以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、異なる実施形態の類似する構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
<1.第1の実施形態>
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
<1-1.現金取扱いシステムの構成>
続いて、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムの構成例について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムの構成例を示す図である。図1に示したように、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムは、釣銭機1Aと、POS(Point Of Sales)レジスタ(以下、単に「レジスタ」とも言う。)15と、を備える。現金取扱いシステムは、典型的には、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどといった小売業の店舗に主に設置されてよいが、現金取扱いシステムが設置される場所は限定されない。
釣銭機1Aは、現金(紙幣および硬貨)の入出金処理を行う。釣銭機1Aは、POSレジスタ(上位装置)15と相互に通信可能に接続されている。釣銭機1Aによる現金の入出金は、POSレジスタ15によって管理される。また、釣銭機1Aは、硬貨の入出金を行うための硬貨入出金部2と、紙幣の入出金を行うための紙幣入出金部3とを含んで構成されている。硬貨入出金部2は、硬貨入金口4、硬貨出金口5および硬貨リジェクト口6を含んで構成される。紙幣入出金部3は、紙幣受入部8および紙幣回収カセット9を含んで構成される。
硬貨入金口4は、入金する硬貨が投入される入金口である。硬貨入金口4に硬貨が投入されると、硬貨入金口4に投入された硬貨は、硬貨入出金部2の内部に引き込まれて金種別に振り分けられ、図示しない金種別の硬貨収納庫に収納される。
硬貨出金口5は、出金する硬貨が蓄積される出金口である。硬貨の釣銭が必要なときには、硬貨収納庫に収納された硬貨が硬貨出金口5に払い出される。
硬貨リジェクト口6は、硬貨入金口4に投入された硬貨が、硬貨入出金部2の内部に引き込まれ、鑑別された結果、釣銭機1Aの運用において取り扱わない硬貨(すなわち、日本国における通常の運用の場合、1円、5円、10円、50円、100円、500円硬貨のいずれでもない硬貨)や、釣銭機1Aの運用において取り扱う硬貨ではあるが、破損や磨損等により受け入れることができないと判断された場合等において、当該硬貨をリジェクト硬貨として返却する返却口である。また、クリップ等の硬貨以外の異物についても硬貨リジェクト口6から返却してもよい。
紙幣受入部8は、入金する紙幣が投入される紙幣投入口、および、釣銭として出金する紙幣を集積する出金口として機能する。紙幣受入部8に投入された紙幣は、紙幣入出金部3の内部に引き込まれて金種別に振り分けられ、図示しない金種別の紙幣収納庫に収納される。さらに、紙幣受入部8は、紙幣の精査が行われるときに、図示しない紙幣収納庫内の紙幣を一時的に収納する一時収納部として機能する。また、紙幣受入部8は、図示しないシャッタを備えている。
紙幣回収カセット9は、紙幣入出金部3の内部の図示しない紙幣収納庫に収納された紙幣が回収されるときに、回収される紙幣を収納するカセットである。さらに、紙幣回収カセット9は、入金取引において投入された紙幣のうち、欠損などで釣銭として再利用できない紙幣(入金リジェクト紙幣)を収納するカセットである。
表示操作部10は、釣銭機1Aを操作する操作者による操作を受け付ける操作部と、操作者に対して情報を表示する表示部とを含んで構成される。表示部は、液晶ディスプレイなどによって構成されるが、表示部の形態は、液晶ディスプレイに限定されない。操作部は、表示部上に配されたタッチパネルなどによって構成されてよいが、操作部の形態もタッチパネルに限定されない。
さらに、釣銭機1Aは、カード排出部42を含んで構成されている。カード排出部42は、後述する図2に示すカード格納部41に格納されるカードを排出するカード排出口として機能し得る。ここで、カード排出部42が設けられる場所は、排出されるカードの格納場所に応じて適宜に変更されてよい。例えば、本発明の実施形態では、釣銭機1Aの内部にカードが格納されている場合を主に想定するため、カード排出部42も釣銭機1Aに設けられている。しかし、釣銭機1Aの外部にカードが格納されている場合には、釣銭機1Aの外部にカード排出部42が設けられてよい。
カードは、少なくとも情報の読み取りが可能な媒体である。例えば、釣銭機1Aは、図示しないカードアクセス部と接続されており、カードの情報は、図示しないカードアクセス部によって読み取られ得る。また、カードには、情報の書き込みが可能であってよい。例えば、図示しないカードアクセス部によってカードに情報が書き込み可能であってよい。
以下の説明では、硬貨入金口4と紙幣受入部8の総称を入金部とする。すなわち、釣銭機1Aに入金する現金は、硬貨入金口4と紙幣受入部8の少なくともいずれか一方から投入される。また、硬貨出金口5と紙幣受入部8の総称を出金部とする。すなわち、釣銭機1Aが出金するリジェクト硬貨以外の現金は、硬貨出金口5と紙幣受入部8の少なくともいずれか一方から出金する。
本発明の実施形態においては、発行料金の掛かる媒体の例としてカードが用いられる場合を主に想定する。特に、カードの例として電子マネーカード(店舗とは別の会社によって運営される電子マネーカードまたは店舗独自の電子マネーカード)が用いられる場合を主に想定する。しかし、後に説明するように、カードの種類は電子マネーカードに限定されない。また、カードの代わりに、発行料金の掛かる他の媒体が用いられてもよい。また、媒体の材質も特に限定されない。例えば、媒体の材質は、プラスチックであってもよいし、金属であってもよいし、紙であってもよいし、電子的に表示可能なものであってもよい。
以下の説明では、カードの発行料金として、カード発行手数料を例に挙げて説明する。しかし、カードの発行には、カードの発行手数料以外に、他の金額が掛かる可能性もあり得る。例えば、カードの種類によっては、カード発行手数料の代わりに、カードの返却時に顧客に返却される預り金がカードの発行に必要になる場合もあり得る。すなわち、以下において説明するカード発行手数料は、カードの発行に掛かる各種の料金(例えば、預かり金など)に置き換えられてもよい。
