JP7519941B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキンを含む吸収性物品に関するものである。
この種の吸収性物品の多くは横漏れを防止することが必要不可欠となっている。横漏れ防止を図るための一つの手段として、吸収体に前後方向に延びるスリット等を設けることにより、吸収性物品における吸収体を有する部分を断面W字状やM字状に変形させることが知られている(特許文献2、3参照)。これらは、物品表面における幅方向の両側に、吸収体を有する部分が隆起した隆起部が形成され、この隆起部により排泄物の横方向への移動が堰き止められるとともに、前後方向への排泄物の移動が促進され、もって横漏れ防止が図られるものである。
しかし、これら従来の構造では、吸収体はスリット等に沿って屈曲しやすいとはいえ、屈曲形状で固定されるものではないため、隆起部の形状安定性及び形状復元性の点で改善の余地があった。
特開2016-187386号公報 特開2018-68818号公報 特開2014-193209号公報 特開2016-140477号公報 特開2016-189931号公報 特開2016-189933号公報 特開2017-064224号公報
そこで、本発明の主たる課題は、隆起部の形状安定性及び形状復元性に優れる吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した吸収性物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
少なくとも股間部の幅方向の両側に内蔵された、幅方向に弾性伸縮可能な伸縮シートと、
前記伸縮シートより表側に位置し、上吸収体を含む上層部と、
前記伸縮シートより裏側に位置し、下吸収体を含む下層部とを有し、
前記上層部は、少なくとも前記股間部の幅方向の両側に位置し、表側に隆起する隆起部を有し、
前記伸縮シートは、前記隆起部と重なる第1部分と、その幅方向の両側に隣接する第2部分とを有し、
前記上層部は、前記伸縮シートの前記第2部分と接合されて形成された接合部と、これら接合部の間に位置し、前記伸縮シートの前記第1部分と接合されていない非接合部とを有し、
前記隆起部は、前記接合部が前記伸縮シートの弾性収縮により幅方向に近づけられることにより前記非接合部が押し上げられて隆起した部分である、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本吸収性物品では上層部の隆起部が逆V字状となって隆起し、当該吸収性物品の表面にはこの隆起部からなる堰が形成される。したがって、この隆起部により、排泄物の横方向への移動を堰き止めるとともに、前後方向への移動を促進し、もって横漏れ防止を図ることができる。しかも、隆起部は、伸縮シートに対する両側の接合部が伸縮シートの弾性収縮により幅方向に近づけられることにより中間の非接合部が押し上げられて隆起した部分であることと、下層部の上方に位置し、下吸収体を含む下層部により支えられることとが相まって、形状安定性及び形状復元性に富むため、身体表面の形状変化に追従して良好にフィットするものとなる。
<第2の態様>
前記上層部は、前記隆起部の間に非隆起部を有しており、
前記伸縮シートは、一方の隆起部の裏側から前記非隆起部の裏側を経て他方の隆起部の裏側まで延びているとともに、前記非隆起部の裏側に位置する非伸縮領域と、前記非伸縮領域の幅方向両側に位置する伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域及び前記非伸縮領域は、液透過性を有する第1シート層と、液透過性を有する第2シート層と、これらの間に介在された弾性フィルムとを有し、前記第1シート層及び前記第2シート層は、間隔を空けて配列されたシート接合部で、前記弾性フィルムを貫通する接合孔を通じて溶着されており、
前記伸縮領域は、前記弾性フィルムの収縮により幅方向に収縮しているとともに、前記シート接合部の外周と前記接合孔の内周との隙間の拡大を伴って幅方向に伸長可能な領域であり、
前記非伸縮領域は、自然長の状態で前記シート接合部の外周と前記接合孔の内周との間に形成される隙間の面積率が10~30%であり、前記伸縮領域における幅方向の弾性限界伸びが130%以下の領域である、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
伸縮シートは幅方向に弾性伸縮するものであれば特に限定されない。また、伸縮シートは各隆起部に対して個別に設けられていてもよい。しかし、製造を容易にするため、及び液透過性をコントロールするために、本態様のような弾性フィルムを内蔵するものであると好ましい。すなわち、本態様によれば、上層部における隆起部の間に非隆起部を有する場合であっても、一枚の伸縮シートで、非隆起部に非伸縮領域を設け、その両側に位置する部分を伸縮領域として残すことにより、容易に製造することができる。また、弾性フィルムに形成される接合孔の内周とシート接合部の外周との隙間は、厚み方向に気体・液体を透過させる通路となり、この通路が非伸縮領域では常に大きく開口し、伸縮領域ではより小さく開口する。つまり、本吸収性物品では、全体として、下吸収体からの逆戻りが発生しにくくなり、中でも肌により近い隆起部では下吸収体からの逆戻りが特に発生しにくいものとなる。
<第3の態様>
前記非伸縮領域における幅方向の中間に、前後方向に連続する無弾性フィルム領域が一筋又は幅方向に間隔を空けて複数筋設けられている、
第2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様の伸縮シートのように、幅方向の中間に前後方向に連続する無弾性フィルム領域を有すると、非伸縮領域の液透過性が高くなるため好ましい。
<第4の態様>
前記伸縮領域には、前記シート接合部が前後方向に並ぶ接合列と、前後方向の全体にわたり前記シート接合部を有しない無接合帯とが、幅方向に交互に繰り返し設けられている、
第2又は3の態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様のように、シート接合部がストライプパターンで形成されていると、伸縮シートの表面に前後方向に直線的に連続する大きな襞及び溝が幅方向に交互に繰り返し形成されるため、隆起部の裏側においても、排泄物の横方向への移動を抑制するとともに、前後方向への移動を促進することができる。
<第5の態様>
前記伸縮シートは、少なくとも前記隆起部の接合部側と反対側の面が、前記下吸収体の表面に対して直接又は間接に接合されている、
第1~4のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様の場合、隆起部及び下吸収体によりしっかりとした筒状の部分が形成されるため、隆起部の形状安定性及び形状復元性がさらに向上する。
<第6の態様>
前記隆起部は、幅方向の中間部に前後方向に延びる易折り曲げ部を有している、
第1~5のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様の場合、易折り曲げ部で屈曲するように隆起部が隆起するため、より高く、形状安定性に優れる隆起部が形成される。
