JP7758552B2 - 接着工法、天井構造および天井の施工方法 - Google Patents
接着工法、天井構造および天井の施工方法Info
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に関する。
また、直上階に防水層が設けられたスラブの直下の天井にインサートを施工する場合、防水層を傷める虞がある。鉄骨梁へ吊ボルトを溶接する場合、火災対策を行う必要がある。鉄骨梁へ吊ボルトをボルト接合する場合、ボルト孔により鉄骨梁の耐力が低下する虞がある。このように制約が多く、天井施工が容易にできないことがある。
また、スラブに部材を設ける構成ではないため、直上階に防水層が設けられたスラブの直下の天井の工事を行う場合でも、防水層を傷めることが無い。
更に、接着部材を鉄骨梁に固定する際に、溶接を行う必要が無いとともに鉄骨梁に孔部を設ける必要のないため、天井を容易に施工できる。
本実施形態による接着工法、天井構造1および天井の施工方法は、新築工事における天井の施工や改修工事における天井の施工を行う際に採用される。
図1および図2に示す本実施形態の天井構造1は、間隔をあけて平行に配置された鉄骨梁2,2の間に架設されて、天井材を支持する支持部材3と、支持部材3を鉄骨梁2に固定する接着部材4と、を有している。
支持部材3は、鉄骨梁2の長さ方向に間隔をあけて複数設けられている。本実施形態の支持部材3は、断面がC字形状の鋼製のチャンネル材である。支持部材3は、断面のC字形が鉄骨梁2の長さ方向に開口する向きで鉄骨梁2に固定される。支持部材3のうち、下側に位置する部分を下板部31とし、上側に位置する部分を上板部32とし、上板部32と下板部31との間の部分を縦板部33とする。支持部材3は、長さ方向の両端部が接着部材4を介して鉄骨梁2の下側フランジ21に固定されている。支持部材3の下板部31の両端部には、それぞれ接着部材4のボルト41が挿通される孔部34(支持部材孔部)が形成されている。
接着部43は、平板状の鋼板44と、鋼板44の一方の面に設けられた接着シート45と、を有している。
ボルト41は、鋼板44の他方の面(接着シート45が設けられていない面)に溶接などで接合されている。ボルト41の軸線は、鋼板44の面に直交している。
接着部材4は、ボルト41が接着部43の上側となり、接着シート45が下方に面する向きで下側フランジ21の上面22に載置される。接着部材4は、接着シート45が下側フランジ21の上面22に接着されることによって鉄骨梁2に接着される。
支持部材3は、鉄骨梁2の長さ方向に所定のピッチで複数設けられる。このため、各支持部材3を鉄骨梁2に接合する接着部材4は、支持部材3のピッチと同じピッチで下側フランジ21の上面22に複数設けられる。
まず、隣り合う鉄骨梁2の間に支持部材3を架設し、支持部材3を鉄骨梁2に接着部材4で接着する(支持部材架設工程)。
支持部材架設工程では、隣り合う鉄骨梁2それぞれの下側フランジ21の上面22に接着部材4を接着する(接着部材接着工程)。
図3および図4に示すように、接着部材接着工程では、上記のピッチで設けられる複数の接着部材4を1つの鉄骨梁2に対して同時に接着するための接着治具5を用いて行う。
第1板部51には、長さ方向に間隔をあけて上下方向に貫通する孔部53(接着治具孔部)が複数形成されている。孔部53には、接着部材4のボルト41を挿通可能である。複数の孔部53は、1つの鉄骨梁2に接着される接着部材4のピッチ、すなわち支持部材3のピッチと同じピッチで配列されている。ボルト41は、ナット42が取り付けられた状態で孔部53に下側から挿入される。ボルト41は第1板部51を貫通する。ナット42および接着部43は、第1板部51の下側に配置される。
複数の接着部材4が固定された接着治具5を下側フランジ21の上面22に載置し、接着部43を下側フランジ21の上面22に接触させて接着する(複数接着部材接着工程)。接着部43の接着シート45に剥離紙が取り付けられている場合は、剥離紙を剥がした状態で接着シート45を下側フランジ21の上面22に接触させる。
複数の接着部材4が下側フランジ21の上面22に接着されたら、クランプ6を外す。
このようにして、隣り合う鉄骨梁2,2の間に支持部材3が架設される。
支持部材架設工程が完了したら、支持部材3に吊ボルトや野縁受け、野縁、天井下地材などの天井を設けるための部材や、天井材を取り付け、天井を構築する(天井材取り付け工程)。
