JP7527133B2 - 端子付き電線およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、端子付き電線およびその製造方法に関する。
端子付き電線として、たとえば、被覆電線の導体部に端子が圧着接続された構成が知られている。被覆電線の導体部は、たとえば複数の素線で構成されている。このような端子付き電線は、たとえば車両に搭載されたワイヤハーネスを構成している。端子付き電線の端子は、たとえばハウジングに収容されてコネクタを構成しており、ワイヤハーネス同士の接続に用いられる。
また、たとえば車両の電動化に対応して、端子付き電線に流される電流量も増加している。端子付き電線に大電流を流す場合は、導体部の断面積が比較的大きい被覆電線が用いられる。
また、ワイヤハーネスの軽量化のために、構成材料としてアルミニウムを含む素線を用いた端子付き電線の使用が提案されている。以下、構成材料としてアルミニウムを含む素線をアルミニウム素線(Al素線)と記載する場合がある。
ここで、端子付き電線において、導体部が複数の素線で構成されている場合、導体部の断面積が大きくするために、たとえば素線の本数が多くすると、他の素線を挟んで互いに離間した素線が多くなるので、素線間の導通性が低下し、素線間抵抗が増大しやすくなる。素線間抵抗が増大すると、端子付き電線における接続抵抗が大きくなる場合がある。接続抵抗とは、たとえば端子付き電線の端子同士を接続した場合に接続箇所において生じる電気抵抗である。なお、導体部が複数のAl素線で構成される場合は、Al素線の表面には絶縁性の酸化被膜が形成されやすいため、素線間抵抗がさらに増大しやすくなる。
特許文献1~8には、アルミニウムやアルミニウム合金からなるAl素線で構成される被覆電線を備えた端子付き電線であって、素線同士を超音波接合によって接合して、素線間の導通性を確保する技術が開示されている。超音波接合によれば、アーク溶接や抵抗溶接よりも低出力で接合ができるので、導体部の断面積が大きく太径の場合にも適し、またはんだのように異種金属を用いる場合と異なりガルバニック腐食が発生しないので好適である。
特開2003-217784号公報 特開2011-82127号公報 特開2019-96568号公報 特開2019-96569号公報 特開2019-96570号公報 特開2019-96572号公報 特開2019-93444号公報 特開2019-93445号公報
しかしながら、特許文献1~8では、素線同士が超音波接合によって接合された超音波接合部に、端子が圧着接続されている。この場合、端子の圧着時に端子から超音波接続部へ掛かる力によって超音波接合部が破壊されて、かえって電気的に劣化する場合があるので、超音波接合部における所望の導通状態が実現できない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、超音波接合部の電気的な劣化を抑制できる端子付き電線およびその製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明の一態様は、アルミニウムを構成材料として含む複数の素線で構成される導体部と、前記導体部を被覆する被覆部と、を有し、前記導体部が前記被覆部から露出した露出部を有する被覆電線と、前記露出部に圧着接続された端子と、を備え、前記露出部は、前記複数の素線が超音波接合によって接合された超音波接合部と、前記複数の素線が接合されていない非接合部とを有しており、前記端子のうち、前記非接合部に圧着接続されている部分の長さが、前記超音波接合部に圧着接続されている部分よりも長い端子付き電線である。
前記超音波接合部は、前記露出部において前記端子が圧着接続されている部分に対して前記被覆部とは反対側に位置するものでもよい。
前記超音波接合部は、前記露出部において前記端子が圧着接続されている部分に対して前記被覆部と同じ側に位置するものでもよい。
前記超音波接合部は、前記露出部において前記端子が圧着接続されている部分に対して前記被覆部とは反対側と前記被覆部と同じ側との両方に位置するものでもよい。
前記被覆部のうち前記超音波接合部と隣接する部分が前記導体部と溶着しているものでもよい。
前記端子は、前記露出部においては前記非接合部にのみ圧着接続されているものでもよい。