POSレジスタ15は、図示しないバーコード読取部、レジスタ表示操作部16およびレシート印字部17を備え、図示しないPOSシステムに接続される。図示しないバーコード読取部は、商品に付されているバーコードを読み取る。また、図示しないPOSシステムは、バーコードに紐づけられた商品の金額および商品名に関するデータベースを備える。
レジスタ表示操作部16は、POSレジスタ15を操作する操作者による操作を受け付けるレジスタ操作部と、操作者に対して情報を表示するレジスタ表示部とを含んで構成される。レジスタ表示部は、液晶ディスプレイなどによって構成されるが、レジスタ表示部の形態は、液晶ディスプレイに限定されない。レジスタ操作部は、レジスタ表示部上に配されたタッチパネルなどによって構成されてよいが、レジスタ操作部の形態もタッチパネルに限定されない。
例えば、レジスタ表示部は、顧客が購入する商品の総額、バーコードの付されていない商品の金額などを入力するためのテンキーなどの入力キーを表示する。これによって、操作者は、入力キーをタッチパネル上から押下することによって、入力キーに対応して定義された情報を入力することが可能にされている。
レシート印字部17は、顧客が購入した商品の総額、顧客から預かった現金の金額、顧客に支払う釣銭の金額などを印字したレシートを発行する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムの機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、釣銭機1Aは、上記した硬貨入出金部2、紙幣入出金部3、表示操作部10およびカード排出部42の他、制御部30、記憶部31、通信部33およびカード発行部40を備える。一方、POSレジスタ15は、上記したレジスタ表示操作部16およびレシート印字部17の他、レジスタ制御部35Aおよびレジスタ記憶部36、図示しない通信部を備える。
制御部30は、プロセッサにより構成されており、記憶部31に格納された制御プログラムに従って釣銭機1Aの各部を制御して各種処理を遂行する。一例として、制御部30は、カードの発行を制御するカード発行制御部(媒体発行制御部の例)として機能し得る。ただし、POSレジスタ15とカード発行部40とが接続されている場合などには、カードの発行を制御するカード発行制御部は、POSレジスタ15に備えられてもよい。
通信部33は、通信インタフェースにより構成されており、POSレジスタ15と通信可能に接続されている。記憶部31は、メモリによって構成されており、制御プログラムを記憶している。また、記憶部31は、制御部30による処理結果を記憶する。
制御部30は、各種処理の例として、「釣銭出金取引」、「売上入金取引」および「回収取引」を実行し得る。「釣銭出金取引」とは、釣銭準備金として図示しない紙幣収納庫および硬貨収納庫に収納されている現金から釣銭の出金を行う取引である。また、「売上入金取引」は、釣銭および売上金を含む現金の入金を受け付け、図示しない紙幣収納庫および硬貨収納庫に収納する取引である。「回収取引」は、取引履歴(釣銭出金取引および売上入金取引など)に基づいて売上金を集計し、売上金を図示しない紙幣収納庫および硬貨収納庫から紙幣回収カセット9(図1参照)および硬貨出金口5(図1参照)に移動させる取引である。
カード発行部40は、カード格納部41およびカード排出部42から構成される。カード格納部41には、1枚または複数枚のカードが格納されている。カード排出部42は、カード格納部41に格納されているカードを排出する。すなわち、カード発行部40は、制御部30による制御に従って、カード格納部41に格納されているカードをカード排出部42から排出させる。なお、本発明の第1の実施形態においては、カード発行部40は、制御部40による制御に従って、カード格納部41に格納されている1または複数のカードの中の1枚のカードをカード排出部42から排出させる。カード格納部41に格納されるカードの種類は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
レジスタ制御部35Aは、プロセッサにより構成されており、レジスタ記憶部36に格納された入出金管理の制御プログラムに従ってPOSレジスタ15の各部を制御して顧客が購入する商品の会計処理を遂行する。レジスタ記憶部36は、メモリによって構成されており、入出金管理の制御プログラムを記憶している。また、レジスタ記憶部36は、レジスタ制御部35Aによる処理結果を記憶する。
POSレジスタ15が備えるレジスタ制御部35Aの構成例について説明する。図3は、POSレジスタ15が備えるレジスタ制御部35Aの構成例を示す図である。図3に示すように、レジスタ制御部35Aは、算出部351A、判断部352Aおよび表示制御部353Aを備える。レジスタ制御部35Aが備えるこれらのブロックの機能の詳細は、後に説明する。
<1-2.現金取扱いシステムの動作>
続いて、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムの動作例について説明する。図4および図5は、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムの動作例を説明するための図である。まず、顧客が、購入したい商品を決定し、店員に対して商品を手渡すと、店員は、商品に付されたバーコードをPOSレジスタ15の図示しないバーコード読取部に近づける。図示しないバーコード読取部は、バーコードを読み取り、レジスタ制御部35Aに出力する。レジスタ制御部35Aは、バーコードに紐づけられた商品の金額および商品名を図示しないPOSシステムのデータベースから読み出す。
また、店員によって商品の販売の代わりに、顧客への役務(例えば、飲食物の提供など)が行われる場合には、役務の提供に掛かる金額および役務名が伝票などに付されたバーコードから読み取られてもよい。なお、商品または伝票にバーコードが付されていない場合なども想定され得る。かかる場合には、店員は、レジスタ表示操作部16に対して商品または役務の金額を直接入力してもよい。このとき、レジスタ表示操作部16に対して入力された商品または役務の金額は、レジスタ制御部35Aに出力される。