<第7の態様>
前記上吸収体は、パルプ繊維集合体のみからなるか又はパルプ繊維集合体中に高吸収性ポリマー粒子を含むものであり、
前記パルプ繊維集合体の繊維目付けが65~140g/m2であり、
前記高吸収性ポリマー粒子の目付けが0~200g/m2である、
第1~6のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様の場合、上吸収体の柔軟性に優れるため、隆起部が隆起しやすくなるだけでなく、隆起部が肌に接触したときに感触が柔軟になる。
以上のとおり本発明によれば、隆起部の形状安定性及び形状復元性に優れるようになる、等の利点がもたらされる。
パッドタイプ使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。 要部のみを示す平面図である。 図1のY-Y断面図である。 図1のX-X断面図である。 (a)展開状態の要部を拡大して示す平面図である。 図1のX-X断面に相当する断面図である。 (a)は伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD-D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 サンプルの伸縮領域の(a)平面方向からの顕微鏡写真のトレース図、(b)平面方向からの高倍率顕微鏡写真のトレース図、(c)斜視方向からの高倍率顕微鏡写真のトレース図である。 (a)は非伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD-D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 非伸縮領域の要部平面図である。 シート接合部及び接合孔の例を示す平面図である。 ある程度伸長した外装体の要部断面を概略的に示す断面図である。 シート接合部の各種配列例を示す平面図である。 超音波シール装置を示す正面図である。 パッドタイプ使い捨ておむつの自然長の状態を概略的に示す断面図である。 パッドタイプ使い捨ておむつの自然長の状態を概略的に示す断面図である。 (a)は伸縮領域の要部平面図、(b)はある程度収縮した状態(装着状態を想定)における断面図である。 要部のみを示す平面図である。 パッドタイプ使い捨ておむつの自然長の状態を概略的に示す断面図である。 非伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。
以下、添付図面を参照しながら吸収性物品の例について詳説する。なお、用語のうち「股間部C2」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、図示形態のように物品の前後方向LDの中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、物品の前後方向LDの中央の所定範囲であったりするものである。物品の前後方向LDの中間あるいは吸収体23A,23Bの前後方向LDの中間に幅の狭いくびれ部分23nを有する場合は、いずれか一方又は両方のくびれ部分23nの最小幅部位を前後方向LD中央とする所定の前後方向LD範囲を意味する。また、「前側部分F2(腹側部分)」は股間部C2よりも前側の部分を意味し、「後側部分B2(背側部分)」は股間部C2よりも後側の部分を意味する。
厚み方向に隣接する各構成部材は、以下に述べる固定又は接合部分以外も、必要に応じて公知のおむつと同様に固定又は接合される。断面図における点模様部分は、この固定又は接合手段としてのホットメルト接着剤等の接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状、波状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する固定又は接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。厚み方向の液の透過性が要求される部分では、厚み方向に隣接する構成部材は間欠的なパターンで固定又は接合される。例えば、ホットメルト接着剤によりこのような間欠的な固定又は接合を行う場合、スパイラル状、Z状、波状等の間欠パターン塗布を好適に用いることができ、一つのノズルによる塗布幅以上の範囲に塗布する場合には、幅方向に間隔を空けて又は空けずにスパイラル状、Z状、波状等の間欠パターン塗布を行うことができる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
また、以下の説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となった繊維を含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
図1~図4は、吸収性物品の一例としてのパッドタイプ使い捨ておむつ200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、股間部C2と、その前後両側に延在する前側部分F2及び後側部分B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Lは350~700mm程度、全幅W1は130~400mm程度(ただし、おむつの吸収面の幅より広い)とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10~150mm程度、前側部分F2の前後方向長さは50~350mm程度、及び後側部分B2の前後方向長さは50~350mm程度とすることができる。また、股間部C2の幅W3は、例えば大人用の場合、150mm以上、特に200~260mm程度とすることができる。
本パッドタイプ使い捨ておむつ200は、液不透過性シート21と、液透過性を有するトップシート22との間に、吸収体23A,23Bを含む基本構造を有している。
吸収体23A,23Bの裏側には、液不透過性シート21が吸収体23A,23Bの周縁より若干はみ出すように設けられている。液不透過性シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
また、液不透過性シート21の外面は、不織布からなる外装シート27により覆われており、この外装シート27は、所定のはみ出し幅をもって液不透過性シート21の周縁より外側にはみ出している。外装シート27としては各種の不織布を用いることができる。外装シート27は省略することもできる。
吸収体23A,23Bの表側は、液透過性を有するトップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23A,23Bが一部はみ出しているが、吸収体23A,23Bの側縁がはみ出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては各種の不織布を用いることができる。トップシート22として好ましい不織布の一つは、熱可塑性合成繊維を熱風接着してなるエアスルー不織布である。
