JP7700007B2 - 分析装置、分析装置の処理部、分析方法、分析プログラム及び分析プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体 - Google Patents

分析装置、分析装置の処理部、分析方法、分析プログラム及び分析プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体 Download PDF

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Description

ここに開示する技術は、測定対象物の成分分析を行う分析装置、分析装置の処理部、分析方法、分析プログラム及び分析プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体に関する。
例えば特許文献1には、レーザ光を利用した試料の成分分析装置が開示されている。具体的に、特許文献1に記載されている成分分析装置は、レーザ誘起ブレークダウン分光法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:LIBS)を用いた成分分析を行うべく、レーザ光を照射する光源と、レーザ光の照射により発生した光の発光スペクトルを取得する分析器を備えている。この分析器により、レーザ光の照射により発生した光が波長ごとに分光され、発光スペクトルが生成される。レーザ誘起ブレークダウン分光法では、発光スペクトルに基づいて、試料の組成や該試料の含有量などを分析することができる。
特開2019-109347号公報
レーザ光の照射により発生した光の発光スペクトルには、広い波長範囲に非常に多くのピークが存在することが知られている。分析対象の試料のピークを正確に特定することで、成分分析の精度を向上させることができる。成分分析の精度を向上させるために、波長分解能の高い分光器を用いる方法がある。波長分解能の高い分光器を用いれば、分析対象の試料のピークを正確に特定することが可能になると考えられるが、この場合、装置の大型化を招き、ユーザビリティが低下してしまう。
上記課題を解決するために、本発明の第1の開示は、レーザ光をサンプルの表面に照射し、該照射により発生したプラズマ光の発光スペクトルと、複数の分析対象元素の基準スペクトルとに基づいて、前記複数の分析対象元素の内、前記サンプルの成分分析を行うレーザ誘起ブレークダウン分光装置(分析装置)を前提とすることができる。
レーザ誘起ブレークダウン分光装置は、成分分析時に使用される複数の波長の組み合わせである波長リストを分析対象元素ごとに記憶する記憶部と、基準スペクトルから取得された強度値であって、波長リストに含まれる波長に対応する強度値である基準強度値と、発光スペクトルから取得された強度値であって、波長リストに含まれる波長に対応する強度値である対象強度値と、の類似度を分析対象元素ごとに順次算出する類似度算出部と、類似度算出部により算出された類似度に基づいて、サンプルに含まれる元素の種類を推定する成分分析部と、を備える。
この構成によれば、記憶部は、分析対象元素ごとに、その分析対象元素の分析に適した固有の波長リストを記憶することができる。類似度算出部は、この波長リストを用い、波長リストに含まれる複数の波長について取得された基準強度値と、波長リストに含まれる複数の波長について取得された対象強度値と、に基づいて類似度を算出できる。すなわち、類似度算出部は、個々の波長に対応する基準強度値と対象強度値との類似度ではなく、複数の基準強度値および複数の対象強度値のそれぞれを1つの組(ベクトル)とみなして類似度を算出することが可能になる。これにより、ピークの波長を正確に特定できない場合であっても、サンプルに含まれる元素の誤判定を抑制でき、成分分析精度を向上させることができる。
本発明の他の開示では、レーザ誘起ブレークダウン分光装置は、波長リストに含まれる波長の基準強度値と対象強度値との強度比を算出する強度比算出部を備える。そして、成分分析部は、強度比算出部により算出された強度比に基づいて、サンプルに含まれる元素の含有量を推定する。
この構成によれば、分析対象元素の分析に適した固有の波長リストを用いて元素の含有量を推定することができ、ピークの波長を正確に特定できない場合であっても、サンプルに含まれる元素の含有量をより正確に推定できる。
本発明の他の開示では、記憶部は、波長リストとして基準スペクトルに含まれる複数のピークの波長を分析対象元素と対応付けて記憶する。この構成によれば、分析対象元素ごとに、ピークが現れると推定される波長が波長リストに含まれるため、サンプルに含まれる元素をより正確に推定できる。
本発明の他の開示では、記憶部は、一の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる一のピークの波長と、他の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる他のピークの波長とが所定の波長範囲内に存在する場合には、一の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる複数のピークの内、一のピークの波長が除外された波長リストを一の分析対象元素に対応する波長リストとして記憶する。この構成によれば、ピークどうしが近接している場合は、該ピークに対応する波長を波長リストから除外する等、一の分析対象元素ごとに最適化された波長リストを記憶することができる。
尚、上述した各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、ハードウェアで実現しても良く、処理部がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム等の情報は、メモリ、ハードディスク等の記録装置、又はメモリカード等の記録媒体に格納することができる。
本開示によれば、装置の大型化を招くことなく、サンプルに含まれる元素の推定および該元素の含有量の推定をより精度よく行うことができる。
図1は、分析観察装置の全体構成を例示する模式図である。 図2は、光学系アセンブリの構成を模式化して示す側面図である。 図3は、分析光学系の構成を例示する模式図である。 図4は、ヘッド部の水平移動について説明するための図である。 図5は、分光器の構成を例示する図である。 図6は、制御部の構成を例示するブロック図である。 図7は、基準スペクトルおよび波長リストを説明するための図である。 図8は、基準スペクトルおよび波長リストを説明するための図である。 図9は、発光スペクトルを説明するための図である。 図10は、基準強度値の組と対象強度値の組を説明するための図である。 図11は、含有量の変化に応じた強度値の変動を説明するための図である。 図12は、基準スペクトルを例示する図である。 図13は、複数の元素を含むサンプルから取得されたスペクトルを例示する図である。 図14は、制御部による分析手順を例示するフローチャートである。 図15は、制御部による定性分析手順を例示するフローチャートである。 図16は、制御部による類似度算出手順を例示するフローチャートである。 図17は、制御部による類似度しきい値の設定手順を例示するフローチャートである。 図18は、記憶部に記憶されるデータテーブルを例示する図である。 図19は、記憶部に記憶される分析設定テーブルを例示する図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は例示である。
<分析観察装置Aの全体構成>
図1は、本開示の実施形態に係る分析装置としての分析観察装置Aの全体構成を例示する模式図である。図1に例示される分析観察装置Aは、観察対象物および分析対象物としてのサンプルSPの拡大観察を行うとともに、該サンプルSPの成分分析を行うことができる。分析装置は、レーザ誘起ブレークダウン分光装置ともいう。
詳しくは、本実施形態に係る分析観察装置Aは、例えば微少物体等の試料、電子部品、被加工物等からなるサンプルSPを拡大して撮像することで、そのサンプルSPにおいて成分分析が行われるべき部位を探索したり、その外観の検査、計測等を行ったりすることができる。分析観察装置Aは、その観察機能に着目した場合、拡大観察装置と呼称したり、単に顕微鏡と呼称したり、あるいは、デジタルマイクロスコープと呼称したりすることができる。
分析観察装置Aはまた、サンプルSPの成分分析に際し、レーザ誘起ブレークダウン法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:LIBS)、レーザ誘起プラズマ分光法(Laser Induced Plasma Spectroscopy:LIPS)等と呼称される手法を実施することができる。分析観察装置Aは、その分析機能に着目した場合、成分分析装置と呼称したり、単に分析装置と呼称したり、あるいは、分光装置と呼称したりすることもできる。
図1に示すように、本実施形態に係る分析観察装置Aは、主要な構成要素として、光学系アセンブリ(光学系本体)1と、コントローラ本体2と、操作部3と、を備える。
このうち、光学系アセンブリ1は、サンプルSPの撮像および分析を行うとともに、その撮像結果および分析結果に対応した電気信号を外部に出力することができる。
コントローラ本体2は、第1カメラ81等、光学系アセンブリ1を構成する種々の部品を制御するための制御部21を有する。コントローラ本体2は、制御部21を介して、光学系アセンブリ1にサンプルSPの観察および分析を行わせることができる。コントローラ本体2はまた、種々の情報を表示可能な表示部22を有する。この表示部22には、光学系アセンブリ1において撮像された画像、サンプルSPの分析結果を示すデータ等を表示することができる。
操作部3は、ユーザによる操作入力を受け付けるマウス31、コンソール32などを有する。コンソール32は、ボタン、調整ツマミ等を操作することで、コントローラ本体2に画像データの取込、明るさ調整、第1カメラ81等のピント合わせ等を指示することができる。
<光学系アセンブリ1の詳細>
図1に示すように、光学系アセンブリ1は、各種機器を支持するとともにサンプルSPが載置されるステージ4と、このステージ4に取り付けられるヘッド部6と、を備える。ここで、ヘッド部6は、分析光学系7が収容された分析筐体70に、観察光学系9が収容された観察筐体90を装着してなる。ここで、分析光学系7はサンプルSPの成分分析を行うための光学系である。観察光学系9はサンプルSPの拡大観察を行うための光学系である。ヘッド部6は、サンプルSPの分析機能と拡大観察機能とを兼ね備えた装置群として構成されている。
なお、以下の説明では、図1に示すように光学系アセンブリ1の前後方向および左右方向が定義される。すなわち、ユーザと対面する一側が光学系アセンブリ1の前側であり、これと反対側が光学系アセンブリ1の後側であり、ユーザと光学系アセンブリ1とが対面したときに、そのユーザから見て右側が光学系アセンブリ1の右側であり、ユーザから見て左側が光学系アセンブリ1の左側である。なお、前後方向および左右方向の定義は、説明の理解を助けるためのものであり、実際の使用状態を限定するものではない。いずれの方向が前となるように使用してもよい。
また詳細は後述するが、ヘッド部6は、図1に示す中心軸Acに沿って移動したり、この中心軸Acまわりに揺動したりすることができる。この中心軸Acは、図1等に示すように、前述の前後方向に沿って延びるように構成される。
(ステージ4)
ステージ4は、作業台等に設置されるベース41と、ベース41に接続されたスタンド42と、ベース41またはスタンド42によって支持された載置台5と、を有する。このステージ4は、載置台5およびヘッド部6の相対的な位置関係を規定するための部材であり、少なくとも、ヘッド部6の観察光学系9および分析光学系7を取付可能に構成される。
(ヘッド部6)
ヘッド部6は、ヘッド取付部材61と、分析筐体70に分析光学系7を収容してなる分析ユニットと、観察筐体90に観察光学系9を収容してなる観察ユニットと、筐体連結具64と、スライド機構(水平駆動機構)65と、を有する。ヘッド取付部材61は、分析筐体70をスタンド42に接続するための部材である。分析ユニットは、分析光学系7によってサンプルSPの成分分析を行うための装置である。観察ユニット63は、観察光学系9によってサンプルSPの観察を行うための装置である。筐体連結具64は、観察筐体90を分析筐体70に接続するための部材である。スライド機構65は、スタンド42に対して分析筐体70をスライド移動させるための機構である。
以下、分析ユニット、観察ユニット、および、スライド機構65の構成について順番に説明する。
-分析ユニット-
図3は、分析光学系7の構成を例示する模式図である。
分析ユニットは、分析光学系7と、分析光学系7が収容された分析筐体70と、を有する。分析光学系7は、分析対象物としてのサンプルSPの分析を行うための部品の集合であり、各部品が分析筐体70に収容されるようになっている。分析筐体70は、第1カメラ81および検出器としての第1および第2検出器77A、77Bを収容する。また、サンプルSPの分析を行うための要素には、コントローラ本体2の制御部21も含まれる。
分析光学系7は、例えばLIBS法を用いた分析を行うことができる。この分析光学系7には、コントローラ本体2との間で電気信号を送受するための通信ケーブルC1が接続される。この通信ケーブルC1は必須ではなく、分析光学系7とコントローラ本体2とを無線通信によって接続してもよい。
図3に示すように、本実施形態に係る分析光学系7は、出射部71と、出力調整手段72と、偏向素子73と、収集ヘッドとしての反射型対物レンズ74と、分光素子75と、第1パラボリックミラー76Aと、第1検出器77Aと、第1ビームスプリッター78Aと、第2パラボリックミラー76Bと、第2検出器77Bと、第2ビームスプリッター78Bと、同軸照明79と、結像レンズ80と、第1カメラ81と、を含んでなる。分析光学系7の構成要素のうちの一部は、図2にも示す。
出射部71は、サンプルSPにレーザ光を出射する。特に、本実施形態に係る出射部71は、レーザ光をサンプルSPに出射するレーザ光源によって構成される。なお、本実施形態に係る出射部71は、紫外線からなるレーザ光を出力することができる。
出力調整手段72は、出射部71と偏向素子73を結ぶ光路上に配置されており、レーザ光の出力を調整することができる。
出力調整手段72によってその出力が調整されたレーザ光は、不図示のミラーによって反射されて偏向素子73に入射する。
詳しくは、偏向素子73は、出射部71から出力されて出力調整手段72を通過したレーザ光を反射させ、反射型対物レンズ74を介してサンプルSPに導く一方、このレーザ光に対応してサンプルSPにおいて発生した光(サンプルSPの表面で生じるプラズマ化に伴って発せられる光であり、以下、「プラズマ光」と呼称する)を通過させ、これを第1検出器77A、第2検出器77Bに導くようにレイアウトされている。偏向素子73はまた、撮像用に集光した可視光を通過させ、その大部分を第1カメラ81に導くようにレイアウトされている。
偏向素子73によって反射された紫外レーザ光は、平行光として分析光軸Aaに沿って伝搬し、反射型対物レンズ74に至る。
