JP7704232B1 - 三次元成形絶縁体および三次元成形絶縁体の製造方法 - Google Patents

三次元成形絶縁体および三次元成形絶縁体の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 0007704232000001
【課題】回路基板と三次元成形絶縁体との間に生じるデッドスペースを縮小でき、回路基板が収容される空間の有効利用を可能にする三次元成形絶縁体、および、形状精度の高い三次元成形絶縁体を製造可能な三次元成形絶縁体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の三次元成形絶縁体は、電圧が印加される部品に被せられる三次元成形絶縁体であって、底部、および、底部の端部に設けられている壁部、を含む凹部を有する形状に成形されており、凹部内に部品が挿入された状態で用いられることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元成形絶縁体および三次元成形絶縁体の製造方法に関する。
電子機器内には、基板と、基板上に設けられた様々な電圧印加部品と、を備える回路基板が収納される。このような回路基板の周囲では、電気的な短絡を防ぐため、所定の絶縁距離が確保される。
例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂と、リン酸エステル化合物と、繊維状物質と、を配合してなる難燃性樹脂組成物が開示されている。また、この難燃性樹脂組成物をシート成形してなる絶縁シートが開示されている。絶縁シートは、電子機器内の狭い隙間に収納できる点で有用である。絶縁シートを、例えば回路基板の周囲に存在する導体との間に配置することにより、絶縁空間距離の短縮が可能になる。
特開2002-030209号公報
しかしながら、電圧印加部品の背の高さ(厚さ)は一定ではないことから、それに応じて回路基板の厚さは部分的に異なっている。従来の絶縁シートは、平板状をなしているため、最も背が高い電圧印加部品に合わせて配置される。そうすると、基板と絶縁シートとの間(電圧印加部品の周囲)には、大きなデッドスペースが生じるという課題がある。このデッドスペースは、電子機器の小型化を阻む一因となっている。
また、回路基板に限らず、電圧印加部品の周囲において絶縁空間距離を短縮することは、電子機器の小型化に貢献できる。
本発明の目的は、電圧印加部品の周囲に生じるデッドスペースを縮小でき、電圧印加部品が収容される空間の有効利用を可能にする三次元成形絶縁体、および形状精度の高い三次元成形絶縁体を製造可能な三次元成形絶縁体の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(19)に記載の本発明により達成される。
(1) 電圧が印加される部品に被せられる三次元成形絶縁体(ただし、電磁波遮蔽層を有するものを除く)であって、
熱可塑性樹脂を主材料とするシートが、底部、および、前記底部の端部に設けられている壁部、を含む凹部と、前記凹部に接続されている平坦部と、を有する形状に成形されてなるシート成形体であり
前記凹部の一方の面は、第1方向に凹む面であり、
前記凹部の他方の面は、前記第1方向に突出する面であり、
前記凹部内に前記部品が挿入された状態で用いられることを特徴とする三次元成形絶縁体。
(2) 前記部品と、前記部品が搭載されている基板と、を備える回路基板に被せて用いられる上記(1)に記載の三次元成形絶縁体。
(3) 前記平坦部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有する上記(2)に記載の三次元成形絶縁体。
(4) 前記壁部の厚さは、前記平坦部の厚さの20%以上95%以下である上記(3)に記載の三次元成形絶縁体。
(5) 前記平坦部の厚さは、0.05mm以上1.00mm以下である上記(3)または(4)に記載の三次元成形絶縁体。
(6) 難燃剤を含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の三次元成形絶縁体。
(7) 前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の三次元成形絶縁体。
(8) 前記部品と前記凹部との間に隙間ができるように用いられる上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の三次元成形絶縁体。
(9) 構成材料が、芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶性樹脂とをアロイ化してなるポリマーアロイである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の三次元成形絶縁体。
(10) 前記相溶性樹脂の比較トラッキング指数CTIは、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の比較トラッキング指数CTIよりも50V以上高い上記(9)に記載の三次元成形絶縁体。
(11) 前記相溶性樹脂は、全モノマー成分における芳香族モノマーのモル分率が90%以下である上記(9)に記載の三次元成形絶縁体。
(12) 前記相溶性樹脂は、ポリオレフィン樹脂である上記(9)に記載の三次元成形絶縁体。
(13) 前記相溶性樹脂は、ポリアミド樹脂である上記(9)に記載の三次元成形絶縁体。
(14) 前記相溶性樹脂は、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位を含む芳香族ポリカーボネート樹脂である上記(9)に記載の三次元成形絶縁体。
(15) 前記相溶性樹脂は、脂肪族ポリカーボネート樹脂である上記(9)に記載の三次元成形絶縁体。
(16) ASTM D3638に準拠して測定された耐トラッキング性の指標となる比較トラッキング指数CTIが、600V以上である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の三次元成形絶縁体。
(17) UL94規格に準拠して測定された難燃性が、試験片厚み0.4mm以上においてV-0またはVTM-0である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の三次元成形絶縁体。
(18) 上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の三次元成形絶縁体の製造方法であって、
平坦な形状をなす熱可塑性絶縁シートに対し、熱成形を含む二次加工を行い、前記凹部を形成することを特徴とする三次元成形絶縁体の製造方法。
(19) 前記熱成形は、真空成形または真空圧空成形である上記(18)に記載の三次元成形絶縁体の製造方法。
本発明によれば、電圧印加部品の周囲に生じるデッドスペースを縮小でき、電圧印加部品が収容される空間の有効利用を可能にする三次元成形絶縁体が得られる。
また、本発明によれば、形状精度の高い三次元成形絶縁体を製造することができる。
実施形態に係る三次元成形絶縁体および三次元成形絶縁体が被せられる回路基板を示す斜視図である。 図1に示す回路基板のA-A線断面図である。 図2の三次元成形絶縁体のみを示す断面図である。 図2の回路基板の変形例を示す断面図である。 実施形態の変形例に係る三次元成形絶縁体を示す上面図である。 図5に示すバスバーおよび三次元成形絶縁体の断面図である。 変形例に係る三次元成形絶縁体を示す断面図である。 実施形態に係る三次元成形絶縁体および回路基板がケース内に収容されてなる制御装置を示す断面図である。 図8の制御装置の変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る三次元成形絶縁体および三次元成形絶縁体の製造方法について添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.三次元成形絶縁体の概要
図1は、実施形態に係る三次元成形絶縁体1および三次元成形絶縁体1が被せられる回路基板9を示す斜視図である。なお、図1では、三次元成形絶縁体1が回路基板9に被せられる前の状態を図示している。また、本願の各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定しており、各軸を矢印で示している。また、矢印の基端側を各軸のマイナス側といい、先端側を各軸のプラス側という。さらに、Z軸プラス側を「上」、Z軸マイナス側を「下」ともいう。
三次元成形絶縁体1は、図1に示すように、例えば、回路基板9に被せた状態で使用される。回路基板9は、図示しない配線を有する配線基板90と、パワー半導体素子91およびバスバー92と、信号用コネクター93と、固定ビス94と、を備える。このうち、パワー半導体素子91、バスバー92、信号用コネクター93および固定ビス94は、それぞれ、配線基板90の上面から上方に突出している。また、パワー半導体素子91およびバスバー92は、比較的高い電圧が印加された状態で使用される。印加される電圧は、例えば50V以上であり、好ましくは71V以上10kV以下である。このような回路基板9の上方から三次元成形絶縁体1を被せることにより、回路基板9とその上方に配置される図示しない他の物体との絶縁性を高めることができる。これにより、回路基板9と他の物体との絶縁に必要な空間距離を縮めることができる。
また、三次元成形絶縁体1は、図1に示すように、凹部12を有する形状、より具体的には、平坦部11と凹部12とを有する形状に三次元成形されている。三次元成形とは、シート状の部材を、その部材の厚さよりも深い凹部を有する形状に成形することをいう。Z軸上から平面視したとき、絶縁シート1は、配線基板90と重なる外形サイズおよび外形形状を有する。平坦部11は、配線基板90の上面と平行な平坦面110を有する部位である。平坦面110とは、配線基板90の上面と対向する、平坦部11の下面である。なお、平行には、10度以下の角度ずれが許容される。凹部12は、平坦面110から上方に向かって凹んでいる部位である。平面視における凹部12の位置は、配線基板90に配置されているパワー半導体素子91、バスバー92および信号用コネクター93の位置に合わせてある。