このとき、商品または役務の金額に対して割り増される金額または割り引かれる金額があれば、その金額もレジスタ制御部35Aに出力される。例えば、顧客が商品または役務の金額に対して割引を可能とするクーポン券を提示した場合には、レジスタ表示操作部16によってクーポン券から読み取られた割引金額(あるいは、店員によって入力された割引金額)もレジスタ制御部35Aに出力される。また、例えば、商品または役務の金額に対して割増金額(例えば、税金およびサービス料など)がある場合には、当該割増金額もレジスタ制御部35Aに出力される。
レジスタ制御部35Aにおいて、表示制御部353Aは、購入金額(例えば、商品または役務の金額、商品または役務の金額に割り増される金額を割り増した金額、商品または役務の金額から割り引く金額を割り引いた金額など)を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。また、表示制御部353Aは、図示しない支払方法選択画面を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する(S11)。図示しない支払方法選択画面には、支払方法に対応するボタンが含まれる。ここでは、選択可能な支払方法として、現金による支払いおよび電子マネーによる支払いが用いられる場合を想定する。しかし、選択可能な支払方法は、これらに限定されず、クレジットカードによる支払いなどを含んでもよい。
店員は、顧客に対して、購入金額を伝えるとともに、購入金額の支払方法を問い合わせる。顧客が電子マネーによる支払いを希望する旨を店員に伝え、電子マネーカードを店員に手渡すと、店員は、電子マネーによる支払いに対応するボタンを選択する操作をレジスタ表示操作部16に入力する。レジスタ表示操作部16に対して、電子マネーによる支払いに対応するボタンを選択する操作が入力された場合(S12において「NO」)、電子マネーカードに対する、図示しないカードアクセス部によるアクセスに基づいて、電子マネーでの支払いが行われ(S13)、購入金額がレシート印字部17によって印字されたレシートが排出される。その後、レシートが顧客に手渡され(必要に応じて商品も店員から顧客に手渡され)、会計が終了する。
一方、顧客が現金による支払いを希望する旨を店員に伝えると、店員は、現金による支払いに対応するボタンを選択する操作をレジスタ表示操作部16に入力する。レジスタ表示操作部16に対して、現金による支払いに対応するボタンを選択する操作が入力された場合(S12において「YES」)、入金部は現金の投入待ちをする。店員によって顧客から現金が受け取られ、入金部に現金が投入される(S16)。
より詳細には、顧客から受け取った現金に紙幣が含まれる場合には、釣銭機1Aの紙幣入出金部3に紙幣が投入される。また、顧客から受け取った現金に硬貨が含まれる場合には、釣銭機1Aの硬貨入出金部2に硬貨が投入される。制御部30は、釣銭機1Aの入金部(すなわち、硬貨入金口4および紙幣受入部8の少なくともいずれか一方)に投入された現金の額を計数することによって入金額(第1の入金額)を得る。通信部33は、制御部30によって得られた入金額をPOSレジスタ15に送信する。
POSレジスタ15において、レジスタ制御部35Aは、通信部33によって送信された入金額を図示しない通信部が受信する。レジスタ制御部35Aにおいて、算出部351Aは、入金額から購入金額を差し引くことによって暫定的な釣銭金額(第1の差引金額)を算出する。判断部352Aは、算出部351Aによって算出された暫定的な釣銭金額が、レジスタ記憶部36によってあらかじめ記憶されているカードの発行手数料以上であるか否かを判断する(S17)。
判断部352Aによって、暫定的な釣銭金額がカードの発行手数料未満であると判断された場合には(S17において「NO」)、S18に動作が移行される。一方、判断部352Aによって、暫定的な釣銭金額がカードの発行手数料以上であると判断された場合には(S17において「YES」)、S19に動作が移行される。
ここでは、特に複数種類のカードから指定されたカードが発行可能である場合を想定する。このとき、判断部352Aは、暫定的な釣銭金額が、複数種類のカードのうち少なくともいずれか一つの種類のカードの発行手数料以上であるか否かを判断する。そして、判断部352Aによって、暫定的な釣銭金額がどの種類のカードの発行手数料よりも低い場合には、S18に動作が移行される。一方、判断部352Aによって、暫定的な釣銭金額が少なくともいずれか一つの種類のカードの発行手数料以上であると判断された場合には、S19に動作が移行される。
S18に動作が移行された場合、POSレジスタ15は、暫定的な釣銭金額を最終的な釣銭金額として釣銭機1Aに送信するとともに、購入金額を釣銭機1Aに送信する。釣銭機1Aにおいて、通信部33によって釣銭金額および購入金額が受信されると、制御部30は、釣銭金額に相当する釣銭が出金部(すなわち、硬貨出金口5と紙幣受入部8の少なくともいずれか一方)から出金されるように制御する(S18)。また、制御部30は、購入金額に相当する現金が収納庫(すなわち、紙幣収納庫および硬貨収納庫の少なくともいずれか一方)に収納されるように制御する。
POSレジスタ15においては、購入金額がレシート印字部17によって印字されたレシートが排出される。その後、レシートおよび釣銭が顧客に手渡され(必要に応じて商品も店員から顧客に手渡され)、会計が終了する。
一方、S19に動作が移行された場合、POSレジスタ15において、表示制御部353Aは、釣銭を使ってカードを発行するか否かを問う画面(カード発行要否選択画面)を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。ここで、図6を参照しながら、カード発行要否選択画面の例について説明する。
図6は、カード発行要否選択画面の例を示す図である。図6を参照すると、一例としてカード発行要否選択画面G10が示されている。カード発行要否選択画面G10には、釣銭を用いたカードの発行が可能であることを示す情報の例として「釣銭を使用して発行できるカードがあります。」というメッセージが表示されている。さらに、カード発行要否選択画面G10には、カードの発行の要否を問う情報の例として「カードを発行しますか。」というメッセージが表示されている。また、「現在の釣銭金額」には、暫定的な釣銭金額の例として「765円」が表示されている。