収集ヘッドとしての反射型対物レンズ74は、出射部71から出射されたレーザ光がサンプルSPに照射されることによって該サンプルSPにおいて生じた電磁波であるプラズマ光を収集するように構成されている。特に、本実施形態に係る反射型対物レンズ74は、レーザ光を集光してサンプルSPに照射するとともに、サンプルSPに照射されたレーザ光に対応してサンプルSPにおいて発生したプラズマ光を収集するように構成されている。
反射型対物レンズ74は、前述の略上下方向に沿って延びる分析光軸Aaを有する。分析光軸Aaは、観察光学系9の対物レンズ92が有する観察光軸Aoと平行になるように設けられる。
詳しくは、本実施形態に係る反射型対物レンズ74は、2枚のミラーからなるシュヴァルツシルト型の対物レンズである。この反射型対物レンズ74は、図3に示すように、分円環状かつ相対的に大径の1次ミラー74aと、円板状かつ相対的に小径の2次ミラー74bと、を有する。
1次ミラー74aは、その中央部に設けた開口によってレーザ光を通過させる一方、その周囲に設けられた鏡面によってサンプルSPにて発生したプラズマ光を反射させる。後者のプラズマ光は、2次ミラー74bの鏡面によって再び反射され、レーザ光と同軸化された状態で1次ミラー74aの開口を通過する。
2次ミラー74bは、1次ミラー74aの開口を通過したレーザ光を透過させる一方、1次ミラー74aによって反射されたプラズマ光を集光して反射するように構成される。前者のレーザ光はサンプルSPに照射される一方、後者のプラズマ光は、前述のように1次ミラー74aの開口を通過して偏向素子73に至る。
分光素子75は、反射型対物レンズ74の光軸方向(分析光軸Aaに沿った方向)において偏向素子73と第1ビームスプリッター78Aとの間に配置されており、サンプルSPで発生したプラズマ光のうちの一部を第1検出器77Aに導く一方、他部を第2検出器77B等へ導く。後者のプラズマ光は、その大部分が第2検出器77Bに導かれるものの、その残りは第1カメラ81に至る。
第1パラボリックミラー76Aは、いわゆる放物面鏡であり、分光素子75と第1検出器77Aとの間に配置される。第1パラボリックミラー76Aは、分光素子75によって反射されたプラズマ光を集光し、集光されたプラズマ光を第1検出器77Aに入射させる。
第1検出器77Aは、サンプルSPにおいて発生しかつ反射型対物レンズ74によって収集されたプラズマ光を受光し、該プラズマ光の波長毎の強度分布であるスペクトルを生成する。
特に、レーザ光源によって出射部71を構成するとともに、レーザ光の照射に対応して発生したプラズマ光を集光するように反射型対物レンズ74を構成した場合、第1検出器77Aは、波長毎に異なる角度に光を反射させることで光を分離し、分離させた各々を複数の画素を有する撮像素子に入射させる。これにより、各画素によって受光される光の波長を相違させるとともに、波長毎に受光強度を取得することができる。この場合、スペクトルは、光の波長毎の強度分布に相当する。
なお、スペクトルは、波数毎に取得された受光強度によって構成してもよい。波長と波数とは一意に対応しているため、波数毎に取得された受光強度を用いた場合であっても、スペクトルを波長毎の強度分布とみなすことができる。後述の第2検出器77Bにおいても同様である。
第1ビームスプリッター78Aは、分光素子75を透過した光のうちの一部(可視光帯域を含む赤外側のプラズマ光)を反射して第2検出器77Bに導く一方、他部(可視光帯域の一部)を透過して第2ビームスプリッター78Bに導く。可視光帯域に属するプラズマ光のうち、相対的に多量のプラズマ光が第2検出器77Bに導かれ、相対的に少量のプラズマ光が、第2ビームスプリッター78Bを介して第1カメラ81に導かれる。
第2パラボリックミラー76Bは、第1パラボリックミラー76Aと同様にいわゆる放物面鏡であり、第1ビームスプリッター78Aと第2検出器77Bとの間に配置される。第2パラボリックミラー76Bは、第1ビームスプリッター78Aによって反射されたプラズマ光を集光し、集光されたプラズマ光を第2検出器77Bに入射させる。
第2検出器77Bは、第1検出器77Aと同様に、出射部71から出射されたレーザ光がサンプルSPに照射されることによってサンプルSPで生じたプラズマ光を受光し、該プラズマ光の波長毎の強度分布であるスペクトルを生成する。
制御部21には、第1検出器77Aによって生成された紫外側のスペクトルと、第2検出器77Bによって生成された赤外側のスペクトルと、が入力される。制御部21は、それらのスペクトルに基づいて、後述の基本原理を用いてサンプルSPの成分分析を行う。制御部21は、紫外側のスペクトルと、赤外側のスペクトルとを組合わせて用いることで、より広い周波数域を利用した成分分析を行うことができる。
第2ビームスプリッター78Bは、LED光源79aから発せられて光学素子79bを通過した照明光(可視光)を反射して、これを第1ビームスプリッター78A、分光素子75、偏向素子73および反射型対物レンズ74を介してサンプルSPに照射する。サンプルSPで反射された反射光(可視光)は、反射型対物レンズ74を介して分析光学系7に戻る。
同軸照明79は、照明光を発するLED光源79aと、LED光源79aから発せられた照明光が通過する光学素子79bと、を有する。同軸照明79は、いわゆる「同軸落射照明」として機能する。LED光源79aから照射される照明光は、出射部71から出力されてサンプルSPに照射されるレーザ光(1次電磁波)、および、サンプルSPから戻る光(2次電磁波)と同軸に伝搬する。
第2ビームスプリッター78Bはまた、分析光学系7に戻った反射光のうち、第1ビームスプリッター78Aを透過した反射光と、第1および第2検出器77A,77Bに到達せずに第1ビームスプリッター78Aを透過したプラズマ光とをさらに透過させ、結像レンズ80を介して第1カメラ81に入射させる。
同軸照明79は、図3に示す例では分析筐体70に内蔵されているが、本開示は、そうした構成には限定されない。例えば、分析筐体70の外部に光源をレイアウトし、その光源と分析光学系7とを光ファイバーケーブルを介して光学系に結合してもよい。
第1カメラ81は、サンプルSPで反射された反射光を、反射型対物レンズ74を介して受光する。第1カメラ81は、受光した反射光の受光量を検出することで、サンプルSPを撮像する。
具体的に、本実施形態に係る第1カメラ81は、その受光面に配置された複数の画素によって結像レンズ80を通じて入射した光を光電変換し、被写体(サンプルSP)の光学像に対応した電気信号に変換する。
そして、第1カメラ81は、各受光素子での受光量を検出することで生成される電気信号をコントローラ本体2の制御部21に入力する。制御部21は、入力された電気信号に基づいて、被写体の光学像に対応した画像データを生成する。制御部21は、そうして生成された画像データを、被写体を撮像してなる画像として表示部22等に表示させることができる。
ここまでに説明した光学部品は、前述の分析筐体70に収容される。分析筐体70の下面には、貫通孔70aが設けられている。反射型対物レンズ74は、この貫通孔70aを介して載置面51aと対峙する。
-分析光学系7による分析の基本原理-
制御部21は、検出器としての第1検出器77Aおよび第2検出器77Bから入力されたスペクトルに基づいて、サンプルSPの成分分析を実行する。具体的な分析手法としては、前述のようにLIBS法を用いることができる。LIBS法は、サンプルSPに含まれる成分を元素レベルで分析する手法(いわゆる元素分析法)である。
LIBS法によれば、真空引きが不要であり、大気開放状態で成分分析を行うことができる。また、サンプルSPの破壊試験ではあるものの、サンプルSP全体を溶解させるなどの処理は不要であり、サンプルSPの位置情報が残存する(局所的な破壊試験にすぎない)。
-観察ユニット-
観察ユニットは、観察光学系9と、観察光学系9が収容された観察筐体90と、を有する。観察光学系9は、観察対象物としてのサンプルSPの観察を行うための部品の集合であり、各部品が観察筐体90に収容されるようになっている。観察筐体90は、前述した分析筐体70とは別体に構成されており、第2撮像部としての第2カメラ93を収容する。また、サンプルSPの観察を行うための要素には、コントローラ本体2の制御部21も含まれる。
観察光学系9は、対物レンズ92を有するレンズユニット9aを備える。このレンズユニット9aは、観察筐体90の下端側に配置された筒状のレンズ鏡筒に相当する。レンズユニット9aは、分析筐体70によって保持される。
観察筐体90には、コントローラ本体2との間で電気信号を送受するための通信ケーブルC2と、外部から照明光を導光するための光ファイバーケーブルC3と、が接続される。なお、通信ケーブルC2は必須ではなく、観察光学系9とコントローラ本体2とを無線通信によって接続してもよい。
具体的に、観察光学系9は、図2に示すように、ミラー群91と、対物レンズ92と、第2撮像部としての第2カメラ93と、第2同軸照明94と、第2側射照明95と、拡大光学系96と、を含んでなる。
対物レンズ92は、略上下方向に沿って延びる観察光軸Aoを有し、照明光を集光して載置台本体51に載置されたサンプルSPに照射するとともに、そのサンプルSPからの光(反射光)を集光する。観察光軸Aoは、分析光学系7の反射型対物レンズ74が有する分析光軸Aaと平行になるように設けられる。対物レンズ92によって収集された反射光は、第2カメラ93によって受光される。
ミラー群91は、対物レンズ92によって収集された反射光を透過させ、これを第2カメラ93に導く。本実施形態に係るミラー群91は、図2に例示されるように全反射ミラーとビームスプリッター等を用いて構成することができる。ミラー群91はまた、第2同軸照明94から照射された照明光を反射して、これを対物レンズ92に導く。
第2カメラ93は、サンプルSPで反射された反射光を、対物レンズ92を介して受光する。第2カメラ93は、受光した反射光の受光量を検出することで、サンプルSPを撮像する。本実施形態に係る第2カメラ93は、第1カメラ81と同様にCMOSからなるイメージセンサによって構成されているが、CCDからなるイメージセンサを使用することもできる。
そして、第2カメラ93は、各受光素子での受光量を検出することで生成される電気信号をコントローラ本体2の制御部21に入力する。制御部21は、入力された電気信号に基づいて、被写体の光学像に対応した画像データを生成する。制御部21は、そうして生成された画像データを、被写体を撮像してなる画像として表示部22等に表示させることができる。
第2同軸照明94は、光ファイバーケーブルC3から導光された照明光を出射する。第2同軸照明94は、対物レンズ92を介して集光される反射光と共通の光路を介して照明光を照射する。つまり、第2同軸照明94は、対物レンズ92の観察光軸Aoと同軸化された「同軸落射照明」として機能することになる。なお、光ファイバーケーブルC3を介して外部から照明光を導光する代わりに、レンズユニット9aの内部に光源を内蔵してもよい。その場合、光ファイバーケーブルC3は不要となる。
第2側射照明95は、図2に模式的に例示したように、対物レンズ92を取り囲むように配置されたリング照明によって構成される。第2側射照明95は、分析光学系7における側射照明84と同様に、サンプルSPの斜め上方から照明光を照射する。
拡大光学系96は、ミラー群91と第2カメラ93との間に配置されており、第2カメラ93によるサンプルSPの拡大倍率を変更可能に構成されている。
-スライド機構65-
図4は、スライド機構65によるヘッド部6の水平移動について説明するための図である。
スライド機構65は、観察光学系9によるサンプルSPの撮像と、分析光学系7によってスペクトルを生成する場合におけるレーザ光の照射(換言すれば、分析光学系7の出射部71によるレーザ光の照射)と、を観察対象物としてのサンプルSPにおける同一箇所に対して実行可能となるように、載置台本体51に対する観察光学系9および分析光学系7の相対位置を水平方向に沿って移動させるよう構成されている。
スライド機構65による相対位置の移動方向は、観察光軸Aoおよび分析光軸Aaの並び方向とすることができる。図4に示すように、本実施形態に係るスライド機構65は、載置台本体51に対する観察光学系9および分析光学系7の相対位置を前後方向に沿って移動させる。
本実施形態に係るスライド機構65は、スタンド42およびヘッド取付部材61に対し、分析筐体70を相対的に変位させるものである。分析筐体70とレンズユニット9aとは筐体連結具64によって連結されているため、分析筐体70を変位させることで、レンズユニット9aも一体的に変位することになる。
具体的に、本実施形態に係るスライド機構65は、ガイドレール65aと、アクチュエータ65bと、を有する、このうち、ガイドレール65aは、ヘッド取付部材61の前面から前方に突出するように構成されている。
図4に示すように、スライド機構65が作動することで、ヘッド部6が水平方向に沿ってスライドし、載置台5に対する観察光学系9および分析光学系7の相対位置が移動(水平移動)することになる。この水平移動によって、ヘッド部6は、反射型対物レンズ74をサンプルSPに対峙させた第1モードと、対物レンズ92をサンプルSPに対峙させた第2モードと、の間で切り替わるようになっている。スライド機構65は、第1モードと第2モードとの間で、分析筐体70および観察筐体90をスライドさせることができる。
以上のように構成することで、第1モードと第2モードとの切替を行う前後のタイミングにおいて、観察光学系9によるサンプルSPの画像生成と、分析光学系7によるスペクトルの生成(具体的には、分析光学系7によってスペクトルが生成される場合における、分析光学系7によるレーザ光の照射)と、をサンプルSP中の同一箇所に対して同一方向から実行することができるようになる。
<検出器の詳細>
図5は、検出器としての第1検出器77A、第2検出器77Bの構成を例示する図である。検出器は、入射するプラズマ光を絞るスリット101と、スリット101を通過したプラズマ光を集光するとともに反射させる第1凹面鏡102と、第1凹面鏡102により反射されたプラズマ光を受光し、回折させる回折素子103と、回折素子103により回折されたプラズマ光を受光し、さらに反射させる第2凹面鏡104と、第2凹面鏡104により反射されたプラズマ光を受光する受光素子105とを有し、ツェルニ・ターナ型の構成をしている。回折素子103によりプラズマ光が回折されることにより、受光素子の各画素列は、波長が異なるプラズマ光を受光する。すなわち、本検出器により生成されるスペクトルは、画素列の数に対応した次元を有する多次元量(多次元ベクトル)である。
<コントローラ本体の詳細>
図6は、コントローラ本体2の制御部21の構成を例示するブロック図である。なお、本実施形態では、コントローラ本体2と光学系アセンブリ1とが別体に構成されているが、本開示は、そうした構成には限定されない。コントローラ本体2の少なくとも一部を光学系アセンブリ1に設けてもよい。例えば、制御部21を構成する処理部21aの少なくとも一部を光学系アセンブリ1に内蔵させることができる。
前述のように、本実施形態に係るコントローラ本体2は、種々の処理を行う制御部21と、制御部21が行う処理に係る情報を表示する表示部22と、を備える。
