JP7581327B2 - 入力ユニット、入力デバイス、入力ユニットに取り付け可能なカバー - Google Patents

Description

本開示はゲーム操作などのために用いられる入力デバイスに設けられる入力ユニットの構造及び入力ユニットに取り付け可能なカバーの構造に関する。

ゲーム操作に用いられる入力デバイスには、ユーザが指で動かす入力ユニットの一つとして、入力スティックを有しているものがある。入力スティックは、その最上部にユーザの指が触れるタッチ部を有している。入力スティックは、半径方向に倒したり、初期位置を中心にして回転させることができる。特許文献１において、タッチ部は円盤状である。ユーザは親指をタッチ部に載せて、入力スティックを操作する。入力ユニットは、入力スティックの基部に、入力スティックを支持するとともに入力スティックの位置（傾き）を検知するセンサが取り付けられた支持機構を有している。

国際公開第２０１４／０６１３２２号

入力スティックを初期位置から半径方向に倒すとき、親指はタッチ部の上面を押しながら半径方向の力を加える。入力スティックを初期位置に戻すとき、親指はタッチ部の外縁に対して力を加えることがある。入力スティックを半径方向に倒すときと、入力スティックを初期位置に戻すときのいずれにおいても、親指の力が入力スティックにスムーズに作用するのが望ましい。

本開示で提案する入力ユニットの一例は、上方に膨らんでいる外周部を有している上面を有し、初期位置から半径方向に動かすことのできるタッチ部と、前記外周部の頂部より外側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている外側領域と、前記外周部の頂部の内側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている内側領域とを有している。この入力ユニットによると、タッチ部を半径方向に動かすときと、タッチ部を初期位置に戻すときのいずれにおいても、親指の力をタッチ部にスムーズに作用させることができる。

本開示で提案する入力ユニットの他の例は、初期位置から半径方向に動かすことのできるタッチ部と、前記タッチ部の外周部に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている外側領域と、前記タッチ部の上面において前記外側領域の内側に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている内側領域とを有している。前記内側領域のパターンと前記外側領域のパターンは異なっている。この入力ユニットによると、タッチ部を半径方向に動かすという親指の動きに最適なパターンと、タッチ部を初期位置に戻すという親指の動きに最適なパターンを、２つの領域にそれぞれ形成できる。なお、この構造は、外周部が上方に膨らんでいないタッチ部に適用されてもよい。

本開示で提案するカバーの一例は、入力ユニットに脱着可能なカバーである。前記カバーは、上方に膨らんでいる外周部を有している上面と、前記外周部の頂部より外側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並んでいるパターンが形成されている外側領域と、前記外周部の頂部の内側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並んでいるパターンが形成されている内側領域とを有している。このカバーによると、タッチ部を半径方向に動かすときと、タッチ部を初期位置に戻すときのいずれにおいても、ユーザの指の力がタッチ部にスムーズに加えられる。

本開示で提案するカバーの他の例は、入力ユニットに脱着可能なカバーである。前記カバーの外周部に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている外側領域と、前記外側領域の内側に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている内側領域とを有している。前記内側領域のパターンと前記外側領域のパターンは異なっている。このカバーによると、タッチ部を半径方向に動かすという親指の動きに最適なパターンと、タッチ部を初期位置に戻すという親指の動きに最適なパターンとを、２つの領域にそれぞれ形成できる。なお、この構造は、外周部が上方に膨らんでいない上面を有しているカバーに適用されてもよい。

本開示で提案する入力デバイスの斜視図である。 入力ユニットの一例が有する入力スティックの断面図である。 図２Ａで示す入力スティックを半径方向に倒している様子を示す断面図である。 入力スティックの最上部に設けられているタッチ部の斜視図である。 入力スティックのタッチ部の平面図である。 入力スティックのタッチ部を斜め上方から臨む図である。 入力スティックのタッチ部に形成されるパターンの変形例を示す斜視図である。 入力スティックのタッチ部に形成されるパターンのさらに別の変形例を示す斜視図である。 入力スティックのタッチ部に形成されるパターンのさらに別の変形例を示す斜視図である。 入力スティックのタッチ部に形成されるパターンのさらに別の変形例を示す斜視図である。 入力スティックのタッチ部に形成されるパターンのさらに別の変形例を示す斜視図である。 本開示で提案するカバーの断面図である。

以下、本開示で提案する入力デバイスの例について説明する。図１は入力デバイスの一例を示す斜視図である。以下の説明において、図１に示すＹ１及びＹ２はそれぞれ前方及び後方である。また、Ｘ１及びＸ２はそれぞれ右方向及び左方向である。また、Ｚ１及びＺ２はそれぞれ上方及び下方である。

