上であることにより、缶1の殺菌効果を向上できる。また、缶1の表面温度が100℃以下であることにより、熱エネルギーの消費を抑え、かつ、二酸化炭素の排出量を低減できる。
第1殺菌剤噴霧部22は、第1加熱部21によって加熱された缶1に殺菌剤を噴霧することにより、缶1を殺菌する部分である。第1殺菌剤噴霧部22は、缶1を搬送しながら殺菌剤を噴霧するように構成されている。この場合、缶1は、蓋2が装着されるフランジ1aを下に向けた状態で搬送されても良い。また、第1殺菌剤噴霧部22は、搬送される缶1に対して殺菌剤を吹き付ける第1噴霧ノズル22a、22bを含んでいる。このうち、第1噴霧ノズル22aは、缶1の内面に対して殺菌剤を吹き付けるためのノズルである。第1噴霧ノズル22bは、缶1の外面に対して殺菌剤を吹き付けるためのノズルである。第1殺菌剤噴霧部22が噴霧する殺菌剤としては、例えば過酸化水素水溶液が用いられる。第1殺菌剤噴霧部22においては、過酸化水素水溶液を沸点以上の温度で気化させたガス、又は過酸化水素水溶液の一部が液化したミストが生成される。そして、第1噴霧ノズル22a、22bから、ガス又はミストが缶1の内外面に噴霧される。このように缶1が過酸化水素水溶液のガス又はミストで殺菌されるので、缶1の内外面がムラなく殺菌される。
第1殺菌剤噴霧部22において、缶1に対する殺菌剤の付着量は、缶1の内面が少なくともエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、またはポリ塩化ビニルでコーティングされた場合、0.01μL/cm2以上0.4μL/cm2以下であっても良く、0.03μL/cm2以上0.1μL/cm2以下であっても良い。缶1に対する殺菌剤の付着量が0.01μL/cm2以上であることにより、缶1の殺菌効果を向上できる。また、缶1に対する殺菌剤の付着量が0.03μL/cm2以上であることにより、缶1の殺菌効果をより向上できる。また、缶1に対する殺菌剤の付着量が0.4μL/cm2以下であることにより、容器殺菌装置20を通過した缶1における殺菌剤の残留を抑制できる。なお、この場合、殺菌剤の過酸化水素の濃度は、35重量%であっても良い。
第1エアリンス部23は、第1殺菌剤噴霧部22において殺菌剤が噴霧された缶1に無菌の加熱エア又は常温エアを供給する部分である。これにより、過酸化水素の活性化が行われ、かつ、缶1内から異物、過酸化水素等が除去される。第1エアリンス部23は、缶1を搬送しながら無菌エアを供給するように構成されている。この場合、缶1は、蓋2が装着されるフランジ1aを下に向けた状態で搬送されても良い。これにより、缶1内から異物を効果的に除去できる。なお、必要に応じて、常温の無菌化されたエアに、低濃度の過酸化水素の凝結ミストを混ぜることにより、過酸化水素をガス化させて、缶1に供給しても良い。また、無菌エアは、空気であっても良く、二酸化炭素又は不活性ガスであっても良い。
第1エアリンス部23は、搬送される缶1に対して無菌エアを吹き付ける第1エアリンスノズル23a、23bを含んでいる。このうち、第1エアリンスノズル23aは、缶1の内面に対して無菌エアを吹き付けるためのノズルである。第1エアリンスノズル23bは、缶1の外面に対して無菌エアを吹き付けるためのノズルである。これにより、缶1の内外面に噴霧された過酸化水素水溶液のガス又はミストがムラなく活性化される。なお、無菌エアは、缶1の内面のみに吹き付けられても良い。
第1エアリンス部23において、缶1に対して70℃以上200℃以下の無菌エアが吹き付けられても良い。無菌エアの温度が70℃以上であることにより、缶1に付着した殺菌剤を効果的に活性化させることができる。また、無菌エアの温度が200℃以下であることにより、二酸化炭素の排出量を低減できる。なお、無菌エアの温度は、第1エアリンスノズル23a、23bから吹き付けられた直後の温度、すなわち、第1エアリンスノズル23a、23bの先端における温度である。
また、無菌エアが吹き付けられた後、缶1に対する殺菌剤の付着量は、缶1の内面が少なくともエポキシ樹脂、PET樹脂、またはポリ塩化ビニルでコーティングされた場合、0.00001μL/cm2以上0.01μL/cm2以下であっても良い。缶1に対する殺菌剤の付着量が0.00001μL/cm2以上であることにより、缶1の殺菌効果を向上できる。また、缶1に対する殺菌剤の付着量が0.01μL/cm2以下であることにより、容器殺菌装置20を通過した缶1における殺菌剤の残留を抑制できる。
第1無菌水リンス部24は、殺菌剤(過酸化水素)により殺菌された缶1に対して、無菌水による洗浄を行う部分である。これにより、缶1に付着した極微量の過酸化水素が洗い流され、かつ、異物が除去される。第1無菌水リンス部24は、缶1を搬送しながら無菌水を供給するように構成されている。この場合、缶1は、蓋2が装着されるフランジ1aを下に向けた状態で搬送されても良い。これにより、缶1内から殺菌剤及び異物を効果的に除去できる。また、第1無菌水リンス部24は、搬送される缶1に対して無菌水を吹き付ける第1無菌水リンスノズル24a、24bを含んでいる。このうち、第1無菌水リンスノズル24aは、缶1の内面に対して無菌水を吹き付けるためのノズルである。第1無菌水リンスノズル24bは、缶1の外面に対して無菌水を吹き付けるためのノズルである。第1無菌水リンス部24において、無菌水の温度は、5℃以上100℃以下であっても良い。なお、それぞれのノズル21a、22a、23a、及び24aを缶1の内部に挿入することで、缶1に対する加熱、殺菌、エアリンス及び水リンスの効率を上げても良い。
次に、内容物充填システム10の水殺菌ライン40及び原液殺菌ライン60について説明する。まず、水殺菌ライン40について説明する。
図1に示す水殺菌ライン40は、水を非加熱殺菌する殺菌ラインである。この水殺菌ライン40は、紫外線及び濾過のうちの少なくとも1つによって水を殺菌しても良い。水殺菌ライン40が紫外線によって水を殺菌する場合、水殺菌ライン40において、水は、低圧水銀ランプ及び中圧水銀ランプのうちの少なくとも一方からの紫外線によって、殺菌されても良い。また、水殺菌ライン40が濾過によって水を殺菌する場合、水殺菌ライン40は、無菌フィルタ(後述する第1無菌フィルタ53等)によって水を濾過することにより、水を殺菌しても良い。なお、本明細書中、「非加熱殺菌」とは、電気ヒーター又は蒸気等による熱エネルギーを用いることなく、水を殺菌することをいう。
図3Aに示すように、水殺菌ライン40は、水を殺菌する水殺菌機50を少なくとも有している。図3Aに示す例においては、水殺菌ライン40は、第1水タンク41と、水殺菌機50と、第2水タンク42とを有している。第1水タンク41、水殺菌機50及び第2水タンク42は、水の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。また、水殺菌ライン40のうち、第2水タンク42の下流側には、流量計F及び無菌バルブVが設けられていても良い。なお、図示はしないが、水殺菌ライン40の各所に、温度計、圧力計、レベル計及び濃度計等が設置されている。
第1水タンク41は、いわゆるバランスタンクであり、水を貯留することにより、水の流れを円滑にする役割を果たす。第1水タンク41の容積は、30m3以上100m3以下であっても良く、一例として、50m3であっても良い。なお、第1水タンク41の下流側には、水を搬送するためのポンプPと、水の流量を測定するための流量計(図示せず)が設けられていても良い。
水殺菌機50は、第1水タンク41に貯留された水を殺菌する殺菌機である。水殺菌機50の詳細は後述する。
第2水タンク42は、水殺菌機50によって殺菌された水を貯留するタンク(いわゆるアセプティックタンク)である。この第2水タンク42は、殺菌された水を貯留することにより、水の流れを円滑にする役割を果たす。第2水タンク42の容積は、5m3以上50m3以下であっても良く、一例として、10m3であっても良い。
また、第2水タンク42の下流側に、バイパスライン43が設けられていても良い。図1に示すように、バイパスライン43は、水殺菌ライン40と第1無菌水リンス部24とを互いに接続していても良い。また、バイパスライン43は、水殺菌ライン40と充填装置70とを互いに接続していても良い。また、バイパスライン43は、水殺菌ライン40と蓋装着装置80とを互いに接続していても良い。さらに、バイパスライン43は、水殺菌ライン40と蓋殺菌装置30の後述する第2無菌水リンス部34とを互いに接続していても良い。これにより、水殺菌機50によって殺菌した水を、缶1、充填装置70及び蓋2の洗浄に使用できる。このため、水を加熱して殺菌する殺菌機を使用して作製された無菌水によって缶1等を洗浄する場合と比較して、内容物充填システム10が排出する二酸化炭素の排出量を更に低減できる。
なお、バイパスライン43は、水殺菌ライン40と、後述する各チャンバ90a乃至90kとを互いに接続していても良い。そして、各チャンバ90a乃至90k内を洗浄する際、水殺菌ライン40で殺菌された水を、バイパスライン43を介して、各チャンバ90a乃至90kに供給しても良い。また、各チャンバ90a乃至90k内に配置された機械等を洗浄する際、水殺菌ライン40で殺菌された水を、バイパスライン43を介して、各チャンバ90a乃至90kに供給しても良い。また、バイパスライン43は内容物充填システム10において、製品缶1Aの製造時に使用される水、及び製品缶1Aの非製造時に使用される水を供給する全ての供給装置に接続されていても良い。
また、図3Aに示すように、水殺菌ライン40の第2水タンク42の上流側に、循環ライン44が接続されていても良い。この循環ライン44の一端は、第2水タンク42の上流側に接続されていても良く、循環ライン44の他端は、第1水タンク41に接続されていても良い。これにより、第1水タンク41、水殺菌機50及び循環ライン44によって、水を循環させる循環系44Aが構成されていても良い。なお、第1水タンク41と水殺菌機50の間に別のタンクが設けられ、循環ライン44の他端が当該別のタンクに接続されていても良い。また、循環ライン44には、温度計(図示せず)が設けられていても良い。また、循環ライン44には、水殺菌機50を殺菌する際に、殺菌剤又は洗浄剤の濃度を測定するための濃度計(図示せず)が設けられていても良い。さらに、循環ライン44には、循環ライン44を洗浄及び又は殺菌する際に、殺菌剤等を温めるための昇温装置(熱交換器又はヒーター等(図示せず))が設置されていても良い。
次に、水殺菌ライン40の水殺菌機50について説明する。この水殺菌機50は、内容物充填システム10で使用する水を殺菌する殺菌機である。本実施の形態では、水殺菌機50は、水を非加熱殺菌する。上述したように、水殺菌機50は、第1水タンク41に貯留された水(純水)を殺菌する。このため、水殺菌機50は、電気伝導率が、0.1μS/cm以上20μS/cm以下である水を殺菌する。水は、純水であることが望ましいが、内容物の種類によってはこれに限らない。水殺菌機50で殺菌される水は、超純水、蒸留水、精製水、RO水、イオン交換水、市水、井水でも良い場合がある。水の電気伝導率が20μS/cm以上の場合、水を紫外線で殺菌するとその紫外線の波長や積算照射量によって、亜硝酸態窒素(又は亜硝酸塩)が生成される恐れがある。一方、亜硝酸態窒素の基準は、日本では0.04mg/L以下にする必要があるが、他の国ではその基準が異なる(例えば、WHO、USEPA、EUでは其々3mg/L以下、1mg/L以下、0.5mg/L以下である)。したがって、水を紫外線で殺菌する場合、亜硝酸態窒素の量が内容物充填システム10を設置する国の基準値を超えないように水の電気伝導度、又は紫外線の波長、積算照射量を調整・確認する必要がある。水の電気伝導率が仮に200μS/cmであっても、紫外線照射後の水の亜硝酸態窒素濃度が基準値内であれば、水の電気伝導度を必ずしも20μS/cm以下にする必要はない。
図3A及び図3Bに示すように、水殺菌機50は、少なくとも1つの無菌フィルタ(第1無菌フィルタ53及び第2無菌フィルタ55)、又は、少なくとも1つの殺菌機(前段殺菌機56、第1殺菌機52及び第2殺菌機54)を備えている。水殺菌機50が、少なくとも1つの無菌フィルタ、又は、少なくとも1つの殺菌機を備えていることにより、二酸化炭素の排出量を抑えつつ、無菌性の高い水(最終製品である製品缶1Aに充填するのに必要な無菌品質の水)を作製できる。
図3Aに示す例においては、水殺菌機は、第1殺菌機52と、第1無菌フィルタ53と、第2殺菌機54とを備えている。第1殺菌機52、第1無菌フィルタ53及び第2殺菌機54は、水の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。
このように、無菌フィルタ(この場合、第1無菌フィルタ53)の下流側に、殺菌機(この場合、第2殺菌機54)が配設されていることにより、菌が無菌フィルタを通過した場合であっても、殺菌機によって、当該菌を殺菌できる。また、水殺菌機50が複数の殺菌機(第1殺菌機52及び第2殺菌機54)を備えていることにより、一方の殺菌機が停止した場合であっても、他方の殺菌機によって、水の無菌性を保証できる。
