JP7519810B2 - 煙感知器加煙試験器の試験薬 - Google Patents

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Description

本発明は、煙感知器加煙試験器の試験薬に関する。
天井に設置されている火災感知器の定期点検のための擬似煙を発生する加煙試験器(煙感知器加煙試験器)が知られている(たとえば特許文献1参照)。従来の加煙試験器では、ボンベに収容されている試験薬をノズルから放出することで、擬似煙を発生している。ボンベに収容されている試験薬は、発煙剤と噴射剤とで構成されている。
特許第5755974号公報
ところで、加煙試験器で擬似煙の発生に使用される試験薬として、地球温暖化係数(GWP)の値が大きい代替フロンを噴射剤として使用し、また、火災感知器を構成する樹脂への攻撃性が高い石油類を発煙剤として使用することは避けるべきである。
すなわち、加煙試験器で擬似煙の発生に使用される試験薬として、地球温暖化係数の値が小さい噴射剤を使用し、また、火災感知器を構成する樹脂への攻撃性が低い発煙剤を使用すべきである。
本発明は、煙感知器加煙試験器で使用される試験薬であって、地球温暖化係数の値が小さく、さらに、火災感知器を構成する樹脂への攻撃性が低い試験薬を提供することを目的とする。
第1の発明は、煙感知器加煙試験器で使用される試験薬であって、噴射剤としてのハイドロオレフィンと、発煙剤としての油脂類とが、相溶されており、前記噴射剤は、地球温暖化係数の値が小さいノンフロンタイプの代替フロンであり、前記油脂類は、多価アルコール脂肪酸エステルである煙感知器加煙試験器の試験薬である。
第2の発明は、煙感知器加煙試験器で使用される試験薬であって、噴射剤と発煙剤とが相溶されており、前記噴射剤は、HFO-1234ze、HFO-1234yfの少なくともいずれかであり、前記発煙剤は、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンの少なくともいずれかである煙感知器加煙試験器の試験薬である。
本発明によれば、煙感知器加煙試験器で使用される試験薬であって、球温暖化係数の値が小さく、さらに、火災感知器を構成する樹脂への攻撃性が低い試験薬を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る煙感知器加煙試験器の概略構成を示すブロック図である。 (a)は(b)におけるIIA矢視図(平面図)であり、(b)は本発明の実施形態に係る煙感知器加煙試験器の概略構成を示す外観図(正面図)であり、(c)は(b)におけるIIC矢視図(側面図)である。 (a)は図2(c)におけるIIIA-IIIA断面を示す図であり、(b)は図2(b)におけるIIIB矢視図(底面図)である。 (a)は本発明の実施形態に係る煙感知器加煙試験器と煙感知器加煙試験器支持体とを示す図であり、(b)は(a)におけるIVB部の拡大図であり、(c)は(a)におけるIVC部の拡大図であり、(d)は(c)におけるIVD矢視図である。 (a)は図4(c)に対応した図であって、煙感知器加煙試験器支持体へのリモコンの設置態様の変形例を示す図であり、(b)は(a)におけるVB矢視図であり、(c)は(a)で示す状態からリモコンを取り外した状態を示す図であり、(d)は(c)におけるVD矢視図である。
本発明の実施形態に係る煙感知器加煙試験器(煙感知器の加煙試験器;加煙試験器)1は、試験薬を使用して、火災感知器3(図3(a)、図4(a)参照)が正常に機能するか否かを、定期的に検査するための機器である。すなわち、煙感知器加煙試験器1は、試験薬の発煙剤によって疑似煙を発生することで、火災感知器3の作動試験をするための機器である。火災感知器(煙感知器)3は、煙を検出することで火災の発生を感知するものである。このような火災感知器3として、たとえば、光電式スポット型感知器を掲げる。
煙感知器加煙試験器1は、図1~図3で示すように、機器本体部5と火災感知器収容部7と収容体設置部9と受信部11と試験薬噴射部(たとえばノズル)13と流路開閉部(たとえばソレノイドバルブ)15と制御部17とを備えて構成されている。制御部17はメイン基板19に設けられている。
火災感知器収容部7は、機器本体部5に設けられており、図3(a)等で示すように、火災感知器3が設置されている建屋の天井21とともに火災感知器3が収容される空間23を形成する。この形成された空間23は、ほぼ閉じている空間である。なお、試験薬の使用量を少なくするために、空間23の容積をできるだけ小さくすることが望ましい。
また、火災感知器3が、建屋の壁に設置する場合もある。火災感知器3が建屋(たとえば住宅)の壁面に取り付ける場合、天井21から火災警報器3の中心までの距離が15cm~50cmの範囲になっている。また、住宅以外の建屋の壁や天井に火災感知器3を取り付ける場合、図3(a)で示す状態に対して、火災感知器3の傾きを45°以内にする必要がある。
