JP7570552B1 - 電力設備管理システム、電力設備管理方法、および電力設備管理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本開示の一態様は、故障時影響情報および故障確率情報に基づいて各電力設備のリスク推移を算出する第1のリスク推移算出部と、各電力設備交換時の第1のリスク低減幅および各電力設備交換までに実施する一又は複数の修繕時の第2のリスク低減幅を算出するリスク低減幅算出部と、各電力設備を修繕しないで交換するまでの第1のライフサイクルコストおよび各電力設備に対して修繕を行って交換するまでの第2のライフサイクルコストを算出するコスト算出部と、第1のライフサイクルコストと第2のライフサイクルコストとのうち低い方に基づいて各電力設備の交換または修繕を示す交換修繕計画情報を決定する決定部と、各電力設備の交換修繕計画情報に基づいて設備更新計画を作成する計画作成部と、を備える電力設備管理システムである。
【選択図】図17
Description
例えば、特許文献1には、プラント全体のリスク費を考慮に入れた設備運用計画を作成する設備運用計画作成システムが記載されている。設備運用計画作成システムは、各設備の故障系統情報および運用計画作成期間に基づいて設備運用計画を作成する設備運用計画作成システムである。設備運用計画作成システムは、信頼性データから各設備の故障回復モデルの種別を判定し故障率の上昇度と保全項目の実施による回復度を含んだ故障回復モデルをそれぞれ作成し、運用計画作成期間内での保全項目の複数の組み合わせにて成る複数の運用シナリオを作成し、各運用シナリオから算出した故障率および影響度データおよび故障系統情報から故障発生時のプラント全体のリスク費用を計算している。
しかしながら、従来において電力設備のリスク算出および故障影響度算出して長期設備更新計画の作成を行うときには電力設備の交換のみが検討されており、長期設備更新計画の作成において電力設備の交換、修繕などの複数の選択肢は考慮されていなかった。
図1は、第1の実施の形態における電力設備管理システム100Aの一例を示すブロック図である。
電力設備管理システム100Aは、例えば、通信ネットワークNWを介して電力系統システム200および端末装置300に接続される。通信ネットワークNWは、例えばインターネット等の汎用ネットワークであるが、これに限定されず、およびローカル5GまたはWiFi(登録商標)などのプライベートなネットワークを含んでよい。
電力系統システム200は、複数の電力設備210を備える。電力設備210は、例えば、発電設備、送配電設備、需要家設備、再生可能エネルギー発電設備などであるが、これに限定されず、電力系統に含まれるあらゆる設備が含まれてよい。
端末装置300は、電力系統システム200を管理する者により操作される情報処理装置である。
電力設備管理システム100Aは、例えば、取得部110と、第1のリスク推移算出部120と、計画作成部130と、第2のリスク推移算出部140と、最適化部150と、情報出力部160とを備える。取得部110、第1のリスク推移算出部120、計画作成部130、第2のリスク推移算出部140、最適化部150、および情報出力部160といった機能部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがディスク状記録媒体等に格納された電力設備管理プログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。また、これらの機能は、単一の情報処理装置に集約して搭載されてよく、複数の情報処理装置に分散されてもよい。
まず、取得部110は、電力系統システム200のリスク評価を行うときに、電力設備210ごとの設備情報および年度ごとの故障時影響情報および故障確率情報を取得する(ステップS100)。設備情報は、例えば、電力設備210の経年情報や仕様情報である。
故障時影響情報は、例えば、公衆災害損害額(公衆災害リスク、災害影響度とも言う)、供給信頼度(供給リスク、停電影響度ともいう)、および事業運営損害額(事業運営リスク、事業運営影響度とも言う)である。
公衆災害損害額は、電力設備210が故障したことによる需要家に与える損害額である。供給信頼度は、電力設備210が故障したことにより電力設備210を供給することに対する信頼度であり、例えば、在庫が常備されている電力設備210ほど高くなる。事業運営損害額は、電力設備210が故障することによる電力系統システム200を事業運営する会社が被る損害額である。第1のリスク推移算出部120は、公衆災害損害額、供給信頼度、および事業運営損害額のそれぞれに故障確率を乗算し、3つの乗算値の和を設備リスクとして算出する。電力設備210のリスク推移は、年度を重ねるごとに故障確率が上昇することに応じて年度ごとのリスク増加幅が上昇していく。