制御部21によって、出射部71、第1検出器77A、第2検出器77Bが電気的に制御される。
また、第1検出器77A、第2検出器77Bの出力信号は、制御部21に入力される。制御部21は、入力された出力信号に基づいた演算等を実行し、その演算結果に基づいた処理を実行する。そうした処理を行うためのハードウェアとして、本実施形態に係る制御部21は、種々の処理を実行する処理部21aと、処理部21aが行う処理に関連したデータを記憶する1次記憶部21bおよび2次記憶部21cと、を有する。
処理部21aは、CPU、システムLSI、DSP等からなる。処理部21aは種々のプログラムを実行することで、サンプルSPの分析を実行したり、表示部22等、分析観察装置Aの各部を制御したりする。特に、本実施形態に係る処理部21aは、サンプルSPの分析結果を示す情報に基づいて、表示部22上の表示画面を制御することができる。
なお、処理部21aによる制御対象としての表示部は、コントローラ本体2が有する表示部22には限定されない。本開示に係る「表示部」には、分析観察装置Aが非具備とした表示部も含まれる。例えば、分析観察装置Aと有線または無線で接続されたコンピュータ、タブレット端末等のディスプレイを表示部とみなし、その表示部上にサンプルSPの分析結果を示す情報、および、種々の画像データを表示してもよい。このように、本開示は、分析観察装置Aと、該分析観察装置Aと有線または無線で接続された表示部と、を備える分析システムに適用することもできる。
図6に示すように、本実施形態に係る処理部21aは、機能的な要素として、出射制御部211と、スペクトル取得部212と、ユーザインターフェース制御部(以下、単に「UI制御部」という)221と、分析処理部230と、波長選択部241と、係数設定部242と、を有する。これらの要素は、論理回路によって実現されてもよいし、ソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、これらの要素のうちの少なくとも一部を、ヘッド部6等、光学系アセンブリ1に設けることもできる。
なお、スペクトル取得部212、分析処理部230等の分類は、便宜的なものに過ぎず、自由に変更することができる。例えば、分析処理部230がスペクトル取得部212を兼用してもよいし、スペクトル取得部212が分析処理部230を兼用してもよい。
-出射制御部211-
図6に示す出射制御部211は、ユーザによる操作部3の入力操作に応じて、出射部71を制御する。すなわち、入力受付部221bがユーザによる分析開始操作を受け付けると、出射制御部211は、出射部71からレーザ光を出射させる。
-スペクトル取得部212-
図6に示すスペクトル取得部212は、検出器としての第1および第2検出器77A,77Bにより生成されたスペクトルを取得する。
具体的に、第1モードにおいて出射部71からレーザ光が出射されることによって電磁波であるプラズマ光が生じる。このプラズマ光は、第1検出器77Aおよび第2検出器77Bに到達する。
検出器としての第1および第2検出器77A,77Bは、各々に到達したプラズマ光の発光スペクトルを生成する。そうして生成されたスペクトルは、スペクトル取得部212によって取得される。スペクトル取得部212により取得されたスペクトルは、波長と強度の関係を示し、サンプルSPに含まれる元素に対応するピークが複数存在する。
このようにしてスペクトル取得部212により取得されたスペクトルは、サンプルSPの成分分析を行うために、分析処理部230に出力される。
UI制御部221は、表示制御部221aと、入力受付部221bとを含む。表示制御部221aは、表示部22に分析処理部230による成分分析結果を表示部22に表示させる。入力受付部221bは、操作部3を通したユーザによる操作入力を受け付ける。
-分析処理部230-
図6に示す分析処理部230は、スペクトル取得部212によって取得された発光スペクトルに含まれるピークに基づいて、そのピーク位置に対応した元素がサンプルSPに含まれている成分であると判定することができる。また、分析処理部230は、ピーク同士の大きさ(ピークの強度)を比較することで、各元素の成分比を推定する。
分析処理部230は、前処理部231と、判定対象特定部232と、強度取得部233と、類似度しきい値設定部234と、類似度算出部235と、強度比算出部236と、成分分析部237と、を含む。分析処理部230の詳細は後述する。
-波長選択部241-
図6に示す波長選択部241は、2次記憶部21cに記憶された基準スペクトルSrに含まれる複数のピークから、波長リストWLを構成するピーク波長を選択できる。
-係数設定部242-
図6に示す係数設定部242は、2次記憶部21cに記憶された基準スペクトルSrに含まれる複数の波長に対して重みづけ係数を設定できる。
-1次記憶部21b-
1次記憶部21bは、揮発性メモリによって構成される。本実施形態に係る1次記憶部21bは、分析処理部230による成分分析に関連するパラメータを1次的に格納することができる。また、1次記憶部21bには、処理部21aに実行されるコンピュータプログラムを格納することもできる。この場合、1次記憶部21bには、不図示の通信用インターフェースやメモリカード等の記録媒体から取得されたコンピュータプログラムが格納される。
-2次記憶部21c-
2次記憶部21cは、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の不揮発性メモリによって構成される。2次記憶部21cは、所定の複数の元素について予め取得したスペクトルである基準スペクトルSrと、当該基準スペクトルSrを構成する複数の波長を元素と対応付けた波長リストWLを継続的に記憶することができる。なお、基準スペクトルSrと波長リストWLは、2次記憶部21cに記憶させる代わりに、光学ディスク等の記憶媒体に記憶させてもよいし、分析観察装置Aと有線または無線で接続されたコンピュータ、タブレット端末等に記憶させてもよい。
<サンプルSPの成分分析>
図7のFIG.7Aは、2次記憶部21cに記憶される基準スペクトルSrの一例を示す図である。この基準スペクトルSrは、分析対象の元素の1つであるFeの基準スペクトルSrの例示である。なお、実際の基準スペクトルSrには非常に多くのピークが存在するが、説明のために簡略化した基準スペクトルSrを示す。
図7のFIG.7BおよびFIG.7Cは、2次記憶部21cに記憶される波長リストWLの一例を示す図である。FIG.7Bに示す例では、Feの基準スペクトルSrに含まれる複数のピークに対応する波長により波長リストWLが構成される。この波長リストWLは、成分分析の際に着目する複数の波長、即ち、成分分析時に使用される複数の波長を組み合わせたものである。また、FIG.7Cに示す例では、Feの基準スペクトルSrに含まれる複数の波長に対応する強度値に適用される重みづけ係数が波長ごとに設定されることにより波長リストWLが構成される。FIG.7Cに示す例では、Feの基準スペクトルSrに含まれるピークに対応する波長の周囲(近傍)ではより大きな重みづけ係数が設定され、ピークに対応する波長から離れるにつれて小さな重みづけ係数が設定される。また、図7のFIG.7Cに示す例では、0から1の範囲で重みづけ係数が設定されるが、0から100の範囲や、-1から1の範囲で重みづけ係数を設定するなど、適宜最適化されてもよい。さらに、波長リストWLに含まれる波長は、必ずしも基準スペクトルSrに含まれるピークに対応する波長である必要はない。波長リストWLは、基準スペクトルSrに含まれるピークに対応する波長が除外されていてもよいし、ピークに対応する波長以外の波長が含まれていてもよい。同様に、波長リストWLにおいて設定される重みづけ係数は、ピークに対応する波長に対して大きな係数が設定されることは必ずしも必要ではなく、ピークに対応する波長に対して小さな重みづけ係数が設定されてもよいし、ピークに対応する波長以外に大きな重みづけ係数が設定されてもよい。
図8のFIG.8Aは、2次記憶部21cに記憶される基準スペクトルSrの一例を示す図である。この基準スペクトルSrは、分析対象の元素の1つであるCrの基準スペクトルSrの例示である。図8のFIG.8BおよびFIG.8Cは、2次記憶部21cに記憶される波長リストWLの一例を示す図である。図7のFIG.7BおよびFIG.7Cと同様、基準スペクトルSrに含まれる複数のピークに対応する波長により、または、基準スペクトルSrに含まれる複数の波長に対応する強度値に適用される重みづけ係数が波長ごとに設定されることにより波長リストWLが構成される。
図7のFIG.7Bおよび図8のFIG.8Bに示すように、基準スペクトルSrに含まれるピークに対応する波長により波長リストWLが構成される場合、波長リストWLは、元素ごとに異なる複数の波長の組み合わせにより構成される。すなわち、Feに対応する波長リストWLは、Feが存在するか否かを判定するために予め特定された複数の波長により構成される。また、Crに対応する波長リストWLは、Crが存在するか否かを判定するために予め特定された複数の波長により構成される。このように各元素に対応して、成分分析の際に着目する特有の波長が組み合わせられることにより各元素について固有の波長リストWLが構成される。
図7のFIG.7Cおよび図8のFIG.8Cに示すように、基準スペクトルSrに含まれる複数の波長に対応する強度値に適用される重みづけ係数が設定されることにより波長リストWLが構成される場合、元素ごとに異なる重みづけ係数が各波長について設定されることで波長リストWLが作成される。すなわち、Feに対応する波長リストWLは、Feが存在するか否かを判定するために好適な所定の波長について相対的に大きな重みづけ係数が設定される。このように基準スペクトルSrを構成する複数の波長に対して元素ごとに異なる重みづけ係数が設定されることで元素ごとの波長リストWLが規定される。
図9は、実際にサンプルSPを測定することで得られたプラズマ光の発光スペクトルである対象スペクトルStを例示する図である。すなわち、図9に示す対象スペクトルStは、第1検出器77A,第2検出器77Bにより生成され、スペクトル取得部212で取得されたプラズマ光の発光スペクトルである。図7~図9に基づいて分析処理部230による元素の種類と、元素の含有率の推定と、について説明する。
-波長リストWL-
波長リストWLは、例えば、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)等により公開されている原子のスペクトル情報を基に、エネルギー準位間の遷移に対応する波長を理論的に推定することで分析対象元素ごとに作成できる。また、実際に純元素のスペクトルである基準スペクトルSrを取得し、基準スペクトルSrに現れた極大値をピークとみなすなど、実際に得られた基準スペクトルSrに基づいて、分析対象元素ごとに波長リストを作成することもできる。この場合、極大値の内、絶対値の大きなものをピークとみなしたり、極大値と極小値との差が大きいものをピークとみなしたり、前後の強度値との変化が急峻なものをピークとみなしたりすることもできる。なお、複数のピークに対応する波長により波長リストWLが構成される場合は、理論的に推定された波長や、実際に得られた基準スペクトルSrに含まれるピークに対応する波長、元素の特徴を反映した特定の波長などが波長リストWLに含まれる。また、重みづけ係数が設定されることにより波長リストWLが構成される場合、理論的に推定された波長や、実際に得られた基準スペクトルSrに含まれるピークに対応する波長、元素の特徴を反映した特定の波長などに対してより大きな係数が重みづけ係数として設定される。ここで、ある特定の波長の基準強度値が低いことが元素の特徴である場合、その特定の波長が「元素の特徴を反映した特定の波長」の一例である。
-前処理部231-
前処理部231は、対象スペクトルStの異常波長を推定する。異常波長の推定方法としては、例えば、波長リストWLに含まれる各波長について、基準スペクトルSrから取得された強度値である基準強度値と対象スペクトルStから取得された強度値である対象強度値の類似度である強度類似度を算出し、強度類似度が小さい波長を異常波長とみなすことができる。図10のFIG.10AおよびFIG.10Bに示す例では、波長301nm、303nm、305nmの対象強度値は基準強度値の0.7倍となっているのに対し、波長306.5nmの対象強度値は基準強度値の1.5倍となっている。このように波長306.5nmの対象強度値は他の元素の影響を受けている可能性が高く、強度類似度は低い。そのため、前処理部231は、波長306.5nmを異常波長と推定できる。すなわち、前処理部231は、波長強度比が他の波長と大きく異なる波長を異常波長としてみなすことができる。
-判定対象特定部232-
図6に示す判定対象特定部232は、複数の分析対象元素の内、どの元素が今回の判定対象であるかを特定する。すなわち、判定対象特定部232は、判定対象の元素として特定された元素を1つずつ強度取得部233に出力する。判定対象特定部232は、分析対象元素のリストに基づいて判定対象の元素を1つずつ順に特定してもよいし、ユーザによる任意の元素の選択を受け付けることにより判定対象の元素を特定してもよい。
-強度取得部233-
図6に示す強度取得部233は、スペクトル取得部212で取得されたプラズマ光の発光スペクトルである対象スペクトルStおよび、2次記憶部21cに記憶された基準スペクトルSrにおける所定波長の強度値を分析対象元素ごとに順次取得する。なお、一の分析対象元素に複数の波長リストWLが存在する場合は、波長リストWLごとに順次取得してもよい。強度取得部233は、まず、2次記憶部21cに記憶された波長リストWLに含まれる複数の波長を取得する。そして、強度取得部233は、取得した波長の各々に対応する基準スペクトルSrの強度値を基準強度値として算出する。このように強度取得部233が基準強度値を算出することで、波長リストWLに含まれる各々の波長における基準スペクトルSrの強度値が取得される。そして、強度取得部233は、波長ごとに取得された複数の基準強度値を1つの組とした基準強度値の組を作成する。この基準強度値の組は、波長リストWLに含まれる各々の波長が空間座標上の座標軸に対応する多次元空間で表すことができる。すなわち、基準強度値の組は、波長リストWLに含まれる波長の数を次元数とする多次元ベクトルである。基準強度値の組の例を図10のFIG.10Aに示す。図10のFIG.10Aに示す例では、図7のFIG.7Bに示された複数の波長と、各々の波長に対応する基準強度値が1つのデータセットとして表形式で保持されている。なお、ここでは、説明のために表形式で記載したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、基準強度値の組は、波長リストWLに含まれる複数の波長と、各波長に対応する基準強度値とをグラフ形式またはスペクトル形式で保持されてもよい。また、基準強度値の組は多次元ベクトルで表現されるため、方向と大きさを有するベクトル形式で保持されてもよい。