入力デバイス１は、ゲームプログラムの実行機能や、動画像再生機能、インターネットを通した通信機能などを有する情報処理装置に対する入力デバイスとして利用される。入力デバイス１は、ユーザが入力デバイス１に対して行った操作に応じた信号を情報処理装置に有線又は無線で送信する。入力デバイス１は、入力デバイス１の姿勢や動きの検出に利用される種々のセンサ（加速度センサ、ジャイロセンサなど）や、バッテリなどを内蔵している。入力デバイス１は、センサの出力も情報処理装置に送信する。

図１に示す例において、入力デバイス１は、その左部及び右部に、ユーザが左右の手でそれぞれ保持するための左右の被保持部１０Ｌ・１０Ｒを有している。被保持部１０Ｌ・１０Ｒの前部の間に中央部２１が配置されている。被保持部１０Ｌ・１０Ｒは、その後部にグリップ１２を有している。グリップ１２は中央部２１の後面よりも後方に伸びている。

被保持部１０Ｌ・１０Ｒの前部の上面に、ユーザが操作するための複数の入力部材が設けられている。例えば、右側の被保持部１０Ｒの前部の上面に、複数の操作ボタン１１が設けられている。例えば、４つの操作ボタン１１が十字の端部に位置している。また、左側の被保持部１０Ｌの前部の上面に、十字形状を有する方向キー１９が設けられている。

図１に示すように、入力デバイス１はキャビネット４０を有している。キャビネット４０は入力デバイス１の外面を構成するとともに、入力デバイス１が備える種々の部品を収容している。この例のキャビネット４０は上キャビネット半体４１と下キャビネット半体４９とを有し、これらは上下方向において互いに組み合わされている。

図１に示すように、入力デバイス１は、中央部２１の上面に、板状の入力部材２２を有している。入力部材２２は、その上面に触れた指の位置を検出するためのタッチセンサを含んでいる。また、入力部材２２はユーザの押下操作に応じて上下動できるように支持されている。入力デバイス１は、入力部材２２が押されたことを検知するスイッチを有しており、入力部材２２はオン／オフ操作が可能なボタンとして機能している。

なお、図１で示す例とは異なり、入力デバイス１はユーザが片手で保持するデバイスであってもよい。例えば、入力デバイス１は１本の棒状グリップを有してよい。この場合、入力デバイス１は、上述した左右の被保持部１０Ｌ・１０Ｒや中央部２１を有していなくてよい。

入力デバイス１は、初期位置から半径方向に動かすことのできるタッチ部３２を含む入力ユニットを有している。入力ユニットは、左右の入力スティック３０を有している。入力スティック３０は支柱部３１（図２参照）を有し、タッチ部３２は支柱部３１の最上部に設けられている。ユーザの指はタッチ部３２に触れて、入力スティック３０を操作する。タッチ部３２は円盤状であり、その外径は支柱部３１の外径よりも大きい。入力スティック３０の高さ（長さ）は、被保持部１０Ｒ・１０Ｌの上面に設けられた他の入力部材（すなわち、操作ボタン１１及び方向キー１９）よりも高い。入力スティック３０は、例えば、初期位置からその半径方向に傾けたり、傾けた状態で初期位置を中心にして回転させることができる。入力ユニットは、入力スティック３０の基部に、入力スティック３０を支持する支持機構と、入力スティック３０の位置（傾き角度と傾けた方向）とに応じた信号を出力するセンサとを有している。入力スティック３０は、支柱部３１の下部に支持機構を覆うスカート３１ａを有している。入力デバイス１は傾きや傾いた
方向に応じた信号を情報処理装置に送信する。

なお、入力ユニットを構成する入力部材として、図で示す入力スティック３０に替えて、半径方向にスライド可能なタッチ部を有している入力部材が利用されてもよい。

タッチ部３２は、例えばポリカーボネートやＡＢＳ（acrylonitrile butadiene styrene）などの樹脂で形成される。タッチ部３２は２種類の材料で形成されてもよい。例えば、タッチ部３２の外面（後述する凹凸のパターンを形成する部分）は、ゴムやエラストマーなど弾性を有する材料で形成され、タッチ部３２の内部はポリカーボネートやＡＢＳなどの樹脂で形成されてもよい。入力スティック３０の位置や材料は、入力デバイス１の例に限られない。例えば、入力スティック３０は、被保持部１０Ｒ・１０Ｌの前部に位置してよい。

［タッチ部］
図２Ａで示すように、タッチ部３２の上面は上方に膨らんでいる外周部３２ｂを有している。外周部３２ｂは、入力デバイス１の平面視において、入力スティック３０の上面の中心Ｃ１を取り囲む環状である。親指は入力スティック３０を倒すとき、外周部３２ｂの頂部Ｔより内側に規定されている内側領域Ｒ１に引っかかり、半径方向の外側に向かう力を入力スティック３０に加える。反対に、入力スティック３０を初期位置に戻すとき、親指は、図２Ｂで示すように、外周部３２ｂの頂部Ｔより外側に規定されている外側領域Ｒ２（図２Ａ参照）に当たり、鉛直線Ｎ１に向かう力を入力スティック３０に加える。