本発明の一態様は、アルミニウムを構成材料として含む複数の素線で構成される導体部と、前記導体部を被覆する被覆部と、を有し、前記導体部が前記被覆部から露出した露出部を有する被覆電線を準備する工程と、前記露出部の一部に超音波接合を施して、前記複数の素線が超音波接合によって接合された超音波接合部と、前記複数の素線が接合されていない非接合部とを前記露出部に形成する工程と、前記被覆電線の前記導体部に端子を圧着接続する工程と、を含み、前記圧着接続する工程では、前記端子のうち、前記非接合部に圧着接続されている部分の長さが、前記超音波接合部に圧着接続されている部分よりも長くなるように、圧着接続を行う端子付き電線の製造方法である。
本発明に係る端子付き電線およびその製造方法は、超音波接合部の電気的な劣化を抑制できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る端子付き電線の模式的な斜視図である。 図2は、実施形態1に係る端子付き電線の一部の模式的な側面図である。 図3は、実施形態1に係る端子付き電線の製造方法の説明図である。 図4は、実施形態1に係る端子付き電線の製造方法の説明図である。 図5は、実施形態1に係る端子付き電線の製造方法の説明図である。 図6は、実施形態2に係る端子付き電線の一部の模式的な側面図である。 図7は、実施形態3に係る端子付き電線の一部の模式的な側面図である。 図8は、実施形態4に係る端子付き電線の説明図である。 図9は、実施形態4に係る端子付き電線の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する要素には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
また、図1において、端子付き電線における方向や向きを示すために、長手方向における先端側と基端側を規定しているが、他の図においても当該規定を適用して方向や向きを規定する場合がある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る端子付き電線の模式な斜視図である。図2は、実施形態1に係る端子付き電線の一部の模式的な側面図である。図1、2に示すように、端子付き電線100は、被覆電線10と、端子20とを備えている。
被覆電線10は、導体部11と、被覆部12とを有している。
導体部11は、アルミニウムを構成材料として含む複数の素線(Al素線)で構成される。Al素線は、たとえば純度の高いアルミニウムやアルミニウム合金からなる。また、導体部11は、Al素線が撚られて構成されてもよいし、撚られていなくてもよい。長手方向と垂直な断面における導体部11の断面積は、特に限定されないが、たとえば20mm2(20sq)以上100mm2(100sq)以下であり、比較的太い。なお、導体部11の断面積とは、導体部11を構成するAl素線の断面積の総和、すなわち総断面積である。
被覆部12は、導体部11を被覆する。被覆部12は、絶縁性を有するたとえばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンやノンハロゲン材料などの樹脂からなる。被覆部12を構成する樹脂には、可塑剤などの添加剤が添加されていてもよい。
導体部11は、被覆部12から露出した露出部11aを有する。露出部11aは、端子付き電線100の長手方向における被覆電線10の先端側に位置し、被覆部12は露出部11aよりも基端側に位置する。このような露出部11aは、たとえば被覆電線10の先端部において被覆部12を剥離することによって形成される。
端子20は、いわゆるオープンバレル型の圧着端子であり、たとえば加締めることによって、被覆電線10における導体部11の露出部11aに圧着接続されている。端子20は、たとえば表面に錫メッキ処理が施された黄銅などの銅合金からなる板材が加工されて形成される。端子20は、先端側から基端側に向かって順次接続された、端子接続部21、トランジション部22、導体圧着部23、および被覆圧着部24を有する。
端子接続部21は、本実施形態では雌型圧着端子の接続構造からなり、先端側から基端側に向かって延伸し、雄型圧着端子が有する挿入タブが挿入される中空四角柱体である。なお、本実施形態では、端子接続部21は雌型圧着端子の接続構造であるが、接続構造はこれに限定されず、雄型圧着端子や丸型圧着端子などの他の形状の接続構造であってもよい。
トランジション部22は、端子接続部21と導体圧着部23とを接続する部分である。
導体圧着部23は、圧着接続前は長手方向に垂直な断面がU字形状であって、長手方向に延伸した形状を有する。導体圧着部23は、図1に示す圧着接続後は、露出部11aの長手方向における一部の外周を取り囲むように露出部11aに圧着接続されている。