収容体設置部9は、機器本体部5に設けられている。収容体設置部9には、試験薬を収容している試験薬収容体(たとえば、缶スプレー;スプレー缶;ガスボンベ)27が設置される。受信部11は、機器本体部5に設けられており、リモコン25が発信する所定の第1の無線信号(赤外線や電波等の無線信号)を受信する。
試験薬噴射部(たとえばノズル)13は、機器本体部5に設けられており、収容体設置部9に設置されているスプレー缶27内の試験薬を、火災感知器収容部7内に噴射する。ソレノイドバルブ15は、機器本体部5内に設けられており、収容体設置部9に設置されているスプレー缶27内とノズル13とをつないでいる試験薬の流路29の途中に設けられており、試験薬の流路29を開閉する。
制御部17(メイン基板19)は、機器本体部5内に設けられている。制御部17は、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を閉じている状態(試験薬が流れないように遮断している状態)のときに、受信部11でリモコン25が発信する所定の無線信号を受信すると、レノイドバルブ15が試験薬の流路29を開くように(試験薬の流路29で試験薬が流れるように)、ソレノイドバルブ15を制御する。
さらに説明すると、受信部11でリモコン25が発信する所定の無線信号を受信し続けている限り、制御部17がソレノイドバルブ15を制御して、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を開き続けるように構成されている。また、リモコン25が発信する所定の無線信号の受信部11で受信をしなくなったときに、制御部17がソレノイドバルブ15を制御して、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を閉じるように構成されている。
なお、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を閉じている状態であって、受信部11でリモコン25が発信する所定の第1の無線信号を受信したときに、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を開くように、制御部17がソレノイドバルブ15を制御するように構成してもよい。
また、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を開いている状態であって、受信部11がリモコン25の発信する所定の第2の無線信号を受信したときに、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を閉じるように、制御部17がソレノイドバルブ15を制御するように構成してもよい。なお、第1の無線信号と第2の無線信号とは、お互いが同じ形態の無線信号であってもよいし、お互いが異なった形態の無線信号であってもよい。
また、煙感知器加煙試験器1には、光源(第1の光源;たとえば白色のLED)30と表示部(第1の表示部)32とが設けられている。光源30は、機器本体部5に設けられており、火災感知器3が設置されている建屋の天井21に光(可視光)を照射する(天井21を照明する)。この照明は、火災感知器収容部7が建屋の天井21とともに火災感知器3が収容される空間23を形成するときの、火災感知器3に対する火災感知器収容部7(煙感知器加煙試験器1)の位置決めを目視でしやすくする。
機器本体部5には、煙感知器加煙試験器1の電源をオン・オフするための電源スイッチ31が設けられており、制御部17の制御の下、電源スイッチ31で煙感知器加煙試験器1の電源をオンしたときに第1の光源30が点灯し、電源スイッチ31で煙感知器加煙試験器1の電源をオフしたときに第1の光源30が消灯する。
表示部(流路開表示部)32は、たとえば、赤色LED等の第2の光源で構成されており、機器本体部5に設けられている。また、表示部32は、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を開いているときに、制御17部の制御の下、点灯する。
なお、煙感知器加煙試験器1のたとえば火災感知器収容部7に、疑似煙検出部(図示せず)と第2の表示部(図示せず;擬似煙検出表示部)が設けられていてもよい。火災感知器収容部7と建屋の天井21とで火災感知器3が収容されている閉空間23が形成されており、さらに、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を開いたことで閉空間23内に疑似煙が供給されたときに、疑似煙検出部が供給された疑似煙を検出する。
