JP7522520B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description
図1は本発明の一実施形態に係る建設機械の全体構造を表す左側面図、図2は平面図である。以降、運転席に着いた作業者の前側(図2中の左側)、後側(同右側)、左側(同下側)、右側(同上側)を建設機械(厳密には旋回体)の前、後、左、右とし、それぞれ単に前側、後側、左側、右側と記載する。なお、図2においては、繁雑防止のためフロント作業機3を図示省略してある。クレーン等の他の建設機械も発明の適用対象となり得るが、図1及び図2では発明を適用する建設機械の代表例として油圧ショベルを図示している。図及び図2に示した油圧ショベルは、車体及びフロント作業機3を含んで構成されている。車体は、走行体1と旋回体2とから構成されている。
走行体1は、油圧ショベルの自力走行を可能とする基礎構造体であり、ホイール式の走行体でも良いが本実施形態ではクローラ式の走行体を採用した構成を例示する。走行体1は、トラックフレーム4、アイドラ5、走行モータ6、スプロケット7及び履帯(クローラ)8等を備えている。トラックフレーム4は、センタフレーム4a、及びセンタフレーム4aに連結した平行な左右一対のサイドフレーム4bにより、上方から見てH型に形成されている。左右のサイドフレーム4bの前後の一端側にはアイドラ5が、他端側にはスプロケット7がそれぞれ回転自在に支持されている。スプロケット7の回転軸には、走行モータ6の出力軸が連結されている。走行モータ6は油圧モータである。アイドラ5とスプロケット7の間には、環状の履帯8が掛け回されていて、履帯8をスプロケット7で駆動することによって走行体1が自走する。サイドフレーム4bの上下部には、履帯8の内周部を支持する複数の転輪9が回転自在に支持されている。
旋回体2は、走行体1の上部に旋回可能に設けられており、旋回フレーム10、運転室11、カウンタウェイト12、機械室(エンジン室)13等を含んで構成されている。旋回フレーム10は、旋回体2のベースフレームであり、旋回輪14を介してトラックフレーム4のセンタフレーム4aの上部に設けられている。旋回フレーム10には、旋回輪14の付近に旋回モータ(不図示)が搭載されており、旋回モータの出力軸が旋回輪14に設けた歯車と噛み合うことで、走行体1に対して旋回体2が旋回する。旋回モータには電動モータを用いることもできるが、本実施形態では油圧モータが用いてある。
フロント作業機3は、旋回体2に取り付けられており、作業腕21、アタッチメントであるバケット24、アクチュエータであるブームシリンダ25、アームシリンダ26及びバケットシリンダ27を含む多関節型のフロント作業装置である。
図1及び図2に例示したフロント作業機3は最も一般的な形態であり、「タイプ」はモノブームタイプ、「仕様」は標準仕様、「アタッチメント」は標準型のバケット24である。
図3は図1に示した油圧ショベルに搭載されたコントローラの機能を模式的に例示した図、図4はコントローラにおいてフロント位置の演算に用いるパラメータのデータ構造を表す模式図である。
コントローラ40には、ML制御機能F1や干渉防止制御機能F2といった制御機能に用いる基礎情報であるフロント位置として、フロント作業機3の所定部位の位置をリアルタイムに演算するフロント位置演算機能F3が備わっている。この意味において、コントローラ40はフロント位置演算装置を構成する。フロント位置演算機能F3で演算するフロント位置の設定は変更可能であり、例えばバケット24の爪先の位置、アーム23の先端の位置、またポイントではなくアタッチメントの可動範囲等の範囲を設定する場合もある。
メモリ42には、フロント位置の演算に用いるデータが予め記憶されている。メモリ42に記憶されたフロント位置演算用のデータには、複数の基礎演算式A、共通パラメータB、複数の第1パラメータC、及び複数の第2パラメータDが含まれる。共通パラメータB、第1パラメータC、第2パラメータDのうち少なくとも所定の第1パラメータCが基礎演算式Aに適用されることにより、センサ出力を変数とするフロント位置の関数が定義される。定義される関数は、図1に示した油圧ショベル(又はこれと同一のフロント作業機を装着した同一車格の油圧ショベル)に適用されてフロント位置の演算に用いられる。
基礎演算式Aは、目的のフロント位置の関数のベース式であり、前述したフロント作業機3のタイプで分類され、フロント作業機3のフロント位置を演算するための式であり、フロント作業機3のタイプ毎に作成されて設定されている。基礎演算式Aをベースとして定義される関数で演算されるフロント位置は、予め設定された部位(例えばバケット24の爪先)の位置である。基礎演算式Aは、センサ出力を変数とする関数であり、共通パラメータB、第1パラメータC、第2パラメータDのうち少なくとも第1パラメータCを要素に含んでいる。説明用に単純な例を挙げると、図1に示したような油圧ショベルのモノブームタイプのフロント作業機のアーム先端の位置として、ローカル座標系の座標(X,Y)を求める基礎演算式Aは、次のように設定できる。