災害影響度は、災害影響額[円]と故障時の災害発生確率[%]との乗算値である。
事業運営影響度は、事業運営影響額[円]と故障時の事業運営影響発生確率[%]との乗算値である。事業運営影響額[円]は、例えば、事業運営影響額[円]と電力設備210の故障時の事業運営に影響を及ぼす事象の発生確率[%]である。
故障確率は、例えば、電力設備210の期待年数、標準ヘルススコア、現在ヘルススコアに基づいて算出される。電力設備210の期待年数は、標準期待年数を電力設備210の場所に対応した場所係数および使い方に対応した使い方係数で除算した値である。標準ヘルススコアは、電力設備210の経年値および期待年数から算出される値である。現在ヘルススコアは、標準ヘルススコアとヘルススコア係数と信頼度係数の乗算値である。
図3は、第1の実施の形態における複数の電力設備210における将来のリスク合計値とリスク目標値との関係を示す図である。
図4は、第1の実施の形態における年度ごとのリスク合計値を示す図である。電力設備管理システム100Aは、例えば図4に示すように、電力系統システム200に含まる多数の電力設備210の設備リスクを年度ごとに一定にするように設備更新計画を作成し、端末装置300に表示させることができる。
上述した電力設備管理システム100Aは、リスク評価機能122と、設備更新推奨時期算出機能132と、投資件名作成機能134と、最適化機能152とを持つ。リスク評価機能122、設備更新推奨時期算出機能132、投資件名作成機能134、および最適化機能152は、電力設備管理システム100Aを実現するための情報処理装置によるコンピュータ処理により実現される機能である。また、これらの機能は、電力設備管理システム100Aに集約されていてよく、電力設備管理システム100Aと他の情報処理装置とに分散されていてもよい。
リスク評価機能122は、例えば、系統情報、顧客情報、および設備環境情報の少なくとも一つを用いて電力設備210のリスクを評価してよい。系統情報は、多数の電力設備210それぞれの構成および電力設備210の接続関係を含む電力系統システム200の構成を示す情報である。リスク評価機能122は、電力設備210ごとに、電力設備210に接続された他の電力設備210の構成を考慮してリスクを計算してよい。顧客情報は、電力設備210を保有する顧客を示す情報である。顧客情報は、例えば、顧客により設定されたリスクの閾値を示す情報であってよい。リスク評価機能122は、顧客に応じてリスクの計算方法を変更してよく、リスクの閾値におじてリスク評価結果を演算してよい。設備環境情報は、電力設備210が設置された環境を示す情報である。リスク評価機能122は、電力設備210が設置された地域の環境に応じて電力設備210が故障するリスクを計算する。
設備更新推奨時期算出機能132は、リスク評価機能122により計算された電力設備210のリスク評価結果に基づいて電力設備210を更新するために推奨する時期を算出する。設備更新推奨時期算出機能132は、例えば、リスクが閾値よりも高い場合には設備更新推奨時期を前倒しにし、リスクが閾値よりも低い場合には設備更新推奨時期を後ろ倒しにする。これにより設備更新推奨時期算出機能132は、電力設備210の更新順位を含む設備更新計画を作成する。
投資件名作成機能134は、複数の更新対象設備に対する複数の設備更新工事を含む投資件名を作成する機能である。投資件名は、電力設備210を更新する複数の設備更新工事を含むポートフォリオの名称であって、電力系統システム200の管理者が投資を検討するための件名である。
投資件名作成機能134は、系統情報、リソース情報、および工事情報、推奨取替時期などの情報を用いて投資件名を作成する。系統情報は、更新が必要な電力設備210の場所を含む。リソース情報は、人員、部材などの設備更新工事を行うために必要なリソース量および供給可能時期などを示す情報である。工事情報は、既に決定されている設備更新工事における更新対象設備および日時などを示す情報である。推奨取替時期は、電力設備210の製造者により電力設備210ごとに設定された取替が推奨される時期を示す情報である。
投資件名作成機能134は、リソースを利用し、効率の観点から場所が近い複数の設備更新工事を選択して同じ投資件名に登録する。投資件名作成機能134は、推奨取替時期が近い電力設備210を優先して投資件名に登録し、工事情報を参照して設備更新工事の日時を決定してよい。これにより投資件名作成機能134は、年度ごとに複数の設備更新工事を行う投資件名を作成し、長期投資計画を作成する。長期投資計画は、一つの投資件名、または複数の投資件名を含んでよい。
