以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部には同一の符号を付す場合がある。また、各図面において、互いに直交するX方向、Y方向、及びZ方向を規定する場合がある。この場合、X方向において、矢印の始点(根元)側をX-側、矢印の終点(矢尻)側をX+側と称する場合がある。Y方向及びZ方向についても同様であるまた、各図面の説明において、既に説明した構成部と同一の構成部についての説明は省略する場合がある。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図(その1)である。図2は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その1)であり、図1のA-A線に沿う断面を示している。図3は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図(その2)であり、第2抵抗部のパターンを示すために、便宜上図1に示すひずみゲージから第1抵抗部及び電極を除いた状態の図である。
図1~図3を参照すると、ひずみゲージ1は、基材10と、抵抗体30と、電極50とを有している。抵抗体30は、第1抵抗部31と、第2抵抗部32と、スルーホール35とを有している。まずは、ひずみゲージ1を構成する各部について詳細に説明する。
なお、本実施形態では、便宜上、ひずみゲージ1において、基材10の第1抵抗部31が設けられている側を「上側」と称し、第2抵抗部32が設けられている側を「下側」と称する。又、各部位の上側に位置する面を「上面」と称し、各部位の下側に位置する面を「下面」と称する。ただし、ひずみゲージ1は天地逆の状態で用いることもできる。又、ひずみゲージ1は任意の角度で配置することもできる。又、平面視とは、基材10の上面10aに対する上側から下側への法線方向で対象物を視ることを指すものとする。そして、平面形状とは、前記法線方向で対象物を視たときの、対象物の形状を指すものとする。
基材10は、抵抗体30等を形成するためのベース層となる部材である。基材10は可撓性を有する。基材10の下側(より詳しくは、後述する第2抵抗部32の更に下側)には、接着層等を介して起歪体が接合されていてもよい。基材10の厚さは特に限定されず、ひずみゲージ1の使用目的等に応じて適宜決定されてよい。例えば、基材10の厚さは5μm~500μm程度であってよい。なお、起歪体の表面から受感部へのひずみの伝達性、及び、環境変化に対する寸法安定性の観点から考えると、基材10の厚さは5μm~200μmの範囲内であることが好ましい。また、絶縁性の観点から考えると、基材10の厚さは10μm以上であることが好ましい。
基材10は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂、エポキシ樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、LCP(液晶ポリマー)樹脂、ポリオレフィン樹脂等の絶縁樹脂フィルムから形成される。なお、フィルムとは、厚さが500μm以下程度であり、かつ可撓性を有する部材を指す。
基材10が絶縁樹脂フィルムから形成される場合、当該絶縁樹脂フィルムには、フィラーや不純物等が含まれていてもよい。例えば、基材10は、シリカやアルミナ等のフィラーを含有する絶縁樹脂フィルムから形成されてもよい。
基材10の樹脂以外の材料としては、例えば、SiO2、ZrO2(YSZも含む)、Si、Si2N3、Al2O3(サファイヤも含む)、ZnO、ペロブスカイト系セラミックス(CaTiO3、BaTiO3)等の結晶性材料が挙げられる。又、前述の結晶性材料以外に非晶質のガラス等を基材10の材料としてもよい。又、基材10の材料として、アルミニウム、アルミニウム合金(ジュラルミン)、チタン等の金属を用いてもよい。金属を用いる場合、金属製の基材10の上面及び下面を被覆するように絶縁膜が設けられる。
抵抗体30において、第1抵抗部31は、基材10の上側に所定のパターンで形成された薄膜である。又、抵抗体30において、第2抵抗部32は、基材10の下側に所定のパターンで形成された薄膜である。抵抗体30は、ひずみを受けて抵抗変化を生じる受感部である。抵抗体30の詳細な構造については、後述する。
抵抗体30は、例えば、Cr(クロム)を含む材料、Ni(ニッケル)を含む材料、又はCrとNiの両方を含む材料から形成することができる。すなわち、抵抗体30は、CrとNiの少なくとも一方を含む材料から形成することができる。Crを含む材料としては、例えば、Cr混相膜が挙げられる。Niを含む材料としては、例えば、Cu-Ni(銅ニッケル)が挙げられる。CrとNiの両方を含む材料としては、例えば、Ni-Cr(ニッケルクロム)が挙げられる。
ここで、Cr混相膜とは、Cr、CrN、及びCr2N等が混相した膜である。Cr混相膜は、酸化クロム等の不可避不純物を含んでもよい。
抵抗体30の厚さは特に限定されず、ひずみゲージ1の使用目的等に応じて適宜決定されてよい。例えば、抵抗体30の厚さは0.05μm~2μm程度であってよい。特に、抵抗体30の厚さが0.1μm以上である場合、抵抗体30を構成する結晶の結晶性(例えば、α-Crの結晶性)が向上する。また、抵抗体30の厚さが1μm以下である場合、抵抗体30を構成する膜の内部応力に起因する、(i)膜のクラック及び(ii)膜の基材10からの反りが、低減される。
