JP7522569B2 - 制御バルブ - Google Patents
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Description
また、本態様によれば、シール部材を挟んで軸方向の両側に、駆動軸本体と摺動部との界面を位置させることができる。これにより、液体がこの界面を通ってアクチュエータの内部に浸入することを抑制できる。
また、本態様によれば、第1軸部と弁体とを別体に形成する場合と比較して、部品点数を削減できる。すなわち、第1軸部を弁体に組付ける必要がなくなるので、制御バルブの組立工数を削減できる。
また、本態様によれば、例えば、制御バルブの駆動時に、駆動軸の軸線と弁体の軸線との相対位置が変化することを抑制できる。すなわち、駆動軸と弁体との同軸度を確保しやすくなるので、弁体の駆動軸に対する振れ回りを抑制できる。
また、本態様によれば、ケーシングと弁体とが直接摺動することを抑制できるので、摺動抵抗を軽減できる。これにより、弁体の回転効率を向上できる。また、制御バルブの駆動時に、ケーシングと弁体とが摺動して、互いに摩耗することを抑制できる。したがって、ケーシングと弁体の耐久性を向上させることができる。
本態様によれば、駆動軸を段差無く形成できる。これにより、駆動軸が例えば中間部に大径部を有する段付き形状に形成される場合と比較して、駆動軸を容易に製造できる。
また、本態様によれば、駆動軸が例えば中間部に大径部を有する段付き形状に形成される場合と比較して、駆動軸を小型化及び軽量化することができる。したがって、制御バルブを小型化及び軽量化することができる。
次に、本発明の第一実施形態を図1から図4に基づいて説明する。以下の説明では、冷却液を用いてエンジンを冷却する冷却システムに、本実施形態の制御バルブを採用した場合について説明する。
図1は、冷却システム1のブロック図である。
図1に示すように、冷却システム1は、車両駆動源に少なくともエンジンを具備する車両に搭載される。なお、車両としては、エンジンのみを有する車両の他、ハイブリッド車両やプラグインハイブリッド車両等であっても構わない。
ウォータポンプ3、エンジン2及び制御バルブ8は、メイン流路10上で上流から下流にかけて順に接続されている。メイン流路10では、ウォータポンプ3の動作により冷却液(請求項の液体に相当)がエンジン2及び制御バルブ8を順に通過する。
図2は、制御バルブ8の斜視図であり、図3は、制御バルブ8の分解斜視図である。図4は、制御バルブの図2のIV-IV線に沿う断面図である。
図2、図3に示すように、制御バルブ8は、ケーシング21と、駆動ユニット23(本願のアクチュエータに相当)と、弁体22と、駆動軸27と、を主に備えている。
ケーシング21は、冷却液が流通する流通口(後述するラジエータ流出口60、バイパス流出口65及び空調流出口68)が形成された部材である。ケーシング21は、有底筒状のケーシング本体25と、ケーシング本体25の開口側の端部に取り付けられる端部カバー26と、を有している。ケーシング21の内部には、弁体22が回転可能に収容されている。ケーシング21のうちの、弁体22の回転軸線と合致する軸線をケーシング21の軸線O1と言う。また、以下の説明では、ケーシング21の軸線O1に沿う方向を単にケース軸方向と言う。また、ケース軸方向において、ケーシング本体25のケース周壁31に対してケーシング本体25の底壁部32に向かう方向をケース軸方向の一端側と言い、ケーシング本体25のケース周壁31に対して端部カバー26に向かう方向をケース軸方向の他端側と言う。さらに、ケーシング21の軸線O1に直交する方向をケース径方向と言う。また、ケーシング21の軸線O1回りの方向をケース周方向と言う。
底壁本体32aには、底壁本体32aをケース軸方向に貫通する貫通孔28が形成されている。貫通孔28の軸線は、軸線O1上に位置している。底壁本体32aは、径方向の外側から内側に向かうに従い厚さが増大していることで、底壁本体32aのケース周壁31内への膨出量が増大している。貫通孔28は、底壁本体32aの肉厚の最も厚い部分を貫通するように形成されている。貫通孔28の内部には、駆動軸27の外周面を摺動可能に支持するための円筒状の滑り軸受29が保持されている。また、貫通孔28の弁体22側(ケース軸方向の他端側)の端縁には、貫通孔28の他の部位の内周面よりも内径の大きい拡径溝30が形成されている。拡径溝30の内部には、後述するシールリング35(請求項のシール部材に相当)が保持されている。