さらに、表示制御部353Aは、「発行するカードを選択する」というメッセージが付された発行実行ボタンB11と、「釣銭を出金する」というメッセージが付された発行不実行ボタンB12とを表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する(S19)。各ボタンに付されるメッセージは特に限定されない。発行実行ボタンB11は、カードの発行を指示する操作を入力するためのボタンである。一方、発行不実行ボタンB12は、カードの発行を行わないことを指示する操作を入力するためのボタンである。
図5に進んで、店員は、釣銭を使ってカードの発行が可能であることを顧客に伝えるとともに、カードの発行の要否を顧客に問う。顧客が釣銭を用いたカードの発行を希望しない旨を店員に伝えると、店員は、「釣銭を出金する」というメッセージが付された発行不実行ボタンB12を選択する操作をレジスタ表示操作部16に入力する(S21)。その後、S18と同様に、制御部30は、最終的な釣銭金額に相当する釣銭が出金部から出金されるように制御する(S22)。また、制御部30は、入金された現金のうち釣銭以外の現金(すなわち、購入金額に相当する現金)が収納庫に収納されるように制御する。
一方、顧客が釣銭を用いたカードの発行を希望する旨を店員に伝えると、店員は、「発行するカードを選択する」というメッセージが付された発行実行ボタンB11を選択する操作をレジスタ表示操作部16に入力する(S23)。続いて、表示制御部353Aは、発行するカードの種類を選択する画面(発行カード選択画面)を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。ここで、図7~図9を参照しながら、発行カード選択画面の例について説明する。
図7は、発行カード選択画面の第1の例を示す図である。図7を参照すると、第1の例として発行カード選択画面G20が示されている。発行カード選択画面G20には、発行するカードの種類の選択を促す情報の例として「発行する電子マネーカードを選択してください。」というメッセージが表示されている。さらに、発行カード選択画面G20の「現在の釣銭金額」には、暫定的な釣銭金額の例として「765円」が表示されている。なお、暫定的な釣銭金額の代わりに、または、暫定的な釣銭金額に追加して、暫定的な釣銭金額からカード発行手数料が差し引かれた金額が表示されてもよい。
さらに、表示制御部353Aは、「電子マネーカードA(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB21と、「電子マネーカードB(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB22と、「電子マネーカードC(発行手数料200円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB23とを表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する(S24)。各ボタンに付されるメッセージは特に限定されないが、この例のように、各カードの発行手数料が表示され、店員が顧客に発行手数料を伝えれば、顧客は種類ごとの発行手数料を参考にしながら発行すべきカードの種類を決めることができる。なお、発行手数料は、顧客側の画面(すなわち、顧客によって直接視認される画面)がある場合には、当該顧客側の画面に表示されてもよい。
カード選択ボタンB21は、電子マネーカードAというカードの種類を指示する操作を入力するためのボタンである。一方、カード選択ボタンB22は、電子マネーカードBというカードの種類を指定する操作を入力するためのボタンである。カード選択ボタンB23は、電子マネーカードCというカードの種類を指定する操作を入力するためのボタンである。また、表示制御部353Aは、「戻る」というメッセージが付された戻るボタンB24も表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。戻るボタンB24は、カード発行要否選択画面G10に戻る操作を入力するためのボタンである。
図5のS24の後、店員は、カードの種類を指定して欲しい旨を顧客に伝える。顧客が発行を希望するカードの種類を店員に伝えると、店員により、カード選択ボタンB21~B23の中から、顧客の希望するカードの種類に対応するボタンを選択する操作がレジスタ表示操作部16に入力される(S25)。算出部351Aは、レジスタ表示操作部16に入力された種類のカードの発行手数料を、暫定的な釣銭金額から差し引くことによって差引金額(第2の差引金額)を最終的な釣銭金額として算出する。
レジスタ制御部35Aは、レジスタ表示操作部16に入力されたカードの種類を、釣銭機1Aに送信するとともに、最終的な釣銭金額を釣銭機1Aに送信する。釣銭機1Aにおいては、通信部33によって、カードの種類と最終的な釣銭金額とが受信される。その後、S26およびS27と、S28およびS29とが実行される。例えば、図5に示されたように、S26およびS27と、S28およびS29とは、並行的に実行される。S26~S29については、後に説明する。
図8は、発行カード選択画面の第2の例を示す図である。図8を参照すると、第2の例として発行カード選択画面G30が示されている。発行カード選択画面G30の「現在の釣銭金額」には、暫定的な釣銭金額の例として「250円」が表示されている。図7に示された第1の例と同様に、発行カード選択画面G30には、「電子マネーカードA(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB31と、「電子マネーカードB(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB32と、「電子マネーカードC(発行手数料200円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB33と、戻るボタンB34とが表示されている。
ここで、電子マネーカードAおよび電子マネーカードBそれぞれの発行手数料は「500円」であり、暫定的な釣銭金額「250円」より大きい。そこで、判断部352Aは、暫定的な釣銭金額が発行手数料未満となるカードの種類(以下、「発行不可能媒体」とも言う。)として、電子マネーカードAおよび電子マネーカードBを検出する。なお、暫定的な釣銭金額が発行手数料未満となるカードは、選択できないようにされてもよい。
