上記の本発明の変換コネクタの一態様では、前記第1オス部材の外周面に、前記第1オス部材の先端に向かって外径が小さくなるテーパ面が設けられていてもよい。かかる態様によれば、第1オス部材に第1メス部材をテーパ嵌合させることが可能になる。これは、簡単な構成で、第1オス部材と第1メス部材との間に液密なシールを形成するのに有利である。
上記の本発明の変換コネクタの一態様では、前記第2オス部材の外周面は、前記第2オスコネクタを前記第2メスコネクタに接続したとき前記第2オス部材と前記第2メス部材との間に液密なシールが形成されるように構成されていてもよい。かかる態様は、第2オス部材と第2メス部材との間から液状物が外界に漏れ出るのを防止するのに有利である。
前記変換コネクタの全体が一部品として一体的に形成されていてもよい。かかる態様によれば、小型且つ高強度で、構造が簡単な変換コネクタを容易且つ安価に提供することができる。
前記第2オス部材の先端での前記流路の開口径は、前記第1オス部材の先端での前記流路の開口径より大きくてもよい。前記流路の断面積は、前記第1オス部材と前記第2オス部材との間でなめらかに変化していてもよい。かかる態様によれば、変換コネクタの流路内での液状物の滞留が減少し、通液性が向上する。
上記の本発明の変換コネクタの一態様では、前記流路の内周面に突起が設けられていてもよい。かかる態様は、本来は挿入すべきでない穿刺針を、第2オス部材から流路へ誤って深く挿入してしまう誤穿刺を防止するのに有利である。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。同一または対応する部材には、異なる図面において同じ符号が付してある。そのような部材の説明は、後行する実施形態では省略されており、先行する実施形態の説明を適宜参酌すべきである。
本発明において、部材(例えば変換コネクタ、オスコネクタ、メスコネクタ、オス部材、メス部材)の「軸」は、当該部材の中心軸を意味する。「軸」は、部材に含まれる円の中心を通り、且つ/又は、部材に含まれる円筒もしくは円錐(テーパ)の中心軸と一致する。以下の説明で引用する図面のいくつかでは、図面を簡単化するために、軸の図示が省略されている。
(実施形態1)
図1Aは、本発明の実施形態1にかかる変換コネクタ1の第1オスコネクタ10側から見た斜視図である。図1Bは、変換コネクタ1の第2オスコネクタ20側から見た斜視図である。図1Cは、変換コネクタ1の断面斜視図である。図1Cにおいて、一点鎖線1aは、変換コネクタ1の軸である。以下の説明の便宜のため、軸1aに直交する方向を「半径方向」という。半径方向において、軸1aに近づく側を「内側」、軸1aから遠ざかる側を「外側」という。軸1aの周りを回転する方向を「周方向」という。
変換コネクタ1は、同軸に配置された第1オスコネクタ10と第2オスコネクタ20とを備える。
第1オスコネクタ10は、中空の円筒形状を有する第1オス部材11と、第1オス部材11を取り囲む外筒13とを有する。第1オス部材11の外周面12は、第1オス部材11の先端に向かって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)を含む。外筒13は、略円筒形状を有し、第1オス部材11と同軸に、第1オス部材11から半径方向に離間して配置されている。外筒13の第1オス部材11に対向する内周面には雌ネジ14が設けられている。雌ネジ14は、ネジロック機構(特許文献1参照)を構成する。
第2オスコネクタ20は、台座25と、台座25に設けられた第2オス部材21とを備える。
台座25は、円形の底面27と、底面27の外周縁から第1オスコネクタ10側に向かって延びた外周壁28とを備える。底面27は、軸1aに垂直な平坦面である。外周壁28は、外筒13より径大の円筒形状を有する。外周壁28から、一対の係合爪26が半径方向外向きに突出している。係合爪26は、周方向に沿って延びている。係合爪26の第1オスコネクタ10側の面26aは、傾きが異なる3つの傾斜面を組み合わせて構成されている。係合爪26の面26aとは反対側の面は、底面27と共通する一平面を構成している。一対の係合爪26は、軸1aに対して対称である。一対の係合爪26は、爪ロック機構(特許文献2参照)を構成する。