ここで、頂部Ｔは、例えば、タッチ部３２の外周部３２ｂの上面において最も高い位置である。入力スティック３０の初期位置とは、例えば、入力スティック３０が配置されている面（入力デバイス１においては、中央部２１の上面）に対して垂直な姿勢である。鉛直線Ｎ１は入力スティック３０が初期位置にあるときに、その入力スティック３０の支柱部３１の中心を通る線である。入力デバイス１は、入力スティック３０を初期位置に付勢する機構（例えば、ばね）を有していてもよいし、そのような機構を有していなくてもよい。

内側領域Ｒ１と外側領域Ｒ２のいずれの領域も、タッチ部３２の上面の中心を取り囲む環状の領域である。図３及び図４で示すように、外側領域Ｒ２と内側領域Ｒ１のそれぞれに、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されてよい。このように、外側領域Ｒ２と内側領域Ｒ１のそれぞれにパターンが形成されると、親指が入力スティック３０を倒すときと、親指が入力スティック３０を初期位置に戻すときのいずれにおいても、パターンが滑り止めとして機能し、親指の力が入力スティック３０にスムーズに加わる。なお、「凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶ」とは、１つの凸部や１つの凹部であるパターン単位が、内側領域Ｒ１において周方向及び半径方向に周期的に繰り返し、外側領域Ｒ２において周方向及び軸方向に周期的に繰り返すことを意味する。入力デバイス１の例においては、内側領域Ｒ１のパターンは、内側領域Ｒ１の全周に亘って形成され、外側領域Ｒ２のパターンは、外側領域Ｒ２の全周に亘って形成されている。入力デバイス１の例とは異なり、内側領域Ｒ１のパターンは、内側領域Ｒ１の周方向における一部（例えば、ユーザの指が触れる頻度が特に高い部分）にだけ形成されてよい。同様に、外側領域Ｒ２のパターンは、外側領域Ｒ２の周方向における一部（例えば、ユーザの指が触れる頻度が特に高い部分）にだけ形成されてもよい。

図２Ａで示すように、凹凸のパターンが形成されている内側領域Ｒ１は、外周部３２ｂの頂部Ｔに向かって徐々に高くなる斜面を含んでいる。タッチ部３２の上面は内側領域Ｒ１よりもさらに内側に、凹凸のパターンが形成されていない領域（中央領域Ｒ３と称する）を有してもよい。また、入力スティック３０の例とは異なり、中央領域Ｒ３にも凹凸のパターンが形成されてもよい。中央領域Ｒ３は、上面の中心Ｃ１の位置が最も高くなるように湾曲している。

また、図で示す例では、タッチ部３２の上面は、外周部３２ｂの内側に凹部３２ｃ（図２Ａ参照）を有している。凹凸のパターンが形成されている内側領域Ｒ１は、凹部３２ｃにおい最も低い部分よりもさらに内側にも及んでいる。また、凹凸のパターンが形成されている外側領域Ｒ２は、タッチ部３２の上面だけで無く、タッチ部３２の側面にまで及んでいる。

［パターン］
外側領域Ｒ２に形成されているパターンと、内側領域Ｒ１に形成されているパターンは相互に異なっているとよい。つまり、外側領域Ｒ２と内側領域Ｒ１とは、パターンを構成する各凹部又は各凸部において、形状、サイズ、及び姿勢の少なくとも１つが相違しているとよい。（ここでは、各凸部と各凹部の双方をパターン単位と称する。）こうすることによって、入力スティック３０を半径方向に倒すという親指の動きに適したパターンと、入力スティック３０を初期位置に戻すという親指の動きに適したパターンを、２つの領域Ｒ１・Ｒ２にそれぞれ形成できる。

内側領域Ｒ１における適切なパターンは、例えば、親指が入力スティック３０を半径方向に倒すときに親指の滑りを防止するのに効果的なパターンである。このようなパターンとして、立ち面（例えば、後述する凸部３３の立ち面３３ｎ）を有するパターンがある。立ち面は、内側領域Ｒ１に形成される凸部の外面の一部、或いは内側領域Ｒ１に形成される凹部の内面の一部であり、且つ、内側領域Ｒ１の内側に向いている面である。立ち面は、例えば、タッチ部３２の表面に沿う面（例えば、凹部３２ｃから外周部３２ｂの頂部Ｔに向かって徐々に高くなる、図２Ａで示す斜面）との間に３０度以上の角度を有する。

外側領域Ｒ２における適切なパターンは、例えば、親指が入力スティック３０を初期位置に戻すときに親指の滑りを防止するのに効果的なパターンである。このようなパターンとして、立ち面（例えば、後述する凸部３４の立ち面３４ｎ）を有するパターンがある。立ち面は、外側領域Ｒ２に形成される凸部の外面の一部、或いは外側領域Ｒ２に形成される凹部の内面の一部であり、且つ、内側領域Ｒ１とは反対側に向いている面である。立ち面は、例えば、タッチ部３２の表面に沿う面（例えば、外周部３２ｂの頂部Ｔから湾曲しながら下がる、図２Ａで示す曲面）との間に３０度以上の角度を有する。