また、図3Bに示すように、水殺菌機50は、異物除去フィルタ51と、第1殺菌機52と、第1無菌フィルタ53と、第2殺菌機54と、第2無菌フィルタ55とを備えていても良い。また、水殺菌機50は、異物除去フィルタ51の上流側に設けられた前段殺菌機56を更に備えていても良い。前段殺菌機56、異物除去フィルタ51、第1殺菌機52、第1無菌フィルタ53、第2殺菌機54及び第2無菌フィルタ55は、水の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。このように、水殺菌機50が複数の無菌フィルタ(第1無菌フィルタ53及び第2無菌フィルタ55)を備えていることにより、一方の無菌フィルタに異常が発生した場合であっても、他方の無菌フィルタによって、水の無菌性を保証できる。なお、第1殺菌機52、第1無菌フィルタ53、第2殺菌機54及び第2無菌フィルタ55の配設順は、これに限られない。また、水殺菌機50が備える無菌フィルタ及び殺菌機の個数も、これに限られない。例えば、図示はしないが、水殺菌機50が、第1殺菌機52又は第2殺菌機54、及び第1無菌フィルタ53のみを備えていても良い。また、2つの水殺菌機50が、並列に設けられていても良い。
また、水殺菌機50は、無菌フィルタを備えていなくても良い。すなわち、製品原液を水によって希釈することによって作製された内容物の無菌品質レベル、第1水タンク41に供給される水の菌数レベルが少ない場合、及び/又は内容物における菌の増殖特性等により、水殺菌機50が無菌フィルタを備えていなくても良い場合がある。また、殺菌された水を各チャンバ内の洗浄(COP)及び/又は殺菌(SOP)に使用する場合には、水が内容物に直接触れることはない。このような場合においても、水殺菌機50が無菌フィルタを備えていなくても良い場合がある。この場合、例えば、図示はしないが、水殺菌機50は、第1殺菌機52のみを備えていても良く、第1殺菌機52と第2殺菌機54とを備えていても良い。このように、水殺菌機50が無菌フィルタを備えていない場合、水殺菌機50の製造コストを低減できる。
さらに、水殺菌機50は、殺菌機を備えていなくても良い。すなわち、製品原液を水によって希釈することによって作製された内容物の無菌品質レベル、第1水タンク41に供給される水の菌数レベルが少ない場合、及び/又は内容物における菌の増殖特性等により、水殺菌機50が殺菌機を備えていなくても良い場合がある。この場合、例えば、図示はしないが、水殺菌機50は、第1無菌フィルタ53のみを備えていても良く、第1無菌フィルタ53と第2無菌フィルタ55とを備えていても良い。このように、水殺菌機50が殺菌機を備えていない場合においても、水殺菌機50の製造コストを低減できる。
次に、前段殺菌機56、異物除去フィルタ51、第1殺菌機52、第1無菌フィルタ53、第2殺菌機54及び第2無菌フィルタ55について説明する。ここでは、まず、前段殺菌機56について説明する。
前段殺菌機56は、異物除去フィルタ51に供給される水を予備的に殺菌する殺菌機である。前段殺菌機56が異物除去フィルタ51の上流側に設置されていることにより、品質の良い無菌水を長期間製造することが可能になる。なお、前段殺菌機56の構成は、第1殺菌機52と略同一の構成としても良い。
異物除去フィルタ51は、水内の異物を除去するフィルタである。図示された例においては、水殺菌機50は、単一の異物除去フィルタ51を備えている。しかしながら、これに限られず、水殺菌機50が、複数の異物除去フィルタ51を備えていても良い。異物除去フィルタ51の目開き(濾過精度)は、例えば0.20μm以上10μm以下であっても良く、0.45μm以上5μm以下であっても良い。また、異物除去フィルタ51の目開きは、真菌類(カビ・酵母等)を除去可能な大きさであることが好ましい。後述するように、異物除去フィルタ51の下流側に設けられた第1殺菌機52等では、水に対して紫外線が照射される。このため、異物除去フィルタ51の目開きは、紫外線に対して耐性のあるカビ類を除去可能な大きさであることが好ましく、0.45μm以上1.2μm以下であることが好ましい。なお、異物除去フィルタ51を通過した水の無菌性を高めるために、異物除去フィルタ51の目開きは、0.2μm以上0.45μm以下であっても良い。これにより、水に残存するほぼ全ての菌を捕集し得る。また、異物除去フィルタ51を通過した水の無菌性を高めるために、目開きが0.1μm以上0.22μm以下である無菌グレードのフィルタが、異物除去フィルタ51として使用されても良い。また、異物除去フィルタ51の濾過膜は、例えば、逆浸透膜(RO(Reverse Osmosis)膜)であっても良く、限界濾過膜(UF(Ultra-Filtration)膜)であっても良い。
第1殺菌機52は、異物除去フィルタ51の下流側に設けられている。また、第1殺菌機52は、第1無菌フィルタ53の上流側に設けられている。第1殺菌機52は、紫外線によって水を殺菌する殺菌機である。これにより、異物除去フィルタ51を通過した菌(カビ・酵母以外の細菌)を殺菌できる。また、第1殺菌機52が紫外線によって水を殺菌することにより、水を加熱することによって水を殺菌する場合と比較して、内容物充填システムが排出する二酸化炭素の排出量を低減できる。とりわけ、内容物を作製する場合、製品原液は、水によって、1.1倍以上1000倍以下に希釈され得て、好ましくは2倍以上10倍以下に希釈され得る。製品原液が水によって、2倍以上10倍以下に希釈された場合、内容物の50%以上90%以下は、水である。このため、水を加熱することなく殺菌することにより、内容物を作製する際に排出される二酸化炭素の排出量を大幅に低減できる。
上述したように、本実施の形態では、第1殺菌機52は、紫外線によって水を殺菌する。この場合、第1殺菌機52は、紫外線ランプを含んでいても良い。紫外線ランプは、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、又はUV-LEDであっても良い。また、第1殺菌機52は、照射する紫外線の波長及び又は出力が互いに異なっている複数の紫外線ランプを含んでいても良い。一例として、第1殺菌機52は、低圧水銀ランプ(低圧高出力アマルガムランプ含む)及び中圧水銀ランプを含んでいても良い。
低圧水銀ランプは、点灯中の水銀蒸気圧が10Pa未満となる水銀ランプである。この低圧水銀ランプは、殺菌効果の高い波長(253.7nm)の紫外線を効率よく照射できる。このため、第1殺菌機52が、低圧水銀ランプを含んでいる場合、第1殺菌機52(及び第2殺菌機54)における殺菌効果を向上できる。低圧水銀ランプは、水銀と他の金属との合金であるアマルガムが発光管内に封入されたアマルガムランプ(低圧高出力アマルガムランプ)であっても良い。
中圧水銀ランプは、点灯中の水銀蒸気圧が40kPa以上となる水銀ランプである。中圧水銀ランプが照射する紫外線の波長は、主波長が365nmであり、254nm、302nm、313nm、405nm、436nm等にもピークがある波長である。一般的に、中圧水銀ランプは、低圧水銀ランプと比較して、高出力の水銀ランプである。このため、第1殺菌機52が、中圧水銀ランプを含んでいる場合、多くの量の水を第1殺菌機52(及び第2殺菌機54)が殺菌できる。また、中圧水銀ランプが高出力の水銀ランプであるため、第1紫外線ランプ67a及び第2紫外線ランプ67bが、それぞれ中圧水銀ランプである場合、第1殺菌機52(及び第2殺菌機54)の小型化を図ることができる。
また、中圧水銀ランプは、低圧水銀ランプよりも耐熱性が高いため、高温下での点灯が可能である。従って、第1殺菌機52及び第2殺菌機54を含む循環系44Aにおいて、熱水又は殺菌剤を循環させることにより、第1殺菌機52及び第2殺菌機54を殺菌する際、第1紫外線ランプ67a等を点灯した状態で、第1殺菌機52等の殺菌を行うことができる。
本実施の形態では、水に対する紫外線の積算照射量は、10mJ/cm2以上10000mJ/cm2以下であることが好ましく、100mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下であることがより好ましい。すなわち、第1殺菌機52を通過した際に、水に対する紫外線の積算照射量は、10mJ/cm2以上10000mJ/cm2以下であることが好ましく、100mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下であることがより好ましい。この場合、水に対する紫外線の積算照射量は、254nmの波長で10mJ/cm2以上10000mJ/cm2以下であることが好ましく、100mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下であることがより好ましい。紫外線の積算照射量が10mJ/cm2以上であることにより、第2無菌フィルタ55を通過する可能性がある水棲菌(貧栄養環境の水内で増殖可能なPseudomonas属又はMethylobacterium属等のグラム陰性菌)を効果的に殺菌できる。また、紫外線の積算照射量が100mJ/cm2以上であることにより、細菌胞子も殺菌できる。また、紫外線の積算照射量が10000mJ/cm2以下であることにより、電気消費量を低減でき、内容物充填システム10が排出する二酸化炭素の排出量を低減できる。ここで、紫外線の波長は、250nm以上260nm以下であっても良く、一例として253.7nm(254nm)であっても良い。紫外線の波長が250nm以上260nm以下、とりわけ253.7nmであることにより、紫外線による菌の殺菌効果を高めることができる。ここで、本明細書中「水棲菌」とは、目開きが0.2μmの無菌フィルタを通過可能な菌を意味する。
このような第1殺菌機52は、殺菌(SIP(Sterilization in Place))可能であることが好ましい。これにより、第1殺菌機52を定期的に殺菌できる。なお、第1殺菌機52を殺菌する場合、蒸気又は熱水で第1殺菌機52を殺菌しても良い。あるいは、第1殺菌機52が熱に弱い場合には、水殺菌機50を含む循環系44Aにおいて、例えば過酢酸を含む殺菌剤を循環させることにより、第1殺菌機52を殺菌しても良い。この場合、循環系44Aにおいて、殺菌剤を少なくとも10秒以上60分以下循環させても良い。あるいは、水殺菌機50を含む循環系44Aにおいて、酸又はアルカリを含む洗浄剤を循環させることにより、第1殺菌機52を洗浄しながら殺菌を同時に行っても良い。この場合、循環系44Aにおいて、洗浄剤を少なくとも10秒以上60分以下循環させても良い。
循環系44Aにおいて、洗浄剤を循環させる場合、洗浄剤の温度は、40℃以上150℃以下であっても良く、好ましくは、50℃以上100℃未満であっても良い。洗浄剤として酸を用いる場合には、洗浄剤としては、硝酸、リン酸、過酢酸、酢酸、過酸化水素、過硝酸等が用いられても良い。また、アルカリ洗剤は、苛性ソーダ、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤及びキレート剤等を混ぜたアルカリ性薬剤を添加した洗浄液が用いられても良い。循環系44Aにおいて、洗浄剤を循環させる場合、紫外線ランプを点灯させたまま洗浄剤を循環させても良い。洗浄後、循環ライン44に純水を供給し、洗浄剤が循環ライン44から無くなるまで濯ぐと良い。この場合、図示しない濃度計で、循環ライン44内の洗浄剤の濃度を監視しても良い。また、循環ライン44内を濯いだ後、第1無菌フィルタ53等の完全性試験を行っても良い。そして、完全性試験において、フィルタにおける無菌エアのリークが認められない場合に、生産へ移行するようにしても良い。また、上述した水殺菌機50の洗浄・殺菌、濯ぎ、完全性試験及び生産(生産開始から生産終了まで)といった一連の工程において、紫外線ランプを点灯させたまま、水を常に循環させても良い。なお、紫外線ランプを点灯させるタイミングは、少なくとも殺菌工程以降から生産終了までである。これにより、フィルタを通過した菌が、第2水タンク42以降へ流れることを防止できる。
第1無菌フィルタ53は、第1殺菌機52の下流側に設けられている。この第1無菌フィルタ53は、水に残存する菌を捕集することにより、水を除菌する精密濾過フィルタ(MF(Micro-Filtration))である。第1無菌フィルタ53の目開きは、0.1μm以上0.45μm以下であっても良く、0.1μm以上0.22μm以下であることが好ましい。第1無菌フィルタ53の目開きが0.1μm以上であることにより、水の殺菌効率の低下を抑制できる。また、第1無菌フィルタ53の目開きが0.45μm以下であることにより、水に残存する菌を第1無菌フィルタ53によって効果的に捕集できる。一部のウイルスも除去可能な、目開きが0.02μm以上0.1μm以下のフィルタが、第1無菌フィルタ53として使用されても良い。後述するように製品原液を濾過殺菌する場合、第1無菌フィルタ53の目開きは、原液殺菌ライン60の後述する濾過殺菌フィルタ61a(図4C参照)の目開きに合わされていても良い。この場合、第1無菌フィルタ53の目開きと、濾過殺菌フィルタ61aの目開きとの差は、例えば、0μm以上0.8μm以下であっても良い。また、第1無菌フィルタ53の濾過膜(メンブレン)の材質は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、混合セルロース(SCWP)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)又はポリアミド等であっても良い。第1無菌フィルタ53の濾過膜は、内容物の適性に応じて、例えば、逆浸透膜(RO(Reverse Osmosis)膜)であっても良く、限界濾過膜(UF(Ultra-Filtration)膜)であっても良い。