次に、強度取得部233は、取得した波長の各々に対応する対象スペクトルStの強度値を対象強度値として分析対象元素ごとに順次算出する。このように強度取得部233が対象強度値を算出することで、波長リストWLに含まれる各々の波長における対象スペクトルStの強度値が取得される。そして、強度取得部233は、波長ごとに取得された複数の対象強度値を1つの組とした対象強度値の組を作成する。この対象強度値の組は、基準強度値の組と同様、波長リストWLに含まれる波長の数を次元数とする多次元ベクトルである。対象強度値の組の例を図10のFIG.10Bに示す。図10のFIG.10Bに示す例では、図7のFIG.7Bに示された複数の波長と、各々の波長に対応する対象強度値が1つのデータセットとして表形式で保持されている。なお、上記の「基準強度値の組」と同様、対象強度値の組はグラフ形式、スペクトル形式、ベクトル形式等の他の形式で保持されてもよい。
このように、強度取得部233は、分析対象の元素ごとに順次基準強度値の組と対象強度値の組を作成し、作成した基準強度値の組と対象強度値の組を類似度算出部235に出力する。
なお、基準強度値の組および対象強度値の組は、前処理部231で異常波長と推定された波長と、当該波長に対応する強度値とが除外されていてもよい。このように基準スペクトルとの類似性が高い波長を選択的に抽出し、基準強度値の組および対象強度値の組を作成することで、成分分析の精度を向上させることができる。
また、ここでは、強度取得部233が2次記憶部21cに記憶された基準スペクトルSrから基準強度値を算出する場合を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、2次記憶部21cは、基準スペクトルSrに代えて、または基準スペクトルSrに加えて、波長リストWLに含まれる波長と、該波長の各々に対応する基準強度値をリスト化した基準強度値の組を予め記憶していてもよい。この場合、強度取得部233は、2次記憶部21cから基準強度値の組を取得し、取得した基準強度値の組を類似度算出部235に出力する。
-類似度算出部235-
図6に示す類似度算出部235は、波長リストWLに含まれる波長の基準強度値と、波長リストWLに含まれる波長の対象強度値との類似度を、分析対象元素ごとに順次算出する。この類似度は、正規化された強度値どうしの一致度(距離)から算出できる。ここで、正規化とは、基準強度値の組に含まれる複数の基準強度値の平均値で各々の基準強度値を除するとともに、対象強度値の組に含まれる複数の対象強度値の平均値で各々の対象強度値を除することにより実現されてもよい。他にも、所定波長の基準強度値で基準強度値の組に含まれる複数の基準強度値を除するとともに、上記所定波長の対象強度値で、対象強度値の組に含まれる複数の対象強度値を除することにより実現されてもよい。なお、ここに挙げた方法は例示に過ぎず、複数の波長の強度値やその平均値、連続スペクトルの強度値やその平均値、面積などが正規化に用いられてもよい。
そして、類似度算出部235は、波長リストWLに含まれる波長ごとに基準強度値と対象強度値との差分(距離)を順次算出する。そして、類似度算出部235は、算出した複数の差分に基づいて分析対象元素ごとに類似度を順次算出する。ここで、類似度は、基準強度値の組と対象強度値の組との対応する強度値間における差分(距離)の平均値や差分の最大値、差分の二乗平均、差分の二乗の最大値などに基づいて算出される。すなわち類似度算出部235は、基準強度値の組と対象強度値の組との対応する強度値間における差分に対して所定の数学的処理を適用し、基準強度値の組と対象強度値の組との一致度が大きい(距離が近い)ほど、大きな類似度を算出する。
ここで、基準強度値の組と対象強度値の組との類似度は、個別の波長における強度値ではなく、波長リストWLに含まれる複数の波長における強度値に基づいて算出される。LIBS法によりサンプルSPの成分分析を行う場合、プラズマ光の発光スペクトルに生じるピークは非常に多く、サンプルSPに含まれるか否かの判定対象である一の元素のピークと他の元素のピークとが近接した波長に現れることが多い。特に、装置の小型化を図るために、相対的に分解能の低い検出器を利用した場合には、その傾向が顕著に表れる。そのため、個別の波長についてピークの有無を判定する方法では、判定対象の一の元素が存在しないにも関わらず、他の元素のピークにより誤って判定対象の一の元素が存在すると判定されてしまう虞がある。そこで、本実施形態においては、強度取得部233は、波長リストWLに含まれる複数の波長について、基準スペクトルSrから算出された基準強度値と、対象スペクトルStから算出された対象強度値とを取得する。そして、類似度算出部235は、「基準強度値の組」と「対象強度値の組」との対応する強度値間における複数の差分に基づいて類似度を算出する。これにより、サンプルSPの成分分析精度を向上させることができる。
なお、類似度算出部235は、各波長の基準強度値と対象強度値との差分や強度比が所定のしきい値以内に入る割合を類似度として算出することもできる。また、類似度の算出や、正規化処理においては、前処理部231により推定された異常波長などの外れ値を除外したり、外れ値に対して小さな重みづけ係数を設定したりしてもよい。
図9および図10を用いて、類似度算出部235による類似度の算出について詳述する。上記の通り、類似度算出部235は、強度取得部233により生成された基準強度値の組と対象強度値の組を取得する。ここで取得した基準強度値の組は図10のFIG.10Aに対応し、対象強度値の組は図10のFIG.10Bに対応する。この場合、類似度算出部235は、基準強度値の組と対象強度値の組の各々をベクトルとみなし、単位ベクトルの一致度に基づいて類似度を算出できる。すなわち、各波長を座標軸とする多次元空間上で、波長と強度値の組に対応するベクトルが基準強度値の組および対象強度値の組の各々について一意に定まる。類似度算出部235は、基準強度値の組に対応するベクトルと、対象強度値の組に対応するベクトルを算出し、これらのベクトルの一致度に基づいて類似度を算出する。ここでベクトルの一致度は、例えば単位ベクトルの方向に基づいて算出できる。類似度算出部235は、基準強度値の組に対応するベクトルと対象強度値の組に対応するベクトルとで、単位ベクトルの方向が一致している場合は類似度として大きな値を算出できる。また、類似度算出部235は、それぞれの単位ベクトルの方向が異なる場合は、単位ベクトルどうしの方向の違いに応じて、違いが大きいほど類似度が小さくなるように類似度を算出できる。詳細は省略するが、ベクトルの一致度として、基準強度値の組に対応するベクトルと、対象強度値の組に対応するベクトルとの余弦類似度(コサイン類似度)を用いることもできる。なお、ベクトルの一致度の算出においては、波長リストWLに含まれる複数の波長の内、前処理部231で推定された異常波長を除く波長を用いることができる。
上記した通り、前処理部231は、対象スペクトルStに含まれる波長の内、306.5nmの波長を異常波長と推定する。そこで前処理部231により異常波長と推定された波長以外の波長を用いて定性分析する方法を説明する。図10のFIG.10Aに示す例では、基準強度値の組に対応するベクトルは、(301,303,305)=(8000,11000,6000)と表される。また、図10のFIG.10Bに示す例では、対象強度値の組に対応するベクトルは、(301,303,305)=(5600,7700,4200)と表される。これらのベクトルは方向が略同一であり、大きさのみが異なるため、一致度が高い。そのため類似度算出部235は、基準強度値の組と対象強度値の組との類似度として大きな値を算出する。また、図示は省略するが、対象強度値の組に対応するベクトルが、(301,303,305)=(7000,7700,4200)と表された場合、基準強度値の組に対応するベクトルと、対象強度値の組に対応するベクトルとでは方向が相違し、一致度が低い。そのため類似度算出部235は、基準強度値の組と対象強度値の組との類似度として上記の場合と比較して相対的に小さな値を算出する。
本実施形態に係る類似度の算出方法は、以下のように説明することもできる。類似度算出部235は、基準強度値の組に含まれる複数の基準強度値間の比率と、対象強度値の組に含まれる複数の対象強度値間の比率との一致度に基づいて類似度を算出できる。図10のFIG.10Aに示す例では、基準強度値の組に含まれる複数の基準強度値間の比率は、(301:303:305)=(8:11:6)である。また、図10のFIG.10Bに示す例では、対象強度値の組に含まれる複数の対象強度値間の比率は、(301:303:305)=(8:11:6)である。これらの比率はいずれも略同一であるため、基準強度値の組に含まれる複数の基準強度値間の比率と、対象強度値の組に含まれる複数の対象強度値間の比率との一致度が高い。そのため、類似度算出部235は、基準強度値の組と対象強度値の組との類似度として大きな値を算出する。また、図示は省略するが、波長301nmにおける対象強度値が7000といったように大きく変動した場合、対象強度値の組に含まれる複数の対象強度値間の比率は、上記の値から変化し、基準強度値の組に含まれる複数の基準強度値間の比率と、対象強度値の組に含まれる複数の対象強度値間の比率との一致度は低下する。このような場合、例えば303nmの波長を個別に見た場合は基準強度値と対象強度値とで類似度が高い。しかしながら判定対象である一の元素(Fe)の判定基準となる複数の波長(波長リストに含まれる複数の波長)の強度値をグループ化して「基準強度値の組」、「対象強度値の組」として見た場合には、グループ化された複数の基準強度値である基準強度値の組とグループ化された複数の対象強度値である対象強度値の組とでは、一致度は低下する。そのため、類似度算出部235は、基準強度値の組と対象強度値の組との類似度として上記の場合と比較して相対的に小さな値を算出する。なお、この場合も「基準強度値の組」と「対象強度値の組」との距離に基づいて、一致度を算出することができる。
このように本実施形態においては、類似度算出部235は、波長リストに含まれる各々の波長に対応する複数の基準強度値間の比率と、波長リストに含まれる各々の波長に対応する複数の対象強度値間の比率との類似度を算出する。これにより、判定対象の一の元素が存在するか否かを複数の波長の強度値に基づいて判定できるため、より精度よく元素の有無を推定できる。
なお、このような判定方法は、上記のツェルニ・ターナ型の検出器を用いた場合、すなわち、エシェル型等のような他の検出器よりも一般的に波長分解能が低い検出器を用いた場合に特に有効である。ツェルニ・ターナ型の検出器は、他の種類の検出器と比較してサイズが小さいため、装置全体を小型化できるメリットはある。しかしながら、検出器のサイズが小さくなるにつれて、波長分解能は低下してしまう。このように波長分解能が低い場合であっても、個別の波長の強度値に基づいて元素の有無を推定するのではなく、複数の波長の強度値を1つの組としたデータセット(ベクトル)に基づいて元素の有無を推定することで、元素の有無を推定する際の精度を向上させることができる。
-強度比算出部236-
図6に示す強度比算出部236は、波長リストWLに含まれる波長の基準強度値と対象強度値との強度比を算出する。強度比算出部236は、波長リストWLに含まれる複数の波長のうち、少なくとも1つの波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出する。図10のFIG.10AおよびFIG.10Bに示す場合、波長リストWLに含まれる各波長のうち、前処理部231により異常波長と推定された波長以外の波長における対象強度値は、いずれも基準強度値の略0.7倍となっており、強度比として0.7と算出する。また、波長ごとに強度比がわずかに変動する場合、強度比算出部236は、各波長における強度値を平均化したり、強度値が大きい波長に対して大きな重みづけを設定したり、適宜最適化することで強度比を算出できる。なお、強度比算出部236は、前処理部231により異常波長と推定された波長などの外れ値を除去したうえで基準強度値と対象強度値との強度比を算出してもよいし、該強度比に所定の数学的処理を行ってもよい。
-成分分析部237-
図6に示す成分分析部237は、類似度算出部235により算出された類似度と、1次記憶部21bに記憶された類似度しきい値とに基づいて、判定対象特定部232により特定された判定対象の一の元素が存在するか否かを判定する。ここで、類似度しきい値とは、所定の元素が存在するか否かを判定するためのしきい値であり、成分分析部237は、算出した類似度が類似度しきい値を上回っている場合に、当該元素が存在すると判定する。なお、類似度しきい値は予め定められた固定値であってもよいし、後述の類似度しきい値設定部234により、動的に変化させられてもよい。
また、成分分析部237は、サンプルSPに含まれると推定された元素について、当該元素の含有量を推定する。ここで、元素の含有量の推定は、強度比算出部236により算出された強度比に基づいて算出される。図10のFIG.10AおよびFIG.10Bに示す場合、波長リストWLに含まれる各波長のうち、前処理部231により異常波長と推定された波長以外の波長における対象強度値は、いずれも基準強度値の略0.7倍となっている。成分分析部237は、波長リストWLに含まれる各波長における強度値の関係が基準強度値の組と対象強度値の組とで類似する場合に一の元素が存在すると推定するため、いずれの波長においても、基準強度値に対する対象強度値の強度比はおおよそ一定となる。この強度比と、基準スペクトルSrが取得された際の含有量とに基づいて、成分分析部237はサンプルSPに含まれる元素の含有量を推定できる。図10のFIG.10Aに示す場合、基準強度値の組は、Feの含有量が100wt%の基準サンプルから得られたものである。この含有量に、上記の基準強度値に対する対象強度値の強度比を掛け合わせることで、サンプルSPに含まれる元素の含有量を推定できる。さらに、成分分析部237はさらに、元素ごとの推定された含有量が全体で100wt%になるように、元素の含有量を再推定してもよい。
(波長リストWLの別実施例)
ここまでの説明において、基準スペクトルSrに含まれる複数のピークに対応する波長を含む波長リストWLに基づいて、成分分析を行う場合を説明した。ここでは、基準スペクトルを構成する複数の波長と、各波長に対応する強度値に適用する重みづけ係数とを対応付けた波長リストWLに基づいて、成分分析を行う場合を説明する。
図6に示す強度取得部233は、2次記憶部21cに記憶された波長リストWLと基準スペクトルSrとに基づいて、波長リストWLに含まれる各々の波長における基準スペクトルSrの強度値である基準強度値を取得する。そして、強度取得部233は、波長ごとに取得された複数の基準強度値を1つの組とした基準強度値の組を作成する。この基準強度値の組は、波長リストWLに含まれる波長の数を次元数とする多次元ベクトルである。図示は省略するが、ここで作成された基準強度値の組の例は、図7のFIG.7Cに示された複数の波長と、各々の波長に対応する基準強度値が1つのデータセットとして表形式で保持されている。
