以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置について図1及び図2を参照して説明する。図1は同印刷装置の概略説明図、図2は同印刷装置の吐出ユニットの平面説明図である。
印刷装置1は、液体を吐出する装置であり、シート材Pを搬入する搬入部10と、前処理部20と、印刷部30と、乾燥部40と、反転機構部60と、搬出部50とを備えている。
印刷装置1は、搬入部10から搬入(供給)されるシート材Pに対し、前処理手段である前処理部20で必要に応じて前処理液を付与(塗布)し、印刷部30で液体を付与して所要の印刷を行い、乾燥部40でシート材Pに付着した液体を乾燥させた後、シート材Pを搬出部50に排出する。
搬入部10は、複数のシート材Pを収容する搬入トレイ11(下段搬入トレイ11A、上段搬入トレイ11B)と、搬入トレイ11からシート材Pを1枚ずつ分離して送り出す給送装置12(12A、12B)とを備え、シート材Pを前処理部20に供給する。
前処理部20は、例えばインクを凝集させ、裏写りを防止する作用効果を有する処理液をシート材Pの印刷面に付与する処理液付与手段である塗布部21などを備えている。
印刷部30は、シート材Pを周面に担持して回転する担持部材(回転部材)であるドラム31と、ドラム31に担持されたシート材Pに向けて液体を吐出する液体吐出部32を備えている。
また、印刷部30は、前処理部20から送り込まれたシート材Pを受け取ってドラム31との間でシート材Pを渡す渡し胴34と、ドラム31によって搬送されたシート材Pを受け取って乾燥部40に渡す受け渡し胴35を備えている。
前処理部20から印刷部30へ搬送されてきたシート材Pは、渡し胴34に設けられた把持手段(シートグリッパ)によって先端が把持され、渡し胴34の回転に伴って搬送される。渡し胴34により搬送されたシート材Pは、ドラム31との対向位置でドラム31へ受け渡される。
ドラム31の表面にも把持手段(シートグリッパ)が設けられており、シート材Pの先端が把持手段(シートグリッパ)によって把持される。ドラム31の表面には、複数の吸引穴が分散して形成され、吸引手段によってドラム31の所要の吸引穴から内側へ向かう吸い込み気流を発生させる。
そして、渡し胴34からドラム31へ受け渡されたシート材Pは、シートグリッパによって先端が把持されるとともに、吸引手段による吸い込み気流によってドラム31上に吸着担持され、ドラム31の回転に伴って搬送される。
液体吐出部32は、液体吐出手段である吐出ユニット33(33A~33D)を備えている。例えば、吐出ユニット33Aはシアン(C)の液体を、吐出ユニット33Bはマゼンタ(M)の液体を、吐出ユニット33Cはイエロー(Y)の液体を、吐出ユニット33Dはブラック(K)の液体を、それぞれ吐出する。また、その他、白色、金色(銀色)などの特殊な液体の吐出を行う吐出ユニットを使用することもできる。
吐出ユニット33は、例えば、図2に示すように、複数のノズル111を二次元マトリクス状に配列した複数の液体吐出ヘッド(ヘッド)100をベース部材331に千鳥状に配置したフルライン型ヘッドである。
液体吐出部32の各吐出ユニット33は、印刷情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。ドラム31に担持されたシート材Pが液体吐出部32との対向領域を通過するときに、吐出ユニット33から各色の液体が吐出され、当該印刷情報に応じた画像が印刷される。
液体吐出部32で液体が付与されたシート材Pは、ドラム31から受け渡し胴35に渡され、受け渡し胴35によって乾燥部40にシート材Pを移送する搬送機構部41に渡される。
乾燥部40は、搬送機構部41によって搬送されるシート材Pを加熱手段42で加熱して、シート材P上に付着した液体を乾燥させる。これにより、液体中の水分等の液分が蒸発し、シート材P上に液体中に含まれる着色剤が定着し、また、シート材Pのカールが抑制される。
反転機構部60は、乾燥部40を通過したシート材Pに対して両面印刷を行うときに、スイッチバック方式で、シート材Pを反転する機構であり、反転されたシート材Pは両面搬送経路61を通じて渡し胴34よりも上流側に逆送される。
搬出部50は、複数のシート材Pが積載される搬出トレイ51を備えている。乾燥部40から反転機構部60を介して搬送されてくるシート材Pは、搬出トレイ51上に順次積み重ねられて保持される。
次に、吐出ユニットのヘッドの一例について図3ないし図8を参照して説明する。図3は同液体吐出ヘッドをノズル面側から見た外観斜視説明図、図4は同じくノズル面と反対側から見た外観斜視説明図、図5は同じく分解斜視説明図、図6は同じく流路構成部材の分解斜視説明図、図7は図6の要部拡大斜視説明図、図8は同じく流路部分の断面斜視説明図である。
ヘッド100は、循環型の液体吐出ヘッドであり、ノズル板110と、流路板(個別流路部材)120と、振動板部材130と、共通流路支流部材150と、ダンパ部材160と、共通流路本流部材170、フレーム部材180と、配線部材(フレキシブル配線基板)145などを備えている。配線部材145にはヘッドドライバ(ドライバIC)146が実装されている。本実施形態では、個別流路部材120と振動板部材130とによってアクチュエータ基板102を構成している。
ノズル板110には、液体を吐出する複数のノズル111を有している。複数のノズル111は、二次元状にマトリクス配置されている。
個別流路部材120は、複数のノズル111に各々連通する複数の圧力室(個別液室)121と、複数の圧力室121に各々通じる複数の個別供給流路122と、複数の圧力室121に各々通じる複数の個別回収流路123とを形成している。
