JP7546751B2 - シミュレーション方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の評価に用いるシミュレーション方法及び装置に関する。
近年、運転支援技術や自動運転技術として、車両が自律的に走行する技術開発が行われている。これら技術は運行上発生し得る様々なシーンに対応する必要があり、安全性を確保する上で、非常に多くの評価が必要となっている。しかし、全ての評価を実車両による走行実験で行うことは困難となってきている。したがって、実車両による走行実験の代わりにシミュレーションによる評価を行うことが不可欠である。
車両が自律的に動作する際の評価手法として、評価の必要なシナリオを洗い出し、洗い出したシナリオでテストを実施する流れがある。シナリオによるテストの実施にはシナリオを具体的に定義するパラメータを決めた上で、当該条件を満たす実験を再現する必要がある。すなわち、シミュレーションを行う際にも、当該条件を満たすシナリオを再現するために、評価対象車両及びその周辺車両等の挙動を指示する手段が必要となる。
評価対象車両及び周辺車両等の挙動を指示する手段として、特許文献1にはシナリオ記述言語を用いる手法が開示されている。シナリオ記述言語では条件を定義して、当該条件を満たすまで、何らかの動作の実行または他の何らかの条件判断の実行を待たせることが可能である。
特表2020-502615号公報
自律的に動作する車両を評価するためのシナリオをシミュレーション上で再現するには、評価対象車両に影響を与えると考えられる周辺の車両等で構成される交通参加者(以下、移動物や移動体と呼ぶ場合がある)が、当該シナリオの開始時点において、位置や速度、加速度など、シナリオの初期条件を満たす状態とする必要がある。さらに、評価対象車両はシナリオ開始前から周辺状況を継続的に確認しているので、周辺の交通参加者は実際の交通環境で発生し得る自然な振る舞いを経て、シナリオの初期条件を満たす状態にする必要がある。しかも、評価対象車両は自律的に動作するため、その振る舞い自体が周辺の交通参加者の状況で変化し得る。したがって、評価対象車両がシナリオを開始する位置に到達する時刻、すなわちシナリオ開始時刻も変化するので、周辺の交通参加者の動きをシナリオにあわせて予め固定的に指定することも困難である。
シナリオ開始時刻の変化に対応させるために、何等かの条件を定義して、条件発生時に周辺車両の速度や加速度等を定義するパラメータを変化させて調整することは原理的には可能である。しかし、多数の移動物の関係を考慮した上で、各移動物に不自然な動きをさせずに、シナリオ開始位置で所望の状態を発生させる条件や条件発生時のパラメータ変更内容を定義するのは非常に難しく、調整が大変である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、評価シナリオをシミュレーション上で再現する際、周辺の各交通参加者のシナリオ開始時の位置及び挙動を、シナリオ開始時のパラメータから容易に再現でき、シナリオ開始に至る周辺の各交通参加者の挙動も自然にすることができるシミュレーション方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によるシミュレーション方法は、車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整することを特徴とする。
また、本発明によるシミュレーション装置は、車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整することを特徴とする。
本発明によれば、評価シナリオをシミュレーション上で再現する際、周辺の各交通参加者のシナリオ開始時の位置及び挙動を、シナリオ開始時のパラメータから容易に再現でき、シナリオ開始に至る周辺の各交通参加者の挙動も自然にすることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
シミュレーション実行手順の例を示すフローチャート。 シミュレーション実行に用いる道路の例を示す概略図。 自車走行定義の例を示す図。 シナリオ開始条件の定義の例を示す概略図。 他車の速度計画(移動計画)の例を示す図。 他車の速度計画(移動計画)の更新例を示す図。 自車の時刻と走行距離の関係の例を示す図。 他車に対する加速度指令の生成方法の例を実行する装置構成図。 シミュレーション装置の構成例を示す図。 図1におけるシミュレーション実行手順の各処理と図9におけるシミュレーション装置の各部の関係の例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。以降の説明では、評価対象車両を自車と表現する。周辺の交通参加者(移動物、移動体)は他車、自転車、及び歩行者など、より具体的な表現を用いる場合がある。また、自車は評価対象となる運転支援機能や自動運転機能を有することを前提とし、運転支援機能及び自動運転機能を纏めて運転制御機能と称する。
[シミュレーション方法]
本発明によるシミュレーションによる評価方法(シミュレーション方法)を実施する手順に関し、図1を用いて説明する。本発明による評価方法(シミュレーション方法)は、車両挙動のシミュレーションを行う方法である。
(自車走行定義作成S110)
最初に、自車走行定義作成S110で評価対象とする自車走行を定義する。例えば、図2に示す道路にて評価を行う場合に、自車200と他車X(310)、他車Y(320)、及び路肩の駐車車両360による評価シナリオを考えたと仮定し、自車200がシナリオ開始位置Le(201)で発生する事象を評価する場合、図3に示すような方法で自車200の走行を定義する。
図3に示すように、自車走行の定義は1つ以上のステップに分けて定義し、各ステップには、ステップを実行する期間、目標速度及び目標横位置を指定する。期間としては、走行距離、指定走行位置への到達、当該ステップの継続時間などによる指定が考えられる。より複雑な定義を行いたい場合には、指定した条件、例えば指定速度以上まで継続するなどの指定方法を用いても良い。図3に示す各ステップの内容は後述する。
(自車走行タイミング取得S120)
自車走行タイミング取得S120では、自車200がシミュレーション開始からいつの時点で、どこを走行しているかの関係(すなわち、評価対象車両の自車200の時刻と位置ないし走行距離の関係)を取得する。例えば、シミュレーションで取り扱う移動体として自車200だけを定義した状態でシミュレーションを実行し(換言すれば、評価対象車両の自車200を単独で走行させてシミュレーションを実行し)、時刻と自車200の位置ないし走行距離の関係を予め取得する。ここで時刻とは、シミュレーションの中の世界で取り扱う仮想的な時刻である。以降、特に明記しない限り、「時刻」とはシミュレーションの中の世界で取り扱う仮想的な時刻を指すものとし、「時間」もシミュレーションの中の世界で取り扱う時間とする。
自車走行タイミング取得S120でシミュレーションを実行する際には、シミュレーションの初期化など、シミュレーション実行に必要な前後処理も行う。また、自車200以外の移動体をシミュレーションから除外する以外は、道路の条件などを含めて評価シナリオと同じ条件でシミュレーションを行う。但し、静止物であっても周辺交通参加者についてはシミュレーションに含めない場合も考えられる。例えば、自車200の走行に影響の少ない駐車車両はシミュレーションに含めない場合も考えられる。
(周辺交通参加者の移動計画策定S130)