回路基板9の上方から三次元成形絶縁体1を被せると、凹部12内にパワー半導体素子91、バスバー92および信号用コネクター93が挿入される。これにより、配線基板90の上面から突出するこれらの部品の上面および側面を三次元成形絶縁体1で覆うことができる。その結果、回路基板9と三次元成形絶縁体1との間には、最小限の隙間が生じるのみであり、従来よりもデッドスペースを縮小できる。つまり、パワー半導体素子91、バスバー92および信号用コネクター93のような電圧が印加される部品の周囲のデッドスペースを縮小できる。これにより、回路基板9が収容される空間を有効利用することが可能になる。
したがって、三次元成形絶縁体1を用いることで、回路基板9を搭載する機器の小型化を図ることができる。なお、三次元成形絶縁体1の使用時の姿勢(鉛直上方に対する向き)は、上記に限定されない。例えば、上述した配線基板90の上面が下方を向いている場合には、三次元成形絶縁体1は、配線基板90の下方から被せられることになる。その場合、上記の凹部12は、平坦面110から下方に向かって凹んでいる部位となる。
2.回路基板
三次元成形絶縁体1の説明に先立ち、回路基板9について詳述する。回路基板9は、基板と、その表面から突出し、電圧が印加される部品と、を備えるものであれば、特に限定されない。
図1に示す回路基板9は、前述したように、配線基板90と、パワー半導体素子91と、バスバー92と、信号用コネクター93と、固定ビス94と、を備える。
図2は、図1に示す回路基板9のA-A線断面図である。
配線基板90は、図2に示すように、絶縁層901と、配線層902と、貫通配線903と、サーマルビア904と、を有する。
パワー半導体素子91は、大電力のスイッチング等を行う半導体素子である。パワー半導体素子91としては、例えば、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラートランジスター)、パワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスター)等が挙げられる。図1には、6つのパワー半導体素子91が図示されており、それぞれ、配線基板90の上面から上方に突出している。各パワー半導体素子91は、サーマルビア904に接触して放熱可能になっている。
バスバー92は、回路基板9と電源とを接続する導体である。バスバー92は、例えば金属製の板や棒で構成される。図2に示すバスバー92は、配線基板90の上面から上方に突出するとともに、途中で側方(X軸マイナス側)に屈曲している。バスバー92は、貫通配線903を介して配線基板90と電気的に接続されている。なお、図1に示すバスバー92は、流れる電流の向きが互いに異なるバスバー921、922を含んでいる。
信号用コネクター93は、信号線が挿入されるコネクターである。信号線は、例えば、回路基板9と外部の制御装置との間で信号の送受信に用いられる。信号用コネクター93は、配線基板90の上面から上方に突出している。
固定ビス94は、配線基板90の四隅を厚さ方向に貫通している。固定ビス94は、配線基板90を図示しないハウジング等に固定する。固定ビス94の頭部は、配線基板90の上面から上方に突出している。
上記のような回路基板9では、パワー半導体素子91、バスバー92および信号用コネクター93に電圧が印加される。特にパワー半導体素子91やバスバー92には、高電圧が印加されるため、三次元成形絶縁体1による絶縁が有効である。
なお、電圧が印加される部品は、上記に限定されず、電圧が印加される部品であれば、いかなる部品であってもよい。上記以外の具体例としては、電池(バッテリー)、コンデンサー、ダイオード、コイル、抵抗、リレー、トランス、スイッチ、コネクター、端子等が挙げられる。
また、電圧が直接は印加されないものの、直接印加される部品と接触している部品も、意図せず電圧が印加される場合があるため、「電圧が印加される部品」に含まれるものとする。このような部品の具体例としては、ヒートシンク、ヒートスプレッダー、ヒートパイプ等が挙げられる。
3.三次元成形絶縁体の構成
次に、三次元成形絶縁体1の構成について説明する。
3.1.三次元成形絶縁体の形状
図1に示す三次元成形絶縁体1は、前述したように、配線基板90の上面から突出している部品に合わせて、複数の凹部12を有している。凹部12は、下方が開口している。三次元成形絶縁体1は、この開口部から各部品を挿入した状態で使用される。
このような凹部12は、パワー半導体素子91が挿入される凹部121と、バスバー92が挿入される凹部122と、信号用コネクター93が挿入される凹部123と、を含む。凹部121、122、123は、それぞれ、挿入される部品の外形サイズ、外形形状に合わせて成形されている。このため、各部品と凹部121、122、123との隙間を最小化できる。これにより、デッドスペースの縮小を図ることができる。つまり、平面視における凹部121、122、123の面積を最小化できるため、その分、平坦部11の面積を最大化できる。これにより、従来の平板状の絶縁シートを用いる場合に比べて、平坦部11の上方のスペース(電圧が印加される部品の周囲のスペース)を有効利用できることになる。
また、凹部12は、各部品の上面だけでなく、側面も覆うことになる。これにより、各部品の側面に埃等の異物が付着したり、水分等が吸着したりするのを抑制できる。
さらに、各部品の側面には、端子等が露出している場合がある。凹部12は、このような端子等の絶縁にも有効に作用する。例えば、凹部12が設けられることにより、図2に示すバスバー92とパワー半導体素子91との絶縁に必要な空間距離L1(部品間の絶縁に必要な空間距離)の短縮が可能になる。これにより、回路基板9の小型化が可能になる。
図3は、図2の三次元成形絶縁体1のみを示す断面図である。
図3に示す凹部12は、底部12aおよび壁部12bを含む。底部12aは、パワー半導体素子91やバスバー92の各上面を覆う部位である。壁部12bは、底部12aの端部から立ち下がる部位であって、パワー半導体素子91やバスバー92の各側面を覆う部位である。なお、底部12aおよび壁部12の各形状は、図3に示す形状に限定されない。また、底部12aと壁部12bとの接続部には、丸み(アール)が付けられていたり、面取りが施されていたりしてもよい。
また、凹部12を適切なサイズや形状で成形することにより、図2に示す、凹部12の内側面とパワー半導体素子91等の部品との離間距離S2を十分に近づけることができる。これにより、デッドスペースをより効果的に縮小すること、および、各部品の側面を効果的に保護すること、が可能になる。
離間距離S2は、特に限定されないが、10mm以下であることが好ましく、7mm以下であることより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましい。これにより、デッドスペースを十分に縮小することができ、かつ、各部品をより効果的に保護できる。なお、三次元成形絶縁体1は、後述するように、耐トラッキング性が良好である。このため、離間距離S2が前記範囲内であっても、トラッキングが発生しにくい。一方、部品からの放熱効率や部品等へのストレス、組み立て容易性等を考慮した場合、離間距離S2は、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。
また、図示しないが、凹部12の天井面とパワー半導体素子91等の部品との離間距離についても、上記の離間距離S2と同様である。
一方、凹部12を適切なサイズや形状で成形することにより、図2に示す、平坦部11の平坦面110と配線基板90との離間距離S1を十分に近づけることができる。また、離間距離S1が近くなることで、配線基板90の上面に埃等の異物が付着したり、水分等が吸着したりするのを抑制しやすくなる。これにより、バスバー92とパワー半導体素子91との間で生じる沿面放電やそれに続くトラッキングについても抑制しやすくなる。
離間距離S1は、特に限定されないが、15mm以下であることが好ましく、10mm以下であることより好ましく、5mm以下であることがさらに好ましい。これにより、デッドスペースを十分に縮小できる。また、図2に示す例の場合、離間距離S1を前記範囲内にすることで、パワー半導体素子91とバスバー921との間に三次元成形絶縁体1が介在する確率が高くなるとともに、これらの間の配線基板90に対して三次元成形絶縁体1を十分に接近させることができる。これにより、これらの間で発生する沿面放電やトラッキングを抑制することができ、これらの間に必要とされる空間距離L1を十分に短縮することができる。
凹部12は、パワー半導体素子91が1つずつ挿入される凹部121を含む。このため、各パワー半導体素子91を個別に保護することができる。また、パワー半導体素子91同士の絶縁に必要な距離を短縮することができる。なお、凹部121には、2つ以上のパワー半導体素子91(部品)が挿入されるようになっていてもよい。
凹部12は、バスバー921、922が1つずつ挿入される凹部122を含む。このため、バスバー921、922を個別に保護することができる。また、バスバー921、922同士の絶縁に必要な距離を短縮することができる。なお、凹部122には、2つ以上のバスバー92(部品)が挿入されるようになっていてもよい。
また、図1に示す回路基板9では、バスバー921とバスバー922とがY軸に沿って並んでいる。これに対し、バスバー921、922が部分的にZ軸に沿って重なるように構成されていてもよい。
図4は、図2の回路基板9の変形例を示す断面図である。
図4では、バスバー921およびバスバー922が、部分的にZ軸に沿って重なっている。この部分では、プラス側の電流とマイナス側の電流が近接して流れることになる。このため、電流によって生じる磁束が互いに打ち消し合い、インダクタンス成分を低減させることができる。したがって、図4に示す構成では、バスバー92におけるインダクタンス成分の低減が図られた回路基板9を実現できる。これにより、回路基板9におけるサージ電圧の低減を図ることができる。
