以下、図面を参照しながら、実施形態に係るエアレスタイヤについて説明する。なお、各図中のUP,DNは、車両上下方向上方、下方をそれぞれ示す。各図中では、エアレスタイヤの車両側の方向をISで、車両側とは反対側の方向をOSで示す。また、エアレスタイヤの直径方向のことをタイヤ径方向という。タイヤ径方向内側とは、タイヤ径方向においてエアレスタイヤの中心を向く方向のことをいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向内側とは反対側の方向のことをいう。また、エアレスタイヤの回転軸周りの方向を周方向という。なお、同一の機能を有する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
実施形態に係るエアレスタイヤ1は、図1に示すように、例えば図示しない車両としての乗用車の車軸に固定された車両ホイール100に取り付けて使用される。
車両ホイール100は、図1及び図4に示すように、例えばアルミニウム等の金属から構成される、タイヤ幅方向に延在する略円筒状のリム101と、リム101の車両側とは反対側の開口を塞ぐ円盤状のディスク102とを含む。
また、図4乃至図6に示すように、車両ホイール100の外周面105には溝部103が複数形成されてもよい。図示した例では、溝部103は、車両ホイール100の外周面105に周方向において略均等な間隔で形成された、タイヤ幅方向に延在する凹部である。溝部103はタイヤ幅方向と平行な軸方向視で略矩形の断面形状を備え、また、タイヤ幅方向とタイヤ径方向とに垂直な軸方向視で略矩形の断面形状を備える。
溝部103が形成されていることにより、車両ホイール100の外周面105は凹凸面となる。より具体的には、車両ホイール100の外周面105は、タイヤ径方向において最大の外径を有する外周主面106と、溝部103の底面104とを含む。また、溝部103は、外周面105のタイヤ幅方向両端部に外周主面106を残すように形成されている。換言すれば、溝部103は、周方向及びタイヤ幅方向を外周主面106に囲まれるように形成されている。
なお、溝部103のタイヤ径方向の深さ、タイヤ幅方向の幅、又は車両ホイール100周方向の幅等の寸法は、車両ホイール100の外径やエアレスタイヤの内径等に応じて、適宜設定することができる。また、溝部103の断面形状は図示した例に限定されず、タイヤ径方向内側に向かうほど幅が広くなる形状であってもよく、例えばT溝形状であってもよい。
また、図5又は図6に例示するように、車両ホイール100はタイヤ幅方向一側に配設される第1ホイール100aと、他側に配設される第2ホイール100bと、を備えてもよい。換言すれば、車両ホイール100はタイヤ幅方向において、第1ホイール100aと、第2ホイール100bとに分割されてもよい。また、第1ホイール100aと第2ホイール100bとの外径は略等しい。なお、図示した例では、第1ホイール100aと第2ホイール100bとは、タイヤ幅方向の幅が略等しく設定されているが、これに限定されず、いずれか一方の幅が他方の幅よりも大きくてもよい。
第1ホイール100aのタイヤ幅方向端部には、タイヤ径方向内側に向けて延出し、所定の幅で周方向に延在する第1フランジ107aが形成される。また、第2ホイール100bのタイヤ幅方向端部にも同様に、タイヤ径方向内側に向けて延出し、所定の幅で周方向に延在する第2フランジ107bが形成される。また、第1フランジ107aと第2フランジ107bとは当接可能に配設されている。
第1フランジ107a、及び第2フランジ107bの所定の位置には、タイヤ幅方向に貫通する貫通孔108a,108bがそれぞれ形成されている。第1フランジ107aと第2フランジ107bとを当接させ、第1フランジ107aの貫通孔108aと、第2フランジ107bの貫通孔108bとがタイヤ幅方向に重なるように配置し、例えばボルト及びナットを用いてタイヤ幅方向に締結することにより、第1ホイール100aと第2ホイール100bとが一体的に固定され、車両ホイール100が構成される。
第1ホイール100aの第1外周面105aには、車両側とは反対側に向けて開口した第1溝部103aが形成されている。また、第2ホイール100bの第2外周面105bには、車両側に向けて開口した第2溝部103bが形成されている。第1溝部103a及び第2溝部103bの各々の開口を一致させて、第1ホイール100a及び第2ホイール100bを締結固定することにより、溝部103が形成される。
このように構成された車両ホイール100の外周面105に、後述するエアレスタイヤ1の内周リング10の内周面12が配設されることにより、車両ホイール100にエアレスタイヤ1が取り付けられる。なお、車両ホイール100の外周面105が複数の溝部103を有し、内周リング10の内周面12が後述する複数の凸部13を備える場合には、複数の溝部103と複数の凸部13とが嵌合するように、車両ホイール100にエアレスタイヤ1が取り付けられる。