上記の本実施形態による接着工法、天井構造1および天井の施工方法では、天井材を支持する支持部材3を鉄骨梁2に接着部材4で接着するため、隣り合う鉄骨梁2,2の間に支持部材3を容易に架設することができる。そして、この支持部材3に天井材を設置すればよいため、床スラブにインサートを設けたり、鉄骨梁に吊ボルトを取り付けたりする天井の施工と比べて、材料の物量を少なくできて施工や管理が容易であるとともに、コスト削減を図ることができる。
また、スラブに部材を設ける構成ではないため、直上階に防水層が設けられたスラブの直下の天井の工事を行う場合でも、防水層を傷めることが無い。
更に、接着部材4を鉄骨梁2に固定する際に、溶接を行う必要が無いとともに鉄骨梁2に孔部を設ける必要のないため、天井を容易に施工できる。
このような構成とすることにより、接着部材4を鉄骨梁2の下側フランジ21の上面22に容易に接着することができる。
このような構成とすることにより、複数の接着部材4を鉄骨梁2の下側フランジ21に同時に接着することができ、作業の効率化を図ることができる。
要素試験では、図1、図2に示す天井構造1と同様の接着部材4を介した鉄骨梁2(既存大梁)と下側フランジ21と支持部材3の接合部の実機ディテールを再現し、その構造性能を確認した。
各試験体の各部材には、以下を使用する。
接着部材4のボルト41に相当するボルト71には、M16の普通ボルト(首下60)を使用する。接着部材4の鋼板44に相当する鋼板74には、80mm角の鋼板(PL-9、SS400)を使用する。接着部材4の接着シート45に相当する接着シート75は、シートに接着剤を含侵させたものである。接着剤は、アクリル系の接着剤である。接着シート75の寸法は、縦横ともに80mm、厚さ3mmである。支持部材3には、チャンネル材(C-100×50×20×2.3)を使用する。
今回の要素実験では、寸法が5m×0.8m、重量が約1kNである天井ユニットに対し、天井ユニットの両端の2点を接着部材4に支持させることを前提とした。
引張試験での想定荷重は、自重(鉛直方向荷重)とする。
引張試験の目的は、接着力に関する基本データ(発現時間、必要耐力)の確認である。
発現時間については、1日と7日に耐力を測定し、その差を確認した。
必要耐力については、約1kNの天井ユニットを2点の接着ボルトで支持するための、安全率を考慮した十分な値(σ≧2N/mm2)を判断基準とした。
図6-図8に引張試験の試験体7Aを示す。試験体7Aは、ボルト71を溶接した鋼板74を接着シート75により貼り合わせて1セットとする。一方のボルト71にM16高ナット77でM16ボルト78(L=160mm)を接合する。
想定荷重は自重、地震力、一時的な施行時荷重などである。
曲げ試験の目的は、実際に作用し得る外力に対しての耐力の確認である。
耐力について、引張応力σに加え、せん断応力τも対象とした。
判定基準はσ>2N/mm2、τ>2N/mm2とした。
試験体仕様は、以下の(1)-(4)である。
(1)現場で採用する接着シートそのものを使用したケースである現場採用ディテール
(2)施工誤差を踏まえ外力を斜めから作用させたケースである斜め方向加力
(3)接着強度の面積に対する依存性を確認するケースである50×50
(4)チャンネル材を付けた場合の耐力を確認するケースである実機ディテール
図12、図13に試験装置8を示す。接着面から40mm離れた位置でロッドエンド82を介してPC鋼棒81により加力する。
図14-図16に実機ディテールを想定した曲げ試験の試験体7Cを示す。試験体7Cは、上記の(4)の試験体である。試験体7Cは、試験体7Bと同様にボルト71を溶接した鋼板74が接着シート75により下側フランジ21に相当する下側フランジ鋼板23に接着されている。試験体7Cには、ボルト71に支持部材3が接合されている。実機ディテールを想定した曲げ試験の試験装置は、図12、図13に示す試験装置8と同様の試験装置である。
引張試験の実験計画の最大耐力の一覧を図17に示す。発現時間、必要耐力とも、いずれの試験体もσ≧2N/mm2であり、設定基準を上回った。養生期間7日と1日の実験結果の比較から、接着剤の強度発現には24時間程度の養生で十分であることが確認できる。
曲げ試験の実験計画の最大耐力の一覧を図18に示す。上記の(1)-(4)のいずれの試験体ともσ>2N/mm2、かつτ>2N/mm2であり、定基準を上回った。
実験では、接着剤部分が破壊位置となるものと接着部材4や支持部材3が破壊位置となり接着剤部分は破壊しないものの2種類の破壊形式が確認された。
