JP7519286B2 - 玄関庇ユニットとその施工方法 - Google Patents
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Description
そのため、特許文献1の玄関庇ユニットでは、露出した庇受け梁を覆って庇全体の意匠性を高めるために、梁部材と玄関庇ユニットの下方に別個に玄関軒天井を設ける必要がある。この場合、玄関軒天井及び玄関庇ユニットの取り外し及び復旧が必要となり、熟練した作業者と取り外した部品の保管場所が必要になり、かつ作業時間と費用が過大となる。
そのため、特許文献2の玄関庇ユニットでは、玄関扉の前方に張り出した梁部材の下面に躯体接続部と庇本体部が重なって位置するため、梁部材の下面から庇本体部の下面までの高低差が大きくなる。その結果、玄関扉の上端から梁部材の下面までの高低差が小さい(例えば40~60mm)場合、庇本体部が玄関扉の開閉と干渉する可能性があり、梁部材の高さを大きく再構築する必要が生じる。
しかし、この場合、庇本体の下面又は側面にビス又はボルトが露出するため、日常生活における玄関廻りの意匠性が損なわれてしまう。また、上枠の再塗装やシールの打ち替え等を行う際に、庇本体の取り外し及び復旧が必要となり、熟練した作業者と取り外した部品の保管場所が必要になり、かつ作業時間と費用が過大となる。
前記梁下面に取り付けられ、前記張出梁の梁前面より外側まで前後方向に延び、水平かつ互いに平行に位置する一対のガイドレールと、
一対の前記ガイドレールに支持され、上面が前記梁下面に近接し、前記ガイドレールに沿って前後方向に移動させて着脱可能な庇本体と、
前記庇本体の庇内端が前記上枠に近接する設置位置において、前記庇本体のチリ部上面を前記ガイドレールに分離可能に固定する固定具と、を備え、
前記庇本体は、前記設置位置から、前記庇内端が前記上枠から施工離隔を有するメンテナンス位置まで、前記ガイドレールに支持され前記ガイドレールに沿って移動可能に構成されている、玄関庇ユニットが提供される。
(A)一対のガイドレールを、前記梁下面から前記張出梁の梁前面より外側まで前後方向に延びる状態で、水平かつ互いに平行に位置決めして前記梁下面に取り付け、
(B)一対の前記ガイドレールに沿って前後方向に移動可能な庇本体を、上面が前記梁下面に近接し、前記ガイドレールに支持させて取り付け、
(C)前記庇本体の庇内端が前記上枠に近接する設置位置まで、前記庇本体を前記ガイドレールに沿って移動させ、
(D)前記設置位置において、固定具により前記庇本体のチリ部上面を前記ガイドレールに分離可能に固定する、玄関庇ユニットの施工方法が提供される。
また、この図において、矢印Aの方向を「前方」、矢印Bの方向を「後方」、矢印Aと矢印Bの方向を「前後方向」とする。
この例で、玄関扉1の上端から張出梁3の梁下面3aまでの高低差は例えば約50mmであり、張出梁3の上枠2の前面からの前後方向長さは例えば約800mmである。
玄関庇ユニット100は、梁下面3aに取り付けられた一対のガイドレール10と、一対のガイドレール10に支持される庇本体20と、庇本体20をガイドレール10に分離可能に固定する固定具30と、を備える。
また、ガイドレール10の前端は、庇前面20c(後述する)に干渉しない限りで庇本体20のチリ部まで延びている。
庇本体20の設置位置は、玄関扉1の前に位置する人から見上げて、庇内端21によりシール4が、直視できない位置に設定する。設置位置における庇内端21の位置F、すなわち庇内端21の上枠2からの水平間隔は、例えば、0~10mmである。
また設置位置において、チリ部上面Tの前後方向長さは、例えば、30~100mm(好ましくは約50mm)であるのがよい。
メンテナンス位置における庇内端21の位置M、すなわち庇内端21の上枠2からの施工離隔Lは、上枠2の再塗装やシール4の打ち替え等が容易に実施できる距離であり、例えば100~300mmである。