最適化機能152は、投資指標、および制約に基づいて長期投資計画を最適化する。電力設備210の更新する投資に対する指標となる情報である。制約は、上述したように年間工事量の上限および下限、予算上限、人員数の上限および下限、電力設備210を更新するための部材の供給量および供給時期などである。長期投資計画を最適化する処理は、投資指標、および制約を考慮して次の年度に後ろ倒しする更新対象設備を選択する処理や、年度内または後年に設備更新工事の時期を変更する処理である。最適化機能152は、電力系統システム200において設備更新工事以外の投資に関する情報に基づいて長期投資計画を最適化してよい。設備更新工事以外の投資は、例えば、新規に電力設備210を構築する工事などである。最適化機能152は、設備更新工事以外の投資の費用に応じて長期投資計画に含まれる設備更新工事の時期を変更してよい。
最適化機能152は、例えば、投資件名に更新対象設備A~Fが含まれている場合、年度ごとに更新対象設備A~Fそれぞれのリスクを合計した設備リスクを算出する。最適化機能152は、設備リスクが基準値を超えている場合、更新対象設備A~Fの何れかを次の年度に後回しすることによって投資件名ごとに長期投資計画を最適化することができる。
最適化機能152は、年度ごとの費用制約以内に工事予算を抑制するように長期投資計画を最適化してよい。最適化機能152は、電力設備210のリスクを一定値に維持する設備更新工事に加え、電力設備210の新設(増加)、電力設備210の拡充にといった設備更新工事以外の工事にも予算が割り当てられる場合、設備更新工事の予算の制約により投資件名に含まれる設備更新工事の時期を変更してよい。
また、電力設備管理システム100Aによれば、各電力設備210に対する点検の実施状況を示す点検情報に基づいて各電力設備210の故障確率を更新してリスク推移を算出するので、さらに電力系統システム200のリスク管理を精緻化することができる。
以下、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の説明において第1の実施の形態と同じ箇所については同一符号を付することで説明を省略する。
図8は、第2の実施の形態における電力設備管理システム100Bの一例を示すブロック図である。
電力設備管理システム100Bは、電力系統システム200に含まれる複数の電力設備210のリスクを評価する処理を行う情報処理装置である。電力設備管理システム100Bは、例えば、予測部170と、取得部110Bと、第1のリスク推移算出部120Bと、計画作成部130Bと、第2のリスク推移算出部140Bと、最適化部150と、情報出力部160Bとを備える。取得部110B、第1のリスク推移算出部120B、計画作成部130B、第2のリスク推移算出部140B、最適化部150、および情報出力部160Bといった機能部は、例えばCPU等のプロセッサがディスク状記録媒体等に格納された電力設備管理プログラムを実行することにより実現されてよい。これらの機能は、単一の情報処理装置に集約して搭載されてよく、複数の情報処理装置に分散されてもよい。
予測部170は、例えば、設備データおよび点検データと、系統データと、時系列情報とを取得する。設備データは、電力設備210の取替などの変化、電力設備210の環境の変化、電力設備210に対する他の電力設備210の接続関係の変化を示すデータである。点検データは、電力設備210の点検結果の履歴を示すデータである。系統データは、再生可能エネルギーの導入履歴情報、電力需要量の履歴情報、異常発生の履歴情報などの電力系統システム200の変化を示すデータである。時系列情報は、電力系統システム200以外の地方自治体のサーバ装置などから取得される地域の人口密度の変化などを示す情報である。予測部170は、取得した各種のデータおよび情報を用いて故障時影響の時系列の変化として公衆災害に対するリスクの時系列の変化、電力供給に対するリスクの時系列の変化、および事業運営に対するリスクの時系列の変化を予測する。
なお、予測部170は、演算式に取得した情報を入力して算出したデータに基づいて予測してよいが、これに限定されず、機械学習モデルに各種のデータを入力し、機械学習モデルの出力に基づいて故障時影響の時系列の変化を予測してよい。
電力設備210の年度ごとの故障確率[%]は、図10の標準劣化カーブのように増加するが、予測部170は、巡視および点検結果を示す点検データを取得して電力設備210の故障確率を予測することにより、図10の劣化カーブ(大)のように標準劣化カーブよりも大きな変化で故障確率が上昇する予測結果を算出することができる。