第2オス部材21が、台座25の底面27から突出している。第2オス部材21は、台座25より小径の中空円筒形状を有する。第2オス部材21は、全体として略円筒面である外周面22を有する。より詳細には、外周面22は、第2オス部材21の軸方向の略中間の位置に、外径が最大となる大径部23を備える。外周面22には、大径部23に対して第2オス部材21の先端側及び基端側(台座25側)のそれぞれに、大径部23から離れるにしたがって外径が小さくなるテーパ面が設けられている。
流路31が、軸1aに沿って変換コネクタ1を貫通している。流路31は、第1オス部材11を貫通し、第1オス部材11の先端で開口している。また、流路31は、第2オス部材21を貫通し、第2オス部材21の先端で開口している。流路31が、第1オス部材11と第2オス部材21とを連通させている。軸1aに垂直な平面に沿った流路31の断面形状は円形である。第2オス部材21の外径は、第1オス部材11の外径より大きい。これに対応して、第2オス部材21内での流路31の内径は、第1オス部材11内での流路31の内径より大きい。流路31の内径(または断面積)は、第1オス部材11側より第2オス部材21側で大きくなるように、第1オス部材11と第2オス部材21との間の部分31aにて階段状に変化している。
外周壁28は、外筒13を取り囲むように、第1オスコネクタ10側に向かって延びている。外周壁28に一対の把持面29が設けられている。各把持面29は、軸1aに平行な略平坦面である。一対の把持面29は、軸1aを挟んで、互いに平行に配置されている。一対の把持面29は、作業者が変換コネクタ1に軸1a周りの回転力を加えるのを容易にする。
変換コネクタ1の材料は、制限はないが、硬質の材料であることが好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体等の樹脂材料を用いることができる。医療用に用いられることや耐久性を考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。変換コネクタ1は、樹脂材料を射出成形することにより全体を一部品として一体的に製造されることが好ましい。
変換コネクタ1の使用方法を説明する。
図2は、変換コネクタ1の使用方法を説明する分解斜視図である。変換コネクタ1は、第1メスコネクタ800と第2メスコネクタ900とを接続するために使用することができる。
第1メスコネクタ800は、シリンジ(注入器)810の外筒812の筒先に設けられている。外筒812の第1メスコネクタ800とは反対側端の開口(図示せず)に、プランジャ816が挿抜可能に挿入されている。シリンジ810内には、経腸栄養において患者に投与される液状物(例えば経腸栄養剤)が貯留されている。
図3Aは、第1メスコネクタ800の斜視図である。図3Bは、第1メスコネクタ800の断面図である。
第1メスコネクタ800は、第1メス部材801を備える。第1メス部材801は、外筒812の内腔と連通した中空円筒形状を有する。第1メス部材801の内周面802は、第1メス部材801の先端に向かって内径が大きくなるテーパ面(メステーパ面)を含む。第1メス部材801の外周面には、雄ネジ804が設けられている。雄ネジ804は、ネジロック機構(特許文献1参照)を構成する。第1メスコネクタ800を含む外筒812は、硬質の材料(樹脂またはガラスなど)からなる。
図4Aは、第2メスコネクタ900の斜視図である。図4Bは、第2メスコネクタ900の平面図である。図4Cは、第2メスコネクタ900の断面斜視図である。図4Dは、第2メスコネクタ900の断面図である。図4Cの断面は、図4Bの4C-4C線を含む面に沿っており、図4Dの断面は、図4Bの4D-4D線を含む面に沿っている。図4Cの断面と図4Dの断面とは、第2メスコネクタ900の軸900a(図4D参照)にて直交する。
第2メスコネクタ900は、第2メス部材901を備える。第2メス部材901は、軸900aと同心の円形の平面視形状を有する凹部である。第2メス部材901の内周面902は、第2メス部材901の先端901aに向かって内径がわずかに大きくなるテーパ面(メステーパ面)を含む。平坦面903が、第2メス部材901を取り囲んでいる。平坦面903は、軸900aに垂直な平面に沿って延びている。平坦面903に、周方向(軸900aの周りを回転する方向)に連続した環状溝904が設けられている。環状溝904の平面視形状(軸900aに沿って見た形状)は、軸900aと同心の円である。環状溝904は、第2メス部材901を取り囲んでいる。第2メス部材901の先端901aは、平坦面903が沿う平面に沿っている。なお、本発明では、環状溝904を省略することができる。この場合、第2メス部材901の開口端(先端901a)から平坦面903が半径方向外側に向かって延びる。