この第1無菌フィルタ53は、殺菌(SIP)可能であることが好ましい。これにより、第1無菌フィルタ53を定期的に殺菌できる。ここで、上述したように、第1無菌フィルタ53は、第1殺菌機52を通過し、水に残存する菌を捕集する。このため、水殺菌機50において長期間水の殺菌を続けると、捕集された菌が第1無菌フィルタ53内で繁殖し得る。また、有機物である菌の死骸が第1無菌フィルタ53等に付着していた場合、菌の死骸が基質になり得る。この場合、菌が第1無菌フィルタ53内で更に繁殖し得る。このように、第1無菌フィルタ53内で繁殖した場合、第1無菌フィルタ53を通過する水内に入り込む可能性がある。これに対して、第1無菌フィルタ53が殺菌可能であることにより、第1無菌フィルタ53に付着した菌が、第1無菌フィルタ53を通過する水内に入り込むことを抑制できる。この結果、第1無菌フィルタ53の濾過性能が低下することを抑制できる。
また、第1無菌フィルタ53は、第1無菌フィルタ53の目開きに対する完全性試験を行うことが可能であることが好ましい。ここで、完全性試験は、例えば、バブルポイント試験によって行われても良い。バブルポイント試験は、以下のようにして行うことができる。例えば、まず、第1無菌フィルタ53内のハウジング(図示せず)に水を供給することにより、第1無菌フィルタ53のフィルタ(図示せず)を水で覆う。次に、水の供給を停止し、第1無菌フィルタ53内の水を排出する。この場合、図示しないブローラインを用いて、第1無菌フィルタ53内の無菌状態を維持したまま排水する。そして、フィルタが水で覆われた第1無菌フィルタ53内の1次側から無菌エアを供給する。次いで、第1無菌フィルタ53の1次側から供給された無菌エアが2次側へ抜けるまで、無菌エアの供給圧力を高める。そして、第1無菌フィルタ53から無菌エアが抜けた際の無菌エアの圧力に基づいて(バブルポイント)、第1無菌フィルタ53の目開きの大きさを判断する。
このように、第1無菌フィルタ53が、第1無菌フィルタ53の目開きに対する完全性試験を行うことが可能であることにより、第1無菌フィルタ53の劣化具合を容易に判断できる。なお、完全性試験は、上述したバブルポイント試験以外に、ディフュージョンフロー試験、又はプレッシャーホールド試験等により行われても良い。
第2殺菌機54は、第1無菌フィルタ53の下流側に設けられている。この第2殺菌機54の構成は、第1殺菌機52と略同一の構成としても良い。すなわち、第2殺菌機54は、紫外線によって水を殺菌する殺菌機であっても良い。
第2無菌フィルタ55は、第2殺菌機54の下流側に設けられている。この第2無菌フィルタ55は、第2殺菌機54を通過し、水に残存する菌を捕集することにより、水を除菌するフィルタである。第2無菌フィルタ55の目開きは、第1無菌フィルタ53の目開きと同等であっても良い。この場合、殺菌機と無菌フィルタとによって構成される殺菌セットを、水の搬送方向に沿って、2セット配置できる。すなわち、第1殺菌機52と第1無菌フィルタ53とによって構成される第1の殺菌セットと、第2殺菌機54と第2無菌フィルタ55とによって構成される第2の殺菌セットとを、水の搬送方向に沿って、直列に配置できる。このため、一方の殺菌セットに何らかの異常が発生した場合であっても、水の無菌性を保証できる。また、第2無菌フィルタ55の目開きが、第1無菌フィルタ53の目開き以下であっても良い。これにより、万が一、水内の菌が第1無菌フィルタ53を通過した場合であっても、第2無菌フィルタ55によって、当該菌を捕集できる。このため、水の無菌性を十分に確保できる。なお、殺菌セットは、水又は最終製品(内容物)の無菌性保証レベル(SAL(Sterility Assurance Level))に合わせて、複数設けられていても良い。また、図示はしないが、殺菌セットの個数は、1つであっても良く、3つ以上であっても良い。
第2無菌フィルタ55の目開きは、0.1μm以上0.45μm以下であっても良く、0.1μm以上0.22μm以下であることが好ましい。第2無菌フィルタ55の目開きが0.1μm以上であることにより、水の殺菌効率の低下を抑制できる。また、第2無菌フィルタ55の目開きが0.45μm以下であることにより、水に残存する菌を第2無菌フィルタ55によって更に効果的に捕集できる。後述するように製品原液を濾過殺菌する場合、第2無菌フィルタ55の目開きは、原液殺菌ライン60の後述する濾過殺菌フィルタ61a(図4C参照)の目開きに合わされていても良い。この場合、第2無菌フィルタ55の目開きと、濾過殺菌フィルタ61aの目開きとの差は、例えば、0μm以上0.8μm以下であっても良い。第2無菌フィルタ55の濾過膜は、例えば、逆浸透膜(RO(Reverse Osmosis)膜)であっても良く、限界濾過膜(UF(Ultra-Filtration)膜)であっても良い。
第2無菌フィルタ55のその他の構成は、第1無菌フィルタ53と略同一の構成としても良い。すなわち、第2無菌フィルタ55は、殺菌(SIP)可能であっても良い。また、第2無菌フィルタ55は、第2無菌フィルタ55の目開きに対する完全性試験を行うことが可能であっても良い。
このような水殺菌機50の処理能力は、製品缶1Aの生産時に必要とされる最大処理能力の105%以上であることが好ましく、製品缶1Aの生産時に必要とされる最大処理能力の110%以上であることがより好ましい。例えば、水殺菌機50の処理能力は、5m3/h以上50m3/h以下であっても良く、一例として、24m3/hであっても良い。また、水殺菌機50の処理能力が、製品缶1Aの生産時に必要とされる最大処理能力の105%以上である場合、製品缶1Aの生産時に、第2水タンク42内に所定の量の水を貯留することもできる。この場合、第2水タンク42の容積を適宜設計することにより、上述した第1無菌フィルタ53等の殺菌(SIP)又は完全性試験時であっても、水を不足させることなく、製品缶1Aの生産及び第1無菌フィルタ53等の殺菌等を行うことができる。なお、第1無菌フィルタ53等の殺菌(SIP)の所要時間及び完全性試験の所要時間は、それぞれ約30分以上約1時間以下である。このため、第2水タンク42の容積は、製品缶1Aを1時間生産する際に、内容物充填システム10において使用される水の量以上としても良い。
次に、原液殺菌ライン60について説明する。原液殺菌ライン60は、製品原液を殺菌する殺菌ラインである。
図4Aに示すように、原液殺菌ライン60は、原液タンク61と、製品原液殺菌機62とを有している。原液タンク61及び製品原液殺菌機62は、製品原液の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。また、原液殺菌ライン60のうち、製品原液殺菌機62の下流側には、流量計F及び無菌バルブVが設けられていても良い。なお、図示はしないが、原液殺菌ライン60の各所には、温度計、圧力計、レベル計及び濃度計等が設置されている。
原液タンク61は、図示しない供給源から供給された製品原液を貯留するタンクである。この原液タンク61は、製品原液を貯留することにより、製品原液の流れを円滑にする役割を果たす。原液タンク61の容積は、0.3m3以上3m3以下であっても良く、一例として、1m3であっても良い。
この原液タンク61の下流側には、製品原液を搬送するためのポンプPが設けられていても良い。また、ポンプPの下流側には、上述した製品原液殺菌機62が設けられている。
製品原液殺菌機62は、原液タンク61に貯留された製品原液を加熱殺菌する殺菌機である。本実施の形態では、製品原液殺菌機62は、超高温加熱処理法によって製品原液を殺菌する殺菌機(Ultra High-temperature、以下、単にUHTと記す)であっても良い。
このUHT62は、第1段加熱部63と、第2段加熱部64と、ホールディングチューブ65と、第1段冷却部66と、第2段冷却部67、第3段冷却部68とを有している。UHT62に供給された製品原液は、第1段加熱部63及び第2段加熱部64によって徐々に加熱され、ホールディングチューブ65内で目標温度まで加熱される。この場合、例えば製品原液は、第1段加熱部63によって60℃以上80℃以下に加熱され、第2段加熱部64によって80℃以上150℃以下に加熱されても良い。また、ホールディングチューブ65内で、製品原液の温度が一定時間保持される。ホールディングチューブ65内を通過した製品原液は、第1段冷却部66、第2段冷却部67及び第3段冷却部68によって徐々に冷却される。なお、加熱部や冷却部の段数は必要に応じて増減される。また、第1段加熱部63と第2段加熱部64との間において、製品原液の圧力損失が高くなり得る。このため、第1段加熱部63と第2段加熱部64との間に、追加のポンプ(図示せず)が設けられていても良い。また、第1段加熱部63と第2段加熱部64との間、又は第1段冷却部66と第2段冷却部67との間等に、製品原液を均質化するためのホモゲナイザーが設けられても良い。
このようなUHT62の処理能力は、3m3/h以上30m3/h以下であっても良く、一例として、6m3/hであっても良い。
また、UHT62のうち、最も高温となる場所(例えば、第2段加熱部64)の温度をモニタリングすることにより、UHT62に付着したスケール(カルシウム等の堆積物)を監視しても良い。そして、UHT62を洗浄(CIP(Cleaning in Place))する際に、スケールの除去状態をモニタリングしても良い。これにより、UHT62を洗浄する洗浄工程の最適化を図ることができる。このため、洗浄時間を短縮できるとともに、洗浄に使用する水、蒸気及び洗浄剤の使用量を低減できる。この結果、内容物充填システム10が排出する二酸化炭素の排出量を低減できる。
なお、UHT62はインジェクション方式でもインフュージョン方式でも良い。また、UHT62の熱交換器等、内容物充填システム10において熱交換を行うために使用される熱交換機は、プレート式でも良く、シェル&チューブ式でも良く、掻き取り式熱交換機でも良く、ジュール加熱(オーミック加熱)でも良い。また、内容物充填システム10において、これらの熱交換器を組み合わせて使用しても良い。
なお、上述した例においては、原液殺菌ライン60が製品原液を加熱殺菌する例について説明したが、これに限られない。原液殺菌ライン60は、加熱、貯留及び濾過の少なくとも1つによって製品原液を殺菌しても良い。例えば、原液殺菌ライン60は、原液タンク61に製品原液を貯留することにより、製品原液を殺菌しても良い。この場合、製品原液は、アルコールを含んでいても良い。これにより、アルコールの殺菌効果によって、製品原液の殺菌処理を行うことができる。また、製品原液を殺菌する際、製品原液は、原液タンク61に一定時間貯留され得る。製品原液の貯留時間は、アルコール濃度に大きく依存する。アルコール濃度が高い場合、貯留時間は、10分以上であっても良い。貯留時間が10分以上であることにより、製品原液の殺菌効果を向上できる。アルコール濃度が低い場合、貯留時間は、24時間以下であっても良い。貯留時間が24時間以下であることにより、製品原液の殺菌時間を短縮できる。
図4Bに示すように、原液殺菌ライン60が貯留によって製品原液を殺菌する場合、原液殺菌ライン60は、製品原液殺菌機62を有していなくても良い。また、製品原液は、原液タンク61とは異なる別のタンク(図示せず)を用いて殺菌されても良い。さらに、製品原液の殺菌を行う際、複数のタンクを用いてバッチ処理することにより、殺菌処理が行われても良い。あるいは、製品原液の殺菌を行う際、製品原液を原液タンク61等に連続的に供給しつつ、製品原液を原液タンク61等に一定時間貯留することにより、殺菌処理が行われても良い。
また、製品原液を濾過殺菌しても品質上の問題がない場合、製品原液の殺菌方法として、濾過殺菌が採用されても良い。この場合、図4Cに示すように、原液殺菌ライン60は、原液タンク61と、濾過殺菌フィルタ61aとを有していても良い。原液タンク61及び濾過殺菌フィルタ61aは、製品原液の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。濾過殺菌フィルタ61aは、上述した第1無菌フィルタ53又は第2無菌フィルタ55と同様の構成を有するフィルタであっても良い。また、原液殺菌ライン60のうち、濾過殺菌フィルタ61aの下流側には、流量計F及び無菌バルブVが設けられていても良い。なお、図示はしないが、原液殺菌ライン60が、製品原液殺菌機62を更に有していても良い。
なお、上述したように、原液殺菌ライン60は、加熱、貯留及び濾過の少なくとも1つによって製品原液を殺菌しても良い。例えば、原液殺菌ライン60は、加熱及び貯留によって製品原液を殺菌しても良く、加熱、貯留及び濾過によって製品原液を殺菌しても良い。また、原液殺菌ライン60は、超高圧殺菌又は他の殺菌方法によって製品原液を殺菌しても良い。
また、図4A乃至図4Cに示すように、原液殺菌ライン60に、循環ライン69が接続されていても良い。この循環ライン69の一端は、無菌バルブVの下流側に接続されていても良く、循環ライン69の他端は、原液タンク61に接続されていても良い。これにより、製品原液を循環させる循環系69Aが構成されていても良い。図4Aに示す例においては、循環系69Aは、原液タンク61、製品原液殺菌機62及び循環ライン69によって、構成されている。図4Bに示す例においては、循環系69Aは、原液タンク61及び循環ライン69によって構成されている。図4Cに示す例においては、循環系69Aは、原液タンク61、濾過殺菌フィルタ61a及び循環ライン69によって構成されている。