トップシート22と吸収体23A,23Bとの間には、中間シート25を介在させるのが望ましい。この中間シート25は、吸収体23A,23Bにより吸収した尿の逆戻りを防止するために設けられるものであり、保水性が低く、かつ液透過性の高い素材、例えば各種の不織布やメッシュフィルム等を用いるのが望ましい。トップシート22の前端を0%としトップシート22の後端を100%としたとき、中間シート25の前端は0~11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シート25の後端は92~100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シート25の幅W4は吸収体23A,23Bの全幅W3の50~100%程度であるのが好ましい。中間シート25は省略することもできる。
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向LDの両端部では、液不透過性シート21、外装シート27及びトップシート22が吸収体23A,23Bの前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23A,23Bの存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、液不透過性シート21及び外装シート27が吸収体23A,23Bの側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面には、立体ギャザー24を形成するギャザーシート24sの幅方向WDの外側の部分24xが前後方向LDの全体にわたり貼り付けられ、吸収体23A,23Bの存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、図1では斜線模様で示されており、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。外装シート27を設けない場合、外装シート27に代えて液不透過性シート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
ギャザーシート24sの素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコーンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
ギャザーシート24sの幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両ギャザーシート24sは、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面及び外装シート27内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図15に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して弾力的に起立する漏れ防止壁となる部分であり、その起点24bはギャザーシート24sにおける幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
本例のパッドタイプ使い捨ておむつ200は、排泄物の液分を吸収・保持する吸収体として、最も表側に位置する上吸収体23Aと、その裏側に設けられた下吸収体23Bとを有している。吸収体23A,23Bの代表例は、パルプ繊維・高吸収性ポリマー粒子等の吸収材を集積してなるものである。一例として、上吸収体23A及び下吸収体23Bは、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマー粒子を混合、固着等してなるものとすることができる。上吸収体23A及び下吸収体23Bは、ともにパルプ繊維及び高吸収性ポリマー粒子の混合集積物であるのが好ましい。
上吸収体23A及び下吸収体23Bに含有される高吸収性ポリマー粒子としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば上吸収体23A及び下吸収体23Bに同じ粒度分布の高吸収性ポリマー粒子を用いる場合等、通常の場合には、500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。また、上吸収体23A及び下吸収体23Bに異なる粒度分布の高吸収性ポリマー粒子を用いる場合には、上吸収体23Aに用いる高吸収性ポリマー粒子の粒度分布は、上述の500μm及び180μmの標準ふるいを用いたふるい分けを行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が50重量%以上のものが望ましく、下吸収体23Bに用いる高吸収性ポリマー粒子の粒度分布は、上述の500μm及び180μmの標準ふるいを用いたふるい分けを行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が25重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が70重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子としては、特に限定されるものではないが、吸水速度が20~50秒で、吸水量50~80g/gのものを好適に用いることができる。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。
上吸収体23Aは、必要に応じて形状及び高吸収性ポリマー粒子保持等のため、個別又は複数有する場合には一体的に、クレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する上包装シート26Aにより包み、一体的な上吸収要素とすることができる。同様に、下吸収体23Bは、個別又は複数有する場合には一体的に、クレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する下包装シート26Bにより包み、一体的な下吸収要素とすることができる。断面図では吸収体23A,23Bの外周線を包装シート26A,26Bとし、その内部の斜線模様部分を吸収体23A,23Bとして表している。吸収体が単独で形状維持性を有する場合等には、包装シート26A,26Bは省略することができる。このような吸収体23A,23Bの例としては、親水性不織布に高吸収性ポリマーを固定したもの等を例示することができる。上吸収要素及び下吸収要素は、互いに構成が異なっていてもよいし、同じであってもよい。
上吸収体23A及び下吸収体23Bは、股間部を含む領域に設けられる限り、その前後方向の寸法や幅方向の寸法は適宜定めることができる。通常の場合、上吸収体23A及び下吸収体23Bは、前側部分F2から後側部分B2にかけて延在されていると好ましい。上吸収体23Aは下吸収体23Bと同じ寸法とすることもできるが、図示形態のように上吸収体23Aの全長及び全幅は下吸収体23Bのそれよりも短いことが望ましい。通常の場合、上吸収体23Aの全長は下吸収体23Bの全長の60~90%程度とすることができ、上吸収体23Aの全幅は下吸収体23Bの全幅の60~90%程度とすることができる。