そして、疑似煙検出部が擬似煙を検出したときに、制御部17の制御の下、表示部疑似煙検出部が擬似煙を検出したことを第2の表示部が表示してもよい。第2の表示部は、たとえば、第1の光源や第2の光源とは異なった色を発光する光源である青色LED等で構成されている。
煙感知器加煙試験器1は、図4で示すように、煙感知器加煙試験器支持体(支持棒)33で支持されて使用される。すなわち、煙感知器加煙試験器支持体33は細長い棒状に形成されている。そして、煙感知器加煙試験器1が、煙感知器加煙試験器支持体33の先端部(長手方向の一方の端部)に一体的に設置されて支持されて使用される。これにより、高い天井21に設置されている火災感知器3の検査がされる。
煙感知器加煙試験器支持体33の基端部(長手方向の他方の端部)には、リモコン25が一体的に設置されるリモコン設置部26が設けられている。
ここで、煙感知器加煙試験器1についてさらに詳しく説明する。
煙感知器加煙試験器1の機器本体部5は、背の低い有底筒状の第1の部材35の一部と柱状の部位37とを備えて構成されており、側面視すると、図2(c)で示すように、「L」字状になっている。メイン基板19、受信部11、電源(たとえば乾電池)39およびソレノイドバルブ15は、たとえば、柱状の部位37内に設けられている。
火災感知器収容部7は、第1の部材35の他の一部と、背の低い筒状の第2の部材43と背の低い筒状の弾性部材45とを備えて構成されている。第2の部材43は、たとえば透明なポリカーボネイト等の樹脂材料で構成されている。弾性部材45は、たとえばゴムで構成されており、ゴムクッションとして機能するようになっている。
有底筒状の第1の部材35は、円板状の底部が下側に位置し、円筒状の側部が上側に位置している。第2の部材43は、第1の部材35の側部を上側に延長する態様で、第1の部材35の側部に一体的に設けられており、弾性部材45は、第2の部材43を上側に延長する態様で、第2の部材43に一体的に設けられている。火災感知器収容部7が天井21とともに閉空間23を形成しているときには、弾性部材45のみが天井21に接する。
収容体設置部9は、機器本体部5の第1の部材35の下側に設けられている。収容体設置部9には、スプレー缶27を着脱自在に設置することができる。収容体設置部9にスプレー缶27が設置されて状態を、上下方向で見ると、第1の部材35の内側にスプレー缶27と柱状の部位37とが位置している。
ノズル13は、有底筒状の第1の部材35の円板状の底部の上面から突出している。また、ノズル13は、上下方向で見ると、図2(a)で示すように、有底筒状の第1の部材35の円板状の底部の中心からずれたところに配置されている。ノズル13からは、主として有底筒状の第1の部材35の円板状の底部の上面に対して平行な方向であって有底筒状の第1の部材35の円板状の底部の中心に向かう方向に、試験薬が放出される。
第1の光源30は、有底筒状の第1の部材35の円板状の底部の上面に設けられおり、主として上側に光を発する。表示部32は、機器本体部5の柱状の部位37の下端に設けられており、主として下側に光を発する。電源スイッチ31は、機器本体部5の柱状の部位37の側面に設けられている。
また、煙感知器加煙試験器1には、煙感知器加煙試験器1を煙感知器加煙試験器支持体33に設置するための、煙感知器加煙試験器支持体設置部46が設けられている。
煙感知器加煙試験器支持体設置部46は、「コ」字状の本体部支持部47と、煙感知器加煙試験器支持体係合部49とを備えて構成されている。本体部支持部47の上下方向に延びている2本の上下方向部位51の上端が、第1の部材35を横方向で挟み込むようにして、2本の上下方向部位51の上端が、第1の部材35に接合されている。本体部支持部47の横方向に延びている1本の横方向部位53の長手方向の中央部には、煙感知器加煙試験器支持体係合部49が設けられている。
横方向部位53は、機器本体部5やスプレー缶27から離れて機器本体部5やスプレー缶27の下側に位置している。煙感知器加煙試験器支持体係合部49は、円柱状に形成されており、横方向部位53から下側に突出している。煙感知器加煙試験器支持体係合部49には、図3(b)で示すように、メスネジ55が形成されている。
煙感知器加煙試験器支持体33は、図4で示すように、複数本の円筒状の棒状構成体57で構成されており、長さ寸法の値を調整することができる。
たとえば、煙感知器加煙試験器支持体33は、7本の棒状構成体57A~57Gで構成されている。棒状構成体57A~57Gの接続部には、ロック部59(59A~59F)が設けられている。そして、ロック部59Aを緩めておくことで、棒状構成体57Aに対して棒状構成体57Bが上下方向(長手方向)で移動できる。そして、棒状構成体57Aの下端と棒状構成体57Bの上端との間の寸法の値を調整することができるようになっている。なお、棒状構成体57Bの下側の部位は、棒状構成体57Aの上側の部位内に収容されている。一方、ロック部59Aを締めることで、棒状構成体57Aと棒状構成体57Bとがお互いに一体化する。