第2メスコネクタ900は、一対の係合壁905を更に備える。係合壁905は、平坦面903よりも半径方向外側に配置され、平坦面903よりも第2メスコネクタ900の先端側(接続筒921とは反対側)に向かって延びている。係合壁905は、軸900aと同軸の円筒面に沿っている。係合壁905の先端から半径方向内向きに係合突起906が突出している。係合突起906は周方向にほぼ沿って延びている。図4Dに示されているように、軸900aから見て、係合突起906の左側端は開放されている。係合突起906の右側端は、平坦面903に近づくように下降して停止端908を形成している。係合突起906の平坦面903に対向する面(下面)906aは、傾きが異なる3つの傾斜面を含む。係合突起906を含む一対の係合壁905は、軸900aに対して対称である。一対の係合突起906は、爪ロック機構(特許文献2参照)を構成する。
第2メスコネクタ900は、第2メス部材901とは反対側端に、接続筒921を更に備える。接続筒921は、軸900aと同軸の中空円筒形状を有する。
流路931が、軸900aに沿って第2メスコネクタ900を貫通している。軸900aに垂直な平面に沿った流路931の断面形状は円形である。流路931が、第2メス部材901と接続筒921とを連通させている。接続筒921は、柔軟な中空のチューブ909に挿入され、接着剤等によりチューブ909に固定されている。第2メス部材901は、流路931を介してチューブ909と連通している。チューブ909は、患者の鼻腔を通って胃又は食道にまで挿入された経鼻チューブであってもよい。あるいは、チューブ909は、経鼻チューブまたは瘻孔チューブに接続されたチューブ(延長チューブ)であってもよい。
第2メスコネクタ900の外面は、第2メス部材901と接続筒921との間に、一対の把持面933を含む。各把持面933は、軸900aに平行な略平坦面である。一対の把持面933は、軸900aを挟んで、互いに平行に配置されている。一対の把持面933は、作業者が第2メスコネクタ900に軸900a周りの回転力を加えるのを容易にする。
第2メスコネクタ900の材料は、制限はないが、上述した変換コネクタ1の樹脂材料の中から選択しうる。第2メスコネクタ900は、樹脂材料を射出成形することにより全体を一部品として一体的に製造されることが好ましい。
図2に示すように、変換コネクタ1は、第1メスコネクタ800と第2メスコネクタ900との間に配置されて、これらを接続するために使用することができる。図5は、変換コネクタ1を介して第1メスコネクタ800と第2メスコネクタ900とを接続した状態を示した斜視図である。図6は、図5の主要部の断面図である。変換コネクタ1の第1オスコネクタ10は第1メスコネクタ800に接続され、変換コネクタ1の第2オスコネクタ20は第2オスメスクタ900に接続されている。
変換コネクタ1と第1メスコネクタ800との接続について説明する。図2に示すように、変換コネクタ1の第1オスコネクタ10と第1メスコネクタ800とを同軸に対向させる。この状態で、変換コネクタ1を第1メスコネクタ800に接近させる。第1オスコネクタ10の第1オス部材11(図1A参照)を、第1メスコネクタ800の第1メス部材801(図3A参照)に挿入する。第1メス部材801は、第1オスコネクタ10の第1オス部材11と外筒13との間の隙間(図1A参照)に挿入される。変換コネクタ1と第1メスコネクタ800とを互いに逆方向に回転させる。第1メスコネクタ800の雄ネジ804(図4A参照)を、第1オスコネクタ10の雌ネジ14(図1A参照)に螺合させる。かくして、変換コネクタ1と第1メスコネクタ800とが接続される(図5参照)。
図6に示されているように、第1オス部材11の外周面(オステーパ面)12(図1A参照)が、第1メス部材801の内周面(メステーパ面)802(図3A参照)に嵌合している。オステーパ面12とメステーパ面802とは、径及びテーパ角度が一致する。したがって、オステーパ面12はメステーパ面802にテーパ嵌合し、両者間に液密なシールが形成される。図6では示されていないが、第1メスコネクタ800の雄ネジ804(図4A参照)が、第1オスコネクタ10の雌ネジ14(図1A参照)に螺合している。