上吸収体23A及び下吸収体23Bの形状は適宜定めることができ、それぞれ長方形状とすることもできるが、少なくとも大きい方の吸収体23A,23B(図示例では下吸収体23B)は、股間部C2を含む前後方向中間の所定部分が幅の狭いくびれ部分23nとして形成されていると好ましい。このくびれ部分23nの最小幅W5は、くびれ部分23nの前後に位置する非くびれ部分の幅W3の50~65%程度であるのが好ましい。また、物品前端を0%とし物品後端を100%としたとき、くびれ部分23nの前端は10~25%の範囲に位置しているのが好ましく、くびれ部分23nの後端は40~65%の範囲に位置しているのが好ましく、くびれ部分23nの最小幅W5となる部位(最小幅部位)は25~30%の範囲に位置しているのが好ましい。
特徴的には図4等に示すように、本パッドタイプ使い捨ておむつ200は、少なくとも股間部C2の幅方向WDの両側に内蔵された、幅方向WDに弾性伸縮可能な伸縮シート51と、伸縮シート51より表側に位置し、上吸収体23Aを含む上層部50と、伸縮シート51より裏側に位置し、下吸収体23Bを含む下層部52とを有する。図示例では、上層部50は上吸収体23A、上包装シート26A、中間シート25、トップシート22及びギャザーシート24sを含み、下層部52は下吸収体23B、下包装シート26B、液不透過性シート21及び外装シート27を含む。また、上層部50は、少なくとも股間部C2の幅方向WDの両側に位置し、表側に隆起する隆起部53を有し、伸縮シート51は、隆起部53と重なる第1部分と、その幅方向WDの両側に隣接する第2部分とを有する。さらに、上層部50は、伸縮シート51の第2部分と接合されて形成された接合部50bと、これら接合部50bの間に位置し、伸縮シート51の第1部分と接合されていない非接合部50aとを有する。隆起部53は、図3及び図4に示す展開状態では平坦であるが、図15に示す自然長の状態及び装着状態では、接合部50bが伸縮シート51の弾性収縮により幅方向WDに近づけられることにより非接合部50aが押し上げられて表側に隆起する。
このように上層部50の隆起部53が逆V字状となって隆起し、当該おむつの表面にこの隆起部53からなる堰が形成されると、排泄物の横方向への移動を隆起部53により堰き止めるとともに、前後方向LDへの移動を促進し、もって横漏れ防止を図ることができる。しかも、隆起部53は、伸縮シート51に対する両側の接合部50bが伸縮シート51の弾性収縮により幅方向WDに近づけられることにより中間の非接合部50aが押し上げられて隆起した部分であることと、下層部52の上方に位置し、下吸収体23Bを含む下層部52により支えられることとが相まって、形状安定性及び形状復元性に富むため、身体表面の形状変化に追従して良好にフィットするものとなる。
隆起部53は、その一部にのみ上吸収体23Aを有していてもよいが、形状維持性の観点からは、幅方向WD及び前後方向LDの少なくとも一方の90%以上(特に全体)にわたり上吸収体23Aを有することが好ましい。下吸収体23Bは、隆起部53と重なる領域の一部にのみ設けられていてもよいが、隆起部53の形状維持性の観点からは、幅方向WD及び前後方向LDの少なくとも一方において隆起部53と重なる領域の90%以上(特に全体)にわたり設けられていることが好ましい。
伸縮シート51における隆起部53の接合部50b側と反対側の面は、下層部52の表面に接合されていなくてもよいが、図示例のように下吸収体23Bの表面に対して間接(又は直接でもよい)に接合されていると、隆起部53及び下吸収体23Bによりしっかりとした筒状の部分が形成されるため、隆起部53の形状安定性及び形状復元性がさらに向上する。
伸縮シート51は(したがって隆起部53も)、図2及び図18(b)に示す例のように前側部分F2から後側部分B2にかけて延在されていると好ましく、特に上吸収体23Aの全長にわたり延在されていると好ましいが、図18(a)に示す例のように股間部C2のみ等、部分的に設けられていてもよい。
上層部50における隆起部53の間には非隆起部54を有していると好ましいが、左右の隆起部53が隣接していてもよい。非隆起部54は、図4に示す例のように上吸収体23A(又は上吸収要素)を有しない部分23mであっても、図6に示す例のように上吸収体23A(又は上吸収要素)及び下吸収体23Bを両方有しない部分であっても、図16に示す例のように上吸収体23A(又は上吸収要素)を有する部分であってもよい。上吸収体23A(又は上吸収要素)を有しない部分23mは、図4及び図18(b)に示す例のように上吸収体23A(又は上吸収要素)の前後方向LDの全体にわたり連続するスリット(つまり、左右一対の上吸収体23A(又は上吸収要素)が幅方向WDに間隔を空けて配置される)であってもよいし、図18(a)に示す例のように上吸収体23A(又は上吸収要素)の前後方向LDの中間にのみ存在するスリットであってもよい。このスリットの配置に合わせて又はスリットの配置とは別に、隆起部53は上吸収体23A(又は上吸収要素)の前後方向LDの全体にわたり設けられていてもよいし、上吸収体23A(又は上吸収要素)の前後方向LDの中間にのみ設けられていてもよい。
隆起部53の幅53xは特に限定されないが、通常の場合、吸収体23A,23Bの最小幅W5の5~20%程度とすることが望ましく、具体的に大人用製品の場合7.5~30mm程度とすることができる。非隆起部54の幅54x(幅方向WDにおける隆起部53の間隔)は適宜定めることができるが、通常の場合、吸収体23A,23Bの最小幅W5の60~90%程度とすることが望ましく、具体的に大人用製品の場合90~135mm程度とすることができる。伸縮シート51は、各隆起部53に対して個別に設けてもよいが、例えば後述する伸縮シート51のように、隆起部53の裏側から非隆起部54の裏側を経て他方の隆起部53の裏側までカバーする伸縮シート51を設け、この伸縮シート51のうち、隆起部53の間に位置する部分に非伸縮領域70を設け、その両側に位置する部分を伸縮領域80とすることもできる。
図19に示すように、隆起部53は、幅方向WDの中間部に前後方向LDに延びる易折り曲げ部53Bを有していると、易折り曲げ部53Bで屈曲するように隆起部53が隆起し、より高く、形状安定性に優れる隆起部53が形成される点で好ましい。易折り曲げ部53Bとしては、図示例のように上吸収体23Aに設けられるスリットの他、上層部50、上吸収体23A又は上吸収要素が厚み方向に圧縮加工(エンボス加工等)されて形成された凹部や、上吸収体23Aの目付けが少ない低目付部とすることもできる。一方、隆起部53に易折り曲げ部53Bを設けずに、弧状に隆起させるのも肌触りの観点からは好ましい。
また、上吸収体23Aが、パルプ繊維集合体のみからなるか又はパルプ繊維集合体中に高吸収性ポリマー粒子を含むものである場合、パルプ繊維集合体の繊維目付けを65~140g/m2とし、高吸収性ポリマー粒子の目付けを0~200g/m2とするのも好ましい。このような上吸収体23Aは柔軟性に優れるため、隆起部53が隆起しやすくなるだけでなく、隆起部53が肌に接触したときに感触が柔軟になる。