周辺交通参加者の移動計画策定S130では、シナリオに関係する自車200以外の各移動体それぞれの移動計画(以下、速度計画や走行計画と呼ぶ場合がある)、すなわちシミュレーション開始時の位置及び向き、シミュレーション実行時の時刻と速度及び向きの関係を策定する。この際、自車走行タイミング取得S120で得た自車200がシナリオ開始位置Le(201)を通過するシミュレーション時刻(以下、評価対象車両の自車200の挙動を検証するためのシナリオの開始時点、あるいは、シナリオ開始予測時刻とも呼ぶ)に、移動体それぞれがシナリオ開始時の状態(位置、速度など)として指定された値となるように移動計画の策定を行う。言い換えれば、自車走行タイミング取得S120で評価対象車両の自車200を単独で走行させてシミュレーションを実行して得られた自車200の時刻と位置の関係を参照し、自車200がシナリオ開始位置Le(201)に到達するシミュレーション時刻を算出し(求め)、自車走行タイミング取得S120で得た自車200がシナリオ開始位置Le(201)を通過するシミュレーション時刻に、移動体それぞれがシナリオ開始時の状態(位置、速度など)として指定された値となるように、移動体の移動(走行や挙動とも呼ぶ)を調整する。指定される値は、位置、速度、加速度、向きなどが考えられるが、歩行者の場合に腕の振り具合を追加するなど、他の要素を追加する場合も考えられる。
以下、前述の周辺交通参加者の移動計画策定S130で策定された移動計画を用いて、自車200及び各移動体を含めたシミュレーションを開始する。シミュレーション実行初期化S140からシミュレーション結果記録S180までは、実際に評価対象とするシナリオ(車両評価シナリオ)のシミュレーションを実行する部分である。このシミュレーションにおける自車200に対する走行定義は、自車走行タイミング取得S120で用いた走行定義と同一の走行定義を用いる。
(シミュレーション実行初期化S140)
シミュレーション実行初期化S140では、シミュレーションに必要な各種初期化を行う。この初期化には、自車200及び周辺交通参加者の初期状態の設定も含まれる。
シミュレーション1ステップ実行S150からシミュレーション終了判定S170の範囲は、シミュレーション実行に際し繰返し実行する部分である。
(シミュレーション1ステップ実行S150)
シミュレーション1ステップ実行S150は、シミュレーションの刻み時間分時刻を進める処理である。ここでは、時刻を進めるとともに、進んだ時刻分に対応して、シミュレーションする物理現象を表す全てのパラメータを更新する処理を行う。車両の走行に関わる物理現象をある程度精度を保ってシミュレーションするため、刻み時間は1ms程度であることを想定する。但し、目的に応じて刻み時間を変更する場合も考えられる。
各周辺交通参加者の物理現象を表すパラメータは、それぞれの移動計画になるべく従いながら、シナリオ開始時点においてそれぞれのシナリオ開始時点における位置と一致するようにフィードバック制御で補償する形で、次の値を決定する。但し、自車200や別の交通参加者への衝突回避を優先した調整を行ったうえで、優先すべき事象がないときに限り、移動計画に沿わせるような制御を行っても構わない。
(周辺交通参加者の移動計画更新S160)
周辺交通参加者の移動計画更新S160では、前述のシミュレーション時刻(シナリオ開始時点)における自車200の走行位置からシナリオ開始時刻を予測(推定)し直し、予測したシナリオ開始時刻に各周辺交通参加者のシナリオ開始における挙動(指定された位置、速度など)を満たすよう、それぞれの周辺交通参加者の移動計画の見直し(更新)を行う。換言すれば、前述のシミュレーション時刻(シナリオ開始時点)における自車200の走行位置から、シナリオ開始時点における指定された位置であるシナリオ開始位置に自車200が到達する予測時刻を求め直し、自車200がシナリオ開始位置に到達する予測時刻において、各周辺交通参加者の位置及び速度が指定された値となるよう(各周辺交通参加者が指定された位置及び速度となるよう)、それぞれの周辺交通参加者の移動を調整する。さらに換言すれば、前述のシミュレーション時刻(シナリオ開始時点)における自車200の走行位置から、前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した(前記予測時刻に変化がある)場合には、当該予測時刻の変化に応じてそれぞれの周辺交通参加者の移動計画の更新を行い、それぞれの周辺交通参加者の移動を調整する。
自車200は、周辺交通参加者の状況変化により、自車走行タイミング取得S120で得た走行とは挙動(位置、速度など)が変化し得るので、シナリオ開始時刻を予測し直す必要がある。また、シナリオ開始時刻の変化に合わせて周辺交通参加者の速度に単純にフィードバック制御をかけると、周辺交通参加者の挙動(位置、速度など)が不自然になったり、シナリオ開始時の挙動に関する条件を満たすことができなくなり得たりするため、移動計画の見直しを行ったうえで、移動計画に対するずれをフィードバック制御で補償する。
(シミュレーション終了判定処理S170)
シミュレーション終了判定処理S170は、シナリオ開始後、決められた時間の経過や、自車200が決まった位置に到達したことを検出するなどの方法で、シミュレーションの終了判定を行う。シミュレーションを終了しない場合は、シミュレーション1ステップ実行S150に戻り、シミュレーションの実行を継続する。
シミュレーション実行の終了判定では、シナリオの開始前後にかかわらず、自車200が自車200の周辺に存在する移動物である周辺交通参加者などの何かに衝突(接触)したり、周辺交通参加者に評価上許容されない状況、例えば周辺交通参加者間で衝突(接触)が発生したり、自車200や周辺交通参加者の速度が想定範囲外となる(所定の速度範囲を逸脱した)状況が一定時間以上継続するなど、評価失敗や評価結果NGとなるケースを検出した場合にも、シミュレーション終了と判断しても良い。シナリオ開始時にシナリオ開始時の条件を満たしていない場合も評価失敗と考え、シミュレーション終了と判断しても良い。但し、シナリオ開始時の位置、速度、加速度などの条件は様々な要因で完全一致は難しいので、ある程度許容幅をもって、許容幅を逸脱した場合に評価失敗とみなす対応が必要である。すなわち、自車200がシナリオ開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置を通過した際に、自車200や周辺交通参加者の状態を確認し、シナリオ開始時点における条件から所定の範囲以上逸脱した場合も評価失敗と考え、シミュレーション終了と判断しても良い。
シミュレーション終了判定処理S170にこのような判断を加えることで、評価結果NG確定後の無駄なシミュレーション実行時間を削減でき、また自車200が衝突回避などの事情で停車してしまい、シミュレーションが終了しない問題を回避できる。このような機能は、大量のシミュレーションを自動で連続実行する上で重要となる。
(シミュレーション結果記録S180)
シミュレーション結果記録S180では、シミュレーションによる評価結果NGが発生したか、評価上許容されないケースが発生したか、あるいは評価結果OKとなったかを記録する。記録の際、自車200や周辺交通参加者それぞれのシミュレーション終了時の様々な状態を表すパラメータや、シミュレーション実行期間中の位置や速度などの主要なパラメータのログも合わせて記録して、後の分析に利用することも考えられる。
(自車走行定義作成S110の具体例)
自車200の走行定義方法の例について、図2に示す道路を走行することを想定して、図3を用いて説明する。なお、図3の各ステップの内容、値等は一例であって、これに限られない。
図3の各ステップは、通常ステップ番号の順に従って順次実行する。但し、予め指定する特定の条件が発生した場合に、指定したステップへ直接移行する場合も考えられる。各ステップでは、「期間」で指定された期間、実行を継続する。「期間」は、時間、走行距離、走行位置などを用いて表現することが可能である。
各ステップでは、支障がない限り、目標速度及び目標横位置で指定される値を目指すよう、自車200に対して指示する。目標横位置は、走行レーン及び走行レーン内でのレーン中央からのズレを用いて示す。衝突の危険性や交通ルール順守など、目標より優先すべき事象が発生した場合には、自車200はそれらの事象への対応を優先して行うことを想定する。
図3に示す例では、以下に示すような自車200の走行を期待する。