また、ラジエータ流出口60には、シール機構36が設けられている。シール機構36は、シール筒部材37と、付勢部材38と、シール39,40と、を備えている。シール筒部材37は、ラジエータ流出口60の内部に、軸方向をラジエータ流出口60の開口方向に沿わせた状態で配置されている。シール筒部材37は、軸方向の他端開口部が弁体22によって開閉されることで、弁体22内とラジエータジョイント42内との連通及び遮断が切り替えられる。付勢部材38は、例えばウェーブスプリイング等によって構成されている。付勢部材38は、シール筒部材37とラジエータジョイント42との間に介在してシール筒部材37を弁体22に向かって付勢している。
シール40は、ラジエータポート41の内側であって、シール39よりもケース径方向の外側で、ラジエータジョイント42の周囲を取り囲んでいる。シール40は、Oリング等の環状の部材である。シール40は、ラジエータ流出口60の内周面と、ラジエータジョイント42のうちラジエータ流出口60に挿入された部分の外周面と、の間に介在することによって両者の間を液密に密閉している。
駆動ユニット23は、ケーシング本体25(ケーシング21)の外部に配置されている。駆動ユニット23は、ケーシング本体25の底壁部32に取り付けられている。駆動ユニット23は、一部が囲み壁32bの内側に収容された状態で、底壁部32にボルト締結等によって固定されている。
弁体22は、ケーシング21の内部で駆動軸27に連結されて、駆動軸27とともに回転可能に構成されている。弁体22は、円筒形状の周壁部44と、周壁部44のケース軸方向の一端側から径方向の内側に向かって延設された接続フランジ部45と、接続フランジ部45の径方向の内側端部に連設された有底筒状の連結筒部46と、を備えている。これらの周壁部44、接続フランジ部45、及び、連結筒部46は、樹脂材料によって一体に形成されている。
弁孔47は、対応する流出口(バイパス流出口65、ラジエータ流出口60又は空調流出口68)とケース周方向で重なると、重なった弁孔47と流出口とは、シール筒部材37を介して連通する。これにより、弁孔47と連通した流出口に接続されているジョイント(バイパスジョイント66、ラジエータジョイント42又は空調ジョイント69)内と、弁体22内とが連通する。これにより、弁体22内の冷却液が弁孔47及び流出口を通じて対応する流路から各冷却対象に供給される。
弁孔47は、対応する流出口(バイパス流出口65、ラジエータ流出口60又は空調流出口68)とケース周方向で重なると、重なった弁孔47と流出口とは、シール筒部材37を介して連通する。これにより、弁孔47と連通した流出口に接続されているジョイント(バイパスジョイント66、ラジエータジョイント42又は空調ジョイント69)内と、弁体22内とが連通される。
駆動軸27は、駆動ユニット23の出力軸23Aaに連結されている。駆動軸27は、軸線O1と同軸に配置され、駆動ユニット23の駆動力によって出力軸23Aaと一体で軸線O1回りに回転する。駆動軸27は、ケーシング21の底壁本体32aに形成された貫通孔28を通じてケーシング21の内外を貫通している。駆動軸27は、駆動軸本体27Aと、摺動部27Bと、を有している。
駆動軸本体27Aは、摺動部27Bに対してケース軸方向の他端側(すなわち弁体22側)にある第1軸部27Cと、摺動部27Bに対してケース軸方向の一端側(すなわち駆動ユニット23側)にある第2軸部27Dと、を備えている。
第1軸部27Cは、弁体22と一体に形成されている。第1軸部27Cは、連結筒部46の底壁46bからケース軸方向の他端側に向かって軸線O1と同軸で延在している。第1軸部27Cのケース軸方向の他端側の端部は、滑り軸受16を介して端部カバー26のボス部26cに回転可能に支持されている。
第2軸部27Dは、第1軸部27Cと同軸に形成されている。第2軸部27Dにおける
ケース軸方向の一端部は、ユニット本体23Aの出力軸23Aaに連結されている。第2軸部27Dにおけるケース軸方向の他端部は、貫通孔28内に挿入されるとともに、貫通孔28内で滑り軸受29に回転可能に支持されている。したがって、第2軸部27Dの外周面は、滑り軸受29によって摺動可能に支持されている。第2軸部27Dにおけるケース軸方向の他端側の端面には、ケース軸方向の他端側に向かって開口する嵌合凹部27D1が形成されている。
摺動部27Bのケース軸方向の他端部は、連結筒部46に圧入又はその他の手段で固定されている。これにより、摺動部27Bは、連結筒部46に連結されている。