次に、強度取得部233は、2次記憶部21cに記憶された波長リストWLと対象スペクトルStとに基づいて、波長リストWLに含まれる各々の波長における対象スペクトルStの強度値である対象強度値を算出する。そして、強度取得部233は、波長ごとに算出された複数の対象強度値を1つの組とした対象強度値の組を作成する。この対象強度値の組は、波長リストWLに含まれる波長の数を次元数とする多次元ベクトルである。図示は省略するが、ここで作成された対象強度値の組の例は、図7のFIG.7Cに示された複数の波長と、各々の波長に対応する対象強度値が1つのデータセットとして表形式で保持されている。強度取得部233は、判定対象の元素ごとに順次基準強度値の組と、対象強度値の組とを作成し、これらを類似度算出部235に出力する。
基準スペクトルを構成する複数の波長と、各波長に対応する強度値に適用する重みづけ係数とを対応付けた波長リストWLを用いる場合、波長リストWLに含まれる波長には、基準スペクトルSrのピークに対応する波長だけではなく、ピークとして表れていない波長など他の波長が含まれてもよい。なお波長リストWLは、ピークの有無とは関係なく、基準スペクトルSrを構成するすべての波長が含まれ、各波長に対して重みづけ係数が設定されたものであってもよい。この場合、ピークに対応する波長等、成分分析の際に着目する複数の波長に対応付けられた重みづけ係数は、基準スペクトルを構成する他の波長(着目対象外の波長)に対応付けられた重みづけ係数よりも大きくなるように設定されてもよい。これにより、より精度よく判定対象の元素が存在するか否かを推定できる。
図6に示す類似度算出部235は、基準強度値と対象強度値との類似度を波長リストWLで設定された重みづけ係数を用いて算出する。この類似度は、例えば、基準強度値と対象強度値の各々に対して、対応する波長について設定された重みづけ係数を乗じ、重みづけ後の基準強度値と重みづけ後の対象強度値との一致度(距離)に基づいて算出されてもよい。また、基準強度値と対象強度値の一致度(距離)を算出する際に、波長ごとに算出された基準強度値と対象強度値との距離に、当該波長に対応付けられた重みづけ係数を乗ずることにより類似度が算出されてもよい。すなわち、上記の類似度は、各波長について波長リストWLで設定された重みづけ係数を、基準スペクトルSrに含まれる複数の波長に対応する基準強度値と、対象スペクトルSrに含まれる複数の波長に対応する対象強度値とに適用することで算出される。そして、図6に示す成分分析部237は、類似度算出部235により算出された類似度と、1次記憶部21bに記憶された類似度しきい値とに基づいて、サンプルSPに含まれる元素の種類を推定する。
また、成分分析部237は、波長リストWLに含まれる複数の波長のうち、少なくとも1つの波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比に基づいて、元素の含有量を推定する。なお、含有率の推定に用いられる波長は、波長リストWLにおいてより大きな重みづけ係数が設定された波長であってもよいし、後述の強度類似度が大きい波長であってもよい。具体的には、図7のFIG.7Cに示すFeの波長リストでは、波長301nmにより大きな重みづけ係数が設定されている。そのため、成分分析部237は、この波長301nmにおける基準強度値と対象強度値との強度比に基づいて元素の含有量を推定できる。
さらに、成分分析部237は、波長リストWLに含まれる複数の波長の基準強度値と、波長リストWLに含まれる複数の波長の対象強度値との強度比に基づいて、元素の含有量を推定することもできる。特に2次記憶部21cは、波長リストWLとして、定性分析に用いる波長リストWLと、定量分析に用いる波長リストWLとを分けて記憶していてもよい。この場合、成分分析部237は、定量分析に用いる波長リストWLに含まれるすべての波長の基準強度値と対象強度値との強度比と、波長リストWLで波長ごとに設定された重みづけ係数とに基づいて、元素の含有量を推定することもできる。このように、定性用に注目したい波長と、定量用に注目したい波長とを分けることで、より精度よく成分分析を行うことができる。このように、複数の基準強度値を1つのデータセットとした基準強度値の組と、複数の対象強度値を1つのデータセットとした対象強度値の組との強度比に基づいて元素の含有量を推定することで、個々の対象強度値が変動することにより生じる影響を抑制でき、含有量の推定精度を向上させることができる。
なお、元素の含有量の推定方法は上記の方法に限定されるものではない。成分分析部237は、相対的に大きな重みづけ係数が設定された複数の波長における基準強度値と対象強度値との強度比に基づいて元素の含有量を推定してもよいし、基準強度値の平均と対象強度値の平均との強度比に基づいて元素の含有量を推定してもよい。
-波長リストWLの詳細-
LIBS法によりサンプルSPの成分分析を行う場合、プラズマ光の発光スペクトルに生じるピークは非常に多く、分析対象である一の元素のピークと他の元素のピークとが近接した波長に現れることが多い。このような場合であっても、より精度よくサンプルSPに含まれる元素を推定できるように波長リストWLが作成されてもよい。なお、波長リストWLは、図6に示す波長選択部241または係数設定部242により作成される。
ピークどうしの位置関係を考慮したピーク波長の波長リストWL
図6に示す波長選択部241は、一の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれるピークと、他の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれるピークとの位置関係を考慮して波長リストWLを作成することができる。すなわち、波長選択部241は、一の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれる一のピークと、他の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれる他のピークとが所定の波長範囲内に存在し、ピークどうしが近接しているか否かを判定する。そしてピークどうしが近接している場合には、一の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれる複数のピークに対応する波長のうち、一のピークに対応する波長が除外された波長リストWLを一の分析対象元素に対応する波長リストWLとして作成する。例えば、図7のFIG.7Bおよび図8のFIG.8Bに示すように、波長306.5nmにはFeのピークが存在し、波長306.7nmにはCrのピークが存在する。予め分析対象元素ごとに基準スペクトルSrを取得することで、波長306.5nmの周辺にはピークが現れやすいことが分かっていた場合、波長選択部241は、Feに対応する波長リストWLとして306.5nmの波長を除いた波長リストWLを作成できる。すなわち、301nm,303nm,305nmの波長からなる波長リストWLがFeに対応する波長リストWLとして作成される。同様に、波長選択部241は、Crに対応する波長リストWLとして306.7nmの波長を除いた波長リストWLを作成できる。
ここで、ピークどうしの位置関係(分離度)は、基準スペクトルSrに含まれる各ピークを関数で近似した場合のパラメータに基づいて決定することができる。例えば、各ピークがガウス関数で近似される場合、ピーク波長間の距離とピークの半値幅とに基づいて、ピーク同士が近接しているかを判定できる。このように近接するピークに対応する波長を除外した波長リストWLを作成することにより、サンプルSPに含まれる元素の誤検出を抑制することができる。
分離度を考慮して重みづけ係数が設定された波長リストWL
図6に示す係数設定部242は、一の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれるピークと、他の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれる他のピークとの位置関係を考慮して基準スペクトルSrに含まれる複数の波長に対して重みづけ係数を設定することができる。「ピークどうしの位置関係を考慮した波長リスト」での説明と同様に、係数設定部242は、一の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれる一のピークと、他の分析対象元素の基準スペクトルSrに含まれる他のピークとの分離度に基づいて、各波長に対して重みづけ係数を設定できる。すなわち、係数設定部242は、分離度が大きなピークに対応する波長については相対的に大きな重みづけ係数を設定し、分離度が小さなピークに対応する波長については相対的に小さな重みづけ係数を設定することで、一の分析対象元素に対応する波長リストWLを作成できる。図示は省略するが、係数設定部242は、波長306.5nmに対する重みづけを相対的に小さくした波長リストWLをFeに対応する波長リストWLとして作成できる。
強度値との相関を考慮したピーク波長の波長リストWL
2次記憶部21cは、波長リストWLとして、定性分析に用いるための第1の波長リストと、定量分析に用いるための第2の波長リストとを記憶することができる。この場合、成分分析部237は、第1の波長リストで設定された重みづけ係数を用いて算出された類似度に基づいてサンプルSPに含まれる元素の種類を推定し、第2の波長リストで設定された重みづけ係数を用いて算出された強度比に基づいてサンプルSPに含まれる元素の含有量を推定する。
図11に示すように、分析対象元素の基準スペクトルSrの基準強度値は、分析対象元素の含有量に応じて変動する。この基準強度値の変動の中には、分析対象元素の含有量と比例関係にあるものと、そうでないものとが混在する。図11にはFeを100wt%含む場合を実線で、Feを50wt%含む場合を破線で示している。波長301nmおよび波長303nmの基準強度値は、Feの含有量と比例関係にある。一方、波長305nmおよび306.5nmの基準強度値は、Feの含有量が増加するにつれて基準強度値が増加するものの、Feの含有量と基準強度値とに比例関係はない。すなわち、波長301nm,303nm,305nm,306.5nmの波長については、元素の含有量と基準強度値との相関を示す値が第1の値以上である。そして、波長301nm,303nmn波長については、元素の含有量と基準強度値との相関を示す値が第1の値よりも大きな第2の値以上である。分析対象元素の含有量と基準強度値との相関を示す値がより大きい波長を定量分析に用いることで、サンプルSPに含まれる元素の含有量を精度良く推定できる。一方、分析対象元素が存在するか否かの推定には、分析対象元素の含有量が変化することに応じて基準強度値も変化する波長であれば良く、大きな相関性は必ずしも必要ではない。そこで、2次記憶部21cは、波長リストWLとして、分析対象元素の含有量と基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の複数の波長を含んで構成された第1の波長リストと、分析対象元素の含有量と基準強度値との相関を示す値が、第2の値以上の複数の波長を含んで構成された第2の波長リストとを記憶することができる。
図11に示す場合、Feの含有量と基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の4つの波長はFeの定性分析に利用できる波長である。そのため、第1の波長リストには、上記4つの波長が含まれる。また、Feの含有量と基準強度値との相関を示す値が第2の値以上の2つの波長は、Feの定量分析に好適な波長である。そのため、第2の波長リストは、分析対象元素と基準強度値との相関が大きなこれら2つの波長が含まれている。
このように2次記憶部21cは、定性分析に用いる波長リストWL(第1の波長リスト)と、定量分析に用いる波長リストWL(第2の波長リスト)とを分けて記憶することで、サンプルSPに含まれる元素の誤判定を抑制しつつ、サンプルSPに含まれると推定された元素の含有量をより正確に推定できる。
強度値との相関を考慮して重みづけ係数が設定された波長リストWL
上記の「強度値との相関を考慮したピーク波長の波長リストWL」では、ピークに対応する波長により波長リストが構成される場合を説明した。ここでは、強度値との相関を考慮して基準スペクトルSrに含まれる複数の波長に対応する重みづけ係数が設定されることで波長リストWLが規定される場合を説明する。この場合、基準スペクトルSrに含まれる複数の波長の内、分析対象元素の含有量と基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の複数の波長に対応する重みづけ係数が、該相関を示す値が第1の値未満の波長に対応する重みづけ係数よりも相対的に大きくなるように設定されることで、定性分析に用いるための第1の波長リストが作成される。また、定量分析に用いるための第2の波長リストは、基準スペクトルSrに含まれる複数の波長の内、分析対象元素の含有量と基準強度値との相関を示す値が第1の値よりも大きな第2値以上の複数の波長に対して、該相関を示す値が第2の値未満の波長に対応する重みづけ係数よりも相対的におおきくなるように設定されることで作成される。図示は省略するが、図11に示す場合、波長301nm,303nm,305nm,306.5nmに対して他の波長よりも相対的に大きな重みづけ係数が係数設定部242により設定されることで第1の波長リストが作成される。また、波長301nm,303nmnに対して他の波長よりも相対的に大きな重みづけ係数が係数設定部242により設定されることで第2の波長リストが作成される。
プラズマ状態の元素のイオン価数に対応した波長リストWL
サンプルSPにレーザ光が照射されることにより励起状態となった元素が基底状態に戻るときにプラズマ光が発生する。プラズマ状態の元素は中性原子、1価のイオン、2価のイオン等、異なる価数の状態で存在する。この場合、1価のイオンの低エネルギー準位や、2価の低エネルギー準位といったように、プラズマ状態の元素のイオン価数に応じて低エネルギー準位が存在するため、元素の価数に応じて、発光スペクトルのピークに対応する波長が異なる。そのため、プラズマ光としてエネルギーが放出されるプラズマ状態の元素のイオン価数に対応して、複数の波長リストWLが2次記憶部21cに記憶されていてもよい。この場合を図12に基づいて説明する。
図12は、Znの基準スペクトルSrを例示する図である。この基準スペクトルSrには、Zn(2+)内でのエネルギー遷移に対応するピーク群や、Zn(1+)内でのエネルギー遷移に対応するピーク群、Zn(0)内でのエネルギー遷移に対応するピーク群など、複数のピーク群が存在する。これら複数のピーク群の内、波長300.7nm,301nm,301.2nmのピークはZn(2+)内でのエネルギー遷移に対応し、波長302.8nm,303nmのピークはZn(1+)内でのエネルギー遷移に対応し、波長305.7nm,306nm,306.2nm,306.5nmのピークはZn(0)内でのエネルギー遷移に対応することが知られている。なお、図12に示す基準スペクトルSrは説明のためのものであり、実際にZnを測定して得られるスペクトルとは必ずしも一致しない。