横感度を生じ難くすることと、断線対策とを考慮すると、抵抗体30の幅は10μm以上100μm以下であることが好ましい。更に言えば、抵抗体30の幅は10μm以上70μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であるとより好ましい。抵抗体30において、第1抵抗部31の幅と第2抵抗部32の幅は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
例えば、抵抗体30がCr混相膜である場合、安定な結晶相であるα-Cr(アルファクロム)を主成分とすることで、ゲージ特性の安定性を向上させることができる。又例えば、抵抗体30がCr混相膜である場合、抵抗体30がα-Crを主成分とすることで、ひずみゲージ1のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを-1000ppm/℃~+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。ここで、「主成分」とは、抵抗体を構成する全物質の50重量%以上を占める成分のことを意味する。ゲージ特性を向上させるという観点から考えると、抵抗体30はα-Crを80重量%以上含むことが好ましい。更に言えば、同観点から考えると、抵抗体30はα-Crを90重量%以上含むことがより好ましい。なお、α-Crは、bcc構造(体心立方格子構造)のCrである。
又、抵抗体30がCr混相膜である場合、Cr混相膜に含まれるCrN及びCr2Nは20重量%以下であることが好ましい。Cr混相膜に含まれるCrN及びCr2Nが20重量%以下であることで、ひずみゲージ1のゲージ率の低下を抑制することができる。
又、Cr混相膜におけるCrNとCr2Nとの比率は、CrNとCr2Nの重量の合計に対し、Cr2Nの割合が80重量%以上90重量%未満となるようにすることが好ましい。更に言えば、同比率は、CrNとCr2Nの重量の合計に対し、Cr2Nの割合が90重量%以上95重量%未満となるようにすることがより好ましい。Cr2Nは半導体的な性質を有する。そのため、前述のCr2Nの割合を90重量%以上95重量%未満とすることで、TCRの低下(負のTCR)が一層顕著となる。更に、前述のCr2Nの割合を90重量%以上95重量%未満とすることで抵抗体30のセラミックス化を低減することができる。したがってため、抵抗体30の脆性破壊が起こりにくくすることができる。
一方で、CrNは化学的に安定であるという利点も有する。Cr混相膜にCrNをより多く含むことで、不安定なNが発生する可能性を低減することができるため、安定なひずみゲージを得ることができる。ここで「不安定なN」とは、Cr混相膜の膜中に存在し得る、微量のN2もしくは原子状のNのことを意味する。これらの不安定なNは、外的環境(例えば高温環境)によっては膜外へ抜け出ることがある。不安定なNが膜外へ抜け出るときに、Cr混相膜の膜応力が変化し得る。
電極50は、ひずみにより生じる抵抗体30の抵抗値の変化を外部に出力するための一対の電極である。電極50は、例えば、第1抵抗部31と同様に、基材10の上面10a側に配置されている。電極50は、抵抗体30の両端部と電気的に接続されている。電極50は、平面視において、抵抗体30よりも拡幅して略矩形状に形成されている。図1の例では、一対の電極50のうちY+側に位置する電極50は、最もY+側に位置する第2抵抗部32のX+側の端部にスルーホール35を介して接続されている。また、一対の電極50のうちY-側に位置する電極50は、最もY-側に位置する第2抵抗部32のX+側の端部にスルーホール35を介して接続されている。
電極50には、例えば外部接続用のリード線等が接合される。電極50の上面に、銅等の抵抗の低い金属層、又は、金等のはんだ付け性が良好な金属層を積層してもよい。なお、抵抗体30と電極50とは便宜上別符号としているが、両者は同一工程において同一材料により一体に形成することができる。抵抗体30の両端と各々の電極50との間に、両者を接続する所定パターンの配線である接続部を設けてもよい。
[抵抗体30の詳細]
抵抗体30は、絶縁層である基材10の上面10a側に形成された第1抵抗部31と、基材10の下面10b側に形成された第2抵抗部32と、基材10を貫通し、第1抵抗部31と第2抵抗部32とを電気的に接続するスルーホール35とを含む。言い換えれば、第1抵抗部31と第2抵抗部32は、スルーホール35を介して電気的に接続されている。第1抵抗部31と第2抵抗部32は、スルーホール35で接続されることによって、1対の電極50間を繋ぐ抵抗体30を形成している。
第1抵抗部31は、複数の細長状の第1部分311と、隣接する第1部分311を橋渡しする抵抗調整用パターン312とを含む。抵抗調整用パターン312は、抵抗体30の抵抗値の調整に使用する抵抗調整部である。各々の第1部分311は、長手方向をX方向に向けて所定間隔で並置されている。各々の抵抗調整用パターン312は、隣接する第1部分311を橋渡しすればよく、第1部分311と直交している必要はない。
なお、各々の第1抵抗部31の長手方向がグリッド方向となり、グリッド方向と垂直な方向がグリッド幅方向となる。すなわち、図1の例では、X方向がグリッド方向であり、X方向と直交するY方向がグリッド幅方向である。
ひずみゲージ1において、第1抵抗部31は、互いに離隔して配置された電気的に独立する複数のブロックを含み、第2抵抗部32は、互いに離隔して配置された電気的に独立する複数のブロックを含む。そして、第1抵抗部31を構成するブロックの隣接するブロックの間は、第2抵抗部32を構成するブロックによって直列に接続されている。以下に詳説する。