また、バスバー921とバスバー922との間には、三次元成形絶縁体1が介在している。これにより、バスバー921、922間を十分に近づけても、絶縁破壊等を防止できる。その結果、インダクタンス成分をより効果的に低減できる。
さらに、図4の例では、バスバー921のX軸プラス側の側面と、図4には図示されていないY軸プラス側およびY軸マイナス側の各側面が、凹部122の内側面に覆われている。このため、バスバー921、922間を十分に近づけても、沿面放電を効果的に抑制できる。
図5は、実施形態の変形例に係る三次元成形絶縁体1を示す上面図である。図6は、図5に示すバスバー92および三次元成形絶縁体1の断面図である。
図5に示す三次元成形絶縁体1は、図3に示す三次元成形絶縁体1の変形例であり、例えば、回路基板9から離れた位置に設けられる。具体的には、図4に示すバスバー921、922は、配線基板90からはみ出して、X軸マイナス側に延長されている場合がある。図5に示す三次元成形絶縁体1は、バスバー921、922の延長部において好適に用いられる。
図5に示すバスバー921、922は、上記の延長部に相当する。延長部において、バスバー921、922は、Z軸に沿って互いに重なっている。そして、重なっている部分には、バスバー921とバスバー922との間に三次元成形絶縁体1の底部12aが配置されている。また、図5に示す三次元成形絶縁体1の壁部12bは、図6に示すように、底部12aの端部からZ軸プラス側に向かって立ち上がっている。これにより、バスバー922の側面が壁部12bで覆われる。
このような構成によれば、図5および図6に示す三次元成形絶縁体1によって、バスバー922の周囲のデッドスペースを縮小できる。つまり、壁部12bが設けられることにより、バスバー922の側方における絶縁空間距離を縮めることができるため、バスバー922の側方に任意の部材を配置することを許容できるようになる。これにより、従来であればデッドスペースになっていた空間を縮小することができる。
また、図5に示す三次元成形絶縁体1は、凹部12内にバスバー922が挿入された状態で用いられているため、バスバー922と三次元成形絶縁体1との位置ずれが抑制される。このため、振動等が加わっても、三次元成形絶縁体1の脱落等が発生するのを抑制できる。
また、図1に示す三次元成形絶縁体1は、平坦部11を厚さ方向に貫通する貫通孔13を有する。貫通孔13は、固定ビス94の位置に合わせて設けられている。貫通孔13を設けることにより、三次元成形絶縁体1を回路基板9に被せた状態でも、固定ビス94の回転操作が可能になる。このため、三次元成形絶縁体1を回路基板9に被せた状態で、回路基板9をケース等にビス止めすることが可能になり、組立作業性が向上する。なお、この場合、貫通孔13の内径は、固定ビス94の頭部の外径以上であることが好ましい。これにより、固定ビス94の回転操作が容易になる。
なお、固定ビス94を回路基板9に対して締めたとき、固定ビス94の頭部が三次元成形絶縁体1よりも上方に位置していてもよい。これにより、固定ビス94により、回路基板9とともに三次元成形絶縁体1を固定することができる。なお、この場合、貫通孔13の内径は、固定ビス94の頭部の外径未満であることが好ましい。
また、貫通孔13の平面視形状は、閉じた形状に限定されず、一部が外側に開いた形状であってもよい。
三次元成形絶縁体1の平坦部11の厚さt11は、特に限定されないが、好ましくは0.05mm以上1.00mm以下とされ、より好ましくは0.10mm以上0.90mm以下とされ、さらに好ましくは0.20mm以上0.80mm以下とされる。これにより、難燃性、耐トラッキング性および絶縁性に優れるとともに、比較的製造しやすい三次元成形絶縁体1が得られる。なお、平坦部11の厚さt11が前記下限値を下回ると、難燃性、耐トラッキング性および絶縁性が低下するおそれがある。一方、平坦部11の厚さt11が前記上限値を上回ってもよいが、その場合、三次元成形絶縁体1が厚すぎて柔軟性が低下し、取り扱いが難しくなったり、放熱性や形状精度が低下したり、製造難易度が高くなったりするおそれがある。
また、壁部12bの厚さt12bは、平坦部11の厚さt11の20%以上95%以下であることが好ましく、30%以上90%以下であることがより好ましく、50%以上90%以下であることがさらに好ましい。壁部12bの厚さt12bが前記範囲内であれば、凹部12の形状を支えるのに十分な剛性を有するとともに、凹部12の側方においてデッドスペースをさらに縮小できる。
なお、壁部12bの厚さt12bが前記下限値を下回ると、壁部12bの剛性が不十分になるおそれがある。一方、壁部12bの厚さt12bが前記上限値を上回ると、凹部12の側方におけるデッドスペースの縮小効果が小さくなるおそれがある。
なお、図1に示す三次元成形絶縁体1の外形形状は、一例として回路基板9全体と重なる形状であるが、これより小さくても大きくてもよい。
また、凹部12は、例えば凹部121のように、配線基板90の上面から突出している部品の側面全体を覆うことが好ましいが、例えば凹部122、123のように部品の側面の一部を覆っていてもよい。
凹部12の深さは、部品の高さに応じて設定されるため、特に限定されないが、0.5mm以上100mm以下であってもよく、1mm以上50mm以下であってもよい。このような範囲内であれば、製造容易性に優れ、かつ、高さの制限をほとんど伴うことなく様々な部品を挿入可能な凹部12を備える三次元成形絶縁体1を実現できる。
3.2.三次元成形絶縁体の構成材料
次に、三次元成形絶縁体1の構成材料について説明する。
三次元成形絶縁体1は、例えば樹脂材料を含む。三次元成形絶縁体1の構成材料における樹脂材料の割合は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、絶縁性および成形性に優れ、かつ、軽量化が容易な三次元成形絶縁体1が得られる。
樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸、スチレン系共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、セルロースエステル樹脂等の各種熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の各種熱硬化性樹脂等が挙げられる。第1樹脂および第2樹脂には、これらの樹脂の1種または2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
また、三次元成形絶縁体1は、熱可塑性樹脂を主材料とすることが好ましい。主材料とは、上記割合であることをいう。熱可塑性樹脂を主材料とするシートは、熱による塑性変形が可能であり、二次加工性に優れるものとなる。このため、熱成形で製造可能であり、製造容易性に優れる三次元成形絶縁体1が得られる。
熱可塑性樹脂としては、このうち、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂または脂肪族ポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。
また、樹脂材料には、耐トラッキング性が高い材料が好ましく用いられる。耐トラッキング性は、絶縁物の表面で起きる放電により導電路(トラッキング)が形成される現象に対する耐性を指す。このような耐トラッキング性は、例えば、ASTM D3638に準拠して測定された耐トラッキング性の指標となる比較トラッキング指数CTIによって定量化できる。
樹脂材料の比較トラッキング指数CTIは、400V以上であることが好ましく、600V以上であることがより好ましい。これにより、耐トラッキング性が特に良好な三次元成形絶縁体1が得られる。
樹脂材料のガラス転移温度Tgは、125℃以上であることが好ましく、130℃以上200℃未満であることがより好ましい。これにより、樹脂材料に耐熱性が付与されるため、例えば三次元成形絶縁体1において沿面放電が生じた場合でも、炭化による着色を抑制しやすくなる。その結果、三次元成形絶縁体1における外観不良の発生や炭化に伴う絶縁性の低下を抑制できる。なお、樹脂材料のガラス転移温度Tgは、DSC(示差走査熱量計)法により測定される。DSC法における加熱速度は、10℃/分とする。
樹脂材料の300℃、1.2kg荷重における各メルトボリュームレイト(MVR)は、5[cm/10min]以上30[cm/10min]以下であることが好ましく、8[cm/10min]以上20[cm/10min]以下であることがより好ましい。これにより、三次元成形絶縁体1の二次加工における成形性、特に真空成形において歪み等の不良を生じない特性を高めることができる。なお、メルトボリュームレイトが前記下限値を下回ると、流動性が不足し、成形性が低下するおそれがある。一方、メルトボリュームレイトが前記上限値を上回ると、成形体の耐衝撃性等が低下するおそれがある。なお、メルトボリュームレイトは、JIS K 7210:2014に規定の試験方法に準じて測定される。
3.2.1.ポリオレフィン樹脂
ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂は、様々な薬品に対する耐薬品性に優れる。また、ポリオレフィン樹脂は、炭化水素の鎖状構造に基づく良好な耐トラッキング性を有する。このため、ポリオレフィン樹脂は、三次元成形絶縁体1の耐薬品性および耐トラッキング性の向上に寄与する。
このうち、ポリプロピレン樹脂が好ましく用いられる。ポリプロピレン樹脂は、三次元成形絶縁体1の耐薬品性および耐トラッキング性を特に向上させる。
3.2.2.ポリアミド樹脂
ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミドTMHT)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ポリアミド6T/6I)、ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ポリアミド11T(H))が挙げられ、これらの共重合体や混合物であってもよい。