図４で示すように、内側領域Ｒ１に形成されているパターンは複数の凸部３３を有している。（以下では凸部３３を内側凸部と称する。）各内側凸部３３は略Ｙ字形状であり、内側凸部３３の中心Ｃ２から３方向にそれぞれ伸びている第１部分凸３３ａ、第２部分凸３３ｂ、及び第３部分凸３３ｃを有している。各部分凸３３ａ・３３ｂ・３３ｃは、図４で示すように、それらの先端に近づくにつれて徐々に細くなっていてよい。図３で示すように、外側領域Ｒ２に形成されているパターンは複数の凸部３４を有している。（以下では凸部３４を外側凸部と称する。）各外側凸部３４は略Ｙ字形状であり、外側凸部３４の中心Ｃ３から３方向にそれぞれ伸びている第１部分凸３４ａ、第２部分凸３４ｂ、及び第３部分凸３４ｃを有している。各部分凸３４ａ・３４ｂ・３４ｃも、図３で示すように、それらの先端に近づくにつれて徐々に細くなっていてよい。領域Ｒ１・Ｒ２において、凸部３３・３４と後述する中間凸部３５以外の部分は相対的に凹んでいる。つまり、内側領域Ｒ１と外側領域Ｒ２のそれぞれに凸部と凹部とを含むパターンが形成されている。

内側凸部３３の第１部分凸３３ａと第２部分凸３３ｂは、中心Ｃ２に対して概ね１０時の位置と２時の位置とにそれぞれ形成されている。それに対して、外側凸部３４の第１部分凸３４ａと第２部分凸３４ｂは、中心Ｃ３に対して概ね８時の位置と４時の位置とにそれぞれ形成されている。つまり、凸部３３・３４は概ね同じ形状を有しているものの、それらの姿勢（向き）において相違している。具体的には、外側凸部３４の姿勢（向き）と内側凸部３３の姿勢（向き）は、鉛直線Ｎ１に直交する平面に対して対称である。

外側領域Ｒ２のパターン単位（すなわち、各凸部又は各凹部）と内側領域Ｒ１のパターン単位は、パターン単位の向きではなく、パターン単位の形状、及び／又はパターン単位のサイズにおいて相違していてもよい。

図４で示すように、内側凸部３３において、第１部分凸３３ａと第２部分凸３３ｂは、内側領域Ｒ１の内側に向いている立ち面３３ｎを有している。ここで、「立ち面３３ｎが内側領域Ｒ１の内側に向いている」とは、タッチ部３２の外面に対して直交する方向にこれを見たときに、立ち面３３ｎの垂線（図４の線Ｌ３参照）が半径方向の内側に向かうことを意味する。図で示す例では、立ち面３３ｎの垂線Ｌ３は半径方向に対して斜めの方向に向いている。親指は入力スティック３０を倒すために内側領域Ｒ１にあたるとき、立ち面３３ｎに引っかかる。このことによって、親指の滑りを効果的に抑えることができる。

特に、立ち面３３ｎは、タッチ部３２の平面視において、内側領域Ｒ１の内側に向かって開いている略Ｖ字形状である。つまり、立ち面３３ｎは、立ち面３３ｎの中心３３ｍで屈曲し凹んでいる。このことによって、親指の滑りをさらに効果的に抑えることができる。立ち面３３ｎの形状はこれに限られない。立ち面３３ｎは内側領域Ｒ１の内側に向かって開いている略Ｕ字形状であってもよい。また、立ち面３３ｎの角度（立ち面３３ｎが形成されているタッチ部３２の上面に対する角度）は、親指が引っかかる角度であれば、上面に対して垂直であってもよいし、上面に対して斜めであってもよい。

内側凸部３３は、立ち面３３ｎ（言い換えれば、部分凸３３ａ・３３ｂ）から半径方向の外方に伸びている第３部分凸３３ｃを有している。このことによって、親指が入力スティック３０を半径方向に倒すために内側領域Ｒ１にあたるとき、内側凸部３３の変形を抑えることができる。

内側凸部３３のこのような形状によって、内側領域Ｒ１に沿って半径方向の外側に動こうとする親指に対する摩擦が、反対方向に動こうとする親指に対する摩擦より大きくなる。

なお、内側領域Ｒ１には、パターン単位として凹部が形成されてもよい。この場合、凹部の内面の一部が、親指が引っかかる立ち面として機能し得る。

図３で示すように、外側凸部３４において、第１部分凸３４ａと第２部分凸３４ｂは、内側領域Ｒ１とは反対側に向いている立ち面３４ｎを有している。ここで、「立ち面３４ｎが内側領域Ｒ１とは反対側に向いている」とは、タッチ部３２の外面に対して直交する方向にこれを見たときに、立ち面３４ｎの垂線（図３の線Ｌ４参照）が下側又は半径方向の外側に向いていることを意味する。図で示す例では、立ち面３４ｎの垂線Ｌ４は斜め下側に向いている。親指は入力スティック３０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり、立ち面３４ｎに引っかかる。このことによって、親指の滑りを効果的に抑えることができる。