伸縮シート51は幅方向WDに弾性伸縮するものであれば特に限定されず、糸ゴム等の細長状の弾性部材を不織布等の一対のシート層の間に挟んだもののほか、それ自体で弾性を有する弾性フィルム30や弾性繊維からなる伸縮不織布であってもよい。また、伸縮シート51は隆起部53と重なる部分にのみ設けられていてもよい。伸縮シート51は液透過性を有することが好ましいが、液透過性が低いものや、液不透過性のものを用いることもできる。
伸縮シート51としては、図7に示すような、液透過性を有する第1シート層20Aと、液透過性を有する第2シート層20Bと、これらの間に介在された弾性フィルム30とを有し、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、間隔を空けて配列されたシート接合部40で、弾性フィルム30を貫通する接合孔31を通じて溶着されているものも用いることができる。
個々のシート接合部40の自然長状態での形状は、適宜定めることができるが、真円形(図11(e)参照)、楕円形、三角形、長方形(図7,図9参照)、ひし形(図11(b)参照)等の多角形、あるいは凸レンズ形(図11(a)参照)、凹レンズ形(図11(c)参照)、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。個々のシート接合部40の寸法は特に限定されないが、伸縮方向ED(幅方向WD)と直交する方向の最大長さ40yは0.5~3.0mm、特に0.7~1.1mmとするのが好ましく、伸縮方向EDの最大長さ40xは0.1~3.0mm、特に伸縮方向EDと直交する方向に長い形状の場合には0.1~1.1mmとするのが好ましい。
個々のシート接合部40の大きさは、適宜定めれば良いが、大きすぎるとシート接合部40の硬さが感触に及ぼす影響が大きくなり、小さすぎると接合面積が少なく資材同士が十分に接着できなくなるため、通常の場合、個々のシート接合部40の面積は0.14~3.5mm2程度とすることが好ましい。個々の接合孔31の開口の面積は、接合孔31を介してシート接合部40が形成されるためシート接合部40以上であれば良いが、シート接合部40の面積の1~1.5倍程度とすることが好ましい。なお、接合孔31の開口の面積は、弾性フィルム30単独の状態ではなく第1シート層20A及び第2シート層20Bと一体化した状態で、かつ自然長の状態における値を意味し、接合孔31の開口の面積が、弾性フィルム30の表と裏で異なる等、厚み方向に均一でない場合には最小値を意味する。なお、図中の符号40eは直交方向XDにおけるシート接合部40の中心間隔を示し、符号40fは伸縮方向EDにおけるシート接合部40の中心間隔を示している。また、図中の符号31yは、伸縮方向EDと直交する方向XDにおける接合孔31の最大長さを示し、符号31xは伸縮方向EDの接合孔31の最大長さを示し、符号31eは直交方向XDにおける接合孔31の中心間隔を示し、符号31fは伸縮方向EDにおける接合孔31の中心間隔を示している。
シート接合部40及び接合孔31の平面配列は適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、図13(a)に示すような斜方格子状や、図13(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、図13(c)に示すような正方格子状、図13(d)に示すような矩形格子状、図13(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向に対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるものの他、シート接合部40の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。
シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合は、弾性フィルム30に形成された接合孔31を通じて接合される。この場合、少なくともシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では弾性フィルム30と接合されていないことが望ましい。
シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合手段は特に限定されないが、製造容易性の観点からは、シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合はホットメルト接着剤によりなされているよりも、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着による接合手段によりなされている方が好ましい。
シート接合部40が素材溶着により形成される場合、シート接合部40において第1シート層20A及び第2シート層20Bの両方が溶融固化していても、シート接合部40において第1シート層20A及び第2シート層20Bのいずれか一方のみが溶融固化していてもよい。さらに、シート接合部40内に、弾性フィルム30の溶融固化物が挟まれていてもよい。
第1シート層20A及び第2シート層20Bは、図12(a)に示す例のようにシート接合部40における厚み方向及び平面方向の全体にわたり均一に溶融固化していても、図12(b)(c)に点模様のグラデーションで示すように不均一に溶融固化していてもよい。例えば、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、図12(b)に示す例のようにシート接合部40の厚み方向外側ほど溶融の程度が低くてもよい。この状態には、シート接合部40の表面で第1シート層20A及び第2シート層20Bのほぼすべての繊維が溶融していない状態、シート接合部40の表面に第1シート層20A及び第2シート層20Bの溶融固化物と溶融していない繊維とが混在する状態、並びにシート接合部40の厚み方向全体にわたり第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維が溶融しているものの溶融の程度が変化する状態が含まれる。
上記シート接合部40における厚み方向の溶融の程度の変化を伴い又は伴わずに、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、図12(c)に示す例のようにシート接合部40の周縁側ほど溶融の程度が低くてもよい。この状態には、シート接合部40の周縁部で第1シート層20A及び第2シート層20Bのほぼすべての繊維が溶融していない状態(ただし、後述の弾性フィルム30の溶融固化物が接着剤として介在する場合に限る)、シート接合部40の周縁部に第1シート層20A及び第2シート層20Bの溶融固化物と溶融していない繊維とが混在する状態、並びにシート接合部40の平面方向の全体にわたり第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維が溶融しているものの溶融の程度が変化する状態が含まれる。