振動板部材130は、圧力室121の変形な可能な壁面である振動板131を形成し、振動板131には圧電素子140が一体に設けられている。また、振動板部材130には、個別供給流路122に通じる供給側開口132と、個別回収流路123に通じる回収側開口133とが形成されている。圧電素子140は、振動板131を変形させて圧力室121内の液体を加圧する圧力発生手段である。
共通流路支流部材150は、2以上の個別供給流路122に通じる複数の共通供給流路支流152と、2以上の個別回収流路123に通じる複数の共通回収流路支流153とを交互に隣接して形成している。
共通流路支流部材150には、個別供給流路122の供給側開口132と共通供給流路支流152を通じる供給口154となる貫通孔と、個別回収流路123の回収側開口133と共通回収流路支流153を通じる回収口155となる貫通孔が形成されている。
また、共通流路支流部材150は、複数の共通供給流路支流152に通じる1又は複数の共通供給流路本流156の一部156aと、複数の共通回収流路支流153に通じる1又は複数の共通回収流路本流157の一部157aを形成している。
ダンパ部材160は、共通供給流路支流152の供給口154と対面する(対向する)供給側ダンパと、共通回収流路支流153の回収口155と対面する(対向する)回収側ダンパを有している。
ここで、共通供給流路支流152及び共通回収流路支流153は、同じ部材である共通流路支流部材150に交互に並べて配列された溝部を、変形可能な壁面を形成するダンパ部材160で封止することで構成している。
共通流路本流部材170は、複数の共通供給流路支流152に通じる共通供給流路本流156と、複数の共通回収流路支流153に通じる共通回収流路本流157を形成する。
フレーム部材180には、通供給流路本流156の一部156bと、共通回収流路本流157の一部157bが形成されている。共通供給流路本流156の一部156bはフレーム部材180に設けた供給ポート181に通じ、共通回収流路本流157の一部157bはフレーム部材180に設けた回収ポート182に通じている。
このヘッド100においては、圧電素子140に駆動パルスを印加することによって圧電素子140が撓み変形をして圧力室121内の液体を加圧することにより、ノズル111から液体が滴状に吐出される。
また、ヘッド100から液体を吐出する動作を行わないとき、あるいは、ノズル111から吐出されなかった液体は、回収ポート182及び供給ポート181が接続される循環経路を介して循環する。
次に、ヘッドを駆動制御するヘッド駆動制御装置に係る部分について図9のブロック説明図を参照して説明する。
ヘッド駆動制御装置400は、ヘッド制御部401と、駆動波形生成手段を構成する駆動波形生成部402及び波形データ格納部403と、ヘッドドライバ410と、吐出タイミングを生成するための吐出タイミング生成部404を備えている。
ヘッド制御部401は、吐出タイミングパルスstbを受信すると、共通駆動波形の生成のトリガーとなる吐出同期信号LINEを駆動波形生成部402へ出力する。また、ヘッド制御部401は、吐出同期信号LINEからの遅延量に当たる吐出タイミング信号CHANGEを駆動波形生成部402へ出力する。
駆動波形生成部402は、吐出同期信号LINEと、吐出タイミング信号CHANGEに基づいたタイミングで共通駆動波形Vcomを生成出力する。
ヘッド制御部401は、ヘッドドライバ410のアナログスイッチASで構成される選択手段で選択する波形部分を指定する選択信号を出力する手段を兼ねている。
ヘッド制御部401は、調整する手段を兼ねており、画像データを受け取り、この画像データをもとに、ヘッド100の各ノズル111から吐出させる液体の大きさ、ノズル111の特性ばらつきに応じて、各ノズル111毎に、共通駆動波形Vcomの所定の所要の波形部分を選択するための選択信号MNを生成する。したがって、選択信号MNは、ノズル111の数だけ出力される。また、選択信号MNは吐出タイミング信号CHANGEに同期したタイミングの信号である。
そして、ヘッド制御部401は、画像データSDと、同期クロック信号SCKと、画像データのラッチを命令するラッチ信号LTと、生成した選択信号MNとを、ヘッドドライバ410に転送する。
ヘッドドライバ410は、ヘッド制御部401からの各種信号に基づいて、共通駆動波形Vcomの内、ヘッド100の各圧力発生素子(圧電素子140)に与える波形部分を選択する選択手段である。
このヘッドドライバ410は、シフトレジスタ411、ラッチ回路412、階調デコーダ413、レベルシフタ414、及びアナログスイッチアレイ415を備える。
シフトレジスタ411は、ヘッド制御部401から転送される画像データSD及び同期クロック信号SCKを入力する。ラッチ回路412は、シフトレジスタ411の各レジスト値を、ヘッド制御部401から転送されるラッチ信号LTによってラッチする。
階調デコーダ413は、ラッチ回路412でラッチした値(画像データSD)と各ノズル111毎の選択信号MNとをデコードして結果を出力する。レベルシフタ414は、階調デコーダ413のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチアレイ415のアナログスイッチASが動作可能なレベルへとレベル変換する。
アナログスイッチアレイ415のアナログスイッチASは、スイッチング手段であり、レベルシフタ414を介して与えられる階調デコーダ413の出力でオン/オフするスイッチであり、共通駆動波形Vcomの通過/非通過(遮断)を行う手段である。
このアナログスイッチASは、ヘッド100が備えるノズル111毎に設けられ、各ノズル111に対応する圧電素子140の個別電極に接続されている。また、アナログスイッチASには、駆動波形生成部402からの共通駆動波形Vcomが入力されている。また、上述したように選択信号MNのタイミングが共通駆動波形Vcomのタイミングと同期している。