これにより第1のリスク推移算出部120Bは、予測部170により予測された年度ごとの故障確率を用いて電力設備210のリスク推移を算出し、計画作成部130Bは、予測部170により予測された年度ごとの故障確率に基づいて設備更新工事の計画を作成することができる。第1のリスク推移算出部120Bは、例えば図11の基準となるリスク推移ではなく、予測部170により予測された年度ごとの故障確率に基づいて時系列変化Aにより推移が予測されるリスク推移のように算出することができる。
予測部170は、公衆災害に対するリスクの時系列の変化、電力供給に対するリスクの時系列の変化、および事業運営に対するリスクの時系列の変化の少なくとも一つを予測する。これにより、電力設備管理システム100Bは、公衆災害に対するリスクの時系列の変化、電力供給に対するリスクの時系列の変化、または事業運営に対するリスクの時系列の変化によって電力設備210における年度ごとのリスク推移を算出することができる。なお、公衆災害に対するリスク、電力供給に対するリスク、および事業運営に対するリスクは、年度によっては0となる場合もある。
以下、第3の実施の形態について説明する。上述の実施の形態と同じ箇所については同一符号を付することで説明を省略する。
図12は、第3の実施の形態における電力設備管理システム100Cの一例を示すブロック図である。
電力設備管理システム100Cは、電力系統システム200に含まれる複数の電力設備210のリスクを評価する処理を行う情報処理装置である。電力設備管理システム100Cは、例えば、取得部110Cと、第1のリスク推移算出部120Cと、計画作成部130Cと、第2のリスク推移算出部140Cと、最適化部150と、情報出力部160Cとを備える。取得部110C、第1のリスク推移算出部120C、計画作成部130C、第2のリスク推移算出部140C、最適化部150、情報出力部160Cといった機能部は、例えばCPU等のプロセッサがディスク状記録媒体等に格納された電力設備管理プログラムを実行することにより実現されてよい。これらの機能は、単一の情報処理装置に集約して搭載されてよく、複数の情報処理装置に分散されてもよい。
第1のリスク推移算出部120Cは、取得部110により取得された系統情報、故障時影響情報、および故障確率情報に基づいて各電力設備210のリスク推移を算出する。
第1のリスク推移算出部120Cは、系統情報に基づいて故障時影響情報を変更し、変更した前障時影響情報に基づいて各電力設備210のリスク推移を算出してよい。故障時影響情報は、複数の電力設備210の接続関係によって変動する。また、故障時影響情報は、複数の電力設備210のうち、どの電力設備210が故障したかによって変動する。したがって第1のリスク推移算出部120Cは、電力設備210の故障時影響を電力系統システム200の構成に基づいて変更して電力設備210のリスク推移を算出することでリスク推移の算出を精緻化することができる。
第1のリスク推移算出部120Cは、冗長化された構成の電力設備210についての故障時影響を低く変更し、変更した故障時影響を用いてリスク推移を算出してよい。一方で、第1のリスク推移算出部120Cは、冗長化されていない構成の電力設備210についての故障時影響を高く変更し、変更した故障時影響を用いてリスク推移を算出してよい。
電力系統システム200には、例えば図13に示すように、発電設備、変電設備、および地域網に加えて、複数の変圧器220a、220b、220c、および220dが備えられる。
変圧器220a、220b、および220cは、共通した母線に並列接続されおり、冗長化された構成となっている。一方、変圧器220dが接続されている母線には他の変圧器が接続されていない。
電力系統システム200における故障時影響情報には、電力設備210の種別ごとに停電したときの1kWh当たりの影響額[円]、故障発生時の停電電力[kW]、系統切替時間、系統切替後の停電電力[kW]、および停電時間[h]が設定されている。既存の電力系統システムは、例えば、変圧器220aが故障した場合、予め設定された停電したときの1kWh当たりの影響額[円]、故障発生時の停電電力[kW]、系統切替時間、系統切替後の停電電力[kW]、および停電時間[h]によってリスクが計算される。
第2のリスク推移算出部140Cは、計画作成部130Cにより作成された設備更新計画に基づいて更新対象設備を更新した後における複数の電力設備210のリスク推移を算出する。