ポリアミド樹脂は、例えば、ジアミンとジカルボン酸とからなるナイロン塩を原料として、溶融重合、溶液重合、固相重合等の公知の方法で重合または共重合することにより得られる。第1樹脂および第2樹脂としてポリアミド樹脂を用いることにより、三次元成形絶縁体1の耐トラッキング性をより高めることができる。
ジアミンとしては、脂肪族ジアミンであってもよいが、脂環式ジアミンまたは芳香族ジアミンが好ましく用いられ、脂環式ジアミンがより好ましく用いられる。これらを用いることにより、芳香環構造や脂環構造のような環状構造を有するポリアミド樹脂を調製することができる。このようなポリアミド樹脂は、三次元成形絶縁体1の耐熱性を向上させることに寄与する。また、特に脂環式ジアミンは、三次元成形絶縁体1の耐トラッキング性を向上させることに寄与する。
脂環式ジアミンとしては、例えば、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジメチルアミン、1,4-シクロヘキサンジメチルアミン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)プロパン、5-アミノ-2,2,4-トリメチル-1-シクロペンタンメチルアミン、5-アミノ-1,3,3-トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(イソホロンジアミン)、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上が用いられる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、脂環式ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸であってもよいが、脂肪族ジカルボン酸が好ましく用いられる。これにより、炭化水素の鎖状構造を有するポリアミド樹脂を調製することができる。このようなポリアミド樹脂は、三次元成形絶縁体1の耐トラッキング性を向上させることに寄与する。
ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸のような脂肪族ジカルボン酸;1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン-4,4’-ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上が用いられる。
ポリアミド樹脂には、ポリアミド6T、ポリアミドPACM12、ポリアミドジメチルPACM12、ポリアミドMXD6、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミド11T、または、ポリアミド11T(H)が好ましく用いられ、ポリアミドPACM12、または、ポリアミドジメチルPACM12がより好ましく用いられる。これらは、芳香環構造や脂環構造のような環状構造、および、脂肪族モノマーに由来する構造、の双方を有することから、三次元成形絶縁体1の耐熱性および耐トラッキング性の双方を向上させることに寄与する。
ポリアミドPACM12は、下記式(2)で表される構造単位を含む。
Figure 0007704232000002
上記のポリアミドPACM12は、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン(PACM)およびドデカン二酸を原料として合成される。
ポリアミドジメチルPACM12は、下記式(3)で表される構造単位を含む。
Figure 0007704232000003
上記のポリアミドジメチルPACM12は、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン(MACM)およびドデカン二酸を原料として合成される。
3.2.3.脂肪族ポリカーボネート樹脂
脂肪族ポリカーボネート樹脂としては、例えば、炭素数が2~12の脂肪族カーボネート単位を含むものが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリトリメチレンカーボネート、ポリテトラメチレンカーボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリヘプタメチレンカーボネート、ポリオクタメチレンカーボネート、ポリノナメチレンカーボネート、ポリデカメチレンカーボネート、ポリオキシジエチレンカーボネート、ポリ-3,6-ジオキシオクタンカーボネート、ポリ-3,6,9-トリオキシウンデカンカーボネート、ポリオキシジプロピレンカーボネート、ポリシクロペンテンカーボネート、ポリシクロヘキセンカーボネート等が挙げられる。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂は、下記式(4)で表されるジオール残基を含有する脂肪族カーボネート単位を含む樹脂であってもよい。
Figure 0007704232000004
(式(4)中、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。)
脂肪族ポリカーボネート樹脂は、全構造単位中、上記式(4)で表されるジオール残基を含有する脂肪族カーボネート単位を30モル%以上100モル%以下含むことが好ましく、50モル%以上90モル%以下含むことがより好ましい。
上記式(4)で表されるジオール残基は、2つのテトラヒドロフラン環が縮環した構造を持っている。このような構造を構造単位中に含むことで、脂肪族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgを高めることができる。その結果、耐熱性および耐トラッキング性に優れる三次元成形絶縁体1が得られる。
上記式(4)で表されるジオール残基を構成するジオールとしては、例えば、イソソルビド、イソマンニド、イソイディッド等が挙げられる。これら糖質由来のジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質であるという点で有用である。
3.2.4.芳香族ポリカーボネート樹脂
芳香族ポリカーボネート樹脂は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートのような炭酸エステルとを反応させるエステル交換法、環状カーボネート化合物の開環重合法、界面重縮合法等により得られる。このような芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香環構造に由来する優れた耐熱性および難燃性を三次元成形絶縁体1に付与する。
ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-第三ブチルフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは単独だけでなく2種以上を混合して使用されてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、特に、下記式(1)で表される構造単位を有するものが挙げられる。
Figure 0007704232000005
(式(1)中、RおよびRは、独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数5~7のシクロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、または、ハロゲン原子を表す。mおよびnは、独立して、0~4の整数を表す。Xは、直接結合、O、S、SO、SO、CR(RおよびRは、独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)、炭素数2~10のアルキレン基、ポリジメチルシロキサン基、または、C(CFを表す。)
上記式(1)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、特に優れた耐熱性および難燃性を三次元成形絶縁体1に付与する。
芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位のうち、上記式(1)で表される構造単位の割合は、55モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。
また、入手の容易さ、コスト等の観点から、RおよびRが、それぞれ水素原子であるものが好ましく、Xが、CRであり、かつ、RおよびRがそれぞれメチル基または水素原子であるものが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)から誘導される構造単位を有するポリカーボネート樹脂であることが好ましい。これにより、三次元成形絶縁体1の難燃性および耐熱性をさらに高めることができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、特に限定されないが、好ましくは5000以上100000以下とされ、より好ましくは12000以上35000以下とされ、さらに好ましくは15000以上30000以下とされ、特に好ましくは18000以上28000以下とされる。
粘度平均分子量(M)は、樹脂のメチレンクロライド溶液の粘度(η)から、η=kMαの式を利用して算出される。kおよびαは、高分子に固有の定数である。粘度の測定には、ウベローデ粘度計が用いられ、20℃で測定される。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量が高い樹脂(高粘度樹脂)と、粘度平均分子量が低い樹脂(低粘度樹脂)と、のブレンド体であってもよい。これにより、芳香族ポリカーボネート樹脂が持つ耐熱性や難燃性を損なうことなく、成形性に優れる三次元成形絶縁体1が得られる。