被覆圧着部24は、導体圧着部23と同様に、圧着接続前は長手方向に垂直な断面がU字形状であって、長手方向に延伸した形状を有する。被覆圧着部24は、図1に示す圧着接続後は、被覆部12の先端側に近い部分の外周を取り囲むように被覆部12に圧着接続されている。導体圧着部23と被覆圧着部24とは図面下側で連結している。
なお、導体圧着部23の露出部11aに圧着される内表面には、複数のセレーションとして、セレーション23a、23b、および23cが形成されている。セレーション23a、23b、および23cは、導体圧着部23のU字形状に沿ってU字形状に延びる溝または突起であり、導体圧着部23の先端側からこの順番で並んでいる。セレーション23a、23b、および23cは、圧着接続の際に露出部11aに食い込み、露出部11aの外周側にあるAl素線の酸化被膜を破壊する。これによって端子20と導体部11との間の導通性が向上する。
ここで、露出部11aは、非接合部11aaと、超音波接合部11abとを有する。超音波接合部11abは、複数のAl素線が超音波接合によって接合された部分である。非接合部11aaは、複数のAl素線が接合されていない部分である。図2からもわかるように、本実施形態では、超音波接合部11abが先端側に位置し、非接合部11aaが超音波接合部11abよりも基端側に位置し、導体圧着部23によって端子20が非接合部11aaに圧着接続されている。すなわち、本実施形態では、超音波接合部11abが、露出部11aにおいて端子20が圧着接続されている部分に対して被覆部12とは反対側に位置している。
ここで、露出部11aにおいて端子20が圧着接続されている部分とは、圧着接続後における導体圧着部23の断面における内側の範囲の面積が、圧着接続前における露出部11aの断面の面積よりもある程度小さい状態となっている部分である。このような部分では、導体圧着部23が露出部11aに圧力を掛けた状態であり、圧着接続された部分ということができる。また、導体圧着部23の長手方向においてセレーション23a、23b、および23cが形成された範囲では、セレーション23a、23b、および23cが露出部11aに食い込んでいる状態であるので、端子20がより確実に圧着接続されている部分ということができる。
したがって、端子付き電線100では、端子20は、露出部11aにおいては非接合部11aaにのみ圧着接続されている。
以上のように構成された端子付き電線100では、導体部11の露出部11aが超音波接合部11abを有するので、Al素線間の導通性が確保できる。また、端子付き電線100では、端子20が、露出部11aにおいては非接合部11aaにのみ圧着接続されているので、超音波接合部11abの電気的な劣化を大幅に抑制または防止できる。
また、端子付き電線100では、超音波接合部11abが、露出部11aにおいて端子20が圧着接続されている部分に対して被覆部12とは反対側に位置するので、超音波接合部11abが露出部11aの先端側に位置することとなる。これにより、複数のAl素線の先端側が一体化されるため界面が少なくなり、通常は腐食しやすい先端側、特に先端部が腐食しにくくなる。
(端子付き電線の製造方法)
つぎに、端子付き電線100の製造方法の一例を、図3~図5を参照して説明する。
はじめに、図3に示すように、被覆電線10の先端部において所望の長さだけ被覆部12を剥離して、導体部11の所望の長さだけ露出させ、露出部11aを形成する工程を行う。この工程は露出部11aを有する被覆電線10を準備する工程の一例である。
つづいて、図4に示すように、露出部11aの一部である先端部に、超音波接合装置のホーンHを押圧して超音波接合を施す工程を行う。これにより、超音波接合部11abと非接合部11aaとを露出部11aに形成する。超音波接合により、Al素線の表面の酸化被膜は除去され、Al素線の新生面同士が接合するため、素線間の導通性が確保される。
つづいて、被覆電線10の導体部11に端子20を圧着接続する工程を実行する。具体的には、図5に示すように、被覆電線10と端子20とを重ね合わせる。この際に、露出部11aのうち非接合部11aaが導体圧着部23の位置になり、超音波接合部11abが導体圧着部23よりもトランジション部22側(先端側)の位置になり、被覆部12の先端側の一部が被覆圧着部24の位置になるようにする。