一方、電子マネーカードCの発行手数料は「200円」であり、暫定的な釣銭金額「250円」以下である。そこで、判断部352Aは、暫定的な釣銭金額が発行手数料以上となるカードの種類(以下、「発行可能媒体」とも言う。)として、電子マネーカードCを検出する。
このとき、表示制御部353Aは、発行可能媒体として検出した電子マネーカードCに応じた表示が行われるようにレジスタ表示操作部16を制御するとよい。これによって、発行可能なカードの種類が容易に把握され得る(それと同時に、発行不可能なカードの種類も容易に把握され得る)。
図8に示された第2の例では、発行可能媒体として検出した電子マネーカードCに対応するカード選択ボタンB33が、発行不可能媒体として検出した電子マネーカードAに対応するカード選択ボタンB31、および、電子マネーカードBに対応するカード選択ボタンB32と区別し得る表示態様(この例では、色の違い)によって表示される例が示されている。
しかし、発行可能媒体として検出された電子マネーカードCに応じた表示は、かかる例に限定されない。例えば、発行可能媒体として検出された電子マネーカードCに対応するカード選択ボタンB33だけが表示され、発行不可能媒体として検出された電子マネーカードAに対応するカード選択ボタンB31、および、発行不可能媒体として検出された電子マネーカードBに対応するカード選択ボタンB32は表示されなくてもよい。
図9は、発行カード選択画面の第3の例を示す図である。図9を参照すると、第3の例として発行カード選択画面G40が示されている。図7に示された第1の例と同様に、発行カード選択画面G40には、「電子マネーカードA(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB41と、「電子マネーカードB(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB42とが表示されている。そして、発行カード選択画面G40には、「ポイントカード(発行手数料200円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB43と、戻るボタンB44とが表示されている。
カード選択ボタンB43は、ポイントカードというカードの種類を指定する操作を入力するためのボタンである。この例のように、発行可能なカードの種類には、電子マネーカード以外のカード(例えば、ポイントカード)が含まれていてもよい。なお、ポイントカードは、購入金額あるいは来店回数などに応じて算出された点数(ポイント)が書き込まれるカードであり得る。顧客は、ポイントを次回以降の来店時における購入金額の一部に充当したり、商品または役務と交換したりすることが可能である。
図5のS26では、制御部30は、レジスタ制御部35Aから受信された種類のカードを発行するようにカード発行部40を制御する。カード発行部40は、制御部30による制御に従って、カード格納部41に格納されている当該種類のカードをカード排出部42から排出させる(S26)。なお、発行可能なカードが複数種類ではなく1種類である場合には、カード発行部40は、制御部30による制御に従って、カード格納部41に格納されている1種類のカードをカード排出部42から排出させればよい。
制御部30は、通信部33によって受信された最終的な釣銭金額に相当する釣銭が出金部から出金されるように制御する(S28)。また、制御部30は、入金された現金のうち釣銭以外の現金(すなわち、購入金額とカード発行手数料との合計額に相当する現金)が収納庫に収納されるように制御する。その後、発行されたカードが店員から顧客に手渡される(S27)。
POSレジスタ15においては、購入金額がレシート印字部17によって印字されたレシートが排出される。その後、レシートおよび釣銭が顧客に手渡され(必要に応じて商品も店員から顧客に手渡され)(S29)、会計が終了する。
以上、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムの動作例について説明した。
<1-3.効果>
上記したように、一般的にカードの発行には手間(例えば、カードの発行料金に相当する現金をカードの発行のために財布から取り出す手間など)が掛かることなどが、カードを発行することに対する心理的な障壁となり得る。そのため、カードの普及が進みにくいという実情がある。しかし、本発明の第1の実施形態によれば、釣銭金額(暫定的な釣銭金額)をカード発行に用いることができるため、カードを発行することに対する心理的な障壁を低減することが可能となる。
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
<2.第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
<2-1.現金取扱いシステムの構成>
本発明の第1の実施形態では、1つの種類あたりのカードの発行数は1枚である例について説明した。本発明の第2の実施形態では、本発明の第1の実施形態に追加して、1つの種類あたりのカードの枚数を指定することが可能な例について説明する。
なお、以下では、本発明の第2の実施形態に係る現金取扱いシステムのうち、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムとの差分について主に説明し、本発明の第1の実施形態に係る現金取扱いシステムと共通する部分についての詳細な説明は省略する。
本発明の第2の実施形態においては、POSレジスタ15がレジスタ制御部35Bを備える。図10は、レジスタ制御部35Bの構成例を示す図である。図10に示すように、レジスタ制御部35Bは、算出部351B、判断部352Bおよび表示制御部353Bを備える。レジスタ制御部35Bが備えるこれらのブロックの機能の詳細は、後に説明する。
<2-2.現金取扱いシステムの動作>