図1の例では、第1抵抗部31は、Y方向に離隔して配置された4つのブロックA1~A4に分けることができる。ブロックA1には、隣接する2つの第1部分311と、それらを橋渡しする5つの抵抗調整用パターン312が設けられている。ブロックA2、ブロックA3、及びブロックA4についても、ブロックA1と同じ構成である。4つのブロックは、基材10の上面10a側では電気的に接続されていない。このように、抵抗調整用パターン312は、同じブロックの第1抵抗部31同士が隣接している部分(すなわち、隣接する2つの第1部分311)を橋渡しして導通させるように複数個設けることができる。
なお、図1に示す各ブロックの数及び形状等の構成は、図1の例には限定されない。また、各ブロックは、同じ構成にしなくてもよい。例えば、第1抵抗部31を構成する少なくとも1つのブロックにおいて、第1抵抗部31の隣接する第1部分311を橋渡しする複数の抵抗調整用パターン312を含む構成としてもよい。つまり、全てのブロックが抵抗調整用パターン312を含む必要はない。あるいは、図1のように、抵抗調整用パターン312は、第1抵抗部31を構成するブロックそれぞれに複数個ずつ設けられてもよい。何れの場合も、抵抗調整用パターン312を切断することで、抵抗体30の抵抗値を高くする方向の調整が可能となる。ただし、各ブロックにおいて、少なくとも1つの抵抗調整用パターン312は、切断せずに残す必要がある。残した抵抗調整用パターン312は、隣接する第1部分311を折り返す折り返しパターンとして機能する。
第2抵抗部32は、複数の細長状の第2部分321と、複数の折り返しパターン323とを含む。各々の第2部分321は、長手方向をX方向に向けて、所定間隔でY方向に並置されている。各々の折り返しパターン323は、最もY+側及び最もY-側に位置する第2部分321を除き、隣接する第2部分321のX+側の端部同士を接続する。折り返しパターン323は、隣接する第2部分321のX+側の端部同士を接続すればよく、第2部分321と直交している必要はない。
図3の例では、第2抵抗部32は、Y方向に離隔して配置された5つのブロックB1~B5に分けることができる。ブロックB1及びB5には、1つの第2部分321のみが配置されている。ブロックB2には、隣接する2つの第2部分321と、それらのX+側の端部同士を接続する折り返しパターン323が設けられている。ブロックB2において、2つの第2部分321と折り返しパターン323は、直列に接続されている。ブロックB3及びブロックB4についても、ブロックB2と同じ構成である。5つのブロックは、基材10の下面10b側では電気的に接続されていない。
ブロックB1の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA1のY+側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。また、ブロックB2のY+側の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA1のY-側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。
ブロックB2のY-側の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA2のY+側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。また、ブロックB3のY+側の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA2のY-側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。
ブロックB3のY-側の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA3のY+側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。また、ブロックB4のY+側の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA3のY-側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。
ブロックB4のY-側の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA4のY+側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。また、ブロックB5の第2部分321のX-側の端部は、スルーホール35を介して、ブロックA4のY-側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。
また、ブロックB1の第2部分321のX+側の端部は、スルーホール35を介して、Y+側の電極50と接続され、ブロックB5の第2部分321のX+側の端部は、スルーホール35を介して、Y-側の電極50の他方と接続されている。以上の接続により、一対の電極50の間を繋ぐ1つの抵抗体30が形成される。なお、図3に示す各ブロックの数及び形状等の構成は、図3の例には限定されない。また、各ブロックは、同じ構成にしなくてもよい。