つづいて、圧着接続用の工具や装置を用いて、端子20の外周に圧力を加えて加締める。これにより、端子20は、導体圧着部23のセレーション23a、23bおよび23cが形成されている面が非接合部11aaと接触して非接合部11aaを包み込み、被覆圧着部24が被覆部12の一部を包み込む。その結果、導体圧着部23は非接合部11aaの外周に沿って接触して圧着接続される。また、被覆圧着部24は被覆部12の外周に沿って接触して圧着接続される。この際、セレーション23a、23bおよび23cは非接合部11aaに食い込み、端子20と非接合部11aaとの間の導通性を向上させる。以上により、端子付き電線100が完成する。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る端子付き電線の一部の模式的な側面図である。図6に示すように、端子付き電線100Aは、被覆電線10と、端子20とを備えている。
端子付き電線100Aと、図1、2に示す端子付き電線100との主な相違点は、超音波接合部11abと非接合部11aaとの位置関係が異なる点である。以下ではこの相違点について主に説明する。
図6に示すように、本実施形態では、非接合部11aaが先端側に位置し、超音波接合部11abが非接合部11aaよりも基端側に位置する。すなわち、本実施形態では、超音波接合部11abが、露出部11aにおいて端子20が圧着接続されている部分に対して被覆部12と同じ側に位置する。
また、端子付き電線100Aでは、端子20は、露出部11aにおいては非接合部11aaにのみ圧着接続されている。なお、境界11acは、超音波接合部11abと非接合部11aaとの境界である。本実施形態では境界11acは、端子付き電線100の場合と同様に導体圧着部23と重ならない位置に存在する。
以上のように構成された端子付き電線100Aでは、端子付き電線100と同様に、超音波接合部11abによってAl素線間の導通性が確保でき、超音波接合部11abの電気的な劣化を大幅に抑制または防止できる。
また、端子付き電線100Aでは、超音波接合部11abが、露出部11aにおいて端子20が圧着接続されている部分に対して被覆部12と同じ側に位置するので、超音波接合部11abが被覆部12の端部12aにより近くなる。その結果、被覆部12の端部12aと露出部11aとのクリアランスから被覆電線10の内部へ浸水がしにくくなる。特に、被覆部12のうち超音波接合部11abと隣接する部分である端部12aが導体部11と溶着していれば、止水性や耐食性が一層高くなる。このような溶着は、超音波接合部11abを形成するときに同時にかつ容易に行うことができる。
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係る端子付き電線の一部の模式的な側面図である。図7に示すように、端子付き電線100Bは、被覆電線10と、端子20とを備えている。
端子付き電線100Bと、端子付き電線100、100Aとの主な相違点は、超音波接合部11abと非接合部11aaと導体圧着部23との位置関係が異なる点である。以下ではこの相違点について主に説明する。
図7に示すように、本実施形態では、露出部11aにおいて超音波接合部11abが、非接合部11aaに対して先端側と基端側との両方に位置する。すなわち、本実施形態では、超音波接合部11abが、露出部11aにおいて端子20が圧着接続されている部分に対して、被覆部12と反対側と同じ側との両方に位置する。
本実施形態では、非接合部11aaと、被覆部12側の超音波接合部11abとの境界11acは、端子付き電線100Aの場合とは異なり導体圧着部23と重なる位置に存在する。ただし、境界11acは、導体圧着部23の長手方向においてセレーション23a、23b、および23cが形成された範囲とは重ならない位置に存在する。
以上のように構成された端子付き電線100Bでは、端子付き電線100、100Aと同様に、超音波接合部11abによってAl素線間の導通性が確保でき、超音波接合部11abの電気的な劣化を大幅に抑制または防止できる。
また、端子付き電線100Bでは、超音波接合部11abが、露出部11aにおいて端子20が圧着接続されている部分に対して被覆部12と反対側と同じ側との両方に位置する。これにより、通常は腐食しやすい露出部11aの先端側、特に先端部が腐食しにくくなるとともに、被覆電線10の内部へ浸水がしにくくなる。特に、被覆部12の端部(図6における端部12a)が導体部11と溶着していれば、止水性や耐食性が一層高くなる。