特に、立ち面３４ｎは、内側領域Ｒ１とは反対側に向かって開いている略Ｖ字形状である。つまり、立ち面３４ｎは、立ち面３４ｎの中心３４ｍで屈曲し、凹んでいる。このことによって、親指の滑りをさらに効果的に抑えることができる。立ち面３４ｎの形状はこれに限られない。立ち面３４ｎはタッチ部３２の中心Ｃ１とは下側又は半径方向の外側に向かって開いている略Ｕ字形状であってもよい。また、立ち面３４ｎの角度（立ち面３４ｎが形成されているタッチ部３２の上面或いは側面に対する角度）は、親指が引っかかる角度であれば、これらの面に対して垂直であってもよいし、これらの面に対して斜めであってもよい。

外側凸部３４は、立ち面３４ｎ（言い換えれば、部分凸３４ａ・３４ｂ）から中心Ｃ１に向かって伸びている第３部分凸３４ｃを有している。このことによって、親指が入力スティック３０を初期位置に戻すために外側領域Ｒ２にあたるとき、外側凸部３４の変形を抑えることができる。

外側凸部３４のこのような形状によって、外側領域Ｒ２に沿ってタッチ部３２の中心Ｃ１に向かって動こうとする親指に対する摩擦が、反対方向に向かって動こうとする親指に対する摩擦より大きくなる。

なお、外側領域Ｒ２には、パターン単位として凹部が形成されてもよい。この場合、凹部の内面の一部が、親指が引っかかる立ち面として機能し得る。

図３で示すように、外側領域Ｒ２において、第１部分凸３４ａの端部は隣の外側凸部３４（より具体的には、隣の外側凸部３４の第１部分凸３４ａと第３部分凸３４ｃとの間）に近接している。同様に、第２部分凸３４ｂの端部は隣の外側凸部３４に近接し、第３部分凸３４ｃの端部は隣の外側凸部３４に近接している。このことによって、外側凸部３４の密度が高くなり、親指の滑りを効果的に抑えることができる。

また、図４で示すように、内側領域Ｒ１において、第１部分凸３３ａの端部は隣の内側凸部３３（より具体的には、隣の内側凸部３３の第１部分凸３３ａと第３部分凸３３ｃとの間）に近接している。同様に、第２部分凸３３ｂの端部は隣の内側凸部３３に近接し、第３部分凸３３ｃの端部は隣の内側凸部３３に近接している。このことによって、内側凸部３３の密度が高くなり、親指の滑りを効果的に抑えることができる。

［中間凸部］
図５で示すように、タッチ部３２は、内側領域Ｒ１と外側領域Ｒ２とに跨がる複数の凸部３５を有している。（以下では凸部３５を中間凸部と称する。）中間凸部３５は、内側凸部３３が有している立ち面３３ｎに対応する立ち面３５ｎ１と、外側凸部３４が有している立ち面３４ｎに対応する立ち面３５ｎ２とを有している。

すなわち、立ち面３５ｎ１は、内側領域Ｒ１の内側に向いている面である。親指が入力スティック３０を半径方向に倒すとき、立ち面３５ｎ１も親指に引っかかり、親指の滑りを抑えることができる。一方、立ち面３５ｎ２は、内側領域Ｒ１とは反対側に向いている。親指が入力スティック３０を初期位置に戻すとき、立ち面３５ｎ２も親指に引っかかり、親指の滑りを抑えることができる。

中間凸部３５は、互いに反対方向に向いている２つの略Ｙ字形状を繋げた形状である。すなわち、中間凸部３５は、第１部分凸３５ａ、第２部分凸３５ｂ、第３部分凸３５ｃ、第４部分凸３５ｄ、及び連結凸３５ｅを有している。連結凸３５ｅの一端は第１部分凸３５ａと第２部分凸３５ｂとの間に接続している。第１部分凸３５ａと第２部分凸３５ｂは、連結凸３５ｅの一端に対して概ね１０時の位置と２時の位置とにそれぞれ形成されている。連結凸３５ｅの他端は第３部分凸３５ｃと第４部分凸３５ｄとの間に接続している。第３部分凸３５ｃと第４部分凸３５ｄは、連結凸３５ｅの他端に対して概ね８時と４時の位置にそれぞれ形成されている。