情報出力部160Cは、第2のリスク推移算出部140Cにより算出された複数の電力設備210のリスク推移、および設備更新計画を表示させるための情報を出力する。
第1のリスク推移算出部120Cは、取得部110Cを介して、発電事業者設備232および一般需要家設備234からスマートメータ(SM)計量値情報、日射強度情報、太陽光発電(PV)導入情報を入力してよい。第1のリスク推移算出部120Cは、センサや点検端末等の点検設備230から巡視点検情報および自動点検情報を入力してよい。第1のリスク推移算出部120Cは、IEDや端末等の情報設備236から、系統構成情報、発電情報、および負荷情報を入力してよい。
取得部110Cは、まず、図14に示したように電力系統システム200から各種の情報を取得し(ステップS200)、取得した情報を第1のリスク推移算出部120Cに出力する。
第1のリスク推移算出部120Cは、例えばスマートメータ(SM)計量値情報、日射強度情報、および太陽光発電(PV)導入情報から発電需要を予測する(ステップS202)。第1のリスク推移算出部120Cは、予測された発電需要に基づいて電力系統システム200における潮流計算を行い(ステップS204)、電力系統システム200の系統混雑度を予測する(ステップS206)。
以下、第4の実施の形態について説明する。上述の実施の形態と同じ箇所については同一符号を付することで説明を省略する。
図17は、第4の実施の形態における電力設備管理システム100Dの一例を示すブロック図である。
電力設備管理システム100Dは、電力系統システム200に含まれる複数の電力設備210を管理する処理を行う情報処理装置である。電力設備管理システム100Dは、例えば、取得部110Dと、第1のリスク推移算出部120Dと、リスク低減幅算出部180と、コスト算出部182と、決定部184と、計画作成部130Dと、第2のリスク推移算出部140と、最適化部150と、情報出力部160Dとを備える。取得部110D、第1のリスク推移算出部120D、リスク低減幅算出部180、コスト算出部182、決定部184、計画作成部130D、第2のリスク推移算出部140と、最適化部150、および情報出力部160Dといった機能部は、例えばCPU等のプロセッサがディスク状記録媒体等に格納された電力設備管理プログラムを実行することにより実現されてよい。これらの機能は、単一の情報処理装置に集約して搭載されてよく、複数の情報処理装置に分散されてもよい。
図17(a)のようにリスクが年々増加する電力設備210において、電力設備210のリスクがリスク閾値に達した時に電力設備210の交換または修正を行うものとする。電力設備210を交換したときの第1のリスク低減幅は、電力設備210を修繕したときの第2のリスク低減幅よりも大きくなる。なお、電力設備210の修繕は、種々の修繕方法のうち電力設備210においてリスク低減幅が最も大きくなるように部品交換などの修繕方法を採用するものとする。このように、リスク低減幅算出部180は、電力設備210ごとに第1のリスク低減幅および第2のリスク低減幅を算出することができる。
コスト算出部182は、リスクが年々増加する電力設備210において、電力設備210のリスクが交換閾値に達した時を電力設備210の交換または修繕の対処時期として計算する。
コスト算出部182は、対処時期に電力設備210の交換を行った場合に、対処時期に第1のリスク低減幅だけ電力設備210のリスクを低減させ、その後、電力設備210のリスクを年々増加させて、再度電力設備210のリスクが交換閾値に達する時期t2を算出する。コスト算出部182は、電力設備210の設置コストと、電力設備210の交換コストと、時期t2までの維持コストを合計したコストを第1のライフサイクルコストとして算出する。
コスト算出部182は、対処時期に電力設備210の修繕を行った場合に、対処時期に第2のリスク低減幅だけ電力設備210のリスクを低減させ、その後、電力設備210のリスクを年々増加させて、再度電力設備210のリスクが交換閾値に達する時期t1を算出する。コスト算出部182は、電力設備210の設置コストと、電力設備210の修繕コストと、時期t1までの維持コストを合計したコストを第2のライフサイクルコストとして算出する。
以下、第5の実施の形態について説明する。上述の実施の形態と同じ箇所については同一符号を付することで説明を省略する。
図20は、第5の実施の形態における電力設備管理システム100E1の一例を示すブロック図であり、図21は、第5の実施の形態における他の電力設備管理システム100E2を示すブロック図である。