なお、ひずみゲージ1の基材10の上面10a及び/又は下面10bにカバー層(絶縁樹脂層)を設けてもよい。カバー層は、基材10の上面10aに、抵抗体30の第1抵抗部31を被覆し電極50を露出するように設けられる。また、カバー層は、基材10の下面10bに、抵抗体30の第2抵抗部32を被覆するように設けられる。カバー層の材料としては、例えば、PI樹脂、エポキシ樹脂、PEEK樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、複合樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂)等の絶縁樹脂が挙げられる。なお、カバー層は、フィラーや顔料を含有しても構わない。カバー層の厚さは、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カバー層の厚さは2μm~30μm程度とすることができる。カバー層を設けることで、抵抗体30に機械的な損傷等が生じることを抑制することができる。又、カバー層を設けることで、抵抗体30を湿気等から保護することができる。
このように、ひずみゲージ1は、第1抵抗部31の隣接する第1部分311を橋渡しする抵抗調整部として抵抗調整用パターン312を有するため、抵抗体30の抵抗値を精度良く調整可能である。例えば、第1抵抗部31を構成する全てのブロックが複数の抵抗調整用パターン312を含む構成では、抵抗体30の抵抗値を細かく調整することができる。
また、第1抵抗部31と第2抵抗部32を、スルーホール35を介して直列に接続することで、基材10の上面10a及び下面10bの面積を増やすことなく抵抗体30の長さを長くすることが可能になる。これにより、本実施形態に係るひずみゲージ1は、同じ大きさの基材を有する従来のひずみゲージよりも、抵抗体30の抵抗値を高くすることができる。つまり、本実施形態によれば、ひずみゲージ1の基材10の面積の増加を抑制しつつ、抵抗体30の抵抗値を高くすることができる。又、抵抗体30の抵抗値を高くすることで、ひずみゲージ1の設計段階における抵抗体30の抵抗値の選択幅が広がる。したがって、本実施形態によれば、製造段階での抵抗値の設計自由度が高いひずみゲージを実現することができる。
なお、本実施形態に係るひずみゲージ1には、基材及び絶縁層を介して3層以上の抵抗部が形成されてもよい。そして、各抵抗部はスルーホールで接続されてもよい。例えば、基材10の下面10bに、第2抵抗部32を被覆する絶縁層を設ける。そして、例えば、ブロックB2~B4において、隣接する第2部分321を接続する折り返しパターン323は、基材10の下面10bに設けず、基材10の下面10bに設けた絶縁層にスルーホールを形成して当該絶縁層の下面に設ける。その際、当該絶縁層の下面に設けた折り返しパターン323の長さを長くすることで、抵抗体の抵抗値をより高くすることができる。
なお、以上の説明では、絶縁層である基材10の両面に第1抵抗部31及び第2抵抗部32を設ける例を示したが、これには限定されない。例えば、基材10上に、基材10とは別の絶縁層を設け、その絶縁層の一方の面側に第1抵抗部31を形成し、他方の面側に第2抵抗部32を形成し、当該絶縁層を貫通し、第1抵抗部31と第2抵抗部32とを電気的に接続するスルーホール35を設けてもよい。この場合も、抵抗調整部として第1抵抗部31の隣接する第1部分311を橋渡しする抵抗調整用パターン312を設けることで、上記と同様の効果が得られる。
[ひずみゲージの製造方法]
以下、ひずみゲージ1の製造方法について説明する。ひずみゲージ1を製造するためには、まず、基材10を準備し、基材10の上面10aに金属層(便宜上、金属層Aとする)を形成する。金属層Aは、最終的にパターニングされて第1抵抗部31及び電極50となる層である。従って、金属層Aの材料や厚さは、前述の第1抵抗部31及び電極50の材料や厚さと同様である。
次に、基材10に、基材10を貫通し金属層Aの表面に達する貫通孔を設ける。貫通孔は、例えば、レーザ加工法やドリル加工法等により設けることができる。次に、基材10の下面10bに金属層(便宜上、金属層Bとする)を形成する。金属層Bは、最終的にパターニングされて第2抵抗部32となる層である。従って、金属層Bの材料や厚さは、前述の第2抵抗部32の材料や厚さと同様である。金属層Bは、貫通孔内にも形成されて金属層Aと導通するスルーホール35となる。
スルーホール35は、金属層A及びBを形成後に設けてもよい。例えば、金属層A及びBを形成後に、金属層A及び基材10を貫通し金属層Bの表面に達する貫通孔を設ける。そして、貫通孔内に導電ペースト等の導電体を充填することで、スルーホール35を形成することができる。
なお、基材10の上面10aに下地層を形成してから金属層Aを形成してもよい。また、基材10の下面10bに下地層を形成してから金属層Bを形成してもよい。例えば、基材10の上面10a及び下面10bのそれぞれに、所定の膜厚の機能層を下地層として成膜してもよい。成膜方法は特に限定されないが、例えばコンベンショナルスパッタ法により、基材10の上面10a及び/又は下面10bに機能層を真空成膜することができる。
本願において、機能層とは、少なくとも上層である金属層A及びB(抵抗体30)の結晶成長を促進する機能を有する層を指す。機能層は、更に、基材10に含まれる酸素又は水分による金属層Aの酸化を防止する機能、及び/又は、基材10と金属層A及びBとの密着性を向上する機能を備えていることが好ましい。機能層は、更に、他の機能を備えていてもよい。
基材10を構成する絶縁樹脂フィルムは酸素や水分を含むことがあり、また、Crは自己酸化膜を形成することがある。そのため、特に金属層A及びBがCrを含む場合、金属層Aの酸化を防止する機能を有する機能層を成膜することが好ましい。