高粘度樹脂の粘度平均分子量と、低粘度樹脂の粘度平均分子量と、の差は、特に限定されないが、3000以上20000以下であることが好ましく、5000以上10000以下であることがより好ましい。これにより、成形性が特に良好な三次元成形絶縁体1が得られる。
高粘度樹脂の配合量をM1とし、低粘度樹脂の配合量をM2とするとき、配合比M1/M2は、質量比で0.5以上8.0以下であることが好ましく、0.8以上6.0以下であることがより好ましく、0.9以上5.0以下であることがさらに好ましい。これにより、成形性が特に良好な三次元成形絶縁体1が得られる。
芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgは、130℃以上160℃未満であることが好ましく、140℃以上155℃以下であることがより好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgが前記範囲内であれば、三次元成形絶縁体1の耐熱性および難燃性を十分に高められる。なお、芳香族ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgは、DSC(示差走査熱量計)法により測定される。DSC法における加熱速度は、10℃/分とする。
三次元成形絶縁体1における芳香族ポリカーボネート樹脂の含有率は、特に限定されないが、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の300℃、1.2kg荷重におけるメルトボリュームレイト(MVR)は、5[cm/10min]以上20[cm/10min]以下であることが好ましく、8[cm/10min]以上15[cm/10min]以下であることがより好ましい。これにより、三次元成形絶縁体1の二次加工における成形性、特に真空成形において歪み等の不良を生じない特性を高めることができる。なお、メルトボリュームレイトが前記下限値を下回ると、流動性が不足し、成形性が低下するおそれがある。一方、メルトボリュームレイトが前記上限値を上回ると、成形体の耐衝撃性等が低下するおそれがある。なお、メルトボリュームレイトは、JIS K 7210:2014に規定の試験方法に準じて測定される。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、下記式(5)で表されるカーボネート単位(ビスフェノールイソホロンカーボネート単位)を含む樹脂であってもよい。このような芳香族ポリカーボネート樹脂は、上記式(1)で表されるカーボネート単位を含む芳香族ポリカーボネート樹脂よりも耐熱性が高い。以下、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位を含むポリカーボネート樹脂を「耐熱ポリカーボネート樹脂」ということがある。
Figure 0007704232000006
式(5)中、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~12のアルキル基であり、Rは、炭素数1~12のアルキル基であり、pおよびqは、それぞれ独立して0~4であり、tは、0~10である。
なお、各RおよびRの少なくとも1つは、シクロヘキシリデン架橋基に対してメタ位に配置されることが好ましい。
また、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基であり、Rは、炭素数1~4のアルキル基であり、pおよびqは、それぞれ0または1であり、tは、0~5であってもよい。
さらに、R、R、およびRは、それぞれメチル基であり、pおよびq、はそれぞれ0または1であり、tは、0または3であり、好ましくは0である。
このような耐熱ポリカーボネート樹脂の具体例としては、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)から誘導されるカーボネート単位(ビスフェノールAカーボネート単位)と、式(5)で表されるカーボネート単位(ビスフェノールイソホロンカーボネート単位)と、を含む樹脂が挙げられる。この場合、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位における、pおよびqはそれぞれ0であり、各Rはメチル基であり、tは3であることが好ましい。この場合、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位は、特に、ビスフェノールTMC(1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン)に由来する構造を含むカーボネート単位となる。
このようなビスフェノールイソホロンカーボネート単位は、芳香環構造と脂環構造の双方を含んでいる。このため、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位は、三次元成形絶縁体1の耐熱性(難燃性)および耐トラッキング性の双方を特に向上させることに寄与する。
耐熱ポリカーボネート樹脂を構成する全構造単位のうち、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位の割合は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、三次元成形絶縁体1の耐熱性(難燃性)および耐トラッキング性の双方を向上させることに寄与する。また、耐熱ポリカーボネート樹脂の成形性を高められる。
なお、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位の割合が前記下限値を下回ると、三次元成形絶縁体1の耐熱性(難燃性)および耐トラッキング性の少なくとも一方が低下するおそれがある。一方、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位の割合が前記上限値を上回ると、耐熱ポリカーボネート樹脂の成形性が低下し、三次元成形絶縁体1の寸法精度が低下するおそれがある。
耐熱ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgは、160℃以上230℃以下であることが好ましく、165℃以上220℃以下であることがより好ましい。耐熱ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgが前記範囲内であれば、三次元成形絶縁体1の耐熱性を特に高めることができる。これにより、例えば三次元成形絶縁体1において沿面放電が生じた場合でも、炭化による着色を特に抑制できるため、外観不良の発生や炭化に伴う絶縁性の低下を特に抑制できる。
なお、ガラス転移温度Tgが前記下限値を下回ると、沿面放電に伴う外観不良や炭化が発生しやすくなるおそれがある。一方、ガラス転移温度Tgが前記上限値を上回ると、耐熱ポリカーボネート樹脂の成形温度が高くなりすぎて、成形不良が生じやすくなるおそれがある。また、耐熱ポリカーボネート樹脂と相溶性樹脂とをアロイ化した場合には、相溶性樹脂の耐熱性によっては、相溶性樹脂の熱劣化を招くおそれがある。
3.2.5.ポリマーアロイ
三次元成形絶縁体1の構成材料は、芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶性樹脂とをアロイ化してなるポリマーアロイを含んでいてもよい。ポリマーアロイは、複数種のポリマーが混合されてなる、単一相の材料または安定した多相の材料を指し、好ましくは単一相の材料を指す。本明細書において「アロイ化」とは、複数種のポリマーを含む原材料に混練等が行われて、このような単一相または多相の材料が調製されることをいう。特に、芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶性樹脂とをアロイ化することにより、芳香族ポリカーボネート樹脂に由来する耐熱性と、相溶性樹脂に由来する別の特性と、を併せ持つ三次元成形絶縁体1が得られる。
相溶性樹脂には、前述した、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、上記式(5)で表されるカーボネート単位を含む芳香族ポリカーボネート樹脂(耐熱ポリカーボネート樹脂)等が好ましく用いられる。この場合、これらの相溶性樹脂とアロイ化される芳香族ポリカーボネート樹脂には、上記式(1)で表される構造単位を有する樹脂が好ましく用いられる。このような組み合わせでは、上記式(1)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂に比べて、相溶性樹脂の耐トラッキング性(比較トラッキング指数CTI)が高い。これにより、耐熱性と耐トラッキング性とを併せ持つ三次元成形絶縁体1が得られる。
ポリマーアロイにおける相溶性樹脂の比率は、特に限定されないが、5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以上65質量%以下であることが特に好ましい。このような構成によれば、上記式(1)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が持つ耐熱性や難燃性等の特性と、相溶性樹脂が持つ特性と、をバランスよく有するポリマーアロイを実現できる。
相溶性樹脂の比較トラッキング指数CTIは、400V以上であることが好ましく、600V以上であることがより好ましい。これにより、耐トラッキング性が特に良好な三次元成形絶縁体1が得られる。
また、相溶性樹脂の比較トラッキング指数CTIは、芳香族ポリカーボネート樹脂の比較トラッキング指数CTIよりも50V以上高いことが好ましく、100V以上高いことがより好ましい。これにより、難燃性と耐トラッキング性をより良好に両立させた三次元成形絶縁体1が得られる。
相溶性樹脂のガラス転移温度Tgは、125℃以上であることが好ましく、130℃以上230℃以下であることがより好ましい。これにより、相溶性樹脂に耐熱性が付与されるため、例えば三次元成形絶縁体1において沿面放電が生じた場合でも、炭化による着色を抑制しやすくなる。その結果、三次元成形絶縁体1における外観不良の発生や炭化に伴う絶縁性の低下を抑制できる。