電力設備管理システム100E1は、電力系統システム200に含まれる複数の電力設備210を管理する処理を行う情報処理装置である。電力設備管理システム100E1は、例えば、指標推移算出部190と、推奨時期算出部192と、計画作成部130E1と、最適化部150E1と、情報出力部160E1とを備える。指標推移算出部190、推奨時期算出部192、計画作成部130E1、最適化部150E1、および情報出力部160E1といった機能部は、例えばCPU等のプロセッサがディスク状記録媒体等に格納された電力設備管理プログラムを実行することにより実現されてよい。これらの機能は、単一の情報処理装置に集約して搭載されてよく、複数の情報処理装置に分散されてもよい。
最適化部150E1は、電力系統システム200の全体の制約条件に基づいて計画作成部130E1により作成された設備更新計画に含まれる各年の更新対象設備を最適化する。
情報出力部160E1は、最適化部150E1により最適化された設備更新計画を表示させるための情報を出力する。
指標推移算出部190は、取得部1901と、第1のリスク推移算出部1902と、第2のリスク推移算出部1903とを備えてよい。
取得部1901は、各電力設備210の故障によって発生する影響を示す故障時影響情報および各電力設備210の故障確率を示す故障確率情報を取得する。
第1のリスク推移算出部1902は、取得部1901により取得された故障時影響情報および故障確率情報に基づいて各電力設備210の第1のリスク推移を算出する。第1のリスク推移算出部1902は、電力設備210を設置した年度から、年度ごとの電力設備210のリスクを算出し、計画期間における第1のリスク推移を算出する。
第2のリスク推移算出部1903は、各電力設備210を更新した後における各電力設備210の第2のリスク推移を算出する。第2のリスク推移算出部1903は、電力設備210を交換した年度から、年度ごとの電力設備210のリスクを算出し、計画期間における第2のリスク推移を算出する。
電力設備210を現在に新設した場合、電力設備210の第1のリスク算出値は第1基準値R1から次第にR3、R4のように上昇し、第2基準値R2に達すると、略一定値となる。第1のリスク算出値が第2基準値R2に達した時点において電力設備210を交換すると、第2のリスク算出値は、第2のリスクの始点以降から次第上昇し、第2基準値R2に達すると、略一定値となる。なお、第1のリスク推移と第2のリスク推移は同じような計時変化となっていてよいが、同種の他の電力設備210に更新した場合には第2のリスク推移は第1のリスク推移とは異なる計時変化となる。
第1のリスク推移算出部1902により算出される第1のリスク推移と第2のリスク推移算出部1903により算出される各電力設備210の第2のリスク推移との差は、第2のリスク始点T1における差D1から、第2のリスク算出値の変化が小さい時期T2において差D2のように大きくなっていき、第2のリスク算出値が次第に大きくなる時期T3となるほど差D3のように小さくなる。この第1のリスク算出値と第2のリスク算出値との差D1、D2、D3は、電力設備210を交換することにより単年ごとに回避することができるリスクであり、電力設備210を交換するための指標と解釈することができる。したがって、推奨時期算出部192は、各電力設備210を更新することに対する指標が最大となる推奨時期(年度)として、第1のリスク算出値と第2のリスク算出値との差D2が大きく、第2のリスク始点から第2のリスク算出値の変化が小さい期間(年度)を算出することができる。
また、電力設備管理システム100E2によれば、各電力設備210の第1のリスク推移を算出し、各電力設備210を更新した後における各電力設備210の第2のリスク推移を算出し、各電力設備210の第1のリスク推移と各電力設備210の第2のリスク推移との差に基づいて各電力設備210を更新することに対する指標の推移を算出し、各電力設備210を更新することに対する指標が最大となる推奨時期を算出することができる。
これにより電力設備管理システム100E1、E2によれば、リスクを回避するという費用対効果という観点に基づいて更新対象設備を選定して設備更新計画の作成を行うことができる。
Claims (3)
- 電力系統に含まれる複数の電力設備を管理する電力設備管理システムであって、
各電力設備の故障によって発生する影響を示す故障時影響情報および各電力設備の故障確率の推移を示す故障確率情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された故障時影響情報および故障確率情報に基づいて各電力設備のリスク推移を算出する第1のリスク推移算出部と、