このように、金属層A及びBの下層に機能層を設けることにより、金属層A及びBの結晶成長を促進可能となり、安定な結晶相からなる金属層A及びBを作製することができる。その結果、ひずみゲージ1において、ゲージ特性の安定性が向上する。又、機能層を構成する材料が金属層A及びBに拡散することにより、ひずみゲージ1において、ゲージ特性が向上する。
図4は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その2)である。図4は、第1抵抗部31及び電極50の下地層として機能層20aを設け、第2抵抗部32の下地層として機能層20bを設けた場合のひずみゲージ1の断面形状を示している。
機能層20aの平面形状は、例えば第1抵抗部31の平面形状と略同一にパターニングされてよい。また、機能層20bの平面形状は、例えば第2抵抗部32の平面形状と略同一にパターニングされてよい。しかしながら、機能層20aと第1抵抗部31との平面形状、及び、機能層20bと第2抵抗部32との平面形状はそれぞれ略同一でなくてもよい。例えば、機能層20aが絶縁材料から形成される場合には、機能層20aを第1抵抗部31の平面形状と異なる形状にパターニングしてもよい。この場合、機能層20aは例えば第1抵抗部31が形成されている領域にベタ状に形成されてもよい。或いは、機能層20aは、基材10の上面10a全体にベタ状に形成されてもよい。機能層20bと第2抵抗部32の関係についても同様である。なお、機能層20aと20bは、いずれか片方のみ設けられてもよい。
次に、フォトリソグラフィによって金属層Aをパターニングすることで、図1に示す平面形状の第1抵抗部31及び2つの電極50を形成する。また、フォトリソグラフィによって金属層Bをパターニングすることで、図3に示す平面形状の第2抵抗部32を形成する。
第1抵抗部31、第2抵抗部32、及びスルーホール35を形成後、電極50の間の抵抗体30の抵抗値を測定し、必要に応じて1又は複数の抵抗調整用パターン312をレーザ等により切断し、抵抗体30の抵抗値を所望の値に調整する。
抵抗体30の抵抗値の調整が終了した後、基材10の上面10aにカバー層を形成してもよい。カバー層は第1抵抗部31を被覆するが、電極50はカバー層から露出していてよい。例えば、基材10の上面10aに、第1抵抗部31を被覆し電極50を露出するように、半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートして、その後に当該絶縁樹脂フィルムを加熱して硬化させることにより、カバー層を形成することができる。また、基材10の下面10bに、第2抵抗部32を被覆するカバー層を形成してもよい。以上の工程により、ひずみゲージ1が完成する。
〈第1実施形態の変形例1〉
第1実施形態の変形例1では、抵抗調整部の位置及び形状が第1実施形態とは異なる例を示す。なお、第1実施形態の変形例1では、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明は省略する場合がある。
図5は、第1実施形態の変形例1に係るひずみゲージを例示する平面図である。なお、図5に示すひずみゲージ1Aは、抵抗調整後のひずみゲージである。図5を参照すると、ひずみゲージ1Aは、第1抵抗部31が第1抵抗部31Aに置換された点、及び抵抗調整用スルーホール36が設けられた点において、図1に示したひずみゲージ1と相違する。ひずみゲージ1Aにおいて、第2抵抗部32のパターンは、図3と同様である。抵抗調整用スルーホール36は、第1抵抗部31A及び第2抵抗部32の形成後に、抵抗調整のために開けられるスルーホールである。本変形例では、第1抵抗部31A及び第2抵抗部32の形成後、位置等を調整しつつ抵抗調整用スルーホール36を設ける点が図1に示すひずみゲージ1と異なる。
図5に示す、抵抗調整後のひずみゲージ1Aでは、第1抵抗部31Aは、互いに離隔して配置された電気的に独立する複数のブロックを含み、第2抵抗部32は、互いに離隔して配置された電気的に独立する複数のブロックを含む。そして、第1抵抗部31Aを構成するブロックの隣接するブロックの間は、抵抗調整用スルーホール36及び抵抗調整用スルーホール36を介して接続された第2抵抗部32を構成するブロックによって直列に接続されている。なお、抵抗調整用スルーホール36を介して接続された第2抵抗部32のブロックの折り返しパターン323は、抵抗調整用スルーホール36と並列に接続される。以下に詳説する。
ひずみゲージ1Aにおいて、第1抵抗部31AのブロックA1~A4の各々には、隣接する2つの第1部分311と、それらのX+側の端部同士を接続する折り返しパターン313が設けられている。また、隣接するブロックに属する対向する第1部分311同士を橋渡しするように、抵抗調整部として抵抗調整用スルーホール36が設けられている。
図1に示すひずみゲージ1では、抵抗調整用パターン312は、各ブロックに属する第1部分311同士を橋渡しするように接続していた。これに対して、図5に示すひずみゲージ1Aの抵抗調整用スルーホール36は、ある第1部分311と、当該第1部分311に隣接する第1部分311であって、異なるブロック(すなわち、隣のブロック)に属している第1部分311と、を橋渡しするように接続している。また、抵抗調整用スルーホール36は基材10を貫通して基材10の下面10bまで達する。したがって、ある箇所で、第1部分311同士を橋渡しするように抵抗調整用スルーホール36を形成すると、下面10bにおいて、当該ある箇所と基材10を挟んで丁度反対側に位置する箇所に抵抗調整用スルーホール36が現れる。本実施形態では第1抵抗部31Aの第1部分311と、第2抵抗部32の第2部分321とは平面視において重複しているから、下面10bに生じた抵抗調整用スルーホール36によって、下面10bにおいても、隣接する第2部分321同士が、橋渡しされて接続される。図5の例では、第2部分321は図3と同じ形状をしているため、同じブロック内の第2部分321が橋渡しされることとなる。そして、抵抗調整用スルーホール36によって、第1部分311と第2部分321も接続されることとなる。