図12に示すように、基準スペクトルSrに含まれる複数のピーク群と元素の価数との対応関係が予めわかっている場合、2次記憶部21cは、300.7nm,301nm,301.2nmの3つの波長を含む第1の波長リストと、300.7nm,301nm,301.2nmの2つの波長を含む第2の波長リストと、305.7nm,306nm,306.2nm,306.5nmの4つの波長を含む第3の波長リストとを記憶していてもよい。すなわち、2次記憶部21cは、プラズマ光としてエネルギーが放出されるプラズマ状態の元素のイオン価数ごとに異なる波長リストWLを記憶することができる。本実施の形態においては、特定の波長におけるピークの有無を判定する方法ではなく、複数の波長における強度値間の比率(ベクトルとしての一致度)に基づいて判定対象の元素が存在するか否かを判定する。出射部71により出射されるレーザ光の強度の違いや、プラズマ化された元素の温度であるプラズマ温度の違いなどにより、2価内のエネルギー遷移の発生量と、1価内のエネルギー遷移の発生量の比が異なる場合がある。そのため、2価内のエネルギー遷移に対応する波長と、1価内のエネルギー遷移に対応する波長等を混在して記憶していると、各波長における基準強度値間の比率と対象強度値間の比率の一致度が低下する虞がある。一致度の低下により、実際には存在しているにも関わらず、存在していないと誤判定される元素が生じる虞がある。このようにプラズマ光としてエネルギーが放出されるプラズマ状態の元素のイオン価数に対応して複数の波長リストを記憶しておくことで、元素の存在を見逃してしまう虞を低下させ、より正確にサンプルSPに存在する元素を推定することができる。なお、図示は省略するが、基準スペクトルSrに含まれる複数のピークについて重みづけ係数を設定することで波長リストWLが作成される場合も同様に、プラズマ状態の元素のイオン価数に対応して重みづけ係数が設定された複数の波長リストWLを記憶しておくことができる。また、1つの分析対象元素に対して複数の波長リストWLが存在する場合、類似度算出部235は、波長リストWLの各々について算出された類似度のうち最大のものを抽出したり、複数の類似度の平均を算出したりすることにより類似度を算出してもよい。
-基準スペクトルSrの詳細-
LIBS法を用いた分析では、いわゆる「マトリックス効果」と呼ばれる現象が発生することがある。すなわち、判定対象の元素と、判定対象でない元素とが混在する場合、所定波長に現れていたピークの強度値が基準強度値から変動したり、基準スペクトルSrには存在したピークが消滅したり、分裂したりすることがある。そのため、判定対象の元素単体で得られた基準スペクトルSrだけでなく、判定対象の元素と判定対象でない元素とが混在したサンプルから得られた混合スペクトルと、そのスペクトルから得られた波長リストWLが2次記憶部21cに記憶されていてもよい。この場合を図13に基づいて説明する。なお、ここでは判定対象の元素を第1元素と称する。また、2次記憶部21cは、波長リストWLとして、第1元素と、第1元素とは異なる第2元素とを含むサンプルから取得されたスペクトルに基づいて作成された第1の波長リストと、第1元素と、第1元素および第2元素とは異なる第3元素とを含むサンプルから取得されたスペクトルに基づいて作成された第2の波長リストとを記憶する。
図13のFIG.13Aは、第1元素としてのFeと、第2元素としてのMgとを含むサンプルから取得された第1の混合スペクトルを例示する図である。第1元素であるFe単体の基準スペクトルSrには、図7のFIG.7Bに示す波長の位置にピークが現れる。しかし、図13のFIG.13Aに示すように、FeとMgを含んだ混合スペクトルでは、波長305nmに対応する位置にピークが存在しない。これは、波長304.8nmに対応する位置にMgのピークが存在しており、当該ピークの影響により波長305nmに対応する強度値が減少またはピークそのものが消滅してしまったことに起因する。
また、図13のFIG.13Bは、第1元素としてのFeと、第3元素としてのMnとを含むサンプルから取得された第2の混合スペクトルを示す図である。第1元素であるFe単体の基準スペクトルSrには、図7のFIG.7Bに示す波長の位置にピークが現れる。しかし、図13のFIG.13Bに示すように、FeとMnを含んだ混合スペクトルでは、波長301nmに対応するピークの強度値が減少している。これは、波長301nm付近に存在するMnのピークの影響を受けたことに起因する。本実施の形態においては、特定の波長におけるピークの有無を判定する方法ではなく、複数の波長における強度値間の比率(ベクトルとしての一致度)に基づいて判定対象の元素が存在するか否かを推定する。そのため、第1元素の基準スペクトルSrのみでは、各波長における基準強度値間の比率と対象強度値間の比率の一致度が低下し、実際には存在しているにも関わらず、存在していないと誤判定される虞がある。そこで、第1元素と、該第1元素と混在して存在することが多い他の元素(第2元素、第3元素)とが混在したサンプルから取得された混合スペクトルを予め記憶しておくことで、元素の存在を見逃してしまう虞を低下させ、より正確にサンプルSPに存在する元素を推定することができる。すなわち、強度取得部233は、基準スペクトルSrから波長リストWLに含まれる波長の強度値である基準強度値を取得したり、第1の混合スペクトルから波長リストWLに含まれる波長の強度値を取得したり、第2の混合スペクトルから波長リストWLに含まれる波長の強度値を取得したりする。そして、類似度算出部235は、基準強度値と対象強度値との距離に基づいて類似度を算出する。同様に、類似度算出部235は、第1の混合スペクトルから取得された強度値と、対象強度値との類似度を算出する。さらに、類似度算出部235は、第2の混合スペクトルから取得された強度値と、対象強度値との類似度を算出する。これにより、基準スペクトルSrだけでなく、第1の混合スペクトルや第2の混合スペクトルに基づいてサンプルSPに含まれる元素を推定できるため、他の元素の影響に起因した誤判定を抑制できる。
-類似度しきい値設定部234-
図6に示す類似度しきい値設定部234は、スペクトル取得部212で取得された対象スペクトルSt内の強度値の変化度合いに応じて、対象スペクトルStごとに類似度しきい値を動的に変化させることができる。ここで、強度値の変化度合いの一例としては、対象スペクトルSt内の強度値の分散やピークの数、ピークの強度値などが挙げられる。
例えば、類似度しきい値設定部234は、強度取得部233が取得した対象スペクトルの分散を算出する。算出された分散が大きい場合、対象スペクトルにStには判定対象の元素以外の元素や測定環境に起因したノイズ成分が多い。この場合、類似度しきい値が小さければ、判定対象の元素以外のピークを検出することで、実際には判定対象の元素が存在していないにもかかわらず、判定対象の元素が存在していると誤判定されてしまう虞が高くなる。そのため、類似度しきい値設定部234は、対象スペクトルStの分散が大きい場合、判定対象の元素が存在すると成分分析部237により判定されるために必要な類似度しきい値を大きくする。すなわち、類似度しきい値設定部234は、対象スペクトルSt内の強度値の変化度合いが大きい場合は、判定対象の元素が存在すると判定されにくくなるように類似度しきい値を動的に変化させ、対象スペクトルSt内の強度値の変化度合いが小さい場合は、判定対象の元素が存在すると判定されやすくなるように類似度しきい値を動的に変化させる。強度値の変化度合いとしてピークの数を用いた場合、類似度しきい値設定部234は、対象スペクトルStに含まれるピークの数が多いほど判定対象の元素が存在すると判定されにくくなるように類似度しきい値を動的に変化させる。なお、類似度しきい値設定部234は、類似度しきい値に代えて、または類似度しきい値に加えて、対象スペクトルSt内の強度値の変化度合いに基づいてノイズ判定レベルを動的に変化させることもできる。すなわち、類似度しきい値設定部234は、対象スペクトルSt内の強度値の変化度合いが大きい場合には、大きな対象強度値を有するピークのみが検出対象となるようにノイズ判定レベルを大きくし、強度値の変化度合いが小さい場合には、相対的に小さなピークも検出対象となるように、ノイズ判定レベルを小さくすることができる。
一般的に典型元素は強度値の変化度合いが小さく(ピーク本数が少なく)、遷移元素は強度値の変化度合いが大きい(ピーク本数が多い)。そのため一の典型元素が他の典型元素と誤って推定されたり、一の典型元素が遷移元素と誤って推定されたりする虞は少ない。遷移元素が検出されないような場合に、類似度しきい値設定部234は、判定対象の元素が存在すると判定されやすくなるように類似度しきい値を動的に変化させる(類似度しきい値を緩める)ことで、判定対象の元素の検出能力を高めることができる。一方、遷移元素はピーク本数が多いため、ピーク本数の少ない典型元素が含まれていると誤って推定される虞がある。このような場合に、類似度しきい値設定部234は、判定対象の元素が存在すると判定されにくくなるように類似度しきい値を動的に変化させる(類似度しきい値を厳しくする)ことで、典型元素の検出能力は低下するが、典型元素の誤検出を抑制することができる。このように、得られた対象スペクトルStに応じて測定ごとに類似度しきい値を動的に変化させることができるため、より精度よく定性分析を行うことができる。なお、ここでは強度値の変化度合いに応じて類似度しきい値を変化させることで誤検出の抑制を実現しているが、強度値の変化度合いに応じて類似度自体を低下させることにより誤検出を抑制してもよい。
-前処理部231の詳細-
図6に示す前処理部231は、スペクトル取得部212で取得された対象スペクトルStに含まれるピークの形状が、どの程度ピークの理想的な形状と一致しているかを判定することができる。すなわち、前処理部231は、対象スペクトルStに含まれるピークの形状と、ピークの理想的な形状である所定のピークモデルとの一致度を表すピーク一致度を算出する。ここで、所定のピークモデルとは、放物線、ガウス関数等の所定の非線形関数や、区分線形関数等の所定の線形関数等で表されたピーク形状を表すモデルである。ピークモデルとして非線形関数が用いられる場合、前処理部231は、対象スペクトルStに含まれる複数のピークを所定の非線形関数で近似する。前処理部231は、理想的な非線形関数と、近似算出された非線形関数との距離を最小二乗法等の公知の手法により算出することで、ピーク一致度を算出できる。なお、ピーク一致度は、上記したベクトルとしての一致度に基づいて算出することもできる。そして、前処理部231は、算出したピーク一致度を類似度算出部235へと出力する。このピーク一致度が高いほど、理想的なピークモデルに近いことを示しているため、ピーク一致度が高いピークは、サンプルSPに含まれる元素をより正確に反映したものである可能性が高い。そこで、このピーク一致度を考慮して類似度を算出することで、より精度よく判定対象の元素が存在するか否かを推定できる。
また、所定のピークモデルとして、基準スペクトルSrに含まれるピーク形状を用いることもできる。この場合、前処理部231は、基準スペクトルSrに含まれるピーク形状と、スペクトル取得部212により取得された対象スペクトルStとの距離に基づいてピーク一致度を算出することができる。ここで、基準スペクトルSrのピーク形状と、対象スペクトルStのピーク形状との距離が小さいほどピークが一致しているため、上記距離が小さいほどピーク一致度が大きくなるように、前処理部231は、ピーク一致度を算出する。
-類似度算出部235による総合類似度の算出-
図6に示す類似度算出部235は、基準強度値の組と、対象強度値の組との類似度を算出する。類似度算出部235は、当該類似度に代えて、または類似度に加えて、総合類似度を算出してもよい。ここでは、類似度算出部235が、前処理部231で算出されたピーク一致度を考慮して総合類似度を算出する場合を説明する。ピーク一致度が大きいピークは、サンプルSPに含まれる元素をより正確に反映したものである可能性が高い。そのため、類似度算出部235は、ピーク一致度が大きなピークが存在する場合は、算出する総合類似度の値を大きくする。一方で、ピーク一致度が小さいピークは、相異なる複数のピークにより形成されたピークであるなど、サンプルSPに含まれる元素を正確には反映していない可能性が高い。このようなピークに基づいて元素の存在を判定すると、実際には存在しない元素を存在すると誤判定してしまう虞がある。そのため、類似度算出部235は、ピーク一致度が小さいピークが存在する場合は、算出する総合類似度の値を小さくする。具体的には、類似度算出部235は、まず基準強度値の組と、対象強度値の組との類似度を算出する。そして、類似度算出部235は、ここで算出された類似度とピーク一致度との積を総合類似度として算出する。なお、総合類似度を算出する上記の方法は一例に過ぎず、四則演算等その他の数学的手法を用いることができる。このようにスペクトル取得部212により測定時に実際に得られた対象スペクトルStのピーク形状に応じて総合類似度を変化させることにより、より精度よくサンプルSPに含まれる元素を推定できる。
また、図6に示す類似度算出部235は、類似度を算出する際に、ピーク一致度に代えて、または、ピーク一致度に加えて、強度類似度を考慮することができる。具体的には、類似度算出部235は、前処理部231により算出された基準強度値と対象強度値との類似度である強度類似度を取得する。そして、類似度算出部235は、基準強度値の組と、対象強度値の組との類似度、ピーク一致度、および強度類似度に所定の数学的処理を適用することで総合類似度を算出する。なお、1次記憶部21bが強度類似しきい値を保持している場合、波長ごとに強度類似度が算出され、該算出された強度類似度が強度類似しきい値よりを超えた割合を上記類似度に掛け合わせることで総合類似度を算出してもよい。
類似度算出部235により総合類似度が算出される場合、成分分析部237は、該算出された総合類似度と、1次記憶部21bに記憶された類似度しきい値とに基づいて、サンプルSPに含まれる元素の種類を推定することができる。
-成分分析部237の詳細-
図6に示す成分分析部237は、含有量の推定の際に、前処理部231で算出されたピーク一致度を考慮することができる。一般的に、対象スペクトルStには複数のピークが存在している。そのため、成分分析部237は、複数のピークに対応する波長について、基準強度値と対象強度値との強度比を算出し、算出した複数の強度値に基づいて含有量を推定する。しかしながら、複数のピークの中には、ピーク一致度が大きなピークと、ピーク一致度が小さなピークの双方が含まれることがある。そこで、成分分析部237は、複数の波長について算出された基準強度値と対象強度値との強度比に基づいて元素の含有量を推定する際に、ピーク一致度に応じて強度比に適用する重みづけ係数を設定できる。すなわち、成分分析部237は、各波長に対して算出されたピーク一致度の内、ピーク一致度が大きいほど、重みづけ係数を大きくし、ピーク一致度が小さいほど重みづけ係数を小さくできる。
また、図6に示す成分分析部237は、ピーク一致度に代えて、または、ピーク一致度に加えて波長ごとに算出された強度類似度を、元素の含有量を推定する際に考慮できる。具体的には、成分分析部237は、前処理部231により算出された基準強度値と対象強度値との類似度である強度類似度を取得する。そして、成分分析部237は、各波長に対して算出された強度類似度の内、強度類似度が相対的に大きい波長に対しては、強度比に適用する重みづけ係数として大きな値を設定できる。また、成分分析部237は、強度類似度が相対的に小さい波長に対しては、強度比に適用する重みづけ係数として小さな値を設定できる。このように、各波長における基準強度値と対象強度値の類似度に基づいて、元素の含有量を推定する際に強度比に対して適用する重みづけ係数を変更できるため、元素の含有量をより精度よく推定することができる。