まずステップ1は、シミュレーション開始時の位置Le0(211)から合流路460を走行中に対応し、自車200は走行開始後、時速40km/hまで加速し、なるべく40km/hを維持するように走行する。但し、道路のカーブがきつい等、運転制御機能が40km/hでの走行が適切でないと判断して減速しても構わない。
合流路460の走行を終了し加速車線470に入ると、ステップ2の指示に従い、100km/hまで加速する。この際、本線走行車両等の影響で本線410への合流に支障があるなど、運転制御機能が止むを得ないと判断した結果、100km/h以外の速度で走行する状況が発生しても構わない。
ステップ2で加速走行距離走行後、ステップ3に入り、自車200は5秒間かけて目標横位置で指定された本線410のレーン及びレーン内の横位置に移動する。横位置の指定には、レーン識別情報とレーン内の横位置オフセットを用いる。ここでは、進行方向右側のレーンから順にレーンA、レーンBとし、レーン内の横位置のオフセットは進行方向左側を正の方向として取り扱うものとする。
横位置を目標に合わせる際には、原則として指定された期間で目標に合わせるように自車200が操舵制御することを想定する。しかし、自車200は、移動先のレーンの状況に応じて、運転制御機能がレーン変更開始を遅延させても構わないし、運転制御機能が止むを得ないと判断した場合には、目標速度より減速あるいは加速しても構わない。また、周辺との関係などにより、指定された期間で横移動が完了できないケースがあっても構わない。なお、目標横位置に属性を付加し、最大操舵角や移動所要時間を別途属性として指定し、当該ステップで指定する期間にかかわらず、属性で指示される値に従って操舵制御する方法を用いても構わない。
移動先のレーン及びレーン内の横位置に移動完了後、ステップ4で、評価シナリオ直前の加減速開始位置までレーン内を走行する。レーン内走行中に他の車両との関係で運転制御機能が止むを得ないと判断した場合には、目標速度より減速あるいは加速しても構わない。
ステップ4が終了すると、ステップ5に入り、自車200は、シナリオ開始に向け目標速度である120km/hまで加速しようとする。これは、シナリオ開始までに120km/hに達することを自車200に要求することを意味せず、あくまで目標を120km/hにするということである。したがって、シナリオ開始位置の到達時点で120km/hに達しないこともあるし、他の車両との接触を回避するために、運転制御機能により120km/h以下の速度での走行を行う場合もある。シナリオ開始位置に自車200が到達した時点で120km/hに達していない場合には、後段のステップ6でも120km/hを目標速度とするので、自車200は加速を継続することになり、加速中のシナリオも評価できる。ステップ5及びステップ6の目標速度がステップ4の最終状態の速度より遅い速度を指定すれば、自車200が減速中のシナリオを評価できる。
ステップ5までは評価シナリオ開始前の準備走行に対応する。ステップ5までの準備走行により、自車200の挙動を検証するためのシナリオ開始時点の条件に対応した位置、速度、加速度を調整することができる。
自車200がステップ5の期間で指定したシナリオ開始位置Le(201)に到達すると、ステップ6に移行し、シナリオに対応した走行が開始される。ステップ6では、目標速度はステップ5の指定を継続し、目標横位置を変更する。すなわち、走行上支障がない限り、自車200は、5秒間でレーンA中央から右に5cmの位置へ移動を行おうとする。
ステップ6が完了すると、ステップ7で、ステップ6と同じ状態を指定する。目標横位置を直前のステップから変更しない場合において、自車200の横移動がなにかしらの事情で未完了な場合、ステップ7で指定した期間に影響されず、ステップ6で指定した期間に対応した横移動のペースを継続する。
ステップ7は、未完了の横移動の継続期間として時間を確保する意味に加えて、シナリオ実行完了後にも安定した走行が行われるかを確認する期間の意味もある。シナリオ自体は正常に終了したとしても、シナリオ終了時において著しく車間が狭いなどの危険な状況が考えられ、その後、周辺交通参加者などと衝突が発生する可能性もあるので、ステップ7で、シナリオ実行完了後の状況を暫く継続して確認する。
(周辺交通参加者の移動計画策定S130の具体例)
周辺交通参加者の移動計画策定の例について説明する。図4に示すシナリオ開始条件を想定し、周辺交通参加者として他の自動車(他車)を対象にした移動計画の策定例を図5に示す。図5に示す移動計画の策定例では縦方向(道に沿う方向)の計画のみを速度計画として示すが、必要に応じ、横位置の計画、あるいは走路に対する向きの計画などを付加することも考えられる。この例ではシナリオ開始までを対象とし、他車については横位置オフセットを考慮せず、走行するレーンのみを考慮する。シナリオ開始後、周辺交通参加者は、それぞれシナリオで定義された加減速や車線変更などに従い挙動を再現することになる。移動計画は、周辺交通参加者それぞれの挙動特性に合わせて、車両とは異なる計画を用いて構わない。例えば、歩行者用移動計画、自転車用移動計画などを用意することも考えられる。
移動計画として速度計画を用いる、換言すれば、移動計画の策定は速度により行うことで、1次の積分で移動距離ないし位置が算出でき、1次の微分で加速度を算出できるため、位置、速度、加速度を考慮した計画が容易になり、速度の連続性も保証し易い、換言すれば、速度が連続的に変化するように計画し易い利点がある。
図4に示すシナリオでは、自車200が位置Le(201)に到達した際にシナリオ開始となり、シナリオ開始時の自車200は速度Ve(204)及び加速度Ae(206)となる。道路上の位置Lp(361)には駐車車両360が路肩に止まっている(図2も併せて参照)。シナリオ開始時の自車200の位置Le(201)を指定することは、駐車車両360との位置関係を規定する上で必要である。また、道路の曲率や勾配が変化している場合、所望の道路条件下で評価を行う上でも、道路上のどこでシナリオを開始するかは重要となる。
周辺交通参加者として、他車X(310)と他車Y(320)が存在する。シナリオ開始時点で、他車X(310)は、自車200の距離Df1(312)後方のレーンAに、速度Vf1(314)、加速度Af1(316)で走行する。他車Y(320)は、自車200の距離Df2(322)前方のレーンBに、速度Vf2(324)、加速度Af2(326)で走行する。
策定する他車の速度計画の例を図5に示す。速度計画は、他車X(310)、他車Y(320)それぞれに対して策定する必要があるが、同じ考え方で策定できるので、便宜的に一部の他車X(310)に関する値を参照して、速度計画の策定例を説明する。
ここでの速度計画の策定は、図5に示すように時刻の経過に応じて順次、等速(時刻Tp0(530)~Tp1(531)の期間)、加速度変更(時刻Tp1(531)~Tp2(532)の期間)、等加速度(時刻Tp2(532)~Tssi(550)の期間)となるように策定する。加速度変更は、車両が加速度を変更するのに要する期間の挙動として、簡易的に2次関数、すなわち加速度が直線的に変化するとして取り扱う。
時刻Tssi(550)は、自車走行タイミング取得S120で自車200がシナリオ開始位置Le(201)に到達する時刻として得られた(予測された)時刻であり、シミュレーション開始初期のシナリオ開始予測時刻となる。
他車X(310)の速度510の変化を規定するために、速度Vfp0(511)、Vfp1(512)、Vfp2(513)及び時刻Tp0(530)、Tp1(531)、Tp2(532)の算出が必要となる。速度Vf(515)はシナリオ開始時の速度であるため、他車X(310)の速度計画では速度Vf1(314)(図4)に等しい。
速度510の変化の規定に必要な速度の算出は、初期シナリオ開始予測時刻Tssi(550)から時刻を戻る方向で順に行う。
まず自車200の評価のために十分と考えられる他車X(310)の加速あるいは減速走行時間を考慮して、時刻Tssi(550)からその時間前になるように時刻Tp2(532)を決定する。時刻Tp2(532)から時刻Tssi(550)の時間は、5秒や10秒などに固定して取り扱っても良い。