このように、第1抵抗部31Aと第2抵抗部32とを電気的に接続するスルーホールのうち少なくとも1つのスルーホールは抵抗調整用スルーホール36であってもよい。抵抗調整用スルーホール36は、当該抵抗調整用スルーホール36を形成することで、第1抵抗部31A同士が隣接している部分を導通させるとともに、第2抵抗部32同士が隣接している部分をも導通させるように設けられる。例えば、抵抗調整用スルーホール36は、当該抵抗調整用スルーホール36を形成することで、異なるブロックの第1抵抗部31A同士が隣接している部分を導通させるとともに、第2抵抗部32同士が隣接している部分をも導通させるように設けられる。なお、図5の例では、同じブロックに属する第2抵抗部32同士が抵抗調整用スルーホール36によって導通させられていたが、抵抗調整用スルーホール36は、異なるブロックに属する第2抵抗部32同士を橋渡しして導通させてもよい。
また、図1に示すひずみゲージ1の抵抗調整用パターン312が基材10の上面10a側に形成された平面的な導体パターンであるのに対し、図5に示すひずみゲージ1Aの抵抗調整用スルーホール36は、前述のように第1部分311を橋渡しするとともに、基材10を貫通している。
また、図1に示すひずみゲージ1では、第1抵抗部31のブロックA1~A4の全てが、スルーホール35を介して、第2抵抗部32のブロックB1~B5の何れかと接続されていた。これに対して、図5に示すひずみゲージ1Aでは、ブロックB1の第2部分321のX-側の端部が、スルーホール35を介して、ブロックA1のY+側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。また、ブロックB5の第2部分321のX-側の端部が、スルーホール35を介して、ブロックA4のY-側の第1部分311のX-側の端部と接続されている。図5では、抵抗調整後のひずみゲージ1Aを示しているが、抵抗調整前のひずみゲージ1Aでは、図5の抵抗調整用スルーホール36は形成されていない。抵抗調整前のひずみゲージ1Aの第1抵抗部31Aと第2抵抗部32は、前述した2つのスルーホール35以外の箇所では接続されていない状態である。
つまり、抵抗調整用スルーホール36を設けていない状態では、第1抵抗部31Aと第2抵抗部32は、1対の電極50間を繋ぐ1つの抵抗体30を形成していない。
言い換えれば、第1抵抗部31Aに抵抗調整用スルーホール36を設ければ、抵抗調整用スルーホール36が、基材10を貫通して第1抵抗部31Aと第2抵抗部32を接続する。これにより、第1抵抗部31Aと第2抵抗部32は、1対の電極50間を繋ぐ1つの抵抗体30を形成することができる。さらに、このように抵抗調整用スルーホール36を設ける際に、各抵抗調整用スルーホール36のX方向の位置を変えることで、抵抗体30の抵抗値の調整が可能である。
抵抗調整用スルーホール36は、第2抵抗部32の折り返しパターン323よりも抵抗値が高いので、電流は、主に図6の矢印で示すルートで流れる。なお、隣接する第1部分311同士を橋渡しする抵抗調整用スルーホール36を設ける代わりに、隣接する第1部分311の各々に、第1部分311と、第1部分311と平面視で重複する第2部分321とを接続するスルーホールを設けても図6と同じ電流ルートとなる。しかしこの場合、2つのスルーホールの形成が必要となる。隣接する第1部分311同士を橋渡しする抵抗調整用スルーホール36を設けることで、スルーホールを形成する工程の簡略化が可能である。
抵抗調整用スルーホール36は、ひずみゲージ1Aの設計段階においてあらかじめ計算しておいた位置に設けることができる。または、抵抗調整用スルーホール36は、ひずみゲージ1Aの製造工程において、抵抗値を確認しながら位置を決めて設けることもできる。あるいは、これらの位置決めの方法を併用してもよい。このように、あらかじめ、及び/又は製造工程で決めた位置に抵抗調整用スルーホール36を形成することで、所望の抵抗値を有するひずみゲージ1Aが得られる。具体的には、抵抗調整用スルーホール36のX方向の位置を変えることで、抵抗体30の抵抗値を下げる調整が可能である。
また、ひずみゲージ1Aにおいて、隣接するブロックに属する第1部分311同士を橋渡しする抵抗調整用スルーホール36以外に、さらに、同じブロックに属する第1部分311同士を橋渡しするように抵抗調整用スルーホール36を設けてもよい。これにより、より細やかな抵抗調整が可能になる。
抵抗調整用スルーホール36は、ひずみゲージ1Aにレーザ光を照射することで形成することができる。レーザ光の照射強度や照射時間を調整して基材10に所定の孔径の貫通孔を形成することで、貫通孔に近接している第1部分311を構成する金属が、レーザ光の熱により溶融して、溶融した金属によって貫通孔の内壁が被覆される。このようにして、抵抗調整用スルーホール36は形成される。この抵抗調整用スルーホール36により、隣接する第1部分311間を導通させることができる。
