JP7835002B2 - 駆動装置および電力変換装置 - Google Patents

駆動装置および電力変換装置

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Description

本発明は、駆動装置および電力変換装置に関する。
従来、直列に接続されたスイッチング素子が両方ともオン状態となるアーム短絡を防止する技術として、ターンオン対象のスイッチング素子の動作波形にアーム短絡の兆候が生じることに応じてターンオンを中止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2019-216540号公報
しかしながら、ターンオン対象の素子の動作波形に応じてスイッチングを制御する場合には、ターンオンの中止が間に合わずにアーム短絡が生じてしまう虞がある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、駆動装置が提供される。駆動装置は、第1スイッチング素子の制御端子に流れる端子電流に基づいて、第1スイッチング素子がオン状態およびオフ状態の何れであるかを検出する検出部を備えてよい。駆動装置は、入力される駆動信号に応じて第1スイッチング素子と直列に接続された第2スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動部を備えてよい。駆動装置は、第1スイッチング素子がオン状態であることに応じて、第2スイッチング素子をオフ状態に維持する短絡防止部を備えてよい。
検出部は、端子電流に応じたパラメータを測定する測定部を有してよい。
測定部は、第1スイッチング素子の制御端子に設けられたロゴスキーコイルを有してよい。
検出部は、端子電流に応じたパラメータが第1の基準範囲外となったことに応じて、第1スイッチング素子がオン状態である旨の情報を保持し、端子電流に応じたパラメータが第2の基準範囲外となったことに応じて、第1スイッチング素子がオフ状態である旨の情報を保持するホールド部を有してよい。
端子電流に応じたパラメータは、端子電流によって生じる電圧であってよい。第1の基準範囲は、短絡が生じない状態で第1スイッチング素子がターンオフされる場合に端子電流によって生じる誘起電圧のピーク値よりも大きい上限値を有してよい。第2の基準範囲は、短絡が生じない状態で第1スイッチング素子がターンオンされる場合に端子電流によって生じる誘起電圧のピーク値よりも小さい下限値を有してよい。
短絡防止部は、第1スイッチング素子がオフ状態である場合には、第2スイッチング素子のオンオフを制御する制御信号に応じた駆動信号を駆動部に供給してよい。短絡防止部は、第1スイッチング素子がオン状態である場合には、制御信号に関わらず第2スイッチング素子をオフ状態とする旨の駆動信号を駆動部に供給してよい。
短絡防止部は、第2スイッチング素子をオフにする旨の制御信号と、第1スイッチング素子がオフ状態であると検出部に検出された旨の信号との論理積をとる演算部を有してよい。
駆動装置は制御信号と、駆動信号とが一致するか否かを示す報知信号を出力する出力部を備えてよい。
本発明の第2の態様においては、電力変換装置が提供される。電力変換装置は、直列に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を備えてよい。電力変換装置は、第1の態様の駆動装置を備えてよい。
第1スイッチング素子および第2スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体素子であってよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
実施形態に係る電力変換装置1を示す。 正常時における電力変換装置1の動作波形を示す。 第1スイッチング素子11が故障によりオン状態となる場合の電力変換装置1の動作波形を示す。 誤った内容の制御信号により第1スイッチング素子11がオン状態となる場合の電力変換装置1の動作波形を示す。 誤った内容の制御信号により第2スイッチング素子12がオン状態となる場合の電力変換装置1の動作波形を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る電力変換装置1を示す。なお、図中、白抜きの矢印記号は電圧を示す。
電力変換装置1は、一例としてモータ駆動用または電力供給用に用いられる電力変換装置の1相分を示したものであり、正側電源線101および負側電源線102と、電源出力端子105との接続を切り換えることで、電源出力端子105から変換した電圧を出力する。
ここで、正側電源線101および負側電源線102の間には例えば600~800Vの直流電圧Edが印加される。
電力変換装置1は、第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12と、第1スイッチング素子11に対応付けられた駆動装置2と、第2スイッチング素子12に対応付けられた駆動装置5とを備える。なお、駆動装置2の構成は駆動装置5と同様であるため、説明を省略する。