また、本実施形態では、境界11acが、導体圧着部23と重なる位置に存在する。そのため、被覆部12側の超音波接合部11abの一部が、導体圧着部23と重なっているので、圧着接続されている可能性がある。しかしながら、本実施形態では、端子20の導体圧着部23のうち、非接合部11aaに圧着接続されている部分の長さが、超音波接合部11abに圧着接続されている部分よりも長い。さらには、境界11acが、導体圧着部23の長手方向においてセレーション23a、23b、および23cが形成された範囲とは重ならない位置に存在するので、超音波接合部11abの電気的な劣化は抑制されている。
(実施形態4)
図8、9は、実施形態4に係る端子付き電線の説明図である。実施形態4に係る端子付き電線は、図8に示す端子20Aを備えている。図8では端子20Aが圧着接続される前の形状を示している。端子20Aは、いわゆるオープンバレル型の圧着端子であり、たとえば加締めることによって、被覆電線10における導体部11の露出部11aに圧着接続される。端子20Aは、たとえば表面に錫メッキ処理が施された黄銅などの銅合金からなる板材が加工されて形成される。端子20Aは、先端側から基端側に向かって順次接続された、端子接続部21A、導体圧着部23A、および被覆圧着部24Aを有する。
端子接続部21Aは、本実施形態では丸型圧着端子の接続構造からなる。
導体圧着部23は、圧着接続前は平板状で、端子20Aの長手方向に垂直に延びる角丸四角形状である。導体圧着部23では、セレーション23Aa、23Ab、および23Acが、長手方向(図面上下方向)に垂直な方向に延びており、導体圧着部23Aの先端側からこの順番で並んでいる。範囲A1はセレーション23Aa、23Ab、および23Acが形成された範囲である。
被覆圧着部24Aは、導体圧着部23Aと同様に、圧着接続前は平板状で、端子20Aの長手方向に延びる垂直な角丸四角形状である。導体圧着部23と被覆圧着部24とは長手方向において連結している。
実施形態4に係る端子付き電線を製造する場合は、図9に示すように、露出部11aを有する被覆電線10を端子20Aと重ね合わせて圧着接続を行う。被覆電線10は、図7に示す被覆電線10のように、露出部11aにおいて超音波接合部11abが非接合部11aaに対して先端側と基端側との両方に位置するものである。被覆電線10を端子20Aと重ね合わせる際には、非接合部11aaと被覆部12側の超音波接合部11abとの境界11ac、および、非接合部11aaと被覆部12側とは反対側の超音波接合部11abとの境界11adの両方が、範囲A1の内側に位置しないように配置される。その後、圧着接続を行うことで、実施形態4に係る端子付き電線が完成する。
以上のような実施形態4に係る端子付き電線は、超音波接合部11abの一部が、導体圧着部23Aと重なっているので、圧着接続されている可能性がある。しかしながら、端子20Aの導体圧着部23Aのうち、非接合部11aaに圧着接続されている部分の長さが、超音波接合部11abに圧着接続されている部分よりも長い。さらには、境界11ac、11adが、セレーション23Aa、23Ab、および23Acが形成された範囲A1とは重ならない位置に存在するので、超音波接合部11abの電気的な劣化は抑制されている。
なお、上記実施形態1、2では、端子20は、露出部11aにおいては非接合部11aaにのみ圧着接続されている。この場合、端子20のうち、超音波接合部11abに圧着接続されている部分の長さは零であるので、非接合部11aaに圧着接続されている部分の長さの方が長いと言える。したがって、実施形態1~4のいずれを製造する場合においても、圧着接続する工程では、端子のうち、非接合部に圧着接続されている部分の長さが、超音波接合部に圧着接続されている部分よりも長くなるように、圧着接続を行う。
また、上記実施形態において、超音波接合部の一部が、圧着接続が強い範囲であるセレーションが形成された範囲と重なっていてもよい。このように重なっている場合でも、端子のうち、非接合部に圧着接続されている部分の長さが、超音波接合部に圧着接続されている部分よりも長ければ、超音波接合部の電気的な劣化は抑制されている。
また、上記実施形態において、超音波接合部のうち、圧着接続されない部分の長さは1mm以上が好ましい。これにより、素線同士の導通性を好適に確保できる。
また、上記実施形態では、端子はオープンバレル型の圧着端子であるが、クローズドバレル型の圧着端子を用いてもよい。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10 :被覆電線