時刻Tp2(532)が決まれば時刻Tssi(550)における加速度Af(516)、すなわち速度の変化量は、シナリオ開始条件から加速度Af1(316)(図4)と規定されるので、速度Vfp2(513)が求まる。もし、速度Vfp2(513)が他車X(310)の走行速度として想定範囲外となる(所定の速度範囲を逸脱する)ようであれば、時刻Tp2(532)を時刻Tssi(550)に近づけて速度Vfp2(513)が想定範囲内になるよう調整する。
時刻Tp2(532)及び速度Vfp2(513)を算出した後に、時刻Tp1(531)と速度Vfp1(512)の算出を行う。まず時刻Tp1(531)を算出するために、時刻Tp1(531)から時刻Tp2(532)までの時間を決定する。この時間は、当該期間で変化させたい加速度から、比例計算や表参照などにより行う。あるいはより簡易的に固定値を用いることも考えられる。時刻Tp1(531)から時刻Tp2(532)までの時間が求まれば、時刻Tp2(532)から時刻Tp1(531)を算出できる。
速度Vfp1(512)を算出するためには、時刻Tp1(531)と時刻Tp2(532)の期間の時刻と速度の関係を示す関数を求める。時刻Tp1(531)から時刻Tp2(532)の期間の時刻と速度の関係は2次関数として定義することにしたので、その関係を示す関数は0次~2次の係数を求めれば決定できる。これらの係数は、時刻Tp1(531)及び時刻Tp2(532)で速度及び加速度を連続的に変化させることを条件とすれば求まる。この際、時刻Tp1(531)では加速度が0、時刻Tp2(532)では加速度がAf(516)となること、時刻Tp1(531)及び時刻Tp2(532)が算出済みであることに注意する。
時刻Tp1(531)から時刻Tp2(532)の期間の時刻と速度の関係を示す関数より、速度Vfp1(512)は以下の数式1で算出できることが分かる。
Figure 0007546751000001
数式1が示すように、速度Vfp1(512)は、加速度Af(516)に依存して速度Vfp2(513)との関係に制約を受ける。Af(516)が0の場合には、Vfp1(512)は速度Vfp2(513)と等しい必要がある。Af(516)が正(加速)の場合、速度Vfp1(512)は速度Vfp2(513)より必ず小さく、Af(516)が負(減速)の場合、速度Vfp1(512)は速度Vfp2(513)より必ず大きくする必要がある。速度Vfp1(512)が他車X(310)の走行速度として想定範囲外となる(所定の速度範囲を逸脱する)ようであれば、想定範囲内となるように、時刻Tp1(531)を時刻Tp2(532)に近づけて対応するか、そのようなシナリオは発生しないとして判断して評価対象外として取り扱う対応をする必要がある。
速度Vfp0(511)については、時刻Tp0(530)から時刻Tp1(531)の期間を等速走行としているので、速度Vfp1(512)と等しくなる。
時刻Tp0(530)については、速度計画を基に計算した時刻Tssi(550)までの走行距離が、シミュレーションで用いる道路でのシナリオ開始位置Le(201)までの走行距離、例えば図2に示す道路では位置(シミュレーション開始時の他車の位置)L0(301)から位置(シナリオ開始位置)Le(201)の走行距離と等しくなるように求める。
シナリオ開始条件によっては、時刻Tp0(530)が時刻Tp1(531)や時刻Tp2(532)より後の時刻になる場合もあり得る。そのような場合、時刻Tp1(531)から時刻Tssi(550)までの速度計画より算出できる時刻Tp0(530)から時刻Tssi(550)の期間の走行距離が、位置L0(301)から位置Le(201)の走行距離に一致するよう時刻Tp0(530)を算出すればよい。
シミュレーション実行時には、当該速度計画に対応する他車を、位置L0(301)より時刻Tp0(530)に走行開始させる。走行開始時の他車の速度は、停止状態ではなく、速度計画に合わせた速度とする。
シナリオ開始条件によっては、時刻Tp0(530)が負、すなわちシミュレーション開始前の時刻となる場合がある。そのような場合には、時刻Tp0(530)は時刻0に設定して、速度計画から時刻0から時刻Tssi(550)の期間に走行する走行距離を算出し、シナリオ開始位置Le(201)から当該走行距離分前の位置から他車を走行開始して対応すればよい。
シミュレーション開始時に他車が最初から速度を有すると、シミュレーション開始時点で自車200が突然走行中の他車を検出し、自車200の運転制御機能にとって想定外の状況となる場合には、自車200の正しい評価が困難になる可能性がある。このような状況を避けるためには、図2に示したような道路を用い、自車200を合流路460から、他車(他車X(310)や他車Y(320))を本線410から走行させることで、換言すれば、自車200は、自車200の周辺に存在する他車(他車X(310)や他車Y(320))が存在する道路とは異なる道路から当該他車(他車X(310)や他車Y(320))が存在する道路(走行レーン)に合流させることで、自車200の外界センシング範囲外から他車を走行させれば良い。また、自車200と他車を異なる道路から合流させることで、シミュレーション開始時の自車200と他車の速度差による問題や、自車200の前後に他車を配置するシナリオを再現する際の問題にも対処可能となる。
(周辺交通参加者の移動計画更新S160の具体例)
周辺交通参加者の移動計画更新S160で行う移動計画更新方法の例について、図5に示した速度計画(移動計画)に対応付けて図6を用いて説明する。
図6では、時刻Tc(565)における移動計画の更新を示している。時刻Tc(565)において、自車200の走行状況から推定して、シナリオ開始予測時刻が初期シナリオ開始予測時刻Tssi(550)から時間dT(568)早まって、更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)になった(変化した)状況を示している。なお、この予測時間の変化は、シミュレーションの実行中の任意のタイミングで判断する。このような場合、前述の予測時間の変化に対応して、初期速度計画551を全体的に時間dT(568)早め、更新速度計画556に更新する。
速度計画の更新により、シナリオ開始までの計画上の走行距離は面積575で示される領域に変化し、実際にシナリオ開始までに必要な走行距離との間に乖離が発生するが、その乖離を無くすように別途フィードバック制御を行い走行速度にオフセットを与えることで、補償用の走行距離として面積570を付加する。すなわち、他車の移動計画の更新の結果は、策定された移動計画を時間的に(時間軸方向に)ずらした計画であり、他車の移動計画の更新の結果に基づくとシナリオ開始時点における他車の位置までの距離に対して過不足する移動距離を補償する調整を加えて速度計画の更新を行い、他車の挙動を調整し直す。なお、更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)が遅くなる場合もあるので、面積570は、負(速度を減少させる方向)にはたらく場合もある。また、シミュレーション実行中は1ステップ実行毎に速度計画を更新し、実際にシナリオ開始までに必要な走行距離も逐次減少するので、計画上の走行距離と実際にシナリオ開始までに必要な走行距離の関係も逐次変化する。したがって、補償用の走行距離(面積570に対応)も逐次変化するため、フィードバック制御量も逐次変化することになる。
シナリオ開始予測時刻の更新方法の例を、図6に対応させながら、図7を用いて説明する。図7は、自車走行タイミング取得S120で取得した時刻と自車200の走行距離の関係710を示している。
時刻Tc(565)(図6)において、自車200の走行距離がLec(307)である場合、図7に示す関係から、自車200は時刻Tcp(567)相当の状態にあると推定する。この場合、更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)(図6)の初期シナリオ開始予測時刻Tssi(550)に対する早まり時間dT(568)(図6)は、時刻Tcp(567)から時刻Tc(565)を引いた値であると推定する。