したがって、レベルシフタ414を介して与えられる階調デコーダ413の出力に応じて適切なタイミングでアナログスイッチASのオン/オフが切り替えられることにより、共通駆動波形Vcomから各ノズル111に対応する圧電素子140に印加される波形部分が選択される。その結果、ノズル111から吐出される滴の大きさなどが制御される。
吐出タイミング生成部404は、ドラム31の回転量を検出するロータリエンコーダ405の検出結果から、シート材Pが所定量移動される毎に吐出タイミングパルスstbを生成して出力する。ロータリエンコーダ405は、ドラム31と共に回転するエンコーダホイールと、エンコーダホイールのスリットを読取るエンコーダセンサで構成される。
次に、ヘッドドライバの共通駆動波形の選択を行う部分の一例について図10を参照して説明する。図10は同ヘッドドライバのスイッチ部分の説明図である。
図10(a)の第1例では、共通駆動波形Vcomを入力する選択手段としてのスイッチング手段である選択スイッチSa(Sa1、Sa2・・・)を介して圧電素子140に駆動波形を印加する。なお、選択スイッチSaはアナログスイッチASに相当する。
選択スイッチSaを選択信号MNによってオン・オフすることで、共通駆動波形Vcomの所要の波形部分が切り出されて(トリミングされて)圧電素子140にトリミング波形(印加波形)Vtとして印加される。
ここで、選択スイッチSaをON状態にしているときに共通駆動波形Vcomが通過し、選択スイッチSaをOFF状態にしているときに共通駆動波形Vcomが非通過となる。選択スイッチSaをOFF状態にしたとき、共通駆動波形Vcomは非通過になり、容量性素子である圧電素子140の特性上、圧電素子140の電位(トリミング波形Vtの電位)は選択スイッチSaをOFF状態にした時の電位に保持される。
図10(a)の第2例では、共通駆動波形Vcomを入力する滴量スイッチSb(Sb1、Sb2・・・)とトリミング選択スイッチSc(Sc1、Sc2・・・)の並列回路を介して圧電素子140に駆動波形を印加する。
滴量スイッチSbは滴量(大滴、中滴、小滴)に応じてオン・オフさせる。
トリミング選択スイッチScを選択信号MNによってオン・オフすることで、共通駆動波形Vcomの所要の波形部分が切り出されて(トリミングされて)圧電素子140にトリミング波形(印加波形)Vtとして印加される。
ここでも、トリミング選択スイッチScをON状態にしているときに共通駆動波形Vcomが通過し、トリミング選択スイッチScをOFF状態にしているときに共通駆動波形Vcomが非通過となる。トリミング選択スイッチScをOFF状態にしたとき、共通駆動波形Vcomは非通過になり、容量性素子である圧電素子140の特性上、圧電素子140の電位(トリミング波形Vtの電位)はトリミング選択スイッチScをOFF状態にした時の電位に保持される。
次に、本発明の第1実施形態における駆動波形及び選択信号について図11を参照して説明する。図11は同実施形態における共通駆動波形、選択信号及びトリミング波形(印加波形)の説明に供する説明図である。
本実施形態の共通駆動波形Vcomは、図11(a)に示すように、第1電位V1が保持される保持波形部分d1と、第1電位V1と異なる第2電位V2が保持されるパルス間保持波形部分d2と、駆動パルスP1、P2を含んでいる。小滴を吐出させるときには駆動パルスP2を選択し、大滴を吐出させるときには駆動パルスP1、P2を選択する。
なお、本実施形態では、第1電位V1、第2電位V2はいずれも所定の電位である。第1電位V1を共通駆動波形Vcomの基準電位(中間電位)としている。駆動パルスP1、P2は、圧力室121を加圧して液体を吐出させる吐出パルスである。
駆動パルスP1は、立下り波形要素a11と、立下り保持波形要素a12と、立下り波形要素a13と、保持波形要素b1と、立ち上がり波形要素c1とを含む。
立下り波形要素a11は、保持波形部分d1で保持された第1電位V1から第5電位V5に立ち下がって圧力室121を膨張させる。立下り保持波形要素a12は、立下り波形要素a11の終了電位である第5電位V5を保持する波形要素である。この立下り保持波形要素a12がトリミングを行う波形部分となり、保持波形要素a12の期間をトリミング期間TL1とする。立下り波形要素a13は、第5電位V5から第6電位V6に立ち下がって圧力室121を膨張させる膨張波形要素である。
なお、本実施形態においては、立下り波形要素a11も圧力室121を膨張させる波形要素であり、駆動パルスP1は、圧力室121を2段階で膨張させているが、圧力室121の膨張を主として行う立下り波形要素a13を「膨張波形要素」とする(以下の駆動パルス及び実施形態でも同様である。)。
保持波形要素b1は、立下り波形要素a13の終了電位である第6電位V6を保持する。立ち上がり波形要素c1は、保持波形要素b1で保持されている第6電位V6からパルス間保持波形部分d2の第2電位V2まで立ち上がり、圧力室121を収縮させて液体を吐出させる収縮波形要素である。
駆動パルスP2は、立下り波形要素a21と、立下り保持波形要素a22と、立下り波形要素a23と、保持波形要素b2と、立ち上がり波形要素c2とを含む。
立下り波形要素a21は、パルス間保持波形部分d2で保持された第2電位V2から第3電位V3に立ち下がって圧力室121を膨張させる。立下り保持波形要素a22は、立下り波形要素a21の終了電位である第3電位V3を保持する波形要素である。この立下り保持波形要素a22がトリミングを行う波形部分となり、立下り保持波形要素a22の期間をトリミング期間TL2とする。立下り波形要素a23は、立下り保持波形要素a22で保持されている第3電位V3から第4電位V4に立ち下がって圧力室121を膨張させる膨張波形要素である。