この図において、1対のガイドレール10は、梁下面3aから第1隙間Cを隔てて下方に位置し前後方向に延びる支持面10aを有する。第1隙間Cは、第1水平部22a(後述する)の厚さよりも大きく、例えば4~10mmであるのがよい。
この例で12は、第1隙間Cに相当する厚さを有するパッキンである。また、この例でガイドレール10は厚さが一定の細長い板材である。パッキン12を梁下面3aとガイドレール10の間に挟み、アンカー14をガイドレール10、パッキン12、及び梁下面3aを通して張出梁3に固定することで、第1隙間Cを形成している。
なおこの構成は必須ではなく、例えばガイドレール10の断面に第1隙間Cに相当する段差を設け、ガイドレール10を張出梁3に直接固定してもよい。また、ガイドレール10は平板に限定されず、例えば型鋼であってもよい。
1対の第1鉛直部23aは、庇本体20の左右の庇側面20e(後述する)の上部であり、1対のガイドレール10の左右方向の外面に近接して庇本体20の幅方向位置を保持している。
また、1対の第1水平部22aは、庇本体20の庇上面20a(後述する)の幅方向両端部であり、ガイドレール10の1対の支持面10aの上部の第1隙間Cに左右方向の外側から嵌合し、庇本体20の上面を梁下面3aに近接する一定高さに保持している。
固定具30は、この例ではボルト又はビスであり、第2水平部22bには固定具30のネジ部を通す貫通孔24が設けられている。また、庇内端21が上枠2に近接する庇本体20の設置位置において、ガイドレール10の前方部には、第2水平部22bの貫通孔24に対向する位置に、固定具30のネジ部と螺合する雌ネジ11が設けられている。
この構成により、庇本体20の設置位置において、固定具30を第2水平部22bの貫通孔24を通してガイドレール10の雌ネジ11と螺合させることで、庇本体20を上面が梁下面3aに近接した設置位置に固定することができる。
なお、固定具30は、ボルト又はビスに限定されず、その他の固定手段、例えばピンであってもよい。
平板状の矩形体の厚さ(高さ)は、その内部にガイドレール10、パッキン12、及びアンカー14を収容できる限りで薄く設定されている。
玄関扉1の上端から張出梁3の梁下面3aまでの高低差が例えば約50mmである場合、庇本体20の厚さは、約50mm未満であり、例えば15~30mm(好ましくは20mm)であるのが良い。
また、庇背面20dは、ガイドレール10を水平に通す背面開口25を有する。
庇上面20aの第1水平部22aと第2水平部22bは、この例では一体であり、同一の厚さを有する。この厚さは、第1隙間Cよりも小さく、例えば庇本体20の全体と同じである。なお、水密性を高めるために第1水平部22aと第2水平部22bの上面に薄いシール板を付加してもよい。
またこの例では、庇本体20の庇背面20dの全体が背面開口25となっている。なおこの構成は必須ではなく、庇背面20dの上部のみにガイドレール10とアンカー14を水平に通す背面開口25を設け、その下方部は金属板で閉じてもよい。
この図は、(A)~(D)の順で張出梁3の梁下面3aに玄関庇ユニット100を設置する方法を示している。なお張出梁3は、玄関扉1の上枠2の上部に位置し玄関扉1の前方に張り出している。
この際、上述したパッキン12とアンカー14を用い、ガイドレール10の支持面10aを梁下面3aから第1隙間Cを隔てて位置決めする。
また、ガイドレール10の前方部には、上述した雌ネジ11を設けておく。
この際、庇本体20には、上述した第1水平部22a、第2水平部22b、第1鉛直部23a、及び貫通孔24を設けておく。
この図において、(D)は、図4(D)と同じ設置状態であり、(E)はメンテナンス時の状態を示している。
次いで、庇内端21が上枠2から施工離隔Lを有するメンテナンス位置まで、図5(E)に示すように庇本体20を、ガイドレール10に沿って移動(例えばスライド)させる。
さらに、上枠2の再塗装やシール4の打ち替えの後、庇本体20をガイドレール10に沿って設置位置まで移動させ、固定具30により庇本体20のチリ部上面Tをガイドレール10に固定することで、庇本体20を設置位置に再度固定することができる。