第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12は、正側電源線101および負側電源線102の間に直列に順次接続されている。第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12の中点には電源出力端子105が接続されてよい。
第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12は、それぞれ駆動装置2および駆動装置5によってオン/オフが切り換えられるスイッチング素子である。第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12は、電力変換装置1における上アームおよび下アームを構成してよい。
第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12の少なくとも一方は、ワイドバンドギャップ半導体素子でよい。ワイドバンドギャップ半導体素子とは、シリコン半導体素子よりもバンドギャップが大きい半導体素子であり、例えばSiC、GaN、ダイヤモンド、窒化ガリウム系材料、酸化ガリウム系材料、AlN、AlGaN、または、ZnOなどを含む半導体素子である。ワイドバンドギャップ半導体素子は、シリコン半導体素子よりもスイッチング速度を向上させることが可能である。
また、本実施例では第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12はMOSFETであり、正側電源線101の側がカソードである寄生ダイオードを有している。なお、第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12はIGBTまたはバイポーラトランジスタなど、他構造の半導体素子を適用することもでき、必要に応じて各々の半導体素子にダイオード、ショットキーバリアダイオード等が逆並列に接続される。
駆動装置5は、入力信号に基づいて第2スイッチング素子12を駆動する。例えば、駆動装置5は駆動装置2と協働し、第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12を交互にオン状態にする場合に、一方の素子をターンオフしてオフ状態に切り替えた後、他方の素子をターンオンする。駆動装置5は、駆動部50と、検出部51と、短絡防止部52と、出力部53とを備える。なお、駆動装置5の各部は、図示しないゲートドライブユニット(GDU)基板上に設けられてよい。
駆動部50は、第2スイッチング素子12の制御端子(ゲート端子とも称する)に接続され、入力される駆動信号に応じて第2スイッチング素子12のゲート端子を駆動する。これにより、第2スイッチング素子12がターンオンまたはターンオフされる。なお、駆動信号は後述の短絡防止部52から駆動部50に入力されてよい。
検出部51は、第1スイッチング素子11の制御端子に流れる端子電流(ゲート電流とも称する)に基づいて、第1スイッチング素子11がオン状態およびオフ状態の何れであるかを検出する。第1スイッチング素子11がオン状態であるとは、第1スイッチング素子11が正常な駆動制御によってオン状態になっていることであってもよいし、第1スイッチング素子11や駆動装置2などに故障が生じることによって第1スイッチング素子11が誤ってオン状態になっていることであってもよい。検出部51は、測定部510と、ホールド部511とを有してよい。
測定部510は、ゲート電流に応じたパラメータを測定する。本実施形態では一例として、ゲート電流に応じたパラメータは、ゲート電流によって生じる電圧であってよい。測定部510は、第1スイッチング素子11のゲート端子に設けられたロゴスキーコイルを有してよく、ゲート電流よって当該ロゴスキーコイルに生じる誘起電圧を測定してよい。測定される誘起電圧はゲート電流の微分値、つまり時間変化率を示してよい。測定部510は、測定結果をホールド部511に供給してよい。
ホールド部511は、測定部510による測定結果に基づいて、第1スイッチング素子11の状態を示す情報を保持する。ホールド部511は、第1スイッチング素子11がオン状態であることが測定部510の測定結果によって示された場合には、第1スイッチング素子11がオフ状態であることが測定部510の測定結果によって示されるまで、第1スイッチング素子11がオン状態であることを示す情報を保持してよい。同様に、ホールド部511は、第1スイッチング素子11がオフ状態であることが測定部510の測定結果によって示された場合には、第1スイッチング素子11がオン状態であることが測定部510の測定結果によって示されるまで、第1スイッチング素子11がオフ状態であることを示す情報を保持してよい。
ホールド部511は、保持する情報に応じた信号を出力してよい。本実施形態では一例として、ホールド部511は、第1スイッチング素子11がオン状態およびオフ状態の何れの状態であるかを示す信号(検出信号とも称する)を短絡防止部52に供給してよい。