保持波形要素b2は、立下り波形要素a23の終了電位である第4電位V4を保持する。立ち上がり波形要素c2は、保持波形要素a22で保持されている第4電位V4から第1電位V1まで立ち上がり、圧力室121を収縮させて液体を吐出させる収縮波形要素である。
なお、本実施形態における、第1電位V1~第6電位V6の関係は、V2>V1>V5>V3>V6>V4、に設定している。また、第1電位V1~第6電位V6の符号「V1」~「V6」は、各実施形態毎のものであり、異なる実施形態間で同じ電位であることまで意味しない。
一方、出力する手段であるヘッド制御部401から出力される駆動パルスP1、P2を選択する選択信号MNは、図11(b1)、(b2)に示すように、第1選択信号A1、第2選択信号A2を含んでいる。
ヘッド制御部401は、吐出する滴サイズに応じて第1選択信号A1と第2選択信号A2を選択的に出力する。本実施形態では、ヘッド制御部401は、小滴を吐出させるときに第1選択信号A1を出力し、大滴を吐出させるときに第2選択信号A2を出力する。
また、本実施形態では、第1選択信号A1、第2選択信号A2が「ON」であるとき、アナログスイッチASが「ON」状態になって、共通駆動波形VcomはアナログスイッチASを通過する。第1選択信号A1、第2選択信号A2が「OFF」であるとき、アナログスイッチASが「OFF」状態になって、共通駆動波形VcomはアナログスイッチASを通過しない(非通過となる)ものとしている。
つまり、第1選択信号A1、第2選択信号A2によって、選択手段となるアナログスイッチASによる共通駆動波形Vcomの通過及び非通過を制御することができる。なお、第1選択信号A1、第2選択信号A2は、例えば「H」のとき「ON」、「L」のとき「OFF」にする2値信号であるが、図11ではアナログスイッチASの「ON」、「OFF」で表記する。
第1選択信号A1は、図11(b1)に示すように、時点t0以前にON状態になり、駆動パルスP1の立ち下がり波形要素a11の開始前よりも前の保持波形部分d1の途中の時点t1でOFF状態になる。第1選択信号A1がOFF状態になることで、再度ON状態になるまでの間、第1電位V1が保持される。その後、第1選択信号A1は、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22のトリミング期間TL2内の時点t4でON状態になる。
これにより、図11(c1)に示すように、小滴用のトリミング波形Vt1は、時点t0から時点t4まで第1電位V1が保持され、時点t4で第1電位V1から駆動パルスP2の膨張波形要素となる立下り波形要素a23の開始電位となる第3電位V3まで立ち下がる。
その後、小滴用のトリミング波形Vt1は、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の時点t4以後の部分、立下り波形要素a23、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第1選択信号A1は、共通駆動波形Vcomの内、第1電位V1から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
第2選択信号A2は、図11(b2)に示すように、時点t0以前でON状態になり、駆動パルスP1の立ち下がり波形要素a11の開始前よりも前の保持波形部分d1の途中の時点t1でOFF状態になる。第2選択信号A2がOFF状態になることで、再度ON状態になるまでの間、第1電位V1が保持される。その後、第2選択信号A2は、駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12のトリミング期間TL1内の時点t2でON状態になる。
さらに、第2選択信号A2は、駆動パルスP2の立下り波形要素a21の開始前よりも前のパルス間保持波形部分d2の途中の時点t3でOFF状態になる。第2選択信号A2がOFF状態になることで、再度ON状態になるまでの間、第2電位V2が保持される。その後、第2選択信号A2は、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22のトリミング期間TL2内の時点t4でON状態になる。
これにより、図11(c2)に示すように、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t0から時点t2まで第1電位V1が保持され、時点t2で第1電位V1から駆動パルスP1の立下り保持波形要素a22の保持電位となる第5電位V5まで立ち下がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t2から時点t3までは、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の時点t2以後の部分、立下り波形要素a13、保持波形要素b1、立ち上がり波形要素c1を含む波形となる。
さらに、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t4まで第2電位V2に保持され、時点t4で第2電位V2から駆動パルスP2の膨張波形要素となる立下り波形要素a13の開始電位となる第3電位V3まで立ち下がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の時点t4以後の部分、立下り波形要素a23、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第2選択信号A2は、共通駆動波形Vcomの内、第2電位V2から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