続いて、本発明の第2の実施形態に係る現金取扱いシステムの動作例について説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る現金取扱いシステムの動作例を説明するための図である。まず、本発明の第2の実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様に、S11~S23が実行される。続いて、表示制御部353Bは、発行するカードの種類と枚数とを選択する画面(発行カード選択画面)を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。ここで、図12を参照しながら、発行カード選択画面の例について説明する。
図12は、発行カード選択画面の例を示す図である。図12を参照すると、発行カード選択画面G50が示されている。発行カード選択画面G50には、発行するカードの種類の選択を促す情報の例として「発行する電子マネーカードを選択してください。」というメッセージが表示されている。さらに、発行カード選択画面G50の「現在の釣銭金額」には、暫定的な釣銭金額の例として「2000円」が表示されている。なお、本発明の第1の実施形態と同様に、暫定的な釣銭金額の代わりに、または、暫定的な釣銭金額に追加して、暫定的な釣銭金額からカード発行手数料が差し引かれた金額が表示されてもよい。
さらに、本発明の第1の実施形態(図7)と同様に、表示制御部353Bは、「電子マネーカードA(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB51と、「電子マネーカードB(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB52と、「電子マネーカードC(発行手数料200円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB53と、戻るボタンB54とを表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する(S41)。カード選択ボタンB51~B53それぞれに対応する位置には、現時点において指定されているカードの発行数「0枚」が表示されている。
店員は、カードの種類を指定して欲しい旨を顧客に伝える。顧客が発行を希望するカードの種類を店員に伝えると、店員により、カード選択ボタンB51~B53の中から、顧客の希望するカードの種類に対応するボタンを選択する操作がレジスタ表示操作部16に入力される(S42)。ここでは、「電子マネーカードA(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB51を選択する操作がレジスタ表示操作部16に入力された場合を想定する。
判断部352Bは、指定されたカードの1枚分の発行手数料と暫定的な釣銭金額とに基づいて、暫定的な釣銭金額が発行手数料の合計金額以下となる発行上限数を算出する。判断部352Bによって、発行上限数が2枚未満であると判断された場合には、(2枚以上カードを発行する暫定的な釣銭金額がないとして)(S43において「NO」)本発明の第1の実施形態と同様に、S26~S29が実行される(すなわち、指定されたカード1枚分の発行が行われる。)
一方、判断部352Bによって、発行上限数が2枚未満であると判断された場合には、(2枚以上カードを発行する暫定的な釣銭金額があるとして)(S43において「YES」)、表示制御部353Bは、発行数指定画面を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。ここでは、指定された電子マネーカードAの発行手数料が「500円」であり、暫定的な釣銭金額が「2000円」であるため、判断部352Bによって、発行上限数が(2000円/500円=)4枚であると判断され、発行数指定画面が表示される。
図13は、発行数指定画面の例を示す図である。図13を参照すると、一例として発行数指定画面G60が示されている。発行数指定画面G60には、発行するカードの枚数の選択を促す情報の例として「電子マネーカードAを何枚発行しますか。」というメッセージが表示されている。さらに、発行数指定画面G60の「現在の釣銭金額」には、暫定的な釣銭金額の例として「2000円」が表示されている。
さらに、表示制御部353Bは、発行数を示す情報が付された枚数選択ボタンB61を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。枚数選択ボタンB61の数は特に限定されない。枚数選択ボタンB61は、カードの発行数を指定する操作を入力するためのボタンである。一方、「発行しない」というメッセージが付された発行不実行ボタンB62は、指定されたカードの発行数を「0枚」のままとし、発行カード選択画面G50に戻る操作を入力するためのボタンである。
表示制御部353Bは、指定された電子マネーカードAの発行上限数に応じた表示が行われるようにレジスタ表示操作部16を制御するとよい。これによって、カードを何枚まで発行可能であるかが容易に把握され得る。
図13に示された例では、枚数選択ボタンB61のうち、発行上限数「4枚」以下の枚数に対応するボタンが、発行上限数「4枚」よりも大きい枚数に対応するボタンと区別し得る表示態様(この例では、色の違い)によって表示される例が示されている。なお、発行上限数よりも大きい枚数は選択できないようにされてもよい。
しかし、指定された電子マネーカードAの発行上限数に応じた表示は、かかる例に限定されない。例えば、指定された電子マネーカードAの発行上限数「4枚」以下の枚数に対応するボタンだけが表示され、発行上限数「4枚」よりも大きい枚数に対応するボタンは表示されなくてもよい。
店員は、指定されたカードの発行上限数を顧客に伝え、カードの発行数を顧客に問い合わせ、顧客が発行を希望するカードの枚数を店員に伝えると、店員により、枚数選択ボタンB61の中から、顧客の希望するカードの枚数に対応するボタンを選択する操作がレジスタ表示操作部16に入力される(S45)。ここでは、顧客がカードを「2枚」を発行したい旨を店員に伝え、店員が発行数として「2枚」に対応するボタンを選択する操作がレジスタ表示操作部16に入力された場合を想定する。表示制御部353Bは、発行カード選択結果画面を表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。
図14は、発行カード選択結果画面の例を示す図である。図14を参照すると、発行カード選択結果画面G70の「現在の釣銭金額」には、算出部351Bによって、暫定的な釣銭金額「2000円」から電子マネーカードAの2枚分のカード発行手数料「1000円」が差し引かれた差引金額(第2の差引金額)である「1000円」が表示されている。なお、電子マネーカードAの2枚分のカード発行手数料「1000円」が差し引かれる前の暫定的な釣銭金額「2000円」が表示されてもよい。