抵抗調整用スルーホール36を形成する他の方法として、以下の方法も挙げられる。すなわち、基材10に対し、ある第1部分311から、当該ある第1部分311と隣接している第1部分311まで達する程度の孔径の貫通孔を形成してもよい。なお、この場合、レーザ光の照射強度や照射時間は、第1部分311を構成する金属を溶融させられる照射強度及び照射時間でなくてもよい。この場合は、貫通孔内に金属ペースト等を充填することで、隣接する第1部分311間を導通させることができる。この場合の貫通孔の形成には、レーザ光の照射に代えて、ドリル加工等の機械的な手法を採用してもよい。
なお、第1実施形態と第1実施形態の変形例1とは組み合わせることが可能である。例えば、図1に示すひずみゲージ1に、さらに抵抗調整用スルーホール36を設けてもよい。あるいは、図5に示すひずみゲージ1Aに抵抗調整用パターン312を設けてもよい。つまり、ひずみゲージは、抵抗調整部として、抵抗調整用パターン312と抵抗調整用スルーホール36の両方を含んでもよい。
このように、抵抗調整用パターン312と抵抗調整用スルーホール36の両方を設けることで、抵抗調整用パターン312を切断した場合は抵抗体30の抵抗値を上げることができ、抵抗調整用スルーホール36を形成した場合は、抵抗体30の抵抗値を下げることができる。つまり、抵抗体30の抵抗値を上げることも、下げることも可能である。すなわち、抵抗調整用パターン312と抵抗調整用スルーホール36の両方を設けることで、抵抗体30の抵抗値を任意に増減させることができるため、いずれか片方を設けた場合に比べ、抵抗体30の抵抗値の調整幅をより広くすることができる。したがって、より高精度なひずみ検知が可能なひずみゲージを実現することができる。
〈第1実施形態の変形例2〉
第1実施形態の変形例2では、第2抵抗部の一部又は全部が抵抗調整用パターンとなる例を示す。なお、第1実施形態の変形例2では、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明は省略する場合がある。
図7は、第1実施形態の変形例2に係るひずみゲージを例示する平面図(その1)である。図8は、第1実施形態の変形例2に係るひずみゲージを例示する平面図(その2)であり、第2抵抗部のパターンを示すために、便宜上図7から第1抵抗部及び電極を除去した図である。
図7及び図8を参照すると、ひずみゲージ1Bは、第1抵抗部31及び第2抵抗部32が第1抵抗部31B及び第2抵抗部32Bに置換された点において、図1に示したひずみゲージ1と相違する。
ひずみゲージ1Bにおいて、第1抵抗部31Bは、1本の連続するパターンである。また、第2抵抗部32Bは、第1抵抗部31Bとは異なるパターンの1本の連続するパターンである。ひずみゲージ1Bでは、第1抵抗部31Bと第2抵抗部Bとがスルーホール35で接続されて、第2抵抗部32Bの一部又は全部が抵抗調整部となる。以下に詳説する。
ひずみゲージ1Bにおいて、第1抵抗部31Bは、複数の細長状の第1部分311Bと、各々の第1部分311Bの端部を互い違いに接続する折り返しパターン313Bとを含む。各々の第1部分311Bは、長手方向をX方向に向けて所定間隔で並置されている。複数の第1部分311Bは、X方向の長さの異なる第1部分311Bを含んでもよい。また、隣接する第1部分311Bの間隔は、一定でなくてもよい。また、第2抵抗部32Bは、複数の細長状の第2部分321Bと、各々の第2部分321Bの端部を互い違いに接続する折り返しパターン323Bとを含む。各々の第2部分321Bは、長手方向をX方向に向けて所定間隔で並置されている。複数の第2部分321Bは、X方向の長さの異なる第2部分321Bを含んでもよい。また、隣接する第2部分321Bの間隔は、一定でなくてもよい。
ひずみゲージ1Bにおいて、スルーホール35を設ける前の状態では、第1抵抗部31B及び第2抵抗部32Bは各々が1本の連続したパターンであり、互いに電気的に未接続である。第1抵抗部31Bと第2抵抗部32Bは、平面視で部分的に交差する領域及び/又は部分的に重複する領域を備えている。
ひずみゲージ1Bでは、第1抵抗部31Bと第2抵抗部32Bが平面視で部分的に交差する領域及び/又は部分的に重複する領域の何れかの位置に2以上のスルーホール35を設けることで、第1抵抗部31Bと第2抵抗部32Bとをスルーホール35を介して電気的に接続することができる。スルーホール35で第1抵抗部31Bと接続された第2抵抗部32Bは、第1抵抗部31Bの第1部分311Bを橋渡しする。
このように、ひずみゲージ1Bでは、第1抵抗部31Bと第2抵抗部32Bが平面視で部分的に交差する領域及び/又は部分的に重複する領域に設けるスルーホール35の位置及び個数により、抵抗体30の抵抗値を調整することが可能である。すなわち、ひずみゲージ1Bでは、第2抵抗部32Bの一部又は全部が抵抗調整用パターンとして機能する。
スルーホール35は、ひずみゲージ1Bの設計段階においてあらかじめ計算しておいた位置に設けることができる。または、スルーホール35は、ひずみゲージ1Bの製造工程において、抵抗値を確認しながら位置を決めて設けることもできる。あるいは、これらの位置決めの方法を併用してもよい。
なお、第1実施形態の変形例2と第1実施形態及び/又は第1実施形態の変形例1とは組み合わせることが可能である。例えば、図7において、隣接する第1部分311B同士を橋渡しするように抵抗調整用パターン312を設けてもよい。あるいは、図7において、隣接する第1部分311B同士を橋渡しするように抵抗調整用スルーホール36を設けてもよい。あるいは、これらの両方を設けてもよい。