<成分分析フロー>
図14は、処理部21aによるサンプルSPの分析手順を例示するフローチャートである。
まず、ステップS1001において、出射制御部211は、レーザ光を出射するように出射部71を制御する。
次に、ステップS1002において、スペクトル取得部212は、第1検出器77A,第2検出器77Bにより生成されたプラズマ光の発光スペクトルである対象スペクトルStを取得する。ステップS1002は、本実施形態における「スペクトル取得ステップ」の例示である。
次に、ステップS1003において、成分分析部237は、サンプルSPの定性分析を行う。ステップS1003の詳細は、図15のフローチャートに基づいて説明する。
続いて、ステップS1004において、成分分析部237は、ステップS1003でサンプルに存在すると推定された元素について、当該元素の含有量を推定する定量分析を行う。ステップS1003およびステップS1004は、本実施形態における「成分分析ステップ」の例示である。
<定性分析フロー>
次に、図15のフローチャートに基づいて、図14のステップS1003に示す定性分析手順を説明する。
まず、ステップS1101において、判定対象特定部232は、分析対象元素の内、一の元素を判定対象の元素として特定する。
次に、ステップS1102において、判定対象特定部232は、判定対象の元素の波長リストWLの数と基準スペクトルSrの数の少なくとも一方を取得する。本ステップは、図18に示すデータテーブルを参照することにより実現される。
次に、ステップS1103において、判定対象特定部232は、判定対象の元素に対応付けられた基準スペクトルSrの内、類似度の算出が未完了の一の基準スペクトルSrを選択する。
次に、ステップS1104において、判定対象特定部232は、ステップS1103で選択された一の基準スペクトルSrに対応付けられた波長リストWLの内、類似度の算出が未完了の一の波長リストWLを選択する。
次に、ステップS1105において、強度取得部233は、ステップS1104で選択された一の波長リストWLを2次記憶部21cから取得する。ステップS1105は、本実施形態における「読出ステップ」の例示である。
続いて、ステップS1106において、強度取得部233は、ステップS1105で取得した一の波長リストWLに含まれる波長に対応する基準強度値および対象強度値を取得する。ここで、基準強度値は予め2次記憶部21cに記憶されているものを取得してもよいし、2次記憶部21cに記憶された基準スペクトルSrから算出することにより取得されてもよい。
次に、ステップS1107において、類似度算出部235は、ステップS1106で取得された基準強度値および対象強度値に基づいて、類似度(総合類似度)を算出する。このステップの詳細は、図16のフローチャートに従って説明する。ステップS1109は、本実施形態における「類似度算出ステップ」の例示である。
次に、ステップS1108において、判定対象特定部232は、ステップS1103で選択された一の基準スペクトルSrに対応付けられた波長リストWLについて類似度の算出が完了したか否かを判定する。この判定がYESの場合は、ステップS1109に進み、この判定がNOの場合は、ステップS1104に戻る。
次に、ステップS1109において、判定対象特定部232は、判定対象の元素に対応付けられたすべての基準スペクトルSrについて類似度の算出が完了したか否かを判定する。この判定結果がYESの場合は、ステップS1110に進み、この判定結果がNOの場合は、ステップS1103に戻る。
ステップS1110において、成分分析部237は、1次記憶部21bから類似度しきい値を取得する。なお、このステップはすでに類似度しきい値が取得されている場合は省略されてもよい。また、類似度しきい値が動的に変化するように設定されている場合は、類似度が算出される毎に類似度しきい値が取得されてもよい。
次に、ステップS1111において、成分分析部237は、類似度しきい値以上の類似度が算出されたか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS1112に進み、成分分析部237は、判定対象の元素が存在すると判定する。また、この判定がNOの場合はステップS1113に進み、成分分析部237は、判定対象の元素が存在しないと判定する。
そして、ステップS1114において、判定対象特定部232は、すべての分析対象元素で定性分析が完了したか否かを判定する。この判定がYESの場合は定性分析を終了し、この判定が場合は、ステップS1101に戻る。
<類似度算出フロー>
次に、図16のフローチャートに基づいて、図15のステップS1109に示す類似度の算出手順を示す。
まず、ステップS1201において、類似度算出部235は、波長リストWLに含まれる波長の基準強度値と対象強度値との類似度を算出する。この類似度は、波長リストWLに含まれる波長を座標軸とする多次元空間上のベクトルどうしの一致度に基づいて算出されてもよいし、各波長における基準強度値と対象強度値の差分の合計などに基づいて算出されてもよい。
次に、ステップS1202において、類似度算出部235は、ピーク一致度を考慮して総合類似度を算出するか否かを判定する。この判定は例えば図19に示す分析設定テーブルの「ピーク判定」の項目を参照することにより実現される。この判定がYESの場合はステップS1203に進み、この判定がNOの場合は、ステップS1203をスキップしてステップS1204に進む。
ステップS1203において、類似度算出部235は、前処理部231により算出されたピーク一致度を取得する。
続いて、ステップS1204において、類似度算出部235は、強度類似度を考慮して総合類似度を算出するか否かを判定する。この判定は例えば図19に示す分析設定テーブルの「強度類似度」の項目を参照することにより実現される。この判定がYESの場合はステップS1205に進み、この判定がNOの場合は、ステップS1205をスキップしてステップS1206に進む。
ステップS1205において、類似度算出部235は、前処理部231により算出された強度類似度を取得する。
続いて、ステップS1206において、類似度算出部235は、ステップS1201で算出した類似度と、ピーク一致度、強度類似度とに基づいて総合類似度を算出する。ここで総合類似度は、類似度、ピーク一致度、強度類似度を掛け合わせるなどの数学的処理により算出されればよい。ここでステップS1201~ステップS1206は、本実施形態における「類似度算出ステップ」の例示である。
<類似度しきい値設定フロー>
図17は、類似度しきい値設定部234による類似度しきい値の設定手順を例示するフローチャートである。
まず、ステップS1301において、類似度しきい値設定部234は、1次記憶部21bまたは2次記憶部21cに記憶された標準しきい値を取得する。標準しきい値とは、装置の工場出荷時等に予め定められたデフォルトの値である。
次に、ステップS1302において、類似度しきい値設定部234は、スペクトル取得部212により取得された対象スペクトルSt内の強度値の変化度合いを算出する。ここで、対象スペクトルSt内の強度値の変化度合いは、対象スペクトルStの分散やピークの数等に基づいて算出される。
次に、ステップS1303において、類似度しきい値設定部234は、前処理部231により算出されたピーク一致度を取得する。
続いて、ステップS1304において、類似度しきい値設定部234は、標準しきい値、強度値の変化度合い、ピーク一致度に基づいて類似度しきい値を算出する。ここで、類似度しきい値は、例えば、標準しきい値に対して、強度値の変化度合いの逆数を掛けることで算出されてもよいし、さらに、ピーク一致度を掛けることで算出されてもよい。
続いて、ステップS1305において、類似度しきい値設定部は、ステップS1304で算出された類似度しきい値を1次記憶部21bに登録する。
<表示画面の例>
図9の対象スペクトルStを用いて、表示部22に表示される表示画面の一例を説明する。図9に示す対象スペクトルStには、Feに対応する複数のピークと、Crに対応する複数のピークが存在する。これらのピークがFeに属するピークであるのか、Crに属するピークであるのかを識別可能にするために、各ピークに対応付けられて、Feであることを示すアイコンと、Crであることを示すアイコンとが対象スペクトルStと共に表示される。なお、これらのアイコンは、前処理部231により異常波長と推定された波長に対しては非表示とすることができる。すなわち、表示制御部221aは、類似度の算出に用いられた波長に対してこれらのアイコンを表示させることができ、対象スペクトルStごとにアイコンが表示される波長を異ならせることができる。これにより、対象スペクトルStごとにアイコンが表示される波長が動的に変化するため、ユーザはどの波長を用いて類似度が算出されたのかを容易に把握することができ、成分分析の結果を解釈しやすくなる。
なお、ここでは、各ピークに対応付けてアイコンを表示させる場合を説明したが、ピークに対して直線や破線を割り当てるなど、その他の手法を用いることもできる。すなわち、表示制御部221aは、対象スペクトルStごとに類似度の算出に用いられた波長を特定する。そして、表示制御部221aは、対象スペクトルStに含まれる複数のピークの波長の内、類似度の算出に用いた波長が識別可能となるように表示画面を表示部22に表示すればよい。
以上説明したように、本発明に係る分析装置は、各種サンプルの成分分析を行う場合に利用できる。
A 分析観察装置
SP サンプル(分析対象物)
1 光学系アセンブリ
5 載置台
6 ヘッド部
7 分析光学系
71 出射部
74 反射型対物レンズ(収集ヘッド)
77A 第1検出部(検出部)
77B 第2検出部(検出部)
81 第1カメラ(撮像部)
9 観察光学系
93 第2カメラ(撮像部)
2 コントローラ本体
21a 処理部
211 出射制御部
212 スペクトル取得部
221 UI制御部
230 成分分析部
231 強度取得部
234 類似度しきい値設定部
21b 1次記憶部
21c 2次記憶部

Claims (16)

  1. レーザ光をサンプルの表面に照射し、該照射により発生したプラズマ光の発光スペクトルと、複数の分析対象元素の基準スペクトルとに基づいて、前記サンプルの成分分析を行う分析装置であって、
    成分分析時に使用される、前記基準スペクトルに含まれる複数のピークの複数の波長の組み合わせである波長リストを前記分析対象元素ごとに対応付けて記憶する記憶部と、
    前記基準スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である基準強度値と、前記発光スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である対象強度値と、の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出する類似度算出部と、
    前記波長リストに含まれる所定の波長に対応する基準強度値と、前記波長リストに含まれる所定の波長に対応する対象強度値との強度比を算出する強度比算出部と、
    前記類似度算出部により算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定するとともに、前記強度比算出部により算出された強度比に基づいて、前記前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定する成分分析部と、を備え
    前記記憶部は、前記波長リストとして、
    前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の複数の波長を含む第1の波長リストと、
    前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が前記第1の値よりも大きな第2の値以上の複数の波長を含む第2の波長リストと、を記憶し、
    前記類似度算出部は、前記類似度として前記第1の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出し、
    前記強度比算出部は、前記強度比として前記第2の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出し、
    前記成分分析部は、
    前記類似度算出部により算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定し、
    前記強度比算出部により算出された強度比に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定することを特徴とする分析装置。
  2. 請求項に記載の分析装置であって、
    前記類似度算出部は、前記分析対象元素ごとに前記波長リストに含まれる複数の波長のそれぞれについて基準強度値と対象強度値との差を順次算出し、該算出した複数の差に基づいて前記類似度を算出することを特徴とする分析装置。
  3. 請求項1または2に記載の分析装置であって、
    前記記憶部は、一の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる一のピークの波長と、他の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる他のピークの波長と、が所定の波長範囲内に存在する場合には、前記一の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる複数のピークの内、前記一のピークの波長が除外された波長リストを前記一の分析対象元素に対応する波長リストとして記憶することを特徴とする分析装置。
  4. レーザ光をサンプルの表面に照射し、該照射により発生したプラズマ光の発光スペクトルと、複数の分析対象元素の基準スペクトルとに基づいて、前記複数の分析対象元素の内、前記サンプルの成分分析を行う分析装置であって、
    前記基準スペクトルを構成する複数の波長と、各波長に対応する強度値に適用する重みづけ係数とを対応付けた波長リストを分析対象元素ごとに記憶する記憶部と、
    前記基準スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である基準強度値と、前記発光スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である対象強度値と、の類似度を、前記波長リストで設定された重みづけ係数を用いて前記分析対象元素ごとに順次算出する類似度算出部と、
    前記波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出する強度比算出部と、