Y=L1・cosθbm+L2・cos(θbm+θam)
ここで言う、ローカル座標系とは、例えばフロント作業機3の動作平面に沿って設定され、ブーム22の回動中心を原点としてX軸を前方に、Y軸を上方に延ばした直交座標系であるとする。L1は、ブーム長(ブーム22とアーム23の回動中心間の距離)であるとする。L2は、アーム長(アーム23とバケット24の回動中心間の距離)であるとする。θbmは、センサ31で検出されたブーム22の角度であり、ブーム22及びアーム23の回動中心を通る直線とY軸との挟角であるとする。θamは、センサ32で検出されたアーム23の角度であり、ブーム22及びアーム23の回動中心を通る直線とアーム23及びバケット24の回動中心を通る直線との挟角であるとする。この例においては、関数X,Yが基礎演算式A、L1,L2が基礎演算式Aに適用されるパラメータ、θbm,θamが変数である。
共通パラメータBは、フロント作業機の異同(タイプ、仕様、アタッチメントが異なるか同じであるか)によらず値が共通するパラメータである。フロント作業機のバリエーションによらず同一車格の油圧ショベルで共通する車体(走行体1や旋回体2)に関する寸法データ(「クローラ底面長」つまり履帯8の接地部の前後長さ等)が、共通パラメータBの典型例である。フロント作業機の構成要素の寸法データであっても、全てのバリエーションのフロント作業機で値が共通するものがある場合には、共通パラメータBとなり得る。演算目的とするフロント位置によってフロント位置の関数に適用される共通パラメータBは異なる場合があり、複数種の共通パラメータBが適用される場合もあれば、1種のみの共通パラメータBが適用される場合もあり得る。フロント位置の関数に共通パラメータBが含まれない場合もあり得る。
第1パラメータCは、前述したフロント作業機のタイプ及び仕様で分類されて設定されたフロント別のパラメータであり、ブームの寸法及びアームの寸法に関係するパラメータである。モノブームタイプのフロント作業機の例で言えば、ブーム長、アーム長等の値である。演算目的とするフロント位置によって、基礎演算式Aに適用される第1パラメータCは異なる場合がある。また、基礎演算式Aには、複数種の第1パラメータCが適用される場合が想定されるが、1種のみの第1パラメータCが適用される可能性もある。図4の例においては、第1パラメータCが更に、仕様の違いに関係なく同一タイプのフロント作業機で共通するフロントタイプ別のパラメータC1と、同一タイプのフロント作業機でも仕様の違いにより異なるフロント仕様別のパラメータC2とに分類されている。このような第1パラメータCが、フロント作業機のタイプや仕様で分類されて予め設定されてメモリ42に記憶されている。
第2パラメータDは、フロント作業機を構成するアタッチメントで分類されて設定されたアタッチメント別のパラメータであり、アタッチメントの寸法に関係するパラメータである。図1に示したバケット24の例で言えば、バケットブラケット長、バケットブラケット角等の値である。演算目的とするフロント位置によって、基礎演算式Aに適用される第2パラメータDは異なる場合がある。また、基礎演算式Aには、複数種の第2パラメータDが適用される場合もあるし、1種のみの第2パラメータDが適用される場合もある。目的のフロント位置が例えばアーム23の所定部位であってアタッチメントのパラメータが関係しない場合には、基礎演算式Aに第2パラメータDが適用されないこともある。
図5はコントローラ40によるフロント位置の演算手順を表すフローチャートである。コントローラ40によるフロント位置演算機能F3は、プロセッサ41により実行される。フロント位置演算機能F3は、フロント位置の関数を定義する手順と、定義した関数に従ってセンサ出力を基にリアルタイムにフロント位置を演算する手順とに大別される。フロント位置の関数を定義する手順は、油圧ショベルの運転開始時にコントローラ40に通電される都度、若しくは油圧ショベルの運用開始前(例えば工場出荷前)に実行される。リアルタイムにフロント位置を演算する手順は、運用中に所定のサイクルタイム(例えば0.1s)で繰り返し実行される。図5のフローチャートは、フロント位置の関数を定義する手順を表している。
図6は標準仕様のモノブームタイプの作業腕にアタッチメントとして標準バケットを装着したフロント作業機を設定した場合のパラメータの選択イメージを表す模式図、図7はその場合のフロント位置演算機能のイメージを表す模式図である。図6及び図7は図4及び図3に対応している。