なお、循環ライン69には、温度計(図示せず)が設けられていても良い。また、循環ライン69には、製品原液殺菌機62を殺菌する際に、殺菌剤又は洗浄剤の濃度を測定するための濃度計(図示せず)が設けられていても良い。さらに、循環ライン69には、循環ライン69を洗浄及び又は殺菌する際に、殺菌剤等を温めるための昇温装置(熱交換器又はヒーター等(図示せず))が設置されていても良い。
ここで、水殺菌ライン40の配管には、原液殺菌ライン60の配管が、接続されている。そして、流れている水に一定の割合で製品原液が混入されても良い。これにより、充填前に製品原液を水によって希釈する(混ぜる)ことにより、内容物を調合できる。この場合、水殺菌ライン40からの水の流量と、原液殺菌ライン60からの製品原液の流量とをそれぞれ調整可能にするために、水殺菌ライン40の末端及び原液殺菌ライン60の末端に、上述したように、それぞれ無菌バルブVが設けられていても良い。そして、製品原液を水によって希釈する希釈倍率が所定の倍率になるように、無菌バルブVの開閉を調整しても良い。なお、水殺菌ライン40の配管には、原液殺菌ライン60の配管が、垂直に接続されていても良い。また、水殺菌ライン40の配管、及び、水殺菌ライン40の配管と原液殺菌ライン60の配管との交点から後述する貯留タンク16aまでの配管は、一直線上に配置されていても良い。また、水殺菌ライン40の配管と原液殺菌ライン60の配管との交点から後述する貯留タンク16aまでの配管内は、水殺菌ライン40からの供給される水と、原液殺菌ライン60から供給される製品原液とによって、陽圧に保持されている。なお、水、及び/又は製品原液が排水された場合であっても、上述した交点から後述する貯留タンク16aまでの配管が貯留タンク16a又は第2水タンク42と連結されていることにより、当該配管内は、陽圧に保持される。貯留タンク16aには撹拌機が設置されている(図示せず)。
また、水殺菌ライン40の配管と原液殺菌ライン60の配管との交点の下流側には、スタティックミキサー19が設けられていても良い。そして、スタティックミキサー19によって、2液(水及び製品原液)がより均一化されても良い。
スタティックミキサー19の下流側には、調合された内容物を貯留する貯留タンク(いわゆるアセプティックタンク)16aが設けられていても良い。貯留タンク16aには、調合された内容物の濃度を測定する濃度計が設置されていても良い。貯留タンク16aの容積は、0.1m3以上30m3以下であっても良く、一例として、0.3m3であっても良い。なお、図示はしないが、原液殺菌ライン60の配管が水殺菌ライン40の配管に接続されることなく、水殺菌ライン40及び原液殺菌ライン60から貯留タンク16a内に、独立して水及び製品原液が供給されるように構成されていても良い(タンク調合)。
また、図1に示すように、貯留タンク16aの下流側に、内容物を冷却する冷却装置17が設けられていても良い。さらに、冷却装置17の下流側に、冷却された内容物に炭酸を添加する炭酸添加装置18が連結されていても良い。炭酸添加装置18は、いわゆる無菌カーボネータであっても良い。
さらに、炭酸添加装置18の下流側に、炭酸が添加された内容物を貯留する炭酸タンク16bが設けられていても良い。また、炭酸タンク16bの下流に、いわゆる充填機タンク16cが設けられていても良い。この充填機タンク16cは、充填装置70の充填精度を向上させるために、充填装置70の鉛直方向上方に設置されている。さらに、充填機タンク16cは、充填機タンク16cの下流側における内容物の使用量が変化した場合であっても、内容物の円滑な流れを確保する、いわゆるクッションタンクとしての役割を果たしても良い。
このような充填機タンク16cには、調合された内容物の濃度を測定する濃度計が設置されていても良い。充填機タンク16cの容積は、0.1m3以上1m3以下であっても良く、一例として、0.3m3であっても良い。
次に、充填装置70について説明する。充填装置70は、缶1内へ、予め殺菌処理された内容物を充填する装置(フィラー)である。この充填装置70において、空の状態の缶1に対して内容物が充填される。充填装置70は、いわゆるロータリーフィラーであっても良い。この場合、充填装置70において、複数の缶1が回転(公転)されながら、缶1の内部へ内容物が充填される。この内容物は常温で缶1内に充填されても良い。内容物は上述したように予め殺菌処理され、3℃以上40℃以下の常温まで冷まされた上で、缶1内に充填される。
本実施の形態において、充填装置70で充填される内容物は、上述したように、酸性かつ炭酸ガスを含む炭酸飲料である。飲料は、酸性かつアルコール及び炭酸ガスを含んでも良い。本明細書中、「酸性」とは、pH4.6未満、好ましくはpH4.0未満であることをいう。本明細書中、「炭酸飲料」とは、20℃での二酸化炭素圧力が98kPa以上となる飲料をいう。このような飲料は、RTD(Ready To Drink)飲料であっても良い。
RTD飲料としては、例えばチューハイ系飲料、カクテル系飲料、ワインテイスト飲料、リキュール等のアルコール飲料(低アルコール飲料)等、又はビール類、ビールテイスト飲料が挙げられる。
ここでRTD飲料は、RTDの形態の飲料であり、蓋を開けてそのまま飲用されるものである。また、「チューハイ系飲料」とは、チューハイ、又は、チューハイのような味及び香りを呈する飲料であって、飲用の際にチューハイを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。チューハイ系飲料は、例えば、果汁、ウーロン茶等を含有してもよい。
「カクテル系飲料」とは、カクテルのような味、香り及び色彩を呈するものであって、飲用の際にカクテルを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。「ワインテイスト飲料」とは、ワインのような味、香り及び色彩を呈するものであって、飲用の際にワインを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。「ビール」とは、日本の酒税法に定められたもの、すなわち「麦芽、ホップおよび水を原料として発酵させたもの。および麦芽、ホップ、水および米その他政令で定める物品を原料として発酵させたもの(但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の十分の五をこえないものに限る)。」をいう。「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。ビールテイスト飲料としては、例えば、日本の酒税法に定められた発泡酒、その他の醸造酒、リキュールに分類されるものでも良い。飲料に含まれるアルコールの割合(体積濃度)は、1%以上であっても良く、5%以上であっても良い。飲料に含まれるアルコールの割合(体積濃度)は、20%以下であっても良く、10%以下であっても良い。
あるいは、飲料は、酸性かつ炭酸ガスを含むノンアルコール飲料であっても良い。ノンアルコール飲料とは、飲料に含まれるアルコールの割合(体積濃度)1%未満であるが、お酒のような香味を呈する飲料(アルコールテイストの飲料)をいう。
内容物が充填された缶1は、蓋装着装置80により、閉栓される。
蓋装着装置80は、缶1に蓋2を装着することにより、缶1を閉栓する装置(シーマー)である。蓋装着装置80において、水及び製品原液(内容物)が充填された缶1は蓋2により閉じられ、缶1内に外部の空気や微生物が侵入しないように密封される。蓋装着装置80において、そのフランジ1aに蓋2が装着(巻き締め)される。このようにして、缶1に蓋2を装着することにより、製品缶1A(内容物入り容器)が得られる。なお、蓋装着装置80は、シーマーに限らない。例えば、缶1として、リシールが可能なボトル缶等が使用される場合、蓋2として、スクリューキャップが用いられる。この場合、蓋装着装置80として、トルク管理が可能なサーボキャッパが採用されても良い。あるいは、蓋2の種類に応じて、蓋装着装置80として、打栓キャッパ等が採用されても良い。
蓋2は、予め蓋殺菌装置30によって殺菌される。本実施の形態では、蓋殺菌装置30は、殺菌剤を蓋2に噴射することにより、蓋2を殺菌する。これにより、缶1に装着される前に殺菌剤によって蓋2が殺菌される。蓋殺菌装置30は、例えば蓋装着装置80の近傍に配置されている。蓋殺菌装置30において、内容物充填システム10の外部から搬入された蓋2は、予め多数集められ、蓋装着装置80に向かって列になって搬送される。蓋2が蓋装着装置80に向かう途中で、過酸化水素のガス又はミストが蓋2の内外面に向かって吹き付けられた後、ホットエアで乾燥し、殺菌処理される。
図1及び図5に示すように、蓋殺菌装置30は、蓋2に対して殺菌剤を噴霧する第2殺菌剤噴霧部32と、第2殺菌剤噴霧部32で殺菌剤が噴霧された蓋2をエアリンスする第2エアリンス部33とを有している。また、蓋殺菌装置30は、第2殺菌剤噴霧部32の上流側に設けられ、蓋2を加熱する第2加熱部31を更に有していても良い。さらに、蓋殺菌装置30は、第2エアリンス部33の下流側に設けられた第2無菌水リンス部34を更に有していても良い。第2加熱部31、第2殺菌剤噴霧部32、第2エアリンス部33及び第2無菌水リンス部34は、蓋2の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。なお、図5において、蓋2は、矢印の方向へ搬送される。
第2加熱部31は、殺菌剤が吹き付けられる前に、蓋2を加熱(予備加熱)する部分である。第2加熱部31は、蓋2を搬送しながら加熱するように構成されている。この場合、図5に示すように、蓋2は、蓋2同士の間に隙間が形成されるように、いわゆるスクリュー付きシュート等のガイド35によって搬送されても良い。この第2加熱部31には、蓋2に対して加熱エアを吹き付けることにより、蓋2を加熱する第2ホットエアノズル31aが設けられている。この第2ホットエアノズル31aから吹き付けられる加熱エアにより、蓋2は、例えば、表面が40℃以上100℃以下になるように加熱されても良く、表面が50℃以上80℃以下になるように加熱されても良い。蓋2の表面温度が40℃以上であることにより、蓋2の殺菌効果を向上できる。また、蓋2の表面温度が100℃以下であることにより、熱エネルギーの消費を抑え、かつ、二酸化炭素の排出量を低減できる。
第2殺菌剤噴霧部32は、第2加熱部31によって加熱された蓋2に殺菌剤を噴霧することにより、蓋2を殺菌する部分である。第2殺菌剤噴霧部32は、蓋2を搬送しながら殺菌剤を噴霧するように構成されている。この場合においても、蓋2は、蓋2同士の間に隙間が形成されるように、いわゆるスクリュー付きシュート等のガイド35によって搬送されても良い。また、ガイド35を振動させることにより、蓋2同士の間に隙間を設けさせても良い。そして、蓋2同士の間に隙間を設けさせた状態で、蓋2に殺菌剤を付着させても良い。また、第2殺菌剤噴霧部32は、搬送される蓋2に対して殺菌剤を吹き付ける第2噴霧ノズル32aを含んでいる。第2噴霧ノズル32aにおいて、殺菌剤の吐出圧力は0.4MPa以上であっても良い。また、複数の第2噴霧ノズル32aを使用して、蓋2に殺菌剤を付着させても良い。第2殺菌剤噴霧部32が噴霧する殺菌剤としては、例えば過酸化水素水溶液が用いられる。第2殺菌剤噴霧部32においては、過酸化水素水溶液のガス又はミストが生成され、第2噴霧ノズル32aから、ガス又はミストが蓋2の内外面に噴霧される。このように蓋2が過酸化水素水溶液のガス又はミストで殺菌されるので、蓋2の内外面がムラなく殺菌される。
第2殺菌剤噴霧部32において、蓋2に対する殺菌剤の付着量は、蓋2の内面が少なくともエポキシ樹脂、PET樹脂、またはポリ塩化ビニルでコーティングされた場合、0.01μL/cm2以上0.4μL/cm2以下であっても良く、0.03μL/cm2以上0.1μL/cm2以下であっても良い。蓋2に対する殺菌剤の付着量が0.01μL/cm2以上であることにより、蓋2の殺菌効果を向上できる。また、蓋2に対する殺菌剤の付着量が0.03μL/cm2以上であることにより、蓋2の殺菌効果をより向上できる。また、蓋2に対する殺菌剤の付着量が0.4μL/cm2以下であることにより、蓋殺菌装置30を通過した蓋2における殺菌剤の残留を抑制できる。なお、この場合、殺菌剤の過酸化水素の濃度は、35重量%であっても良い。
第2エアリンス部33は、第2殺菌剤噴霧部32において殺菌剤が噴霧された蓋2に無菌の加熱エア又は常温エアを供給する部分である。これにより、過酸化水素の活性化が行われ、かつ、蓋2内から異物、過酸化水素等が除去される。第2エアリンス部33は、蓋2を搬送しながら無菌エアを供給するように構成されている。この場合においても、蓋2は、蓋2同士の間に隙間が形成されるように、いわゆるスクリュー付きシュート等のガイド35によって搬送されても良い。これにより、蓋2内から異物を効果的に除去できる。
なお、必要に応じて、常温の無菌化されたエアに、低濃度の過酸化水素の凝結ミストを混ぜることにより、過酸化水素をガス化させて、蓋2に供給しても良い。また、無菌エアは、空気であっても良く、二酸化炭素又は不活性ガスであっても良い。
第2エアリンス部33は、搬送される蓋2に対して無菌エアを吹き付ける第2エアリンスノズル33aを含んでいる。第2エアリンスノズル33aは、蓋2の内外面に無菌エアを吹き付けても良い。これにより、蓋2の内外面に噴霧された過酸化水素水溶液のガス又はミストがムラなく活性化される。