短絡防止部52は、正側電源線101および負側電源線102の間の短絡、いわゆるアーム短絡を防止する。短絡防止部52は、第2スイッチング素子12のオンオフを制御する制御信号を外部から受信してよく、第2スイッチング素子12を駆動するための駆動信号を駆動部50に供給してよい。短絡防止部52は、電力変換装置1を制御する制御装置(図示せず)から制御信号を受信してよい。
短絡防止部52は、第1スイッチング素子11がオン状態であることに応じて、第2スイッチング素子12をオフ状態に維持してよい。短絡防止部52は、第1スイッチング素子11がオン状態である場合には、制御信号に関わらず、第2スイッチング素子12をオフ状態とする旨の駆動信号を駆動部50に供給してよい。
また、短絡防止部52は、第1スイッチング素子11がオフ状態である場合には、制御信号に応じた駆動信号を駆動部50に供給してよい。制御信号に応じた駆動信号とは、制御信号で示されるオンオフの制御内容に応じた駆動信号であってよい。例えば、制御信号が第2スイッチング素子12をオン状態とする内容である場合には、短絡防止部52は、第2スイッチング素子12をオン状態とする旨の駆動信号を駆動部50に供給してよい。同様に、制御信号が第2スイッチング素子12をオフ状態とする内容である場合には、短絡防止部52は、第2スイッチング素子12をオフ状態とする旨の駆動信号を駆動部50に供給してよい。本実施形態では一例として、短絡防止部52は、制御信号がハイレベルの場合にはハイレベルの駆動信号を駆動部50に供給し、制御信号がローレベルの場合にはローレベルの駆動信号を駆動部50に供給してよい。
短絡防止部52は、第2スイッチング素子12をオフにする旨の制御信号と、第1スイッチング素子11がオフ状態であると検出部51に検出された旨の信号との論理積をとる演算部520を有してよい。例えば演算部520はANDゲートであってよい。
本実施形態では一例として、制御信号はハイレベルの場合にオンを指示し、ローレベルの場合にオフを指示してよく、検出部51の検出信号は、ハイレベルの場合に第1スイッチング素子11がオン状態であることを示し、ローレベルの場合に第1スイッチング素子11がオフ状態であることを示してよい。この場合に、演算部520は、制御信号と、検出信号の反転信号との論理積をとってよい。演算部520は、演算結果を示す信号を駆動信号として駆動部50に供給してよい。
出力部53は、駆動装置5に供給される制御信号と、駆動部50に供給される駆動信号とが一致するか否かを示す報知信号を出力する。出力部53は、演算部530と、ホールド部531とを有してよい。
演算部530は、XORゲートであってよく、制御信号と、駆動信号との排他的論理和をとってよい。演算部530は、演算結果を示す信号をホールド部531に供給してよい。
ホールド部531は、制御信号と、駆動信号とが異なっていないことが演算部530からの信号によって示されている場合には、異常が生じていない旨を示す情報を保持する。また、ホールド部531は、制御信号と、駆動信号とが異なったことが演算部530からの信号によって少なくとも1時点で示された場合には、異常が生じている旨を示す情報を保持し続ける。ホールド部531は、保持する情報を示す信号を上述の制御装置(図示せず)に供給してよい。これにより、異常が生じている旨の情報がホールド部531に保持される場合には、その旨の報知信号が制御装置に供給される。
以上の電力変換装置1によれば、第1スイッチング素子11がオン状態であることに応じて、第1スイッチング素子11と直列に接続された第2スイッチング素子12がオフ状態に維持される。従って、第1スイッチング素子11がオン状態である場合に第2スイッチング素子12がオン状態になることによるアーム短絡を防止することができる。
また、第2スイッチング素子12のターンオン期間の動作波形にアーム短絡の兆候が生じることに応じて第2スイッチング素子12のターンオンを中止する従来の場合と異なり、スイッチング速度に関わらずアーム短絡を確実に防止することができる。
また、第1スイッチング素子11のゲート電流に基づいて第1スイッチング素子11の状態が検出される。従って、第1スイッチング素子11の素子電圧やゲート電圧に基づいて第1スイッチング素子11の状態を検出する場合と異なり、第2スイッチング素子12の制御電位に応じて絶縁回路などにより検出信号の電位をシフトする必要がない。従って、検出信号の電位をシフトすることによる遅延を無くして検出信号を速やかに伝送することができるため、より確実にアーム短絡を防止することができる。また、ゲート電流よりも大電流となる第1スイッチング素子11の素子電流に基づいて第1スイッチング素子11の状態を検出する場合と比較して測定部510を小型化することができるため、駆動装置5を小型化することができる。また、ゲートドライブユニット(GDU)基板への測定部510の組み込みを容易に行うことができる。
また、第1スイッチング素子11のゲート電流に応じたパラメータが測定されるので、第1スイッチング素子11がオン状態およびオフ状態の何れであるかを確実に検出することができる。