棒状構成体57Bとロック部59Bと棒状構成体57Cとの関係も、上述した棒状構成体57Aとロック部59Aと棒状構成体57Bとの関係と同じになっている。その他の棒状構成体57とロック部59との関係も、上述した棒状構成体57Aとロック部59Aと棒状構成体57Bとの関係と同じになっている。
棒状構成体57Gの上端には、アダプタ61を介して煙感知器加煙試験器支持体係合部49に係合する煙感知器加煙試験器係合部63が設けられている。
リモコン設置部26は、図4(c)(d)で示すように、棒状構成体57Aの一部で構成されている。より詳しくは、リモコン25は、環状の拘束バンド65を用いて、棒状構成体57Aに一体的に設置される。拘束バンド65の一部には面ファスナーが設けられており、拘束バンド65の環の径を調整自在になっている。そして、棒状構成体57Aの側面にリモコン25を接触させた状態で棒状構成体57Aとリモコン25とに拘束バンド65を巻いて締め上げることで、棒状構成体57Aとリモコン25と拘束バンド65とが一体化する。
なお、リモコン設置部26を図5で示す構成にしてもよい。すなわち、棒状構成体57Aに平面状部67を備えた突出部69を設け、平面状部67に面ファスナー71を設け、リモコン25にも面ファスナー71を設けてもよい。そして、リモコン25が棒状構成体57Aに着脱自在になっていてもよい。
ここで、煙感知器加煙試験器1の動作について説明する。
初期状態では、煙感知器加煙試験器1にスプレー缶27と煙感知器加煙試験器支持体33とが設置されており、煙感知器加煙試験器1の電源スイッチ31がオンされており、第1の光源30が発光しており、煙感知器加煙試験器支持体33の長さが調整されている。
上記初期状態で、煙感知器加煙試験器1を適宜移動し、火災感知器収容部7(円筒状の弾性部材45)の上端を天井21に接触させて、閉空間23を形成する。なお、このとき、火災感知器3は、閉空間23内に位置している。
続いてリモコン25を操作してリモコン25が所定の第1の信号を発信し、この所定の第1の信号を受信部11が受信すると、表示部32が発光し、ソレノイドバルブ15が開状態になり、ノズル13から試験薬が放出され、閉空間23内が擬似煙で充填される。そして、火災感知器3が擬似煙を検知することで、煙感知器3の作動状態を試験する。
煙感知器加煙試験器1によれば、受信部11でリモコン25が発信する所定の第1の無線信号を受信したときに、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を開き、試験薬をノズル13から放出するように構成されているので、火災感知器3が設置されている天井21の高さが高い場合(たとえば、6m以上)であっても、火災感知器3の点検作業がしやすくなる。
さらに説明すると、作業者が火災感知器(煙感知器)3の作動試験を行う際、従来のやり方では、加煙試験器を支持棒の先端部に取り付け、加煙試験器1を煙感知器3にところ設置し、支持棒の基端部の設けられている操作レバーを操作することで、試験薬をノズルから放出している。なお、操作レバーと加煙試験器とは操作ワイヤによってつながっており、操作レバーが操作されると、操作ワイヤを介して操作力が加煙試験器まで伝達されるようになっている。
したがって、従来のやり方では、火災感知器3が設置されている天井の高さが高いと、支持棒が長くなって撓みやすくなりしかも操作ワイヤの長さが長くなるので、操作力が加煙試験器まで的確に伝わらない事態が発生してしまい、火災感知器3の点検作業がしにくくなる。
これに対して、煙感知器加煙試験器1では、無線によって、試験薬をノズル13から放出するように構成されているので、火災感知器3が設置されている天井21の高さが高いと、支持棒33が長くなって撓みやすくなっていても、操作ワイヤが存在しないので、試験薬をノズル13から確実に放出することができ、火災感知器3の点検作業がしやすくなる。
また、火災感知器3が設置されている天井21の高さが変わることで、支持棒33の長さも変わるが、支持棒33の長さが変化しても、柔軟に対応することができる。
すなわち、従来のやり方では、支持棒の長さも変わると、操作ワイヤの長さを調整する等する必要が生じるが、煙感知器加煙試験器1では、操作ワイヤが存在しないので、支持棒33の長さを調整するだけで使用することができる。さらに、操作レバーや操作ワイヤを使用していないので、支持棒33に余計な力がかかることがない。これにより、閉空間23を形成するときに、円筒状の弾性部材45の先端(上端)を、付勢力をもって天井21に押し付ける必要がなく、天井21に触れさせておけばよい。
煙感知器加煙試験器1によれば、火災感知器3が設置されている建屋の天井21に光を照射する第1の光源30を備えているので、火災感知器3が設置されている建屋内が暗くても、煙感知器加煙試験器1を火災感知器3のところに容易に導くことができる。