第2エアリンス部33において、蓋2に対して70℃以上200℃以下の無菌エアが吹き付けられても良い。無菌エアの温度が70℃以上であることにより、蓋2に付着した殺菌剤を効果的に活性化させることができる。また、無菌エアの温度が200℃以下であることにより、二酸化炭素の排出量を低減できる。なお、無菌エアの温度は、第2エアリンスノズル33aから吹き付けられた直後の温度、すなわち、第2エアリンスノズル33aの先端における温度である。
また、無菌エアが吹き付けられた後、蓋2に対する殺菌剤の付着量は、蓋2の内面が少なくともエポキシ樹脂、PET樹脂、またはポリ塩化ビニルでコーティングされた場合、0.00001μL/cm2以上0.01μL/cm2以下であっても良い。蓋2に対する殺菌剤の付着量が0.00001μL/cm2以上であることにより、蓋2の殺菌効果を向上できる。また、蓋2に対する殺菌剤の付着量が0.01μL/cm2以下であることにより、蓋殺菌装置30を通過した蓋2における殺菌剤の残留を抑制できる。
第2無菌水リンス部34は、殺菌剤(過酸化水素)により殺菌された蓋2に対して、無菌水による洗浄を行う部分である。これにより、蓋2に付着した極微量の過酸化水素が洗い流され、かつ、異物が除去される。第2無菌水リンス部34は、蓋2を搬送しながら無菌水を供給するように構成されている。この場合においても、蓋2は、蓋2同士の間に隙間が形成されるように、いわゆるスクリュー付きシュート等のガイド35によって搬送されても良い。これにより、蓋2内から殺菌剤及び異物を効果的に除去できる。第2無菌水リンス部34において、無菌水の温度は、5℃以上100℃以下であっても良い。
このようにして殺菌された蓋2は、上述したように、蓋装着装置80において、缶1のフランジ1aに装着される。このようにして得られた製品缶1Aは、製品缶搬出部11(図1参照)によって、内容物充填システム10の外部へ向けて連続的に搬出される。
図1に示すように、製品缶搬出部11は、製品缶1Aを加温する缶ウォーマ12を含んでいても良い。この缶ウォーマ12は、約5℃の製品缶1Aを、約30℃に加温しても良い。これにより、製品缶1Aを梱包する際に、製品缶1Aの表面に結露が発生することを抑制できる。このため、例えば段ボール等の梱包資材が、結露によって濡れてしまうことを抑制できる。
なお、内容物充填システム10は、第1加熱チャンバ90aと、第1殺菌剤噴霧チャンバ90bと、第1エアリンスチャンバ90cと、第1無菌水リンスチャンバ90dと、充填チャンバ90eと、蓋装着チャンバ90fと、出口チャンバ90gとを有している。第1加熱チャンバ90a、第1殺菌剤噴霧チャンバ90b、第1エアリンスチャンバ90c、第1無菌水リンスチャンバ90d、充填チャンバ90e、蓋装着チャンバ90f及び出口チャンバ90gは、缶1の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。
また、内容物充填システム10は、第2加熱チャンバ90hと、第2殺菌剤噴霧チャンバ90iと、第2エアリンスチャンバ90jと、第2無菌水リンスチャンバ90kとを有している。第2加熱チャンバ90h、第2殺菌剤噴霧チャンバ90i、第2エアリンスチャンバ90j、第2無菌水リンスチャンバ90k、蓋装着チャンバ90f及出口チャンバ90gは、蓋2の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。
各チャンバ90a乃至90kは、それぞれ隔壁によって分離されている。隔壁は、各チャンバ90a乃至90k間で、殺菌剤等が意図しない方向へ流通することを防ぎ、各チャンバ90a乃至90k内の圧力を安定させる役割を果たす。なお、隔壁には、それぞれ缶1又は蓋2が通過できる程度の隙間が形成されている。この隙間は、各チャンバ90a乃至90k内の圧力が変化しないように、最小限、例えば1個分の缶1又は蓋2程度の大きさに形成されている。また、隔壁には、上述した隙間を閉鎖するシャッターが設けられていても良い。このシャッターは、例えば図示しない制御部からの信号により、自動で開閉するように構成されていても良い。さらに、各チャンバ90a乃至90kには、それぞれ圧力計Pgが設けられていても良い(例えば、図2及び図5参照)。
図2に示すように、各チャンバ90a乃至90kのうち、第1加熱チャンバ90aの内部には、第1加熱部21(第1ホットエアノズル21a、21b)が収容されている。また、第1殺菌剤噴霧チャンバ90bの内部には、第1殺菌剤噴霧部22(第1噴霧ノズル22a、22b)が収容されている。また、第1エアリンスチャンバ90cの内部には、第1エアリンス部23(第1エアリンスノズル23a、23b)が収容されている。さらに、第1無菌水リンスチャンバ90dの内部には、第1無菌水リンス部24(第1無菌水リンスノズル24a、24b)が収容されている。また、図2に示すように、第1加熱チャンバ90a及び第1エアリンスチャンバ90cには、無菌エアを供給するための第1無菌エア供給ライン91が接続されている。また、第1加熱チャンバ90a、第1エアリンスチャンバ90c及び第1無菌水リンスチャンバ90dには、各チャンバ90a、90c及び90dの内部の空気を排出する第1排気ライン92が接続されている。第1排気ライン92には、排出した空気を処理する図示しないスクラバーが連結されている。一方、図示された例においては、第1殺菌剤噴霧チャンバ90bには、第1排気ライン92は接続されていない。これにより、第1殺菌剤噴霧チャンバ90b内における殺菌剤のガス濃度の低下を抑制できる。なお、各チャンバ90a乃至90e内の後述する圧力関係を維持できるのであれば、第1殺菌剤噴霧チャンバ90bに第1排気ライン92が接続されていても良い。
再度図1を参照すると、充填チャンバ90eの内部には、充填装置70が収容されている。また、蓋装着チャンバ90fの内部には、蓋装着装置80が収容されている。さらに、出口チャンバ90gの内部には、製品缶搬出部11の図示しないコンベアが収容されている。
図5に示すように、第2加熱チャンバ90hの内部には、第2加熱部31(第2ホットエアノズル31a)が収容されている。また、第2殺菌剤噴霧チャンバ90iの内部には、第2殺菌剤噴霧部32(第2噴霧ノズル32a)が収容されている。また、第2エアリンスチャンバ90jの内部には、第2エアリンス部33(第2エアリンスノズル33a)が収容されている。さらに、第2無菌水リンスチャンバ90kの内部には、第2無菌水リンス部34(第2無菌水リンスノズル34a)が収容されている。また、図5に示すように、第2加熱チャンバ90h及び第2エアリンスチャンバ90jには、無菌エアを供給するための第2無菌エア供給ライン93が接続されている。また、第2加熱チャンバ90h、第2エアリンスチャンバ90j及び第2無菌水リンスチャンバ90kには、各チャンバ90h、90j及び90kの内部の空気を排出する第2排気ライン94が接続されている。第2排気ライン94には、排出した空気を処理する図示しないスクラバーが連結されている。一方、図示された例においては、第2殺菌剤噴霧チャンバ90iには、第2排気ライン94は接続されていない。これにより、第2殺菌剤噴霧チャンバ90i内における殺菌剤のガス濃度の低下を抑制できる。なお、各チャンバ90e、90f、及び90h乃至90k内の後述する圧力関係を維持できるのであれば、第2殺菌剤噴霧チャンバ90iに第2排気ライン94が接続されていても良い。
次に、各チャンバ90a乃至90e内の圧力PA乃至PEの関係について説明する。第1加熱チャンバ90a内の圧力PA、第1殺菌剤噴霧チャンバ90b内の圧力PB、第1エアリンスチャンバ90c内の圧力PC、第1無菌水リンスチャンバ90d内の圧力PD及び充填チャンバ90e内の圧力PEは、以下の関係を満たしていても良い。
0(Pa)≦PA≦PB<PC≦PD<PE
又は
PB≦PA<PC≦PD<PE
この場合、充填チャンバ90e内の圧力PEが、第1無菌水リンスチャンバ90d内の圧力PDよりも高くなる。これにより、第1無菌水リンスチャンバ90d内の空気が、充填チャンバ90e内に入り込むことを抑制できる。このため、充填チャンバ90eの内部の無菌状態を良好に維持できる。
次に、各チャンバ90e、90f、及び90h乃至90k内の圧力PE、PF、PH乃至PKの関係について説明する。充填チャンバ90e内の圧力PE、蓋装着チャンバ90f内の圧力PF、第2加熱チャンバ90h内の圧力PH、第2殺菌剤噴霧チャンバ90i内の圧力PI、第2エアリンスチャンバ90j内の圧力PJ及び第2無菌水リンスチャンバ90k内の圧力PKは、以下の関係を満たしていても良い。
0(Pa)≦PH≦PI<PJ≦PK≦PF<PE
又は
PI≦PH<PJ≦PK≦PF<PE
この場合、充填チャンバ90e内の圧力PEが、蓋装着チャンバ90f内の圧力PFよりも高くなる。これにより、蓋装着チャンバ90f内の空気が、充填チャンバ90e内に入り込むことを抑制できる。このため、充填チャンバ90eの内部の無菌状態を良好に維持できる。また、この場合、蓋装着チャンバ90f内の圧力PFは、第2無菌水リンスチャンバ90k内の圧力PK以上になる。これにより、第2無菌水リンスチャンバ90k内の空気が、蓋装着チャンバ90f内に入り込むことを抑制できる。このため、蓋装着チャンバ90fの内部の無菌状態を良好に維持できる。
図1に示すように、チャンバ90c乃至90g、90j、90kには、それぞれ無菌エア供給装置95が設けられても良い。無菌エア供給装置95は、ブロワ及び除菌フィルタを備えても良い。無菌エア供給装置95のブロワを通過したエアが、除菌フィルタにより除菌される。その後、除菌されたエアは無菌エアとなってチャンバ90c乃至90g、90j、90k内に吹き付けられる。除菌フィルタとしては、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が用いられても良い。
(内容物充填システムの殺菌度の調整方法)
本実施の形態において、内容物充填システム10は、その殺菌度が酸性かつ炭酸ガスを含む飲料に適合するように予め調整されている。内容物充填システム10の殺菌度は、例えば、水殺菌ライン40、原液殺菌ライン60、容器殺菌装置20、蓋殺菌装置30、及び/又は、チャンバ90a乃至90k等の各種条件を設定することにより、調整されても良い。内容物充填システム10の殺菌度とは、内容物充填システム10によって製品缶1Aをどの程度殺菌できるかの度合いをいう。
本実施の形態による内容物充填システム10は、製品缶1Aの無菌性を確保しつつ、殺菌効果が過剰にならないように殺菌度が調整されている。この殺菌度の調整は、例えば内容物充填システム10が完成した直後の初期段階、すなわち実際に内容物充填システム10を用いて缶1への充填を行い製品缶1Aの製造を開始するよりも前に行われても良い。
あるいは、殺菌度の調整は、無菌性に影響を及ぼすおそれが生じた場合に行っても良い。
具体的には、内容物充填システム10における工程又は装置に何らかの変更が生じた場合や、内容物充填システム10を一定期間使用しなかった場合等に行っても良い。あるいは、殺菌度の調整は、無菌性に影響を及ぼすおそれが生じたか否かに関わらず、所定の充填サイクル毎に定期的に行われても良い。
内容物充填システム10によって充填される内容物が酸性かつ炭酸ガスを含む飲料である場合、飲料内で菌が繁殖しにくい。このため、酸性かつ炭酸ガスを含む飲料内で増殖しやすい菌の種類は限られる。したがって、内容物充填システム10の殺菌度を過度に高めなくても製品缶1A内での菌の増殖を抑制できる。この場合、製品缶1A内での菌の増殖の有無を判断する指標菌として、胞子形成酵母を用いる。胞子形成酵母は、酸性かつ炭酸ガスを含む飲料内で増殖しやすいが、相対的に弱い殺菌度でも殺菌できる。胞子形成酵母としては、Saccharomyces cerevisiae、Zygosaccharomyces bailii、Zygosaccharomyces rouxii、Kluyveromyces marxianus、Schizosaccharomyces pombe等が挙げられる。胞子形成酵母としては、特にSaccharomyces cerevisiaeを用いることが好ましい。また、酸性かつ炭酸ガスを含む飲料が腐敗しにくい内容物の場合は、指標菌として、胞子形成酵母に代えて耐熱性乳酸菌(Lactobacillus fructivorans)を用いても良い。
内容物充填システム10は、胞子形成酵母に対する殺菌効果が3LRV(Log Reduction Value)以上12LRV以下となるように殺菌度が調整されている。胞子形成酵母に対する殺菌効果が3LRV以上であれば、酸性かつ炭酸ガスを含む飲料を充填する場合の殺菌度として十分であると判断できる。胞子形成酵母に対する殺菌効果が12LRV以下である場合、内容物充填システム10の殺菌度が過度に高められない。このため、内容物充填システム10における設備、薬剤、エネルギー等に要するコストを抑えられる。殺菌効果の基準としては、FSO(Food Safety Objective、ISO 13409-1996)を用いても良い。内容物充填システム10の、胞子形成酵母に対する殺菌効果は、5LRV以上であっても良く、6LRV以上であっても良く、7LRV以上であっても良い。内容物充填システム10の、胞子形成酵母に対する殺菌効果は、11LRV以下であっても良く、10LRV以下であっても良い。