ここで、第1選択信号A1、第2選択信号A2で選択手段であるアナログスイッチASを非選択(OFF状態)から選択(ON状態)に切り替えるタイミング(本実施形態では時点t2、時点t4)は、ノズル111毎の吐出特性に応じて異ならせる。つまり、少なくとも2つのノズル111間では、選択手段であるアナログスイッチASを非選択(OFF状態)から選択(ON状態)に切り替えるタイミングが異なる。
これにより、ノズル111毎の吐出特性に応じたトリミング波形が各ノズル111の圧電素子140に印加されることになり、ノズル111間での吐出特性のばらつきが低減される。
そして、本実施形態では、駆動パルスP1、P2のトリミング部分は、圧力室121の主たる膨張を行う膨張波形要素となる立下り波形要素a13、23の開始前の立下り保持波形要素a12、22の部分としている。したがって、駆動パルスP1,P2の保持波形要素b1、b2の期間が短くなってもトリミングを行うことができる。
これにより、固有周期が短い、つまり、駆動パルスの底の保持時間(保持波形要素b1、b2の期間)が短いヘッドであっても、トリミングを行って、ノズル間での吐出特性のばらつきを低減できる。
ここで、比較例1について図12を参照して説明する。図12は同比較例1における共通駆動波形、選択信号、トリミング波形の一例の説明に供する説明図である。
この比較例1では、図12(a)に示すように、駆動パルスP1は、立下り波形要素a11と、立下り保持波形要素a12と、立下り波形要素a13と、保持波形要素b1と、立ち上がり波形要素c1とで構成されている。駆動パルスP2は、立下り波形要素a21と、立下り保持波形要素a22と、立下り波形要素a23と、保持波形要素b2と、立ち上がり波形要素c2とで構成されている。
この比較例1の駆動パルスP1、P2も2段階膨張を行う波形であるが、駆動パルスP1、P2では第1電位(基準電位)V1から立ち下がる立下り波形要素a11、a21が圧力室121の主たる膨張を行う膨張波形要素となっている。
そして、小滴用の第1選択信号A1は、時点t3でOFF状態からON状態になり、時点t4でON状態からOFF状態になった後、時点t5でON状態になる。大滴用の第2選択信号A2は、時点t0でON状態になり、時点t1でOFF状態になり、時点t2から時点t4までON状態を維持し、時点t4でON状態からOFF状態になった後、時点t5でON状態になる。
したがって、小滴用のトリミング波形Vt1は、図12(c1)に示すように、駆動パルスP2の保持波形要素b2の部分がトリミングされる。また、大滴用のトリミング波形Vt2は、図12(c2)に示すように、駆動パルスP1の保持波形要素b1の部分、駆動パルスP2の保持波形要素b2の部分がトリミングされる。
ところで、ラインプリンタなどの印刷速度の高速化に伴って、ヘッドを高速駆動するために、ヘッドの圧力室の固有周期は短くなる傾向がある。また、高画質化の目的で吐出滴を微小滴化しようとする場合にも、ヘッドの圧力室の固有周期は短くなる傾向がある。
このような固有周期が短いヘッドに対して、比較例1のようなトリミングを行うと、スイッチングに必要な時間、電圧変位に必要な時間を差し引くと、保持波形要素b1、b2の期間に十分な時間を取ることができなくなる。
例えば、固有周期が3μsec程度のヘッドの場合、立下り波形要素a11,a21の開始から立ち上がり波形要素c1、c2の終了までの時間は1.5~2.5μsec程度しかないため、保持波形要素b1、b2に使える時間はほとんど残らず、吐出特性のばらつきの補正ができなくなる。
これに対し、本実施形態では、圧力室121が最も膨張した状態を保持する駆動パルスP1,P2の保持波形要素b1、b2にかかるトリミングを行わないので、固有周期が短いヘッドについても、トリミングを行って吐出特性のばらつきを低減することができる。
また、比較例1では、駆動パルスP2について、小滴の場合も大滴の場合も、同じトリミングが行われた波形が印加されることになる。
そのため、例えば、小滴で最適なトリミング波形を設定すると、大滴の補正に対しては不十分なトリミングとなって、吐出特性のばらつきを低減できないことがある。この場合、小滴と大滴で選択信号を独立させると、ノズル数×滴種の選択信号を設けることになり、信号線の数が増大してしまうという不都合が生じる。
これに対し、本実施形態では、前述したように、駆動パルスP2を印加するとき、小滴用のトリミング波形Vt1では、立下り波形要素a21に相当する波形部分が第1電位V1から第3電位V3まで電位が変化し、変化量はΔV13となる。これに対し、大滴用トリミング波形Vt2では、立下り波形要素a21に相当する波形部分が第1電位V1と異なる第2電位V2から第3電位V3まで電位が変化し、変化量はΔV23(ΔV23>ΔV13)となる。
つまり、小滴と大滴で駆動パルスP2のトリミング時刻となる時点t4は同じでも、トリミング電圧(第1段目の立下り波形要素a21の電圧)を小滴と大滴で異ならせることができる。
これにより、小滴と大滴で、駆動パルスP2による吐出滴の滴速度の補正量を異ならせることができ、吐出特性のばらつきを低減できる。
この作用効果について図13も参照して説明する。図13は、共通駆動波形と選択信号で補正したトリミング波形による滴速度の一例を示している。
図13(a)ないし(c)において、時刻T1は図11の時点t4を、期間TL2は立下り保持波形要素a22のトリミング期間を示している。
トリミングを行わない(補正なし)で、共通駆動波形Vcomの駆動パルスP2をそのまま印加した場合には、図13(a)に示すように、小滴と大滴とで滴速度が異なっている。この例では、滴速度が速いほど時刻T1を小さく(早く)、滴速度が遅いほど時刻T1を長く(遅く)した選択信号を割り振ることで、滴速度を補正することができる。
ここで、第1電位V1と第2電位V2とを同じ(V1=V2)にした場合、図13(b)に示すように、小滴の滴速度は7m/s付近に補正できているが、同じ補正電圧で補正した大滴は傾きが残ったままで、補正が不十分である。