複数の中間凸部３５はタッチ部３２の中心Ｃ１を中心とする周方向で並んでいる。隣り合う２つの中間凸部３５の位置は、タッチ部３２の周方向で重なっている。すなわち、中間凸部３５の第１部分凸３５ａと第３部分凸３５ｃのうちの一方の部分凸は、隣の中間凸部３５の第２部分凸３５ｂと第４部分凸３５ｄとの間に位置している。同様に、中間凸部３５の第２部分凸３５ｂと第４部分凸３５ｄのうちの一方の部分凸は、反対隣の中間凸部３５の第１部分凸３５ａと第３部分凸３５ｃとの間に位置している。このことによって、中間凸部３５の密度が高くなり、親指の滑りをさらに効果的に抑えることができる。

［変形例］
本開示で提案する入力スティックは、これまで説明した入力スティック３０に限られない。図６乃至図１０は、本開示で提案する入力スティックの他の例を示す図である。

図６乃至図１０は、本開示で提案する入力スティックのタッチ部の例として、タッチ部１３２～５３２をそれぞれ示している。タッチ部１３２～５３２の上面は、タッチ部３２と同様に、上方に膨らんでいる外周部１３２ｂ～５３２ｂをそれぞれ有している。また、タッチ部１３２～５３２の外面は、タッチ部３２と同様に、外周部１３２ｂ～５３２ｂの頂部Ｔより内側に規定されている内側領域Ｒ１（図２Ａ参照）と、頂部Ｔより外側に規定されている外側領域Ｒ２（図２Ａ参照）とを有している。タッチ部１３２～５３２は、内側領域Ｒ１と外側領域Ｒ２の双方において共通の凹凸パターンを有している。

図６は、本開示で提案する入力スティックのタッチ部の変形例として、タッチ部１３２を示している。タッチ部１３２は複数の凸部１３３ａ・１３３ｂを有している。各凸部１３３ａ・１３３ｂは三角形であり、６つの凸部１３３ａ・１３３ｂが、全体として６角形となる１つの組を構成している。各凸部１３３ａ・１３３ｂは内側領域Ｒ１の内側に向いて斜めに立ち面１３３ｎを有している。また、各凸部１３３ａ・１３３ｂは内側領域Ｒ１とは反対側に向いて斜めに形成されている立ち面１３３ｍを有している。親指は、入力スティック３０を半径方向に倒すとき、内側領域Ｒ１にあたり、内側領域Ｒ１に形成されている凸部１３３ａ・１３３ｂの立ち面１３３ｎに引っかかる。また、親指は、入力スティック３０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり、外側領域Ｒ２に形成されている凸部１３３ａ・１３３ｂの立ち面１３３ｍに引っかかる。

図７は、本開示で提案する入力スティックのタッチ部の変形例として、タッチ部２３２を示している。タッチ部２３２は複数の凸部２３３を有している。各凸部２３３は六角形であり、内側領域Ｒ１の内側に向いている立ち面２３３ｎを有している。また、各凸部２３３は内側領域Ｒ１とは反対側に向いている立ち面２３３ｍを有している。親指は、入力スティック３０を半径方向に倒すとき、内側領域Ｒ１にあたり、内側領域Ｒ１に形成されている凸部２３３の立ち面２３３ｎに引っかかる。また、親指は、入力スティック３０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり、外側領域Ｒ２に形成されている凸部２３３の立ち面２３３ｍに引っかかる。

図８は、本開示で提案する入力スティックのタッチ部の変形例として、タッチ部３３２を示している。タッチ部３３２は複数の凸部３３３ａ・３３３ｂを有している。各凸部３３３ａ・３３３ｂは直角三角形である。凸部３３３ａは、内側領域Ｒ１の内側に向いている立ち面３３３ｎを有している。凸部３３３ｂは、内側領域Ｒ１とは反対側に向いている立ち面３３３ｍを有している。親指は、入力スティック３０を半径方向に倒すとき、内側領域Ｒ１にあたり、内側領域Ｒ１に形成されている凸部３３３ａの立ち面３３３ｎに引っかかる。また、親指は、入力スティック３０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり、外側領域Ｒ２に形成されている凸部３３３ｂの立ち面３３３ｍに引っかかる。

図９は、本開示で提案する入力スティックのタッチ部の変形例として、タッチ部４３２を示している。タッチ部４３２は複数の凸部４３３を有している。各凸部４３３は、タッチ部４３２の外面に対して直交する方向で見たときに、四角形である。各凸部４３３は四角錐であり、斜面４３３ｎと斜面４３３ｍを有している。親指は、入力スティック３０を半径方向に倒すとき、内側領域Ｒ１にあたり、内側領域Ｒ１に形成されている凸部４３３の斜面４３３ｎに引っかかる。また、親指は、入力スティック３０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり、外側領域Ｒ２に形成されている凸部４３３の斜面４３３ｍに引っかかる。