他車に対する加速度指令の生成方法の例を図8に示す。移動計画の策定は速度計画を用いて行ったが、他車の挙動を現実的にするために、他車の挙動に対する指示は加速度を用いて行う。別途、他車の想定性能に応じた速度制限を行った上で、加速度の範囲(指定時間当たりの速度変化範囲)を制限することで、極端な速度変化を抑制することができ、他車に現実的な挙動を行わせることができる。これは他車以外の周辺交通参加者(自転車、歩行者など)でも、制限の範囲は異なるが同様である。他車を含む周辺交通参加者の向きも、必要に応じて角速度だけでなく角加速度を制限して、挙動を現実的な範囲とすることが考えられる。また、同じ種類の周辺交通参加者であっても、必要に応じて制限の範囲を変えても構わない。
シナリオ開始時刻予測部650では、図7を用いて示した方法などで、更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)を算出する。時刻シフトした速度計画策定部660では、図6で示したように更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)に合わせて速度計画全体を時間軸方向にずらす。
計画加速度計算部680では、時刻シフトした速度計画に対する現在時刻の加速度を計算する。速度計画が関数で定義されるのであれば、速度計画を解析的に微分して加速度を算出すればよい。速度計画が速度値のリストであれば、現在時刻周辺の速度値を基に数値計算で微分値を算出する必要がある。本実施例では速度計画を関数として表現可能な形で扱っているので、解析的に微分して加速度を算出できる。
計画加速度計算部680は、更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)に合わせた速度計画を基に加速度を計算しており、速度計画はシナリオ開始時の条件である速度及び加速度に合わせたものであるので、基本的には計画加速度計算部680の結果に合わせるように他車を制御すれば、当該他車の速度及び加速度はシナリオ開始時の条件を満たすことができる。
予測シナリオ開始時刻までの計画距離計算部670では、時刻シフトした速度計画を用いて現在時刻から更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)までに走行する走行距離を計算する。すなわち、現在時刻から更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)までの範囲の速度を積分する。より具体的には、図6の領域575に相当する面積を求める。
現在時刻から更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)までに走行する走行距離を求めるために速度計画を示す関数の積分が必要であるが、この際、解析的に定積分をしても構わないし、数値的に近似計算をしても構わない。
シナリオ開始までの実残距離計算部610では、速度計画の対応する他車の現在位置から当該他車がシナリオ開始時点で存在すべき位置までの走行距離(残距離)を計算する。
シナリオ開始までの実残距離計算部610の結果と予測シナリオ開始時刻までの計画距離計算部670の結果の差を減算器620で算出し、減算器620の出力から補正用加速度計算部630で補正用加速度を計算する。補正用加速度の計算にはPID制御などを用いれば良い。但し、入力が距離の差であるので、加速度の形で値を出力するよう調整する必要がある。また、入力は目標とするシナリオ開始位置までの残距離であり、速度が上がるほど残距離の減少ペースが速まる方向であるので、符号に注意する必要がある。
補正用加速度の効果は、図6の領域570のような形で、速度計画の対応した他車の速度に現れ、シナリオ開始時刻において、当該他車をシナリオ開始条件で指定された位置に合わせる効果がある。なお、領域570の形状はあくまで例であり、補正用加速度計算部630の実装方法や計算に用いるパラメータにより変化する。
計画加速度計算部680の出力と補正用加速度計算部630の出力を加算器640で加算して目標とする加速度を求め、加速度制限部690で加速度の範囲に制限を加える。加速度、すなわち、ある指定時間あたりの速度変化の範囲に制限を加えることで、補正用加速度計算部630の絶対値が大きくなりすぎ、加速や減速が非現実的になることを防止できる。ここで、ある指定時間とは、シミュレーションの1ステップに相当する時間などが考えられる。
加速度制限部690の出力が加速度指令695となり、速度計画に対応する他車のモデルに対する加速度要求となる。
他車モデルは、衝突を避けるために、当該他車の周辺状況により加速度指令695に従わないケースも考えられるが、補正用加速度計算部630の効果により、当該他車の周辺状況による障害がなくなり次第、シナリオ開始時に存在すべき位置(シナリオ開始位置)に到達するようにフィードバックがかかる。
通常、シナリオ開始時刻に近づくにつれて、シナリオ開始時刻の予測精度は高まり、シナリオ開始までの実残距離計算部610の出力と予測シナリオ開始時刻までの計画距離計算部670の出力の差も小さくなり、更新シナリオ開始予測時刻Tssu(555)の変化も小さくなる。したがって、速度計画に載せる補正量も補正用加速度計算部630の出力も小さくなり、速度及び加速度の速度計画に対する差も小さくなり、シナリオ開始時点でシナリオ開始条件に近い状況を作り出すことができる。
[シミュレーション装置]
以上説明した評価方法(シミュレーション方法)を用いてシミュレーション装置を構成した例を図9に示す。また、図1におけるシミュレーション実行手順の各処理と図9におけるシミュレーション装置の各部の関係の例を図10に示す。
シミュレーション装置900は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のメモリ等を備えるコンピュータとして構成されている。シミュレーション装置900の各機能は、ROMに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって実現される。RAMは、プロセッサが実行するプログラムによる演算の中間データ等を含むデータを格納する。
本実施例のシミュレーション装置900は、前述した車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するもので、図9に示すように、周辺移動物初期移動計画策定部810、周辺移動物移動計画更新部820、周辺移動物挙動モデル部830、自車挙動比較部840、シナリオ条件設定部910、自車走行計画策定部920、ドライバモデル部930、自車運転制御モデル部940、自車挙動モデル部950、環境再現部960、周辺センサモデル部970、環境データ提供部980、挙動記録部990、結果確認部995を含んで構成される。また、周辺移動物初期移動計画策定部810、周辺移動物移動計画更新部820、周辺移動物挙動モデル部830、自車挙動比較部840は、周辺移動物の制御に関わる周辺移動物制御部800を構成している。
(シナリオ条件設定部910)
シナリオ条件設定部910は、図4に示したようなシナリオ開始条件の他、シナリオ開始後の自車200及び各周辺交通参加者の挙動指示を外部、例えばファイル等からシミュレータに取り込む。
(自車走行計画策定部920、環境データ提供部980)
シナリオ条件設定部910で取り込んだ情報を基に、自車200に関する情報から、自車走行計画策定部920で自車200の走行計画が策定され、周辺交通参加者以外や静止物(シミュレーション中に全く動かない駐車車両など)に関する情報から、環境データ提供部980で道路を含む環境データとして構築される。
(周辺移動物初期移動計画策定部810)