なお、これらの状態において、第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維が溶融することには、繊維全体が溶融することの他、繊維の芯(複合繊維における芯だけでなく単成分繊維の中心部分を含む)は残るがその周囲部分(複合繊維における鞘だけでなく単成分繊維の表層側の部分を含む)は溶融することが含まれる。
また、シート接合部40内に弾性フィルム30の溶融固化物が残存する状態には、第1シート層20A又はその溶融固化層と、第2シート層20B又はその溶融固化層との間に、それらとほとんど混じらずに層状に残存する状態、第1シート層20A及び第2シート層20Bのうち溶融固化するものと混じった状態、並びに第1シート層20A及び第2シート層20Bの溶融固化しない方の繊維間に、又は第1シート層20A及び第2シート層20Bのうち溶融固化する方における残存繊維(芯含む)間にある程度浸透した状態が含まれる。
シート接合部40内に弾性フィルム30の溶融固化物が残存する状態は、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の融点が弾性フィルム30の融点よりも高い条件下で、第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性フィルム30を挟み、シート接合部40となる部位を加圧・加熱し、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性フィルム30とを溶融することにより製造することができる。
図14は、好適な超音波シール装置の例を示している。この超音波シール装置では、シート接合部40の形成に際して、外面にシート接合部40のパターンで形成した突起部60aを有するアンビルロール60と超音波ホーン61との間に、第1シート層20A、弾性フィルム30及び第2シート層20Bを送り込む。この際、例えば上流側の弾性フィルム30の送り込み駆動ロール63及びニップロール62による送り込み移送速度を、アンビルロール60及び超音波ホーン61以降の移送速度よりも遅くすることにより、送り込み駆動ロール63及びニップロール62によるニップ位置からアンビルロール60及び超音波ホーン61によるシール位置までの経路で、弾性フィルム30をMD方向(マシン方向、流れ方向)に所定の伸長率まで伸長する。この弾性フィルム30の伸長率は、アンビルロール60及び送り込み駆動ロール63の速度差を選択することにより設定することができ、例えば300%~500%程度とすることができる。
アンビルロール60と超音波ホーン61との間に送り込まれた、第1シート層20A、弾性フィルム30及び第2シート層20Bは、この順に積層した状態で、突起部60aと超音波ホーン61との間で加圧しつつ、超音波ホーン61の超音波振動エネルギーにより加熱し、弾性フィルム30のみを溶融するか、又は第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性フィルム30とを溶融することによって、弾性フィルム30に接合孔31を形成するのと同時に、その接合孔31を通じて第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合する。したがって、この場合にはアンビルロール60の突起部60aの大きさ、形状、離間間隔、ロール長方向及びロール周方向の配置パターンなどを選定することにより、シート接合部40の面積率を選択することができる。
また、接合に際して、第1シート層20A及び第2シート層20Bにおける、アンビルロール60の突起部60aと対応する部分は周囲につながったまま(周囲から離脱せず)、弾性フィルム30におけるアンビルロール60の突起部60aと対応する部分が溶融して周囲から離脱することにより、接合孔31が開孔する。この際、弾性フィルム30における、伸縮方向EDに並ぶ隣接する接合孔31の間の部分は、図7(a)(b)、図9(a)(b)に示すように、接合孔31により伸縮方向両側の部分から切断され、収縮方向両側の支えを失うことになるため、収縮方向と直交する方向の連続性を保ちうる範囲で、伸縮方向EDと直交する方向LDの中央側ほど伸縮方向中央側に釣り合うまで収縮し、接合孔31が伸縮方向EDに拡大する。
このような製造方法を採用する場合、第1シート層20A及び第2シート層20Bとしては溶着可能なものであれば特に限定無く使用でき、例えば、繊維の少なくとも一部が溶着可能な(つまり熱可塑性樹脂成分を含む)不織布を好適に用いることができる。第1シート層20A及び第2シート層20Bに用いる不織布の目付けは10~25g/m2程度とするのが好ましい。
弾性フィルム30としては、無孔のものの他、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。特に、幅方向WD(伸縮方向ED、MD方向)における引張強度が8~25N/35mm、前後方向LD(伸縮方向と直交する方向XD、CD方向)における引張強度が5~20N/35mm、幅方向WDにおける引張伸度が450~1050%、及び前後方向LDにおける引張伸度が450~1400%の弾性フィルム30であると好ましい。弾性フィルム30の厚みは特に限定されないが、20~40μm程度であるのが好ましい。
以上に述べた弾性フィルム30を有する伸縮シート51は、弾性フィルム30の収縮力により幅方向WDに収縮しているとともに、幅方向WDに伸長可能な伸縮領域80を有する。すなわち、図7及び図8に示すように、伸縮領域80では弾性フィルム30が幅方向WDに途切れずに残り、かつこの弾性フィルム30の収縮力により第1シート層20A及び第2シート層20Bが収縮して収縮襞51Fが形成されるようにシート接合部40を配置することによって、このような伸縮性を付与することができる。
伸縮領域80では、図7に示す例のように弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32を有していてもよいし、有していなくてもよい。
伸縮領域80は、伸縮シート単独の自然長状態では、図7(b)に示すように、シート接合部40間の第1シート層20A及び第2シート層20Bが互いに離間する方向に膨らんで、前後方向LDに延びる収縮襞51Fが形成され、幅方向WDにある程度伸長した状態でも、収縮襞51Fは伸ばされるものの、残るようになっている。また、これらの状態では、弾性フィルム30における接合孔31の内周縁が、シート接合部40の外周縁から伸縮方向に離れて隙間33が開口し、弾性フィルム30の素材が無孔のフィルムやシートであっても、この隙間33により通気性・通液性が付加される。特に、弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32を有している場合には、自然長状態では、弾性フィルム30のさらなる収縮により接合孔31がすぼまり、接合孔31とシート接合部40との間に隙間33がほとんど形成されない形態となり、弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有していない場合には隙間33が残る。