これに対し、第1電位V1と第2電位V2とを異ならせる(V1≠V2)ことで、図13(c)に示すように、小滴も大滴も滴速度を7m/s付近に補正することができる。
この場合、共通駆動波形Vcomの波形形状によって小滴と大滴のトリミング電圧を異ならせており、トリミング時刻T1(時点t4)は小滴と大滴で共通のままであるので、選択信号の信号線の数を増やすことなく、小滴と大滴の吐出特性の補正が可能である。
次に、本発明の第2実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態における共通駆動波形、選択信号及びトリミング波形(印加波形)の説明に供する説明図である。
本実施形態の共通駆動波形Vcomは、図14(a)に示すように、パルス間保持波形部分d2の第2電位V2を、第1電位V1と駆動パルスP2の膨張波形要素(立下り波形要素a23)の開始電位である第3電位V3との間(V1>V2>V3)に設定している。
なお、パルス間保持波形部分d2の第2電位V2は、駆動パルスP1の立ち上がり波形要素c1の終了電位であり、駆動パルスP2の立下り波形要素a21の開始電位でもある。その他は、前記第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
第1選択信号A1、第2選択信号A2のON状態、OFF状態への切替タイミングは、図14(b1)、(b2)に示すように、前記第1実施形態と同様である。
これにより、図14(c1)に示すように、小滴用のトリミング波形Vt1は、時点t0から時点t4まで第1電位V1が保持され、時点t4で第1電位V1から駆動パルスP2の膨張波形要素となる立下り波形要素a23の開始電位となる第3電位V3まで立ち下がる。
その後、小滴用のトリミング波形Vt1は、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の時点t4以後の部分、立下り波形要素a23、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第1選択信号A1は、共通駆動波形Vcomの内、第1電位V1から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
また、図14(c2)に示すように、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t0から時点t2まで第1電位V1が保持され、時点t2で第1電位V1から駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の保持電位となる第5電位V5まで立ち下がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t2から時点t3までは、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の時点t2以後の部分、立下り波形要素a13、保持波形要素b1、立ち上がり波形要素c1を含む波形となる。
さらに、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t4まで第2電位V2に保持され、時点t4で第2電位V2から駆動パルスP2の膨張波形要素となる立下り波形要素a23の開始電位となる第3電位V3まで立ち下がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の時点t4以後の部分、立下り波形要素a23、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第2選択信号A2は、共通駆動波形Vcomの内、第2電位V2から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
この第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図15を参照して説明する。図15は同実施形態における共通駆動波形、選択信号及びトリミング波形(印加波形)の説明に供する説明図である。
本実施形態の共通駆動波形Vcomは、図15(a)に示すように、パルス間保持波形部分d2の第2電位V2を、第1電位V1及び駆動パルスP2の膨張波形要素(立下り波形要素a23)の開始電位である第3電位V3よりも低い電位(V1>V3>V2)に設定している。
つまり、本実施形態では、駆動パルスP2は、立ち上がり波形要素e2、立ち上がり保持波形要素f2、膨張波形要素である立下り波形要素a2、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む。
駆動パルスP2の立ち上がり波形要素e2は、パルス間保持波形部分d2で保持された第2電位V2から第3電位V3に立ち上がって圧力室121を収縮させる。駆動パルスP2の立ち上がり保持波形要素f2は、立ち上がり波形要素e2で立ち上がった第3電位V3を保持する波形要素である。この立ち上がり保持波形要素f2がトリミングを行う波形部分となり、立ち上がり保持波形要素f2の期間をトリミング期間TL2とする。駆動パルスP2の立下り波形要素a2は、立ち上がり保持波形要素f2で保持された第3電位V3から第4電位V4に立ち下がって圧力室121を膨張させる膨張波形要素である。
駆動パルスP2の保持波形要素b2は、立下り波形要素a2の終了電位である第4電位V4を保持する。駆動パルスP2の立ち上がり波形要素c2は、保持波形要素b2で保持された第4電位V4から第1電位V1まで立ち上がり、圧力室121を収縮させて液体を吐出させる収縮波形要素である。
第1選択信号A1、第2選択信号A2のON状態、OFF状態への切替タイミングは、図15(b1)、(b2)に示すように、前記第1実施形態と同様である。