前記第1のリスク推移算出部により算出された各電力設備のリスク推移に基づいて各電力設備を交換することによる各電力設備の第1のリスク低減幅を算出し、前記第1のリスク推移算出部により算出された各電力設備のリスク推移に基づいて各電力設備を交換するまでに実施する一又は複数の修繕による各電力設備の第2のリスク低減幅を算出するリスク低減幅算出部と、
各電力設備を修繕しないで交換するまでの第1のライフサイクルコストを算出し、各電力設備に対して修繕を行って交換するまでの第2のライフサイクルコストを算出するコスト算出部と、
前記コスト算出部により算出された前記第1のライフサイクルコストと前記第2のライフサイクルコストとのうち低い方に基づいて各電力設備の交換または修繕を示す交換修繕計画情報を決定する決定部と、
前記決定部により決定された各電力設備の交換修繕計画情報、前記リスク低減幅算出部により算出された前記第1のリスク低減幅、および前記第2のリスク低減幅に基づいて複数の電力設備のリスク推移を合計した各年のリスク目標値を下回るように複数の電力設備から一又は複数の更新対象設備を選択し、選択した更新対象設備を含む設備更新計画を作成する計画作成部と、
前記計画作成部により作成された設備更新計画を表示させるための情報を出力する情報出力部と、
を備える電力設備管理システム。 - 電力系統に含まれる複数の電力設備を管理する電力設備管理方法であって、
電力設備管理システムが、各電力設備の故障によって発生する影響を示す故障時影響情報および各電力設備の故障確率の推移を示す故障確率情報を取得するステップと、
前記電力設備管理システムが、前記故障時影響情報および故障確率情報に基づいて各電力設備のリスク推移を算出するステップと、
前記電力設備管理システムが、算出された各電力設備のリスク推移に基づいて各電力設備を交換することによる各電力設備の第1のリスク低減幅を算出し、算出された各電力設備のリスク推移に基づいて各電力設備を交換するまでに実施する一又は複数の修繕による各電力設備の第2のリスク低減幅を算出するステップと、
前記電力設備管理システムが、各電力設備を修繕しないで交換するまでの第1のライフサイクルコストを算出し、各電力設備に対して修繕を行って交換するまでの第2のライフサイクルコストを算出するステップと、
前記電力設備管理システムが、算出された前記第1のライフサイクルコストと前記第2のライフサイクルコストとのうち低い方に基づいて各電力設備の交換または修繕を示す交換修繕計画情報を決定するステップと、
前記電力設備管理システムが、決定された各電力設備の交換修繕計画情報、算出された前記第1のリスク低減幅、および前記第2のリスク低減幅に基づいて複数の電力設備のリスク推移を合計した各年のリスク目標値を下回るように複数の電力設備から一又は複数の更新対象設備を選択し、選択した更新対象設備を含む設備更新計画を作成するステップと、
前記電力設備管理システムが、作成された設備更新計画を表示させるための情報を出力するステップと、
を含む、電力設備管理方法。 - 電力系統に含まれる複数の電力設備を管理する情報処理装置のコンピュータに、
各電力設備の故障によって発生する影響を示す故障時影響情報および各電力設備の故障確率の推移を示す故障確率情報を取得するステップと、
前記故障時影響情報および故障確率情報に基づいて各電力設備のリスク推移を算出するステップと、
算出された各電力設備のリスク推移に基づいて各電力設備を交換することによる各電力設備の第1のリスク低減幅を算出し、算出された各電力設備のリスク推移に基づいて各電力設備を交換するまでに実施する一又は複数の修繕による各電力設備の第2のリスク低減幅を算出するステップと、
各電力設備を修繕しないで交換するまでの第1のライフサイクルコストを算出し、各電力設備に対して修繕を行って交換するまでの第2のライフサイクルコストを算出するステップと、
算出された前記第1のライフサイクルコストと前記第2のライフサイクルコストとのうち低い方に基づいて各電力設備の交換または修繕を示す交換修繕計画情報を決定するステップと、
決定された各電力設備の交換修繕計画情報、算出された前記第1のリスク低減幅、および前記第2のリスク低減幅に基づいて複数の電力設備のリスク推移を合計した各年のリスク目標値を下回るように複数の電力設備から一又は複数の更新対象設備を選択し、選択した更新対象設備を含む設備更新計画を作成するステップと、
作成された設備更新計画を表示させるための情報を出力するステップと、
を実行させる、電力設備管理プログラム。
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2024
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