内容物充填システム10の殺菌度は、例えば、水殺菌ライン40、原液殺菌ライン60、容器殺菌装置20、蓋殺菌装置30、及びチャンバ90a乃至90kの少なくとも1つの殺菌条件を調整することにより、適宜調整できる。例えば、水殺菌ライン40における殺菌条件として、異物除去フィルタ51の目開きや第1殺菌機52の殺菌強度が挙げられる。原液殺菌ライン60における殺菌条件としては、製品原液殺菌機62の殺菌温度や殺菌時間が挙げられる。容器殺菌装置20における殺菌条件としては、ノズルの本数や殺菌剤の噴射量が挙げられる。蓋殺菌装置30における殺菌条件としては、ノズルの本数や殺菌剤の噴射量が挙げられる。チャンバ90a乃至90kにおける殺菌条件としては、無菌エア供給装置95の除菌フィルタの目開きやCOP処理及びSOP処理を行う際の各種条件が挙げられる。
(内容物充填システムの無菌性検証方法)
このように内容物充填システム10を調整した後、内容物充填システム10の無菌性を検証する無菌性検証方法を行っても良い。無菌性検証方法は、内容物充填システム10の個々の要素に対してそれぞれ無菌性が確保されているか否かのテストを個別に行うものである。例えば、缶1や蓋2が正しく殺菌されるか否かのテスト(容器殺菌テスト、蓋殺菌テスト)を行っても良い。
(容器殺菌テスト)
容器殺菌テストは、缶1が正しく殺菌されるか否かを確認するテストである。
容器殺菌テストは、予め缶1に指標菌を付着させた後、容器殺菌装置20を用いて缶1を殺菌し、缶1内に残存する菌数から殺菌効果を確認するものである。具体的には、例えば103、104、105又は106[cfu/g]の指標菌を複数(例えば15~20本)の缶1にそれぞれ付着させる。その後、容器殺菌装置20を用いて複数の缶1の殺菌処理を行う。次に、殺菌処理後の各缶1内に培地を無菌的に分注し、殺菌済みの蓋2を用いて閉栓する。続いて、各缶1における菌の培養状況から殺菌性の有無を評価する。その後、殺菌処理前の付着菌数と生残菌数との対数値を次式により求めて殺菌効果を評価する。
殺菌効果=Log(付着菌数/生残菌数)
この場合、MPN(Most Probable Number)法を用いた統計的手法により各缶1における生残菌数を推定しても良い。
一般的な容器殺菌テストにおいては、缶1に付着させる指標菌としてBacillus atrophaeus胞子を用いている。この場合、指標菌であるBacillus atrophaeus胞子に対する殺菌効果(Log(付着菌数/生残菌数))が6LRV(Log Reduction Value)以上であれば合格としている。これに対して本実施の形態においては、内容物の性質に応じて容器殺菌テストに用いられる指標菌を設定している。本実施の形態において、内容物が酸性かつ炭酸ガスを含む飲料である。この場合、容器殺菌テストにおいて、缶1に付着させる指標菌として胞子形成酵母を用い、殺菌効果が3LRV以上12LRV以下であれば合格とする。これにより、内容物充填システム10の殺菌度を過度に高めなくても、製品缶1A内での菌の増殖を抑制できる。
(蓋殺菌テスト)
蓋殺菌テストは、蓋2が正しく殺菌されるか否かを確認するテストである。
蓋殺菌テストは、予め蓋2に指標菌を付着させた後、蓋殺菌装置30を用いて蓋2を殺菌し、蓋2内に残存する菌数から殺菌効果を確認するものである。具体的には、例えば103、104、105又は106[cfu/g]の指標菌を複数(例えば15~20個)の蓋2にそれぞれ付着させる。その後、蓋殺菌装置30を用いて複数の蓋2の殺菌処理を行う。次に、殺菌処理された缶1内(又は滅菌済み容器)に培地を無菌的に分注し、殺菌処理後の各蓋2を用いて閉栓する(又は滅菌済み容器に蓋2全体を入れる)。続いて、閉栓した缶1を手動又は自動で傾け(あるいは反転させ)、蓋2の内面に培地を確実に接触させる。続いて、各蓋2における指標菌の培養状況から殺菌性の有無を評価する。その後、殺菌処理前の付着菌数と生残菌数との対数値を次式により求めて殺菌効果を評価する。
殺菌効果=Log(付着菌数/生残菌数)
この場合、MPN(Most Probable Number)法を用いた統計的手法により各缶1における生残菌数を推定しても良い。
一般に、蓋殺菌テストにおいて、蓋2に付着させる指標菌としてBacillus atrophaeus胞子を用いている。この場合、指標菌であるBacillus atrophaeus胞子に対する殺菌効果(Log(付着菌数/生残菌数))が6LRV(Log Reduction Value)以上であれば合格としている。これに対して本実施の形態においては、内容物の性質に応じて蓋殺菌テストに用いられる指標菌を設定している。本実施の形態において、内容物が酸性かつ炭酸ガスを含む飲料である。この場合、蓋殺菌テストにおいて、蓋2に付着させる指標菌として胞子形成酵母を用い、殺菌効果が3LRV以上12LRV以下であれば合格とする。これにより、内容物充填システム10の殺菌度を過度に高めなくても、製品缶1A内での菌の増殖を抑制できる。
上記のほか、内容物の供給ラインが正しく昇温されるか否かのテスト(SIP昇温確認テスト)や、チャンバ90a乃至90kが正しく殺菌されるか否かのテスト(チャンバ殺菌テスト)等が行われても良い。
(SIP昇温確認テスト)
SIP昇温確認テストは、SIP(Sterilizing in Place)処理時に内容物の供給ラインが正しく昇温されるか否かを確認するテストである。
SIP処理は、飲料の充填作業に入る前に、予め飲料が通過する流路内を殺菌する処理である。SIP処理は、例えば、予めCIP(Cleaning in Place)処理によって洗浄した流路内に加熱蒸気又は熱水を流すことによって行われる。SIP処理は、原料を供給する経路の管路内から充填装置70の充填ノズルに至るまでの流路に、例えば加熱蒸気又は熱水を流すことにより行われる。これにより、飲料が通過する流路内が殺菌処理され無菌状態とされる。
SIP昇温確認テストは、飲料が通過する流路内を、所定以上の温度を所定時間以上維持できることを確認するテストである。一般に、SIP昇温確認テストは、内容物が通過する流路内が少なくとも121℃以上、好ましくは130℃以上の温度を30分以上維持できれば合格としている。これに対して本実施の形態においては、内容物の性質に応じてSIP昇温確認テストに用いられる時間及び温度の基準値を設定する。具体的には、内容物が酸性かつ炭酸ガスを含む飲料である場合、SIP昇温確認テストは、内容物が通過する流路内が80℃以上の温度を10分以上維持できれば合格とする。またZ値=5℃~10℃を用いて、80℃以上の温度に設定し、殺菌時間を10分より短縮しても良い。
(チャンバ殺菌テスト)
チャンバ殺菌テストは、チャンバ90a乃至90kが正しく殺菌されるか否かを確認するテストである。
チャンバ殺菌テストは、以下のようにして行う。まず、予めチャンバ90a乃至90k内の複数箇所(例えば50箇所以上200箇所以下)にバイオロジカルインジケータ(Biological Indicator:BI)を付着させる。次に、チャンバ90a乃至90kに対して洗浄剤等によるCOP(Cleaning out of Place)処理及び殺菌剤によるSOP(Sterilizing out of Place)処理を行う。COP処理及びSOP処理において、苛性ソーダ、過酸化水素水等の薬液、無菌水等所定の作業流体がチャンバ90a乃至90k内で順に噴霧状又はシャワー状に噴射される。次に、COP処理及びSOP処理されたチャンバ90a乃至90k内における菌の培養状況から殺菌性の有無を評価する。具体的には、バイオロジカルインジケータを液体培地に回収し、所定条件にて培養する。その後、液体培地における生残菌の有無を目視で確認し、全てのバイオロジカルインジケータが陰性であれば合格とする。
(その他の無菌性検証テスト)
このほか、無菌性検証テストとして、(i)除菌フィルタリークテスト、(ii)チャンバ内エア吸引テスト、チャンバー内無菌水散水テスト、(iii)残留殺菌剤濃度測定テスト等を行っても良い。
(i)除菌フィルタリークテストは、無菌エア供給装置95の除菌フィルタを微細粒子が通過しないことを確認するテストである。微細粒子の大きさとしては、例えば0.3μm以上の粒子であっても良い。
(ii)チャンバ内エア吸引テストは、チャンバ90a乃至90k内で吸引したエアに微生物が検出されないことを確認するテストである。チャンバ内無菌水散水テストは、チャンバ90a乃至90k内に散水した無菌水を無菌的に回収し、微生物が検出されないことを確認するテストである。
(iii)残留殺菌剤濃度測定テストは、チャンバ90a乃至90k内に残留する過酸化水素等の殺菌剤の残留濃度が基準値を下回ることを確認するテストである。残留濃度が基準値としては、0.5ppm未満としても良い。
(培地充填テスト)
このようなテストを行った後、缶1の無菌性を総合的に評価する。具体的には、内容物充填システム10に多数の缶1を流し、容器殺菌装置20によって缶1を殺菌する。次いで、各缶1に、実際に充填される内容物に代えて、所定の培地を充填して蓋2により閉栓する。その後、一定期間の経過後に各缶1に充填された培地が腐敗しないことを確認する。
この間、まず外部から検証用の缶1を受け入れる。缶1の本数は予め定められており、例えば1,000本以上100,000本以下、好ましくは10,000本以上60,000本以下の所定の本数とすることができる。
次に、缶1は、容器殺菌装置20に送られる。容器殺菌装置20において、缶1に対して殺菌処理が行われる。次いで、充填装置70において、缶1の口部から缶1内へ所定量の培地が充填される。
充填装置70で缶1に充填される前に、予め培地が調製され、加熱殺菌処理が行われる。この培地の特性は、内容物充填システム10で充填される内容物の特性であって、菌の繁殖に影響を及ぼす特性に合わせられる。例えば、充填される内容物が酸性かつ炭酸ガスを含む飲料である場合、培地としては、酸性かつ炭酸ガスを含むものが用いられる。例えば飲料のpHがpH4.5未満である場合は、培地のpHは、その上限であるpH4.5に調製されていることが好ましい。培地の充填量に関して、培地をポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルやHDPEボトルに充填する場合には、好気性菌が対象となるため、充填量をボトルの半量にするのが一般的である。これに対して、酸性かつ炭酸ガスを含む炭酸飲料が充填される缶1の場合、好気性だけでなく嫌気性の菌も対象になるため、培地の充填量を実際の製品缶1Aに充填される量に合わせた方が良い。
続いて、培地が充填された缶1は、蓋装着装置80に送られる。ここで、蓋2は、予め蓋殺菌装置30によって殺菌される。蓋2は、内容物充填システム10の外部から蓋殺菌装置30に搬入され、過酸化水素のミスト又はガスが吹き付けられて、その内外面が殺菌処理される。次に、蓋2に付着した過酸化水素をホットエアで活性化させつつ除去する。
その後、蓋2を無菌水で洗浄し、蓋装着装置80に送られる。
続いて、この蓋装着装置80において、缶1に蓋殺菌装置30で殺菌された殺菌済みの蓋2を装着する。このようにして、缶1の内部に培地が充填され、口部を蓋2で密栓することにより、検証用缶が得られる。
次に、培地が充填された検証用缶は、製品缶搬出部11から外部へ搬出され、包装工程で箱詰めされる。箱詰めされたケースは、コンベア上で手動又は自動で傾け(あるいは反転させ)缶1の内面に培地を確実に接触させる。その後、複数の検証用缶は、20℃以上40℃以下、好ましくは30℃の所定温度に維持された恒温庫に搬送され、恒温庫で静置されて培養される。
所定期間(好ましくは7日以上、より好ましくは21日以上)の経過後、全ての検証用缶を恒温庫から取り出し、検証用缶内の培地に菌が生残あるいは繁殖しているか否かを検査する。検査においては、検証用缶を開けた破壊検査を行うことが好ましく、具体的には、培地の濁り・沈殿・カビ等が観察されないか、又は培地のpHに変化がないか確認する。この検査の結果、菌が生残あるいは繁殖した検証用缶が所定本数以下(例えば1本未満(ゼロ本))であれば、内容物充填システム10の無菌性が確保されていると判断する。
このように、内容物充填システム10の殺菌度は、内容物の代わりに培地を1,000本以上100,000本以下の缶1にそれぞれ充填し、缶1を所定温度で培養した後、缶1を検査し、菌による腐敗が1本未満となるように予め調整されている。一方、検査の結果、菌が生残あるいは繁殖した検証用缶が所定本数以上(例えば1本以上)あれば、内容物充填システム10の無菌性が不十分であると判断し、対策を講じる。例えば、缶1の搬送及び搬入経路の殺菌を実施したり、あるいは、内容物充填システム10における殺菌条件を調製(強化)したりしても良い。
(内容物充填方法)
次に、上述した内容物充填システム10(図1)を用いた内容物充填方法について、図6及び図7により説明する。なお、以下において、酸性かつ炭酸ガスを含む飲料を缶1に充填して製品缶1Aを製造する方法について説明する。
はじめに、指標菌である胞子形成酵母に対する殺菌効果が3LRV以上12LRV以下となるように、内容物充填システム10の殺菌度を調整する。内容物充填システム10の殺菌度の調整方法は、上述したとおりである。
続いて、殺菌度が調整された内容物充填システム10により、実際に製品缶1Aを製造する。この間、まず、容器殺菌装置20によって、空の缶1に対して殺菌剤である過酸化水素水溶液を用いて殺菌処理が行われる(缶殺菌工程、図6の符号S1)。このとき、まず、缶1が加熱される(予備加熱工程、図7の符号S11)。予備加熱工程では、まず、缶1が、第1加熱部21に送られる。次に、缶1は、第1ホットエアノズル21a、21bからの加熱エアにより、例えば40℃以上100℃以下に加熱される。その後、加熱された缶1は、第1殺菌剤噴霧部22に搬送される。