曲げ試験の現場採用ディテールでは、最大耐力のバラツキが大きくなっている。試験体製作の圧締時の接着シート75のずれにより十分に接着面積を確保できていなかったことが、最大耐力のバラツキの一因であると考えられる。
曲げ試験(実機ディテール)は、支持部材3を用いて加力する実験であり、接着剤の破壊と支持部材3の破壊の二つの破壊形式が確認された。養生期間1日の試験体でも、十分な耐力を確認できたため、現場での圧締期間は1日程度で十分であることが確認できた。
例えば、上記の実施形態では、接着部43は、一方の面にボルト41が接合された鋼板44と、鋼板44の他方の面に貼り付けられた接着シート45を、を有する構成であるが、ボルト41を下側フランジ21に接着可能な構成であれば、上記以外であってもよい。接着シート45の代わりに液状の接着剤を用いてもよい。
上記の実施形態では、複数の接着部材4を、接着治具5を用いて下側フランジ21に同時に接着しているが、複数の接着部材4をそれぞれ下側フランジ21に接着するようにしてもよい。接着治具5の形状は、上記以外であってもよい。
2 鉄骨梁
3 支持部材
4 接着部材
5 接着治具
21 下側フランジ
22 上面
34 孔部(支持部材孔部)
41 ボルト
42 ナット
43 接着部
44 鋼板
45 接着シート
53 孔部(接着治具孔部)
Claims (6)
- 隣り合う鉄骨梁の間に架設されて天井材を支持する支持部材を前記鉄骨梁に接着部材で接着する接着工法であって、
前記接着部材は、
ボルトと、
前記ボルトに締結されるナットと、
前記ボルトを前記鉄骨梁のフランジの上面に接着する接着部と、を有し、
前記フランジの上面に前記接着部で前記ボルトを接着する接着部材接着工程と、
前記支持部材に設けられた支持部材孔部に前記ボルトを挿通し、前記ボルトに前記ナットを締結する支持部材固定工程と、を有する接着工法。 - 前記接着部材接着工程は、複数の前記接着部材を前記フランジの上面に前記フランジの長さ方向に所定のピッチで同時に接着するための接着治具を用いて行い、
前記接着治具は、前記ボルトを挿通可能な複数の接着治具孔部が前記所定のピッチで形成され、前記複数の接着治具孔部に挿通された前記ボルトそれぞれを固定可能に構成され、
複数の前記接着部材それぞれの前記ボルトを前記接着治具孔部に挿通して前記接着治具に固定する接着部材接着治具固定工程と、
複数の前記接着部材が固定された前記接着治具を前記フランジの上面に載置し、複数の前記接着部材それぞれの前記接着部を前記フランジの上面に接着する複数接着部材接着工程と、
前記フランジの上面に接着された複数の前記接着部材から前記接着治具を取り外す接着治具取り外し工程と、を有する請求項1に記載の接着工法。 - 前記複数接着部材接着工程では、複数の前記接着部材が固定された前記接着治具を前記フランジの上面に載置した後に、前記接着治具を前記フランジに押し付けて複数の前記接着部材それぞれの前記接着部を前記フランジの上面に接着する請求項2に記載の接着工法。
- 前記接着部は、一方の面に前記ボルトが接合された鋼板と、
前記鋼板の他方の面に貼り付けられ、前記フランジの上面と接着される接着シートと、を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の接着工法。 - 隣り合う鉄骨梁の間に架設されて、天井材を支持する支持部材と、
前記支持部材を前記鉄骨梁に接着する接着部材と、を有し、
前記接着部材は、
前記支持部材に設けられた支持部材孔部に挿通されるボルトと、
前記ボルトに締結されるナットと、
前記ボルトを前記鉄骨梁のフランジの上面に接着する接着部と、を有する天井構造。 - 隣り合う鉄骨梁の間に支持部材を架設し、前記支持部材を前記鉄骨梁に接着部材で接着する支持部材架設工程と、
前記支持部材に天井材を取り付ける天井材取り付け工程と、を有し、
前記接着部材は、
ボルトと、
前記ボルトに締結されるナットと、
前記ボルトを前記鉄骨梁のフランジの上面に接着する接着部と、を有し、
前記支持部材架設工程は、前記フランジの上面に前記接着部で前記ボルトを接着する接着部材接着工程と、
前記支持部材に設けられた支持部材孔部に前記ボルトを挿通し、前記ボルトに前記ナットを締結する支持部材固定工程と、を有する天井の施工方法。
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