また、煙感知器加煙試験器1において、ソレノイドバルブ15が試験薬の流路29を開いたことで閉空間23内に疑似煙が供給されたときに、この供給された疑似煙を検出する疑似煙検出部を設けると、点検の際に火災感知器3が発報しなかった場合における火災感知器3の不具合を正確に把握することができる。
また、煙感知器加煙試験器1によれば、煙感知器加煙試験器支持体33の基端部にリモコン25を設置するためのリモコン設置部26が設けられているので、リモコン設置部26にリモコン25を設置しておけば、煙感知器加煙試験器支持体33の基端部を作業者が両手で支えている状態でも、両手を煙感知器加煙試験器支持体33から離すことなくリモコン25を操作することができ、火災感知器3の点検がしやすくなる。
なお、上記説明では、煙感知器加煙試験器1を煙感知器加煙試験器支持体33に設置しているが、煙感知器加煙試験器1をドローン等の飛行体に設置してもよい。
次に、本発明の実施形態に係る試験薬について説明する。
煙感知器加煙試験器1で擬似煙を発生するのに使用される試験薬では、噴射剤と発煙剤とが相溶されている。噴射剤として、HFO-1234ze(1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン)の少なくともいずれかが採用される。
たとえば、噴射剤として、HFO-1234zeまたはHFO-1234yfが採用される。さらに具体的には、噴射剤として、HFO-1234zeが採用される。
発煙剤として、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンの少なくともいずれかが採用される。
たとえば、発煙剤として、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンまたはトリイソステアリン酸トリメチロールプロパンが採用される。さらに具体的には、発煙剤として、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンが採用される。
なお、HFO-1234zeの別の名称として、トランス―1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(trans―1,3,3,3-Tetrafluoro-1-propene)もしくは1,3,3,3-テトラフルオロプロピレン(1,3,3,3-Tetrafluoropropylene)もしくは1,3,3,3-テトラフルオロプロプ-1-エン(1,3,3,3-Tetrafluoroprop-1-ene)を掲げることができる。
試験薬では、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンが99.68wt%(Mass%)になっており、HFO-1234zeは0.32wt%(Mass%)になっている。
すなわち、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンに対するHFO-1234zeの質量の比は、311.5(=99.68/0.32)になっている。なお、この質量の比を、300~325の範囲内で適宜変更してもよいし、280~350の範囲内で適宜変更してもよいし、さらに、250~380の範囲内で適宜変更してもよい。
噴射剤として他のものを使用し、発煙剤として他のものを使用した場合においては、たとえば、これらのモル数もしくは質量が、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンとHFO-1234zeの場合と同じになるように、変更すればよい。
上述した試験薬によれば、噴射剤としてHFO-1234zeを用い、発煙剤としてトリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンを用いているので、球温暖化係数の値が小さく、また、火災感知器を構成する樹脂への攻撃性が低くなっている。
本発明に実施形態のように、噴射剤としてHFO-1234zeを用い、発煙剤としてトリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(質量での濃度0.4%)またはトリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(質量での濃度0.19%)を用いた場合には、地球温暖化係数の小さい噴射剤で、火災感知器3の材質を変化させない添加剤(発煙剤)で、確実な試験が行える。なお、噴射剤との相溶性とに関しては、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンのほうが、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンよりもよい。