次に、第1殺菌剤噴霧部22において、缶1に対して殺菌剤が噴霧される(殺菌剤噴霧工程、図7の符号S12)。このとき、殺菌剤は、過酸化水素水溶液を一旦沸点以上で気化させたガス又はミストであっても良い。過酸化水素水溶液のガス又はミストは、缶1の内面及び外面に付着し、缶1の内外面を殺菌する。
次いで、缶1は、第1エアリンス部23に送られる。第1エアリンス部23において、缶1に対して無菌の加熱エア又は常温エアが供給されることにより、過酸化水素の活性化が行われ、かつ、缶1から異物及び過酸化水素等が除去される(エアリンス工程、図7の符号S13)。なお、エアリンス工程において、必要に応じて、無菌の加熱エア又は常温の無菌化されたエアに、低濃度の過酸化水素の凝結ミストを混ぜても良い。この場合、過酸化水素は、無菌エアによってガス化される。そして、エアリンス工程において、ガス化された過酸化水素を缶1に供給しても良い。
続いて、缶1は、第1無菌水リンス部24に送られる。第1無菌水リンス部24において、缶1に対して無菌水による洗浄が行われる(無菌水リンス工程、図7の符号S14)。これにより、缶1に付着した過酸化水素が洗い流され、かつ、異物が除去される。
その後、缶1は、充填装置70に搬送される。
また、蓋殺菌装置30によって、蓋2に対して殺菌剤である過酸化水素水溶液を用いて殺菌処理が行われる(蓋殺菌工程、図6の符号S2)。このとき、缶1の場合と同様に、まず、蓋2が加熱される(予備加熱工程、図7の符号S11)。予備加熱工程では、まず、蓋2が、第2加熱部31に送られる。次に、蓋2は、第2ホットエアノズル31aからの加熱エアにより、例えば40℃以上100℃以下に加熱される。その後、加熱された蓋2は、第2殺菌剤噴霧部32に搬送される。
次に、缶1の場合と同様に、蓋2に対して殺菌剤が噴霧される(殺菌剤噴霧工程、図7の符号S12)。このとき、殺菌剤は、過酸化水素水溶液のガス又はミストであっても良く、過酸化水素水溶液のガス又はミストは、蓋2の内面及び外面に付着し、蓋2の内外面を殺菌する。次に、蓋2は、第2エアリンス部33に送られる。
次いで、缶1の場合と同様に、蓋2に対して無菌の加熱エア又は常温エアが供給されることにより、過酸化水素の活性化が行われ、かつ、蓋2から異物及び過酸化水素等が除去される(エアリンス工程、図7の符号S13)。なお、エアリンス工程において、ガス化された過酸化水素を蓋2に供給しても良い。
続いて、蓋2は、第2無菌水リンス部34に送られる。そして、缶1の場合と同様に、蓋2に対して無菌水による洗浄が行われる(無菌水リンス工程、図7の符号S14)。これにより、蓋2に付着した過酸化水素が洗い流され、かつ、異物が除去される。
その後、蓋2は、蓋装着装置80に搬送される。
また、水殺菌ライン40によって、水を非加熱殺菌する(水殺菌工程、図6の符号S3)。水は、水殺菌ライン40において、紫外線により殺菌されても良い。
さらに、原液殺菌ライン60によって、製品原液を加熱殺菌する(製品原液殺菌工程、図6の符号S4)。
その後、殺菌された水及び殺菌された製品原液は、水殺菌ライン40の配管と原液殺菌ライン60の配管との交点において、混合される。
次に、充填装置70によって、殺菌された缶1に水及び製品原液を充填する(充填工程、図6の符号S5)。この充填装置70において、水及び製品原液によって作製された内容物が、缶1に充填される。
続いて、内容物が充填された缶1は蓋装着装置80に搬送される。
次に、蓋装着装置80によって、水及び製品原液(内容物)が充填された缶1を、殺菌された蓋2により閉栓する(蓋装着工程、図6の符号S6)。これにより、充填装置70から搬送されてきた缶1のフランジ1aに殺菌済みの蓋2が装着される。このようにして、缶1が閉栓され製品缶1Aが得られる。
その後、製品缶1Aは、蓋装着装置80から製品缶搬出部11へ搬送され、内容物充填システム10の外部へ向けて搬出される(缶排出工程、図6の符号S7)。そして、製品缶1Aは、缶ウォーマ12によって加温された後、図示しない包装ラインへと運ばれ、包装される。
なお、上記缶殺菌工程、充填工程、蓋装着工程及び缶排出工程は、第1加熱チャンバ90a、第1殺菌剤噴霧チャンバ90b、第1エアリンスチャンバ90c、第1無菌水リンスチャンバ90d、充填チャンバ90e、蓋装着チャンバ90f及び出口チャンバ90gで囲まれた無菌の雰囲気内、すなわち無菌の環境下で行われる。また、蓋殺菌工程は、第2加熱チャンバ90h、第2殺菌剤噴霧チャンバ90i、第2エアリンスチャンバ90j及び第2無菌水リンスチャンバ90kで囲まれた無菌の雰囲気内、すなわち無菌の環境下で行われる。この場合、各チャンバ90a乃至チャンバ90kは、予め過酸化水素若しくは過酢酸の噴霧(40℃以上80℃以下)、苛性ソーダの噴霧(50℃以上100℃以下)、又は熱水(60℃以上100℃以下)の放水等により、殺菌処理されている。各チャンバが殺菌処理された後、各チャンバは、無菌の加熱エアで乾燥され、常温の無菌エアを供給し、陽圧状態に維持される。
また、水殺菌ライン40及び原液殺菌ライン60は、予め約60℃以上100℃以下の苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤又は硝酸等の酸性薬剤を添加した洗浄剤(0.1%以上5%以下)を使用して、洗浄(CIP)されている。そして、洗浄後に無菌水を用いて流路を濯いだ後に、循環系44A、69Aの管路で水が循環され、無菌保持の状態で待機運転となる。また、下流側の水殺菌ライン40の第2水タンク42の二次側流路、及び貯留タンク16aから充填装置70(充填バルブ先端)までの流路に無菌エアが供給されることにより、無菌状態が保たれている。
ここで、内容物として、酸性かつ炭酸ガスを含む炭酸飲料が缶1に充填される。飲料は、RTD(Ready To Drink)飲料であっても良い。RTD飲料としては、主にアルコール(エチルアルコール)を含む、醸造酒、蒸留酒などを炭酸水で希釈した飲料である。具体的には、チューハイ系飲料、カクテル系飲料、ワインテイスト飲料、リキュール等のアルコール飲料(低アルコール飲料又はアルコールフリー飲料)等、又はビール類(以下、単にビール類等とも示す)が挙げられる。このようなRTD飲料のpHは、一般的に4.6未満である。また、このようなRTD飲料には、アルコールと二酸化炭素とが含まれている。このため、低酸性飲料において危害を加える菌となる細菌芽胞は、RTD飲料においては、殺菌の対象外になる。一方、RTD飲料においては、主に耐熱性を有する酵母及び乳酸菌が、危害を加える菌となる。ここで、RTD飲料において危害を加える菌となる酵母及び乳酸菌は、上述した洗浄(CIP)により、同時に殺菌(SIP)できる(CSIP(Cleaning and Sterilization in Place)。このため、次回の充填工程において、これらの内容物を充填する場合には、上述した洗浄(CIP)洗浄後の殺菌を別で実行しなくても良い。
なお、内容物充填システム10における缶1の生産(搬送)速度は、100cpm以上かつ2500cpm以下とすることが好ましい。ここでcpm(can per minute)とは、1分間当たりの缶1の搬送速度をいう。
以上のように本実施の形態によれば、内容物充填システム10で充填される内容物は、酸性かつ炭酸ガスを含む飲料である。また、内容物充填システム10の殺菌度は、指標菌である胞子形成酵母に対する殺菌効果が3LRV以上12LRV以下となるように予め調整されている。胞子形成酵母は、酸性かつ炭酸ガスを含む飲料内で増殖しやすいが、Bacillus atrophaeus胞子と比較して、相対的に弱い殺菌度でも殺菌できる。このため、内容物充填システム10の殺菌度を過度に高くする必要がない。例えば、水殺菌ライン40、原液殺菌ライン60、容器殺菌装置20、蓋殺菌装置30、及び/又は、チャンバ90a乃至90k等の殺菌条件を、一般的な殺菌条件よりも低減できる。これにより、内容物充填システム10の設備、薬剤、エネルギー等に要するコストを低減できる。例えば、水殺菌ライン40、原液殺菌ライン60、容器殺菌装置20、蓋殺菌装置30、及び/又は、チャンバ90a乃至90kで用いられる殺菌剤の量を低減できる。また、容器殺菌装置20及び/又は蓋殺菌装置30で用いられるホットエアの量やホットエアを吹き付ける時間を低減できる。この結果、内容物充填システム10のランニングコスト、及び二酸化炭素の排出量を低減し、環境負荷の低減に寄与できる。
また、本実施の形態によれば、内容物充填システム10が、缶1を殺菌する容器殺菌装置20と、缶1を閉栓する蓋2を殺菌する蓋殺菌装置30と、水を非加熱殺菌する水殺菌ライン40と、製品原液を殺菌する原液殺菌ライン60と、水殺菌ライン40及び原液殺菌ライン60にそれぞれ接続され、水及び製品原液を、殺菌された缶1に充填する充填装置70と、水及び製品原液が充填された缶1を、殺菌された蓋2により閉栓する蓋装着装置80とを備えている。これにより、水を加熱して殺菌する殺菌機を使用して作製された無菌水によって製品原液を希釈する場合と比較して、内容物を作製する際に排出される二酸化炭素の排出量を低減できる。このため、内容物充填システム10が排出する二酸化炭素の排出量を低減できる。
また、本実施の形態によれば、予め殺菌された缶1、蓋2、水及び製品原液を使用して、製品缶1Aを製造できる。このため、内容物を缶1に充填した後に、製品缶1Aを殺菌する殺菌工程(いわゆる後殺菌)を省略できる。一方、一般的に炭酸入り製品(例えば、炭酸入りアルコール飲料)を製造する場合、低温(約5℃)で充填した後に、パストライザーを使用して缶の中心温度が約65℃となるように、10分程度殺菌している。このため、エネルギーの消費量が多くなるとともに、充填システムが排出する二酸化炭素の排出量が多くなる。また、缶の中心温度が約65℃となるように殺菌することにより、缶の内圧が上昇するため、いわゆる高ガス製品の製造が困難になる可能性がある。また、従来の充填システムでは、パストライザーを設置するため、充填システムが大型化してしまう可能性もある。また、従来の充填システムでは、パストライザーを使用して殺菌するため、内容物内の果汁が熱によって劣化する可能性もある。さらに、従来の充填システムでは、パストライザーを使用して殺菌するため、缶内の圧力が上昇する。このため、缶の軽量化が困難な場合がある。とりわけ、内容物に含まれる炭酸の割合が高い、いわゆる高ガス製品の場合には、缶の軽量化が困難になる可能性が高い。
これに対して本実施の形態では、予め殺菌された缶1、蓋2、水及び製品原液を使用して、製品缶1Aを製造できるため、内容物を缶1に充填した後に、製品缶1Aを殺菌する殺菌工程を省略できる。このため、省エネルギー化を図るとともに、内容物充填システム10が排出する二酸化炭素の排出量を低減できる。また、この場合、製品缶1Aの昇温は、従来のパストライザーによる殺菌温度である約65℃までではなく、缶ウォーマ12による加温温度である約30℃までとなる。これにより、缶1の内圧上昇が抑えられるため、いわゆる高ガス製品の製造も可能となる。また、本実施の形態による内容物充填システム10では、炭酸入り製品を製造する場合であっても、パストライザーの設置が不要となるため、内容物充填システム10の小型化を図ることができる。さらに、本実施の形態による内容物充填システム10では、製品缶1Aを殺菌する殺菌工程を省略できるため、内容物内の果汁の劣化を抑制できるとともに、缶1及び蓋2の軽量化を図ることもできる。
なお、上述した本実施の形態において、容器殺菌装置20が、殺菌剤により缶1を殺菌し、蓋殺菌装置30が、殺菌剤により蓋2を殺菌する例について説明したが、これに限られない。例えば、容器殺菌装置20が、温水により缶1を殺菌しても良く、蓋殺菌装置30が、温水により蓋2を殺菌しても良い。
この場合、図8及び図9に示すように、容器殺菌装置20は、缶1に対して温水を供給する第1温水供給部26を有していても良い。また、容器殺菌装置20は、第1温水供給部26で温水が供給された缶1をエアリンスする第1エアリンス部23を更に有していても良い。言い換えれば、本変形例では、上述した第1エアリンス部23は、第1温水供給部26の下流側に設けられていても良く、容器殺菌装置20が、第1加熱部21及び第1殺菌剤噴霧部22及び第1無菌水リンス部24を有していなくても良い。なお、図9では第1温水供給部26の後に、缶1内の残水除去も兼ねて第1エアリンス部23を設けたが、第1エアリンス部23は、第1温水供給部26の前に設置しても、第1温水供給部26の前後両方に設置しても良い。図9において、缶1は、矢印の方向へ搬送される。
第1温水供給部26は、缶1に温水を噴霧することにより、缶1を殺菌する部分である。第1温水供給部26は、缶1を搬送しながら温水を噴霧するように構成されている。この場合、缶1は、蓋2が装着されるフランジ1aを下に向けた状態で搬送されても良い。
図9に示すように、第1温水供給部26は、搬送される缶1に対して温水を吹き付ける第1温水ノズル26a、26bを含んでいる。このうち、第1温水ノズル26aは、缶1の内面に対して温水を吹き付けるためのノズルである。第1温水ノズル26aは缶1内に挿入しても良く、挿入しなくても良い。第1温水ノズル26bは、缶1の外面に対して温水を吹き付けるためのノズルである。
第1温水供給部26が供給する温水の温度は、70℃以上90℃以下であっても良い。