さらに、図12と同様に、表示制御部353Bは、「電子マネーカードA(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB71と、「電子マネーカードB(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB72と、「電子マネーカードC(発行手数料200円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB73と、戻るボタンB74と、「発行する」というメッセージが付された発行実行ボタンB75とを表示するようにレジスタ表示操作部16を制御する。「電子マネーカードA(発行手数料500円)」というメッセージが付されたカード選択ボタンB71に対応する位置には、現時点において指定されているカードの発行数「2枚」が表示されている。
発行実行ボタンB75は、カードの発行を行うことを指示する操作を入力するためのボタンである。なお、発行できるカードは1種類に限らない。複数の種類のカードと、種類ごとの発行数が顧客から指定された場合には、店員はカード選択ボタンB71~B73の中から、顧客の希望するカードの種類と、種類ごとの発行数に対応するボタンを選択する操作をレジスタ表示操作部16に入力することも可能である(図11のS42~S45)。しかし、ここでは、店員が発行実行ボタンB75を選択する操作をレジスタ表示操作部16に入力する場合を想定する。
かかる場合には、レジスタ制御部35Bは、指定されたカードの種類「電子マネーカードA」と、暫定的な釣銭金額「2000円」から電子マネーカードAの2枚分のカード発行手数料「1000円」が差し引かれた差引金額(第2の差引金額)を最終的な釣銭金額「1000円」として釣銭機1Aに送信する。釣銭機1Aにおいては、通信部33によって、カードの種類と最終的な釣銭金額とが受信される。その後、本発明の第1の実施形態と同様に、S26およびS27と、S28およびS29とが実行される。
ただし、S26およびS27においては、指定された発行数が加味される。すなわち、S26では、制御部30は、レジスタ制御部35Bから受信された種類のカードを、レジスタ制御部35Bから受信された発行数だけ発行するようにカード発行部40を制御する。カード発行部40は、制御部30による制御に従って、カード格納部41に格納されている当該種類のカードを発行数だけカード排出部42から排出させる(S26)。その後、指定された枚数分のカードが店員から顧客に手渡される(S27)。
以上、本発明の第2の実施形態に係る現金取扱いシステムの動作例について説明した。
<2-3.効果>
本発明の第2の実施形態によれば、本発明の第1の実施形態と同様に、釣銭金額(暫定的な釣銭金額)をカード発行に用いることができるため、カードを発行することに対する心理的な障壁を低減することが可能となる。さらに、本発明の第2の実施形態によれば、1つの種類あたりのカードの発行数を指定することが可能であるため、1つの種類あたりのカードを複数枚発行したいと考える顧客(例えば、自分のカードとともに家族の分のカードも発行したいと考える顧客など)の希望に従うことが可能となる。
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
<3.第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態それぞれにおいては、現金取扱いシステムが、釣銭機1AとPOSレジスタ15とを備える場合について主に説明した。しかし、現金取扱いシステムは、(POSレジスタを用いずとも)釣銭機単体によって実現され得る。以下では、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態それぞれに係る現金取扱いシステムを釣銭機単体によって実現することが可能な例について説明する。
なお、以下では、本発明の第3の実施形態に係る現金取扱いシステムのうち、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態に係る現金取扱いシステムとの差分について主に説明し、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態に係る現金取扱いシステムと共通する部分についての詳細な説明は省略する。
図15は、本発明の第3の実施形態に係る現金取扱いシステムの構成例を示す図である。図15に示したように、本発明の第3の実施形態に係る現金取扱いシステムは、釣銭機1Cを備える。釣銭機1Cは、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態に係る釣銭機1Aが備える構成と同様の構成を備える他、接続部51を備える。以下、接続部51について主に説明する。
接続部51は、記録媒体(例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリなど)に接続され得る。記録媒体には、PC(Personal Computer)などによってあらかじめ商品の金額および商品名(役務の金額および役務名でもよい)が記録されており、接続部51が記録媒体に接続されると、記録媒体に記録された商品の金額および商品名が接続部51を介して制御部30に読み込まれる。
制御部30は、商品の金額および商品名を表示するように表示操作部10を制御することが可能である。そして、店員が顧客の希望する商品の個数を表示操作部10に入力することによって、制御部30は、商品の金額と個数とに基づいて商品の総額(購入金額)を算出することが可能である。
本発明の第3の実施形態においては、本発明の第1の実施形態に係るレジスタ制御部35A(または本発明の第2の実施形態に係るレジスタ制御部35B)が有する機能をPOSレジスタ15の代わりに、釣銭機1Cの制御部30が担うことができる。
すなわち、本発明の第3の実施形態においては、現金が入金されると、制御部30が、投入された現金の額である入金額から購入額を差し引いた差引金額(第1の差引金額)を算出する。そして、制御部30は、差引金額がカードの発行手数料未満である場合には、差引金額(第1の差引金額)に応じた釣銭が出金されるように制御する。