〈第1実施形態の変形例3〉
第1実施形態の変形例3では、第1抵抗部及び第2抵抗部が渦巻き状のパターンである例を示す。なお、第1実施形態の変形例3では、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明は省略する場合がある。
図9は、第1実施形態の変形例3に係るひずみゲージを例示する平面図(その1)である。図10は、第1実施形態の変形例3に係るひずみゲージを例示する平面図(その2)であり、第2抵抗部のパターンを示すために、便宜上図9から第1抵抗部及び電極を除去した図である。
図9及び図10を参照すると、ひずみゲージ1Cは、第1抵抗部31及び第2抵抗部32が第1抵抗部31C及び第2抵抗部32Cに置換された点において、図1に示したひずみゲージ1と相違する。
図9に示すように、ひずみゲージ1Cにおいて、第1抵抗部31Cは、平面視において、渦巻き状にパターニングされている。第1抵抗部31Cは、一対の電極50の間を接続する1本の連続するパターンである。ここでは、便宜上、一方の電極50から折り返しパターン313Cまでを第1部分311C、折り返しパターン313Cから他方の電極50までを第2部分312Cと称する。なお、図9では、便宜上、第1部分311C、第2部分312C、及び折り返しパターン313Cを互いに異なる梨地模様で示している。
第1部分311Cは、一方の電極50から延伸して時計回りに外周側から中心側に渦巻き状にパターニングされ、折り返しパターン313Cに至る。第2部分312Cは、折り返しパターン313Cから延伸して反時計回りに中心側から外周側に渦巻き状にパターニングされ、他方の電極50に至る。
第1部分311Cと第2部分312Cは、原則として交互に配置される。すなわち、折り返しパターン313C近傍の一部分を除き、第1部分311Cの隣は必ず第2部分312Cであり、第2部分312Cの隣は必ず第1部分311Cである。折り返しパターン313C近傍の一部分を除き、第1部分311C同士、又は第2部分312C同士が隣接することはない。
図10に示すように、ひずみゲージ1Cにおいて、第2抵抗部32Cは、第1抵抗部31Cと同一パターンであり、平面視で第1抵抗部31Cと重複する位置に形成されている。第2抵抗部32Cは、第3部分321Cと、第4部分322Cと、折り返しパターン323Cとを含む。第2抵抗部32Cは、両方の端部近傍において、スルーホール35を介して第1抵抗部31Cと電気的に接続されている。
図11は、ひずみゲージ1Cにおける抵抗値の調整について説明する図である。図11に示すように、隣接する第1部分311Cと第2部分312Cとを橋渡しするように、1又は複数の抵抗調整部314Cを設けることができる。抵抗調整部314Cの位置及び個数は、必要な抵抗調整範囲を考慮して任意に設定することができる。図11では、一例として、11個の抵抗調整部314Cが設けられており、便宜上、11個の抵抗調整部314Cに、折り返しパターン313Cに近い側から1~11の数値を記載している。
抵抗調整部314Cは、例えば、基材10を貫通する抵抗調整用スルーホールである。抵抗調整部314Cは、抵抗調整用スルーホールを構成する導体が隣接する第1部分311Cと第2部分312Cに達するような大きさに形成される。これにより、隣接する第1部分311Cと第2部分312Cとが導通すると共に、平面視で重複する位置にある第3部分321Cと第4部分322Cとも導通する。これにより、抵抗体30の抵抗値を低くする方向に調整可能となる。
抵抗調整部314Cは、隣接する第1部分311Cと第2部分312Cとが導通するように、あらかじめ基材10の上面10a側に形成された平面的な抵抗調整用パターンであってもよい。この場合には、任意の抵抗調整用パターンをレーザ等で切断することで、抵抗体30の抵抗値を高くする方向の調整が可能となる。
もちろん、抵抗調整部314Cとして、抵抗調整用スルーホールと抵抗調整用パターンの両方を設けてもよい。この構成により、抵抗調整用パターンの切断により、抵抗体30の抵抗値を高くすることができる。また、抵抗調整用スルーホールの形成により、抵抗体30の抵抗値を低くすることができる。抵抗体30の抵抗値を任意で上下させることができるため、抵抗調整の自由度が向上する。したがって、高精度なひずみ検知が可能なひずみゲージを実現することができる。
抵抗調整部314Cは、あらかじめ設計的に計算された位置に設けることができる。抵抗調整部314Cが抵抗調整用スルーホールである場合、抵抗調整部314Cは、ひずみゲージ1Cの製造工程において、抵抗値を確認しながら位置を決めて設けてもよい。あるいは、これらを併用してもよい。
第1抵抗部31Cや第2抵抗部32Cのような渦巻き状のパターンは、中心から同心円状に引張と圧縮のひずみ分布が生じるような測定対象物に対して有効である。すなわち、第1抵抗部31Cや第2抵抗部32Cを渦巻き状のパターンとすることで、同心円全周のひずみを検知することができ、微小なひずみを効率よく検知することができる。
なお、第1抵抗部31Cや第2抵抗部32Cは角形渦巻き状には限定されず、円形渦巻き状であってもよい。あるいは、角形、円形以外の渦巻き状であってもよい。これらの場合も、上記と同様の効果を奏する。
以上、好ましい実施形態等について詳説した。しかしながら、本開示に係るひずみゲージは、上述した実施形態及び変形例等に限定されない。例えば、上述した実施形態等に係るひずみゲージについて、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、種々の変形及び置換を加えることができる。