温水の温度が70℃以上であることにより、缶1の殺菌効果を向上できる。また、温水の温度が90℃以下であることにより、熱エネルギーの消費を抑え、かつ、二酸化炭素の排出量を低減できる。
また、第1温水供給部26において、缶1に対する温水の付着量は、0.1mL/cm2以上0.3mL/cm2以下であっても良い。缶1に対する温水の付着量が0.1mL/cm2以上であることにより、缶1の殺菌効果を向上できる。また、缶1に対する温水の付着量が0.3mL/cm2以下であることにより、温水の使用量を低減できるため、温水を滅菌するための熱エネルギーの消費を抑え、かつ、二酸化炭素の排出量を低減できる。
また、図8及び図10に示すように、蓋殺菌装置30は、蓋2に対して温水を供給する第2温水供給部36を有していても良い。また、蓋殺菌装置30は、第2温水供給部36で温水が供給された蓋2を無菌エアでエアリンスする第2エアリンス部33を更に有していても良い。言い換えれば、本変形例では、上述した第2エアリンス部33は、第2温水供給部36の下流側に設けられていても良く、蓋殺菌装置30が、第2加熱部31及び第2殺菌剤噴霧部32及び第2無菌水リンス部34を有していなくても良い。図10では第2温水供給部36の後に、蓋2の残水除去も兼ねて第2エアリンス部33を設けたが、第2エアリンス部33は、第2温水供給部36の前に設置しても良く、第2温水供給部36の前後両方に設置しても良い。なお、図10において、蓋2は、矢印の方向へ搬送される。
第2温水供給部36は、蓋2に温水を噴霧することにより、蓋2を殺菌する部分である。第2温水供給部36は、蓋2を搬送しながら温水を噴霧するように構成されている。図10に示すように、蓋2は、蓋2同士の間に隙間が形成されるように、いわゆるスクリュー付きシュート等のガイド35によって搬送されても良い。また、ガイド35を振動させることにより、蓋2同士の間に隙間を設けさせても良い。そして、蓋2同士の間に隙間を設けさせた状態で、蓋2に温水を付着させても良い。また、第2温水供給部36は、搬送される蓋2に対して温水を吹き付ける第2温水ノズル36aを含んでいる。第2温水ノズル36aにおいて、温水の吐出圧力は0.1MPa以上であっても良い。また、複数の第2温水ノズル36aを使用して、蓋2に温水を付着させても良い。
第2温水供給部36が供給する温水の温度は、70℃以上90℃以下であっても良い。
温水の温度が70℃以上であることにより、蓋2の殺菌効果を向上できる。また、温水の温度が90℃以下であることにより、熱エネルギーの消費を抑え、かつ、二酸化炭素の排出量を低減できる。
また、第2温水供給部36において、蓋2に対する温水の付着量は、0.1mL/cm2以上0.3mL/cm2以下であっても良い。蓋2に対する温水の付着量が0.1mL/cm2以上であることにより、蓋2の殺菌効果を向上できる。また、蓋2に対する温水の付着量が0.3mL/cm2以下であることにより、温水の使用量を低減できるため、温水を滅菌するための熱エネルギーの消費を抑え、かつ、二酸化炭素の排出量を低減できる。
本変形例では、内容物充填システム10は、第1温水供給チャンバ90mと、第1エアリンスチャンバ90cと、充填チャンバ90eと、蓋装着チャンバ90fと、出口チャンバ90gとを有している。第1温水供給チャンバ90m、第1エアリンスチャンバ90c、充填チャンバ90e、蓋装着チャンバ90f及び出口チャンバ90gは、缶1の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。
また、内容物充填システム10は、第2温水供給チャンバ90n、第2エアリンスチャンバ90jとを有している。第2温水供給チャンバ90n、第2エアリンスチャンバ90j、蓋装着チャンバ90f及出口チャンバ90gは、蓋2の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配設されている。無菌エアが供給されないチャンバ90e、90f、90gには、それぞれ無菌エア供給装置95が設けられても良い。また、チャンバ90fの除菌フィルタの一次側に空気ではなく、窒素ガス又は炭酸ガスを供給しても良い。これにより、缶1のヘッドスペースの酸素濃度を更に低減することが可能である。
このうち、第1温水供給チャンバ90mの内部には、第1温水供給部26(第1温水ノズル26a、26b)が収容されている。また、第2温水供給チャンバ90nの内部には、第2温水供給部36(第2温水ノズル36a)が収容されている。
本変形例では、第1温水供給チャンバ90m内の圧力PM、第1エアリンスチャンバ90c内の圧力PC及び充填チャンバ90e内の圧力PEは、以下の関係を満たしていても良い。
0(Pa)≦PM≦PC<PE
この場合においても、充填チャンバ90e内の圧力PEが、第1エアリンスチャンバ90c内の圧力PCよりも高くなる。これにより、第1エアリンスチャンバ90c内の空気が、充填チャンバ90e内に入り込むことを抑制できる。このため、生産中、充填チャンバ90eの内部の無菌状態を良好に維持できる。
また、充填チャンバ90e内の圧力PE、蓋装着チャンバ90f内の圧力PF、第2温水供給チャンバ90n内の圧力PN及び第2エアリンスチャンバ90j内の圧力PJは、以下の関係を満たしていても良い。
0(Pa)≦PN≦PJ≦PF<PE
この場合においても、充填チャンバ90e内の圧力PEが、蓋装着チャンバ90f内の圧力PFよりも高くなる。これにより、蓋装着チャンバ90f内の空気が、充填チャンバ90e内に入り込むことを抑制できる。このため、充填チャンバ90eの内部の無菌状態を良好に維持できる。また、この場合、蓋装着チャンバ90f内の圧力PFは、第2エアリンスチャンバ90j内の圧力PJ以上になる。これにより、第2エアリンスチャンバ90j内の空気が、蓋装着チャンバ90f内に入り込むことを抑制できる。このため、蓋装着チャンバ90fの内部の無菌状態を良好に維持できる。
本変形例によれば、容器殺菌装置20が、缶1に対して温水を供給する第1温水供給部26を有している。また、第1温水供給部26が供給する温水の温度が、70℃以上90℃以下である。さらに、第1温水供給部26において、缶1に対する温水の付着量が、0.1mL/cm2以上0.3mL/cm2以下である。また、本変形例によれば、蓋殺菌装置30が、蓋2に対して温水を供給する第2温水供給部36を有している。また、第2温水供給部36が供給する温水の温度が、70℃以上90℃以下である。さらに、第2温水供給部36において、蓋2に対する温水の付着量が、0.1mL/cm2以上0.3mL/cm2以下である。これにより、殺菌剤を使用することなく、温水により缶1及び蓋2を殺菌できる。このため、缶1及び蓋2の殺菌コストを低減できる。ここで、上述したように、内容物がビール類等の場合、低酸性飲料において危害を加える菌となる細菌芽胞は、殺菌の対象外になる。このため、殺菌剤を使用することなく、温水をした場合であっても、十分な殺菌効果を得ることができる。
また、本変形例の場合、図11に示すように、温水の熱回収が行われても良い。これにより、温水に起因する二酸化炭素の排出量を低減できる。
温水の熱回収を行う場合、具体的には、まず、図11の実線で示すように、水殺菌ライン40により非加熱殺菌された無菌水を、熱交換器Hで70℃以上90℃以下まで昇温させる。このとき、無菌水は、例えば、15℃以上25℃以下(例えば、20℃)で熱交換器Hに供給される。そして、無菌水は、後述するようにタンクTに回収された温水と熱交換することにより、70℃以上80℃以下(例えば、75℃)まで昇温する。なお、無菌水と熱交換した温水は、70℃以上80℃以下(例えば、75℃)から、25℃以上35℃以下(例えば、30℃)まで降温する。次に、無菌水は、熱交換器Hに供給された蒸気と熱交換することにより、75℃以上85℃以下(例えば、80℃)まで昇温する。なお、無菌水と熱交換した蒸気は、70℃以上80℃以下(例えば、75℃)まで降温する。
その後、昇温された温水は、第1温水供給部26及び第2温水供給部36に供給され、缶1及び/又は蓋2の殺菌に使用される。
次に、缶1及び又は蓋2の殺菌に使用した温水をタンクTに回収する。次いで、タンクTに回収された温水を熱交換器Hの媒体側に戻す。このようにして、温水の熱回収が行われる。これにより、熱エネルギー(二酸化炭素)の大幅な削減できる。また、熱交換後の温水を第1水タンク41に戻すことにより、熱交換後の温水が再利用されても良い。なお、この場合、缶1、各チャンバ、配管等から、温水に異物が混入する可能性がある。このように、再利用する温水に異物が混入した場合であっても、温水中の異物は、水殺菌ライン40の異物除去フィルタ51で除去される。
(他の変形例)
上記実施の形態において、内容物充填システム10で充填される内容物が酸性かつ炭酸ガスを含む飲料である場合を例にとって説明した。これに限らず、内容物充填システム10で充填される内容物は、調味料であっても良い。
調味料としては、例えば、醤油、みりん、ポン酢、だし汁、つけだれ類、めんつゆ等のつゆ類、調理用酒、ドレッシング類、パスタソースやウスターソース等のソース類、ラー油等の辛味調味料類、ケチャップ、マヨネーズ、液状味噌等、液状の調味料が挙げられる。
本変形例において、内容物充填システム10は、その殺菌度が調味料に適合するように予め調整されている。内容物充填システム10の殺菌度は、例えば、水殺菌ライン40、原液殺菌ライン60、容器殺菌装置20、蓋殺菌装置30、及び/又は、チャンバ90a乃至90k等の各種条件を設定することにより、調整されても良い。
本変形例による内容物充填システム10は、製品缶1Aの無菌性を確保しつつ、殺菌効果が過剰にならないように殺菌度が調整されている。内容物充填システム10によって充填される内容物が調味料である場合、塩分濃度やアルコール濃度の影響により調味料内で増殖しやすい菌の種類は限られる。したがって、内容物充填システム10の殺菌度を過度に高めなくても、製品缶1A内での菌の増殖を抑制できる。この場合、製品缶1A内での菌の増殖の有無を判断する指標菌として、耐熱性乳酸菌を用いる。耐熱性乳酸菌は、調味料内で増殖しやすいが、相対的に弱い殺菌度でも殺菌できる。内容物充填システム10は、耐熱性乳酸菌に対する殺菌効果が3LRV(Log Reduction Value)以上12LRV以下となるように殺菌度を調整される。耐熱性乳酸菌に対する殺菌効果が3LRV以上であれば、調味料を充填する場合の殺菌度として十分であると判断できる。耐熱性乳酸菌に対する殺菌効果が12LRV以下である場合、内容物充填システム10の殺菌度が過度に高められていない。このため、内容物充填システム10における設備、薬剤、エネルギー等に要するコストを抑えられる。殺菌効果の基準としては、FSO(Food Safety Objective、ISO 13409-1996)を用いても良い。耐熱性乳酸菌としては、Lactobacillus fructivoransが挙げられる。内容物充填システム10の、耐熱性乳酸菌に対する殺菌効果は、5LRV以上であっても良く、6LRV以上であっても良く、7LRV以上であっても良い。
内容物充填システム10の、耐熱性乳酸菌に対する殺菌効果は、11LRV以下であっても良く、10LRV以下であっても良い。また、調味料の塩分濃度が薄く(浸透圧が低く)、腐敗しやすい内容物の場合は、指標菌として、耐熱性乳酸菌に代えて胞子形成酵母(Saccharomyces cerevisiae)に変更しても良い。
内容物充填システム10の殺菌度は、例えば、水殺菌ライン40、原液殺菌ライン60、容器殺菌装置20、蓋殺菌装置30、及びチャンバ90a乃至90kの少なくとも1つの殺菌条件を調整することにより、適宜調整できる。具体的には、水殺菌ライン40における殺菌条件としては、異物除去フィルタ51の目開きや第1殺菌機52の殺菌強度が挙げられる。原液殺菌ライン60における殺菌条件としては、製品原液殺菌機62の殺菌温度や殺菌時間が挙げられる。容器殺菌装置20における殺菌条件としては、ノズルの本数や殺菌剤の噴射量が挙げられる。蓋殺菌装置30における殺菌条件としては、ノズルの本数や殺菌剤の噴射量が挙げられる。チャンバ90a乃至90kにおける殺菌条件としては、無菌エア供給装置95の除菌フィルタの目開きやCOP処理及びSOP処理を行う際の各種条件が挙げられる。
内容物が調味料である場合、内容物充填システム10の無菌性を検証する無菌性検証方法において、指標菌として耐熱性乳酸菌を用いる。例えば、ボトル殺菌テストにおいて、缶1に付着させる指標菌として耐熱性乳酸菌を用いる。このときの殺菌効果が3LRV以上12LRV以下であれば合格とすることができる。また、キャップ殺菌テストにおいて、蓋2に付着させる指標菌として耐熱性乳酸菌を用いる。このときの殺菌効果(Log(付着菌数/生残菌数))が3LRV(Log Reduction Value)以上12LRV以下であれば合格とすることができる。
上記において、内容物を充填する容器としては、缶1及び蓋2を例にとって説明した。
これに限らず、缶1の代わりに樹脂製容器(ポリエチレンテレフタレート製ボトル、ポリエチレン製ボトル)、ガラス瓶、紙容器、樽等を用いても良い。また蓋2の代わりに樹脂キャップ等を用いても良い。また、缶1及び蓋2等の殺菌は、過酸化水素からなる殺菌剤を用いて行う場合を例にとって説明した。これに限らず、過酢酸等の殺菌剤や電子線を用いて殺菌しても良い。
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。