これにより、図15(c1)に示すように、小滴用のトリミング波形Vt1は、時点t0から時点t4まで第1電位V1が保持され、時点t4で第1電位V1から駆動パルスP2の膨張波形要素となる立下り波形要素a2の開始電位となる第3電位V3まで立ち下がる。
その後、小滴用のトリミング波形Vt1は、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立ち上がり保持波形要素f2の時点t4以後の部分、立下り波形要素a2、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第1選択信号A1は、共通駆動波形Vcomの内、第1電位V1から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
また、図15(c2)に示すように、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t0から時点t2まで第1電位V1が保持され、時点t2で第1電位V1から駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の保持電位となる第5電位V5まで立ち下がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t2から時点t3までは、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の時点t2以後の部分、立下り波形要素a13、保持波形要素b1、立ち上がり波形要素c1を含む波形となる。
さらに、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t4まで第2電位V2に保持され、時点t4で第2電位V2から駆動パルスP2の膨張波形要素となる立下り波形要素a2の開始電位となる第3電位V3まで立ち上がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立ち上がり保持波形要素f2の時点t4以後の部分、立下り波形要素a2、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第2選択信号A2は、共通駆動波形Vcomの内、第2電位V2から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
この第3実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上の第1実施形態ないし第3実施形態は、滴種ごとの吐出特性のばらつきの傾向に応じて使い分けることができる。
次に、滴速度の異なる2つのノズルの補正例について図16を参照して説明する。図16は同説明に供する説明図である。
図16(a)は、補正前(トリミング調整前)の共通駆動波形Vcomによる吐出滴を示している。補正前は、小滴も大滴もノズルN1の方がノズルN2よりも滴速度が速いが、ノズルN1とノズルN2の滴速度の差は大滴の方が大きくなっている。
図16(b)は比較例1の共通駆動波形Vcomを使用してノズルN1とノズルN2の滴速度を補正した例を示している。この場合、小滴はノズルN1とノズルN2の滴速度が合っているが、同一のトリミング波形の補正しているため、大滴では補正が不十分で、ノズルN1とノズルN2の滴速度の差が残っている。
図16(c)は前記第1実施形態の共通駆動波形Vcomを使用してノズルN1とノズルN2の滴速度を補正した例を示している。小滴は、図11(c1)の立下り波形要素が電位差ΔV13となるトリミング波形Vt1、大滴は、図11(c2)の立下り波形要素が電位差ΔV23のトリミング波形Vt2となり、滴種ごとに電位差が異なるトリミング波形を入力できる。これにより、小滴、大滴ともにノズルN1とノズルN2の滴速度を合わせることができる。
次に、本発明の第4実施形態について図17を参照して説明する。図17は同実施形態における共通駆動波形、選択信号及びトリミング波形(印加波形)の説明に供する説明図である。
本実施形態の共通駆動波形Vcomは、図17(a)に示すように、第1電位V1が保持される保持波形部分d1と、第1電位V1が保持されるパルス間保持波形部分d2と、駆動パルスP1、P2を含んでいる。小滴を吐出させるときには駆動パルスP1の一部と駆動パルスP2を選択し、大滴を吐出させるときには駆動パルスP1、P2を選択する。
駆動パルスP1は、立下り波形要素a11と、立下り保持波形要素a12と、立下り波形要素a13と、保持波形要素b1と、立ち上がり波形要素c1とを含む。
駆動パルスP1の立下り波形要素a11は、保持波形部分d1で保持された第1電位V1から第2電位V2に立ち下がって圧力室121を膨張させる。駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12は、立下り波形要素a11も終了電位である第2電位V2を保持する波形要素である。立下り保持波形要素a12はトリミングを行う波形部分となり、立下り保持波形要素a12の期間をトリミング期間Tl1とする。駆動パルスP1の立下り波形要素a23は、立下り保持波形要素a12で保持された第2電位V2から第5電位V5に立ち下がって圧力室121を膨張させる膨張波形要素である。
保持波形要素b1は、立下り波形要素a13の終了電位である第5電位V5を保持する。立ち上がり波形要素c1は、保持波形要素b1で保持された第5電位V5からパルス間保持波形部分d2の第1電位V1まで立ち上がり、圧力室121を収縮させて液体を吐出させる収縮波形要素である。
駆動パルスP2は、立下り波形要素a21と、立下り保持波形要素a22と、立下り波形要素a23と、保持波形要素b2と、立ち上がり波形要素c2とを含む。