変換コネクタ1と第2メスコネクタ900との接続について説明する。図2に示すように、変換コネクタ1の第2オスコネクタ20と第2メスコネクタ900とを同軸に対向させる。第2オスコネクタ20の一対の係合爪26(図1B参照)を結ぶ方向と、第2メスコネクタ900の一対の係合突起906(図4A参照)を結ぶ方向とを略直交させる。この状態で、変換コネクタ1を第2メスコネクタ900に接近させる。第2オスコネクタ20の台座25を、第2メスコネクタ900の一対の係合壁905間に挿入する。変換コネクタ1と第2メスコネクタ900とを互いに逆方向に回転させる。第2オスコネクタ20の係合爪26(図1A参照)の一端が第2メスコネクタ900の停止端908(図4A、図4C、図4D参照)に当接するまで、第2メスコネクタ900に対して変換コネクタ1を回転させる。かくして、変換コネクタ1と第2メスコネクタ900とが接続される(図5参照)。
図6に示されているように、第2オスコネクタ20の第2オス部材21は、第2メスコネクタ900の第2メス部材901に挿入されている。第2オス部材21の大径部23(図1B、図1C参照)が、第2メス部材901の内周面(メステーパ面)902(図4A、図4C参照)に嵌合し、両者間に液密なシールが形成される。第2メスコネクタ900の平坦面903及び第2メス部901の先端901a(図4A参照)は、第2オスコネクタ20の台座25の底面27(図1B参照)に当接している。第2オスコネクタ20の係合爪26が第2メスコネクタ900の係合突起906に軸方向に係合している。係合爪26の面26aに設けられた3つの傾斜面(図1A参照)が、係合突起906の面906aに設けられた3つの傾斜面(図4D参照)と嵌合する。これは、係合爪26と係合突起906との係合状態(ロック状態)を維持するのに有利である。
かくして、第1メスコネクタ800、変換コネクタ1、及び第2メスコネクタ900が、同軸に、順に接続される(図5、図6参照)。第1メスコネクタ800(第1メス部材801)と第2メスコネクタ900(第2メス部材901)とは、変換コネクタ1の流路31を介して連通される。
第1メスコネクタ800からの変換コネクタ1の分離は、上記の接続操作とは逆の操作を行うことにより可能である。即ち、第1メスコネク800を変換コネクタ1に対して上記とは逆方向に回転させて雌ネジ14に対する雄ネジ804の螺合を解除する。その後、変換コネクタ1及び第1メスコネクタ800を互いに逆方向に引っ張る。
第2メスコネクタ900からの変換コネクタ1の分離も、上記の接続操作とは逆の操作を行うことにより可能である。即ち、変換コネクタ1を第1メスコネクタ900に対して上記とは逆方向に回転させて係合突起906に対する係合爪26の係合を解除する。その後、変換コネクタ1及び第2メスコネクタ900を互いに逆方向に引っ張る。
変換コネクタ1の第1オスコネクタ10は第1メスコネクタ800に対して繰り返し接続及び分離が可能である。また、変換コネクタ1の第2オスコネクタ20は第2メスコネクタ900に対して繰り返し接続及び分離が可能である。
以上のように、変換コネクタ1は、一端に第1メスコネクタ800に対して繰り返し接続及び分離が可能な第1オスコネクタ10を備え、他端に第2メスコネクタ900に対して繰り返し接続及び分離が可能な第2オスコネクタ20を備えている。
第1オスコネクタ10は、第1メスコネクタ800の第1メス部材801に挿入される第1オス部材11を備える。第1オスコネクタ10は、第2メスコネクタ800の雄ネジ804に螺合可能な雌ネジ14を備える。第1オス部材11及び雌ネジ14を備えた第1オスコネクタ10は、第1メスコネクタ800に接続可能な、ネジロック機構付きのオスコネクタ(図示せず)と互換性を有している。このため、第1オスコネクタ10と第1メスコネクタ800とを、ネジロック機構を備えた接続具(特許文献1)と同等の接続強度で接続することができる。これは、第1メスコネクタ800から変換コネクタ1が意図せずに分離するのを防止するのに有利である。