なお、車両ホイール100が第1ホイール100aと第2ホイール100bとに分割されている場合には、内周リング10の内周面12と第1ホイール100aの第1外周面105aとが接触するように、周方向の凹凸を一致させ、内周リング10のタイヤ幅方向一側から第1ホイール100aを挿入する。そして、内周リング10の内周面12と第2ホイール100bの第2外周面105bとが接触するように、周方向の凹凸を一致させ、内周リング10のタイヤ幅方向他側から第2ホイール100bを挿入する。そして、第1ホイール100aと第2ホイール100bとを締結固定することにより、複数の溝部103と複数の凸部13とが嵌合した状態で、車両ホイール100にエアレスタイヤ1を取り付けることができる。そのため、容易に車両ホイール100にエアレスタイヤ1を取り付けることができる。
また、図示した例では、第1溝部103a、及び第2溝部103bの各々の第1底面104a、及び第2底面104bは、車両ホイール100におけるタイヤ幅方向中心に向けて深さが深くなるように傾斜する。そのため、車両ホイール100の外周面105には、タイヤ幅方向中心に向けて深さが深くなるように傾斜する複数の溝部103が形成される。この場合には、内周リング10の内周面12に第1ホイール100a及び第2ホイール100bをより容易に挿入することができる。
また、第1ホイール100aと第2ホイール100bとの締結を解除することにより、容易に車両ホイール100からエアレスタイヤ1を取り外すことができる。なお、車両ホイール100とエアレスタイヤ1とは接着等により接合されてもよい。
実施形態に係るエアレスタイヤ1は、図1乃至図3に示すように、内周リング10、外周リング20、複数のスポーク30、及び複数の補強部材40を備える。
内周リング10は、樹脂又はゴム等の弾性変形可能な材料から構成された、タイヤ幅方向に延在する略円筒状の部材である。内周リング10は、車両ホイール100のタイヤ径方向外側に配置される。
図2又は図3に示すように、内周リング10の内周面12の一部にはタイヤ径方向内側に向けて突出した凸部13が複数形成されている。図示した例では、凸部13は、タイヤ幅方向と平行な軸方向視で略矩形の断面形状を備え、また、タイヤ幅方向とタイヤ径方向とに垂直な軸方向視で略矩形の断面形状を備える。また、凸部13は車両ホイール100の外周面105に形成された溝部103の各々に嵌合可能な形状を備える。換言すれば、内周リング10の内周面12は、車両ホイール100の外周面105に形成された複数の溝部103の各々に嵌合可能な、複数の凸部13を備える。
凸部13が形成されていることにより、内周リング10の内周面12は凹凸面となる。より具体的には、内周リング10の内周面12は、タイヤ径方向において最大の内径を有する内周主面16と、凸部13の上面14とを含む。また、凸部13は、内周面12のタイヤ幅方向両端部に内周主面16を残すように形成されている。換言すれば、凸部13は、周方向及びタイヤ幅方向を内周主面16に囲まれるように形成されている。
なお、図示した例では凸部13は内周リング10と同じ素材から構成されるが、両者は異なる材料であってもよい。また、凸部13の形状は、車両ホイール100の外周面105の形状に応じて適宜設定することができる。例えば、凸部13の形状を、T溝形状の断面形状を備えた溝部103に嵌合可能な形状としてもよい。その場合には、エアレスタイヤ1に車両ホイール100をより強固に取り付けることができる。
外周リング20は、タイヤ幅方向に延在する略円筒状の部材であり、エアレスタイヤ1のタイヤ径方向における最も外側に配置される。よって、外周リング20は、内周リング10のタイヤ径方向外側に配置される。
外周リング20は、図に例示するように、外周リング20のタイヤ径方向内側に配設された円筒形状の外周ボディリング21と、外周ボディリング21のタイヤ径方向外側に配置された円筒形状のトレッドリング22と、を備えてもよい。例えば、外周ボディリング21は樹脂から構成され、トレッドリング22はゴムから構成されていてもよい。また、外周ボディリング21とトレッドリング22とは同一材料により一体成形されていてもよい。
スポーク30は内周リング10と外周リング20との間でタイヤ径方向に延在する、例えば板状の部材であり、例えば樹脂又はゴム等の弾性変形可能な材料から構成される。スポーク30のタイヤ径方向内側端部は内周リング10の外周面15における連結部17で連結され、タイヤ径方向外側端部は外周リング20の内周面に連結されている。換言すれば、内周リング10と外周リング20との間には、内周リング10からタイヤ径方向外側に延在し外周リング20と連結するスポーク30が複数配設されている。このため、外周リング20は、複数のスポーク30を介して内周リング10にタイヤ径方向において支持される。