また、相溶性樹脂は、全モノマー成分における芳香族モノマーのモル分率が90%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。このような相溶性樹脂は、相対的に脂肪族モノマーに由来する構造の比率が高くなる。このため、三次元成形絶縁体1に対し、良好な耐トラッキング性を付与できる。これにより、難燃性と耐トラッキング性の双方においてより良好な三次元成形絶縁体1が得られる。また、例えば三次元成形絶縁体1において沿面放電が生じた場合でも、炭化による着色を抑制しやすくなる。その結果、三次元成形絶縁体1における外観不良の発生や炭化に伴う絶縁性の低下を抑制できる。なお、芳香族モノマーは、芳香環構造を含むモノマー(芳香族化合物)を指す。
なお、ポリマーアロイには、上記成分以外の樹脂が含まれていてもよい。つまり、ポリマーアロイは、3種以上の樹脂がアロイ化してなるものであってもよい。
ポリマーアロイの調製方法の一例について説明する。まず、原材料を予備混合し、バッチ式混練機や二軸スクリュー押出機等で溶融、混練する。これにより、原材料に機械的撹拌操作が加えられ、ポリマーアロイを含む混練物が得られる。混練溶融条件は、原材料の種類や配合比等に応じて適宜設定されるが、一例として、温度200~250℃、スクリュー回転数300~1000rpm、混練時間3~20分程度、が挙げられる。次に、必要に応じて、混練物をペレット化する。
また、原材料には、必要に応じて、相溶化剤を添加するようにしてもよい。相溶化剤を添加することにより、アロイ化される樹脂の相溶性をより高めることができる。
相溶化剤の添加量は、樹脂100質量部に対し、2質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
3.2.6.添加剤
三次元成形絶縁体1は、任意の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、難燃剤、色材、安定剤、滑剤、加工助剤、帯電防止剤、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、分散剤、増粘剤、離型剤、充填材、流動性改良剤、可塑剤、抗菌剤等が挙げられる。なお、添加剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせで含有されていてもよい。
このうち、難燃剤は、三次元成形絶縁体1の難燃性を高める。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、赤リン、ポリリン酸アンモニウムのようなポリリン酸系難燃剤等の無機リン系難燃剤、トリアリールリン酸エステル化合物のような有機リン系難燃剤、金属水酸化物系化合物、酸化アンチモン系化合物、窒素含有化合物等が挙げられる。また、難燃剤には、これらのうちの2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
このうち、難燃剤には、リン系難燃剤または窒素含有化合物が好ましく用いられ、窒素含有化合物がより好ましく用いられる。難燃剤が窒素含有化合物を含むことにより、三次元成形絶縁体1の難燃性をより高めることができる。また、窒素含有化合物には、ハロゲン原子が含まれないため、いわゆるハロゲンフリー、フッ素フリーの三次元成形絶縁体1を実現できる。
窒素含有化合物としては、例えば、トリアジン骨格を有する化合物が挙げられる。
トリアジン骨格を有する化合物としては、メラミン;ブチルメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、リン酸メラミンのようなメラミン誘導体;シアヌル酸;メチルシアヌレート、ジエチルシアヌレート、トリメチルシアヌレート、トリエチルシアヌレートのようなシアヌル酸誘導体;イソシアヌル酸;メチルイソシアヌレート、N,N’-ジエチルイソシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、ビス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレートのようなイソシアヌル酸誘導体;メラミンシアヌレート;メラミンイソシアヌレート等が挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、トリアジン骨格を有する化合物は、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレートおよびこれらの誘導体よりなる群から選択される1種以上のメラミン系化合物が好ましく用いられ、メラミンシアヌレートがより好ましく用いられる。これにより、三次元成形絶縁体1の難燃性を特に高めることができる。
難燃剤の添加量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下とされ、より好ましくは1質量部以上20質量部以下とされ、さらに好ましくは3質量部以上10質量部以下とされる。難燃剤の添加量を前記範囲内とすることにより、難燃性を高める効果が十分に発現するとともに、難燃剤の余剰に伴う機械的特性の低下といった副作用を抑制できる。
難燃剤は、例えば、粒子状をなしている。この場合、難燃剤の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上10μm以下とされ、より好ましくは0.05μm以上5μm以下とされ、さらに好ましくは0.2μm以上2μm以下とされる。難燃剤の平均粒径が前記範囲内であることにより、難燃剤の分散性が特に良好になるため、三次元成形絶縁体1の難燃性を特に高めることができる。なお、難燃剤の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い、体積基準の粒度分布における小径側からの累積が50%のときの粒径である。
また、添加剤の合計の添加量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下とされ、より好ましくは0.3質量部以上5質量部以下とされ、さらに好ましくは0.5質量部以上3質量部以下とされる。
3.3.多層構造
次に、変形例に係る三次元成形絶縁体1について説明する。
図7は、変形例に係る三次元成形絶縁体1を示す断面図である。
以下、変形例に係る三次元成形絶縁体1について説明するが、以下の説明では、図1に示す三次元成形絶縁体1との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図7に示す三次元成形絶縁体1は、多層構造になっていること以外、図1に示す三次元成形絶縁体1と同様である。
図7に示す三次元成形絶縁体1は、下方から順に積層されている第1層101、中間層103および第2層102を有する。中間層103は、互いに表裏の関係を有する下面(第1面)および上面(第2面)を有し、芳香族ポリカーボネート樹脂および難燃剤を含むことが好ましい。第1層101は、中間層103の下面(第1面)に積層され、第1樹脂を含む。第2層102は、中間層103の上面(第2面)に積層され、第2樹脂を含む。そして、第1樹脂および第2樹脂は、中間層103が含む芳香族ポリカーボネート樹脂よりも耐トラッキング性が高い材料であることが好ましい。
このような構成によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂が、主鎖に芳香環構造を含むポリカーボネート樹脂であり、芳香環構造の比率が高いことから、中間層103に良好な耐熱性が付与される。また、中間層103は、難燃剤を含む。これらが作用することで、中間層103は、良好な難燃性を有する。
また、中間層103は、第1層101および第2層102に挟まれている。このため、三次元成形絶縁体1に沿面放電が生じた場合、中間層103がアーク放電等に直接曝されることが防止される。第1層101および第2層102が含む樹脂として、芳香族ポリカーボネート樹脂よりも耐トラッキング性が高い材料を用いることにより、三次元成形絶縁体1には、良好な耐トラッキング性が付与される。したがって、難燃性と耐トラッキング性の双方に優れる三次元成形絶縁体1が得られる。
また、このような構成によれば、多層構造による効果の1つとして、耐ピンホール性の向上が図られる。耐ピンホール性が向上することにより、三次元成形絶縁体1の絶縁性、難燃性および耐トラッキング性をさらに高めることができる。
第1樹脂および第2樹脂の各比較トラッキング指数CTIは、400V以上であることが好ましく、600V以上であることがより好ましい。これにより、耐トラッキング性が特に良好な第1樹脂および第2樹脂が得られる。
また、第1樹脂および第2樹脂の各比較トラッキング指数CTIは、芳香族ポリカーボネート樹脂の比較トラッキング指数CTIよりも50V以上高いことが好ましく、100V以上高いことがより好ましい。これにより、難燃性と耐トラッキング性をより良好に両立させた三次元成形絶縁体1が得られる。
第1樹脂および第2樹脂の各ガラス転移温度Tgは、125℃以上であることが好ましく、130℃以上200℃未満であることがより好ましい。これにより、第1樹脂および第2樹脂に耐熱性が付与されるため、例えば第1層101および第2層102において沿面放電が生じた場合でも、炭化による着色を抑制しやすくなる。その結果、第1層101および第2層102における外観不良の発生や炭化に伴う絶縁性の低下を抑制できる。なお、第1樹脂および第2樹脂の各ガラス転移温度Tgは、DSC(示差走査熱量計)法により測定される。DSC法における加熱速度は、10℃/分とする。
第1樹脂および第2樹脂の300℃、1.2kg荷重における各メルトボリュームレイト(MVR)は、5[cm/10min]以上30[cm/10min]以下であることが好ましく、8[cm/10min]以上20[cm/10min]以下であることがより好ましい。これにより、三次元成形絶縁体1の二次加工における成形性、特に真空成形において歪み等の不良を生じない特性を高めることができる。なお、メルトボリュームレイトが前記下限値を下回ると、流動性が不足し、成形性が低下するおそれがある。一方、メルトボリュームレイトが前記上限値を上回ると、成形体の耐衝撃性等が低下するおそれがある。なお、メルトボリュームレイトは、JIS K 7210:2014に規定の試験方法に準じて測定される。