これに対して、噴射剤としてHFO-1234zeを用い、発煙剤として流動パラフィン(質量での濃度0.68%)を用いた比較例では、噴射剤との相溶性が悪い。また、噴射剤としてHFO-1234zeを用い、発煙剤としてエタノール(質量での濃度6%)を用いた比較例では、擬似煙の発生が不十分で火災感知器3が発報しない。また、噴射剤としてHFO-1234zeを用い、発煙剤として日油株式会社製のユニスターH-327R(質量での濃度0.63%)を用いた比較例では、擬似煙が淡黄色で、火災感知器3に色がついてしまうおそれがあるので、好ましくない。
なお、本発明の実施形態に係る試験薬の発煙剤として、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンの他に、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、エチルヘキサン酸ブチルエーテルプロパンジオール、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコールなどのエステルオイル、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、ホホバ油、オリーブ油、オレンジ油、カミレツ油、キウイ油、コメヌカ油、サフラワー油、ジャスミン油、スペアミント油、ツバキ油、パーム油、ユーカリ油、ローズマリー油を掲げることができる。
ここで、発煙剤の樹脂への攻撃性データについて説明する。
煙感知器加煙試験器1の筐体(機器本体部5等)を構成している樹脂を、50℃の恒温槽内で50℃の温度に保たれている発煙剤に14日間浸漬して放置する。なお、以下で示す「〇」は、変化なしであることを示しており、「△」は、一部にヒビがあったことを示しており、「×」は、ヒビがあったことを示している。
トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンでは、煙感知器加煙試験器1の台座が「〇」であり、感知ヘッドも「〇」である。トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンでは、煙感知器加煙試験器1の台座が「△」であり、感知器ヘッドが「〇」である。トリメチロールプロパン脂肪酸エステルでは、煙感知器加煙試験器1の台座が「△」であり、感知器ヘッドが「〇」である。流動パラフィンでは、煙感知器加煙試験器1の台座が「〇」であり、感知ヘッドも「〇」である。ユニスターH-327R(日油株式会社製)では、煙感知器加煙試験器1の台座が「△」であり、感知器ヘッドが「×」である。
以上により樹脂への攻撃性に関しては、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、流動パラフィンのいずれもが適している。しかし、流動パラフィン等は噴射剤との相溶性が良くないので、発煙剤としては、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパンが最も適している。
なお、上述した煙感知器加煙試験器の試験薬の噴射剤は、地球温暖化係数の値が小さいノンフロンタイプの代替フロンの例であり、発煙剤は、多価アルコール脂肪酸エステルの例である。
さらに、上述した煙感知器加煙試験器の試験薬の噴射剤は、ハイドロオレフィンの例であり、発煙剤は油脂類の例である。
1 煙感知器加煙試験器
3 火災感知器
7 火災感知器収容部
9 収容体設置部
11 受信部
13 試験薬噴射部(ノズル)
15 流路開閉部(ソレノイドバルブ)
17 制御部
21 建屋の壁(天井)
23 空間(閉空間)
25 リモコン
26 リモコン設置部
27 試験薬収容体(スプレー缶)
29 試験薬の流路
30 光源
32 表示部
33 煙感知器加煙試験器支持体(支持棒)

Claims (2)

  1. 煙感知器加煙試験器で使用される試験薬であって、噴射剤としてのハイドロオレフィンと、発煙剤としての油脂類とが、相溶されており、前記噴射剤は、地球温暖化係数の値が小さいノンフロンタイプの代替フロンであり、前記油脂類は、多価アルコール脂肪酸エステルであることを特徴とする煙感知器加煙試験器の試験薬。
  2. 煙感知器加煙試験器で使用される試験薬であって、噴射剤と発煙剤とが相溶されており、
    前記噴射剤は、HFO-1234ze、HFO-1234yfの少なくともいずれかであり、
    前記発煙剤は、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンの少なくともいずれかであることを特徴とする煙感知器加煙試験器の試験薬。
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