他車を含む周辺移動物に関する情報から、周辺移動物初期移動計画策定部810でシミュレーション開始時点での移動計画が策定される。但し、周辺移動物初期移動計画策定部810が移動計画を策定するためには挙動記録部990より提供されるシナリオ開始予測時刻(シナリオ開始時点における指定された位置であるシナリオ開始位置に自車が到達する予測時刻であって、自車走行タイミング取得S120で取得されて挙動記録部990に保存された時刻)が必要となる上、周辺移動物制御部800に含まれる部分は周辺移動物が存在しない状況のシミュレーションでは動作不要なため、自車走行タイミング取得S120におけるシミュレーションを実施する場合には動作しない。
(ドライバモデル部930)
自車走行計画策定部920で策定された走行計画を基に、時刻に応じた走行計画に対応する指令がドライバモデル部930及び自車運転制御モデル部940に供給される。走行計画上、自車200の運転者が操作すべき内容はドライバモデル部930を介して自車運転制御モデル部940に供給される。自車走行計画策定部920から自車運転制御モデル部940に直接接続する経路があるのは、自車運転制御モデル部940の評価上、ドライバからは入力できない情報に対応するためである。例えば、この経路により、目標速度などドライバからは直接的に値を入力できないケースや、ドライバからは設定できない範囲であっても評価上設定したいケースに対応することが可能になる。
(自車運転制御モデル部940)
自車運転制御モデル部940は、運転支援や自動運転の制御を行うモデルであり、本シミュレーション装置900による主要な評価対象である。自車運転制御モデル部940は、周辺センサモデル部970から得た自車200の周辺状況に基づく判断と自車走行計画策定部920やドライバモデル部930から出力される指示に従って、自車200のアクセル、ブレーキ、操舵などの走行に必要な指示を自車挙動モデル部950へ出す。
(自車挙動モデル部950)
自車挙動モデル部950は、自車運転制御モデル部940からの指示、及び環境再現部960からの道路に関する情報(路面の状態や勾配など)を基に、自車200の挙動計算を行う。
(環境再現部960)
環境再現部960は、環境データ提供部980から得られる道路及び道路周辺物や駐車車両の情報、自車挙動モデル部950から得られる自車200の挙動情報、及び周辺移動物挙動モデル部830から得られる周辺移動物の挙動情報を基に、シミュレータ内の仮想空間を再現する。
(周辺センサモデル部970)
環境再現部960で再現した仮想空間の情報は、周辺センサモデル部970に提供され、周辺センサモデル部970は、提供された情報を基に、自車200の周辺センサ(カメラ、レーダ、Lidar、超音波、GNSSなど)を模擬し、それら周辺センサの出力に相当する情報を自車運転制御モデル部940に提供する。周辺センサモデル部970は、一部に限定される場合もあるが、本シミュレーション装置900による主要な評価対象になり得る。
(挙動記録部990)
環境再現部960で再現した仮想空間に関する情報は挙動記録部990にも提供され、挙動記録部990は、自車200や周辺移動物の位置情報や挙動情報など、評価に必要となる情報を時系列で記録する。この際、衝突(接触)など何かイベントが発生した際に、より詳細な情報を記録することも考えられる。
(結果確認部995)
挙動記録部990で記録した情報は結果確認部995に提供され、評価結果NGケースや評価に失敗したケースなどの抽出などに用いられる。
なお、本実施例の結果確認部995には異常挙動を確認する機能も有するため、この機能を用いて異常終了判定も行う。必要な期間の情報を全て取得したことを確認する上で挙動記録部990も終了判定には必要である。
また、本実施例では、シミュレーション実行中の途中経過は挙動記録部990で行い、最終的な確認結果(自車が正常に走行完了したか、他車への接触や緊急ブレーキなどの異常によりシミュレーション終了したか等)は結果確認部995により行う。
(周辺移動物初期移動計画策定部810)
周辺移動物初期移動計画策定部810では、前述の周辺交通参加者の移動計画策定S130で行う内容に相当する処理を行う(図4及び図5を併せて参照)。
(周辺移動物移動計画更新部820、自車挙動比較部840)
周辺移動物初期移動計画策定部810の出力と、自車挙動比較部840から得られる自車200の単独走行により挙動記録部990で取得した位置情報に対する周辺移動物も含めてシミュレーションを行っている状況での自車200の位置情報の比較結果を基に、周辺移動物移動計画更新部820は、予測時間の変化(更新シナリオ開始予測時刻)に応じた移動計画の更新を行い、各周辺移動物に対して挙動の指示(挙動を調整する指示)を出す。この移動計画の更新は、前述の周辺交通参加者の移動計画更新S160の処理に相当し、図5、図6、図7及び図8を用いて説明した内容である。
(周辺移動物挙動モデル部830)
周辺移動物挙動モデル部830は、周辺移動物移動計画更新部820からの挙動指示に従い、環境再現部960から得られる仮想空間の状況も考慮した上で、各周辺移動物をそれぞれの挙動モデルに従い、移動させる。移動させた結果は環境再現部960に提供され、仮想空間の状況の更新に用いられる。
なお、自車運転制御モデル部940は、評価対象となる運転支援や自動運転の制御を行う実際のソフトウェアや電子制御装置である場合も考えられる。周辺センサモデル部970も部分的な場合もあるが、評価対象となる周辺センサを構成する実際のソフトウェアや電子制御装置を用いる場合も考えられる。
本実施例に示す方法及び装置を用いることで、自動運転機能や運転支援機能を、評価シナリオに沿う形でシミュレーションする場合、評価シナリオ開始状態に至る状況を評価シナリオの初期条件から自動的に、かつ、周辺車両等の移動物に現実的な動きをさせて発生させることができる。したがって、評価対象である自車200の内部状態を評価シナリオ開始前から現実に発生し得る状態にした上での評価シナリオによる評価を容易に実施可能となる。
[実車両への搭載例]
本実施例に示す方法及び装置は、実際の車両等に搭載することで、実際の交通環境において、自車200と周辺交通参加者の位置関係がリスクの高い状況になることを防止するために活用することも考えられる。すなわち、予めリスクの高い位置、速度、加速度関係を車両に搭載するシステムに登録しておき、そのような状況になりそうと予測できる場合には、自車200から周辺交通参加者に対してリスクの低い状態となるよう速度計画の変更を要求し、周辺交通参加者はその要求が適切かを判断した上で、速度計画を見直すことが考えられる。
[作用効果]
以上で説明したように、本実施例のシミュレーション方法は、車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、対象車両(自車200)の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻(シナリオ開始予測時刻)を求め、前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう(前記移動物が前記指定された位置及び速度となるよう)、指定時間当たりの速度変化範囲(加速度範囲)を制限して前記移動物の移動を調整する(前記移動物の移動計画の更新を行う)。
また、前記予測時刻ならびに前記指定された前記移動物の位置及び速度に基づいて、前記移動物の移動計画を策定し、前記策定された移動計画を用いて、前記対象車両及び前記移動物を含めたシミュレーションを開始し、前記シミュレーションの実行中の任意のタイミングで前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した(前記予測時刻に変化がある)場合には、当該予測時刻の変化に応じて前記移動物の移動計画の更新を行う。