第2オスコネクタ20は、第2メスコネクタ900の第2メス部材901に挿入される第2オス部材21を備える。第2オスコネクタ20は、更に、第2メスコネクタ900の係合突起906に係合可能な係合爪26を備える。第2オス部材21及び係合爪26を備えた第2オスコネクタ20は、第2メスコネクタ900に対して接続及び分離が可能な、爪ロック機構付きのオスコネクタ(図示せず)と互換性を有している。このため、第2オスコネクタ20と第2メスコネクタ900とを、爪ロック機構を備えた接続具(特許文献2)と同等の接続強度で接続することができる。これは、第2メスコネクタ900から変換コネクタ1が意図せずに分離するのを防止するのに有利である。
第1オス部材11と第2オス部材21とは流路31を介して連通している。このため、第1メスコネクタ800と第2メスコネクタ900とを、変換コネクタ1を介して接続し連通させることができる。
経腸栄養において患者に投与される多くの液状物(例えば経腸栄養剤)は高粘度化されている。この液状物を患者に投与する際には、液状物を圧送する必要がある。液状物を圧送するためにシリンジが用いられることがある。この場合、図5に示すように、変換コネクタ1を介して、液状物を貯留したシリンジ810を第2メスコネクタ900に接続する。プランジャ916を外筒913に押し込んで、シリンジ810内の液状物を、第1メスコネクタ800、変換コネクタ1、第2メスコネクタ900、チューブ909を順に介して患者に投与することができる。
また、経腸栄養を行った後、第2メスコネクタ900及びチューブ909に残留した液状物(例えば経腸栄養剤)を洗浄することが望ましい。この場合、図5に示すように、変換コネクタ1を介して、洗浄液(例えば、ぬるま湯、水、お茶、希釈酢水など)を貯留したシリンジ810を第2メスコネクタ900に接続する。プランジャ916を外筒913に押し込んで、残留した液状物を、洗浄液とともに患者の体内へ洗い流すことができる。
これらの操作において、第1メスコネクタ800と変換コネクタ1との接続及び変換コネクタ1と第2メスコネクタ900との接続のいずれもが確実に維持される。
このように、本実施形態1の変換コネクタ1は、ネジロック機構を備えた第1メスコネクタ800と、爪ロック機構を備えた第2メスコネクタ900とを、それぞれのロック機構を有効に機能させながら接続することを可能にする。
変換コネクタ1と第1メスコネクタ800との接続と、変換コネクタ1と第2メスコネクタ900との接続とのいずれを先に行うかに関して制限はない。変換コネクタ1を第1メスコネクタ800に先に接続した場合、変換コネクタ1は、ネジロック機構付きのメスコネクタ800を、爪ロック機構付きのオスコネクタ20に変換するアダプタとして機能する。また、変換コネクタ1を第2メスコネクタ900に先に接続した場合、変換コネクタ1は、爪ロック機構付きのメスコネクタ900を、ネジロック機構付きのオスコネクタ10に変換するアダプタとして機能する。このように、変換コネクタ1は、本来であれば接続することができない、異なるロック機構を備えた2つのメスコネクタ800,900を互いに接続することを可能にする。
変換コネクタ1の第1オスコネクタ10の第1オス部材11の外周面12(図1A参照)には、オステーパ面が設けられている。このため、簡単な構成で、第1オス部材11の外周面12と第1メス部材801の内周面802(図3B参照)との間に液密なシールを形成することができる。液密なシールは、第1オス部材11と第1メス部材801との間を通って液状物が外界に漏れ出るのを防止する。
変換コネクタ1の第2オスコネクタ20を第2メスコネクタ900に接続したとき、第2オス部材21の外周面22(特に大径部23、図1B参照)と第2メス部材901の内周面902(図4A参照)との間に液密なシールが形成される。液密なシールは、第2オス部材21と第2メス部材901との間を通って液状物が外界に漏れ出るのを防止する。第2オス部材21の外周面22が大径部23を備えるので、簡単な構成で液密なシールを形成することができる。但し、本発明では、第2オス部材21の外周面22が大径部23を備えている必要はなく、例えば、外周面22が、第2オス部材21の先端に向かって外径が小さくなるテーパ面(オステーパ面)であってもよい。この場合であっても、外周面22を内周面902にテーパ嵌合させて両者間に液密なシールを形成することは可能である。