また、第1スイッチング素子11のゲート端子に設けられたロゴスキーコイルを有するので、第1スイッチング素子11のゲート端子から電気的に絶縁された状態でゲート電流に応じたパラメータが測定される。従って、第2スイッチング素子12の制御電位に応じて絶縁回路などにより測定信号の電位をシフトする必要がないため、電位をシフトすることによる遅延を無くして測定信号を速やかに伝送することができる。よって、第1スイッチング素子11がオン状態およびオフ状態の何れであるかを速やかに検出して制御に用いることができる。
また、ロゴスキーコイルはコアを有さないため、コアを有する他の電流センサを用いる場合と比較して、駆動装置5を小型化することができる。また、ゲートドライブユニット(GDU)基板への測定部510の組み込みを容易に行うことができる。
また、第1スイッチング素子11がオフ状態である場合には、第2スイッチング素子12の制御信号に応じた駆動信号が短絡防止部52から駆動部50に供給される。従って、第1スイッチング素子11がオフ状態である場合には、制御信号で指示される通りに第2スイッチング素子12が駆動される。また、第1スイッチング素子11がオン状態である場合には、制御信号に関わらず第2スイッチング素子12をオフ状態とする旨の駆動信号が短絡防止部52から駆動部50に供給される。従って、アーム短絡が生じない場合には第2スイッチング素子12を制御信号に応じて駆動し、アーム短絡が生じる場合には第2スイッチング素子12をオフ状態に維持することができる。
また、短絡防止部52では第2スイッチング素子12をオフにする旨の制御信号と、第1スイッチング素子11がオフ状態であると検出部51に検出された旨の信号との論理積がとられる。従って、第1スイッチング素子11がオン状態およびオフ状態の何れであるかに基づいて、制御信号で指示される通りに第2スイッチング素子12を駆動するか、制御信号に関わらず第2スイッチング素子12をオフ状態に維持するかを確実に切り替えることができる。
また、制御信号と、駆動信号とが一致するか否かを示す報知信号が出力部53から出力される。従って、電力変換装置1に異常が生じていることを報知することができる。
図2は、正常時における電力変換装置1の動作波形を示す。なお、本実施形態では一例として、制御信号および駆動信号は、ハイレベルの場合にオン状態を指示し、ローレベルの場合にオフ状態を指示する。また、検出信号は、ハイレベルの場合に第1スイッチング素子11がオン状態であることを示し、ローレベルの場合に第1スイッチング素子11がオフ状態であることを示す。
まず、時点T1において第1スイッチング素子11に対する制御信号S1_11、ひいては駆動信号(図示せず)がハイレベルとなることに応じて、第1スイッチング素子11のゲート電流Ig_11が増加し、第1スイッチング素子11がターンオンされる。また、ゲート電流Ig_11によって測定部510のロゴスキーコイルに正の誘起電圧Vcoilが発生する。
次に、時点T2において誘起電圧Vcoilが第1の基準範囲外となると、これに応じて、ホールド部511は、第1スイッチング素子11がオン状態である旨の情報を保持する。本実施形態では一例として、第1の基準範囲は上限値V1を有してよく、誘起電圧Vcoilが上限値V1を超えることにより第1の基準範囲外となってよい。上限値V1は、短絡が生じない状態で第1スイッチング素子11がターンオフされる場合にゲート電流によって生じる誘起電圧Vcoilのピーク値Vs1よりも大きくてよい。第1の基準範囲は、0以下の下限値を有してよい。
第1スイッチング素子11がオン状態である旨の情報がホールド部511に保持されると、ホールド部511から出力される検出信号S2_12は、第1スイッチング素子11がオン状態であることを示すハイレベルとなる。これにより、検出信号S2_12の反転信号Inv(S2_12)と、第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12との論理積は制御信号S1_12に関わらずローレベルとなる。その結果、短絡防止部52から第2スイッチング素子12に出力される駆動信号S3_12は、制御信号S1_12に関わらずローレベルとなり、第2スイッチング素子12のターンオンによるアーム短絡が防止される。
なお、第1スイッチング素子11のオン期間内の時点T3でゲート電流Ig_11が減少し始めると、誘起電圧Vcoilが負のピーク値Vs2となる。但し、ピーク値Vs2は、後述の第2の基準範囲内であるため、ホールド部511に保持される情報は変更されない。
次に、時点T5において第1スイッチング素子11に対する制御信号S1_11、ひいては駆動信号(図示せず)がローレベルとなることに応じて、第1スイッチング素子11のゲート電流Ig_11が減少し、第1スイッチング素子11がターンオフされる。また、ゲート電流Ig_11によって測定部510のロゴスキーコイルに負の誘起電圧Vcoilが発生する。