また、本実施例のシミュレーション装置は、車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、コンピュータ(プロセッサ)が、対象車両(自車200)の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻(シナリオ開始予測時刻)を求め、前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう(前記移動物が前記指定された位置及び速度となるよう)、指定時間当たりの速度変化範囲(加速度範囲)を制限して前記移動物の移動を調整する(前記移動物の移動計画の更新を行う)。
また、コンピュータ(プロセッサ)が、前記予測時刻ならびに前記指定された前記移動物の位置及び速度に基づいて、前記移動物の移動計画を策定し、前記策定された移動計画を用いて、前記対象車両及び前記移動物を含めたシミュレーションを開始し、前記シミュレーションの実行中の任意のタイミングで前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した(前記予測時刻に変化がある)場合には、当該予測時刻の変化に応じて前記移動物の移動計画の更新を行う。
言い換えれば、まず、シナリオ開始からある程度手前の時刻となるシミュレーション実行開始時からシナリオ開始までの期間の評価対象車両(自車200)の時刻と位置の関係を、シミュレーション上で評価対象車両を単独走行させるなどの方法で、基準となる関係として取得する。そして、評価対象車両がシナリオ開始位置を通過するタイミングに合わせ、周辺の車両等で構成される各交通参加者の動きがシナリオ開始時に所望の状態となるよう、周辺の交通参加者ごとに挙動計画を策定する。シナリオによる評価をシミュレーション上で実行する際、評価対象車両の時刻と位置の基準となる関係と実際の評価対象車両の位置から、周辺の各交通参加者の挙動計画を適宜更新し、更新した挙動計画に合わせつつ評価対象車両がシナリオ開始位置を通過する際にシナリオの開始に存在すべきそれぞれの位置に各交通参加者が到達するように、各交通参加者の挙動に対しフィードバック制御を行う。フィードバック制御を行う際に、各交通参加者の挙動が不自然とならないように、パラメータの変化範囲(指定時間当たりの速度変化範囲)に制約を与える。
本実施例によれば、評価シナリオをシミュレーション上で再現する際、周辺の各交通参加者のシナリオ開始時の位置及び挙動を、シナリオ開始時のパラメータから容易に再現でき、シナリオ開始に至る周辺の各交通参加者の挙動も自然にすることができる。
言い換えれば、自律的に動作する車両を評価するためのシナリオをシミュレーション上で再現する(自動運転/運転支援機能の評価シナリオに基づき車両のシミュレーションを行う際に、シナリオ開始状態を自動的に再現する)際に、当該シナリオの開始時点において、位置や速度、加速度など、シナリオの初期条件を満たす状態を、実際の交通環境で発生し得る自然な振る舞いを経る形で、容易にできるようになる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
S110…自車走行定義作成、S120…自車走行タイミング取得、S130…周辺交通参加者の移動計画策定、S140…シミュレーション実行初期化、S150…シミュレーション1ステップ実行、S160…周辺交通参加者の移動計画更新、S170…シミュレーション終了判定処理、S180…シミュレーション結果記録、200…自車、201…自車のシナリオ開始位置Le、204…シナリオ開始時の自車の速度Ve、206…シナリオ開始時の自車の加速度Ae、211…シミュレーション開始時の自車の位置Le0、301…シミュレーション開始時の他車の位置L0(但し、移動計画上シナリオ開始位置から最も遠くに配置できる場合)、307…現在の自車の位置Lec、310…他車X、312…シナリオ開始時の他車Xの自車からの相対距離Df1、314…シナリオ開始時の他車Xの速度Vf1、316…シナリオ開始時の他車Xの加速度Af1、320…他車Y、322…シナリオ開始時の他車Yの自車からの相対距離Df2、324…シナリオ開始時の他車Yの速度Vf2、326…シナリオ開始時の他車Yの加速度Af2、360…駐車車両、361…駐車車両の位置Lp、410…本線、460…合流路、470…加速車線、510…他車の速度計画、511…他車の走行開始速度Vfp0、512…他車の加速度変更期間に入る際の速度Vfp1、513…他車の等加速度期間に入る際の速度Vfp2、515…他車のシナリオ開始時の速度Vf、516…他車のシナリオ開始時の加速度Af、530…他車の走行開始時刻Tp0、531…他車の加速度変更期間に入る時刻Tp1、532…他車の等加速度期間に入る時刻Tp2、550…他車の初期シナリオ開始予測時刻Tssi、551…他車の初期速度計画(移動計画)、555…他車の更新シナリオ開始予測時刻Tssu、556…他車の更新した速度計画(移動計画)、565…現在のシミュレーション時刻Tc、567…予め取得した自車と走行距離の関係から求めた位置に相当する時刻Tcp、568…初期シナリオ開始予測時刻に対する早まり時間dT、570…補正した走行距離を表す領域、575…更新した速度計画(移動計画)における現在からシナリオ開始予測時刻までの走行距離を表す領域、610…シナリオ開始までの実残距離計算部、620…減算器、630…補正用加速度計算部、640…加算器、650…シナリオ開始時刻予測部、660…時刻シフトした速度計画策定部、670…予測シナリオ開始時刻までの計画距離計算部、680…計画加速度計算部、690…加速度制限部、695…加速度指令、710…予め取得した自車と走行距離の関係、800…周辺移動物制御部、810…周辺移動物初期移動計画策定部、820…周辺移動物移動計画更新部、830…周辺移動物挙動モデル部、840…自車挙動比較部、900…シミュレーション装置、910…シナリオ条件設定部、920…自車走行計画策定部、930…ドライバモデル部、940…自車運転制御モデル部、950…自車挙動モデル部、960…環境再現部、970…周辺センサモデル部、980…環境データ提供部、990…挙動記録部、995…結果確認部

Claims (19)

  1. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション方法において、
    前記予測時刻ならびに前記指定された前記移動物の位置及び速度に基づいて、前記移動物の移動計画を策定し、前記策定された移動計画を用いて、前記対象車両及び前記移動物を含めたシミュレーションを開始し、
    前記シミュレーションの実行中の任意のタイミングで前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した場合には、当該予測時刻の変化に応じて前記移動物の移動計画の更新を行うことを特徴とする、シミュレーション方法。
  2. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション方法において、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する前記予測時刻を算出するために、前記対象車両を単独で走行させてシミュレーションを実行し、当該シミュレーションを実行して得られた前記対象車両の時刻と位置の関係を参照することを特徴とする、シミュレーション方法。
  3. 請求項2に記載のシミュレーション方法において、
    前記予測時刻ならびに前記指定された前記移動物の位置及び速度に基づいて、前記移動物の移動計画を策定し、前記策定された移動計画を用いて、前記対象車両及び前記移動物を含めたシミュレーションを開始し、
    前記シミュレーションの実行中の任意のタイミングで前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した場合には、当該予測時刻の変化に応じて前記移動物の移動計画の更新を行うことを特徴とする、シミュレーション方法。
  4. 請求項1又は3に記載のシミュレーション方法において、
    前記移動物の移動計画の策定は速度により行い、前記速度が連続的に変化するように前記移動物の移動計画を計画することを特徴とする、シミュレーション方法。