また、第1樹脂および第2樹脂は、全モノマー成分における芳香族モノマーのモル分率が90%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。このような第1樹脂および第2樹脂は、相対的に脂肪族モノマーに由来する構造の比率が高くなる。このため、第1樹脂および第2樹脂に対し、良好な耐トラッキング性を付与できる。これにより、難燃性と耐トラッキング性の双方においてより良好な第1樹脂および第2樹脂が得られる。また、例えば三次元成形絶縁体1において沿面放電が生じた場合でも、炭化による着色を抑制しやすくなる。その結果、三次元成形絶縁体1における外観不良の発生や炭化に伴う絶縁性の低下を抑制できる。なお、芳香族モノマーは、芳香環構造を含むモノマー(芳香族化合物)を指す。
第1層101における第1樹脂の含有率、および、第2層102における第2樹脂の含有率は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
第1樹脂および第2樹脂としては、前述した樹脂材料が挙げられる。
ここで、本実施形態に係る三次元成形絶縁体1に使用可能な樹脂(化合物)について、耐トラッキング性およびガラス転移温度Tgを例示する。下記の表1は、前述した樹脂材料(第1樹脂および第2樹脂を含む)として使用可能な各種樹脂、および、前述した芳香族ポリカーボネート樹脂について、耐トラッキング性を表すCTI値およびガラス転移温度Tgを列挙した表である。また、芳香族ポリカーボネート樹脂については、粘度平均分子量も記載している。
Figure 0007704232000007
表1に示すように、芳香族ポリカーボネート樹脂は、他の樹脂に比べて耐トラッキング性がやや低い傾向がある。このため、芳香族ポリカーボネート樹脂とこれらの樹脂を併用することは、双方の樹脂が持つ特性を両立させるという観点において有用である。
図7に示す三次元成形絶縁体1の製造方法としては、例えば、共押し出し法、乾式ラミネート法、押し出しラミネート法、ホットメルト法等が挙げられる。
3.4.三次元成形絶縁体の特性
次に、実施形態に係る三次元成形絶縁体1の特性について説明する。
3.4.1.耐トラッキング性
実施形態に係る三次元成形絶縁体1の耐トラッキング性は、ASTM D3638に準拠して測定された耐トラッキング性の指標となる比較トラッキング指数CTIによって定量化できる。
実施形態に係る三次元成形絶縁体1の比較トラッキング指数CTI(CTI値)は、600V以上であることが好ましい。CTI値が前記範囲内であれば、耐トラッキング性を表すランクPLCは、最高ランクの0となる。このため、CTI値が前記範囲内である三次元成形絶縁体1は、耐トラッキング性が特に良好であるといえる。
IEC60112第3版に規定される測定方法では、0.1質量%の塩化アンモニウム水溶液と白金電極を用いてCTI値を測定する。より詳細には、この塩化アンモニウム水溶液を規定の滴下数(50滴)滴下し、試験片(n=5)の全てが破壊しない電圧を求め、これをCTI値とする。
なお、試験片には、厚さ3mm以上の三次元成形絶縁体1を用いる。試験片は、複数枚の三次元成形絶縁体1を重ねたものであってもよい。
また、第1樹脂および第2樹脂の比較トラッキング指数CTI、ならびに、芳香族ポリカーボネート樹脂の比較トラッキング指数CTIの各測定方法も、上記と同様である。この場合、試験片には、これらの樹脂を押出成形して得られる、厚さ3mm以上のシートを用いる。
3.4.2.難燃性
実施形態に係る三次元成形絶縁体1の難燃性は、UL94規格に準拠して判定された難燃性のランク(UL94V試験またはUL94VTM試験で判定されたランク)によって定量化できる。
実施形態に係る三次元成形絶縁体1の難燃性は、UL94V試験による判定ランクが、試験片厚さ0.4mm以上においてV-0であるか、または、UL94VTM試験による判定ランクが、試験片厚さ0.4mm以上においてVTM-0であることが好ましい。
このような判定ランクを満たす三次元成形絶縁体1は、各試験において最高ランクを満たしているため、難燃性が特に良好であるといえる。
なお、UL94V試験では、サイズが125±5mm×13.0±0.5mm、厚さが0.4mm以上13mm未満の試験片を用いた、垂直燃焼試験を行う。
また、UL94VTM試験は、試験片が薄くてUL94V試験を行えない場合に行う。UL94VTM試験では、サイズが200mm×50mm、厚さが0.4mm以上0.25mm以下の試験片を用いた、垂直燃焼試験を行う。
3.4.3.絶縁破壊電圧
実施形態に係る三次元成形絶縁体1の絶縁破壊電圧は、JIS C 2318:2020に規定されている絶縁破壊の強さの測定方法(交流試験)に準じて測定された絶縁破壊電圧である。
実施形態に係る三次元成形絶縁体1の絶縁破壊電圧は、5kV以上であることが好ましく、7kV以上60kV以下であることがより好ましく、10kV以上50kV以下であることがさらに好ましい。このような絶縁破壊電圧を満たす三次元成形絶縁体1は、絶縁空間距離が短くても十分な絶縁性を確保することに寄与する。なお、絶縁破壊電圧は、前記上限値を上回ってもよいが、個体差を抑えることを考慮した場合、前記上限値以下であることが好ましい。
4.三次元成形絶縁体の製造方法
次に、三次元成形絶縁体1を製造する方法(実施形態に係る三次元成形絶縁体の製造方法)について説明する。
まず、上記の樹脂材料を含む原材料を用い、カレンダリング法、押出法、プレス法、キャスト法等の方法で平坦な形状をなす熱可塑性絶縁シートを作製する。多層構造を有する熱可塑性絶縁シートの場合、前述した方法により作製する。
次に、熱可塑性絶縁シートに対し、熱成形を含む二次加工行う。これにより、凹部12を形成する。熱成形には、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等がある。このような熱成形によれば、形状による厚さのバラつきが少なく、かつ、形状精度の高い三次元成形絶縁体1が得られる。また、真空成形および真空圧空成形によれば、特に高い形状精度が得られる。
熱成形時の加熱温度は、特に限定されないが、130℃以上260℃以下であることが好ましく、140℃以上240℃以下であることがより好ましい。これにより、厚さのバラつきが特に少なく、かつ、形状精度が特に高い三次元成形絶縁体1が得られる。
また、熱成形の前または熱成形の後に、別の二次加工が追加されていてもよい。別の二次加工としては、例えば、折り曲げ加工、打ち抜き加工等が挙げられる。
5.三次元成形絶縁体の使用方法
次に、三次元成形絶縁体1の使用例について説明する。
図8は、実施形態に係る三次元成形絶縁体1および回路基板9がケース80内に収容されてなる制御装置8を示す断面図である。
図8に示す制御装置8は、回路基板9および三次元成形絶縁体1と、これらを内部に収容するケース80と、を備える。なお、回路基板9を備える装置は、制御装置8に限定されず、いかなる機能を持つ装置であってもよい。
ケース80は、有底の箱状をなし、上面が開口しているハウジング81と、ハウジング81の開口部を塞ぐ蓋部82と、放熱シート85と、を有する。
ハウジング81は、X-Y面に沿って広がる底部と、底部の外端から上方に向かって立ち上がる壁部と、を有する。ハウジング81の内部には、回路基板9が収容されている。回路基板9は、図8には図示しない固定ビス94により、ハウジング81に固定されている。また、回路基板9は、放熱シート85と接触した状態で固定される。
蓋部82は、ハウジング81の開口部を塞いでいればよいが、液密的または気密的に封止することが好ましい。これにより、回路基板9を外部環境から安定して保護できる。
ハウジング81および蓋部82の各構成材料としては、例えば、金属材料、セラミック材料、樹脂材料等が挙げられる。また、これらの2種以上を用いた複合材料であってもよい。このうち、金属材料が好ましく用いられる。金属材料は、熱伝導性および機械的特性に優れるため、ハウジング81および蓋部82の各構成材料として有用である。また、金属材料は、導電性および透磁率に優れることが多いので、ハウジング81および蓋部82を電磁シールドや磁場シールドとして用いることが可能になる。
また、金属材料を用いた場合、回路基板9と金属材料との短絡が懸念される。特に、配線基板90の上面から突出している部品と蓋部82との間で短絡が起きやすいため、従来であれば、これらの間に必要な空間距離を確保する必要がある。
これに対し、三次元成形絶縁体1を用いることで、この空間距離を短縮できる。例えば、図8に示す、パワー半導体素子91と蓋部82との離間距離S3、および、バスバー92と蓋部82との離間距離S4を、それぞれ短縮することができる。これにより、制御装置8の薄型化および小型化が可能になる。
離間距離S3、S4は、部品に印加される電圧等に応じて異なるが、一例として、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。これにより、制御装置8のさらなる薄型化および小型化が可能になる。
また、三次元成形絶縁体1を用いることで、三次元成形絶縁体1の平坦部11と蓋部82との間に、十分なスペースSPを確保できる。このスペースSPは、パワー半導体素子91やバスバー92との絶縁が確保されているため、例えば、別の物体の収容等に利用した場合でも、短絡等の発生を抑制できる。
図9は、図8の制御装置8の変形例を示す断面図である。
図9に示すケース80は、隔壁83が追加されていること以外、図8に示すケース80と同様である。隔壁83は、ハウジング81の内部に設置され、ハウジング81の内部空間を上下に分離している。隔壁83の下方の空間には、回路基板9および三次元成形絶縁体1が収容されている。隔壁83の上方の空間には、回路基板9とは別の回路基板7が収容されている。回路基板7は、配線基板71と、半導体素子72と、を備える。このような回路基板7を回路基板9と同空間に収容することで、ケース80の高さを最小限に抑えつつ、制御装置8の高機能化を図ることができる。