なお、スポーク30の形状は図示した例に限定されない。例えば、スポーク30のタイヤ幅方向と平行な軸方向視における断面形状は、湾曲又は屈曲した形状でもよく、また、複数のスポーク30の各々の当該断面形状は互いに異なっていてもよい。
なお、内周リング10、外周リング20及びスポーク30は全て同じ材料から形成されていてもよく、また、互いに異なる材料であってもよい。また、それらは一体的に成形され、又は別部材同士が接合されてエアレスタイヤ1を構成してもよい。
図3に示すように、内周リング10の内部には、その周方向に沿って延在する補強部材40が複数、タイヤ幅方向に互いに並列に配設されている。補強部材40は内周リング10を補強する部材であり、例えば、金属線、炭素繊維、ガラス繊維、又はアラミド繊維等の強化繊維をより合わせて形成されていてもよい。図示した例では、補強部材40は内周リング10の周方向に延在する環状の部材である。
なお、複数の補強部材40の各々は、少なくともその一部に、タイヤ幅方向と平行な軸方向視で、内周リング10の外周面15よりも内周主面16に近い位置に配置されるように設定された内径を備えてもよい。即ち、タイヤ径方向における、補強部材40と内周リング10の外周面15との間の距離T1は、補強部材40と内周主面16との間の距離T2より大きくてもよい。換言すれば、複数の補強部材40の各々は、タイヤ径方向において、内周リング10の外周面15よりも、内周面12のうち最大の内径を有する内周主面16に近い位置に配設される部分を含んでいてもよい。
なお、補強部材40の内周リング10の周方向における形状は環状に限定されない。例えば、内周リング10の周方向に延在する弧状の形状であってもよく、その場合には、周方向に複数配置されていてもよい。また、図示した例では補強部材40の、内周リング10の周方向と直交する断面Sの断面形状は円形であるが、これに限定されない。長円、楕円、矩形、多角形等、様々な断面形状を適宜設定することができる。
以下、補強部材40についてより具体的に説明する。なお、以下の説明において、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部とは、内周リング10のタイヤ幅方向中心から車両側、及び車両側とは反対側に向けて、所定のタイヤ幅方向寸法で延在する領域をいう。また、当該中央部のタイヤ幅方向寸法は、内周リング10のタイヤ幅方向寸法に対して、例えば2分の1の割合であってもよい。
(第1実施形態)
図10に示す例では、複数の補強部材40のうち、タイヤ幅方向において内周リング10の中央部より車両側に配設されたものほど、内周リング10の周方向と直交する断面Sの断面積が大きい。換言すれば、複数の補強部材40の各々の、内周リング10の周方向と直交する断面Sの断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど増加してもよい。例えば図に示すように、タイヤ幅方向において、最も車両側に位置する補強部材40aの断面S1の断面積は、その隣に位置する補強部材40bの断面S2の断面積よりも大きい。なお、当該断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど増加してもよい。
なお、図11に例示するように、複数の補強部材40のうち、隣り合う補強部材40同士のタイヤ幅方向における間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど縮小してもよい。例えば図に示すように、補強部材40aと、補強部材40bとの間隔U1は、補強部材40bと、その中央側に隣接する補強部材40cとの間隔U2よりも小さい。なお、当該間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど縮小してもよい。
なお、図12に例示するように、タイヤ幅方向において内周リング10の中央部よりも車両側端部に近い位置に配設された補強部材40ほど、タイヤ幅方向と平行な軸方向視における内周主面16との距離が小さくてもよい。換言すれば、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設されてもよい。このため、補強部材40と、内周リング10の内周主面16との間の距離に対する、外周面15との間の距離の比は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど大きくなる。例えば図に示すように、補強部材40aと内周主面16との間の距離T4に対する、補強部材40aと外周面15との間の距離T3の比であるT3/T4の値は、補強部材40bと内周主面16との間の距離T6に対する、補強部材40bと外周面15との間の距離T5の比であるT5/T6の値よりも大きい。なお、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設されてもよい。