駆動パルスP2の立下り波形要素a21は、パルス間保持波形部分d2で保持された第1電位V1から立ち下がり波形要素a23の開始電位である第3電位V3に立ち下がって圧力室121を膨張させる。立下り保持波形要素a22は、立下り波形要素a21の終了電位であり、立ち下がり波形要素a23の開始電位である第3電位V3を保持する波形要素である。立下り保持波形要素a22がトリミングを行う波形部分となり、立下り保持波形要素a22の期間をトリミング期間TL2とする。立下り波形要素a23は、立下り保持波形要素a22で保持された第3電位V3から第4電位V4に立ち下がって圧力室121を膨張させる膨張波形要素である。
保持波形要素b2は、立下り波形要素a23に終了電位である第4電位V4を保持する。立ち上がり波形要素c2は、保持波形要素b2で保持された第4電位V4から第1電位V1まで立ち上がり、圧力室121を収縮させて液体を吐出させる収縮波形要素である。
なお、本実施形態における、第1電位V1~第5電位V5の関係は、V1>V2>V3>V5>V4、に設定している。
第1選択信号A1は、図17(b1)に示すように、時点t0以前でON状態になり、駆動パルスP1の立ち下がり保持波形要素a12の途中の時点t1でOFF状態になる。第1選択信号A1がOFF状態になることで、再度ON状態になるまでの間、第2電位V2が保持される。その後、第1選択信号A1は、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の期間内の時点t5でON状態になる。
これにより、図17(c1)に示すように、小滴用のトリミング波形Vt1は、時点t0から時点t2までは駆動パルスP1の立下り波形要素a11、立下り保持波形要素22の一部と同じになり、時点t2から時点t5まで第2電位V2が保持される1
その後、小滴用のトリミング波形Vt1は、時点t5で第2電位V2から第3電位V3まで立ち下がり、以後は共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の時点t5以後の部分、立下り波形要素a23、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第1選択信号A1は、共通駆動波形Vcomの内、第2電位V2から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
第2選択信号A2は、時点t0以前でON状態になり、駆動パルスP1の立ち下がり波形要素a11の開始前よりも前の保持波形部分d1の途中の時点t1でOFF状態になる。その後、第2選択信号A2は、駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の期間内の時点t3でON状態になる。
さらに、第2選択信号A2は、駆動パルスP2の立下り波形要素a21の開始前よりも前のパルス間保持波形部分d2の途中の時点t4でOFF状態になり、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の期間内の時点t5でON状態になる。
これにより、図11(c2)に示すように、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t0から時点t3まで第1電位V1が保持され、時点t3で第1電位V1から駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の保持電位となる第2電位V2まで立ち下がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t3から時点t4までは、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP1の立下り保持波形要素a12の時点t3以後の部分、立下り波形要素a13、保持波形要素b1、立ち上がり波形要素c1を含む波形となる。
さらに、大滴用のトリミング波形Vt2は、時点t5まで第1電位V1に保持され、時点t5で第1電位V1から駆動パルスP2の膨張波形要素となる立下り波形要素a23の開始電位となる第3電位V3まで立ち下がる。
その後、大滴用のトリミング波形Vt2は、共通駆動波形Vcomと同様の波形となり、駆動パルスP2の立下り保持波形要素a22の時点t5以後の部分、立下り波形要素a23、保持波形要素b2、立ち上がり波形要素c2を含む波形となる。
つまり、第2選択信号A2は、共通駆動波形Vcomの内、第1電位V1から膨張波形要素の開始電位(第3電位V3)に変化する波形が圧電素子140に印加されるように選択手段としてのアナログスイッチASのON/OFFを制御する選択信号である。
本実施形態においても、小滴と大滴で駆動パルス2のトリミング時刻は時点t5で共通であるが、トリミング電圧が、小滴は第2電位V2から第3電位V3のΔV23、大滴は第1電位V1から第3電位V3のΔV13とすることができる。
これにより、小滴と大滴で、共通に使用する駆動パルスP2のトリミング電圧(立下り波形要素a1の電圧)を異ならせることができ、吐出特性のばらつきを低減できる。
また、前記第1実施形態ないし第3実施形態では、小滴のトリミング波形の電位差は共通駆動波形Vcomの基準電位を利用したのに対し、本実施形態では、他の駆動パルスの電圧保持部の電位(立下り保持波形要素a12の電位)を利用して電位差を作っている。
このように、共通駆動波形Vcomの他の駆動パルスの膨張波形要素の直前の電位保持部分を利用してトリミングすることで、固有周期が短いヘッドに対しても吐出ばらつきの補正が可能である。また、トリミング用に波形長を余分に延ばす必要もなく、高周波駆動するヘッドにも適用することができる
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。