なお、図9に示す蓋部82の下面には、別の平板状絶縁シート2が設けられている。この平板状絶縁シート2は、平板状をなしている。このような平板状絶縁シート2を設けることにより、回路基板7と蓋部82との間に必要な空間距離の短縮を図ることができる。これにより、ケース80の高さをさらに抑えることができる。
以上のように、三次元成形絶縁体1および平板状絶縁シート2を併用することで、制御装置8の高機能化と小型化とを両立させることができる。
6.前記実施形態が奏する効果
前記実施形態に係る三次元成形絶縁体1は、電圧が印加される部品に被せられる三次元成形絶縁体である。このような三次元成形絶縁体1は、凹部12を有する形状に成形されている。凹部12は、底部12a、および、底部12aの端部に設けられている壁部12b、を含む。そして、三次元成形絶縁体1は、凹部12内に部品が挿入された状態で用いられる。
このような構成によれば、電圧が印加される部品に合わせて凹部12を設けることにより、部品の周囲に生じるデッドスペースを縮小できる。これにより、部品が収容される空間の有効利用が可能になる。その結果、部品を搭載する機器の小型化を図ることができる。
また、部品と、部品が搭載されている配線基板90(基板)と、を備える回路基板9に被せて用いられてもよい。この場合、三次元成形絶縁体1は、凹部12と、凹部12に接続されている平坦部11と、を有する形状に成形されていることが好ましい。
このような構成によれば、配線基板90に搭載されている部品に合わせて凹部12を設けることにより、回路基板9と三次元成形絶縁体1との間(部品の周囲)に生じるデッドスペースを縮小できる。これにより、回路基板9が収容される空間の有効利用が可能になる。その結果、回路基板9を搭載する機器の小型化を図ることができる。
また、前記実施形態に係る三次元成形絶縁体1は、平坦部11を厚さ方向に貫通する貫通孔13を有する。
このような構成によれば、貫通孔13に合わせて固定ビス94等を設けた場合、三次元成形絶縁体1を回路基板9に被せた状態でも、固定ビス94の回転操作が可能になる。このため、三次元成形絶縁体1を回路基板9に被せた状態で、回路基板9をケース等にビス止めすることが可能になり、組立作業性が向上する。
また、壁部12bの厚さt12bは、平坦部11の厚さt11の20%以上95%以下であることが好ましい。
このような構成によれば、壁部12bは、凹部12の形状を支えるのに十分な剛性を有するとともに、凹部12の側方におけるデッドスペースのさらなる縮小に寄与できる。
また、平坦部11の厚さt11は、0.05mm以上1.00mm以下であることが好ましい。
このような構成によれば、難燃性、耐トラッキング性および絶縁性に優れるとともに、比較的製造しやすい三次元成形絶縁体1が得られる。
また、前記実施形態に係る三次元成形絶縁体1は、難燃剤を含んでいてもよい。
このような構成によれば、難燃性に優れる三次元成形絶縁体1が得られる。
また、前記実施形態に係る三次元成形絶縁体1は、熱可塑性樹脂を主材料とすることが好ましい。
熱可塑性樹脂を主材料とするシートは、熱による塑性変形が可能であり、二次加工性に優れるものとなる。このため、熱成形で製造可能であり、製造容易性に優れる三次元成形絶縁体1が得られる。
また、熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂を含んでいてもよい。
このような構成によれば、芳香環構造に由来する優れた耐熱性および難燃性を有する三次元成形絶縁体1が得られる。
また、前記実施形態に係る三次元成形絶縁体1は、ASTM D3638に準拠して測定された耐トラッキング性の指標となる比較トラッキング指数CTIが、600V以上であることが好ましい。
このような構成によれば、耐トラッキング性が特に良好な三次元成形絶縁体1が得られる。
また、前記実施形態に係る三次元成形絶縁体1は、UL94規格に準拠して判定された難燃性のランクが、試験片厚み0.4mm以上においてV-0またはVTM-0であることが好ましい。
このような構成によれば、難燃性が特に良好な三次元成形絶縁体1が得られる。
また、前記実施形態に係る三次元成形絶縁体の製造方法は、三次元成形絶縁体1の製造方法であって、平坦な形状をなす熱可塑性絶縁シートに対し、熱成形を含む二次加工を行い、凹部12を形成する。
このような構成によれば、形状精度が高い三次元成形絶縁体を製造することができる。
また、熱成形は、真空成形または真空圧空成形であることが好ましい。
このような構成によれば、形状精度が特に高い三次元成形絶縁体を製造することができる。
以上、本発明の三次元成形絶縁体および三次元成形絶縁体の製造方法について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の三次元成形絶縁体には、前記実施形態に記載の添加物とは別の添加物が添加されていてもよい。
また、本発明の三次元成形絶縁体は、前記実施形態に記載の層構成に対し、任意の機能を有する層、例えば、粘着層、接着層、保護層、離型層等が追加されたものであってもよい。
さらに、本発明の三次元成形絶縁体の製造方法は、前記実施形態に任意の目的の工程が付加されたものであってもよい。
1 三次元成形絶縁体
2 平板状絶縁シート
7 回路基板
8 制御装置
9 回路基板
11 平坦部
12 凹部
13 貫通孔
71 配線基板
72 半導体素子
80 ケース
81 ハウジング
82 蓋部
83 隔壁
85 放熱シート
90 配線基板
91 パワー半導体素子
92 バスバー
93 信号用コネクター
94 固定ビス
101 第1層
102 第2層
103 中間層
110 平坦面
121 凹部
122 凹部
123 凹部
901 絶縁層
902 配線層
903 貫通配線
904 サーマルビア
921 バスバー
922 バスバー
L1 空間距離
S1 離間距離
S2 離間距離
S3 離間距離
S4 離間距離
SP スペース

Claims (19)

  1. 電圧が印加される部品に被せられる三次元成形絶縁体(ただし、電磁波遮蔽層を有するものを除く)であって、
    熱可塑性樹脂を主材料とするシートが、底部、および、前記底部の端部に設けられている壁部、を含む凹部と、前記凹部に接続されている平坦部と、を有する形状に成形されてなるシート成形体であり
    前記凹部の一方の面は、第1方向に凹む面であり、
    前記凹部の他方の面は、前記第1方向に突出する面であり、
    前記凹部内に前記部品が挿入された状態で用いられることを特徴とする三次元成形絶縁体。
  2. 前記部品と、前記部品が搭載されている基板と、を備える回路基板に被せて用いられる請求項1に記載の三次元成形絶縁体。
  3. 前記平坦部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有する請求項2に記載の三次元成形絶縁体。
  4. 前記壁部の厚さは、前記平坦部の厚さの20%以上95%以下である請求項3に記載の三次元成形絶縁体。
  5. 前記平坦部の厚さは、0.05mm以上1.00mm以下である請求項3または4に記載の三次元成形絶縁体。
  6. 難燃剤を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元成形絶縁体。
  7. 前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元成形絶縁体。
  8. 前記部品と前記凹部との間に隙間ができるように用いられる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元成形絶縁体。
  9. 構成材料が、芳香族ポリカーボネート樹脂と相溶性樹脂とをアロイ化してなるポリマーアロイである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元成形絶縁体。
  10. 前記相溶性樹脂の比較トラッキング指数CTIは、前記芳香族ポリカーボネート樹脂の比較トラッキング指数CTIよりも50V以上高い請求項に記載の三次元成形絶縁体。
  11. 前記相溶性樹脂は、全モノマー成分における芳香族モノマーのモル分率が90%以下である請求項に記載の三次元成形絶縁体。
  12. 前記相溶性樹脂は、ポリオレフィン樹脂である請求項9に記載の三次元成形絶縁体。
  13. 前記相溶性樹脂は、ポリアミド樹脂である請求項9に記載の三次元成形絶縁体。
  14. 前記相溶性樹脂は、ビスフェノールイソホロンカーボネート単位を含む芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項9に記載の三次元成形絶縁体。
  15. 前記相溶性樹脂は、脂肪族ポリカーボネート樹脂である請求項9に記載の三次元成形絶縁体。
  16. ASTM D3638に準拠して測定された耐トラッキング性の指標となる比較トラッキング指数CTIが、600V以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元成形絶縁体。
  17. UL94規格に準拠して測定された難燃性が、試験片厚み0.4mm以上においてV-0またはVTM-0である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元成形絶縁体。
  18. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元成形絶縁体の製造方法であって、
    平坦な形状をなす熱可塑性絶縁シートに対し、熱成形を含む二次加工を行い、前記凹部を形成することを特徴とする三次元成形絶縁体の製造方法。
  19. 前記熱成形は、真空成形または真空圧空成形である請求項18に記載の三次元成形絶縁体の製造方法。
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