内周リング10の内側には、以上のように構成された複数の補強部材40が配設される。図13に示すように、後述する内周リング10の周方向の曲げモーメントMに対する剛性Kは、内周リング10のタイヤ幅方向における中央部から車両側端部に向かうほど増加するように構成される。なお、剛性Kは、内周リング10のタイヤ幅方向における中心から車両側端部に向かうほど増加するように構成されてもよい。
なお、図13のグラフは、内周リング10の周方向の曲げモーメントMに対する剛性Kの、タイヤ幅方向における変化を曲線Lで表したグラフである。横軸は内周リング10のタイヤ幅方向における位置を示し、Ti、Tc、Toは各々、タイヤ幅方向における車両側端部、中心、車両側とは反対側の端部を表す。また、剛性Kの増加率Jは、あるタイヤ幅方向位置における曲線Lの傾きである。図に例示するように、剛性Kの増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど大きくなるように構成されてもよい。なお、増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど大きくなるように構成されてもよい。
(第2実施形態)
本実施形態の説明では、先行する実施形態及び変形例(以下、先行実施形態等)と異なる構成についてのみ説明することとし、先行実施形態等において既に説明した要素と同じ機能を有する要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図14に示す例のように、複数の補強部材40のうち、タイヤ幅方向において内周リング10の中央部より車両側とは反対側に配設されたものほど、断面Sの断面積が大きくてもよい。換言すれば、複数の補強部材40の各々の、内周リング10の周方向と直交する断面Sの断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加してもよい。例えば図に示すように、タイヤ幅方向において、最も車両側とは反対側に位置する補強部材40dの断面S3の断面積は、その隣に位置する補強部材40eの断面S4の断面積よりも大きい。なお、当該断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加してもよい。
なお、図15に例示するように、複数の補強部材40のうち、隣り合う補強部材40同士のタイヤ幅方向における間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど縮小してもよい。例えば図に示すように、タイヤ幅方向において、最も車両側とは反対側に位置する補強部材40dと、その隣に位置する補強部材40eとの間隔U3は、補強部材40eと、その内周リング10のタイヤ幅方向中心側に隣接する補強部材40fと、の間隔U4よりも小さい。なお、当該間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど縮小してもよい。
なお、図16に例示するように、タイヤ幅方向において内周リング10の中央部よりも車両側とは反対側の端部に近い位置に配設された補強部材40ほど、タイヤ幅方向と平行な軸方向視における内周主面16との距離が小さくてもよい。換言すれば、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設されてもよい。例えば図に示すように、補強部材40dと内周主面16との間の距離T8に対する、補強部材40dと外周面15との間の距離T7の比であるT7/T8の値は、補強部材40eと内周主面16との間の距離T10に対する、補強部材40eと外周面15との間の距離T9の比であるT9/T10の値よりも大きい。なお、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設されてもよい。
内周リング10の内側には、以上のように構成された複数の補強部材40が配設される。図17に示すように、内周リング10の周方向の曲げモーメントMに対する剛性Kは、タイヤ幅方向における中央部から車両側端部に向かうほど増加し、かつ、タイヤ幅方向における中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加するように構成される。なお、剛性Kは、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加するように構成されてもよい。