摺動部27Bのケース軸方向の一端部には、ケース軸方向の一端側に向かって突出する嵌合凸部27B1が形成されている。嵌合凸部27B1は嵌合凹部27D1に圧入又はその他の手段で固定されて嵌合凹部27D1と嵌合している。これにより、摺動部27Bは、第2軸部27Dに連結されている。なお、嵌合凸部27B1及び嵌合凹部27D1におけるケース軸方向から見た正面視形状は、第2軸部27Dと摺動部27Bとが相対回転不能になっていれば、真円状であっても、非真円状であってもよい。
摺動部27Bにおけるケース軸方向の中央部は、貫通孔28の内に挿入されるとともに、貫通孔28内で後述するシールリング35に回転可能に支持されている。したがって、摺動部27Bの外周面は、シールリング35によって回転可能に支持されている。
シールリング35は、オイルシールとも呼ばれ、底壁本体32aに形成された拡径溝30の内部に配置されている。シールリング35は、ケーシング21と駆動軸27との間に介在して、貫通孔28を通じたケーシング21の内外の連通を遮断する。具体的には、シールリング35は、摺動部27Bの外周面に摺動可能に密接して、冷却液の漏出を抑制している。
シールリング35は、例えばゴム等により形成されている。シールリング35は、拡径溝30の内面に当接する外周壁35aと、外周壁35aから径方向の内側に離間した位置に設けられ、摺動部27Bに密接する内周壁35bと、外周壁35aと内周壁35bとをケース軸方向の一端部で接続する接続壁35cと、を有している。
内周壁35bの外周面には、環状のスプリングが嵌め込まれている。スプリングは、弾性力により内周壁35bを摺動部27Bに押し付けている。これにより、内周壁35bと摺動部27Bとは密接して、冷却液の漏出を抑制している。
次に、上述した制御バルブ8の動作について説明する。
図1に示すように、メイン流路10において、ウォータポンプ3により送出される冷却液は、エンジン2で熱交換された後、制御バルブ8に向けて流通する。メイン流路10においてエンジン2を通過した冷却液は、流入口17を通して制御バルブ8のケーシング21内に流入する。
このように、本実施形態では、シールリング35との接触による摩耗を抑えるために高い耐久性を要とする摺動部27Bを金属材料により形成し、駆動軸本体27Aを金属材料よりも密度の低い材料により形成した。駆動軸本体27Aは、ポリフェニレンスルフィド(PPS)によって形成されている。なお、駆動軸本体27Aは、例えばポリプロピレン(PP)等の樹脂材料によって形成されていてもよい。
この構成によれば、駆動軸27全体が金属材料により形成される場合と比較して、軽量化することができる。また、駆動軸27のうち高価な金属材料により形成される箇所を摺動部27Bに限定できるので、駆動軸27全体を金属材料で形成する場合と比較して製造コストを低減することができる。
この構成によれば、シールリング35を挟んでケース軸方向の両側に、駆動軸本体27Aと摺動部27Bとの界面を位置させることができる。これにより、冷却液がこの界面を通って駆動ユニット23の内部に浸入することを抑制できる。
この構成によれば、第1軸部27Cと弁体22とを別体に形成する場合と比較して、部品点数を削減できる。すなわち、第1軸部27Cを弁体22に組付ける必要がなくなるので、制御バルブ8の組立工数を削減できる。
また、本実施形態の構成によれば、例えば、制御バルブ8の駆動時に、駆動軸27の軸線と弁体22の軸線との相対位置が変化することを抑制できる。すなわち、駆動軸27と弁体22との同軸度を確保しやすくなるので、弁体22の駆動軸27に対する振れ回りを抑制できる。
この構成によれば、駆動軸27のうち、少なくとも第2軸部27Dから摺動部27Bまでの外周面を面一に形成できる。これにより、駆動軸27が例えば中間部に大径部を有する段付き形状に形成される場合と比較して、駆動軸27を容易に製造できる。
また、本実施形態の構成によれば、駆動軸27が例えば中間部に大径部を有する段付き形状に形成される場合と比較して、駆動軸27を小型化及び軽量化することができる。したがって、制御バルブ8を小型化及び軽量化することができる。
この構成によれば、ケーシング21の端部32cと弁体22の底フランジ45bとが直接摺動することを抑制できるので、摺動抵抗を軽減できる。これにより、弁体22の回転効率を向上できる。また、制御バルブ8の駆動時に、ケーシング21の端部32cと弁体22の底フランジ45bとが摺動して、互いに摩耗することを抑制できる。したがって、ケーシング21と弁体22との耐久性を向上させることができる。