次に、時点T6において誘起電圧Vcoilが第2の基準範囲外となると、これに応じて、ホールド部511は、第1スイッチング素子11がオフ状態である旨の情報を保持する。本実施形態では一例として、第2の基準範囲は下限値V2を有してよく、誘起電圧Vcoilが下限値V2を下回ることにより第2の基準範囲外となってよい。下限値V2は、短絡が生じない状態で第1スイッチング素子11がターンオンされる場合にゲート電流によって生じる誘起電圧Vcoilのピーク値Vs2よりも小さくてよい。第2の基準範囲は、0以上の上限値を有してよい。
第1スイッチング素子11がオフ状態である旨の情報がホールド部511に保持されると、ホールド部511から出力される検出信号S2_12は、第1スイッチング素子11がオフ状態であることを示すローレベルとなる。これにより、検出信号S2_12の反転信号Inv(S2_12)と、第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12との論理積は、制御信号S1_12に応じた信号レベルとなる。その結果、短絡防止部52は、制御信号S1_12に応じた駆動信号S3_12(ここではオフを指示するローレベルの信号)を第2スイッチング素子12に出力する。
なお、第1スイッチング素子11のオフ期間内の時点T7でゲート電流Ig_11が増加し始めると、誘起電圧Vcoilが正のピーク値Vs1となる。但し、ピーク値Vs1は、第1の基準範囲内であるため、ホールド部511に保持される情報は変更されない。
そして、時点T8において第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12がハイレベルになると、短絡防止部52はハイレベルの駆動信号S3_12を第2スイッチング素子12に出力する。これにより、第2スイッチング素子12がターンオンされる。
以上の動作によれば、誘起電圧Vcoilが第1の基準範囲外となったことに応じて第1スイッチング素子11がオン状態である旨の情報がホールド部511に保持され、ゲート電流Ig_11によって生じる誘起電圧Vcoilが第2の基準範囲外となったことに応じて第1スイッチング素子11がオフ状態である旨の情報がホールド部511に保持される。従って、第1スイッチング素子11がオン状態およびオフ状態の何れであるかを、誘起電圧Vcoilの測定によって正確に検出することができる。
また、第1の基準範囲は、短絡が生じない状態で第1スイッチング素子11がターンオフされる場合にゲート端子に生じる誘起電圧Vcoilのピーク値Vs1よりも大きい上限値V1を有する。従って、第1の基準範囲の上限値V1が当該ピーク値Vs1以下である場合と異なり、第1スイッチング素子11がターンオフされた場合の誘起電圧Vcoilによって第1スイッチング素子11がターンオン状態であると誤検出されてしまうのを防止することができる。
また、第2の基準範囲は、短絡が生じない状態で第1スイッチング素子11がターンオンされる場合にゲート端子に生じる誘起電圧Vcoilのピーク値V2よりも小さい下限値V2を有する。従って、第2の基準範囲の下限値V2が当該ピーク値Vs2以上である場合と異なり、第1スイッチング素子11がターンオンされた場合の誘起電圧Vcoilによって第1スイッチング素子11がターンオフ状態であると誤検出されてしまうのを防止することができる。
図3は、第1スイッチング素子11が故障によりオン状態となる場合の電力変換装置1の動作波形を示す。
まず、第1スイッチング素子11および第2スイッチング素子12の両方がオフ状態の期間(デッドタイムとも称する)内の時点T10において、第1スイッチング素子11にゲートソース間短絡などの故障が生じると、第1スイッチング素子11のゲート電流Ig_11が増加して流れ続け、第1スイッチング素子11がターンオンされる。
また、ゲート電流Ig_11によって測定部510のロゴスキーコイルに正の誘起電圧Vcoilが発生し、誘起電圧Vcoilが上限値V1を超えて第1の基準範囲外となる。これに応じて、第1スイッチング素子11がオン状態である旨の情報がホールド部511に保持される結果、ホールド部511から出力される検出信号S2_12がハイレベルとなる。
次に、時点T11において第1スイッチング素子11に対する制御信号S1_11、ひいては駆動信号(図示せず)がハイレベルとなる。但し、本動作例においては、既に第1スイッチング素子11のゲート電流Ig_11が増加し、第1スイッチング素子11がオン状態である旨の情報がホールド部511に保持されているため、この制御信号S1_11により第2スイッチング素子12の制御は影響を受けない。
また、時点T15において第1スイッチング素子11に対する制御信号S1_11、ひいては駆動信号(図示せず)がローレベルとなる。但し、本動作例においては、第1スイッチング素子11の故障によりゲート電流Ig_11が減少せず、第1スイッチング素子11がオン状態に維持される。