本実施形態1では、ネジロック機構は、第1メスコネクタ800側から見て第1メスコネクタ800を変換コネクタ1に対して時計回り方向に回転させたとき雌ネジ14に雄ネジ804が螺合するように構成されている。爪ロック機構は、変換コネクタ1側から見て変換コネクタ1を第2メスコネクタ900に対して時計回り方向に回転させたとき、係合爪26が係合突起906に係合するように構成されている。即ち、ロック及びロック解除のそれぞれを行うための回転方向が、ネジロック機構と爪ロック機構とで一致している。このため、例えば、第1メスコネクタ800(または外筒812)及び第2メスコネクタ900をそれぞれ別の手で摘まんで、第1メスコネクタ800側から見て第1メスコネクタ800を第2メスコネクタ900に対して時計回り方向に回転させることにより、ネジロック機構及び爪ロック機構の両方を同時にロック状態に移行させることができる。
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2にかかる変換コネクタ2の断面斜視図である。本実施形態2の変換コネクタ2は、流路31に関して実施形態1の変換コネクタ1と異なる。即ち、実施形態1では、第1オス部材11と第2オス部材21との間に、流路31の断面積(または内径)が急激に(または階段状に)変化する部分31a(図1C,図6参照)が存在した。これに対して、本実施形態2では、第1オス部材11と第2オス部材21との間に、部分31aに代えて、流路31の断面積(または内径)がなめらかに変化する部分31bが設けられている。
図8は、変換コネクタ2を介して第1メスコネクタ800と第2メスコネクタ900とを接続した状態を示した断面図である。液状物は、流路31内を、第1オス部材11から第2オス部材21に向かって流れる。流路31の断面積が、第1オス部材11と第2オス部材21との間でなめらかに変化しているので、流路31内での液状物の滞留が減少し、通液性が向上する。
なお、本発明において、流路31の断面積が「なめらかに変化する」とは、流路31を規定する内面が、軸1aに垂直な面に沿った部分を有しないことを意味し、好ましくは、軸1aを含む面に沿った断面において、流路31を規定する内面が、連続する曲線で表されることを意味する。
本実施形態2は、上記を除いて実施形態1と同じである。実施形態1の説明が、本実施形態2にも適宜適用される。
(実施形態3)
図9Aは、本発明の実施形態3にかかる変換コネクタ3の断面斜視図である。図9Bは、変換コネクタ3の第2オスコネクタ20側から見た下面図である。変換コネクタ3は、流路31の内周面に4つの突起33が設けられている点で、実施形態1の変換コネクタ1と異なる。
図9Aに示されているように、4つの突起33(図9Aでは2つの突起33のみが見える)は、流路31の内周面から半径方向内向きに突出している。突起33は、相対的に小径である第1オス部材11内の流路31に、より詳細には第1オス部材11の基端部(第2オス部材21側端)に、設けられている。その結果、図9Bに示すように、第2オスコネクタ20側から見たとき、第1オス部材11内の流路31の第2オス部材21側の開口は略十字形状を有している。略十字形状の開口は、本来は挿入すべきでない穿刺針を、第2オス部材21から第1オス部材11内の流路31へ誤って深く挿入してしまう(以下「誤穿刺」という)のを防止するのに有利である。例えば、変換コネクタ3を第1メスコネクタ800(図2参照)に接続し、且つ、変換コネクタ3の第2オスコネクタ20に第2メスコネクタ900(図2参照)を接続する前の状態において、作業者が、第2オスコネクタ20の第2オス部材21に、穿刺針を誤って接続しようと試みるかもしれない。穿刺針は、バイアルなどのゴム栓に穿刺可能なように、先端に向かって外径が細くなる鋭利な先端を有している。穿刺針を第2オス部材21に挿入すると、多くの場合、穿刺針の先端が突起33に突き当たるので、穿刺針の第1オス部材11内の流路31への挿入が阻止される。仮に穿刺針の先端が突起33間の隙間に挿入されたとしても、穿刺針は突起33間に挟まれるので、穿刺針の第1オス部材11内の流路31への深い挿入が阻止される。作業者は、穿刺針を第2オス部材21に深く且つ安定的に接続することができないことから、誤穿刺していることに容易に気付く。このため、第2オス部材21に穿刺針を接続してシリンジ810から流れる液状物について誤った流路を形成してしまうという事態の発生を防止することができる。