特に、伸縮領域80におけるシート接合部40のパターンが、図17(a)に示すように、シート接合部40が前後方向LDに並ぶ接合列81と、前後方向LDの全体にわたりシート接合部40を有しない無接合帯82とが、幅方向WDに交互に繰り返し設けられているストライプパターンであると好ましい。これにより、図17(b)に示すように、伸縮シート51の表面に前後方向LDに直線的に連続する大きな襞51F及び溝が幅方向WDに交互に繰り返し形成されるため、隆起部53の裏側においても、排泄物の横方向への移動を抑制するとともに、前後方向LDへの移動を促進することができる。
伸縮領域80の幅方向WDの弾性限界伸びは190%以上(好ましくは200~220%)とすることが望ましい。伸縮領域80の弾性限界伸びは、製造時の弾性フィルム30の伸長率によってほぼ決まるがこれを基本として、幅方向WDの収縮を阻害する要因により低下する。このような阻害要因の主なものは、幅方向WDにおいて単位長さ当たりに占めるシート接合部40の長さLの割合であり、この割合が大きくなるほど弾性限界伸びが低下する。通常の場合、シート接合部40の長さLはシート接合部40の面積率と相関があるため、伸縮領域80の弾性限界伸びはシート接合部40の面積率により調整できる。
伸縮領域80の伸長応力は、図7に示す例のように、弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32を有している場合には、主に弾性フィルム30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32(図7(a)参照)の直交方向寸法32w(接合孔の間隔31dに等しい)の総和により調整することができる。
伸縮領域80におけるシート接合部40の面積率及び個々のシート接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
シート接合部40の面積:0.14~3.5mm2(特に0.14~1.0mm2
シート接合部40の面積率:1.8~19.1%(特に1.8~10.6%)
このように、伸縮領域80の弾性限界伸び及び伸長応力はシート接合部40の面積により調整できるため、伸縮領域80内にシート接合部40の面積率が異なる複数の領域を設け、部位に応じて伸縮性を変化させることができる。
伸縮シート51の形成・配置を容易にするため、並びに液透過性をコントロールするために、図3~図5に示すように、一方の隆起部53の裏側から非隆起部54の裏側を経て他方の隆起部53の裏側まで、伸縮シート51を連続させ、伸縮シート51における非隆起部54の裏側に非伸縮領域70を形成し、その幅方向WD両側に前述の伸縮領域80を形成するのは好ましい。非伸縮領域70は、自然長の状態でシート接合部40の外周と接合孔31の内周との間に形成される隙間33の面積率が10~30%であり、伸縮領域80における幅方向WDの弾性限界伸びが130%以下の領域である。非伸縮領域70の弾性限界伸びは120%以下であると好ましく、110%以下であるとより好ましく、100%であると特に好ましい。
非伸縮領域70における個々のシート接合部40の形状は、特に限定されず、伸縮領域80の項で述べたものと同様の形状から適宜選択することができる。
また、非伸縮領域70におけるシート接合部40の面積率及び個々のシート接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とすると、各シート接合部40の面積が小さくかつシート接合部40の面積率が低いことにより非伸縮領域70が硬くならいため好ましい。
シート接合部40の面積:0.10~0.75mm2(特に0.10~0.35mm2
シート接合部40の面積率:4~13%(特に5~10%)
非伸縮領域70は、弾性フィルム30の収縮力により第1シート層20A及び第2シート層20Bが収縮して襞51Fが形成されないようにシート接合部40を密に配置すること等によって形成することができる。非伸縮領域70の形成手法の具体例としては、例えば特許文献4~7記載のものを挙げることができる。図9及び図10は、特許文献7記載の非伸縮領域70の例を示している。この非伸縮領域70では、接合孔31がある程度以上密な配置で千鳥状に配列され、弾性フィルム30が伸縮方向EDに連続するものの、接合孔31の存在により伸縮方向EDに沿って直線的に連続する部分を有しないものである。この場合、図9及び図10に示すように、自然長の状態及び展開状態のいずれでもほぼ変わりない大きさで隙間33が開口する。
伸縮シート51がこのような非伸縮領域70を有すると、上層部50における隆起部53の間に非隆起部54を有する場合であっても、一枚の伸縮シート51で、非隆起部54に非伸縮領域70を設け、その両側に位置する部分を伸縮領域80として残すことにより、容易に製造することができる。また、弾性フィルム30に形成される接合孔31の内周とシート接合部40の外周との隙間33は、厚み方向に気体・液体を透過させる通路となり、この通路が非伸縮領域70では常に大きく開口し、伸縮領域80ではより小さく開口する。つまり、本吸収性物品では、全体として、下吸収体23Bからの逆戻りが発生しにくくなり、中でも肌により近い隆起部53では下吸収体23Bからの逆戻りが特に発生しにくいものとなる。
非伸縮領域70であっても、例えば全体にわたり弾性フィルム30が存在していると、その分だけ液透過性が低くなるため、図20に示すように、非伸縮領域70における幅方向WDの中間に、前後方向LDに連続する無弾性フィルム領域71が一筋又は幅方向WDに間隔を空けて複数筋設けられていると、非伸縮領域70の液透過性が高くなるため好ましい。このような無弾性フィルム領域71は、弾性フィルム30を幅方向WDに間隔を空けて切断することにより形成することができる。弾性フィルム30の切断方法としては、特許文献5記載の方法を好適に用いることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向(マシンダイレクション又はライン流れ方向)」及び「CD方向(MD方向と直交する横方向)」とは、加工設備の「MD方向」及び「CD方向」を意味し、いずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。また、製品におけるMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。図示形態は、殆ど多くの使い捨ておむつの製品と同様に、前後方向がMD方向となり、幅方向がCD方向となるものである。