  5. 請求項1又は3に記載のシミュレーション方法において、
    前記移動物の移動計画の更新の結果は、前記策定された移動計画を時間的にずらした計画であり、
    前記移動物の移動計画の更新の結果に基づくと前記シナリオの開始時点における前記移動物の位置までの距離に対して過不足する移動距離を補償する調整を加えて前記移動物の挙動を調整することを特徴とする、シミュレーション方法。
  6. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション方法において、
    前記対象車両は、前記対象車両の周辺に存在する移動物が存在する道路とは異なる道路から前記移動物が存在する道路に合流させることを特徴とする、シミュレーション方法。
  7. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション方法において、
    前記対象車両及び前記対象車両の周辺に存在する移動物の少なくとも1つが所定の速度範囲を逸脱した際にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション方法。
  8. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション方法において、
    前記対象車両が前記対象車両の周辺に存在する移動物と接触した際にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション方法。
  9. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション方法において、
    前記対象車両の周辺に存在する移動物が他の前記対象車両の周辺に存在する移動物と接触した際にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション方法。
  10. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション方法において、
    前記対象車両が前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置を通過した際に、前記対象車両及び前記対象車両の周辺に存在する移動物の状態を確認し、前記シナリオの開始時点における条件から所定の範囲以上逸脱した場合にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション方法。
  11. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する前記予測時刻を算出するために、前記対象車両を単独で走行させてシミュレーションを実行し、当該シミュレーションを実行して得られた前記対象車両の時刻と位置の関係を参照することを特徴とする、シミュレーション装置。
  12. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記予測時刻ならびに前記指定された前記移動物の位置及び速度に基づいて、前記移動物の移動計画を策定し、前記策定された移動計画を用いて、前記対象車両及び前記移動物を含めたシミュレーションを開始し、
    前記シミュレーションの実行中の任意のタイミングで前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した場合には、当該予測時刻の変化に応じて前記移動物の移動計画の更新を行い、
    前記移動物の移動計画は、前記シナリオ開始位置まで連続的な速度計画とすることを特徴とする、シミュレーション装置。
  13. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記予測時刻ならびに前記指定された前記移動物の位置及び速度に基づいて、前記移動物の移動計画を策定し、前記策定された移動計画を用いて、前記対象車両及び前記移動物を含めたシミュレーションを開始し、
    前記シミュレーションの実行中の任意のタイミングで前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した場合には、当該予測時刻の変化に応じて前記移動物の移動計画の更新を行い、
    前記移動物の移動計画の策定は速度により行い、前記速度が連続的に変化するように前記移動物の移動計画を計画することを特徴とする、シミュレーション装置。
  14. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記予測時刻ならびに前記指定された前記移動物の位置及び速度に基づいて、前記移動物の移動計画を策定し、前記策定された移動計画を用いて、前記対象車両及び前記移動物を含めたシミュレーションを開始し、
    前記シミュレーションの実行中の任意のタイミングで前記予測時刻に変化があるかを判断し、前記予測時刻が変化した場合には、当該予測時刻の変化に応じて前記移動物の移動計画の更新を行い、
    前記移動物の移動計画の更新の結果は、前記策定された移動計画を時間的にずらした計画であり、
    前記移動物の移動計画の更新の結果に基づくと前記シナリオの開始時点における前記移動物の位置までの距離に対して過不足する移動距離を補償する調整を加えて前記移動物の挙動を調整することを特徴とする、シミュレーション装置。
  15. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記対象車両は、前記対象車両の周辺に存在する移動物が存在する道路とは異なる道路から前記移動物が存在する道路に合流させることを特徴とする、シミュレーション装置。
  16. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記対象車両及び前記対象車両の周辺に存在する移動物の少なくとも1つが所定の速度範囲を逸脱した際にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション装置。
  17. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記対象車両が前記対象車両の周辺に存在する移動物と接触した際にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション装置。
  18. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記対象車両の周辺に存在する移動物が他の前記対象車両の周辺に存在する移動物と接触した際にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション装置。
  19. 車両挙動のシミュレーションを行うシミュレーション方法を実現するシミュレーション装置であって、
    対象車両の挙動を検証するためのシナリオの開始時点における前記対象車両の位置及び速度、ならびに、前記対象車両の周辺に存在する移動物の位置及び速度を指定し、
    前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置に前記対象車両が到達する予測時刻を求め、
    前記対象車両が前記シナリオ開始位置に到達する予測時刻において、前記移動物の位置及び速度が指定された値となるよう、指定時間当たりの速度変化範囲を制限して前記移動物の移動を調整するシミュレーション装置において、
    前記対象車両が前記シナリオの開始時点における前記指定された位置であるシナリオ開始位置を通過した際に、前記対象車両及び前記対象車両の周辺に存在する移動物の状態を確認し、前記シナリオの開始時点における条件から所定の範囲以上逸脱した場合にシミュレーションを終了することを特徴とする、シミュレーション装置。
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