11 :導体部
11a :露出部
11aa :非接合部
11ab :超音波接合部
11ac、11ad :境界
12 :被覆部
12a :端部
20、20A :端子
21、21A :端子接続部
22 :トランジション部
23、23A :導体圧着部
23a、23b、23c、23Aa、23Ab、23Ac :セレーション
24、24A :被覆圧着部
100、100A、100B :端子付き電線
A1 :範囲
H :ホーン

Claims (3)

  1. アルミニウムを構成材料として含む複数の素線で構成される導体部と、前記導体部を被覆する被覆部と、を有し、前記導体部が前記被覆部から露出した露出部を有する被覆電線と、
    前記露出部に圧着接続された端子と、
    を備え、
    前記露出部は、前記複数の素線が超音波接合によって接合された超音波接合部と、前記複数の素線が接合されていない非接合部とを有しており、
    前記超音波接合部は、前記露出部において前記端子が圧着接続されている部分に対して前記被覆部とは反対側と前記被覆部と同じ側との両方に位置し、
    前記端子は、前記露出部に圧着接続される導体圧着部を有し、前記露出部においては前記被覆部と同じ側の前記超音波接合部の一部と前記非接合部とに前記導体圧着部によって圧着接続され、
    前記導体圧着部の前記露出部に圧着される内表面には、前記導体圧着部と前記露出部との圧着接続の際に前記複数の素線のうち前記露出部の外周側にある素線の酸化被膜を破壊するセレーションが形成されており、
    前記被覆部と同じ側の前記超音波接合部と前記非接合部との境界は、前記導体圧着部の長手方向において、前記導体圧着部と重なる位置であって前記セレーションが形成された範囲とは重ならない位置に存在し、
    前記複数の素線間の導通性は、前記端子が圧着接続されていない前記超音波接合部によって確保され、
    前記端子と前記導体部との導通性は、前記複数の素線の各酸化被膜によって素線間抵抗が高い状態のまま、前記露出部の外周側にある素線の酸化被膜を前記セレーションが破壊することによって向上し、
    前記端子のうち、前記非接合部に圧着接続されている部分の長さが、前記超音波接合部に圧着接続されている部分よりも長い
    端子付き電線。
  2. 前記被覆部のうち前記超音波接合部と隣接する部分が前記導体部と溶着している
    請求項に記載の端子付き電線。
  3. アルミニウムを構成材料として含む複数の素線で構成される導体部と、前記導体部を被覆する被覆部と、を有し、前記導体部が前記被覆部から露出した露出部を有する被覆電線を準備する工程と、
    前記露出部の一部に超音波接合を施して、前記複数の素線が超音波接合によって接合された超音波接合部と、前記複数の素線が接合されていない非接合部とを前記露出部に形成する工程と、
    前記被覆電線の前記導体部に端子を圧着接続する工程と、
    を含み、
    前記形成する工程では、前記超音波接合部が、前記露出部において前記端子が圧着接続されている部分に対して前記被覆部とは反対側と前記被覆部と同じ側との両方に位置し、
    前記圧着接続する工程では、前記端子のうち、前記非接合部に圧着接続されている部分の長さが、前記超音波接合部に圧着接続されている部分よりも長くなるように、前記被覆部と同じ側の前記超音波接合部の一部と前記非接合部とに前記端子を圧着接続し、
    前記端子のうち前記露出部に圧着される導体圧着部の内表面には、前記導体圧着部と前記露出部との圧着接続の際に前記複数の素線のうち前記露出部の外周側にある素線の酸化被膜を破壊するセレーションが形成されており、
    前記被覆部と同じ側の前記超音波接合部と前記非接合部との境界は、前記導体圧着部の長手方向において、前記導体圧着部と重なる位置であって前記セレーションが形成された範囲とは重ならない位置に存在し、
    前記端子と前記導体部との導通性は、前記複数の素線の各酸化被膜によって素線間抵抗が高い状態のまま、前記露出部の外周側にある素線の酸化被膜を前記セレーションが破壊することによって向上し、
    前記端子を圧着接続していない前記超音波接合部によって、前記複数の素線間の導通性を確保する、
    端子付き電線の製造方法。
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