一方、制御部30は、差引金額(第1の差引金額)がカードの発行手数料以上である場合には、カードを発行するようにカード発行部40を制御する。そして、制御部30は、投入された現金の額である入金額から購入額を差し引いた差引金額(第1の差引金額)からカード発行手数料を差し引いた差引金額(第2の差引金額)に応じた釣銭が出金されるように制御する。
同様に、本発明の第3の実施形態においては、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態において、レジスタ表示操作部16によって受け付けられた操作を釣銭機1Cの表示操作部10が代わりに受け付けることが可能である。さらに、本発明の第3の実施形態においては、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態において、レジスタ表示操作部16によって表示された内容を釣銭機1Cの表示操作部10が代わりに表示することが可能である。
以上、本発明の第3の実施形態について説明した。
<4.変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記では、各種操作を入力可能な操作部としてタッチパネルが用いられる場合を主に説明した。しかし、各種操作を入力可能な操作部は、タッチパネルに限定されない。例えば、各種操作を入力可能な操作部として、タッチパネルの代わりに物理ボタンが用いられてもよい。このとき、物理ボタンは、釣銭機に設けられてもよいし、POSレジスタに設けられてもよい。
また、追加入金が可能な場合には、入金部に投入される現金には、入金部に最初に投入される現金(第1の現金)と、入金部に最初に投入される現金に追加で入金部に投入される現金(第2の現金)とが含まれる。このとき、発行手数料に対して入金部に最初に投入された現金の額から購入額を差し引いた金額に不足分がある場合が想定される。かかる場合には、表示制御部353A(または表示制御部353B)は、追加入金によってカードの発行が可能となる旨を表示するようレジスタ表示操作部16を制御してもよい。そして、制御部30は、入金部に最初に投入された現金の額と追加で入金部に投入された現金の額とを含んだ金額(第1の入金額)から購入額を差し引いた暫定的な釣銭金額(第1の差引金額)が発行手数料以上である場合に、カードを発行するようにカード発行部40を制御してもよい。これによって、カードの発行がより行われやすくなる。
また、カードの発行を希望した顧客自身の個人情報の登録が必要になる場合がある。したがって、顧客が自分の個人情報を容易に登録することを可能にするために、現金取扱いシステム(釣銭機またはPOSレジスタ)は、カードに関連する個人情報の入力に関する情報を出力する出力部を備えてもよい。例えば、個人情報の入力に関する情報の例としては、個人情報を入力可能なWebページのURL(Uniform Resource Locator)などが想定され得る。
例えば、レシート印字部17は、個人情報を入力可能なWebページのURLをレシートに印字してもよい。顧客は、レシートに印字されたURLにアクセスすれば、個人情報入力用のWebページを容易に表示させることができる。あるいは、レジスタ表示操作部16は、個人情報を入力可能なWebページのURLに対応するコードを表示してもよい。顧客は、表示されたコードを自身の携帯端末(スマートフォンなど)に読み取らせ、コードに対応するURLにアクセスすれば、個人情報入力用のWebページを容易に表示させることができる。
また、上記では、顧客が釣銭を用いたカードの発行を希望する旨を店員に伝え、店員が、発行実行ボタンを選択する操作をレジスタ表示操作部16に入力した場合に、制御部30が、カードを発行するようにカード発行部40を制御する場合を主に説明した。しかし、カードを発行するか否かを顧客が希望するか否かに関わらず、制御部30は、暫定的な釣銭金額がカード発行手数料以上である場合に、カードを発行するようにカード発行部40を制御してもよい。顧客がカードの発行を希望しない場合(あるいは、顧客が既にカードを持っている場合)もあり得るが、これによって、カードの普及はより促進され得る。
また、上記では、店員によって扱われる現金取扱いシステム(釣銭機およびPOSレジスタ)について主に説明した。しかし、本発明の実施形態に係る現金取扱いシステムは、必ずしも店員によって扱われなくてもよい。例えば、本発明の実施形態に係る現金取扱いシステムは、バーコードの読み取りから会計までの操作全部が顧客によって行われるフルセルフレジに適用されてもよいし、バーコードの読み取りの操作は店員によって行われ、会計の操作を顧客が行うセミセルフレジに適用されてもよい。
本発明の実施形態に係る現金取扱いシステムが、フルセルフレジおよびセミセルフレジのいずれに適用されるとしても、上記した第1の実施形態から第3の実施形態までにおいて店員に対して表示される各種画面は、店員の代わりに顧客に対して行われてよい。同様に、上記した第1の実施形態から第3の実施形態までにおいて店員から入力される各種操作は、店員の代わりに顧客によって行われてよい。釣銭機への現金の入金と釣銭機からの釣銭の受け取りも、店員の代わりに顧客によって直接行われてよい。
あるいは、本発明の実施形態に係る現金取扱いシステムは、顧客によって商品または役務が選択され、顧客によって現金が入金されると、選択された商品または役務の金額と入金された現金とに基づいて自動的に商品または役務の購入が行われ、出金された釣銭を顧客が受け取る発売機に適用されてもよい。例えば、本発明の実施形態に係る現金取扱いシステムが、発売機の例として乗車券の発券機に適用される場合には、顧客が購入したい乗車券を選択する操作を入力し、顧客によって現金が入金されると、入金額から乗車券の金額を差し引いた差引金額が(自動改札機によって読み取り可能な)乗車カードの発行料金(例えば、カードの返却時に顧客に返却される預り金など)以上である場合に、乗車カードが発行されてもよい。
また、本発明の実施形態に係る現金取扱いシステムの処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、本発明の実施形態に係る現金取扱いシステムの処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。