図10は、本発明の実施形態3にかかる別の変換コネクタ4の断面斜視図である。変換コネクタ4は、実施形態2の変換コネクタ2の流路31の内周面に、変換コネクタ3と同様に4つの突起33(図10では2つの突起33のみが見える)を設けたものである。変換コネクタ3と同様に、変換コネクタ4も、本来は挿入すべきでない穿刺針を、第2オス部材21から第1オス部材11内の流路31へ誤って深く挿入してしまう誤穿刺を防止するのに有利である。
変換コネクタ3,4では、変換コネクタの軸に垂直な面に沿った流路31の断面形状が略十字形状になるように、流路31の内周面に4つの突起33を設けた。但し、本発明では、第2オス部材21に対する誤穿刺を防止するための流路31の断面形状は、略十字形状に限定されず、略多角形(略正方形、略長方形、略三角形など)、星形、楕円形、円形など任意の形状であってよい。一般には、第2オス部材21側から変換コネクタの軸に沿って見たとき、流路31の内周面よりも半径方向内向きに突出した突起が設けられていれば、穿刺針の誤穿刺を防止することができる。突起の形状や数、配置等は任意である。例えば、本実施形態3において、突起33の数が、3つ又は5つ以上であってもよい。複数の突起は変換コネクタの軸に対して回転対称に配置されていることが好ましい。複数の突起のうちの一部又は全部が、変換コネクタの軸を通って連結されていてもよい。例えば、4つの突起33が変換コネクタの軸まで延びて互いに連結されて、全体として略十字形状の突起を形成していてもよい。
突起は、周方向に連続した環状の突起であってもよい。この場合、突起が設けられた位置での流路31の断面形状は、円形又は楕円形であってもよい。この場合であっても、流路31の内周面よりも半径方向内向きに突出した環状の突起が、穿刺針の誤穿刺を防止することができる。但し、突起が設けられた位置での流路31の断面形状が単一の円形となるように、流路内に、周方向に連続した環状の突起を設けると、流路面積が小さくなり、流路を流れる液状物の流動抵抗が増大する。従って、突起が設けられた位置での流路31の断面形状が非円形になるように、突起が設けられていることが好ましい。
突起の変換コネクタの軸方向における位置は、変換コネクタ3,4のように第1オス部材11の基端に限定されない。穿刺針の誤穿刺を防止するための突起は、流路31内であれば、軸方向の任意の位置に配置することができる。但し、本実施形態3のように流路31の断面積が第1オス部材11内より第2オス部材21内において大きい場合に、突起を第2オス部材21内の流路31に配置すると、突起の流路31の内周面からの突出量を大きくする必要がある。突出量が大きな突起は、流路31内での液状物の滞留を増大させ、通液性を悪化させる。従って、一般には、相対的に内径が小さな第1オス部材11内であって、且つ、第2オス部材21になるべく近い位置、即ち、第1オス部材11の基端に、突起を設けることが好ましい。
本実施形態3は、上記を除いて実施形態1,2と同じである。実施形態1,2の説明が、本実施形態3にも適宜適用される。
上記の実施形態1~3は例示にすぎない。本発明は、上記の実施形態1~3に限定されず、適宜変更することができる。
上記の実施形態1~3の変換コネクタ1~4は、その全体が一部品として一体的に形成されていたが、本発明の変換コネクタは、別個に製造した複数の部品を組み合わせて構成されていてもよい。例えば、第1メスコネクタ10及び第2メスコネクタ20をそれぞれ別部品として別個に製造し、これらを柔軟な中空のチューブで連結してもよい。この場合、チューブが第1メス部材11と第2メス部材21とを連通させる流路を構成する。
上記の実施形態1~3では、第1メスコネクタ800はシリンジ810の筒先に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1メスコネクタ800は、柔軟なチューブの末端に設けられていてもよい。
第2メスコネクタ900が設けられるチューブ909は、経鼻チューブもしくは瘻孔チューブ、またはこれらに接続された延長チューブであってもよく、あるいは、これら以外の任意のチューブであってもよい。第2メスコネクタ900が、チューブ909以外の部材に設けられてもよい。この場合、接続筒921及び把持面933の構成は適宜変更し得る。
本発明の変換コネクタは、経鼻チューブを用いる経鼻法や瘻孔チューブを用いる経瘻孔法などの経腸栄養において、患者に投与する液状物の流路を形成するために利用することができる。更に、経腸栄養以外の任意の分野において、流路を形成するために本発明の変換コネクタを利用することができる。