なお、図17のグラフは図13のグラフと同様に、内周リング10の周方向の曲げモーメントMに対する剛性Kの、タイヤ幅方向における変化を曲線Lで表したグラフである。図に例示するように、剛性Kの増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど大きくなるように構成されてもよい。なお、増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど大きくなるように構成されてもよい。
次に、図2、及び図7乃至図9を参照しながら、実施形態に係るエアレスタイヤ1の作用効果を説明する。
実施形態に係るエアレスタイヤ1が車両ホイール100に取り付けられることにより、車両はエアレスタイヤ1を介して地面に支持される。また、車両の駆動力又は制動力が車両ホイール100、及びエアレスタイヤ1を介して地面に伝達される。また、外周リング20の外周面のうち、地面と接地する領域が接地面となる。
図2及び図7に例示するように、エアレスタイヤ1が接地された状態では、外周リング20の接地面には上向きの力Fzが地面から入力される。このとき、エアレスタイヤ1の接地面近傍に生じる変形に伴い、エアレスタイヤ1の接地面近傍の互いに周方向に隣接する一対のスポーク30には、互いの間の距離を広げようとする矢印C方向の力が働く。これにより、内周リング10と当該一対のスポーク30の各々との連結部17には、タイヤ幅方向と平行な軸を中心として、例えば矢印D方向に、互いに大きさ又は方向が異なるモーメントが生じる。そして、接地面の真上に位置する当該連結部17同士の間の領域には、車両ホイール100から内周リング10を引き離し、離間させようとする周方向の曲げモーメントMが入力されやすい。そのため、内周リング10の当該連結部17同士の間において、内周リング10を下方に向けて凸状に湾曲変形させようとする、矢印E方向の力が働きやすく、この力に起因して、内周リング10の接地面の真上に位置する領域は、タイヤ径方向下方に向けて変形しやすい。実施形態に係るエアレスタイヤ1では、内周リング10が補強部材40を備えるため、そのような力が働いた場合であっても、内周リング10のタイヤ径方向の変形を抑制することができる。
なお、内周リング10の接地面の真上に位置する領域の、矢印E方向の力に起因して生じた、タイヤ径方向下方に向けた変形の量を変形量δとすると、曲げモーメントMに対する剛性Kは、曲げモーメントMと、変形量δとの比によって表すことができる。例えば、K=M/δとして表すことができる。
また、車両が転舵され旋回する場合には、車両の進行方向と、エアレスタイヤ1のタイヤ幅方向に垂直な面との間に角度(スリップ角)が生じ、そして、エアレスタイヤ1の接地面にタイヤ幅方向の力である横力が入力される。
図8に示す例では、車両ホイール100及びエアレスタイヤ1は、その上部が下部に比べてより車両側に近付くように取り付けた状態である、ネガティブキャンバの状態に配置されている。また、車両の旋回により、エアレスタイヤ1の接地面には上向きの力Fz、及び横力Fyが地面から入力される。このとき、力Fz、及び横力Fyに起因する曲げモーメントMは、タイヤ幅方向において車両側とは反対側の端部から車両側端部に向かうほど大きくなる。
(1)第1実施形態に係るエアレスタイヤ1は、車両ホイール100のタイヤ径方向外側に配置される内周リング10と、内周リング10のタイヤ径方向外側に配置される外周リング20と、内周リング10からタイヤ径方向外側に延在し外周リング20と連結する複数のスポーク30と、内周リング10を補強する複数の補強部材40と、を備える。複数の補強部材40の各々は、内周リング10の内部において周方向に沿って延在するとともに、タイヤ幅方向に互いに並列に配設される。内周リング10の周方向の曲げモーメントMに対する剛性Kは、タイヤ幅方向における中央部から車両側端部に向かうほど増加する。
このため、エアレスタイヤ1がネガティブキャンバの状態に配置され、車両の旋回により、タイヤ幅方向車両側を向いた横力Fyが入力され、タイヤ幅方向において、内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほどより大きな曲げモーメントMが入力された場合であっても、内周リング10のタイヤ幅方向車両側におけるタイヤ径方向の変形を抑制することができる。
なお、剛性Kは、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど増加してもよい。これにより、タイヤ幅方向において、内周リング10の中心から車両側端部に向かうほどより大きな曲げモーメントMが入力された場合であっても、内周リング10の中央部において局所的にタイヤ径方向の変形が生じることを抑制できる。
(2)第1実施形態に係るエアレスタイヤ1では、剛性Kの増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど大きい。