図１０は、本開示で提案する入力スティックのタッチ部の変形例として、タッチ部５３２を示している。タッチ部５３２は複数の凸部５３３を有している。各凸部５３３は、タッチ部５３２の外面に対して直交する方向で見たときに、細長い四角形である。凸部５３３は、内側領域Ｒ１の内側に向いている立ち面５３３ｎと、内側領域Ｒ１とは反対側に向いている立ち面５３３ｍを有している。親指は、入力スティック３０を半径方向に倒すとき、内側領域Ｒ１にあたり、内側領域Ｒ１に形成されている凸部５３３の立ち面５３３ｎに引っかかる。また、親指は、入力スティック３０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり、外側領域Ｒ２に形成されている凸部５３３の立ち面５３３ｍに引っかかる。複数の凸部５３３が、タッチ部５３２の中心Ｃ１から半径方向に外側に向かって伸びている列を形成している。隣り合う２つの列の間に溝５３３ｅが形成されている。

［まとめ］
以上説明したように、入力スティック３０は、その最上部に、ユーザの指が触るタッチ部３２・１３２～５３２を有している。タッチ部３２・１３２～５３２の上面は、上方に膨らんでいる外周部３２ｂ・１３２ｂ～５３２ｂを有している。タッチ部３２・１３２～５３２は、外周部の頂部Ｔより外側の領域であり凹部又は凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている外側領域Ｒ２と、外周部の頂部Ｔの内側の領域であり凹部又は凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている内側領域Ｒ１とを有している。この構造によると、親指は入力スティック３０を半径方向に倒すとき、内側領域Ｒ１にあたり内側領域Ｒ１のパターンに引っかかる。また、親指は入力スティック３０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり外側領域Ｒ２のパターンに引っかかる。このことによって、入力スティック３０を半径方向に倒すときと、入力スティック３０を初期位置に戻すときのいずれにおいても、親指の力が入力スティック３０にスムーズに加えられる。

また、タッチ部３２は、その外周部に規定され凹部又は凸部の少なくとも一方が並ぶパターンが形成されている外側領域Ｒ２と、外側領域Ｒ２の内側に規定され凹部又は凸部の少なくとも一方が並ぶパターンが形成されている内側領域Ｒ１とを有している。内側領域Ｒ１のパターンと外側領域Ｒ２のパターンは異なっている。こうすることによって、入力スティック３０を半径方向に倒すという親指の動きに適したパターン（すなわち親指が入力スティック３０を倒すときに親指の滑りを防止するのに効果的なパターン）と、入力スティック３０を初期位置に戻すという親指の動きに適したパターン（すなわち親指が入力スティック３０を初期位置に戻すときに親指の滑りを防止するのに効果的なパターン）を、２つの領域Ｒ１・Ｒ２にそれぞれ形成できる。なお、この構造は、外周部３２ｂが上方に膨らんでいないタッチ部に適用されてもよい。

以上説明したタッチ部３２・１３２～５３２の構造は、入力スティック３０に替えて、半径方向にスライド可能な入力部材に適用されてもよい。半径方向にスライド可能な入力部としては、３６０度の全方位にスライド可能な入力部材だけでなく、直交する２方向（十字方向）にスライド可能な入力部材などに適用されてよい。さらに他の例では、内側領域Ｒ１の周方向における一部、及び／又は外側領域Ｒ２の周方向における一部にだけ、上述したパターンが形成されてもよい。

［カバー］
また、内側領域Ｒ１と外側領域Ｒ２とに形成されている凹凸のパターンは、入力デバイス自体ではなく、入力ユニットのタッチ部に脱着可能なカバーに適用されてもよい。図１１はこのようなカバーの例としてカバー１００を示している。

カバー１００は、入力スティック９０のタッチ部９２を覆うように形成されている。カバー１００は、ゴムやエラストマーなどの柔軟性がある材料で形成されている。タッチ部９２の外周面に沿って下がる側部１０１を有し、側部１０１の縁１０１ａはタッチ部９２の下面に引っかけることができる。ユーザは、側部１０１を広げることでカバー１００をタッチ部９２から取り外すことできる。

カバー１００の上面の外周部１０２は、上方に膨らんでいる。カバー１００は、外周部１０２の頂部Ｔより外側に規定され凹部及び凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている外側領域Ｒ２と、外周部１０２の頂部Ｔより内側に規定され凹部及び凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている内側領域Ｒ１とを有している。領域Ｒ１・Ｒ２に形成されるパターンは、例えば、図３乃至図５を参照しながら説明したタッチ部３２の領域Ｒ１・Ｒ２に形成されているパターンであってよい。領域Ｒ１・Ｒ２に形成されるパターンは、図６乃至図１０を参照しながら説明したタッチ部１３２～５３２の領域Ｒ１・Ｒ２に形成されているパターンであってもよい。