    前記類似度算出部により算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定するとともに、前記強度比算出部により算出された強度比に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定する成分分析部と、を備え、
    前記波長リストは、前記基準スペクトルを構成する複数の波長の内、前記基準スペクトルに含まれるピークに対応する波長に大きな重みづけ係数が対応付けられており
    前記記憶部は、一の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる一のピークと、他の分析対象元素の基準スペクトルに含まれる他のピークとの分離度が大きいほど、大きな重みづけ係数が設定された波長リストを前記一の分析対象元素に対応する波長リストとして記憶することを特徴とする分析装置。
  5. レーザ光をサンプルの表面に照射し、該照射により発生したプラズマ光の発光スペクトルと、複数の分析対象元素の基準スペクトルとに基づいて、前記複数の分析対象元素の内、前記サンプルの成分分析を行う分析装置であって、
    前記基準スペクトルを構成する複数の波長と、各波長に対応する強度値に適用する重みづけ係数とを対応付けた波長リストを分析対象元素ごとに記憶する記憶部と、
    前記基準スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である基準強度値と、前記発光スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である対象強度値と、の類似度を、前記波長リストで設定された重みづけ係数を用いて前記分析対象元素ごとに順次算出する類似度算出部と、
    前記波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出する強度比算出部と、
    前記類似度算出部により算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定するとともに、前記強度比算出部により算出された強度比に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定する成分分析部と、を備え、
    前記波長リストは、前記基準スペクトルを構成する複数の波長の内、前記基準スペクトルに含まれるピークに対応する波長に大きな重みづけ係数が対応付けられており
    前記記憶部は、前記波長リストとして、
    前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の波長に対応する重みづけ係数が、前記相関を示す値が前記第1の値未満の波長に対応する重みづけ係数よりも大きくなるように設定された第1の波長リストと、
    前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が前記第1の値よりも大きな第2の値以上の波長に対応する重みづけ係数が、前記相関を示す値が前記第2の値未満の波長に対応する重みづけ係数よりも大きくなるように設定された第2の波長リストと、を記憶し、
    前記類似度算出部は、前記第1の波長リストで設定された重みづけ係数を用いて前記類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出し、
    前記強度比算出部は、前記第2の波長リストで設定された重みづけ係数を用いて前記強度比を算出し、
    前記成分分析部は、
    前記第1の波長リストで設定された重みづけ係数を用いて算出された類似度に基づいて前記サンプルに含まれる元素の種類を推定し、
    前記第2の波長リストで設定された重みづけ係数を用いて算出された強度比に基づいて前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定することを特徴とする分析装置。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の分析装置であって、さらに、
    前記サンプルに含まれる元素を推定するための類似度しきい値を、一の前記発光スペクトル内の、複数の波長に対応する強度値間の変化度合いに基づいて設定する類似度しきい値設定部を備え
    記成分分析部は、前記類似度算出部により算出された類似度と、前記類似度しきい値設定部により設定された類似度しきい値とに基づいて、前記サンプルに含まれる元素を推定することを特徴とする分析装置。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の分析装置であって、さらに、
    前記サンプルに含まれる元素を推定するための類似度しきい値を、一の前記発光スペクトル内に含まれるピークの数に基づいて設定する類似度しきい値設定部を備え、
    前記成分分析部は、前記類似度算出部により算出された類似度と、前記類似度しきい値設定部により設定された類似度しきい値とに基づいて、前記サンプルに含まれる元素を推定することを特徴とする分析装置。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の分析装置であって、さらに、
    前記発光スペクトルに含まれるピーク形状と、ピークの理想的な形状との一致度であるピーク一致度を算出する前処理部を備え、
    前記類似度算出部は、前記類似度と前記ピーク一致度に基づいて、ピーク一致度が低いほど小さな値を総合類似度として算出し、
    前記成分分析部は、前記類似度算出部により算出された総合類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定することを特徴とする分析装置。
  9. 請求項に記載の分析装置であって、さらに、
    前記発光スペクトルに含まれるピーク形状と、ピークの理想的な形状との一致度であるピーク一致度を算出する前処理部を備え、
    前記成分分析部は、前記ピーク一致度が小さいほど、前記含有量の推定の際に前記強度比に対して適用する重みづけ係数を低下させることを特徴とする分析装置。
  10. 請求項に記載の分析装置であって、さらに、
    前記基準強度値と、前記対象強度値との強度類似度を波長ごとに算出する前処理部を備え、
    前記成分分析部は、前記含有量の推定の際に前記強度比に対して適用する重みづけ係数を前記強度類似度が小さいほど低下させることを特徴とする分析装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の分析装置であって、
    前記記憶部は、前記波長リストとして、前記分析対象元素のプラズマ状態のイオン価数に対応して複数の波長リストを記憶し、
    前記類似度算出部は、前記複数の波長リストの各々について、一の波長リストに含まれる各波長について基準強度値と対象強度値との差を順次算出し、該算出された複数の差に基づいて前記類似度を算出することを特徴とする分析装置。
  12. 請求項1から1のいずれか一項に記載の分析装置であって、
    前記記憶部は、1元素と、該第1元素とは異なる第2元素とを含む物質から取得された第1の混合スペクトルをさらに記憶し、
    前記類似度算出部は、
    前記対象強度値と、前記基準強度値との差に基づいて類似度を算出するとともに、前記対象強度値と、前記第1の混合スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値との差に基づいて類似度を順次算出し、
    前記成分分析部は、前記類似度算出部により順次算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定することを特徴とする分析装置。
  13. メモリに格納されるコンピュータプログラムを実行するように構成され、分析装置に用いられる処理部であって、前記処理部は、
    サンプルにレーザ光が照射されることで生じたプラズマ光の発光スペクトルを取得するスペクトル取得ステップと、
    析対象元素ごとに記憶された波長リストであって、成分分析時に使用される複数の波長の組み合わせである波長リストを記憶する記憶部から前記波長リストを読み出す読出ステップと、
    複数の分析対象元素の基準スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である基準強度値と、前記発光スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である対象強度値と、の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出する類似度算出ステップと、
    前記波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出する強度比算出ステップと、
    前記算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定するとともに、前記算出された強度比に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定する成分分析ステップと、を行うように構成され
    前記読出ステップにおいて、前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の複数の波長を含む第1の波長リストと、前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が前記第1の値よりも大きな第2の値以上の複数の波長を含む第2の波長リストを記憶する記憶部から前記第1の波長リストと前記第2の波長リストとを読み出し、
    前記類似度算出ステップにおいて、前記第1の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出し、
    前記強度比算出ステップにおいて、前記第2の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出するように構成された処理部。
  14. レーザ光がサンプルの表面に照射されることでサンプルから発生したプラズマ光の発光スペクトルと、複数の分析対象元素の基準スペクトルとに基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定する分析装置に用いられる分析方法であって、
    前記分析対象元素ごとに記憶された波長リストであって、成分分析時に使用される複数の波長の組み合わせである波長リストを記憶する記憶部から前記波長リストを読み出す読出ステップと、
    前記基準スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である基準強度値と、前記発光スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である対象強度値と、の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出する類似度算出ステップと、
    前記波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出する強度比算出ステップと、
    前記算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定するとともに、前記算出された強度比に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定する成分分析ステップと、を有し、
    前記読出ステップにおいて、前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の複数の波長を含む第1の波長リストと、前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が前記第1の値よりも大きな第2の値以上の複数の波長を含む第2の波長リストを記憶する記憶部から前記第1の波長リストと前記第2の波長リストとを読み出し、
    前記類似度算出ステップにおいて、前記第1の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出し、
    前記強度比算出ステップにおいて、前記第2の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出することを特徴とする分析方法。
  15. レーザ光がサンプルの表面に照射されることでサンプルから発生したプラズマ光の発光スペクトルと、複数の分析対象元素の基準スペクトルとに基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定する分析装置に用いられる分析プログラムであって、
    前記分析対象元素ごとに記憶された波長リストであって、成分分析時に使用される複数の波長の組み合わせである波長リストを記憶する記憶部から前記波長リストを読み出す読出ステップと、
    前記基準スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である基準強度値と、前記発光スペクトルから取得された強度値であって、前記波長リストに含まれる波長に対応する強度値である対象強度値と、の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出する類似度算出ステップと、
    前記波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出する強度比算出ステップと、
    前記算出された類似度に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の種類を推定するとともに、前記算出された強度比に基づいて、前記サンプルに含まれる元素の含有量を推定する成分分析ステップと、をコンピュータに実行させ
    前記読出ステップにおいて、前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が第1の値以上の複数の波長を含む第1の波長リストと、前記分析対象元素の含有量と前記基準強度値との相関を示す値が前記第1の値よりも大きな第2の値以上の複数の波長を含む第2の波長リストを記憶する記憶部から前記第1の波長リストと前記第2の波長リストとを読み出し、
    前記類似度算出ステップにおいて、前記第1の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値の類似度を前記分析対象元素ごとに順次算出し、
    前記強度比算出ステップにおいて、前記第2の波長リストに含まれる波長に対応する基準強度値と対象強度値との強度比を算出する分析プログラム。
  16. 請求項1に記載された分析プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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