そして、時点T18において第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12がハイレベルになる。但し、本動作例では、ホールド部511から出力される検出信号S2_12がハイレベルとなっているため、検出信号S2_12の反転信号Inv(S2_12)と、第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12との論理積はローレベルとなる。その結果、短絡防止部52から第2スイッチング素子12に出力される駆動信号S3_12は、制御信号S1_12に関わらずローレベルとなり、第2スイッチング素子12のターンオンによるアーム短絡が防止される。また、報知信号S4_12がハイレベルとなり、制御信号S1_12と駆動信号S3_12とが一致しない旨が報知される。
図4は、誤った内容の制御信号により第1スイッチング素子11がオン状態となる場合の電力変換装置1の動作波形を示す。
まず、デッドタイム内の時点T20(本動作例では一例として上述の時点T1~T7の後の時点)において制御装置の故障などにより、第1スイッチング素子11に対する制御信号S1_11がハイレベルになると、第1スイッチング素子11のゲート電流Ig_11が増加し、第1スイッチング素子11がターンオンされる。
また、ゲート電流Ig_11によって測定部510のロゴスキーコイルに正の誘起電圧Vcoilが発生し、誘起電圧Vcoilが第1の基準範囲外となる。これに応じて、第1スイッチング素子11がオン状態である旨の情報がホールド部511に保持される結果、ホールド部511から出力される検出信号S2_12がハイレベルとなる。
そして、時点T28において第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12がハイレベルになる。但し、本動作例では、ホールド部511から出力される検出信号S2_12がハイレベルとなっているため、検出信号S2_12の反転信号Inv(S2_12)と、第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12との論理積はローレベルとなる。その結果、短絡防止部52から第2スイッチング素子12に出力される駆動信号S3_12は、制御信号S1_12に関わらずローレベルとなり、第2スイッチング素子12のターンオンによるアーム短絡が防止される。また、報知信号S4_12がハイレベルとなり、制御信号S1_12と駆動信号S3_12とが一致しない旨が報知される。
図5は、誤った内容の制御信号により第2スイッチング素子12がオン状態となる場合の電力変換装置1の動作波形を示す。
まず、第1スイッチング素子11が既にオン状態となっている期間の時点T30(本動作例では一例として上述の時点T1~T3の後の時点)において、制御装置の故障などにより第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12がハイレベルになる。但し、本動作例では、第1スイッチング素子11が既にオン状態であり、ホールド部511から出力される検出信号S2_12がハイレベルとなっているため、検出信号S2_12の反転信号Inv(S2_12)と、第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12との論理積はローレベルとなる。その結果、短絡防止部52から第2スイッチング素子12に出力される駆動信号S3_12は、制御信号S1_12に関わらずローレベルとなり、第2スイッチング素子12のターンオンによるアーム短絡が防止される。また、報知信号S4_12がハイレベルとなり、制御信号S1_12と駆動信号S3_12とが一致しない旨が報知される。
次に、時点T31において第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12がローレベルになる。但し、本動作例においては、既に第2スイッチング素子12がオフ状態であるため、この制御信号S1_12により第2スイッチング素子12の制御は影響を受けない。
次に、時点T35において第1スイッチング素子11に対する制御信号S1_11、ひいては駆動信号(図示せず)がローレベルとなることに応じて、第1スイッチング素子11のゲート電流Ig_11が減少し、第1スイッチング素子11がターンオフされる。また、ゲート電流Ig_11によって測定部510のロゴスキーコイルに負の誘起電圧Vcoilが発生する。
次に、時点T36において誘起電圧Vcoilが第2の基準範囲外となると、これに応じて、第1スイッチング素子11がオフ状態である旨の情報がホールド部511に保持される結果、ホールド部511から出力される検出信号S2_12がローレベルとなる。これにより、検出信号S2_12の反転信号Inv(S2_12)と、第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12との論理積は、制御信号S1_12に応じた信号レベルとなる。
そして、時点T38において第2スイッチング素子12に対する制御信号S1_12がハイレベルになると、短絡防止部52はハイレベルの駆動信号S3_12を第2スイッチング素子12に出力する。これにより、第2スイッチング素子12がターンオンされる。
なお、以上の実施形態においては、駆動装置5は出力部53を有することとして説明したが、出力部53を有しなくてもよい。また、出力部53はホールド部531を有することとして説明したが、ホールド部531を有しなくてもよい。