カバー１００のこの構造によると、親指は入力スティック９０を半径方向に倒すとき、内側領域Ｒ１にあたり内側領域Ｒ１のパターンに引っかかる。また、親指は入力スティック９０を初期位置に戻すとき、外側領域Ｒ２にあたり外側領域Ｒ２のパターンに引っかかる。このことによって、入力スティック９０を半径方向に倒すときと、入力スティック９０を初期位置に戻すときのいずれにおいても、ユーザの指の力が入力スティック９０にスムーズに加えられる。

また、カバー１００において、領域Ｒ１・Ｒ２に形成されるパターンは、例えば、図３乃至図５を参照しながら説明したタッチ部３２と同様に、互いに異なっていてよい。すなわち、カバー１００の外側領域Ｒ２と内側領域Ｒ１は、パターンを構成する各凹部又は各凸部（パターン単位）の形状、サイズ、及び姿勢の少なくとも１つにおいて相違しているとよい。こうすることによって、入力スティック９０を半径方向に倒すという親指の動きに適したパターン（すなわち、親指が入力スティック９０を半径方向に倒すときに親指とカバー１００との間の滑りを防止するのに効果的なパターン）と、入力スティック９０を初期位置に戻すという親指の動きに適したパターン（親指が入力スティック９０を初期位置に戻すときに親指とカバー１００との滑りを防止するのに効果的なパターン）を、２つの領域Ｒ１・Ｒ２にそれぞれ形成できる。なお、この構造は外周部１０２が上方に膨らんでいないカバーに適用されてもよい。

また、以上説明したカバー１００の構造は、入力スティック９０に脱着可能なカバーではなく、半径方向にスライド可能な入力部材に脱着可能なカバーに適用されてもよい。この場合、カバー１００の構造は、３６０度の全方位にスライド可能な入力部材に脱着可能なカバーだけでなく、直交する２方向（十字方向）にスライド可能な入力部材に脱着可能なカバーに適用されてよい。さらに他の例では、内側領域Ｒ１の周方向における一部、及び／又は外側領域Ｒ２の周方向における一部にだけ上述したパターンが形成されてもよい。

Claims (9)

1. 上方に膨らんでいる外周部を有している上面を有し、初期位置から半径方向に動かすことのできるタッチ部と、
   前記外周部の頂部より外側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている外側領域と、
   前記外周部の頂部の内側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並ぶパターンが形成されている内側領域と
   を有しており、
   前記内側領域に形成されているパターンは、前記タッチ部の平面視において前記内側領域の内側に向いている複数の立ち面を有し、
   前記外側領域に形成されているパターンは、前記内側領域とは反対側に向いている複数の立ち面を有している
   入力ユニット。
2. 前記外側領域に形成されているパターンと前記内側領域に形成されているパターンは異なっている
   請求項１に記載される入力ユニット。
3. 前記内側領域に形成されている前記複数の立ち面のそれぞれは、前記内側領域の内側に向かって開いている略Ｖ字形状又は前記内側領域の内側に向かって開いている略Ｕ字形状である
   請求項１に記載される入力ユニット。
4. 前記外側領域に形成されている前記複数の立ち面のそれぞれは、前記内側領域の前記立ち面とは反対側に向かって開いている略Ｖ字形状又は前記内側領域の前記立ち面とは反対側に向かって開いている略Ｕ字形状である
   請求項１に記載される入力ユニット。
5. 初期位置から半径方向に動かすことのできるタッチ部と、
   前記タッチ部の外周部に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている外側領域と、
   前記タッチ部の上面において前記外側領域の内側に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている内側領域とを有し、
   前記内側領域のパターンと前記外側領域のパターンは異なっており、
   前記外側領域に形成されているパターンは、前記内側領域とは反対側に向いている複数の立ち面を有している
   入力ユニット。
6. 前記内側領域に形成されているパターンは、前記タッチ部の平面視において前記内側領域の内側に向いている複数の立ち面を有している
   請求項５に記載される入力ユニット。
7. 請求項１又は５に記載される入力ユニットを有している入力デバイス。
8. 入力ユニットに脱着可能なカバーであって、
   上方に膨らんでいる外周部を有している上面と、
   前記外周部の頂部より外側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並んでいるパターンが形成されている外側領域と、
   前記外周部の頂部の内側の領域であり、凹部と凸部の少なくとも一方が規則的に並んでいるパターンが形成されている内側領域と
   を有しており、
   前記内側領域に形成されているパターンは、前記上面の平面視において前記内側領域の内側に向いている複数の立ち面を有し、
   前記外側領域に形成されているパターンは、前記内側領域とは反対側に向いている複数の立ち面を有している
   カバー。
9. 入力ユニットに脱着可能なカバーであって、
   前記カバーの外周部に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている外側領域と、
   前記外側領域の内側に規定され、凹部と凸部の少なくとも一方が並んでいるパターンが形成されている内側領域と
   を有し、
   前記内側領域のパターンと前記外側領域のパターンは異なっており、
   前記外側領域に形成されているパターンは、前記内側領域とは反対側に向いている複数の立ち面を有している
   カバー。

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