・「表側」とは着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは部材の、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「弾性限界伸び(最大伸び)」とは、伸縮方向EDの伸びの最大値(換言すれば第1シート層及び第2シート層が収縮(弾性部材による収縮等、あらゆる収縮を含む)や弛み無く平坦に展開した展開状態の伸び)を意味し、展開状態の長さを自然長を100%としたときの百分率で表すものである。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば伸縮領域80、非伸縮領域70)における対象部分(例えばシート接合部40、接合孔31)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものであり、特に伸縮構造を有する領域における「面積率」とは、展開状態の面積率を意味するものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J-B(測定範囲0~35mm)又は型式K-4(測定範囲0~50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「引張強度」及び「引張伸度(破断伸び)」は、試験片を幅35mm×長さ80mmの長方形状とする以外は、JIS K7127:1999「プラスチック-引張特性の試験方法-」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS-G100Nを用いることができる。
・「伸長応力」とは、JIS K7127:1999「プラスチック-引張特性の試験方法-」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとする引張試験により、弾性領域内で伸長するときに測定される引張応力(N/35mm)を意味し、伸長の程度は試験対象により適宜決定することができる。試験片は幅35mm、長さ80mm以上の長方形状とすることが好ましいが、幅35mmの試験片を切り出すことができない場合には、切り出し可能な幅で試験片を作成し、測定値を幅35mmに換算した値とする。また、対象領域が小さく、十分な試験片を採取できない場合であっても、伸長応力の大小を比較するのであれば、適宜小さい試験片でも同寸法の試験片を用いる限り少なくとも比較は可能である。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS-G100Nを用いることができる。
・吸水量は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・「展開状態」とは、収縮(弾性部材による収縮等、あらゆる収縮を含む)や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のようなパッドタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ使い捨ておむつ、パンツタイプ使い捨ておむつ等、形態を問わず利用でき、また、生理用ナプキン等、使い捨ておむつ以外の吸収性物品にも利用できるものである。
20A…第1シート層、20B…第2シート層、21…液不透過性シート、22…トップシート、23A,23B…吸収体、23A…上吸収体、23B…下吸収体、24…立体ギャザー、24s…ギャザーシート、25…中間シート、26A,26B…包装シート、26A…上包装シート、26B…下包装シート、27…外装シート、30…弾性フィルム、31…接合孔、33…隙間、40…シート接合部、50…上層部、51…伸縮シート、52…下層部、53…隆起部、70…非伸縮領域、71…無弾性フィルム領域、80…伸縮領域、200…パッドタイプ使い捨ておむつ、B2…後側部分、C2…股間部、F2…前側部分、LD…前後方向、WD…幅方向、50a…非接合部、50b…接合部、54…非隆起部、53B…易折り曲げ部、81…接合列、82…無接合帯。

Claims (7)

  1. 少なくとも股間部の幅方向の両側に内蔵された、幅方向に弾性伸縮可能な伸縮シートと、
    前記伸縮シートより表側に位置し、上吸収体を含む上層部と、
    前記伸縮シートより裏側に位置し、下吸収体を含む下層部とを有し、
    前記上層部は、少なくとも前記股間部の幅方向の両側に位置し、表側に隆起する隆起部を有し、
    前記伸縮シートは、前記隆起部と重なる第1部分と、その幅方向の両側に隣接する第2部分とを有し、
    前記上層部は、前記伸縮シートの前記第2部分と接合されて形成された接合部と、これら接合部の間に位置し、前記伸縮シートの前記第1部分と接合されていない非接合部とを有し、
    前記隆起部は、前記接合部が前記伸縮シートの弾性収縮により幅方向に近づけられることにより前記非接合部が押し上げられて隆起した部分である、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記上層部は、前記隆起部の間に非隆起部を有しており、
    前記伸縮シートは、一方の隆起部の裏側から前記非隆起部の裏側を経て他方の隆起部の裏側まで延びているとともに、前記非隆起部の裏側に位置する非伸縮領域と、前記非伸縮領域の幅方向両側に位置する伸縮領域とを有しており、
    前記伸縮領域及び前記非伸縮領域は、液透過性を有する第1シート層と、液透過性を有する第2シート層と、これらの間に介在された弾性フィルムとを有し、前記第1シート層及び前記第2シート層は、間隔を空けて配列されたシート接合部で、前記弾性フィルムを貫通する接合孔を通じて溶着されており、
    前記伸縮領域は、前記弾性フィルムの収縮により幅方向に収縮しているとともに、前記シート接合部の外周と前記接合孔の内周との隙間の拡大を伴って幅方向に伸長可能な領域であり、
    前記非伸縮領域は、自然長の状態で前記シート接合部の外周と前記接合孔の内周との間に形成される隙間の面積率が10~30%であり、前記伸縮領域における幅方向の弾性限界伸びが130%以下の領域である、
    請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記非伸縮領域における幅方向の中間に、前後方向に連続する無弾性フィルム領域が一筋又は幅方向に間隔を空けて複数筋設けられている、
    請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記伸縮領域には、前記シート接合部が前後方向に並ぶ接合列と、前後方向の全体にわたり前記シート接合部を有しない無接合帯とが、幅方向に交互に繰り返し設けられている、
    請求項2又は3記載の吸収性物品。
  5. 前記伸縮シートは、少なくとも前記隆起部の接合部側と反対側の面が、前記下吸収体の表面に対して直接又は間接に接合されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記隆起部は、幅方向の中間部に前後方向に延びる易折り曲げ部を有している、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記上吸収体は、パルプ繊維集合体のみからなるか又はパルプ繊維集合体中に高吸収性ポリマー粒子を含むものであり、
    前記パルプ繊維集合体の繊維目付けが65~140g/m2であり、
    前記高吸収性ポリマー粒子の目付けが0~200g/m2である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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