また、測定部510はロゴスキーコイルを有することとして説明したが、ゲート電流に応じたパラメータを測定する他のセンサを有してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 電力変換装置
2 駆動装置
5 駆動装置
11 第1スイッチング素子
12 第2スイッチング素子
50 駆動部
51 検出部
52 短絡防止部
53 出力部
101 正側電源線
102 負側電源線
105 電源出力端子
510 測定部
511 ホールド部
520 演算部
530 演算部
531 ホールド部

Claims (8)

  1. 第1スイッチング素子の制御端子に流れる端子電流に基づいて、前記第1スイッチング素子がオン状態およびオフ状態の何れであるかを検出する検出部と、
    入力される駆動信号に応じて前記第1スイッチング素子と直列に接続された第2スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動部と、
    前記第1スイッチング素子がオン状態であることに応じて、前記第2スイッチング素子をオフ状態に維持する短絡防止部と、
    を備え、
    前記検出部は、前記端子電流に応じたパラメータが第1の基準範囲外となったことに応じて、前記第1スイッチング素子がオン状態である旨の情報を保持し、前記端子電流に応じたパラメータが第2の基準範囲外となったことに応じて、前記第1スイッチング素子がオフ状態である旨の情報を保持するホールド部を有し、
    前記端子電流に応じたパラメータは、前記端子電流によって生じる電圧であり、
    前記第1の基準範囲は、短絡が生じない状態で前記第1スイッチング素子がターンオフされる場合に前記端子電流によって生じる誘起電圧のピーク値よりも大きい上限値を有し、
    前記第2の基準範囲は、短絡が生じない状態で前記第1スイッチング素子がターンオンされる場合に前記端子電流によって生じる誘起電圧のピーク値よりも小さい下限値を有する、駆動装置。
  2. 第1スイッチング素子の制御端子に流れる端子電流に基づいて、前記第1スイッチング素子がオン状態およびオフ状態の何れであるかを検出する検出部と、
    入力される駆動信号に応じて前記第1スイッチング素子と直列に接続された第2スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動部と、
    前記第2スイッチング素子のオンオフを制御する制御信号を受信すると共に、前記第1スイッチング素子がオフ状態であることに応じて、当該制御信号に応じた前記駆動信号を前記駆動部に供給し、前記第1スイッチング素子がオン状態であることに応じて、前記第2スイッチング素子をオフ状態とする旨の前記駆動信号を前記駆動部に供給して前記第2スイッチング素子をオフ状態に維持する短絡防止部と、
    制御信号と、前記駆動信号とが一致するか否かを示す報知信号を出力する出力部と、
    を備え、
    前記出力部は、前記制御信号と、前記駆動信号とが一致している場合に、異常が生じていない旨を示す情報を保持し、少なくとも一時点で一致しなかった場合に、異常が生じている旨を示す情報を保持するホールド部を有する、駆動装置。
  3. 前記検出部は、前記端子電流に応じたパラメータを測定する測定部を有する、請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記測定部は、前記第1スイッチング素子の前記制御端子に設けられたロゴスキーコイルを有する、請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記短絡防止部は、
    前記第1スイッチング素子がオフ状態である場合には、前記第2スイッチング素子のオンオフを制御する制御信号に応じた前記駆動信号を前記駆動部に供給し、
    前記第1スイッチング素子がオン状態である場合には、前記制御信号に関わらず前記第2スイッチング素子をオフ状態とする旨の前記駆動信号を前記駆動部に供給する、請求項1から4の何れか一項に記載の駆動装置。
  6. 前記短絡防止部は、前記第2スイッチング素子をオフにする旨の前記制御信号と、前記第1スイッチング素子がオフ状態であると前記検出部に検出された旨の信号との論理積をとる演算部を有する、請求項5に記載の駆動装置。
  7. 直列に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子と、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の駆動装置と、
    を備える電力変換装置。
  8. 前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体素子である請求項7に記載の電力変換装置。
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