このため、内周リング10に入力される周方向の曲げモーメントMの増加率が、タイヤ幅方向中央部から車両側端部に向かうほど大きくなるような場合であっても、内周リング10のタイヤ幅方向車両側におけるタイヤ径方向の変形をより確実に抑制することができる。
なお、剛性Kの増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど大きくてもよい。これにより、内周リング10に入力される周方向の曲げモーメントMの増加率が、タイヤ幅方向中心から車両側端部に向かうほど大きくなるような場合であっても、内周リング10の中央部において局所的にタイヤ径方向の変形が生じることを抑制できる。
(3)第1実施形態に係るエアレスタイヤ1では、内周リング10の内周面12は、車両ホイール100の外周面105に形成された複数の溝部103の各々に嵌合可能な複数の凸部13を備える。
このため、タイヤ幅方向、及び周方向における車両ホイール100に対する内周リング10の位置が拘束される。そのため、内周リング10に対してタイヤ径方向に湾曲変形させようとする力が働いた際に、車両ホイール100に対する内周リング10のタイヤ幅方向及び周方向への変位を抑制することができる。
(4)第1実施形態に係るエアレスタイヤ1では、複数の補強部材40の各々は、タイヤ径方向において、内周リング10の外周面15よりも内周リング10の内周面12のうち最大の内径を有する内周主面16に近い位置に配設される部分を含む。
このため、内周リング10のタイヤ径方向における、車両ホイール100により近い位置の剛性Kをより高くすることができる。換言すれば、曲げモーメントMの中心軸からより遠い位置における内周リング10の剛性Kをより高くすることができる。これにより、曲げモーメントMが入力されたことによる内周リング10のタイヤ径方向の変形をより確実に抑制することができる。
(5)第1実施形態に係るエアレスタイヤ1では、複数の補強部材40の各々の、内周リング10の周方向と直交する断面Sの断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど増加する。
このため、少なくとも上記(1)の構成に係る効果と同様の効果が得られる。
なお、当該断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど増加してもよい。これにより、内周リング10の中央部における局所的なタイヤ径方向の変形を抑制できる。
(6)第1実施形態に係るエアレスタイヤ1では、複数の補強部材40のうち、隣り合う補強部材40同士のタイヤ幅方向における間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど縮小する。
このため、少なくとも上記(1)の構成に係る効果と同様の効果が得られるとともに、エアレスタイヤ1の重量の増加を抑制することができる。
なお、当該間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど縮小してもよい。これにより、内周リング10の中央部における局所的なタイヤ径方向の変形を抑制できる。
(7)第1実施形態に係るエアレスタイヤ1では、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設される。
このため、少なくとも上記(1)の構成に係る効果と同様の効果が得られるとともに、エアレスタイヤ1の重量の増加を抑制することができる。
なお、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設されてもよい。これにより、内周リング10の中央部における局所的なタイヤ径方向の変形を抑制できる。
次に、図9に示す例では、車両ホイール100及びエアレスタイヤ1は、その上部が下部に比べてより車両側とは反対側に遠ざかるように取り付けた状態である、ポジティブキャンバの状態に配置されている。また、車両の旋回により、エアレスタイヤ1の接地面には上向きの力Fz、及び横力Fyが地面から入力される。このとき、力Fz、及び横力Fyに起因する曲げモーメントMは、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側に向かうほど大きくなり、かつ、当該中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど大きくなる。換言すれば、タイヤ幅方向において、内周リング10の中央部から両端部に向かうほど、曲げモーメントMが大きくなる。
(8)第2実施形態に係るエアレスタイヤ1では、内周リング10の剛性Kは、タイヤ幅方向における中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加する。