図10は比較例に係るフロント位置の演算に用いるパラメータのデータ構造を表す模式図、図11は比較例に係るフロント位置の演算機能を模式的に例示した図である。フロント作業機には、前述した通り様々なタイプがあり、フロント作業機のタイプによってフロント位置の演算式が異なる。また、フロント作業機のタイプや仕様、更には装着するアタッチメントによって、フロント位置の演算式に適用するパラメータも異なる。図10に示した比較例では、こうしたフロント作業機のタイプ、仕様及びアタッチメントの組み合わせ毎に、フロント位置の演算に用いるパラメータX1,X2…Xnのデータセット一式が個別に用意されている。例えば同じモノブームタイプで標準仕様の作業腕でも、装着するアタッチメントが標準のバケットから補強バケットに変われば、バケットの仕様が一部異なるのみで多くのデータが共通するデータセット一式が別途用意される。
(1)それに対し、本実施形態では、フロント作業機のバリエーション間で共通する共通パラメータB、フロント作業機のタイプ及び仕様毎の第1パラメータC、アタッチメント毎の第2パラメータDにパラメータの要素を分類した。フロント作業機のフロント位置の関数を定義するために必要なパラメータは、フロント作業機のタイプ等の設定に応じて、共通パラメータB、第1パラメータC、第2パラメータDを組み合わせることで設定することができる。従って、フロント作業機のバリエーション毎にパラメータのデータセット一式を用意する必要がない。設定したパラメータをフロント作業機のタイプに応じた基礎演算式Aに適用することによりフロント位置の関数を定義し、定義した関数を用いて運転中にリアルタイムにフロント位置を演算することができる。
Claims (3)
- 走行体と前記走行体の上部に設けられた旋回体とから構成された車体と、前記車体を構成する前記旋回体に取り付けられブーム及びアームとアタッチメントとで構成されたフロント作業機と、前記フロント作業機の姿勢を検出するセンサと、前記フロント作業機の所定部位の位置をフロント位置として演算するコントローラとを備えた建設機械において、
前記コントローラは、
前記フロント位置の演算に用いるデータを記憶したメモリを備え、
前記メモリには、
前記フロント作業機のタイプで分類され前記フロント作業機のフロント位置を演算するための複数の基礎演算式と、
前記フロント作業機の異同によらず共通し前記車体の寸法に関係した共通パラメータと、
前記フロント作業機のタイプ及び仕様で分類され前記ブームの寸法及び前記アームの寸法に関係したフロント別のパラメータと、
前記フロント作業機を構成する前記アタッチメントで分類され前記アタッチメントの寸法に関係したアタッチメント別のパラメータと
が前記データとして予め記憶され、
前記コントローラは、
前記フロント作業機のタイプの設定に応じた前記基礎演算式と、前記共通パラメータと、前記フロント作業機のタイプ及び仕様の設定に応じた前記フロント別のパラメータと、前記アタッチメントの設定に応じた前記アタッチメント別のパラメータとを前記メモリから読み込み、
前記メモリから読み込んだ前記共通パラメータと、前記フロント別のパラメータと、前記アタッチメント別のパラメータとを、前記メモリから読み込んだ前記基礎演算式に適用してフロント位置を演算する関数を定義し、
前記センサの出力に基づいて、前記関数により前記フロント作業機の前記フロント位置を演算する
ことを特徴とする建設機械。 - 請求項1に記載の建設機械において、
前記フロント作業機のタイプは、前記フロント作業機の機構についての分類であり、
前記フロント作業機の仕様は、前記フロント作業機の構成要素の寸法についての分類である
ことを特徴とする建設機械。 - 請求項1に記載の建設機械において、
前記メモリに記憶された前記フロント別のパラメータは、タイプが同一のフロント作業機毎に前記仕様の違いに関係なく共通するフロントタイプ別のパラメータと、タイプが同一のフロント作業機毎に前記仕様の違いにより異なるフロント仕様別のパラメータとに分類され、
前記コントローラは、前記フロント作業機のタイプの設定に応じた前記フロントタイプ別のパラメータ及び仕様の設定に応じた前記フロント仕様別のパラメータを、前記フロント別のパラメータとして前記メモリから読み込む
ことを特徴とする建設機械。
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US20090228169A1 (en) | 2008-03-10 | 2009-09-10 | Westline Sarl | Automatic method and system for the calibration of earthworking machines |
CN104662232A (zh) | 2012-09-25 | 2015-05-27 | 沃尔沃建造设备有限公司 | 用于施工机械的自动整平系统及其控制方法 |
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