L 施工離隔、M メンテナンス位置における庇内端の位置、T チリ部上面、
1 玄関扉、2 上枠、3 張出梁、3a 梁下面、3b 梁前面、4 シール、
10 ガイドレール、10a 支持面、11 雌ネジ、12 パッキン、
14 アンカー、20 庇本体、20a 庇上面、20b 庇下面、20c 庇前面、
20d 庇背面、20e 庇側面、21 庇内端、22a 第1水平部、
22b 第2水平部、23a 第1鉛直部、24 貫通孔、25 背面開口、
30 固定具、100 玄関庇ユニット
Claims (7)
- 玄関扉の上枠の上部に位置し前記玄関扉の前方に張り出した張出梁の梁下面に取り付ける玄関庇ユニットであって、
前記梁下面に取り付けられ、前記張出梁の梁前面より外側まで前後方向に延び、水平かつ互いに平行に位置する一対のガイドレールと、
一対の前記ガイドレールに支持され、上面が前記梁下面に近接し、前記ガイドレールに沿って前後方向に移動させて着脱可能な庇本体と、
前記庇本体の庇内端が前記上枠に近接する設置位置において、前記庇本体のチリ部上面を前記ガイドレールに分離可能に固定する固定具と、を備え、
前記庇本体は、前記設置位置から、前記庇内端が前記上枠から施工離隔を有するメンテナンス位置まで、前記ガイドレールに支持され前記ガイドレールに沿って移動可能に構成されている、玄関庇ユニット。 - 前記ガイドレールは、前記梁下面から第1隙間を隔てて下方に位置し前後方向に延びる支持面を有し、
前記庇本体は、前記第1隙間に嵌合し前記支持面で支持され前後方向に延びる第1水平部と、前記ガイドレールに近接して前記第1水平部の幅方向位置を保持する第1鉛直部とを有する、請求項1に記載の玄関庇ユニット。 - 前記庇本体の前記チリ部上面は、前記設置位置において前記支持面の上部に位置する第2水平部である、請求項2に記載の玄関庇ユニット。
- 前記庇本体は、庇上面、庇下面、庇前面、庇背面、及び左右の庇側面を有する中空かつ平板状の矩形体であり、
前記庇上面の中央部は開口し、
前記第1水平部は、前記庇上面の幅方向両端部に設けられ、
前記第2水平部は、前記庇上面の前面近傍に設けられ、
前記庇背面は、前記ガイドレールを水平に通す背面開口を有する、請求項3に記載の玄関庇ユニット。 - 前記庇本体は、連続し部分的に折り曲げられた金属板からなる金属製化粧パネルである、請求項3に記載の玄関庇ユニット。
- 玄関扉の上枠の上部に位置し前記玄関扉の前方に張り出した張出梁の梁下面に玄関庇ユニットを取り付ける玄関庇ユニットの施工方法であって、
(A)一対のガイドレールを、前記梁下面から前記張出梁の梁前面より外側まで前後方向に延びる状態で、水平かつ互いに平行に位置決めして前記梁下面に取り付け、
(B)一対の前記ガイドレールに沿って前後方向に移動可能な庇本体を、上面が前記梁下面に近接し、前記ガイドレールに支持させて取り付け、
(C)前記庇本体の庇内端が前記上枠に近接する設置位置まで、前記庇本体を前記ガイドレールに沿って移動させ、
(D)前記設置位置において、固定具により前記庇本体のチリ部上面を前記ガイドレールに分離可能に固定する、玄関庇ユニットの施工方法。 - メンテナンス時において、前記設置位置から、前記庇内端が前記上枠から施工離隔を有するメンテナンス位置まで、前記庇本体を、前記ガイドレールに沿って移動させる、請求項6に記載の玄関庇ユニットの施工方法。
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JP2000087445A (ja) | 1998-09-10 | 2000-03-28 | Sekisui House Ltd | 玄関庇 |
JP2004011122A (ja) | 2002-06-03 | 2004-01-15 | Panahome Corp | 玄関庇ユニットの取付け構造 |
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