第一実施形態の第一変形例について図5に基づいて説明する。以下の第一変形例では、摺動部27Bは、ケース軸方向においてシール部分と対応する位置に設けられ、ケース軸方向の両端部にケース軸方向に凹む凹部(嵌合凹部27B2,27B3)を有している点で、第一実施形態と相異している。なお、第一変形例のうち、第一実施形態と同様の構成又は対応する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、第1軸部27Cは、ケース軸方向の一端部に、ケース軸方向の一端側に向かって突出する嵌合凸部27C1を有している。第2軸部27Dは、ケース軸方向の他端部に、ケース軸方向の他端側に向かって突出する嵌合凸部27D2を有している。
摺動部27Bのケース軸方向の両端部は、それぞれシールリング35よりもケース軸方向の両側に位置している。
嵌合凹部27B3は、摺動部27Bのケース軸方向の一端部に設けられている。嵌合凹部27B3は、ケース軸方向の一端側に向かって開口している。嵌合凹部27B3は、嵌合凸部27D2に圧入又はその他の手段で固定されている。なお、嵌合凸部27D2及び嵌合凹部27B3におけるケース軸方向から見た正面視形状は、第2軸部27Dと摺動部27Bとが相対回転不能になっていれば、真円状であっても、非真円状であってもよい。
なお、摺動部27Bは、例えば駆動軸本体27Aに対してインサート成形されていてもよい。
この構成によれば、駆動軸27全体が金属材料により形成される場合と比較して、軽量化することができる。また、駆動軸27のうち高価な金属材料により形成される箇所を摺動部27Bに限定できるので、駆動軸27全体を金属材料で形成する場合と比較して製造コストを低減することができる。
第二実施形態について図6に基づいて説明する。以下の第二実施形態では、駆動軸27が弁体22をケース軸方向に貫通してない点で、第一実施形態と相異している。なお、第二実施形態のうち、第一実施形態と同様の構成又は対応する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、弁体22は、接続フランジ部103と、連結筒部104と、を有している。
大径部58aは、ケース軸方向から見て非真円状に形成されている。小径部58bは、ケース軸方向から見て真円状に形成されている。
摺動部27Bは、挿入部50と、突出部51と、を備えている。
挿入部50は、大径部50aと、大径部50aからケース軸方向の他端側に延びる小径部50bと、を有している。
小径部50bは、ケース軸方向から見て真円状に形成されている。挿入部50の小径部50bは、挿入孔58の小径部58bに挿入されている。
この構成によれば、弁体22におけるケース軸方向の一端部を駆動軸27で支持し、他端部を軸カバー101で支持できる。これにより、駆動軸27が弁体22をケース軸方向に貫通している構成に比べ、弁体22を両持ちで支持しつつ、駆動軸27の長さを短縮できる。すなわち、駆動軸27及び軸カバー101間に駆動軸27及び軸カバー101を接続する軸部が存在しない分、制御バルブ100を軽量化することができる。
21…ケーシング
22…弁体
23…駆動ユニット(アクチュエータ)
27…駆動軸
27A…駆動軸本体
27B…摺動部
27C…第1軸部
27D…第2軸部
28…貫通孔
34…ワッシャ(スラスト受け部)
35…シールリング(シール部材)
60…ラジエータ流出口(流通口)
65…バイパス流出口(流通口)
68…空調流出口(流通口)
Claims (2)
- 液体が流通する流通口を有するケーシングと、
前記ケーシングに形成された貫通孔を通じて前記ケーシングの内外を貫通する駆動軸と、
前記ケーシングの外部に配置され、前記駆動軸を回転させるアクチュエータと、
前記ケーシングの内部で前記駆動軸に連結されて、前記駆動軸とともに回転可能に構成されるとともに、前記駆動軸の回転に伴い前記流通口を通じた前記ケーシングの内外の連通及び遮断を切り替える弁体と、
前記ケーシングと前記駆動軸との間に介在して、前記貫通孔を通じた前記ケーシングの内外の連通を遮断するシール部材と、を備え、
前記駆動軸は、
駆動軸本体と、
前記駆動軸のうち少なくとも前記シール部材との摺動部分を金属材料により形成された摺動部と、を有し、
前記駆動軸本体は、前記摺動部よりも密度が小さい材料により形成され、
前記駆動軸本体は、
前記摺動部に対して前記弁体側にある第1軸部と、
前記摺動部に対して前記アクチュエータ側にある第2軸部と、を備え、
前記摺動部は、前記第1軸部及び前記第2軸部と同軸に配置された柱状に形成され、
前記第1軸部は、前記弁体と一体に形成され、
前記ケーシングと前記弁体との間にスラスト受け部が介在している制御バルブ。 - 前記摺動部は、前記駆動軸本体と同径に形成されるとともに、前記駆動軸本体に同軸で連結されている請求項1に記載の制御バルブ。
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