このため、エアレスタイヤ1がポジティブキャンバの状態に配置され、タイヤ幅方向車両側を向いた横力Fyが入力されることにより、タイヤ幅方向において、内周リング10の中央部から車両側端部に向かうほどより大きな曲げモーメントMが入力され、かつ、当該中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほどより大きな曲げモーメントMが入力された場合であっても、内周リング10のタイヤ幅方向車両側、及び車両側とは反対側におけるタイヤ径方向の変形を抑制することができる。
なお、内周リング10の剛性Kは、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加してもよい。これにより、内周リング10の中心から車両側端部に向かうほどより大きな曲げモーメントMが入力され、かつ、中心から車両側とは反対側の端部に向かうほどより大きな曲げモーメントMが入力された場合であっても、内周リング10の中央部において局所的にタイヤ径方向の変形が生じることを抑制できる。
(9)第2実施形態に係るエアレスタイヤ1では、剛性Kの増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど大きい。
このため、内周リング10に入力される曲げモーメントMの増加率が、タイヤ幅方向中央部から車両側端部に向かうほど大きくなり、かつ、タイヤ幅方向中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど大きくなるような場合であっても、内周リング10のタイヤ幅方向車両側、及び車両側とは反対側におけるタイヤ径方向の変形をより確実に抑制することができる。
なお、剛性Kの増加率Jは、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど大きくてもよい。これにより、内周リング10に入力される曲げモーメントMの増加率が、タイヤ幅方向中心から車両側端部に向かうほど大きくなり、かつ、タイヤ幅方向中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど大きくなるような場合であっても、内周リング10の中央部において局所的にタイヤ径方向の変形が生じることを抑制できる。
(10)第2実施形態に係るエアレスタイヤ1は、複数の補強部材40の各々の、内周リング10の周方向と直交する断面Sの断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加する。
このため、少なくとも上記(8)の構成に係る効果と同様の効果が得られる。
なお、当該断面積は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど増加してもよい。これにより、内周リング10の中央部において局所的にタイヤ径方向の変形が生じることを抑制できる。
(11)第2実施形態に係るエアレスタイヤ1では、複数の補強部材40のうち、隣り合う補強部材40同士のタイヤ幅方向における間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど縮小する。
このため、少なくとも上記(8)の構成に係る効果と同様の効果が得られるとともに、エアレスタイヤ1の重量の増加を抑制することができる。
なお、当該間隔は、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど縮小してもよい。これにより、内周リング10の中央部において局所的にタイヤ径方向の変形が生じることを抑制できる。
(12)第2実施形態に係るエアレスタイヤ1では、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中央部から車両側とは反対側の端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設される。
このため、少なくとも上記(8)の構成に係る効果と同様の効果が得られるとともに、エアレスタイヤ1の重量の増加を抑制することができる。
なお、複数の補強部材40の各々は、内周リング10の周方向と直交する断面において、タイヤ幅方向における内周リング10の中心から車両側とは反対側の端部に向かうほど、内周リング10のタイヤ径方向における中心に近い位置に配設されてもよい。これにより、内周リング10の中央部において局所的にタイヤ径方向の変形が生じることを抑制できる。
また、上記実施形態では、乗用車の車両ホイール100にエアレスタイヤ1を取り付ける場合を例にとって説明したが、ライトトラックや大型トラック等の商用車の車両ホイールに取り付けてもよいことは勿論である。